特許第6385780号(P6385780)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385780
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】遊技システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
   A63F7/02 334
   A63F7/02 320
   A63F7/02 350Z
【請求項の数】1
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-204013(P2014-204013)
(22)【出願日】2014年10月2日
(65)【公開番号】特開2016-73347(P2016-73347A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2016年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中村 健
(72)【発明者】
【氏名】山下 裕太
(72)【発明者】
【氏名】佐野 賢直
【審査官】 堀 圭史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−110607(JP,A)
【文献】 特開2012−120713(JP,A)
【文献】 特開2013−085749(JP,A)
【文献】 特開2012−157649(JP,A)
【文献】 特開2012−050614(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に関する各種処理を実行し該処理結果に応じて遊技を制御するための制御信号を出力する主制御手段、及び前記主制御手段から入力した制御信号に基づいて各種処理を実行する演出制御手段を備えた遊技機と、外部制御手段を備えた遊技システムにおいて、
前記遊技機は、
遊技機外部の情報端末に入力可能な各種コードを表示させるように表示手段を制御する表示制御手段と、
遊技開始時から遊技終了時までの遊技履歴を記憶する遊技履歴記憶手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記遊技開始時に開始コードを前記表示手段に表示させる一方、前記遊技終了時に終了コードを前記表示手段に表示させ、
前記開始コードは、遊技を開始した遊技機を識別可能とする識別情報として前記遊技機に搭載された前記演出制御手段毎に個別に付された番号を特定可能なコードであり、
前記終了コードは、遊技を終了した遊技機を識別可能とする識別情報として前記遊技機に搭載された前記演出制御手段毎に個別に付された番号を特定可能であるとともに、前記遊技履歴記憶手段に記憶された遊技履歴を特定可能なコードであり、
前記外部制御手段は、
前記情報端末に入力された開始コードにより特定される遊技開始時における識別情報と、前記情報端末に入力された終了コードにより特定される遊技終了時における識別情報及び遊技履歴を受信する受信手段と、
前記受信手段が遊技履歴を受信した場合、当該遊技履歴が正常な遊技に基づくものであるかについて判定を行う判定手段と、
前記受信手段が受信した遊技開始時における識別情報を記憶するとともに、前記判定手段により、受信した遊技履歴が正常な遊技に基づくものであると判定された場合、当該遊技履歴を記憶する外部記憶手段と、を備え、
前記判定手段は、前記外部記憶手段に記憶された遊技開始時における識別情報と、受信した遊技終了時における識別情報が一致する場合には、当該識別情報と共に受信した遊技履歴が正常な遊技に基づくものであると判定し、
前記外部制御手段は、前記外部記憶手段に記憶された前記遊技開始時における識別情報を、前記外部記憶手段に記憶されてから所定時間が経過した場合に消去するとともに、前記受信手段が新たな開始コードにより特定される遊技開始時における識別情報を受信すると、前記外部記憶手段に記憶されている前記遊技開始時における識別情報を該受信した新たな開始コードにより特定される遊技開始時における識別情報に上書きし、該上書きされた新たな開始コードにより特定される遊技開始時における識別情報のみを前記遊技開始時における識別情報として前記外部記憶手段に記憶させることを特徴とする遊技システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機の中には、カメラ付き携帯電話(読取装置)により情報を読み取り可能なQRコード(登録商標)などの二次元コードを表示するものがある(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1の遊技機では、大当り遊技中に特定画像が表示された場合に、読取装置で読み取り可能な情報として、前記特定画像を端末にダウンロードするためのURLを特定したQRコード(登録商標)を表示している。このため、特許文献1の遊技機では、キー操作などにより遊技者が自ら端末にURLを入力する手間を省き、容易に特定画像をダウンロード可能とすることで、大当り遊技に対する遊技者の興趣を向上させている。
【0004】
また、このような遊技機の中には、例えば、特許文献2に記載のように、トータルの遊技回数等の遊技履歴をRAM等に記憶し、このような遊技履歴を含むニ次元コードを遊技者の要求に応じて生成し、画像表示させるものがある。そして、遊技機にて画像表示されたニ次元コードを遊技者が携帯通信端末のカメラで読み取ることで、遊技者の携帯通信端末に遊技履歴が取得されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−22496号公報
【特許文献2】特開2009−195432号公報(段落[0040]〜[0055])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような場合、他人が行った遊技に基づき表示されたコードを自分のものとして読み取る不正が行われる虞があった。例えば、遊技機の移動は営業時間内において原則自由であるため、他人が遊技を行った後の遊技機に着席し、遊技を行わずに他人の遊技履歴を特定可能な二次元コードを表示させ、当該二次元コードを読み取って自分の遊技履歴とするという不正が行われる可能性があった。
【0007】
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、自ら行った遊技に基づくコードであるかを判定できる遊技システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決する遊技システムは、遊技に関する各種処理を実行し該処理結果に応じて遊技を制御するための制御信号を出力する主制御手段、及び前記主制御手段から入力した制御信号に基づいて各種処理を実行する演出制御手段を備えた遊技機と、外部制御手段を備えた遊技システムにおいて、前記遊技機は、遊技機外部の情報端末に入力可能な各種コードを表示させるように表示手段を制御する表示制御手段と、遊技開始時から遊技終了時までの遊技履歴を記憶する遊技履歴記憶手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記遊技開始時に開始コードを前記表示手段に表示させる一方、前記遊技終了時に終了コードを前記表示手段に表示させ、前記開始コードは、遊技を開始した遊技機を識別可能とする識別情報として前記遊技機に搭載された前記演出制御手段毎に個別に付された番号を特定可能なコードであり、前記終了コードは、遊技を終了した遊技機を識別可能とする識別情報として前記遊技機に搭載された前記演出制御手段毎に個別に付された番号を特定可能であるとともに、前記遊技履歴記憶手段に記憶された遊技履歴を特定可能なコードであり、前記外部制御手段は、前記情報端末に入力された開始コードにより特定される遊技開始時における識別情報と、前記情報端末に入力された終了コードにより特定される遊技終了時における識別情報及び遊技履歴を受信する受信手段と、前記受信手段が遊技履歴を受信した場合、当該遊技履歴が正常な遊技に基づくものであるかについて判定を行う判定手段と、前記受信手段が受信した遊技開始時における識別情報を記憶するとともに、前記判定手段により、受信した遊技履歴が正常な遊技に基づくものであると判定された場合、当該遊技履歴を記憶する外部記憶手段と、を備え、前記判定手段は、前記外部記憶手段に記憶された遊技開始時における識別情報と、受信した遊技終了時における識別情報が一致する場合には、当該識別情報と共に受信した遊技履歴が正常な遊技に基づくものであると判定し、前記外部制御手段は、前記外部記憶手段に記憶された前記遊技開始時における識別情報を、前記外部記憶手段に記憶されてから所定時間が経過した場合に消去するとともに、前記受信手段が新たな開始コードにより特定される遊技開始時における識別情報を受信すると、前記外部記憶手段に記憶されている前記遊技開始時における識別情報を該受信した新たな開始コードにより特定される遊技開始時における識別情報に上書きし、該上書きされた新たな開始コードにより特定される遊技開始時における識別情報のみを前記遊技開始時における識別情報として前記外部記憶手段に記憶させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、自ら行った遊技に基づくコードであるかを判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】パチンコ遊技機を示す正面図。
図2】(a)及び(b)は、スペックを示す図。
図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
図4】パチンコ遊技機と携帯端末とサーバーの関係を示す図。
図5】(a)及び(b)は、遊技開始時における演出表示装置の表示内容を示す模式図。
図6】(a)及び(b)は、遊技終了時における演出表示装置の表示内容を示す模式図。
図7】(a)及び(b)は、携帯端末が蓄積された遊技履歴を表示する際の様子を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、遊技機としてのパチンコ遊技機の一実施形態を説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機10には、遊技盤YBが備えられている。パチンコ遊技機10には、発射ハンドルHDが備えられており、発射ハンドルHDが回動動作されることにより、遊技盤YBへ遊技球が発射される。
【0014】
遊技盤YBには、複数の発光部を有する特別図柄表示装置11が配設されている。この特別図柄表示装置11では、複数種類の図柄(特別図柄)を変動させて表示する変動ゲーム(特別図柄変動ゲーム)が行われる。
【0015】
本実施形態において特別図柄表示装置11には、複数種類の特別図柄の中から、当り抽選の抽選結果に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が変動ゲームの終了によって停止表示される。特別図柄には、大当りを認識し得る大当り図柄と、はずれを認識し得るはずれ図柄とに分類される。大当り図柄が停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
【0016】
また、遊技盤YBには、各種画像を表示する表示手段としての演出表示装置13が配設されている。演出表示装置13では、変動ゲームに関連する表示演出が行われる。表示演出として、具体的には、複数種類の飾り図柄を複数列で変動させる飾り図柄変動ゲームが行われる。
【0017】
演出表示装置13には、各列毎に複数種類の飾り図柄が変動表示及び停止表示可能に構成されている。そして、演出表示装置13は、特別図柄表示装置11に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾り図柄は特別図柄に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、演出表示装置13に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。演出表示装置13に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせから大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが停止表示されると、遊技者には、変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置13に停止表示された全列の図柄が同一種類でない場合には、その図柄組み合わせからはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。
【0018】
また、演出表示装置13には、特別図柄表示装置11の表示結果に応じた図柄組み合わせが停止表示される。より詳しくは、特別図柄表示装置11に停止表示される特別図柄と、演出表示装置13に停止表示される飾り図柄による図柄組み合わせが対応する。例えば、特別図柄表示装置11に大当り図柄が停止表示される場合には、演出表示装置13にも大当りの図柄組み合わせが停止表示される。また、特別図柄表示装置11にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出表示装置13にもはずれの図柄組み合わせが停止表示される。なお、特別図柄に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせの中から1つの飾り図柄による図柄組み合わせが選択される。
【0019】
図1に示すように、演出表示装置13の下方には、常時遊技球が入球可能な始動入賞口14を備えた始動入賞装置15が配設されている。また、始動入賞装置15には、始動入賞口14へ入球した遊技球を検知する始動センサSE1(図3参照)が設けられている。始動センサSE1が始動入賞口14に入球した遊技球を検知することを契機に、変動ゲームの始動条件が成立し得る。また、始動センサSE1が始動入賞口14に入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が成立する。
【0020】
また、演出表示装置13の右下方(始動入賞口14の右方)には、遊技球が入球可能な大入賞口19を備えた大入賞装置20が備えられている。また、大入賞装置20には、大入賞口19へ入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3(図3参照)が配設されている。カウントセンサSE3が大入賞口19に入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が成立する。
【0021】
また、大入賞装置20には、ソレノイドやモータなどのアクチュエータACT1の作動により開閉動作を行う大入賞口扉21が備えられている。大入賞口19は、常には大入賞口扉21が閉状態とされて閉鎖されている。そして、大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じて大入賞口扉21が開状態となり、大入賞口19が開放され、その開放により遊技球の入球が許容される。このため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が停止表示されることを契機に付与される。
【0022】
次に、本実施形態における大当り遊技について、説明する。
大当り遊技は、変動ゲームにて大当り図柄が停止表示されて該ゲームが終了した後、開始される。大当り遊技が開始すると、オープニング時間が設定される。そして、このオープニング時間において、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。また、オープニング時間が終了すると、大入賞口19が開放されるラウンド遊技が、予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技中に大入賞口19は、入球上限個数の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、すべてのラウンド遊技が終了すると、エンディング時間が設定される。また、このエンディング時間において、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われる。また、エンディング時間が終了すると、大当り遊技は終了される。
【0023】
また、図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10の前面側には、遊技者が操作可能な操作手段としての押し釦式の操作ボタンBTが設けられている。この操作ボタンBTが押下操作(操作)されると、操作ボタンBTは、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に操作ボタンBTが操作されたことを示すボタン検知信号を出力する。そして、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)には、操作ボタンBTが接続されており、操作ボタンBTから操作ボタンBTが操作されたことを示すボタン検知信号が入力されるようになっている。
【0024】
ここで、大当り抽選の当選確率や大当り遊技の内容などの所謂、パチンコ遊技機のスペックについて説明する。
図2に、スペックを示す。なお、図2(a)において、「大当り確率」は、通常状態における大当り判定(抽選)の当選確率を示す。また、「始動センサ検知時」は、始動センサSE1が遊技球を検知したときにおける払出し賞球数を示し、「カウントセンサ検知時」は、カウントセンサSE3が遊技球を検知したときにおける払出し賞球数を示す。また、「大当り遊技における入球上限個数」は、大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数を示す。
【0025】
また、図2(b)は、大当り遊技の種類とその内容を示す。図2(b)において、「大当り図柄(大当り遊技の種類)」は、大当り図柄(特別図柄)及び大当り遊技の種類(分類)を示し、「割合」は、大当り判定に当選したときにおける大当り遊技の割合を示す。また、「規定R数」は、規定ラウンド数を示す。「OP」は、オープニング時間を示し、「ED」は、エンディング時間を示す。また、「大入賞口の開閉態様」は、1回のラウンド遊技において大入賞口19が開放される時間を示す。
【0026】
次に、図3に基づき、パチンコ遊技機の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機の機裏側には、主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機に関する各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30から入力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置13の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)の決定に関する処理などを実行し、処理結果に応じて表示内容を制御する。
【0027】
以下、主制御基板30及び演出制御基板31について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、主制御用CPU30aが備えられている。該主制御用CPU30aには、主制御用ROM30b及び主制御用RAM30cが接続されている。主制御用CPU30aには、始動センサSE1と、カウントセンサSE3が接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置11が接続されている。また、主制御用CPU30aには、アクチュエータACT1が接続されている。
【0028】
また、主制御用ROM30bには、パチンコ遊技機10に関する各種処理を実行するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動表示を開始(変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出等)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、少なくとも、特別図柄が変動表示開始してから特別図柄が停止表示されるまでの演出時間(変動時間)を特定することができる。本実施形態における変動パターンでは、特別図柄が変動表示開始してから特別図柄が停止表示されるまでの間の変動ゲームの演出内容(大当りの有無など)も特定することができる。
【0029】
変動パターンには、大当り演出を特定する大当り変動パターンがある。また、変動パターンには、はずれ演出を特定するはずれ変動パターンがある。なお、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンには、それぞれ複数種類の変動パターンが用意されている。
【0030】
大当り演出は、変動ゲームが、最終的に大当りの図柄組み合わせを停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、変動ゲームが、最終的にはずれの図柄組み合わせを停止表示させるように展開される演出である。
【0031】
また、主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り抽選で用いられる大当り判定値が記憶されている。
主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。
【0032】
また、主制御基板30内では、当り判定用乱数や、特別図柄振分用乱数、変動パターン振分用乱数として使用される各種乱数が生成される。因みに、当り判定用乱数は、大当り抽選に用いる乱数である。特別図柄振分用乱数は、特別図柄(大当りの種類)を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数の取り得る値は、はずれ変動パターン及び大当り変動パターンの分類毎に、振り分けを異ならせている。なお、各種乱数として使用される乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
【0033】
次に、図3に基づき演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、演出制御用CPU31aが備えられている。該演出制御用CPU31aには、演出制御用ROM31b及び演出制御用RAM31cが接続されている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。また、演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、演出制御用CPU31aには、操作ボタンBTが接続されており、操作ボタンBTからのボタン検知信号を入力可能に構成されている。
【0034】
また、演出制御用ROM31bには、遊技演出を実行させるための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置13が接続されており、各種制御コマンドを入力すると、演出制御プログラムに基づき、演出表示装置13の表示内容を制御する。
【0035】
次に、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。最初に、特別図柄入力処理を説明する。特別図柄入力処理は、主制御用CPU30aにより所定周期毎に実行されるようになっている。
【0036】
まず、主制御用CPU30aは、始動入賞口14に遊技球が入球したか否かを判定する保留判定を実行する。すなわち、主制御用CPU30aは、保留判定において、始動センサSE1が遊技球を検知した時に出力する検知信号を入力したか否かを判定する。保留判定の判定結果が肯定の場合(入球した場合)、主制御用CPU30aは、変動ゲームに係わる各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に取得した乱数値を記憶する。その際、変動ゲームに係わる乱数値の取得順序が認識できるように記憶する。そして、特別図柄入力処理を終了する。なお、保留判定の判定結果が否定の場合(始動入賞口14に入球しなかった場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0037】
次に、特別図柄開始処理について説明する。主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を所定周期毎に実行するようになっている。
主制御用CPU30aは、大当り遊技中又は図柄変動ゲーム中でない場合、変動ゲームに係わる(変動ゲームに利用される)乱数値のうち、取得順序に従って変動ゲームに係わる乱数値(当り判定用乱数、変動パターン振分用乱数、及び特別図柄振分用乱数の値)を取得する。具体的には、変動ゲームに係わる乱数値であって、まだ変動ゲームを実行させるために利用されていない乱数値のうち、最も早く取得された乱数値を取得する。
【0038】
主制御用CPU30aは、取得した当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。
大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU30aは、取得した特別図柄振分用乱数の値に基づき、大当り遊技の種類を決定すると共に、特別図柄による大当り図柄の中から特別図柄表示装置11にて停止表示される最終停止図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数に基づき、大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。
【0039】
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。
【0040】
具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。変動パターン指定コマンドを出力する同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄を変動開始させるように特別図柄表示装置11の表示内容を制御する。また、同時に、主制御用CPU30aは、変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、主制御用CPU30aは、最終停止図柄の種類を指定するための特別図柄指定コマンドを出力する。なお、最終停止図柄が大当り図柄である場合には、大当り遊技の種類を特定することができるため、特別図柄指定コマンドは、大当り遊技の種類を指定するための当り種別指定コマンドでもある。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0041】
その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間(変動時間)に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特別図柄表示装置11の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾り図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0042】
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を特別図柄表示装置11にて停止表示される最終停止図柄として決定する。次に、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
【0043】
そして、変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、前述(大当りの場合)同様、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0044】
そして、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力し、大当り遊技に関する制御を実行する。
【0045】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。主制御用CPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、演出制御用CPU31aは、それに応じて各種処理を実行する。
【0046】
例えば、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づき、演出表示装置13に停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。
【0047】
すなわち、演出制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄が大当り図柄である場合には、大当りの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれの図柄組み合わせを決定する。
【0048】
そして、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、変動ゲームを実行させるように演出表示装置13を制御する。その後、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、変動ゲームを終了させると共に、決定した図柄組み合わせを表示させる。
【0049】
また、本実施形態の演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに、遊技開始から遊技終了までの遊技期間における遊技履歴を記憶するように構成されている。本実施形態において遊技履歴には、遊技期間中に付与された大当りの合計回数(以下、大当り回数と示す)、及び遊技期間中に実行された変動ゲームの回数(以下、変動ゲーム回数と示す)が含まれている。従って、演出制御用RAM31cが、遊技開始時から遊技終了時までの遊技履歴を記憶する遊技履歴記憶手段となる。
【0050】
そして、本実施形態の演出制御用CPU31aは、その遊技履歴に基づき、情報端末としての携帯端末CMに認証させて遊技履歴を取得させるためのコード(終了コードNC2)を生成し、表示させるようになっている。従って、本実施形態において、演出制御用CPU31aは、パチンコ遊技機10外部の携帯端末CMに入力可能なコードを表示させるように演出表示装置13を制御する表示制御手段となる。
【0051】
そして、図4に示すように、携帯端末CMが、演出表示装置13に表示されたコード(終了コードNC2)を読み取ることにより、遊技履歴を取得することができるように構成されている。また、携帯端末CMは、インターネットなどのネットワークを介してサーバーSVと接続可能に構成されている。サーバーSVは、携帯端末CMから遊技履歴を受信し、遊技履歴を記憶することが可能に構成されている。本実施形態では、パチンコ遊技機10とサーバーSVにより遊技システムを構成する。以下、詳しく説明する。
【0052】
まず、遊技開始における開始コードNC1を表示させ、遊技履歴の記憶を開始させるためにパチンコ遊技機10が行う処理について説明する。
図5(a)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動ゲーム又は大当り遊技が終了し、実行が保留されている変動ゲームが存在しないとき、操作ボタンBTが操作されると、演出表示装置13にメニュー画面100を表示させるようになっている。メニュー画面100には、遊技者が操作ボタンBTを操作することにより、選択可能な複数の項目が表示されるようになっている。この項目の中には、遊技の開始を指示する項目101や、遊技の終了を指示する項目102、遊技期間中の遊技履歴の表示を指示する項目103などが存在する。
【0053】
そして、図5(b)に示すように、遊技者により操作ボタンBTが操作されて、メニュー画面100において遊技の開始を指示する項目101が選択されると、演出制御用CPU31aは、遊技の終了時において特定のパチンコ遊技機10にて遊技が開始されたことを識別可能とするための識別情報を特定可能な開始コードNC1を表示させる。本実施形態において識別情報は、演出制御用CPU31a毎に個別に付された製造番号となっており、開始コードNC1は、当該製造番号を特定可能なコードとなっている。
【0054】
開始コードNC1は、所定の規格に従って情報をコード化(記録)された多次元コード(本実施形態では、二次元コード)のことである。コード化される情報は、識別情報に加えサーバーSVのURL(uniform resource locator)、すなわちインターネット上のアドレスとなっている。
【0055】
開始コードNC1を表示させると共に、演出制御用CPU31aは、遊技期間を開始し、遊技履歴を記憶し始める。すなわち、遊技期間中、大当り遊技が付与されると、演出制御用CPU31aは、大当り回数に1加算して遊技履歴を更新する。また、遊技期間中、変動ゲームが実行されると、演出制御用CPU31aは、変動ゲーム回数に1加算して遊技履歴を更新する。以降、同様にして、演出制御用CPU31aは、後述する遊技期間の終了まで、遊技履歴を記憶し続ける。
【0056】
次に、遊技履歴の記憶を終了させ、遊技終了における終了コードNC2を表示させるためにパチンコ遊技機10が行う処理について説明する。
遊技期間の開始後、遊技が終了される場合について説明する。
【0057】
図6(a)に示すように、前述同様、変動ゲーム又は大当り遊技が終了し、実行が保留されている変動ゲームが存在しないときに、演出表示装置13にメニュー画面100が表示される。
【0058】
図6(b)に示すように、メニュー画面100において、遊技者により操作ボタンBTが操作されて、遊技の終了を指示する項目102が選択されると、演出制御用CPU31aは、遊技期間を終了させ、遊技終了時において、識別情報及び演出制御用RAM31cに記憶された遊技履歴を特定可能な終了コードNC2を演出表示装置13に表示させる。すなわち、演出制御用CPU31aは、演出制御用CPU31aの製造番号を特定可能な識別情報と、演出制御用RAM31cに記憶された遊技履歴を特定可能な終了コードNC2を生成し、表示させる。
【0059】
終了コードNC2は、所定の規格に従って情報をコード化(記録)された多次元コード(本実施形態では、二次元コード)のことである。コード化される情報は、識別情報、遊技履歴に関する情報に加え、サーバーSVのURLを指定するアドレスとなっている。
【0060】
以上のように、本実施形態の演出制御用CPU31aは、遊技開始時において、特定のパチンコ遊技機10にて遊技が開始されたことを識別可能とするための識別情報を特定可能な開始コードNC1を演出表示装置13に表示させる一方、遊技終了時において、識別情報及び演出制御用RAM31cに記憶された遊技履歴を特定可能な終了コードNC2を演出表示装置13に表示させるといえる。
【0061】
次に、携帯端末CM、及び携帯端末CMによる読取処理及び送信処理について説明する。
本実施形態における携帯端末CMは、パチンコ遊技機10を撮影可能なカメラ機能付き携帯電話(スマートフォン)や、カメラ機能を有した携帯情報端末(モバイルコンピュータ、タブレット型端末)等の端末のことである。そして、携帯端末CMには、カメラと、カメラで撮影した撮影画像や送受信する情報を表示する表示画面CHが備えられている。また、携帯端末CMは、サーバーSVと情報を送受信する通信機能が備えられている。
【0062】
また、携帯端末CMには、撮影された二次元コードNC(開始コードNC1及び終了コードNC2)を読み取り、サーバーSVとの間で情報を送受信するためのアプリケーションソフトウェア(以下、アプリと示す)が記憶されている。このアプリに基づき、携帯端末CMは、読み取り及び送受信に関する各種動作を行うことが可能となっている。なお、このアプリは、サーバーSVなどからダウンロード可能に構成されている。
【0063】
次に、開始コードNC1の読取処理及び送信処理について説明する。
開始コードNC1が表示された際、携帯端末CMのカメラにより、演出表示装置13に表示された表示画像が撮影されると、アプリに基づき、携帯端末CMは、撮影された表示画像に存在する開始コードNC1を読み取る(入力する)。この開始コードNC1を読み取ると、携帯端末CMは、アプリの機能に基づき、開始コードNC1により特定されるサーバーSVを指定するURLを表示する。このように表示されるURLが携帯端末CMへの操作により指定(選択)されることで、インターネットを介して携帯端末CMは該URLに対するサーバーSVに接続(アクセス)することができる。
【0064】
このサーバーSVの接続に合わせて携帯端末CMは、アプリの機能に基づき、遊技者を特定するための遊技者情報と共に、開始コードNC1により特定される識別情報をサーバーSVに対して送信する。遊技者を特定するための遊技者情報は、アプリのダウンロード時などにおいて予め登録されるようになっており、例えば、遊技者の名前などのことである。
【0065】
次に、終了コードNC2の読取処理及び送信処理について説明する。
終了コードNC2が表示された際、携帯端末CMのカメラにより、演出表示装置13に表示された表示画像が撮影されると、アプリに基づき、携帯端末CMは、撮影された表示画像に存在する終了コードNC2を読み取る(入力する)。この終了コードNC2を読み取ると、携帯端末CMは、アプリの機能に基づき、終了コードNC2により特定されるサーバーSVを指定するURLを表示する。このように表示されるURLが携帯端末CMへの操作により指定(選択)されることで、インターネットを介して携帯端末CMは該URLに対するサーバーSVに接続(アクセス)することができる。
【0066】
このサーバーSVの接続に合わせて携帯端末CMは、アプリの機能に基づき、遊技者を特定するための遊技者情報と、終了コードNC2により特定される識別情報と、終了コードNC2により特定される遊技履歴に関する情報をサーバーSVに対して送信する。
【0067】
次に、外部制御手段としてのサーバーSVについて説明する。
サーバーSVは、携帯端末CMとの間でネットワークを介して情報の送受信を行う通信機能を有し、各種処理を実行するサーバーコンピュータSVCを有している。また、サーバーSVは、識別情報や遊技履歴を記憶するサーバーメモリSVMを有している。
【0068】
次に、開始コードNC1により特定される識別情報を記憶するための処理について説明する。
サーバーコンピュータSVCは、携帯端末CMが送信した遊技者情報と、開始コードNC1により特定される識別情報を受信すると、該識別情報を、遊技者情報に対応付けられたサーバーメモリSVMの個別領域に記憶する。なお、開始コードNC1により特定される識別情報は、新たな開始コードNC1により特定される識別情報を受信した場合には、上書きされるようになっている。また、開始コードNC1により特定される識別情報が記憶されてから所定時間が経過した場合(例えば1日経過したとき)には、消去されるようになっている。
【0069】
次に、終了コードNC2により特定される遊技履歴を記憶するための処理について説明する。
サーバーコンピュータSVCは、携帯端末CMが送信した遊技者情報と、終了コードNC2により特定される識別情報と、遊技履歴に関する情報を受信すると、当該遊技履歴が、正常な遊技に基づくものであるかについて判定する。具体的には、サーバーコンピュータSVCは、受信した遊技者情報に対応付けられたサーバーメモリSVMの個別領域から、開始コードNC1により特定される識別情報を読み出す。そして、サーバーSVは、終了コードNC2により特定される識別情報と、開始コードNC1により特定される識別情報が一致するものであるかについて判定する。
【0070】
一致しない場合、演出制御用CPU31aは、正常な遊技に基づくものでないと判定し、遊技履歴を記憶しない。すなわち、台を移動して途中から遊技を行ったような場合や他人の遊技履歴を取得したような場合には、開始時における遊技機特有の識別情報を取得することができないため、正常な遊技に基づくものでないと考えられるからである。従って、開始コードNC1により特定される識別情報と終了コードNC2により特定される識別情報を比較することにより、遊技者自らが行った遊技に基づく遊技履歴でないことを判断することができる。
【0071】
なお、開始コードNC1により特定される識別情報が、受信した遊技者情報に対応付けられたサーバーメモリSVMの個別領域に記憶されていない場合にも、正常な遊技に基づくものでないと判定される。
【0072】
一方、一致する場合、サーバーSVは、該遊技履歴に関する情報を、遊技者情報に対応付けられたサーバーメモリSVMの個別領域に記憶する。この個別領域では、既に記憶されていた遊技履歴に、携帯端末CMから受信した遊技履歴を反映させ、最新の状態の遊技履歴として記憶される。すなわち、遊技履歴が蓄積されるようになっている。例えば、サーバーメモリSVMに記憶されている大当り回数に、受信した大当り回数を加算して、最新の大当り回数として記憶する。同様に、サーバーメモリSVMに記憶されている変動ゲーム回数に、受信した変動ゲーム回数を加算して、最新の変動ゲーム回数として記憶する。
【0073】
なお、終了コードNC2を受信した場合、サーバーコンピュータSVCは、遊技者情報に対応付けられたサーバーメモリSVMの個別領域に記憶されている開始コードNC1により特定される識別情報を読み出した後(つまり、判定した後)、消去するようになっている。
【0074】
以上ように、サーバーコンピュータSVCが、情報端末としての携帯端末CMに入力された開始コードNC1により特定される開始時における識別情報と、携帯端末CMに入力された終了コードNC2により特定される終了時における識別情報及び遊技履歴を受信する受信手段となる。サーバーコンピュータSVCは、遊技履歴を受信した場合、当該遊技履歴が正常な遊技に基づくものであるかについて判定を行う判定手段となる。また、サーバーメモリSVMは、サーバーコンピュータSVCにより、受信した遊技履歴が正常な遊技に基づくものであると判定された場合、当該遊技履歴を記憶する外部記憶手段となる。また、サーバーコンピュータSVCは、受信した開始時における識別情報と、受信した終了時における識別情報が一致する場合には、当該識別情報と共に受信した遊技履歴が正常な遊技に基づくものであると判定するといえる。
【0075】
次に、サーバーSVから携帯端末CMが遊技履歴を受信するための処理について説明する。
また、携帯端末CMは、アプリの機能に基づき、サーバーSVにアクセスして、蓄積されている遊技履歴を取得可能に構成されている。
【0076】
具体的には、図7(a)に示すように、携帯端末CMは、遊技者により所定の操作が行われると、アプリの機能に基づき、表示画面CHにメニュー画面200が表示される。このメニュー画面200には、遊技者が所定の操作を行うことにより、選択可能な複数の項目が表示されるようになっている。この項目の中には、サーバーSVから蓄積されている遊技履歴の取得を指示する項目201や、遊技者情報を設定登録するための項目202などが存在する。
【0077】
そして、遊技者により所定の操作が行われて、サーバーSVから蓄積されている遊技履歴の取得を指示する項目201が選択されると、携帯端末CMは、アプリの機能に基づき、遊技者情報を送信すると共に、サーバーSVにアクセスし、遊技者情報に対応付けられた個別領域に蓄積されている遊技履歴の受信要求を行うことができる。サーバーSVは、遊技履歴の受信要求を受け取ると、受信した遊技者情報に対応付けられた個別領域に蓄積されている遊技履歴を送信する。
【0078】
図7(b)に示すように、携帯端末CMは、当該遊技履歴を受信し、受信した遊技履歴を表示画面CHに表示させる。これにより、遊技者は、携帯端末CMにおいて、蓄積された遊技履歴を見ることができる。
【0079】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)遊技開始時において、開始時における識別情報を特定する開始コードNC1を表示させる。そして、サーバーSVは、携帯端末CMを介して、開始コードNC1により特定される識別情報を受信し、遊技者情報に対応付けて記憶する。また、遊技終了時において、終了時における識別情報を特定する終了コードNC2を表示させる。そして、サーバーSVは、携帯端末CMを介して、終了コードNC2により特定される識別情報を受信する。そして、サーバーSVは、開始コードNC1により特定される開始時における識別情報と、終了コードNC2により特定される終了時における識別情報が一致する場合には、当該終了コードNC2により特定される遊技履歴は、正常な遊技に基づくものであると判定する。これにより、台を移動して途中から遊技を行ったような場合や他人の遊技履歴を取得したような場合には、開始時における識別情報を取得することができないため、正常な遊技に基づくものでないと判定することができる。すなわち、自らが行った遊技に基づく遊技履歴でないことを判断することができる。従って、このような遊技履歴を排除した遊技履歴を記憶することにより、正常な遊技に基づく遊技履歴を記憶することができる。
【0080】
(2)開始コードNC1により特定される開始時における識別情報と、終了コードNC2により特定される終了時における識別情報を比較することにより、遊技履歴が正常な遊技に基づくものであるかについて判定可能とするために、演出制御用CPU31aは、遊技開始時に、識別情報を特定可能な開始コードNC1を表示させ、遊技終了時に、識別情報及び遊技履歴を特定可能な終了コードNC2を表示させた。これにより、台を移動して途中から遊技を行ったような場合や他人の遊技履歴を取得したような場合には、開始時における識別情報を取得することができないため、正常な遊技に基づくものでないと判定することができる。すなわち、自らが行った遊技に基づく遊技履歴でないことを判断することができる。従って、このような遊技履歴を排除した遊技履歴を記憶することにより、正常な遊技に基づく遊技履歴を記憶することができる。
【0081】
(3)サーバーSVは、開始コードNC1により特定される開始時における識別情報と、終了コードNC2により特定される終了時における識別情報が一致する場合には、当該終了コードNC2により特定される遊技履歴は、正常な遊技に基づくものであると判定する。これにより、台を移動して途中から遊技を行ったような場合や他人の遊技履歴を取得したような場合には、開始時における識別情報を取得することができないため、正常な遊技に基づくものでないと判定することができる。すなわち、自らが行った遊技に基づく遊技履歴でないことを判断することができる。従って、このような遊技履歴を排除した遊技履歴を記憶することにより、正常な遊技に基づく遊技履歴を記憶することができる。
【0082】
(4)特定のパチンコ遊技機10にて遊技が開始されたことを識別可能とするための識別情報を、演出制御用CPU31a毎に個別に設定された製造番号とした。このため、識別情報を遊技者が選択したり、記憶する必要がないので、遊技者の負担を少なくすることができる。また、識別情報は、演出制御用CPU31a毎に個別に設定された製造番号を利用するため、演出制御用CPU31aは、例えば、識別情報の設定や、記憶を必要とせず、制御負担を少なくすることができる。
【0083】
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、遊技履歴に含まれる情報の内容及び種類は任意に変更しても良い。例えば、リーチ演出の回数や種類、実行された遊技演出の種類やその内容、表示されたキャラクタの種類、実行された大当りラウンド数、大当り確率が通常状態から高確率に変更される確変状態が付与された確変割合、通常確率において大当り遊技が付与されるまでに実行されたゲーム数(初当りまでの回数)が含まれてもよい。また、遊技履歴には、獲得した賞球数、遊技時間、確変状態が継続した変動ゲーム回数、特別な演出(スーパーリーチやプレミアム演出など)の実行回数、時間当りの獲得賞球数又は大当り回数などが含まれても良い。また、時間当りの変動ゲーム回数や、打ち出し個数(発射個数)に対する変動ゲーム回数などでもよい。
【0084】
・上記実施形態において、開始コードNC1及び終了コードNC2は、変動ゲーム及び大当り遊技が行われていないときであって、保留されている変動ゲームが存在していないときに表示されていたが、表示されるタイミングは任意に変更しても良い。例えば、デモ演出中であってもよく、変動ゲーム中又は大当り遊技中であってもよい。
【0085】
・上記実施形態においては、開始コードNC1及び終了コードNC2は、四角形状に形成されたが、形状は任意に変更しても良い。例えば、丸形であってもよい。
・上記実施形態においては、携帯端末CMは、蓄積された遊技履歴を表示させるだけであったが、遊技履歴に応じた演出、又は特典画像の表示を実行可能としても良い。
【0086】
・上記実施形態において、遊技履歴は、演出制御用RAM31cに記憶されていたが、主制御用RAM30cに記憶されていても良い。この場合、遊技履歴に関する情報に対応して終了コードNC2を表示させる場合には、主制御用CPU30aが生成して表示させるか、或いは、遊技履歴に関する情報を主制御基板30から演出制御基板31に出力して、演出制御用CPU31aが終了コードNC2を生成して表示させるようにしても良い。なお、開始コードNC1も主制御用CPU30aが生成し、表示させるようにしてもよい。
【0087】
・上記実施形態において、演出制御用CPU31a(演出制御基板31)が、演出表示装置13の表示内容を制御する表示制御手段となったが、演出制御用CPU31a(演出制御基板31)以外に表示制御手段を設けても良い。例えば、演出表示装置13を制御するためだけの表示制御基板を演出制御基板31とは別に設けて、表示制御基板(表示制御用CPU)が表示制御手段となっても良い。
【0088】
・上記実施形態において、パチンコ遊技機10に記憶されている遊技履歴は、変動ゲーム及び大当り遊技が終了し、保留されている変動ゲームが存在しなくなってから、所定時間が経過した後、消去されるようにしてもよい。
【0089】
・上記実施形態では、開始コード及び終了コードとして、二次元コードを採用したが、コードの種類は、任意に変更しても良い。また、携帯端末CMに入力可能であれば、コードの種類を任意に変更しても良い。例えば、文字列又は数字列からなるパスワード形式にて、開始コード及び終了コードを生成し、表示しても良い。
【0090】
・上記実施形態において、識別情報は、開始時の識別情報と終了時の識別情報を比較することで、特定のパチンコ遊技機10にて遊技が実行されたことを識別可能とすることができるようになるのであれば、任意に変更しても良い。例えば、演出制御用RAM31cの製造番号や、他の部材に関する製造番号を識別情報としてもよい。また、遊技開始時における開始時刻を識別情報としても良い。この場合、当該開始時刻を遊技終了時まで記憶し、遊技終了時に識別情報として送信することとなる。また、例えば、遊技開始時において乱数抽選により決定した乱数値を識別情報としても良い。この場合、当該乱数値を遊技終了時まで記憶し、遊技終了時に識別情報として送信することとなる。また、これらを組み合わせ、遊技開始時にランダムに識別情報の種類を変更しても良い。この場合、遊技開始時に決定した識別情報を遊技終了時まで記憶し、遊技終了時に送信することとなる。
【0091】
・上記実施形態では、パチンコ遊技機に採用したが、スロットマシン(回胴式遊技機、以下、スロット)にて実現させても良い。なお、スロットは、遊技者が開始操作手段(スタートレバー)の操作を行うことを契機に、図柄が配列された複数の回動体(リール)が変動開始すると共に、変動ゲームの当否に関連した当否判定を行うものである。そして、スロットでは、リールの回転後、各リールに対応して設けられた停止操作手段(ストップボタン)の操作を契機に、当否判定に基づく図柄停止処理が実行され、停止した図柄の組み合わせにより遊技価値(賞メダルなど)が付与されるものである。
【0092】
また、スロットに採用した場合、演出表示装置において必ずしも、飾り図柄変動ゲームを実行させる必要はなく、当否判定の結果を示唆する演出ゲームなどの演出表示を行っていればよい。なお、スロットにおいて、大当り遊技に対応する特定状態とは、例えば、所定の当否判定の結果(所定の成立役)が成立しやすくなる状態(所謂、リプレイタイムなど)や、所定の図柄組み合わせ(遊技価値を付与する所定の組み合わせ)を停止させやすくする状態(所謂、アシストタイムなど)のことである。
【0093】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)上記識別情報は、遊技機の制御手段又は記憶手段毎に定められる製造番号であるようにしてもよい。
【0094】
(ロ)上記識別情報は、遊技開始時に取得された時間情報又は乱数情報であるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0095】
ACT1…大入賞口ソレノイドのアクチュエータ、CM…携帯端末、SE1…始動センサ、SE3…カウントセンサ、SV…サーバー、SVM…サーバーメモリ、NC…二次元コード、YB…遊技盤、10…パチンコ遊技機、11…特別図柄表示装置、13…演出表示装置、14…始動入賞口、15…始動入賞装置、19…大入賞口、20…大入賞装置、21…大入賞口扉、30…主制御基板、30a…主制御用CPU、30b…主制御用ROM、30c…主制御用RAM、31…演出制御基板、31a…演出制御用CPU、31b…演出制御用ROM、31c…演出制御用RAM、100…演出表示装置のメニュー画面、101〜103…項目、200…携帯端末のメニュー画面、201,202…項目。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7