【実施例】
【0029】
以下に、本発明の特徴をさらに明らかにするため実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
【0030】
実施例1:縦周り弾性体
図2に、本発明の縦周り弾性体2の一態様を示す平面図を示す。ヒト頭部に縦周り弾性体を嵌め当てる際、
図2に示すX(X’)をヒト頭部の前頭側(鼻側)に、またY(Y’)をヒト頭部の後頭側となるように装着する。本図ではヒト頭部の左側に当接する部分が示されており、右側部分は図示されない。
図2に示すように、縦周り弾性体2は、顎当接部21、左頬当接部22−1(及び右頬当接部22−2)、左側頭部当接部23−1(及び右側頭部当接部23−2)、頭頂部当
接部24がこの順に連接して形成されている。本例においては、XからYに向かって、各当接部が斜め上方向に形成され、これにより、下顎部から頭頂部に向けて効率的に引き上げる引張力を生み出すことができる。
【0031】
各当接部には、図示されない当て面材3が適宜取付固定されている。
詳細には、顎当接部21においては、下顎骨の先端(おとがい部)部の少なくとも一部が当接する部分である21aにおいて、当て面材3がない部分に比べて約1.5倍の引張弾性率を有するように当て面材3(顎当て面材31)が取付け固定される。
左頬当接部22−1(及び右頬当接部22−2)においては、左右の頬骨の少なくとも一部が当接する部分である22a−1(及び22a−2)においては、当て面材3がない部分に比べて約2倍の引張弾性率を有するように当て面材3が取付け固定され(左頬当て面材32a−1(及び右頬当て面材32a−2))、その他の22b(及び22b−2)においては、当て面材3がない部分に比べて約1.5倍の引張弾性率を有するように当て面材3が取付け固定される(左頬当て面材32b−1(及び右頬当て面材32b−2))。
左側頭部当接部23−1(及び右側頭部当接部23−2)には、全域に渡って当て面材3がない部分に比べて約2倍の引張弾性率を有するように当て面材3が取付け固定され(左側頭部当て面材33−1(及び右側頭部当て面材33−2))、そして頭頂部当接部24には、全域に渡って当て面材3がない部分に比べて約1.5倍の引張弾性率を有するように当て面材3が取付け固定されている(頭頂部当て面材34)。
【0032】
また、左側頭部当接部23−1(及び右側頭部当接部23−2)及び頭頂部当接部24には、2本の縦回り用帯紐体4a、4bが交差して配設され、左側頭部当接部及び右側頭部当接部23において、そこに配される当て面材に縦回り用帯紐体4a、4bの各端部がそれぞれ結合されてなる。
【0033】
一例として
図5に示すように、縦周り弾性体2を以下の寸法にて製造した。
図5に示すように、長さA26cm、幅B−1 7cm、幅B−2 9.5cmとなるように、表布及び裏布として布材[クールマリン(登録商標)(旭化成アドバンス(株)、ポリエステル80%、ポリウレタン20%)、伸長率14.7N]より2枚ずつ切り出した。なお表布、裏布のいずれも、その上縁において角R:50mmの丸みを、下縁において各R:1cmの丸みを、前後双方に施した。
2枚の表布を重ねてその上下縁同士を縫製し、ループ帯状の表布とした。また各裏布の所定位置(各当接部)に各当て面材としてナイロン−ポリウレタン製布材[ナイロン80%、ポリウレタン20%、伸長率14.7N]を取付け縫製した後、2枚の裏布を重ねてその上下縁同士を縫製し、ループ帯状の裏布とした。ループ帯状の裏布の所定位置の当接部に縦周り用帯紐体(ポリエステル系ウレタンゴム、長さ×幅:約240mm×20mm程度)の端部を取付け縫製した後、ループ帯状の表布と、当て面材及び縦周り用帯紐体が取り付けられたループ帯状の裏布を、当て面材及び帯紐体が内包されるように重ね、両縁を縫製してループ帯状の袋体とし、縦周り弾性体2を製造した。
【0034】
図5(及び
図2参照)に示すように、顎当接部21(
図5では左側半分のみ)においてC−1が4cm、C−2が8cm、左頬当接部22−1(及び右頬当接部22−2)においてD−1及びD−2が6cm、左側頭部当接部23−1(及び右側頭部当接部23−2)においてE−1及びE−2が5cm、頭頂部当接部24(
図5では左側半分のみ)においてF−1が11cm及びF−2が7cmとなるように設定した。
顎当て面材31は、顎当接部21と左頬当接部22−1(及び右頬当接部22−2)の連接部から、1cm下方の顎当接部21の部分に取付け固定し、このとき、顎当て面材31が取付け固定される21aをC−1−aを3cm、C−2−aを5cmとなるように設定した。
左頬当て面材32a−1(及び右頬当て面材32a−2)は、D−1−a及びD−2−aが5cmとなるように、また左頬当て面材32b−1(及び右頬当て面材32b−2を)D−1−b及びD−2−bが1cmとなるように、それぞれ左頬当接部22−1(及び右頬当接部22−2)に取付け固定した。
左側頭部当て面材33−1(及び右側頭部当て面材33−2)は、E−1及びE−2が5cmとなるように、左側頭部当接部23−1(及び右側頭部当接部23−2)に取付け固定した。
そして頭頂部当て面材34は、F−1が11cm、F−2が7cmとなるように頭頂部当接部24に取付け固定した。
なお本例では、まず左頬当て面材32a−1、左頬当て面材32b−1、左側頭部当て面材33−1及び左側面の頭頂部当て面材34を1枚の連続した材料とし、図示されないが同様に右頬当て面材32a−2、右頬当て面材32b−2、右側頭部当て面材33−2及び右側面の頭頂部当て面材34を1枚の連続した材料とした。そして左頬当て面材32a−1(及び右頬当て面材32a−2)及び左側頭部当て面材33−1(及び右側頭部当て面材33−2)に該当する部分における面材を2枚重ねとして各当て面材を形成し、各当接する部位に応じて引き締め力を段階的に調整できように、各当て面材を各当接部に取り付け固定した。
【0035】
実施例2:横周り弾性体
図3に、本発明の横周り弾性体10の一態様を示す平面図を示す。なおヒト頭部に横周り弾性体を嵌め当てる際、
図3に示すP(P’)を上側(頭頂側)に、Q(Q’)を下側となるように装着する。本図ではヒト頭部の左側に当接する部分が示され、右側部分は図示されない。
図3に示すように、横周り弾性体10は、前頭部当接部101、左側頭部当接部102−1(及び右側頭部当接部102−2)、左後頭前部当接部103−1(及び右後頭前部当接部103−2)、後頭部当接部104がこの順に連接して形成されている。本例においては、QからP(下から上)に向かって、各当接部が斜め前方向に形成され、これにより、前頭部から後頭部に向けて効率的に引き締める引張力を生み出すことができる。
【0036】
各当接部には、図示されない当て面材11が適宜取付固定されており、但し本例においては、前頭当接部101においては当て面材11を収容せず、引き締め力を弱めている。
左側頭部当接部102−1(及び右側頭部当接部102−2)において、左右の側頭骨の少なくとも一部が当接する部分である102a−1(及び102a−2)においては、当て面材3がない部分に比べて約2倍の引張弾性率を有するように当て面材3が取付け固定され(左側頭部当て面材112a−1(及び右側頭部当て面材112a−2))、その他の102b−1(及び102b−2)においては、当て面材3がない部分に比べて約1.5倍の引張弾性率を有するように当て面材3が取付け固定される(左側頭部当て面材112b−1(及び右側頭部当て面材112b−2))。
左後頭前部当接部103−1(及び右後頭前部当接部103−2)には、全域に渡って当て面材3がない部分に比べて約2倍の引張弾性率を有するように当て面材3が取付け固定され(左後頭前部当て面材113−1(及び右後頭前部当て面材113−2))、そして後頭部当接部104には、全域に渡って当て面材3がない部分に比べて約1.5倍の引張弾性率を有するように当て面材3が取付け固定されている(後頭部当て面材114)。
【0037】
また左後頭前部当接部103−1(及び右後頭前部当接部103−2)並びに後頭部当接部104には、2本の縦回り用帯紐体12a、12bが交差して配設され、左後頭前部当接部103−1(及び右後頭前部当接部103−2)において、そこに配される当て面材に縦回り用帯紐体12a、12bの各端部がそれぞれ結合されてなる。
【0038】
一例として
図6に示すように、横周り弾性体10を以下の寸法にて製造した。
図6に示すように、長さS24cm(全体長さ48cm)、幅T7cmとなるように、表布及び裏布として布材[クールマリン(登録商標)(旭化成アドバンス(株)、ポリエステル80%、ポリウレタン20%)、伸長率14.7N]より切り出した。なお、図中のP−Qは二つ折り部分である。
表布を二つ折りにし、ループ状となるようにその縁同士を縫製し、ループ帯状の表布とした。また各裏布の所定位置(各当接部)に各当て面材としてナイロン−ポリウレタン製布材[ナイロン80%、ポリウレタン20%、伸長率14.7N]を取付け縫製した後、裏布を二つ折りにし、ループ状となるようにその縁同士を縫製し、ループ帯状の裏布とした。ループ帯状の裏布の所定位置の当接部に横周り用帯紐体(ポリエステル系ウレタンゴム、長さ×幅:約120mm×20mm程度)の端部を取付け縫製した後、ループ帯状の表布と、当て面材及び横周り用帯紐体が取り付けられたループ帯状の裏布を、当て面材及び帯紐体が内包されるように重ね、両縁を縫製してループ帯状の袋体とし、横縦周り弾性体10を製造した。
【0039】
図6(及び
図3参照)に示すように、前頭部当接部101(
図6では左側半分のみ)においてU−1が10cm、U−2が12cm、左側頭部当接部102−1(及び右側頭部当接部102−2)においてV−1及びV−2が6cm、左後頭前部当接部103−1(及び右後頭前部当接部103−2)においてW−1及びW−2が4cm、後頭部当接部104(
図6では左側半分のみ)においてX−1が4cm、X−2が2cmとなるように設定した。
左側頭部当て面材112a−1(及び右側頭部当て面材112a−2)は、V−1−a及びV−2−aが4cmとなるように、また左側頭部当て面材112b−1(及び右側頭部当て面材112b−2)はV−1−b及びV−2−bが2cmとなるように、それぞれ左側頭部当接部102−1(及び右側頭部当接部102−2)に取付け固定した。
左後頭前部当て面材113−1(及び右後頭前部当て面材113−2)は、W−1及びW−2が4cmとなるように、左後頭前部当接部103−1(及び右後頭前部当接部103−2)に取付け固定した。
そして後頭部当て面材114は、X−1が4cm、X−2が2cmとなるように、後頭部当接部104に取付け固定した。
なお本例では、まず左側頭部当て面材112a−1、左側頭部当て面材112b−1、左後頭前部当て面材113−1及び左側面の後頭部当て面材114を1枚の連続した材料とし、図示されないが同様に右側頭部当て面材112a−2、右側頭部当て面材112b−2、右後頭前部当て面材113−2及び右側面の後頭部当て面材114を1枚の連続した材料とした。そして、左側頭部当て面材112a−1(及び右側頭部当て面材112a−2)及び左後頭前部当て面材113−1(及び右後頭前部当て面材113−2)に該当する部分における面材を2枚重ねとして各当て面材を形成し、各当接する部位に応じて引き締め力を段階的に調整できように、各当て面材を各当接部に取り付け固定した。
【0040】
図4に、縦周り弾性体2の立体図(
図4(a))及び横周り弾性体10の立体図(
図4(b))を示す。
【0041】
図4(a)に示すように、縦周り弾性体2は、顎当接部21から左回りで左頬当接部22−1、左側頭部当接部23−1、頭頂部当接部24、右側頭部当接部23−2、右頬当接部22−2(そして顎当接部21)の順にて連接して形成されてなる。
顎当接部21には顎当て面材31が取付られ、左頬当接部22−1には左頬当て面材32a−1、32b−1が、右頬当接部22−2には右頬当て面材32a−2、32b−2がそれぞれ取り付けられ、左側頭部当接部23−1には左側頭部当て面材33−1が、右側頭部当接部23−2には右側頭部当て面材33−2がそれぞれ取り付けられ、頭頂部当接部24には頭頂部当て面材34が取り付けられる。
そして左側頭部当接部23−1、頭頂部当接部24、右側頭部当接部23−2に亘って
縦回り用帯紐体4a、4bが交差して配設され、該帯紐体は左側頭部当接部23−1の左側頭部当て面材33−1及び右側頭部当接部23−2の右側頭部当て面材33−2にそれぞれ結合される。
【0042】
図4(b)に示すように、横周り弾性体10は、前頭部当接部101から左回りで左側頭部当接部102−1、左後頭前部当接部103−1、後頭部当接部104、右後頭前部当接部103−2、右側頭部当接部102−2(そして前頭部当接部101)の順にて連接して形成されてなる。
左側頭部当接部102−1には左側頭部当て面材112a−1、112b−1が、右側頭部当接部102−2には右側頭部当て面材112a−2、112b−2がそれぞれ取り付けられ、左後頭前部当接部103−1には左後頭前部当て面材113−1が、右後頭前部当接部103−2には右後頭前部当て面材113−2がそれぞれ取り付けられ、後頭部当接部104には後頭部当て面材114)が取り付けられる。
そして左後頭前部当接部103−1、後頭部当接部104、右後頭前部当接部103−2に亘って横周り用帯紐体12a、12bが交差して配設され、該帯紐帯は左後頭前部当接部103−1の左後頭前部当て面材113−1、右後頭前部当接部103−2の右後頭前部当て面材113−2にそれぞれ結合される。
【0043】
図7に、本発明の顔用ターバン1をヒト頭部に当て嵌め当てた外観図として、(a)縦周り弾性体2をヒト頭部に嵌め当てた図、(b)横周り弾性体10をヒト頭部に嵌め当てた図、(c)縦周り弾性体2及び横周り弾性体10をヒト頭部に嵌め当てた図をそれぞれ示す。なお縦周り弾性体2及び横周り弾性体10を一緒に嵌め当てる場合、どちらを先に嵌め当ててもよい。
本図に示すように、縦回り弾性体2は下顎部、頬部、側頭部及び頭頂部に当接して、下顎骨、頬骨、側頭骨及び頭頂骨を頭頂部中央に向かって引き締め引き上げることができ、また横周り弾性体10は、前頭部、側頭部及び後頭部に当接して、側頭骨及び後頭骨を後頭部中央に向かって引き締め引き上げることができる。