(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたような基本構造を有するタッチパネルについて、本願発明者等は鋭意研究開発を行なってきた。このタッチパネルでは、微細な配線を含む種々の電子素子がその表面に作り込まれた絶縁性の基板を主要な部品の一つとしている。そして、この基板に関しては、後述する製造管理上の必要性から、その表面の電子素子以外の部分に金属層を設け、これにレーザー印字装置を用いて情報を書き込む技術が求められており、本願発明者等はすでに斯かる技術を開発している。前記絶縁性の基板は、大きな材料ガラス板から切り出して製造するため、製造工程途中や完成後等の製品管理のために、各基板ごとに材料ガラス板のロット情報等を記録しておくことが必要であり、そのために各基板ごとに情報を直接書き込む技術が必要とされるのである。このような情報は、例えば2次元バーコードの形態で前記金属層に形成される。例えば、数十枚で1ロットとして管理されている材料ガラス板であれば、特定の基板が切り出された材料ガラス板のロット番号、特定の基板が切り出された当該ロット中の該当する材料ガラス板の番号、そして、特定の基板が切り出された当該番号の材料ガラス板中の切り出し位置等が、ロット情報として前記2次元バーコードの形態で金属層に書き込まれる。
【0005】
図7及び
図8は、本願発明者等が開発したタッチパネルとして機能する電子素子用基板の断面図であり、この電子素子用基板によれば、絶縁性の基板100の表面に、ロット管理等のために用いられる2次元バーコードが書き込まれている。すなわち、絶縁性の基板100の表面には、ITO(Indium Tin Oxide)層101が形成され、その上にMAM(Molybdenum Aluminum Molybdenum)層102が形成される。なお、MAM層102の下にITO層101を設けるのは、絶縁性の基板100としてソーダガラスが採用されている場合には、高温高湿時に、基板100中のアルカリ成分がMAM層102に影響を与える可能性があるので、これを遮断するためである。このようなITO層101の上に形成されたMAM層102を下地とし、レーザー印字装置を使用して2次元バーコードが形成されている。
【0006】
図7に示すように、印字時に、これらITO層101とMAM層102を覆ってオーバーコート層103が形成されている場合には、オーバーコート層103がエネルギを吸収してMAM層102に到達するレーザーが弱くなり、また位置によるエネルギのばらつきが生じて、正常な2次元バーコードが形成されない場合が考えられる。
【0007】
そこで、本願発明者等は、
図8に示すように、ITO層101とMAM層102の部分を避けてオーバーコート層103を形成し、MAM層102に直接レーザーを照射して2次元バーコードを書き込む手法を開発した。
【0008】
しかしながら、本願発明者等が開発した
図7及び
図8に示す電子素子用基板によれば、次のような問題があった。
まず、MAM層とITO層は、内部応力の方向が互いに反対向きである。すなわち、MAM層内には引張応力が働き、ITO層内には圧縮応力が働くため、両層を重ねた場合には互いの密着性はそれほど高くならない。このため、2次元バーコードをレーザー印字装置でMAM層に印字する際には、その衝撃によって印字中にMAM層がITO層から剥がれたり、印字終了後に時間をおいて剥がれてしまう場合があった。また、MAM層が不良な密着性のためにITO層又は基板の表面から浮いていると、MAM層に照射されるレーザーが微小な範囲に集中せずに大きな範囲に広がってしまうため、エネルギが効率的に集中しなくなり、印字が行なわれたとしても加工の状態が不完全となって読み取りが不能となる場合もあった。さらには、前述したように基板は大寸法の材料ガラス板から切り出して使用するため、微細なガラスの屑が基板の表面に付着している場合があり、また工程で関与する作業者からの発塵も考えられることから、後工程で基板の表面を粘着ローラでクリーニングする必要があるが、その際にMAM層が剥がれてしまうことがあり、充分なクリーニングを実施できない場合があるという問題があった。
【0009】
本発明は、以上説明した従来の技術の課題を解決するためになされたものであって、電子素子用基板において、基板の表面に情報が書き込まれた金属層を充分な強度で形成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載された電子素子用基板は、
その表面に電子素子が形成される絶縁性の基板と、
前記基板の表面に被着されて情報が書き込まれた第1の金属層と、
を具備す
る電子素子用基板
であって、
前記第1の金属層は、前記情報が書き込まれた領域を除
く周縁部の少なくとも一部
のみが被覆材料で覆
われていることを特徴としている。
【0012】
請求項
2に記載された電子素子用基板は
、
その表面に電子素子が形成される絶縁性の基板と、
前記基板の表面に被着されて情報が書き込まれた第1の金属層と、
を具備する電子素子用基板であって、
前記第1の金属層の前記基板に対する被着力よりも大きい前記基板に対する被着力を有する第2の金属層によって、前記第1の金属層が覆われていることことを特徴としている。
【0013】
請求項
3に記載された電子素子用基板は、請求項
2記載の電子素子用基板において、
前記第2の金属層の周縁部の少なくとも一部を被覆材料で覆ったことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載された電子素子用基板によれば、絶縁性の基板の表面のうち、電子素子が形成された領域以外に、中間の層を介することなく第1の金属層が直接形成されて確実に被着しており、この第1の金属層に有用な情報が書き込まれている。このため、情報が書き込まれた第1の金属層は、種々の工程を経ても基板の表面から剥がれ落ちることがないので、例えば、絶縁性の基板のロット情報等が第1の金属層に書き込まれれば、電子素子用基板の製造工程途中や完成後等の製品管理のためにいつでも同情報を参照することができ、工業生産上極めて有用である。
そして、第1の金属層は、情報が書き込まれた領域を除
く周縁部、すなわち剥がれの起点となりうる部分の少なくとも一部
のみが被覆材料で覆われて押さえ込まれているため、被覆材料がない場合に比べて第1の金属層は基板からより剥がれにくくなっている。
【0016】
請求項3に記載された電子素子用基板によれば、情報が書き込まれた第1の金属層は、この第1の金属層の基板に対する被着力よりも大きい被着力を有する第2の金属層によって覆われているため、第2の金属層がない場合に比べて第1の金属層は基板からより一層剥がれにくくなっている。
【0017】
請求項4に記載された電子素子用基板によれば、第1の金属層を第2の金属層で覆うことによって第1の金属層を剥離しにくくしているだけでなく、この第2の金属層が剥がれる際の起点となりうる周縁部を被覆材料で覆うことにより、第1の金属層は基板から、さらにより一層剥がれにくくなっている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を
図1〜
図6を参照して説明する。これら実施形態は、電子デバイスとして種々の用途に使用されているタッチパネルの主要構成部品である電子素子用基板(以下、単に基板と称する)に係り、特に、材料ガラス基板のロット情報等のような製造工程等において有用な情報が、2次元バーコードの態様で書き込まれた金属層を有する基板に関するものである。
【0020】
図1〜
図3を参照して第1実施形態を説明する。
図1に示すタッチパネルの基板11は、透光性と絶縁性を有する矩形の基板であり、例えばガラス式又はフィルム式が用いられる。ガラス式の基板11としては、例えば無アルカリガラス、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスなどを用いる。また、フィルム式の基板11としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂製のフィルムを用いる。実施形態では、ガラス基板を採用した。
【0021】
図1は基板11を裏面側から見た図である。基板11の裏面には、第1電極13及び第2電極14から構成された電子素子としてのセンサ部2が設けられている。この基板11をタッチパネル装置に組み込んだ際、操作者が指を触れる操作面となる基板11の表面は、
図1に示す裏面と対抗する反対側(紙面奥側)となる。そして、図示はしないが、この基板11の外周縁には、表裏両面から挟み込むように図示しない筐体部が取り付けられ、センサ部2がある基板11の裏面側(紙面手前側)には、図示しない表示装置が取り付けられ、基板11の表面側(紙面奥側)には、図示しない透明なカバー部材が取り付けられ、これによってタッチパネル装置が構成されることとなる。
【0022】
電極部12の第1電極13は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜をフォトリソグラフィー技術等でレジストをパターニングした後にエッチング処理して、例えば
図1の縦方向(X方向)に複数配列される列電極として形成される。
【0023】
第2電極14は、第1電極13と同様、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜をフォトリソグラフィー技術等でレジストをパターニングした後にエッチング処理して、例えば
図1の横方向(Y方向)に複数配列される列電極として形成される。
【0024】
さらに電極部12の形成方法について説明すると、まず、基板11の前記裏面である操作対向面11aに対し、
図1の縦方向(X方向)に延在する複数の第1電極13と、分断された状態で
図1の横方向(Y方向)に配置された複数の電極膜14aとを形成する。次に、第1電極13と第2電極14との交差部15における第1電極13上に絶縁層16を形成する。絶縁層16は、第1電極13と第2電極14との間を電気的に絶縁するもので、例えばアクリル樹脂などの絶縁材料からなる。次に、第1電極13を跨いで
図1の横方向(Y方向)にブリッジ配線(ジャンパー配線)17にて複数の電極膜14aを接続し、第2電極14を形成する。その際、第2電極14を構成する電極膜14a,14a間を接続するブリッジ配線17は、絶縁層16上を通るように配線する。そして、本例では、第1電極13と第2電極14による電極部12が形成される矩形部分がセンサ部2の操作領域となる。
【0025】
なお、上述した電極部12の形成方法では、第2電極14にブリッジ配線17を用いているが、第1電極13と第2電極14を逆転させた構成とし、第1電極13にブリッジ配線17を用いてもよい。また、第1電極13と第2電極14とは少なくとも交差部15が絶縁されていればよいので、一方の電極(第1電極13又は第2電極14)の全面に絶縁層16を形成し、この絶縁層16の上に他方の電極(第2電極14又は第1電極13)を形成する構成としてもよい。
【0026】
図1に示すように、上述した形成方法にて基板11上に形成された第1電極13と第2電極14の各端部からは、それぞれ引き出し配線部18が引き出されている。これらの引き出し配線部18は、第1電極13と第2電極14のそれぞれの端部から引き出され、センサ部2の操作領域を囲む枠状領域の一長辺側にまで引き回され、不図示の制御IC(制御回路)に配線接続されている。
【0027】
引き出し配線部18は、例えばMAM(Mo/Al/Mo)、APC(Ag・Pd・Cuなど)などの金属層をスパッタ法により成膜し、エッチング法により、上述した所定のパターンに形成される。
【0028】
このように、センサ部2は、位置センサとしての精度を保つため、直線状電極からなる第1電極13と第2電極14とが電気的に絶縁された状態で基板11上にXYのマトリックス状に配置され、どの電極上のどこ辺りにではなく、どのX方向電極とどのY方向電極であるかを独立に検出し、その交点から位置を算出することができる。
【0029】
図1に示すように、センサ部2の操作領域を囲む枠状領域の他長辺側、すなわち引き出し配線部18が引き回されている側とは反対側において、その一方の隅部には第1の金属層21が設けられている。
【0030】
図2に示すように、第1の金属層21は、基板11の表面に被着して形成された矩形の膜であり、その材質は例えばMAM(Mo/Al/Mo)であり、その膜厚は350nm程度であって、レーザー印字装置によって当該基板11のロット情報が2次元バーコードの態様で書き込まれている。書き込まれた2次元バーコードについては図示を省略する。
なお、第1の金属層21が被着されているのは基板11の「表面」であると述べ、以降もこの表現を用いるが、これは、対応する名称対である表面及び裏面の一方としての表面ではなく、板材の面を一般的に呼称する用語としての表面であり、この
図1に示した実施形態の基板11では先に「裏面」と呼んだ側の面を指している。
【0031】
図2に示すように、第1の金属層21の周囲にある基板11の表面には、オーバーコート23層が形成されている(
図1には不図示)。オーバーコート層23は、基板11の表面にある構成要素のうち、第1の金属層21以外のものを覆う被覆材であり、具体的には前述した第1電極13及び第2電極14から構成されたセンサ部2と引き出し配線部18を覆っている。オーバーコート層23は、アクリル等の有機樹脂やフリットガラスからなり、その厚さは2〜10μm程度であって、基板11の当該面に表示装置を取り付けた際にこれら電極類等を保護する機能がある。
【0032】
次に、以上のように構成されたタッチパネルとしての基板11の製造工程について
図3の工程フローを参照して説明する。
図3において、各工程を示すブロックの左側に付した番号は工程番号である。
【0033】
第1工程で、大型の材料ガラス板において、後工程で個々の基板11となる各領域に、第1電極13と第2電極14から構成されるセンサ部2をITOでそれぞれ形成する(「センサーITOの形成」工程)。
【0034】
第2工程で、各基板11の領域において、第1電極13と第2電極14との交差部15における第1電極13上に絶縁層16を形成する(「絶縁層形成」工程)。
【0035】
第3工程で、各基板11の領域において、MAMで第1の金属層21を形成する。この工程では、第1の金属層21と同一の材質であるMAMを用いて引き出し配線部18も形成する。同材質にて絶縁層16上を通るようにブリッジ配線17を形成してもよい(「メタル配線形成(印字部形成)」工程)。
【0036】
第4工程で、各基板11の領域において、第1の金属層21にはかからないように、基板11の表面にオーバーコート層23を形成する(「オーバーコート形成」工程)。
【0037】
第5工程で、各基板11の領域において、第1の金属層21にレーザー印字装置で必要な2次元バーコードを形成する(「2次元バーコード印字」工程)。
【0038】
第6工程で、材料ガラス板を、各基板11の境界において切断し、各基板11を分離する(「基板カット」工程)。
【0039】
第7工程で、各基板11ごとに切断面を研磨し、微細なガラス屑等を除去するための洗浄を行う(「研磨・洗浄」工程)。
【0040】
第8工程で、ガラス屑が除去しきれない可能性や、さらに工程で関与する作業者からの発塵も考慮して、各基板11の表面を粘着ローラでクリーニングする(「粘着ローラクリーニング」工程)。
【0041】
第9工程で、オーバーコート層23の上から保護用のフィルムを貼付してタッチパネルとしての基板が完成する(「フィルム貼付」工程)。
【0042】
その後、このタッチパネルとしての基板に、筐体部が取り付けられ、基板11のセンサ部2の側に表示装置が取り付けられ、基板11の反対側の面に透明なカバー部材が取り付けられて、タッチパネル装置が完成することとなる。
【0043】
以上説明した第1実施形態のタッチパネルとしての基板によれば、絶縁性の基板11の表面のうち、センサ部2や引き出し配線部18等の電子素子が形成された領域以外の領域に、従来のようにITO膜等の中間層を介することなく、第1の金属層21であるMAM層を直接被着して形成した。
【0044】
「発明が解決しようとする課題」の項で説明したように、2次元バーコードを書き込むMAM層の下にITO層を設けるのは、ソーダガラスを基板とした場合、高温高湿時に基板中のアルカリ成分が析出してMAM層に影響を与える可能性を排除するためであったが、本願発明者等の検証によれば、このような事象が発生してMAM層に実質的な悪影響を与える可能性を証明することができなかった。実際には、製品完成時には、第9工程で貼付される保護用のフィルム等、第1の金属層21は各種保護膜で覆われて保護されるため、ITO層をアルカリ成分の遮断層として設ける必要性は現実的にみて小さいと考えられる。逆にMAM層とガラス板は密着性が良好であると考えられるため、従来は必須とされていた第1層のITO層を省いたところ、却って良好な結果が得られた。すなわち、第1の金属層21であるMAM層は、ガラス製の基板11に対して良好な密着性を示し、
図3を参照して説明した工程の何れにおいても剥離することがなく、良好な書き込み状態の2次元バーコードを形成することができた。なお、ここで「剥離」とは、金属層が基板から完全に分離することだけでなく、基板の表面から部分的に浮き上がったような状態も含むものとする。また、基板からのアルカリ成分による不具合も、製造中及び完成後相当の時間が経過した後にも、特に観察されることがなかった。
【0045】
従って、この2次元バーコードによって、例えば、絶縁性の基板のロット情報等を各基板11の各第1の金属層21に書き込めば、タッチパネルとしての基板の製造工程の途中や完成後等における製品管理のために、いつでも同情報を参照することができ、またタッチパネル装置の製造工程においても、部品の一つであるタッチパネル(基板)の同情報を参照できるため、工業生産上極めて有用である。
【0046】
図4及び
図5を参照して第2実施形態を説明する。
図4及び
図5に示す基板11では、オーバーコート層23は、基板11の表面にあるセンサ部2や引き出し配線部18等の電子素子を覆っているだけでなく、第1の金属層21の周縁部の少なくとも一部分にも被さっている。
図5では、矩形の第1の金属層21の周縁部のうち、2つの辺に掛かっているが、第1の金属層21の配置によっては、オーバーコート層23が矩形の第1の金属層21の3辺又は4辺にかかるように構成することもできる。オーバーコート層23が矩形の第1の金属層21の4辺に掛かった状態とは、矩形の第1の金属層21がオーバーコート層23に囲まれ、その4つの周縁部にオーバーコート層23が被さった状態である。
【0047】
前述したように、第1の金属層21はMAM層から構成されており、ガラス製の基板11との密着性は元々良好であるが、その周縁部がオーバーコート層23で覆われているため、さらに基板11から剥がれにくくなっている。すなわち、第1の金属層21の周縁部のうち、少なくともオーバーコート層23で覆われている部分については、剥がれの起点となることがない。従って、例えば、
図3を参照して説明した第8工程で粘着ローラを用いたクリーニングを行った場合でも、剥がれが発生する可能性はさらに小さくなった。
【0048】
図6を参照して第3実施形態を説明する。
図6に示す基板11では、MAMからなる第1の金属層21は、ITOからなる第2の金属層22によって全体を覆われており、第2の金属層22は第1の金属層21の周縁において基板11の表面に被着している。また、第2実施形態と同様、オーバーコート層23は、第2の金属層22の周縁部の少なくとも一部分にも被さっている。
【0049】
ここで、第1の金属層21であるMAMの基板11に対する被着力よりも、第2の金属層であるITOの基板11に対する被着力の方が大きい。すなわち、MAMとガラス(基板11)の間よりも、ITOとガラス(基板11)の間の方が密着力が高い。さらにITOは、第2実施形態と同様の構成により、オーバーコート層23に少なくとも周縁部の一部を覆われているので、第2の金属層が剥離する起点はその分だけ少なくなっている。このように、本実施形態によれば、MAMのパターン(第1の金属層21)をITOのパターン(第2の金属層)で被覆するとともに、ITOのパターン(第2の金属層)の周縁部の一部をオーバーコート層23で被覆することにより、第2実施形態よりも第1の金属層21が剥がれる可能性がさらに小さくなった。
【0050】
なお、第3実施形態において、オーバーコート層23を省略しても、第2の金属層であるITOによって第1の金属層21であるMAMを覆っているため、第1実施形態よりも第1の金属層21は剥がれにくくなっている。