特許第6385957号(P6385957)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6385957トール様受容体に基づく免疫応答を調節するための免疫調節オリゴヌクレオチド(IRO)化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385957
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】トール様受容体に基づく免疫応答を調節するための免疫調節オリゴヌクレオチド(IRO)化合物
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/117 20100101AFI20180827BHJP
   A61K 31/7115 20060101ALI20180827BHJP
   A61K 31/712 20060101ALI20180827BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20180827BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20180827BHJP
   A61K 39/00 20060101ALI20180827BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20180827BHJP
   A61K 39/39 20060101ALI20180827BHJP
   A61K 38/00 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 5/14 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   C12N15/117 ZZNA
   A61K31/7115
   A61K31/712
   A61K31/7125
   A61K48/00
   A61K39/00 H
   A61K39/395 D
   A61K39/395 N
   A61K39/39
   A61K38/00
   A61P37/02
   A61P17/06
   A61P29/00 101
   A61P19/02
   A61P17/14
   A61P25/00
   A61P7/06
   A61P17/00
   A61P11/00
   A61P15/00
   A61P5/14
   A61P13/10
   A61P21/04
   A61P21/00
   A61P1/16
   A61P9/00
   A61P25/18
   A61P11/06
   A61P13/08
【請求項の数】20
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-551852(P2015-551852)
(86)(22)【出願日】2014年1月8日
(65)【公表番号】特表2016-510213(P2016-510213A)
(43)【公表日】2016年4月7日
(86)【国際出願番号】US2014010599
(87)【国際公開番号】WO2014110081
(87)【国際公開日】20140717
【審査請求日】2016年11月7日
(31)【優先権主張番号】61/750,014
(32)【優先日】2013年1月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】398032717
【氏名又は名称】イデラ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Idera Pharmaceuticals, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100156111
【弁理士】
【氏名又は名称】山中 伸一郎
(72)【発明者】
【氏名】エカンバー・アール・カンディマラ
(72)【発明者】
【氏名】ダチン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ドン・ユー
(72)【発明者】
【氏名】イレネウシュ・ノヴァク
(72)【発明者】
【氏名】スディール・アグラワル
【審査官】 藤澤 雅樹
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/068470(WO,A1)
【文献】 特表2009−515823(JP,A)
【文献】 特表2012−528867(JP,A)
【文献】 特表2010−536787(JP,A)
【文献】 「抗ウイルス免疫機構の解明 - 免疫・アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 -」、60秒で分かるプレスリリース/報道発表資料[online]、独立行政法人 理化学研究所、2006年4月13日[2017年8月22日検索]、インターネット <URL: http://www.ims.riken.jp/pdf/20060413_1.pdf>
【文献】 Nucleic Acids Research (2013) Vol.41, No.6, pp.3947-3961
【文献】 J. Med. Chem. (2009) Vol.52, pp.551-558
【文献】 International Immunopharmacology (2005) Vol.5, pp.981-991
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00
A61K 31/7115
CAplus/REGISTRY(STN)
MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS/WPIX(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列5’−CTATCGUG1TTCTCGU−3
[式中、G1=7−デアザ−dG;C=5−Me−dC;=2’−O−Me−G;=2’−O−Me−U]
免疫調節オリゴヌクレオチド(IRO)化合物。
【請求項2】
該IRO化合物のヌクレオシド間連結がホスホロチオエート連結である、請求項1に記載のIRO化合物。
【請求項3】
該IRO化合物がナトリウム塩形である、請求項1または2に記載のIRO化合物。
【請求項4】
請求項1−3のいずれかに記載のIRO化合物および薬学的に許容される担体を含有する、医薬組成物。
【請求項5】
該医薬組成物が、1またはそれ以上のワクチン、抗原、抗体、細胞毒性薬、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、TLRアンタゴニスト、ペプチド、タンパク質、遺伝子療法ベクター、DNAワクチンまたはアジュバントをさらに含む、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
哺乳動物のTLR9、TLR7および/またはTLR8介在性免疫応答を阻害するために使用するための、請求項1−3のいずれかに記載のIRO化合物または請求項またはに記載の医薬組成物。
【請求項7】
TLR9、TLR7および/またはTLR8アゴニストの活性を阻害するために使用するための、請求項1−3のいずれかに記載のIRO化合物または請求項またはに記載の医薬組成物。
【請求項8】
IRO化合物または医薬組成物TLR9、TLR7および/またはTLR8アゴニストの前またはTLR9、TLR7および/またはTLR8アゴニストと同時に投与することを含む、請求項に記載のIRO化合物または医薬組成物。
【請求項9】
患者を治療的に処置するために使用するための、請求項1−3のいずれかに記載のIRO化合物または請求項またはに記載の医薬組成物。
【請求項10】
患者の疾患または障害を予防するために使用するための、請求項1−3のいずれかに記載のIRO化合物または請求項またはに記載の医薬組成物。
【請求項11】
該患者が自己免疫疾患を有する、請求項または10に記載のIRO化合物または医薬組成物。
【請求項12】
該自己免疫疾患が、乾癬、リウマチ性関節炎、全身性脱毛症、急性散在性脳脊髄炎、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、水疱性類天疱瘡、シャーガス病、慢性閉塞性肺疾患、セリアック病、皮膚筋炎、子宮内膜症、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン−バレー症候群、橋本病、汗腺膿瘍、特発性血小板減少性紫斑病、間質性膀胱炎、限局性強皮症、重症筋無力症、ナルコレプシー、神経ミオトニー、天疱瘡、悪性貧血、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、統合失調症、シェーグレン症候群、側頭動脈炎、脈管炎、白斑症、外陰部痛、ヴェグナー肉芽腫症、エリテマトーデス、多発性硬化症、I型糖尿病、過敏性大腸症候群、クローン病、および敗血症性ショックからなる群から選ばれる、請求項11に記載のIRO化合物または医薬組成物。
【請求項13】
該自己免疫疾患が過敏性大腸症候群である、請求項12に記載のIRO化合物または医薬組成物。
【請求項14】
該自己免疫疾患がクローン病である、請求項12に記載のIRO化合物または医薬組成物。
【請求項15】
患者が炎症性障害を有する、請求項または10に記載のIRO化合物または医薬組成物。
【請求項16】
該炎症性障害が、気道炎症、喘息、自己免疫性疾患、慢性炎症、慢性前立腺炎、糸球体腎炎、ベーチェット病、過敏症、炎症性腸疾患、再潅流障害、リウマチ性関節炎、移植拒絶反応、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、結膜炎および脈管炎からなる群から選ばれる、請求項15に記載のIRO化合物または医薬組成物。
【請求項17】
炎症性障害が炎症性腸疾患である、請求項16に記載のIRO化合物または医薬組成物。
【請求項18】
炎症性障害が潰瘍性大腸炎である、請求項16に記載のIRO化合物または医薬組成物。
【請求項19】
該IRO化合物または医薬組成物を、1またはそれ以上のワクチン、抗原、抗体、細胞毒性薬、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、TLRアンタゴニスト、ペプチド、タンパク質、遺伝子療法ベクター、DNAワクチン、またはアジュバントと組み合わせて投与される、請求項18のいずれかに記載のIRO化合物または医薬組成物。
【請求項20】
該IRO化合物または医薬組成物を、非経口、粘膜送達、経口、舌下、経皮、局所的、吸入、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内または膣内である投与経路を介して、遺伝子銃によって、皮膚パッチ、または点眼薬もしくは口内洗浄液の形で投与される、請求項19のいずれかに記載のIRO化合物または医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
関連出願
本願は、2013年1月8日に出願された米国仮出願No.61/750,014の利益を主張する。当該仮出願の内容はそれら全体において出典明示により本明細書に包含させる。
【0002】
技術分野
本発明は、一般的には、免疫学および免疫療法の分野、より具体的には免疫調節オリゴヌクレオチド(IRO)組成物、およびトール様受容体(Toll-like Receptor)介在性免疫応答の阻害および/または抑制のためのそれらの使用に関する。特に、本発明は、TLR9、TLR7および/またはTLR8刺激を通して通常生成されるサイトカインをユニークに阻害するトール様受容体9(TLR)、TLR7および/またはTLR8のアンタゴニストに関する。
【0003】
関連技術の要約
トール様受容体(TLR)は、免疫系の多くの細胞に存在し、自然(innate)免疫応答に関与することが示されている(Hornung, V.ら, (2002) J. Immunol. 168:4531-4537)。脊椎動物または哺乳動物において、このファミリーは、細菌、真菌、寄生生物およびウイルス由来の病原体関連分子パターンを認識することが知られているTLR1〜TLR10と呼ばれる10のタンパク質から成る(Poltorak, a.ら (1998) Science 282:2085-2088; Underhill, D.M.,ら (1999) Nature 401:811-815; Hayashi, F.ら (2001) Nature 410:1099-1103; Zhang, D.ら (2004) Science 303:1522-1526; Meier, A.ら (2003) Cell. Microbiol. 5:561-570; Campos, M.A.ら (2001) J. Immunol. 167: 416-423; Hoebe, K.ら (2003) Nature 424: 743-748; Lund, J. (2003) J. Exp. Med. 198:513-520; Heil, F.ら (2004) Science 303:1526-1529; Diebold, S.S.,ら (2004) Science 303:1529-1531; Hornung, V.ら (2004) J. Immunol. 173:5935-5943)。TLRは、哺乳動物が外来分子を認識してそれに対する免疫応答を開始する重要な手段であり、自然免疫応答と適応免疫応答を関連付ける手段も提供する(Akira, S.ら (2001) Nature Immunol. 2:675-680; Medzhitov, R. (2001) Nature Rev. Immunol. 1:135-145)。TLRは、自己免疫、感染病、および炎症を含む多くの疾患の病因に役割を果たすことも示されており(Cook, D.N.ら (2004) Nature Immunol. 5:975-979)、適当な薬剤を用いるTLR介在性活性化の制御は、疾患介入のための手段を提供しうる。
【0004】
あるTLRは細胞表面に位置して細胞外病原体を検出し、それに対する応答を開始し、他のTLRは細胞の内側に位置し、細胞内病原体を検知し、それに対する応答を開始する。表1に、TLRの表示、それらの細胞での位置、およびそれらに対する既知のアゴニストを示す(Diebold, S.S.ら (2004) Science 303:1529-1531; Liew, F.ら (2005) Nature 5:446-458; Hemmi Hら (2002) Nat Immunol 3:196-200; Jurk Mら, (2002) Nat Immunol 3:499; Lee Jら (2003) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 100:6646-6651); (Alexopoulou, L. (2001) Nature 413:732-738)。
【表1】
【0005】
細菌および合成DNA中に存在するある非メチル化CpGモチーフは免疫系を活性化し、抗腫瘍活性を誘導することが示されている。(Tokunaga Tら, J. Natl. Cancer Inst. (1984) 72:955-962; Shimada S,ら, Jpn. H cancer Res, 1986, 77, 808-816; Yamamoto S,ら, Jpn. J. Cancer Res., 1986, 79, 866-73)。CpGジヌクレオチドを含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いる他の研究では免疫応答を刺激することが示されている(Zhao Q,ら (1996) Biochem.Pharmacol. 26:173-182)。それに続く研究は、TLR9が細菌および合成DNA中に存在する非メチル化CpGモチーフを認識することを証明した(Hemmi, H.ら (2000) Nature 408:740-745)。CpG含有ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの他の修飾は、TLR9を介した免疫応答のモジュレーターとして作用するその能力に影響を及ぼすこともできる(例えば、Zhaoら, Biochem. Pharmacol. (1996) 51:173-182; Zhaoら (1996) Biochem Pharmacol. 52:1537-1544; Zhaoら (1997) Antisense Nucleic Acid Drug Dev. 7:495-502; Zhaoら (1999) Bioorg. Med. Chem. Lett. 9:3453-3458; Zhaoら (2000) Bioorg. Med. Chem. Lett. 10:1051-1054; Yu, D.ら (2000) Bioorg. Med. Chem. Lett. 10:2585-2588; Yu, D.ら (2001) Bioorg. Med. Chem. Lett. 11:2263-2267;およびKandimalla, E.ら (2001) Bioorg. Med. Chem. 9:807-813参照)。さらに、構造活性関係試験は、非メチル化CpGジヌクレオチドから生じるものとは異なる具体的な免疫応答プロフィールを誘導する合成モチーフおよび新規のDNAベースの化合物の同定を可能にした。(Kandimalla, E.ら (2005) Proc. Natl. Acad. Sci. U S A 102:6925-6930. Kandimalla, E.ら (2003) Proc. Nat. Acad. Sci. U S A 100:14303-14308; Cong, Y.ら (2003) Biochem Biophys Res. Commun.310:1133-1139; Kandimalla, E.ら (2003) Biochem. Biophys. Res. Commun. 306:948-953; Kandimalla, E.ら (2003) Nucleic Acids Res. 31:2393-2400; Yu, D.ら (2003) Bioorg. Med. Chem.11:459-464; Bhagat, L.ら (2003) Biochem. Biophys. Res. Commun.300:853-861; Yu, D.ら (2002) Nucleic Acids Res.30:4460-4469; Yu, D.ら (2002) J. Med. Chem.45:4540-4548. Yu, D.ら (2002) Biochem. Biophys. Res. Commun.297:83-90; Kandimalla. E.ら (2002) Bioconjug. Chem.13:966-974; Yu, D.ら (2002) Nucleic Acids Res. 30:1613-1619; Yu, D.ら (2001) Bioorg. Med. Chem. 9:2803-2808; Yu, D.ら (2001) Bioorg. Med. Chem. Lett. 11:2263-2267; Kandimalla, E.ら (2001) Bioorg. Med. Chem. 9:807-813; Yu, D.ら (2000) Bioorg. Med. Chem. Lett. 10:2585-2588; Putta, M.ら (2006) Nucleic Acids Res. 34:3231-3238)。
【0006】
TLRの選択的局在およびそこから生じるシグナル伝達は、免疫応答におけるその役割に対するいくつかの洞察を与える。免疫応答は、該応答に関与する細胞のサブセットに基づく自然応答および適応応答の両方に関与する。例えば、古典的細胞介在性機能、例えば遅延型過敏症および細胞毒性Tリンパ球(CTL)の活性化に関与するTヘルパー(Th)細胞はTh1細胞である。この応答は、抗原(例えばウイルス感染、細胞内病原体、および腫瘍細胞)に対する身体の自然応答であり、IFNガンマの分泌と付随するCTLの活性化をもたらす。あるいは、B細胞活性化にヘルパー細胞として関与するTh細胞はTh2細胞である。Th2細胞は、細菌および寄生生物に応答して活性化されることが示されており、IL−4およびIL−5の分泌を通して身体の適応免疫応答(例えばIgE生産および好酸球活性化)に介在しうる。免疫応答の種類は、抗原暴露に応答して生成されるサイトカインよって影響を受け、Th1およびTh2細胞によって分泌されたサイトカインの違いは、これらの2つのサブセットの異なる生物学的機能の結果であり得る。
【0007】
TLRの活性化は免疫応答を開始することに関与するが、TLRによる免疫系の無制御な刺激は免疫低下対象のある種の疾患を悪化させうる。近年、いくつかのグループが、炎症性サイトカインの阻害剤としての合成オリゴデオキシオリゴヌクレオチド(ODN)の使用を示した(Lenert, P.ら (2003) DNA Cell Biol. 22(10):621-631)。
【0008】
Lenertらは、ある種の合成ODNを用いて阻害性ODNを生成することができることを報告している(Lenert, P.ら (2003) DNA Cell Biol. 22(10):621-631)。これら阻害性ODNは、2つのトリプレット配列、近位「CCT」トリプレットおよび遠位「GGG」トリプレットを必要とする。これらのトリプレット含有阻害性ODNに加えて、いくつかのグループが、CpG含有ODNによってTLR−9介在性活性化を阻害することができる他の特定のDNA配列を報告した。これらの「阻害性」、「抑制性」モチーフは、ポリ「G」(例えば「GGGG」)または「GC」配列に富んでおり、メチル化される傾向があり、哺乳動物のDNAおよびある種のウイルス中に存在する(例えば、Chen, Y.,ら, Gene Ther. 8: 1024-1032 (2001); Stunz, L.L., Eur. J. Immunol. 32: 1212-1222 (2002). Duramad, O.,ら, J. Immunol., 174: 5193-5200 (2005) and Jurkら (US 2005/0239733)参照)は、配列内にGGGGモチーフを含む阻害性DNAオリゴヌクレオチドのための構造について記載している。Patoleらは、GGGG含有ODNが全身性狼瘡を抑制することを証明している(Patole, P.ら (2005) J. Am. Soc. Nephrol. 16:3273-3280)。さらにGursel, I.,ら, J. Immunol., 171: 1393-1400 (2003)は、哺乳動物テロメア中に高頻度で存在する反復TTAGGGエレメントがCpG誘導免疫活性化を下方調節することを記載している。Shirota, H.,ら, J. Immunol., 173: 5002-5007 (2004)は、TTAGGGエレメントを含む合成オリゴヌクレオチドはこの活性によく似ており、ある種のTh1−依存性自己免疫疾患の予防/治療に有効であり得ることを証明する。
【0009】
一方で、いくつかの研究は、ポリG含有ODNがTLRのアンタゴニストとして作用しているという見解を疑問視した。例えば、US6,426,334(Agrawalら)は、GGGGストリング含有CpGオリゴヌクレオチドの投与は強力な抗ウイルス活性と抗癌活性を有しており、これら化合物の投与は、血清IL−12濃度の増加を引き起こすだろうことを証明する。さらに、ポリG配列を含むCpGオリゴはTLR9活性化を通じて免疫応答を誘導し(Verthelyi Dら, J Immunol. 166, 2372, 2001; Gursel Mら, J Leukoc Biol, 71, 813, 2001, Krug Aら, Eur J Immunol, 31, 2154, 2001)、抗腫瘍活性および抗ウイルス活性を示す(Ballas GKら, J Immunol, 167, 4878, 2001; Verthelyi Dら, J Immunol, 170, 4717, 2003)ことが知られている。さらに、ポリGオリゴヌクレオチドはHIVおよびRel Aを阻害することが知られており(McShan WM,ら, J Biol Chem., 267(8):5712-21, 1992; Rando, RFら, J Biol Chem, 270(4):1754-60, 1995; Benimetskaya L,ら, Nucleic Acids Res., 25(13):2648-56, 1997)、免疫刺激CpGモチーフおよび4連続Gヌクレオチドを含むODN(クラスA ODNとして知られている)は、インターフェロンγの生成および免疫応答におけるTh1シフトを誘導する。さらに、前臨床疾患モデルにおいて、クラスA ODNは、TLR介在性免疫応答を誘導することが示されている。
【0010】
さらなる制限として、グアノシンストリングを含むオリゴヌクレオチドは、4重構造を形成し、アプタマーとして作用し、トロンビン活性を阻害することが示されている(Bock LCら, Nature, 355:564-6, 1992; Padmanabhan, Kら, J Biol Chem., 268(24):17651-4, 1993)を抑制する。したがって、単鎖構造または複数鎖構造がTLR9活性化を抑制するのに有効かどうかは不明である。
【0011】
Kandimallaら(11/549,048)は、ポリG配列を必要としない新規クラスのTLRアンタゴニストについて記載している。Kandimallaらは、種々の疾患および障害の治療および予防にこれら新規組成物を適用することも記載している(11/549,048;11/743,876;12/140,334;12/140,338;12/244,199)。しかしながら、ポリG配列を必要とせず、二次構造を形成する問題がないさらなるTLRアンタゴニストを開発することは依然として課題である。さらに、疾患の可変性および処置する疾患および患者の複雑さにより作り出される課題が存在する。この課題は、TLR9、7および/または8のユニークな阻害剤として作用することができ、患者の特定の要求に合わせることができる、新しいオリゴヌクレオチドベースの化合物および組成物のデザインを通して解決され得る。そのような新規カスタム化合物および組成物は、免疫刺激成分を用いる疾患および障害の治療および予防を含む多くの臨床関連適用に用途があろう。
【発明の概要】
【0012】
発明の簡潔な概要
本発明は、インビトロおよびインビボサイトカインおよびケモカインプロフィールと明確に拮抗し、TLR9、TLR7および/またはTLR8刺激を通して通常生成されるTLR7および/またはTLR9のアンタゴニストを提供する。TLR9、TLR7および/またはTLR8アゴニストに対するサイトカインおよびケモカイン応答とユニークに拮抗する能力は、疾患特異的およびさらに患者特異的に種々の疾患状態を予防および/または処置する能力を提供する。
【0013】
したがって、本発明は、以下に記載される化合物番号1から化合物番号15から選ばれる免疫調節オリゴヌクレオチド(IRO)化合物を提供する。本発明のIRO化合物および組成物は、種々の細胞タイプおよび種々のインビトロおよびインビボ実験モデルにおけるTLR9、TLR7および/またはTLR8介在性免疫応答を優先的に阻害し、各化合物または組成物は異なる免疫阻害プロフィールをもたらす。
【0014】
本発明は、さらに、本発明のIRO化合物および薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物を提供する。
【0015】
本発明は、さらに、哺乳動物に本発明のIRO化合物または組成物を投与することを含む、脊椎動物、または哺乳動物におけるTLR9、TLR7および/またはTLR8介在性免疫応答を阻害する方法を提供する。
【0016】
本発明は、さらに、本発明のIRO化合物を投与することを含むTLR9、TLR7および/またはTLR8アゴニストの活性を阻害する方法であって、該IRO化合物はTLRアゴニストと同時、またはその前または後に投与される方法を提供する。
【0017】
本発明は、さらに、哺乳動物に本発明のIRO化合物を投与することを含む、TLR9、TLR7および/またはTLR8の阻害が有益であろう疾患または障害を有する脊椎動物または哺乳動物を治療的に処置する方法を提供する。
【0018】
本発明は、さらに、脊椎動物または哺乳動物に本発明のIRO化合物を投与することを含む、TLR9、TLR7および/またはTLR8の阻害が有益であろう脊椎動物または哺乳動物における疾患または障害を予防する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施例3に従って処理されたマウスにおけるインビボでTLR9誘発サイトカインを阻害する本発明のTLR7/9アンタゴニストの能力を示す。データは、さらに一般的には、インビボでTLR9誘発サイトカインを阻害する本発明のTLRアンタゴニストの能力を証明する。
【0020】
図2図2は、実施例3に従って処理されたマウスにおけるインビボでTLR7誘発サイトカインを阻害する本発明のTLR7/9アンタゴニストの能力を示す。データは、さらに一般的には、インビボでTLR7誘発サイトカインを阻害する本発明のTLRアンタゴニストの能力を証明する。
【0021】
図3図3は、実施例4に記載されている細胞培養アッセイにおける本発明のTLR9、TLR7、TLR8アンタゴニストの50%抑制濃度(IC50)値を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、免疫療法適用のための免疫調節剤としてのオリゴヌクレオチドベースの化合物の治療的使用に関する。本発明は、TLR9、TLR7および/またはTLR8との相互作用を通して種々の免疫阻害プロフィールを提供するオリゴヌクレオチドベースの化合物を提供する。具体的には、本発明は、TLR9、TLR7および/またはTLR8介在性免疫応答を阻害および/または抑制するためのトール様受容体9、7および/または8(TLR9、TLR7および/またはTLR8)のアンタゴニストとして免疫調節オリゴヌクレオチド(IRO)化合物を提供する。これらIROは、内因性および/または外因性TLRリガンドまたはアゴニストに応答してTLR9、TLR7および/またはTLR8介在シグナル伝達の阻害または抑制を提供する化学修飾および/またはヌクレオチド間連結を有する。本明細書で引用した参考文献は、当該分野の知識水準を反映し、それら全体において出典明示により本明細書に包含させる。引用した参考文献と本明細書の開示間の対立は後者に有利に解決される。
【0023】
本発明は、さらに、免疫療法適用、例えば、限定はしないが、成人および小児の癌、自己免疫疾患、喘息、呼吸アレルギー、食物アレルギー、皮膚アレルギー、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節炎、胸膜炎、慢性感染症、炎症性疾患、炎症性腸症候群、敗血症、および細菌、寄生虫およびウイルス感染の処置、ならびに獣医適用に用いることができる、TLR9、TLR7および/またはTLR8に起因する免疫応答を阻害する方法を提供する。したがって、本発明は、免疫療法のための最適レベルの免疫調節効果を有するIRO化合物およびこのような化合物の製造および使用方法を提供する。さらに、本発明のIRO化合物は、疾患の予防および処置のために、例えば、ワクチン、抗原、抗体、アレルゲン、化学療法剤(化学療法および標的療法の両方)、および/またはアンチセンスオリゴヌクレオチドと組み合わせて有用である。
【0024】
定義
用語「オリゴヌクレオチド」は、一般的には、複数の連結ヌクレオシド単位を含有するポリヌクレオシドを表す。そのようなオリゴヌクレオチドは、ゲノムまたはcDNAを含む、既存の核酸供給源から得ることができるが、好ましくは合成法により生成される。好ましい態様において、各ヌクレオシド単位は、限定されるものではないが、修飾ヌクレオシド塩基および/または修飾糖単位を含む、野生型のオリゴヌクレオチドと比較して種々の化学修飾および置換を含むことができる。化学的修飾の例は当業者に知られており、例えば、Uhlmann, E.ら (1990) Chem. Rev. 90:543; “Protocols for Oligonucleotides and Analogs” Synthesis and Properties & Synthesis and Analytical Techniques, S. Agrawal, Ed, Humana Press, Totowa, USA 1993;およびHunziker, J.ら (1995) Mod. Syn. Methods 7:331-417;およびCrooke, S.ら (1996) Ann.Rev. Pharm. Tox. 36:107-129に記載されている。ヌクレオシド残基は多くの既知のヌクレオシド間連結のいずれかによって互いに結合させることができる。そのようなヌクレオシド間連結には、限定されるものではないが、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホナート、アルキルホスホノチオアート、ホスホトリエステル、ホスホロアミダート、シロキサン、カーボネート、カルボアルコキシ、アセトアミダート、カルバメート、モルホリノ、ボラノ、チオエーテル、架橋ホスホロアミダート、架橋メチレンホスホネート、架橋ホスホロチオエート、およびスルホンヌクレオシド間連結が含まれる。用語「オリゴヌクレオチド」は、1またはそれ以上の立体特異的ヌクレオシド間連結(例えば(R)−または(S)−ホスホロチオエート、アルキルホスホナート、またはホスホトリエステル連結)を有するポリヌクレオシドも包含する。本明細書で用いている用語「オリゴヌクレオチド」および「ジヌクレオチド」は、あらゆるヌクレオシド間連結(該連結がリン酸基を含むか含まないかに関わらず)を有するポリヌクレオシドおよびジヌクレオシドを含むことを明確に意図する。ある好ましい態様において、これらのヌクレオシド間連結は、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、またはホスホロジチオエート連結、またはそれらの組み合わせでありうる。
【0025】
用語「2’置換リボヌクレオシド」または「2’置換アラビノシド」は、一般的には、2’置換または2’−O−置換リボヌクレオシドを生成するためにペントース部分の2’位のヒドロキシル基が置換されたリボヌクレオシドまたはアラビノヌクレオシドを含む。1つの態様において、そのような置換は、1〜6個の飽和または不飽和炭素原子を含む低級ヒドロカルビル基、ハロゲン原子、または6〜10個の炭素原子を有するアリール基により、そのようなヒドロカルビルまたはアリール基は、置換されていなくてもよく、または例えばハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、カルボキシル、カルボアルコキシ、またはアミノ基で置換されていてもよい。2’−O−置換リボヌクレオシドまたは2’−O−置換アラビノシドの例には、限定されるものではないが、2’−アミノ、2’−フルオロ、2’−アリル、2’−O−アルキル、および2’−プロパルギルリボヌクレオシドまたはアラビノシド、2’−O−メチルリボヌクレオシド、または2’−O−メチルアラビノシド、および2’−O−メトキシエトキシリボヌクレオシド、または2’−O−メトキシエトキシアラビノシドが含まれる。
【0026】
用語「3’」は、方向について用いる場合、一般的には、同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド中の別の領域または位置から3’側(下流)のポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの領域または位置を表す。
【0027】
用語「5’」は、方向について用いる場合、一般的には、同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド中の別の領域または位置から5’側(上流)のポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの領域または位置を表す。
【0028】
用語「約」は、一般的には、正確な数が重要ではないことを意味する。すなわち、オリゴヌクレオチド中のヌクレオシド残基の数は重要ではなく、ヌクレオシド残基が1または2個少ないかまたは1〜数個多いオリゴヌクレオチドは、上記態様のそれぞれの均等物と考えられる。
【0029】
用語「アゴニスト」は、一般的には、細胞の受容体と結合し、応答を誘導する物質を表す。アゴニストは、しばしば天然物質、例えばリガンドの作用とよく似ている。
【0030】
用語「アンタゴニスト」は、一般的には、アゴニストまたはリガンドの効果を減ずるか、または阻害する物質を表す。
【0031】
用語「アジュバント」は、一般的には、免疫原、例えばワクチンまたは抗原に加えられたとき、該混合物に暴露するとレシピエント宿主の化学物質に対する免疫応答を増強するか強める物質を表す。
【0032】
用語「気道炎症」は、一般的には、限定されるものではないが、喘息を含む。
【0033】
用語「アレルゲン」は、一般的には、対象に暴露するとアレルギー応答を誘導する抗原または分子、通常タンパク質の抗原部分を表す。典型的には、該対象は、例えば、膨疹およびフレア試験、または当該分野で知られているあらゆる方法によって示されているアレルゲンに対してアレルギー性である。分子は、対象の小さなサブセットだけが該分子に暴露するとアレルギー性免疫応答を示す場合でも、アレルゲンであるという。
【0034】
用語「アレルギー」は、一般的には、炎症によって特徴づけられた不適当な免疫応答を指し、限定されるものではないが、食物アレルギーおよび呼吸アレルギーを含む。
【0035】
用語「抗原」は、一般的には、抗体またはT細胞抗原受容体によって認識され選択的に結合し、免疫応答の誘導をもたらす物質を表す。抗原には、限定されるものではないが、ペプチド、タンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチドおよびその組み合わせが含まれうる。抗原は、天然または合成であってよく、一般的には、その抗原に特異的な免疫応答を誘発しうる。
【0036】
用語「自己免疫疾患」および「自己免疫障害」は、一般的には、「自己」成分が免疫系の攻撃を受ける疾患または障害を意味する。
【0037】
用語「TLR介在性疾患」または「TLR介在性障害」は、一般的には、1またはそれ以上のTLRの活性化が要因であるあらゆる病理学的状態を意味する。そのような状態には、限定されるものではないが、癌、自己免疫疾患または障害、気道炎症、炎症性疾患または障害、感染症、皮膚疾患、アレルギー、喘息、または病原体に起因する疾患が含まれる。
【0038】
用語「生理学的に許容される」は、一般的には、本発明のIRO化合物または組成物の有効性と干渉しない、生物系、例えば、細胞、細胞培養、組織、または生物と適合する物質を表す。好ましくは、該生物系は生存生物、脊椎動物または哺乳動物である。
【0039】
用語「担体」は、一般的には、あらゆる賦形剤、希釈剤、充填剤、塩、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤、油、脂質、脂質含有小胞、ミクロスフェア、リポソームカプセル化、または医薬製剤で用いるための当該分野において知られた他の物質を包含する。担体、賦形剤、または希釈剤の特性が特定の適用のための投与経路に依存するであろうことは理解される。これらの材料を含む薬学的に許容される製剤の製造は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, ed. A. Gennaro, Mack Publishing Co., Easton, PA, 1990に記載されている。
【0040】
用語「併用投与」は、一般的には、免疫応答を調節するか、抑制するか、または阻害するために、十分に近い時間で少なくとも2つの異なる物質を投与することを表す。併用投与は、同時投与、および少なくとも2つの異なる物質を単回投与または別々の投与で任意の順番で、最大数日までの時間を開けて投与することをいう。
【0041】
用語「相補性(的)」は、一般的には、核酸とハイブリダイズする能力を有することを意味する。そのようなハイブリダイゼーションは、一般的には、好ましくはワトソンクリックまたはHoogsteen塩基対を形成する相補鎖間の水素結合の結果であるが、水素結合の他の方法および塩基のスタッキングもハイブリダイゼーションをもたらすことができる。
【0042】
用語「有効量」または「十分量」は、一般的には、所望の生物学的効果、例えば有益な結果に影響を与えるのに十分な量を表す。したがって、「有効量」または「十分量」は、それが投与されている文脈に依存する。併用投与された抗原への免疫応答を調節する化合物または組成物を投与する文脈において、有効量の本発明のIRO化合物または組成物および抗原は、抗原を単独で投与する時に得られる免疫応答に比べて目的とする調節、阻害、または抑制を達成するのに充分な量である。有効量は1またはそれ以上の投与で投与されてもよい。
【0043】
用語「と組み合わせて(と併用して)」は、一般的には、患者の疾患または障害を処置する過程で、本発明のIRO化合物または組成物、および本発明のIRO化合物または組成物の免疫阻害作用を低下させない疾患または障害を処置するのに有用な薬剤を投与することを意味する。そのような併用療法は、本発明のIRO化合物または組成物、および/または独立して薬剤の2回以上の投与を含みうる。本発明のIRO化合物または組成物、および/または該薬剤の投与は、同じまたは異なる経路によってもよい。
【0044】
用語「個体」または「対象」または「脊椎動物」は、一般的には、哺乳動物を表す。哺乳動物は、一般的には、限定されるものではないが、ヒト、ヒト以外の霊長類、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウマ、肉牛、乳牛、ブタ、ヒツジおよびウサギを含む。
【0045】
用語「キナーゼ阻害剤」は、一般的には、リン酸化依存性細胞シグナル伝達および/または細胞の成長経路と拮抗するかまたはそれを阻害する分子を表す。キナーゼ阻害剤は天然または合成であってよく、経口療法として投与する可能性がある低分子を含んでもよい。キナーゼ阻害剤は、標的キナーゼ分子の活性化を急速および特異的に阻害する能力を有する。プロテインキナーゼは、種々のシグナル伝達および成長経路を調節し、種々のタンパク質を含むので、魅力的な薬物標的である。それゆえ、キナーゼ阻害剤は、癌、心血管疾患、炎症性障害、糖尿病、黄斑変性症および神経学的障害を含む、キナーゼシグナル伝達が関与する疾患の処置に大きな可能性を有する。キナーゼ阻害剤の例には、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、Sutent(登録商標)、ダサチニブ、Dasatinib(登録商標)、Zactima(登録商標)、Tykerb(登録商標)およびSTI571が含まれる。
【0046】
用語「ヌクレオシド」は、一般的には、糖、通常、リボースまたはデオキシリボース、およびプリンまたはピリミジン塩基からなる化合物を表す。
【0047】
用語「ヌクレオチド」は、一般的には、糖と結合したリン酸基を含有するヌクレオシドを表す。
【0048】
本明細書で用いている用語「ピリミジンヌクレオシド」は、ヌクレオシドの塩基部分がピリミジン塩基(例えばシトシン(C)またはチミン(T)またはウラシル(U))であるヌクレオシドを表す。同様に、用語「プリンヌクレオシド」は、ヌクレオシドの塩基部分がプリン塩基(例えばアデニン(A)またはグアニン(G))であるヌクレオシドを表す。
【0049】
用語「類似体」または「誘導体」は、一般的には、あらゆるプリンおよび/またはピリミジンヌクレオチド、または修飾塩基および/または糖を有するヌクレオシドを表すために互換性に用いることができる。修飾塩基は、グアニン、シトシン、アデニン、チミン、またはウラシルでない塩基である。修飾糖は、リボースまたは2’デオキシリボースではない、オリゴヌクレオチドのバックボーンに用いることができるあらゆる糖である。
【0050】
用語「阻害する」は、一般的には、応答を減少または抑制し、または応答の誘導および/または刺激から生じる応答の定性的な差を減少または抑制することをいう。
【0051】
用語「非ヌクレオチドリンカー」は、一般的には、リン含有連結以外を介してオリゴヌクレオチドと連結する、または連結させることができるあらゆる連結または部分を表す。好ましくはそのようなリンカーは長さが約2Å(オングストローム)〜約200Åである。
【0052】
用語「ヌクレオチド連結」は、一般的には、リン含有連結を介して2つのヌクレオシドの3’および5’ヒドロキシル基を直接結ぶ直接3’−5’連結を表す。
【0053】
用語「処置」は、一般的には、症状の緩和、および/または疾患または障害の進行を遅らせおよび/または改善することを含み得る有益または望ましい結果を得ることを意図するアプローチを表す。
【0054】
第1の局面において、本発明は、表2に示される免疫調節オリゴヌクレオチド(IRO)化合物を提供する。用語「IRO」は、TLR9、TLR7および/またはTLR8のアンタゴニストである免疫調節オリゴヌクレオチドに基づく化合物を表す。表2中で、IRO化合物は、すべてホスホロチオエート(PS)連結を有し、ヌクレオチドはすべて、示した場合を除きデオキシヌクレオチドである。
【表2】
【0055】
好ましい態様において、IRO化合物はアンチセンスオリゴヌクレオチドではない。
【0056】
ある態様において、IRO化合物のオリゴヌクレオチドは、約6〜約35のヌクレオシド残基、好ましくは約9〜約30のヌクレオシド残基、より好ましくは約11〜約23のヌクレオシド残基を有することができる。ある態様において、オリゴヌクレオチドは約6〜約18のヌクレオチド残基を有する。ある態様において、IRO化合物は長さが18のヌクレオチド残基である。
【0057】
ある態様において、IRO化合物は、1またはそれ以上のワクチン、抗原、抗体、細胞毒性薬、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、TLRアンタゴニスト、ペプチド、タンパク質、遺伝子療法ベクター、DNAワクチン、アジュバント、またはキナーゼ阻害剤と組み合わせることができる。
【0058】
第2の局面において、本発明は、本発明のIRO化合物および生理学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0059】
本発明のこの局面の態様において、該組成物は、さらに、1またはそれ以上のワクチン、抗原、抗体、細胞毒性薬、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、TLRアンタゴニスト、ペプチド、タンパク質、遺伝子療法ベクター、DNAワクチン、アジュバント、またはキナーゼ阻害剤を含有する。
【0060】
第3の局面において、本発明は、本発明のIRO化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における免疫応答のTLR9、TLR7および/またはTLR8介在性誘導を阻害または抑制する方法を提供する。ある局面において、哺乳動物はヒトである。好ましい態様において、IRO化合物は免疫抑制を必要とする哺乳動物に投与される。
【0061】
本発明のこの局面によれば、IRO化合物が、さらなるTLRリガンドまたはTLRアゴニストに対するTLR9、TLR7および/またはTLR8ベースの免疫応答を抑制することができる。下記実施例でさらに説明するように、TLRアゴニストまたはTLRリガンド(例えば免疫刺激オリゴヌクレオチド)によるTLR9、TLR7および/またはTLR8ベースの免疫応答の活性化は、IRO化合物の同時投与、前投与、または後投与により拮抗、阻害、抑制、または防止することができ、そのような拮抗、阻害、抑制、または防止は、投与後長時間(例えば数日間)維持されうる。本発明のこの有益な特性は、疾患または障害の予防および/または処置のためにユニークな長所を有する。例えば、疾患の処置過程であるTLRアゴニストの適用は、IRO化合物が拮抗、抑制、阻害、または防止することができる望ましくない免疫刺激を引き起こすかもしれない。TLRアゴニストとの同時投与、前投与、および/または後投与によるIROの投与は、望ましくない副作用と拮抗、抑制、阻害、または防止しながら、TLRアゴニストの治療的利益をもたらし得る。さらに、本発明のIRO化合物の前投与はTLRアゴニスト、好ましくはTLR9、TLR7および/またはTLR8アゴニストによる引き続く、または後のチャレンジに対する免疫応答(例えばアレルギー応答)と拮抗、抑制、阻害、または防止することもありうる。
【0062】
本発明のこの局面の方法において、本発明のIRO化合物の投与は、限定されるものではないが、非経口、粘膜送達、経口、舌下、経皮、局所的、吸入、胃内、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣内、遺伝子銃による、皮膚パッチ、または点眼薬もしくは口内洗浄液の形を含むあらゆる適切な経路によることができる。IRO化合物の治療的組成物の投与は、その病気の症状または代用マーカーを減少させるのに有効な用量および期間で、既知の手順を用いて実施することができる。全身投与する場合は、該治療的組成物は、IRO化合物の血中濃度が約0.0001マイクロモル〜約100マイクロモルに達するのに充分な用量で投与するのが好ましい。より好ましくは、全身投与は、IRO化合物の血中濃度が約0.001マイクロモル〜約10マイクロモルに達するのに充分な用量で行われる。局所投与については、これよりはるかに低濃度で有効なことがあり、また、はるかに高い濃度が許容されうる。好ましくは、IRO化合物の総用量は、約0.001mg/患者/日〜約200mg/kg体重/日の範囲である。本発明のIRO化合物は、毎日、1日おき、2日おき、3日おき、4日おき、5日おき、または1週間に1回投与することが望ましい可能性がある。治療的有効量の本発明のIRO含有治療的組成物の1またはそれ以上を個体に単回投与として同時にまたは連続的に投与するのが望ましい可能性がある。
【0063】
IRO化合物は、所望により、1またはそれ以上のアレルゲン、および/または抗原(自己または外来)、免疫原性タンパク質、例えばキーホールリンペットヘモシニアン(KLH)、コレラ毒素Bサブユニット、または他の免疫原性担体タンパク質と連結および/または結合させることができる。IROは、限定されるものではないが、TLRアゴニスト(例えばTLR2アゴニスト、TLR4アゴニストおよびTLR9アゴニスト)、フロインド不完全アジュバント、KLH、モノホスホリルリピッドA(MPL)、アラム、Merckアラムアジュバント(MAA)、サポニン(QS−21を含む)、イミキモド(imiquimod)、またはそれらの組み合わせを含む他の化合物(例えばアジュバント)と組み合わせて用いることもできる。
【0064】
本発明のこの局面の方法は免疫系に関するモデル試験に有用である。該方法は、ヒトまたは動物の疾患の予防的または治療的処置にも有用である。例えば、該方法は、小児、成人、および獣医用ワクチン適用に有用である。
【0065】
第4の局面において、本発明は、TLR9、TLR7および/またはTLR8の阻害が有益であろう疾患または障害を有する患者を治療的に処置する方法であって、本発明のIRO化合物を該患者に投与することを含む方法を提供する。種々の態様において、処置すべき疾患または障害は、癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性障害、感染症、マラリア、ライム病、眼感染症、結膜炎、皮膚疾患、乾癬、強皮症、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、慢性疲労症候群、サルコイドーシス、移植拒絶反応、アレルギー、喘息、または病原体に起因する疾患である。好ましい自己免疫障害には、限定されるものではないが、エリテマトーデス、多発性硬化症、I型糖尿病、過敏性大腸症候群、クローン病、リウマチ性関節炎、敗血症性ショック、全身性脱毛症、急性散在性脳脊髄炎、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫溶血性貧血、自己免疫性肝炎、水疱性類天疱瘡、シャーガス病、慢性閉塞性肺疾患、セリアック病、皮膚筋炎、子宮内膜症、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン−バレー症候群、橋本病、汗腺膿瘍、特発性血小板減少性紫斑病、間質性膀胱炎、限局性強皮症、重症筋無力症、ナルコレプシー、神経ミオトニー、天疱瘡、悪性貧血、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、統合失調症、シェーグレン症候群、側頭動脈炎(「巨細胞性動脈炎」)、脈管炎、白斑症、外陰部痛およびヴェグナー肉芽腫症が含まれる。好ましい炎症性障害には、限定されるものではないが、気道炎症、喘息、自己免疫性疾患、慢性炎症、慢性前立腺炎、糸球体腎炎、ベーチェット病、過敏症、炎症性腸疾患、再潅流障害、リウマチ性関節炎、移植拒絶反応、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、結膜炎および脈管炎が含まれる。病原体には、細菌、寄生生物、真菌、ウイルス、ウイロイドおよびプリオンが含まれる。投与は、本発明の第3の局面で記載のごとく実施する。
【0066】
第5の局面において、本発明は、本発明のIRO化合物を患者に投与することを含む、TLR9、TLR7および/またはTLR8の阻害が有益であろう疾患または障害を予防する方法を提供する。種々の態様において、予防すべき疾患または障害は、癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性障害、感染症、マラリア、ライム病、眼感染症、結膜炎、皮膚疾患、乾癬、強皮症、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、慢性疲労症候群、サルコイドーシス、移植拒絶反応、アレルギー、喘息、または病原体に起因する疾患である。好ましい自己免疫障害には、限定されるものではないが、エリテマトーデス、多発性硬化症、I型糖尿病、過敏性大腸症候群、クローン病、リウマチ性関節炎、敗血症性ショック、全身性脱毛症、急性散在性脳脊髄炎、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫溶血性貧血、自己免疫性肝炎、水疱性類天疱瘡、シャーガス病、慢性閉塞性肺疾患、セリアック病、皮膚筋炎、子宮内膜症、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン−バレー症候群、橋本病、汗腺膿瘍、特発性血小板減少性紫斑病、間質性膀胱炎、限局性強皮症、重症筋無力症、ナルコレプシー、神経ミオトニー、天疱瘡、悪性貧血、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、統合失調症、シェーグレン症候群、側頭動脈炎(「巨細胞性動脈炎」)、脈管炎、白斑症、外陰部痛およびヴェグナー肉芽腫症が含まれる。好ましい炎症性障害には、限定されるものではないが、気道炎症、喘息、自己免疫性疾患、慢性炎症、慢性前立腺炎、糸球体腎炎、ベーチェット病、過敏症、炎症性腸疾患、再潅流障害、リウマチ性関節炎、移植拒絶反応、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、結膜炎および脈管炎が含まれる。病原体には、細菌、寄生生物、真菌、ウイルス、ウイロイドおよびプリオンが含まれる。投与は、本発明の第3の局面で記載のごとく実施する。
【0067】
本発明の第3、第4、または第5の局面のあらゆる方法において、IRO化合物は、IRO化合物の免疫的アンタゴニスト、阻害、抑制、または防止効果または活性を無効にしない疾患または状態の処置または予防に有用なあらゆる他の薬剤と組み合わせて投与することができる。本発明のあらゆる方法において、該疾患または状態の処置または予防に有用な薬剤には、限定されるものではないが、1またはそれ以上のワクチン、抗原、抗体、細胞毒性薬、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、TLRアンタゴニスト、ペプチド、タンパク質、遺伝子療法ベクター、DNAワクチン、アジュバント、またはキナーゼ阻害剤が含まれる。例えば、癌の処置において、IRO化合物は、1またはそれ以上の化学療法化合物、標的治療薬、および/またはモノクローナル抗体と組み合わせて投与することができると予期される。また、疾患の予防において、IRO化合物は1またはそれ以上のワクチンと組み合わせて投与することができると予期される。あるいはまた、該薬剤は、抗原またはアレルゲンをコードするDNAベクターを含むことができる。これらの態様において、本発明のIRO化合物は、アジュバントとして種々に作用し、直接免疫調節効果をもたらすことができる。
【0068】
以下の実施例は、本発明のある典型的な態様をさらに示すものであり、本発明の範囲を限定するものではない。例えば、代表的TLRリガンドを以下の実施例で示すが、本発明のIROがアンタゴニストとして作用するリガンドの範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0069】
実施例1
免疫調節部分を含むオリゴヌクレオチドの合成
本発明のIRO化合物はすべて標準手順により合成された(例えば米国特許公開公報No.20040097719を参照)。
【0070】
オリゴヌクレオチドは、自動DNA合成装置(Expedite 8909; PerSeptive Biosystems, Framingham, Mass.)を用い、標準的線形合成またはパラレル合成手順に従って(例えば米国特許公開公報No.20040097719の図5および6を参照)1μMの規模で合成した。
【0071】
デオキシリボヌクレオシドホスホロアミダイトは(Aldrich-Sigma, St Louis, Mo)から得た。1’,2’−ジデオキシリボースホスホロアミダイト、プロピル−1−ホスホロアミダイト、2−デオキシウリジンホスホロアミダイト、1,3−ビス−[5−(4,4’−ジメトキシトリチル)ペンチルアミジル]−2−プロパノールホスホロアミダイトおよびメチルホスホロアミダイト(methyl phosponamidite)はGlen Research (Sterling, Va.)から得た。ベータ−L−2’−デオキシリボヌクレオシドホスホロアミダイト、アルファ−2’−デオキシリボヌクレオシドホスホロアミダイト、モノ−DMT−グリセロールホスホロアミダイトおよびジ−DMT−グリセロールホスホロアミダイトはChemGenes (Willmington, Mass.)から得た。(4−アミノブチル)−1,3−プロパンジオールホスホロアミダイトはClontech (Palo Alto, Calif.)から得た。アラビノグアノシンは、Reliable Pharmaceutical (St. Louis, Mo.)から得た。アラビノグアノシンホスホロアミダイトは、Idera Pharmaceuticals, Inc. (Cambridge, Mass.) (Noronhaら (2000) Biochem., 39:7050-7062)で合成された。
【0072】
ヌクレオシドホスホロアミダイトはすべて31PおよびHのNMRスペクトルによって特徴づけられた。修飾ヌクレオシドは、標準的カップリングサイクルを用いて、特定部位に組み込んだ。合成後、オリゴヌクレオチドは濃縮水酸化アンモニウムを用いて脱保護し、逆相HPLCによって精製し、次いで透析した。ナトリウム塩形の精製オリゴヌクレオチドは、使用前に凍結乾燥された。純度はCGEおよびMALDI−TOF MSによって試験した。
【0073】
実施例2
TLR7およびTLR9刺激のインビボ阻害
C57BL/6マウスの左の脇の下に、0時間に5mg/kgのIRO化合物を、24時間に0.25mg/kgのTLR9アゴニストまたは10mg/kgのTLR7アゴニストをs.c.注射した。血清サンプルを、TLR9またはTLR7アゴニスト注射の2時間後に得、IL−12濃度をELISAで測定した。結果を表3に示す。これらの結果は、本発明のIRO化合物がTLR7および/またはTLR9活性をインビボで阻害することができること、より一般的には、本発明のIRO化合物がTLR活性化を阻害することができることを示す。
【表3】
【0074】
実施例3
TLR7/TLR9インビボアンタゴニスト試験
雌のC57BL/6マウス(2/群)の右脇腹に、0時に、5mg/kgのアンタゴニスト化合物をs.c.注射した。次に、マウスの左脇腹に、24時に、TLR9(0.25mg/kg)またはTLR7(10mg/kg)アゴニストを注射した。アゴニスト投与2時間後に眼窩内出血により血液を収集した。次に、血清サンプル中でサイトカイン/ケモカイン反応をLuminex xMAPシステムを用いる多重分析により評価した。結果を図1および2に示す。
【0075】
実施例4
TLR4、7、8および9を発現するHEK293細胞の細胞培養アッセイ
ヒトTLR4/CD14/MD−2またはmTLR9を安定に発現するヒト胚腎臓(HEK)293細胞およびヒトTLR7またはTLR8を安定に発現するHEK293XL細胞はInvivogen (San Diego, CA)から得た。HEK細胞を6時間でレポーター遺伝子(SEAP、Invivogen)で一時的にトランスフェクトした。適当なTLRアゴニストを、種々の濃度のアンタゴニストの存在または非存在下で培養物に加え、培養を18時間続けた。処理の最後に、20mlの培養上清物をそれぞれの処理物から取り、製造業者のプロトコール(Invivogen)にしたがって150mlのQuanti−Blue基質を使用してSEAP活性について試験した。結果をPBS処理細胞に対するNF−κB活性化における倍数変化として計算し、50%抑制濃度(IC50)値を決定した。結果を図3に示す。
図1
図2
図3
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]