(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
まず、
図1〜
図3を用いて、本発明の実施の形態に係る飲料供給装置100の構成の一例について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る飲料供給装置100の正面図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る飲料供給装置100の前面扉を開いたときの内部を示す正面図である。
図3は、本発明の実施の形態に係る飲料供給装置100の外部構成を示す図である。
【0014】
図1に示すように、飲料供給装置100は、開閉可能な前面扉1にタッチパネル2を備える。タッチパネル2は、飲料供給装置100の利用者に対して飲料の選択肢を表示するとともに、利用者による飲料の選択操作を受け付ける操作受付部である。
【0015】
具体的には、タッチパネル2は、炭酸水により希釈されて主飲料を構成するメインシロップの選択肢、および、主飲料にフレーバとして添加されるトッピングシロップの選択肢を表示し、メインシロップ、および、トッピングシロップを選択する操作を利用者から受け付ける。
【0016】
また、
図1に示すように、タッチパネル2の下方には、物理ボタン3a〜3cが備えられている。物理ボタン3a〜3cは、利用者から飲料の吐出を指示する操作を受け付ける。また、物理ボタン3a〜3cの下方には、それぞれ、利用者が容器(グラス、カップ等)を載置する容器置き場4a〜4cが備えられている。
【0017】
物理ボタン3aは、容器置き場4aに対応しており、かつ、
図2に示す希釈水ノズル5aおよびシロップノズル40に対応している。また、物理ボタン3bは、容器置き場4bに対応しており、かつ、
図2に示すノズル5bに対応している。また、物理ボタン3cは容器置き場4cに対応しており、かつ、
図2に示す希釈水ノズル5c、シロップノズル41、および炭酸水ノズル42に対応している。
【0018】
利用者は、タッチパネル2において飲料の選択操作を行った後、容器置き場4a〜4cのいずれかに容器を置き、物理ボタン3a〜3cのいずれかを押下する。
【0019】
例えば、物理ボタン3aが押下された場合、
図2に示すバックインボックス(以下、BIBという)6内のシロップがBIB用チューブポンプ26を介してシロップノズル40から吐出され、吐出流となる。このシロップの吐出流は、希釈水ノズル5aから吐出される希釈水の吐出流と衝突して混合される。これにより、飲料が製造される。このようにして製造された飲料は、容器置き場4aに置かれた容器に供給される。
【0020】
また、例えば、物理ボタン3bが押下された場合、ノズル5bにおいて、シロップと、希釈水および/または炭酸水とが混合され、飲料が製造される。このようにして製造された飲料は、ノズル5bから吐出され、容器置き場4bに置かれた容器に供給される。
【0021】
また、例えば、物理ボタン3cが押下された場合、
図2に示すBIB7内のシロップがBIB用チューブポンプ27を介してシロップノズル41から吐出され、吐出流となる。このシロップの吐出流は、希釈水ノズル5cから吐出される希釈水の吐出流および/または炭酸水ノズル42から吐出される炭酸水の吐出流と衝突して混合される。これにより、飲料が製造される。このようにして製造された飲料は、容器置き場4cに置かれた容器に供給される。
【0022】
なお、上述した各飲料は、物理ボタン3a〜3cが押下されている間、容器に供給される。
【0023】
また、上述した炭酸水ノズル42は、BIB6側に備えられてもよく、BIB6側、および、BIB7側の両方に備えられていてもよい。
【0024】
また、上述したBIB6、7は、冷蔵エリアに備えられる。このBIB6、7には、冷蔵保存が必要なシロップが蓄えられる。また、冷蔵保存の必要のないシロップは、後に
図3を用いて説明するシロップタンク10に格納される。
【0025】
ここで、本実施の形態でいうシロップとは、糖分を含む濃縮液だけでなく、糖分を含まない濃縮液(例えば、緑茶、紅茶などの原液)も含むものとする。
【0026】
また、上述したノズル5bは、水または炭酸水と、メインシロップとを所定の割合で混合して主飲料を製造するとともに、希釈しない状態のトッピングシロップを主飲料に混合して飲料(以下、フレーバ添加飲料という)を製造する混合部である。ノズル5bで製造されたフレーバ添加飲料は、容器置き場4bに載置された容器にノズル5bから吐出される。
【0027】
このように、メインシロップとトッピングシロップとの2種類を混同することにより、利用者に提供する飲料の味の選択肢を大幅に増やすことができる。トッピングシロップとしては、メインシロップと同様のシロップ、すなわち希釈率が1:3から1:10の一般のシロップが用いられる。一般のシロップとは、トッピング専用のシロップ(希釈率が1:120から1:180)ではなく、単独で希釈してもそのまま利用者が飲むことができるシロップのことである。
【0028】
ここで、メインシロップおよびトッピングシロップは、次に説明する
図3に示されたシロップタンク10に格納されている。なお、ノズル5bは、上記フレーバ添加飲料を吐出する以外にも、水のみ、または、炭酸水のみの吐出も行う。
【0029】
また、
図3に示すように、飲料供給装置100には、浄化フィルタ8、炭酸ガスボンベ9、複数のシロップタンク10が備えられる。
【0030】
浄化フィルタ8は、ブレードチューブ11から供給される水道水を浄化し、浄化した水を、ブレードチューブ12を介して飲料供給装置100の内部に供給する。ブレードチューブ12は、例えば、飲料供給装置100の内部に設けられたカーボネータ(図示略)、希釈水ノズル5a、5c、ノズル5bに接続される。
【0031】
炭酸ガスボンベ9は、炭酸ガスを蓄えている。この炭酸ガスは、ガスレギュレータ13に設定された所定の圧力(例えば、0.6MPa)で、ブレードチューブ14を介してカーボネータに供給される。また、この炭酸ガスは、ガスレギュレータ13に設定された所定の圧力(例えば、0.2MPa)で、ブレードチューブ15を介して各シロップタンク10に供給される。
【0032】
複数のシロップタンク10は、それぞれ異なるシロップを蓄えている。これらのシロップは、上述したとおり、メインシロップまたはトッピングシロップとして用いられるものである。これらのシロップは、炭酸ガスボンベ9から供給されるガスの圧力により押し出され、ブレードチューブ16を介してノズル5bに供給される。
【0033】
次に、
図4を用いて、本発明の実施の形態に係る飲料供給装置100の機能および飲料供給の制御処理について説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係る飲料供給装置100の機能ブロック図である。
【0034】
飲料供給装置100は、
図1で説明したタッチパネル2、物理ボタン3a〜3cに加えて、制御部20、記憶部21、水電磁弁23、炭酸水電磁弁24、シロップ電磁弁25、BIB用チューブポンプ26、27を備える。
【0035】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)などの制御デバイスである。制御部20は、飲料供給装置100に備えられた各機能部を制御する。記憶部21は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリデバイスである。記憶部21は、後に説明するテーブル22などを記憶する。
【0036】
制御部20は、記憶部21から読み出したデータに基づいて、タッチパネル2の制御、および、飲料供給(製造、吐出)の制御を行う。
【0037】
制御部20は、タッチパネル2において利用者により飲料を選択する操作が行われると、選択された飲料に関するデータを記憶部21から読み出し、読み出したデータに基づいて飲料を製造する。
【0038】
このデータは、例えば、メインシロップとトッピングシロップとの組み合わせに対応付けて登録された水、炭酸水、メインシロップ、および、トッピングシロップの希釈比率のデータ、および、その希釈比率に応じて各電磁弁(水電磁弁23、炭酸水電磁弁24、シロップ電磁弁25)の開閉を制御するための設定データ、BIB用チューブポンプ26、27の駆動を制御するための設定データなどである。
【0039】
例えば、本飲料提供装置100は、水または炭酸水とメインシロップとを所定の割合で混合して主飲料を製造するとともに、希釈しない状態でトッピングシロップを主飲料に混合して飲料を製造するが、制御部20は、メインシロップとトッピングシロップとの組み合わせに応じて、水または炭酸水とメインシロップとを混合する際の上記所定の割合を変更する。
【0040】
これにより、メインシロップとトッピングシロップとの組み合わせに係らず、製造する飲料の糖度等を一定の範囲内に保つことができる。
【0041】
なお、以下では、各電磁弁の開閉により水、炭酸水、メインシロップ、および、トッピングシロップの供給制御を行う場合について説明するが、ポンプ等による供給制御が行われてもよい。
【0042】
また、制御部20は、タッチパネル2において利用者により飲料を選択する操作が行われた場合、テーブル22を記憶部21から読み出す。テーブル22は、利用者により選択された飲料に対応する物理ボタン3a〜3cを示す情報である。
【0043】
このテーブル22の一例を
図5に示す。
図5に示すように、このテーブル22には、飲料のブランドに対応付けて、そのブランドの飲料を吐出するノズル5a〜5cに対応する物理ボタン3a〜3c(そのブランドの飲料が吐出される容器置き場4a〜4cに対応する物理ボタン3a〜3c)の情報が登録されている。なお、
図5では、ブランドをアルファベットで示している。
【0044】
例えば、このテーブル22では、ブランドDと物理ボタン3aとが対応付けられている。よって、利用者によりブランドDの飲料が選択され、物理ボタン3aが押下された場合、上述したようにして製造されたブランドDの飲料が、物理ボタン3aに対応する容器置き場4aに置かれた容器に供給されることになる。
【0045】
また、テーブル22では、ブランドGと物理ボタン3cとが対応付けられている。よって、利用者によりブランドGの飲料が選択され、物理ボタン3cが押下された場合、上述したようにして製造されたブランドGの飲料が、物理ボタン3cに対応する容器置き場4cに置かれた容器に供給されることになる。
【0046】
さらに、テーブル22では、ブランドA〜C、E、F、H〜J、水、炭酸水と物理ボタン3bとが対応付けられている。よって、利用者によりブランドA〜C、E、F、H〜J、水、炭酸水のいずれかの飲料が選択され、物理ボタン3bが押下された場合、上述したようにして製造された飲料(例えば、フレーバ添加飲料、水、炭酸水)が、物理ボタン3bに対応する容器置き場4bに置かれた容器に供給されることになる。なお、水、炭酸水はブランドではないが、本実施の形態では便宜上、水、炭酸水をブランドの一種として扱う。
【0047】
また制御部20は、物理ボタン3a〜3cのいずれかが押下されたことを検知した場合、電磁弁23〜25の開閉、BIB用チューブポンプ26、27の駆動の少なくとも1つを制御して、水、炭酸水、メインシロップ、または、トッピングシロップを、押下された物理ボタン3a〜3cに対応するノズル(希釈水ノズル5a、5c、ノズル5b、シロップノズル40、41)に供給する。
【0048】
例えば、利用者によりブランドA〜C、E、F、H〜Jのいずれかの飲料が選択され、物理ボタン3bが押下された場合、制御部20は、選択されたブランドのシロップ(メインシロップ)を蓄えているシロップタンク10とノズル5bとの間に設けられたシロップ電磁弁25を開状態にさせるとともに、水電磁弁23および/または炭酸水電磁弁24を開状態にさせる。なお、制御部20は、水電磁弁23および炭酸水電磁弁24を開状態にさせる場合、水電磁弁23と炭酸水電磁弁24とを交互に開状態にさせるが、それらを同時に開状態にさせてもよい。
【0049】
これにより、シロップと、水および/または炭酸水とがノズル5bにおいて混合され、その結果得られた飲料がノズル5bから吐出される。
【0050】
なお、利用者によりフレーバ添加飲料が選択された場合、制御部20は、メインシロップを蓄えているシロップタンク10とノズル5bとの間に設けられたシロップ電磁弁25に加え、利用者により選択されたフレーバ(例えば、オレンジ、グレープなどのフルーツ風味)のトッピングシロップを蓄えているシロップタンク10とノズル5bとの間に設けられたシロップ電磁弁25を開状態にさせる。
【0051】
これにより、メインシロップに加え、トッピングシロップもノズル5bに供給することができ、これらと水および/または炭酸水とを混合することにより、フレーバ添加飲料を製造することができる。
【0052】
この場合、トッピングシロップは、水または炭酸水とメインシロップとを所定の割合で混合して製造された主飲料に、希釈しない状態で間欠的に添加され、主飲料と混合される。
【0053】
また、利用者により水が選択され、物理ボタン3bが押下された場合、制御部20は、浄化フィルタ8とノズル5bとの間に設けられた水電磁弁23を開状態にさせる。これにより、ノズル5bから水が吐出される。
【0054】
さらに、利用者により炭酸水が選択され、ノズル5bに対応する物理ボタン3bが押下された場合、制御部20は、カーボネータとノズル5bとの間に配置された炭酸水電磁弁24を開状態にさせる。これにより、ノズル5bから炭酸水が吐出される。
【0055】
同様に、利用者によりブランドDの飲料が選択され、物理ボタン3aが押下された場合、制御部20は、選択されたブランドDのシロップを蓄えているBIB6とシロップノズル40との間に設けられたBIB用チューブポンプ26を所定の条件で駆動させる。これとともに、制御部20は、水電磁弁23を開状態にさせ、希釈水ノズル5aから希釈水を吐出させる。
【0056】
これにより、ブランドDのシロップと希釈水とが混合された飲料が容器置き場4aに置かれた容器に供給される。
【0057】
また、利用者によりブランドGの飲料が選択され、物理ボタン3cが押下された場合、制御部20は、選択されたブランドGのシロップを蓄えているBIB7とシロップノズル41との間に設けられたBIB用チューブポンプ27を所定の条件で駆動させる。これとともに、制御部20は、水電磁弁23および/または炭酸水電磁弁24を開状態にさせ、希釈水および/または炭酸水を希釈水ノズル5cおよび/または炭酸水ノズル42から吐出させる。
【0058】
これにより、ブランドGのシロップと、水および/または炭酸水とが混合された飲料が容器置き場4cに置かれた容器に供給される。
【0059】
上述したように、本実施の形態では、水または炭酸水とメインシロップとを所定の割合で混合して製造された主飲料に、トッピングシロップが希釈しない状態で添加され、主飲料と混合されることとした。
【0060】
このようにメインシロップとトッピングシロップとの2種類を混同することにより、利用者に提供する飲料の味の選択肢を大幅に増やすことができる。
【0061】
トッピングシロップは、フレーバとして添加されるものであるため添加量はわずかでよく、添加量が多過ぎると、メインシロップとトッピングシロップとで味のバランスがくずれてしまう。そのため、予め決められた量のトッピングシロップを正確に添加する必要がある。
【0062】
このようなことから、本実施の形態では、トッピングシロップを希釈しない状態で添加することとし、希釈による濃度のばらつきをなくすこととしている。
【0063】
また、このような少量のトッピングシロップを長い時間継続的に添加しようとすると、トッピングシロップの添加量の制御が難しくなる。そのため、トッピングシロップの添加はできるだけ短い時間に行うことが望ましい。このようなことから、本実施の形態では、トッピングシロップを間欠的に添加することとしている。
【0064】
これにより、予め決められた量のトッピングシロップを正確に添加できるとともに、味のバランスがくずれることを防止できる。その結果、飲料の製造元が意図した通りの味の飲料を利用者に提供することができる。