(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、遊技機としてのパチンコ遊技機の一実施形態を説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機には、遊技盤YBが設けられている。パチンコ遊技機には、発射ハンドルHDが設けられており、発射ハンドルHDの回動動作に応じて遊技盤YBへ遊技球が発射可能となる。パチンコ遊技機には、装飾ランプLA及びスピーカSPが設けられている。
【0013】
遊技盤YBには、複数の発光部を有する第1特別図柄表示装置11が設けられている。第1特別図柄表示装置11では、複数種類の特別図柄(第1特別図柄、第1図柄)を変動させて表示する変動ゲーム(図柄変動ゲーム、第1図柄変動ゲーム)が行われる。以下の説明では、単に「第1変動ゲーム」と示す場合、第1特別図柄表示装置11で行われる変動ゲームを指すものとする。
【0014】
遊技盤YBには、複数の発光部を有する第2特別図柄表示装置12が設けられている。第2特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄(第2特別図柄、第2図柄)を変動させて表示する変動ゲーム(図柄変動ゲーム、第2図柄変動ゲーム)が行われる。以下の説明では、単に「第2変動ゲーム」と示す場合、第2特別図柄表示装置12で行われる変動ゲームを指すものとする。第1変動ゲームと第2変動ゲームとは、同時に実行されない。
【0015】
各特別図柄表示装置11,12では、複数種類の特別図柄のうち大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特別図柄が変動ゲームの終了に伴い確定停止表示される。特別図柄には、大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)と、はずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)とがある。大当り図柄が確定停止表示された場合、大当り遊技が付与される。
【0016】
遊技盤YBには、演出画像を表示する演出表示装置16が設けられている。演出表示装置16では、変動ゲームに関連する表示演出が行われ、具体的には、複数種類の飾り図柄(演出図柄)を複数列で変動させる飾り図柄変動ゲームが行われる。
【0017】
演出表示装置16では、変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って各列の飾り図柄が変動表示される。演出表示装置16では、飾り図柄が確定停止表示される前に、リーチの図柄組み合わせとなり、リーチ状態を形成する場合がある。リーチの図柄組み合わせとしては、演出表示装置16における複数列のうち特定列(本実施形態では左列と右列)の飾り図柄が同一種類となって一旦停止表示され、特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている図柄組み合わせが規定されている。
【0018】
演出表示装置16には、各特別図柄表示装置11,12の表示結果に応じた図柄組み合わせが確定停止表示される。より詳しくは、各特別図柄表示装置11,12に大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置16にも大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。各特別図柄表示装置11,12にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置16にもはずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。なお、本実施形態において、大当りの図柄組み合わせとしては、全列の飾り図柄が同一種類となる図柄組み合わせが、はずれの図柄組み合わせとしては、全列の飾り図柄が同一種類とならない図柄組み合わせがそれぞれ規定されている。
【0019】
演出表示装置16は、第1特別図柄表示装置11及び第2特別図柄表示装置12と比較して大きい表示領域で構成され、飾り図柄は、特別図柄に比較して遥かに大きく表示される。このため、演出表示装置16に確定停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれが遊技者により認識可能となる。
【0020】
遊技盤YBには、遊技球が入球可能な第1始動入賞口21aを有する第1始動入賞装置21が設けられている。第1始動入賞装置21には、第1始動入賞口21aへ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1(
図2参照)が設けられている。第1始動入賞口21aに入球した遊技球が第1始動センサSE1により検知されたことを契機に、第1変動ゲームの始動条件が付与され得るとともに、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が付与される。
【0021】
遊技盤YBには、遊技球が入球可能な第2始動入賞口22aを有する第2始動入賞装置22が設けられている。第2始動入賞装置22には、第2始動入賞口22aへ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2(
図2参照)が設けられている。第2始動入賞口22aに入球した遊技球が第2始動センサSE2により検知されたことを契機に、第2変動ゲームの始動条件が付与され得るとともに、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が付与される。
【0022】
第2始動入賞装置22には、普通電動役物ソレノイドSOL2(
図2参照)の作動により第2始動入賞口22aの開閉動作を行う開閉部材22b(普通電動役物)が設けられている。開閉部材22bは、第2始動入賞口22aに遊技球が入球不能な(入球が規制された)閉状態と、遊技球が入球可能な(入球が許容された)開状態とに動作する。開閉部材22bは、予め定めた開放条件が成立すると、所定の開放態様で開状態に動作する。
【0023】
遊技盤YBには、遊技球が入球可能な大入賞口23aを有する大入賞装置23が設けられている。大入賞装置23には、大入賞口23aへ入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3(
図2参照)が設けられている。大入賞口23aに入球した遊技球がカウントセンサSE3により検知されたことを契機に、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が付与される。
【0024】
大入賞装置23には、大入賞口ソレノイドSOL1(
図2参照)の作動により大入賞口23aの開閉動作を行う大入賞口扉23bが設けられている。大入賞口扉23bは、大入賞口23aに遊技球が入球不能な(入球が規制された)閉状態と、遊技球が入球可能な(入球が許容された)開状態とに動作する。大入賞口扉23bは、予め定めた開放条件が成立すると、所定の開放態様で開状態に動作する。
【0025】
大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じて大入賞口扉23bが開状態に動作され、大入賞口23aが開状態となり、大入賞口23aへの遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技が付与されると、多数の賞球を獲得できる機会を遊技者に与えることができ、遊技者に有利な有利状態となる。
【0026】
遊技盤YBには、第1保留表示装置13が設けられている。第1保留表示装置13は、実行が保留されている第1変動ゲームの数を表示するものである。具体的には、第1保留表示装置13は、第1始動入賞口21aに遊技球が入球することにより第1変動ゲームの始動条件が成立した一方で、第1変動ゲームの実行条件が未だ成立していないことから実行が保留されている第1変動ゲームの数、所謂、第1始動保留の記憶数(以下、第1保留記憶数)を表示する。
【0027】
遊技盤YBには、第2保留表示装置14が設けられている。第2保留表示装置14は、実行が保留されている第2変動ゲームの数を表示するものである。具体的には、第2保留表示装置14は、第2始動入賞口22aに遊技球が入球することにより第2変動ゲームの始動条件が成立した一方で、第2変動ゲームの実行条件が未だ成立していないことから実行が保留されている第2変動ゲームの数、所謂、第2始動保留の記憶数(以下、第2保留記憶数)を表示する。
【0028】
遊技盤YBには、普通図柄表示装置15が設けられている。普通図柄表示装置15では、複数種類の普通図柄を変動させて表示する普通図柄変動ゲームが行われる。以下の説明では、単に「普図」と示す場合、普通図柄を指すものとし、単に「普図ゲーム」と示す場合、普通図柄変動ゲームを指すものとする。普図ゲームと変動ゲームとは、同時に実行できる。
【0029】
普通図柄表示装置15では、複数種類の普図のうち普通当り抽選の抽選結果に対応する1つの普図が普図ゲームの終了に伴い確定停止表示される。普図には、普通当りを認識し得る普通当り図柄と、普通はずれを認識し得る普通はずれ図柄とがある。普通当り図柄が確定停止表示された場合、普通当り遊技が付与される。
【0030】
遊技盤YBには、遊技球が入球(通過)可能な作動ゲート25が設けられている。作動ゲート25には、入球(通過)した遊技球を検知するゲートセンサSE4(
図2参照)が設けられている。作動ゲート25を通過した遊技球がゲートセンサSE4により検知されたことを契機に、普図ゲームの始動条件が付与され得る。
【0031】
普通当り遊技が付与されると、第2始動入賞装置22の開閉部材22bが開状態に動作され、第2始動入賞口22aが開状態となり、第2始動入賞口22aへの遊技球の入球が許容される。このため、普通当り遊技が付与されると、第2始動入賞口22aに遊技球を入球させやすくなり、第2変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できる機会を遊技者に与えることができる。
【0032】
本実施形態のパチンコ遊技機は、遊技者に有利な遊技状態として、大当り抽選の確率変動状態を備えている。大当り抽選の確率変動状態は、大当り抽選の確率変動状態ではない遊技状態に比して、大当り抽選で大当りに当選する大当り確率が高確率に変動する遊技状態である。本実施形態において大当り抽選の確率変動状態は、予め決められた確率変動終了条件が成立するまで付与される。以下の説明では、単に「確率変動状態」又はこれを略して「確変状態」と示す場合、大当り抽選の確率変動状態を指すものとし、「非確率変動状態」又はこれを略して「非確変状態」と示す場合、大当り抽選の確率変動状態ではない遊技状態を指すものとする。
【0033】
本実施形態のパチンコ遊技機は、遊技者に有利な遊技状態として、高ベース状態を備えている。高ベース状態は、高ベース状態ではない低ベース状態に比して、第2始動入賞口22aへ遊技球が入球し易い遊技状態である。高ベース状態は、所謂「電サポ状態」である。
【0034】
例えば、高ベース状態は、次に示す4つの制御のうち任意に選択された1の制御を実行することにより、又は複数の制御を組み合わせて実行することにより実現できる。第1の制御は、普図ゲームの変動時間を、低ベース状態のときよりも短くする普図ゲームの変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低ベース状態のときよりも高確率に変動させる普通当り抽選の確率変動制御である。第3の制御は、普通当り抽選に当選したことに基づく開閉部材22bの合計開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、普通当り抽選に当選したことに基づく開閉部材22bの開放回数を低ベース状態のときよりも多くする制御、及び普通当り抽選に当選したことに基づく開閉部材22bの1回の開放時間を低ベース状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を実行するとよい。第4の制御は、変動ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を低ベース状態のときよりも短くなり易くする変動ゲームの変動時間短縮制御である。変動ゲームの変動時間短縮制御を実行する場合、高ベース状態は、所謂「変動時間短縮状態」となる。本実施形態において高ベース状態は、予め決められた高ベース終了条件が成立するまで付与される。なお、高ベース状態は、確変状態中にも付与される場合がある。
【0035】
以下の説明では、非確変状態であって且つ低ベース状態である遊技状態を「低確低ベース状態」と示し、非確変状態であって且つ高ベース状態である遊技状態を「低確高ベース状態」と示す。確変状態であって且つ低ベース状態である遊技状態を「高確低ベース状態」と示し、確変状態であって且つ高ベース状態である遊技状態を「高確高ベース状態」と示す。
【0036】
本実施形態では、演出表示装置16の下方に第1始動入賞口21aが設けられており、遊技盤YBの左側の第1流路Xを流下させたほうが、遊技盤YBの右側の第2流路Yを流下させるよりも遊技球が入球し易くなる。このため、第2始動入賞口22aに遊技球が入球し難い低ベース状態では、第1始動入賞口21aに遊技球を入球させるべく、第1流路Xを流下させるように遊技球を発射させる傾向がある。一方、演出表示装置16の右側方には、上方から順に、作動ゲート25、第2始動入賞口22a、大入賞口23aが設けられており、第2流路Yを流下させたほうが、第1流路Xを流下させるよりも、作動ゲート25、第2始動入賞口22a、大入賞口23aへ遊技球が入球し易くなる。このため、第2始動入賞口22aに遊技球が入球し易い高ベース状態においては第2始動入賞口22aに遊技球を入球させるべく、第2流路Yを流下させるように遊技球を発射させる傾向がある。大当り遊技においても大入賞口23aに遊技球を入球させるべく、第2流路Yを流下させるように遊技球を発射させる傾向がある。
【0037】
次に、本実施形態における大当り遊技について説明する。
大当り遊技は、大当り図柄が確定停止表示された変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、オープニング時間が開始される。このオープニング時間において、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング時間が終了すると、大入賞口23aが開状態となるラウンド遊技が、予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、入球上限個数の遊技球が大入賞口23aに入賞するまでの間、又は規定時間が経過するまでの間で継続して行われる。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。全てのラウンド遊技が終了すると、エンディング時間が設定される。このエンディング時間において、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われる。エンディング時間が終了すると、大当り遊技は終了する。
【0038】
本実施形態において、大当り抽選に当選した場合、決定される特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて複数種類の大当りのうち1つの大当りが決定され、その決定された大当りに対応する大当り遊技が付与されるようになっている。
【0039】
ここで、大当り確率や大当り遊技の内容などの所謂、パチンコ遊技機のスペックについて説明する。
本実施形態において、大当り確率としては、非確変状態では、410/65536(約1/160)が、確変状態では、1850/65536(約1/36)がそれぞれ規定されている。第1始動センサSE1又は第2始動センサSE2が遊技球を検知したときにおける払出し賞球数としては「3個」が、カウントセンサSE3が遊技球を検知したときにおける払出し賞球数としては「14個」がそれぞれ規定されている。1回のラウンド遊技において大入賞口23aに入球させることができる遊技球の入球上限個数としては「9個」が、1回のラウンド遊技において入球上限個数の遊技球の入球がない場合における大入賞口扉23bの最大開放時間としては「25秒」が、それぞれ規定されている。1回の大当り遊技における規定ラウンド数としては、大当りの種類に対応するように「4」と「16」とが規定されている。具体的に、第1変動ゲームでは、60%の確率で「4」が、40%の確率で「16」がそれぞれ決定される。第2変動ゲームでは、30%の確率で「4」が、70%の確率で「16」がそれぞれ決定される。
【0040】
規定ラウンド数が「16」となる場合には、大当り遊技の終了後に確変状態が付与され、規定ラウンド数が「4」となる場合には、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない。確変状態が付与される場合には、次回の大当り遊技が付与されるまで(以降、「次回まで」と示す)確変状態の付与が継続される。
【0041】
規定ラウンド数が「16」となる場合には、大当り遊技の終了後に次回まで高ベース状態が付与され、規定ラウンド数が「4」となる場合には、大当り遊技の終了後に「100回」を上限として高ベース状態が付与される。
【0042】
次に、
図2に基づき、パチンコ遊技機の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機の機裏側には、主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機に関する各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。
【0043】
パチンコ遊技機の機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置16の表示態様(飾り図柄、背景、文字などの表示画像など)の決定に関する処理などを実行し、処理結果に応じて表示内容を制御する。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号に基づき、装飾ランプLAの発光態様、スピーカSPの音声出力態様を制御する。
【0044】
主制御基板30には、主制御用CPU30a、主制御用ROM30b及び主制御用RAM30cが設けられている。主制御用CPU30aと、主制御用ROM30b及び主制御用RAM30cとは接続されている。主制御基板30と、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3、及びゲートセンサSE4とは接続されている。第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3、及びゲートセンサSE4は、主制御用CPU30aへの検知信号を出力する。主制御基板30と、各特別図柄表示装置11,12、各保留表示装置13,14、及び普通図柄表示装置15とは接続されている。主制御用CPU30aは、各特別図柄表示装置11,12、各保留表示装置13,14、及び普通図柄表示装置15の表示内容を制御する。主制御基板30と、大入賞口ソレノイドSOL1及び普通電動役物ソレノイドSOL2とは接続されている。主制御用CPU30aは、大入賞口ソレノイドSOL1及び普通電動役物ソレノイドSOL2を制御する。
【0045】
主制御用ROM30bには、パチンコ遊技機に関する各種処理を実行するためのメイン制御プログラムが記憶されている。主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、変動ゲームが開始してから終了するまでの時間(変動時間)を特定可能とするパターンである。本実施形態における変動パターンでは、変動ゲームが開始してから終了するまでの間の遊技演出のベースとなるパターンを示すこともでき、大当り抽選の当否、リーチ演出の有無など、変動ゲームの演出内容も特定することができる。
【0046】
変動パターンには、大当り変動演出を特定する大当り変動パターンと、はずれリーチ変動演出を特定するはずれリーチ変動パターンと、はずれ変動演出を特定するはずれ変動パターンとがある。大当り変動パターン、はずれリーチ変動パターン、及びはずれ変動パターンとして、それぞれ複数種類の変動パターンが規定されている。大当り変動演出は、リーチ演出を経て大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ変動演出は、リーチ演出を経てはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ変動演出は、リーチ演出を経ることなくはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置16の飾り図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りの図柄組み合わせ又ははずれの図柄組み合わせが導出される迄の間に行われる演出である。
【0047】
主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り抽選で用いられる大当り判定値が記憶されている。確変状態が付与されているときの大当り判定値の個数は、確変状態が付与されていないときの大当り判定値の個数よりも多くなっている。主制御用ROM30bには、リーチ演出を実行するか否かを決定するリーチ抽選で用いられるリーチ判定値が記憶されている。
【0048】
主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。例えば、主制御用RAM30cには、確変状態が付与されているか否かを示す主確変フラグが記憶される。主制御用RAM30cには、高ベース状態が付与されているか否かを示す主作動フラグが記憶される。
【0049】
主制御基板30では、当り判定用乱数や、特別図柄振分用乱数、リーチ演出判定用乱数、変動パターン振分用乱数として使用される各種乱数が生成される。当り判定用乱数は、大当り抽選に用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、リーチ抽選に用いる乱数である。特別図柄振分用乱数は、特別図柄(大当りの種類)を決定する場合に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する場合に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数の取り得る値は、はずれ変動パターン、はずれリーチ変動パターン及び大当り変動パターンの分類毎に、振り分けを異ならせている。なお、各種乱数として使用される乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
【0050】
演出制御基板31には、演出制御用CPU31a、演出制御用ROM31b及び演出制御用RAM31cが設けられている。演出制御用CPU31aと、演出制御用ROM31b及び演出制御用RAM31cとは接続されている。演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。例えば、演出制御用RAM31cには、確変状態が付与されているか否かを示す副確変フラグが記憶される。演出制御用RAM31cには、高ベース状態が付与されているか否かを示す副作動フラグが記憶される。演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
【0051】
演出制御用ROM31bには、遊技演出を実行させるための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(飾り図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。演出制御基板31と、演出表示装置16とは接続されている。演出制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、演出制御プログラムに基づき、演出表示装置16の表示内容を制御する。演出制御基板31と、装飾ランプLA及びスピーカSPとは接続されている。
【0052】
次に、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。最初に、特別図柄入力処理について説明する。特別図柄入力処理は、主制御用CPU30aにより所定周期毎に実行されるようになっている。
【0053】
主制御用CPU30aは、第1始動センサSE1からの検知信号を入力したか否かに基づいて、第1始動入賞口21aに遊技球が入球したか否かを判定する第1保留判定を実行する。
【0054】
第1保留判定の判定結果が肯定の場合(第1始動入賞口21aに遊技球が入球した場合)、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数が上限数(本実施形態では「4」)よりも少ないか否かを判定する第1保留記憶数判定を実行する。
【0055】
第1保留記憶数判定の判定結果が肯定の場合(上限数に達していない場合)、主制御用CPU30aは、第1保留制御処理を実行する。第1保留制御処理において、主制御用CPU30aは、以下のような処理を実行する。主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶される第1保留記憶数に「1」加算する。主制御用CPU30aは、更新後の第1保留記憶数を表示させるように第1保留表示装置13を制御する。主制御用CPU30aは、更新後の第1保留記憶数を指定する保留指定コマンドを出力する。主制御用CPU30aは、第1変動ゲームに係わる各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶する。なお、第1変動ゲームに係わる各種乱数の値は、第1始動入賞口21aへの遊技球の入球に応じて取得された取得順序が特定可能なように記憶される。
【0056】
一方、第1保留判定の判定結果が否定の場合(第1始動入賞口21aに遊技球が入球しなかった場合)、又は、第1保留記憶数判定の判定結果が否定の場合(第1保留記憶数の上限数に達していた場合)、主制御用CPU30aは、第1保留制御処理を実行しない。
【0057】
次に、主制御用CPU30aは、第2始動センサSE2からの検知信号を入力したか否かに基づいて、第2始動入賞口22aに遊技球が入球したか否かを判定する第2保留判定を実行する。
【0058】
第2保留判定の判定結果が肯定の場合(第2始動入賞口22aに遊技球が入球した場合)、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数が上限数(本実施形態では「4」)よりも少ないか否かを判定する第2保留記憶数判定を実行する。
【0059】
第2保留記憶数判定の判定結果が肯定の場合(上限数に達していない場合)、主制御用CPU30aは、第2保留制御処理を実行する。第2保留制御処理において、主制御用CPU30aは、以下のような処理を実行する。主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶される第2保留記憶数に「1」加算する。主制御用CPU30aは、更新後の第2保留記憶数を表示させるように第2保留表示装置14を制御する。主制御用CPU30aは、更新後の第2保留記憶数を指定する保留指定コマンドを出力する。主制御用CPU30aは、第2変動ゲームに係わる各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶する。なお、第2変動ゲームに係わる各種乱数の値は、第2始動入賞口22aへの遊技球の入球に応じて取得された取得順序が特定可能なように記憶される。
【0060】
一方、第2保留判定の判定結果が否定の場合(第2始動入賞口22aに遊技球が入球しなかった場合)、又は、第2保留記憶数判定の判定結果が否定の場合(第2保留記憶数の上限数に達していた場合)、主制御用CPU30aは、第2保留制御処理を実行しない。
【0061】
次に、特別図柄開始処理について説明する。主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を所定周期毎に実行するようになっている。
主制御用CPU30aは、大当り遊技中及び変動ゲームの実行中でない場合、第2保留記憶数を特定し、第2保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する。第2保留記憶数が「0」の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を特定し、第1保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する。そして、第1保留記憶数が「0」の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。なお、本実施形態では、大当り遊技中及び変動ゲームの実行中でない場合であって、第2保留記憶数が「0」よりも大きいとき(すなわち、実行が保留されている第2変動ゲームが存在するとき)に、第2変動ゲームの実行条件が成立する。
【0062】
一方、第1保留記憶数が「0」よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、第1変動ゲームの実行条件が成立したと判定し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶される特別図柄変動処理フラグに第1変動ゲームを実行することを示す値を設定する。なお、本実施形態では、大当り遊技中及び変動ゲームの実行中でない場合であって、第2変動ゲームの実行条件が成立しておらず、第1保留記憶数が「0」よりも大きいとき(すなわち、実行が保留されている第1変動ゲームが存在するとき)に、第1変動ゲームの実行条件が成立する。
【0063】
次に、主制御用CPU30aは、第1変動ゲームに係わる乱数値(当り判定用乱数の値、変動パターン振分用乱数の値、特別図柄振分用乱数の値及びリーチ判定用乱数の値)のうち、取得順序に従って最も早く実行される第1変動ゲームに係わる乱数値を主制御用RAM30cから読み出す。主制御用CPU30aは、特定した第1保留記憶数を1減算し、当該第1保留記憶数を表示するように第1保留表示装置13の表示内容を変更させる。主制御用CPU30aは、更新後の第1保留記憶数を示す保留指定コマンドを出力する。
【0064】
主制御用CPU30aは、読み出した当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU30aは、読み出した特別図柄振分用乱数の値に基づき、特別図柄による大当り図柄の中から第1特別図柄表示装置11にて確定停止表示される最終停止図柄を決定する。これによって、主制御用CPU30aは、確定停止表示される最終停止図柄に対応する大当りの種類を決定することとなる。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数に基づき、大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。
【0065】
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第1変動ゲームに関する各種処理を実行する。
【0066】
具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定すると共に変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。なお、変動パターン指定コマンドは、第1変動ゲームと第2変動ゲームとの何れが実行されるかについて特定できるコマンドである。主制御用CPU30aは、特別図柄の変動表示を開始させるように第1特別図柄表示装置11の表示内容を制御する。主制御用CPU30aは、第1変動ゲームの変動時間の計測を開始する。主制御用CPU30aは、最終停止図柄及び大当りの種類を指定するための特別図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0067】
その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特別図柄表示装置11の表示内容を制御する。主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、変動ゲームの終了を指示し、飾り図柄を確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0068】
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、主制御用CPU30aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定するリーチ判定を行う。本実施形態では、主制御用CPU30aは、読み出したリーチ判定用乱数がリーチ判定値に一致するか否かにより当選判定を行う。
【0069】
リーチ判定の判定結果が肯定の場合(リーチ演出を行う場合)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を第1特別図柄表示装置11にて確定停止表示される最終停止図柄として決定する。次に、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれリーチ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
【0070】
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、大当りの場合と同じように、演出制御基板31に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0071】
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合(リーチ演出を行わない場合)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を第1特別図柄表示装置11にて確定停止表示される最終停止図柄として決定する。次に、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
【0072】
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、大当りの場合と同じように、演出制御基板31に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0073】
一方、第2保留記憶数が「0」よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶される特別図柄変動処理フラグに第2変動ゲームを実行することを示す値を設定する。
【0074】
次に、主制御用CPU30aは、第2変動ゲームに係わる乱数値(当り判定用乱数の値、変動パターン振分用乱数の値、特別図柄振分用乱数の値及びリーチ判定用乱数の値)のうち、取得順序に従って最も早く実行される第2変動ゲームに係わる乱数値を主制御用RAM30cから読み出す。主制御用CPU30aは、特定した第2保留記憶数を1減算し、当該第2保留記憶数を表示するように第2保留表示装置14の表示内容を変更させる。主制御用CPU30aは、更新後の第2保留記憶数を示す保留指定コマンドを出力する。
【0075】
以下、読み出した乱数に基づき、第2変動ゲームに係わる処理を実行するが、第1変動ゲームにおける処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。第2変動ゲームに係わる処理では、上記「第1変動ゲーム」を対象とした制御を「第2変動ゲーム」を対象とした制御として読み替え、上記「第1特別図柄表示装置11」を対象とした制御を「第2特別図柄表示装置12」を対象とした制御として読み替える。このような特別図柄開始処理を実行することにより、第1変動ゲームと第2変動ゲームとがいずれも始動保留されているとき、主制御用CPU30aは、第2変動ゲームを優先的に実行する。
【0076】
主制御用CPU30aは、大当りとなる変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、演出制御基板31に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。
【0077】
具体的に、主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始を契機としてオープニング時間を開始させ、オープニング時間が開始したことを指示するオープニングコマンドを演出制御基板31に出力する。次に、主制御用CPU30aは、オープニング時間の終了後、各ラウンド遊技を制御し、各ラウンド遊技の開始を契機にラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御基板31に出力する。主制御用CPU30aは、ラウンド遊技毎に、大入賞口23aを開状態及び閉状態に制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、入球上限個数の遊技球が入賞するまでの間、又はラウンド遊技毎に予め決められた規定時間が経過するまでの間、大入賞口23aを所定の開放態様で開状態に制御する。
【0078】
主制御用CPU30aは、ラウンド遊技が終了した場合には、大入賞口23aを閉状態に制御し、ラウンド遊技毎に予め決められたラウンドインターバル時間を経過するまで、大入賞口23aを閉状態に維持する。これらの一連の制御を、規定ラウンド数に達するまで実行する。
【0079】
規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、主制御用CPU30aは、エンディング時間を開始させ、エンディング時間が開始したことを指示するエンディングコマンドを演出制御基板31に出力する。エンディング時間が経過すると、主制御用CPU30aは、大当り遊技を終了させる。
【0080】
大当り遊技を終了する場合、主制御用CPU30aは、決定された大当りの種類(特別図柄の種類)に基づいて、確変状態を付与する場合には、主確変フラグに確変状態が付与されていることを示す値を設定する。一方、主制御用CPU30aは、確変状態を付与しない場合には、主確変フラグに確変状態が付与されていないことを示す値を設定する。なお、主制御用CPU30aは、大当り遊技が付与された場合、主確変フラグの値を一旦リセットする。
【0081】
大当り遊技を終了する場合、主制御用CPU30aは、主作動フラグに高ベース状態が付与されていることを示す値を設定する。主制御用CPU30aは、大当りの種類に基づいて、高ベース状態を付与する回数を示す値を主作動回数フラグに設定する。主制御用CPU30aは、変動ゲームが実行される毎に主作動回数フラグを「1」減算し、「0」となった場合に、主作動フラグの値をリセットする。主制御用CPU30aは、主作動回数フラグに設定された値を指定する作動回数指定コマンドを演出制御基板31に出力する。なお、主制御用CPU30aは、大当り遊技が付与された場合、主作動フラグ及び主作動回数フラグの値を一旦リセットする。
【0082】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。主制御用CPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、演出制御用CPU31aは、それに応じて各種処理を実行する。
【0083】
例えば、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づき、確定停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。
【0084】
すなわち、演出制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄が大当り図柄である場合には、大当りの図柄組み合わせを決定する。演出制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄がはずれ図柄である場合において、はずれリーチ変動パターンが指定されたときには、はずれリーチの図柄組み合わせを決定する。演出制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄がはずれ図柄である場合において、はずれ変動パターンが指定されたときには、はずれの図柄組み合わせを決定する。
【0085】
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、飾り図柄変動ゲームを実行させるように演出表示装置16を制御する。演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、変動ゲーム(飾り図柄変動ゲーム)に伴う演出を実行させるように装飾ランプLA及びスピーカSPを制御する。その後、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、変動ゲームに伴う演出を終了させると共に、決定した図柄組み合わせを確定停止表示させる。
【0086】
最終停止図柄として大当り図柄が指定された場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後、大当り図柄に基づいて、確変状態が付与されるときには、副確変フラグに確変状態が付与されていることを示す値を設定する。一方、演出制御用CPU31aは、確変状態が付与されないときには、副確変フラグに確変状態が付与されていないことを示す値を設定する。
【0087】
最終停止図柄として大当り図柄が指定された場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後、副作動フラグに高ベース状態が付与されていることを示す値を設定するとともに、副作動回数フラグの値に作動回数を設定する。演出制御用CPU31aは、作動回数指定コマンドによって指定される値に基づいて、副作動回数フラグの値を更新する。なお、副作動回数フラグの値が「0」となった場合、演出制御用CPU31aは、副作動フラグから高ベース状態が付与されていることを示す値を消去する。
【0088】
次に、
図3を参照して本実施形態のパチンコ遊技機における変動パターンについて説明する。
図3に示すように、本実施形態の変動パターンは、大当りとなるか否か、大当りとならない場合にはずれリーチ演出を実行させるか否かによって選択される。具体的には、変動パターンP14,P22,P32,P41,P53が大当り変動パターンとして規定されている。変動パターンP13,P21,P31,P52がはずれリーチ変動パターンとして規定されている。変動パターンP11,P12,P15,P51がはずれ変動パターンとして規定されている。
【0089】
低ベース状態において選択可能な変動パターンとしては、変動パターンP11〜P15,P21,P22,P31,P32,P41が、高ベース状態において選択可能な変動パターンとしては、変動パターンP51〜P53がそれぞれ規定されている。
【0090】
低ベース状態において選択可能な変動パターンP12は、変動パターンP11の変動時間を短縮させる変動パターンである。高ベース状態において選択可能な変動パターンP51は、低ベース状態において選択可能な変動パターンP12の変動時間を更に短縮させる変動パターンである。このため、高ベース状態である場合には、低ベース状態である場合よりも、変動時間が短縮される変動パターンが決定され易くなる。
【0091】
本実施形態において、変動パターンには、1回の変動ゲームで実行される変動サイクルの回数(連続回数)が対応付けられている。変動サイクルは、1回の変動ゲームにおける一又は複数の所定期間のそれぞれで実行される単位演出であり、飾り図柄の変動に伴う単位演出である。つまり、変動サイクルは、1回の変動ゲームが割り当てられた(区分けされた)1又は複数の所定期間で実行される単位演出である。本実施形態においては、最終以外の変動サイクルとしては、飾り図柄の変動表示の開始から、その飾り図柄が一旦停止表示されるまでを1回の変動サイクルとし、最終の変動サイクルとしては、飾り図柄の変動表示の開始から、その飾り図柄が確定停止表示されるまでを1回の変動サイクルとする。
【0092】
本実施形態では、1回の変動ゲーム中に実行できる変動サイクルの上限回数(上限連続回数、本実施形態では4回)が規定されており、1回の変動ゲーム中に実行される変動サイクルの回数によって大当り期待度を示すことができる。特に、1回の変動ゲーム中に実行される変動サイクルの回数が大きくなると、大当り期待度が高まるように規定されている。また、1回の変動ゲーム中に実行される変動サイクルの回数が上限回数となると、大当りとなることが確定するように規定されている。このため、1回の変動ゲーム中において、次回の変動サイクルも継続して実行されることで、大当り期待度が高まることとなる。
【0093】
具体的に、1回の変動ゲームに1回の変動サイクルが実行される変動パターンとしては、変動パターンP11〜P15,P51〜P53が規定されている。1回の変動ゲームに2回の変動サイクルが実行される変動パターンとしては、変動パターンP21,P22が、1回の変動ゲームに3回の変動サイクルが実行される変動パターンとしては、変動パターンP31,P32が、1回の変動ゲームに4回の変動サイクルが実行される変動パターンとしては、変動パターンP41がそれぞれ規定されている。
【0094】
変動パターンP15は、1回の変動ゲームで1回の変動サイクルが行われる変動パターンであるが、1回の変動ゲームで複数回の変動サイクルが行われる変動パターンP21,P22,P31,P32,P41と同じような演出態様で演出が実行される変動パターンである(図中では「1回ガセ」と示す)。このため、変動パターンP15が決定された場合であっても、1回の変動ゲームで複数回の変動サイクルが行われるかもしれないという期待感を高揚させることができる。
【0095】
次に、
図4を参照して1回の変動ゲームで1回又は複数回の変動サイクルが実行される場合の演出態様について説明する。なお、
図4において、飾り図柄の変動表示が行われていることを「変動」と示し、その中でもリーチ演出が実行されていることを「リーチ」と示す。
図4において、変動表示されていた飾り図柄が一旦停止表示されることを「一旦」と示し、変動表示されていた飾り図柄が確定停止表示されることを「確定」と示す。
【0096】
図4(a)に示すように、変動パターンP21,P22の何れかが決定された場合には、1回の変動ゲームで2回の変動サイクルが実行される。1回目の変動サイクルは、飾り図柄の変動表示の開始から一旦停止表示するまでの期間で実行される。2回目の変動サイクルは、飾り図柄の変動表示の開始から、リーチ演出が実行された後、飾り図柄が確定停止表示するまでの期間で実行される。
【0097】
図4(b)に示すように、変動パターンP31,P32の何れかが決定された場合には、1回の変動ゲームで3回の変動サイクルが実行される。1、2回目の変動サイクルは、飾り図柄の変動表示の開始から一旦停止表示するまでの期間で実行される。3回目の変動サイクルは、飾り図柄の変動表示の開始から、リーチ演出が実行された後、飾り図柄が確定停止表示するまでの期間で実行される。
【0098】
図4(c)に示すように、変動パターンP41の何れかが決定された場合には、1回の変動ゲームで4回の変動サイクルが実行される。1〜3回目の変動サイクルは、飾り図柄の変動表示の開始から一旦停止表示するまでの期間で実行される。4回目の変動サイクルは、飾り図柄の変動表示の開始から、リーチ演出が実行された後、飾り図柄が確定停止表示するまでの期間で実行される。
【0099】
図4(d)に示すように、変動パターンP15が決定された場合には、1回の変動ゲームで1回の変動サイクルが実行される。1回目の変動サイクルは、飾り図柄の変動表示の開始から、リーチ演出が実行されることなく、飾り図柄が確定停止表示するまでの期間で実行される。
【0100】
なお、本実施形態では、次回の変動サイクルが継続される場合、次回の変動サイクルが継続されない場合と比べて、飾り図柄が一旦停止表示される直前までは同じ演出態様で演出が実行される。そして、次回の変動サイクルが継続される場合には、飾り図柄が継続の図柄組み合わせで一旦停止表示するとともに、継続という文字画像が表示される。
【0101】
なお、本実施形態において、継続の図柄組み合わせとしては、右列の飾り図柄と中列の飾り図柄とが、左列の飾り図柄より1大きい図柄として一旦停止表示される。一方、次回の変動サイクルが継続されない場合には、飾り図柄が継続の図柄組み合わせでは一旦停止表示されずに、継続という文字画像も表示されない。このため、飾り図柄や、継続という文字画像から、次回の変動サイクルが継続するか否かが遊技者により認識可能となる。
【0102】
具体的な一例として、変動パターンP21,P22,P31,P32,P41の何れかが決定された場合の1回目の変動サイクルでは、同じ演出態様で演出が実行され、変動パターンP15が決定された場合の1回目の変動サイクルと比べて、飾り図柄が一旦停止表示される直前までは同じ演出態様で演出が実行される。つまり、変動パターンP15が決定された場合、変動パターンP21,P22,P31,P32,P41の何れかが決定された場合の1回目の変動サイクルと比較して、変動サイクルの一部が同じ演出態様となるように演出が実行されることとなる。
【0103】
変動パターンP31,P32,P41の何れかが決定された場合の2回目の変動サイクルでは、同じ演出態様で演出が実行され、変動パターンP21,P22の何れかが決定された場合の2回目の変動サイクルと比べて、飾り図柄が一旦停止表示される直前までは同じ演出態様で演出が実行される。
【0104】
変動パターンP41が決定された場合の3回目の変動サイクルでは、変動パターンP31,P32の何れかが決定された場合の3回目の変動サイクルと比べて、飾り図柄が一旦停止表示される直前までは同じ演出態様で演出が実行される。
【0105】
このように、1回の変動ゲームにおいて複数回の変動サイクルが実行されることによって、擬似的に複数回の変動ゲームが実行されたような演出となるため、このような演出が擬似連続演出と一般的に称される。本実施形態において、このような擬似連続演出が特定演出に相当する。
【0106】
一方、変動パターンP15に基づく演出は、1回の変動ゲームにおいて複数回の変動サイクルが実行される場合と比較して、同じような演出態様で実行される演出であり、擬似連続演出と類似する演出(以降、「擬似連続演出のガセ演出」と示す)である。本実施形態において、このような擬似連続演出のガセ演出が特別演出に相当する。
【0107】
次に、
図5を参照して、擬似連続演出の演出パターンについて説明する。
擬似連続演出には、演出種別A、演出種別Bというように、演出内容の種別が異なる複数種類の演出種別がある。具体的な一例をあげると、演出種別Aは、動物を模したキャラクタ画像が登場する演出態様である。演出種別Bは、武将を模したキャラクタ画像が登場する演出態様である。複数種類の演出種別のうち1種類の演出種別が1回の変動ゲームで決定される。つまり、1回の変動ゲームでは、決定された演出種別の擬似連続演出が実行されることとなる。演出種別Bの擬似連続演出は、演出種別Aの擬似連続演出よりも大当り期待度が高くなるように規定されている。
【0108】
各演出種別の擬似連続演出において、変動サイクルの回数に複数種類の演出パターンが規定されている。変動サイクルの回数が大きくなるほど大当り期待度が高くなる。このため、演出パターンも同じように、変動サイクルの回数が大きい演出パターンほど大当り期待度が高くなる。特に、変動サイクルの回数が4回である場合には、大当りとなることが確定する。
【0109】
演出種別及び変動サイクルの回数が同じ演出パターンには、大当り期待度が高いチャンスアップ演出パターンが規定されている(図中では「CU演出」と示す)。具体的な一例をあげると、演出種別Aにおける1回目の変動サイクルには、演出パターンA11〜A13が規定されており、演出パターンA13がチャンスアップ演出パターンとして規定されている。つまり、演出パターンA13のほうが演出パターンA11,A12よりも大当り期待度が高くなるように規定されている。
【0110】
なお、本実施形態において、演出種別Aにおけるチャンスアップ演出パターンA13としては、ライオンを模したキャラクタ画像が表示される演出パターンが規定されており、チャンスアップではない演出パターンA11,A12としては、各色の猫を模したキャラクタ画像が表示される演出パターンが規定されている。
【0111】
また、本実施形態において、演出種別Bの擬似連続演出は、演出種別Aの擬似連続演出よりも大当り期待度が高くなるように規定されているが、変動サイクルの回数が同じであるチャンスアップ演出パターンを比較しても、演出種別Bの擬似連続演出は、演出種別Aの擬似連続演出よりも大当り期待度が高くなるように規定されている。また、変動サイクルの回数が同じであり、チャンスアップではない演出パターンを比較しても、演出種別Bの擬似連続演出は、演出種別Aの擬似連続演出よりも大当り期待度が高くなるように規定されている。つまり、変動サイクルの回数が同じである演出パターンを比較しても、演出種別Bの擬似連続演出は、演出種別Aの擬似連続演出よりも大当り期待度が高くなるように規定されている。
【0112】
本実施形態において、擬似連続演出のガセ演出を実行させる場合でも、擬似連続演出を実行させる場合と同じように、演出パターンが決定される。特に、擬似連続演出のガセ演出は、1回の変動ゲームにおいて1回の変動サイクルが行われる演出であって、はずれとなる変動パターンP15に基づく演出である。このため、擬似連続演出のガセ演出が実行される場合には、擬似連続演出が実行される場合よりもチャンスアップ演出パターンが決定され難くなる。
【0113】
ここで、
図6を参照して演出表示装置16に表示される画像の一例について説明する。
図6(a)に示すように、演出表示装置16の画像表示部GHには、演出表示部GH1と報知部GH2とが別々に割り当てられている。演出表示部GH1には、背景画像HG、飾り図柄KZ、キャラクタ画像CGなど、変動ゲームに伴う演出画像が表示される。一方、報知部GH2には、演出表示部GH1における演出画像(演出)に関する報知を行う報知画像が表示される。特に、報知部GH2には、演出表示部GH1における演出画像の表示に伴う大当り期待度等の有利度合いを認識可能とするための報知画像が表示される。このような報知画像が表示されることにより、初心者をはじめとする遊技者に対して演出の有利度合いを容易に把握させることができる。
【0114】
具体的な報知画像には、実行中の擬似連続演出の演出種別を示す種別画像SG、変動サイクルの回数に対応する回数画像KG、実行中の変動ゲームに伴って付与され得る特典(有利度合い)を示す特典画像TGがある。なお、本実施形態において、特典としては、大当り遊技の付与が相当する。
【0115】
具体的な一例あげて詳しく説明すると、種別画像SGとしては、擬似連続演出の演出種別が演出種別Aであることを示す画像や、擬似連続演出の演出種別が演出種別Bであることを示す画像がある。このような種別画像SGが表示されることによって、大当り期待度が異なる演出種別の何れが実行されるか報知され、遊技者により認識可能となる。
【0116】
特典画像TGとしては、「3まで進めば期待度大」、「4まで進めば大当り確定」というように、1回の変動ゲームで行われる変動サイクルの回数が、報知された変動サイクルの回数(特定回数)となったときの有利度合いを示す画像がある。特典画像TGとしては、「ライオン登場で期待度大」というように、擬似連続演出が実行される変動ゲームで特定の演出内容が実行されたときの有利度合いを示す画像がある。特典画像TGとしては、「5でリーチとなれば大当り確定」、「大当りとなったときには確変大当り確定」など、擬似連続演出が実行される変動ゲーム(飾り図柄変動ゲーム)のゲーム結果が特定のゲーム結果が導出されたときの有利度合いを示す画像がある。このような特典画像TGが表示されることによって、実行される演出内容やゲーム結果の有利度合いが遊技者により認識可能となる。
【0117】
図6(b)に示すように、回数画像KGには、第1回数画像KG1、第2回数画像KG2、第3回数画像KG3、及び第4回数画像KG4がある。第1回数画像KG1は、1回目の変動サイクルに対応する回数画像である。第2回数画像KG2は、2回目の変動サイクルに対応する回数画像であり、第3回数画像KG3は、3回目の変動サイクルに対応する回数画像であり、第4回数画像KG4は、4回目の変動サイクルに対応する回数画像である。各回数画像KG1〜KG4は、変動サイクルの回数を示す数字が表示された画像である。各回数画像KG1〜KG4は、円を四等分した形状の画像であり、左周りで変動サイクルの回数が大きくなるように表示され、その位置関係からも変動サイクルの回数が遊技者によって認識可能である。そして、各回数画像KG1〜KG4の表示態様によって、報知内容を異ならせることができる。
【0118】
図6(c)に示すように、実行中の変動サイクルに対応する回数画像は、白色点滅の表示態様で表示される。実行済みの変動サイクルや、実行される予定ではるが未だ実行されていない(図中では「未実行」と示す)の変動サイクルに対応する回数画像は、白色点灯の表示態様で表示される。特に、チャンスアップ演出が実行された実行済み(図中では「チャンスアップ演出の実行履歴」と示す)の変動サイクルに対応する回数画像は、赤色点灯の表示態様で表示される。実行されない(図中では「非実行」と示す)変動サイクルに対応する回数画像は、消灯の表示態様で表示される。
【0119】
次に、
図7〜
図9を参照して、擬似連続演出が実行される場合に演出表示装置16に表示される画像の一例について説明する。ここでは、1回の変動ゲームにおいて3回の変動サイクルが実行される具体的な一例をあげる。
【0120】
図7(a)に示すように、擬似連続演出が実行される変動ゲーム(1回目の変動サイクル)が開始されると、演出表示装置16の演出表示部GH1において、飾り図柄の変動表示が開始される。この場合、白色の猫を模したキャラクタ画像CGが表示される。
【0121】
変動ゲームが開始されると、演出表示装置16の報知部GH2において、種別画像SG、回数画像KG、特典画像TGが表示される。種別画像SGとしては、演出種別Aを示す画像が表示され、特典画像TGとしては、「3まで進めば期待度大」という画像が表示される。
【0122】
図7(b)に示すように、回数画像KGとしては、第4回数画像KG4が消灯の表示態様で表示され、それ以外の各回数画像KG1〜KG3が消灯しない表示態様で表示される。なお、消灯しない表示態様とは、白色点灯、白色点滅及び赤色点灯の何れかの表示態様である。このように、この変動ゲームにおける変動サイクルの回数が3回であることが報知される。第1回数画像KG1が白色点滅の表示態様で表示されており、1回目の変動サイクルが実行中であることが報知される。第2回数画像KG2と第3回数画像KG3が白色点灯の表示態様で表示される。
【0123】
そして、
図7(c)に示すように、演出表示装置16の演出表示部GH1において、左列の飾り図柄と右列の飾り図柄とがリーチの図柄組み合わせで一旦停止表示された後に、
図7(d)に示すように、全列の飾り図柄が継続の図柄組み合わせで一旦停止表示され、継続という文字画像が表示される。これによって、1回目の変動サイクルが終了し、2回目の変動サイクルが継続して実行されることとなる。
【0124】
次に、
図8(a)に示すように、2回目の変動サイクルが開始されると、演出表示装置16の演出表示部GH1において、飾り図柄の変動表示が開始される。この場合、チャンスアップ演出であるライオンを模したキャラクタ画像CGが表示される。
【0125】
図8(b)に示すように、2回目の変動サイクルが開始されると、演出表示装置16の報知部GH2において、種別画像SG、特典画像TGが継続して表示される。回数画像KGとしては、第4回数画像KG4が継続して消灯の表示態様で表示されている。第2回数画像KG2が白色点滅の表示態様で表示されており、2回目の変動サイクルが実行中であることが報知される。第1回数画像KG1と第3回数画像KG3が白色点灯の表示態様で表示される。
【0126】
そして、
図8(c)に示すように、演出表示装置16の演出表示部GH1において、左列の飾り図柄と右列の飾り図柄とがリーチの図柄組み合わせで一旦停止表示された後に、
図8(d)に示すように、全列の飾り図柄が継続の図柄組み合わせで一旦停止表示され、継続という文字画像が表示される。これによって、2回目の変動サイクルが終了し、3回目の変動サイクルが継続して実行されることとなる。
【0127】
次に、
図9(a)に示すように、3回目の変動サイクルが開始されると、演出表示装置16の演出表示部GH1において、飾り図柄の変動表示が開始される。この場合、ライオンを模したキャラクタ画像CGが表示される。
【0128】
図9(b)に示すように、3回目の変動サイクルが開始されると、演出表示装置16の報知部GH2において、種別画像SG、特典画像TGが継続して表示される。回数画像KGとしては、第4回数画像KG4が継続して消灯の表示態様で表示されている。第3回数画像KG3が白色点滅の表示態様で表示されており、3回目の変動サイクルが実行中であることが報知される。第2回数画像KG2が赤色点灯の表示態様で表示されており、2回目の変動サイクルでチャンスアップ演出が実行されたことが報知される。第1回数画像KG1が白色点灯の表示態様で表示される。
【0129】
そして、
図9(c)に示すように、演出表示装置16の演出表示部GH1において、左列の飾り図柄と右列の飾り図柄とがリーチの図柄組み合わせで一旦停止表示される。続いて、
図9(d)に示すように、リーチ演出が実行された後に、
図9(e)に示すように、全列の飾り図柄が大当りの図柄組み合わせで確定停止表示され、大当りとなり、1回の変動ゲーム(3回の変動サイクル)の実行が終了する。
【0130】
ここで、
図10を参照して、演出制御用CPU31aによって実行される演出決定処理について説明する。演出決定処理は、変動パターン指定コマンドの入力を契機として実行される処理である。
【0131】
図10に示すように、演出制御用CPU31aは、所定の演出実行条件が成立したか否かを判定する(ステップS11)。本実施形態において、所定の演出実行条件は、変動パターン指定コマンドにより指定される変動パターンが変動パターンP15,P21,P22,P31,P32,P41の何れかである場合に成立する。つまり、所定の演出実行条件は、擬似連続演出又は擬似連続演出のガセ演出が実行される場合に成立する。
【0132】
この判定結果が否定の場合(所定の演出実行条件が成立していない)、演出制御用CPU31aは、ステップS12〜S14を実行することなく、演出決定処理を終了する。一方、この判定結果が肯定の場合(所定の演出実行条件が成立した)、演出制御用CPU31aは、ステップS12に移行する。
【0133】
ステップS12において、演出制御用CPU31aは、実行させる演出の演出種別を決定する演出種別決定処理を実行し、ステップS13に移行する。ステップS12の処理において、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づいて、複数種類の演出種別から何れかを決定し、決定した演出種別を示す情報を演出制御用RAM31cの所定領域に記憶する。
【0134】
特に、本実施形態において、演出種別Bのほうが演出種別Aよりも大当り期待度が高くなるように演出種別が決定される。このように、決定された演出種別によって大当り期待度を異ならせることができる。なお、本実施形態において、このような演出種別を決定する処理を実行する演出制御用CPU31aが演出種別決定手段として機能する。
【0135】
ステップS13において、演出制御用CPU31aは、実行させる演出の演出パターンを決定する演出パターン決定処理を実行し、ステップS14に移行する。ステップS13の処理において、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づいて、変動パターンに対応する変動サイクルの回数を特定することによって、1回の変動ゲームで行われる変動サイクルの回数を決定することとなる。このような処理を実行する演出制御用CPU31aが連続回数決定手段として機能する。
【0136】
そして、演出制御用CPU31aは、特定した変動サイクルの回数と、ステップS12において決定した演出種別とに基づいて、特定した変動サイクルの回数毎に、複数種類の演出パターンから何れかを決定し、決定した演出パターンを示す情報を演出制御用RAM31cの所定領域に記憶する。
【0137】
特に、本実施形態において、チャンスアップ演出パターンのほうが、チャンスアップではない演出パターンよりも大当り期待度が高くなるように演出パターンが決定される。このように、決定された演出パターンによって大当り期待度を異ならせることができる。
【0138】
ステップS14において、演出制御用CPU31aは、演出種別、1回の変動ゲームで行われる変動サイクルの回数、及び演出パターンの決定結果に基づいて、実行される演出に関する報知態様を決定する報知態様決定処理を実行し、演出決定処理を終了する。
【0139】
詳しく説明すると、演出制御用CPU31aは、決定した演出種別に対応する種別画像を決定する。具体的に、演出制御用CPU31aは、演出種別Aが決定された場合、演出種別Aを示す種別画像を表示させる画像として決定し、演出種別Bが決定された場合、演出種別Bを示す種別画像を表示させる画像として決定する。
【0140】
演出制御用CPU31aは、1回の変動ゲームで行われる変動サイクルの回数に応じて、実行される変動サイクルに対応する回数画像を、消灯しない表示態様で表示させることを決定し、実行されない変動サイクルに対応する回数画像を消灯の表示態様で表示させることを決定する。
【0141】
演出制御用CPU31aは、所定の抽選結果に基づいて、特典画像を決定する。具体的な一例として、演出制御用CPU31aは、変動サイクルの回数が3回である場合には、「3まで進めば期待度大」という特典画像を決定することもあり、変動サイクルの回数が4回である場合には、「4まで進めば大当り確定」という特典画像を決定することもある。つまり、演出制御用CPU31aは、特定した変動サイクルの回数に対応する特典画像を決定できる。一方、演出制御用CPU31aは、変動サイクルの回数に応じた特典画像ではなく、「ライオン登場で期待度大」、「5でリーチとなれば大当り確定」、「大当りとなったときには確変大当り確定」など、擬似連続演出が実行される変動ゲームに応じた特典画像を決定することもある。
【0142】
なお、本実施形態において、「5でリーチとなれば大当り確定」というような特典画像を決定する場合、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが大当り変動パターンであるか否かと、確定停止表示させる飾り図柄とを特定する。そして、演出制御用CPU31aは、大当り変動パターンである場合に、確定停止表示される飾り図柄でリーチとなれば大当り確定である特定画像を決定することができる。
【0143】
「大当りとなったときには確変大当り確定」というような特典画像を決定する場合、演出制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドにより指定される特別図柄(大当り)の種類を特定する。そして、演出制御用CPU31aは、確変状態を付与する大当りとなる特別図柄であった場合、又は、はずれとなる特別図柄であった場合に、「大当りとなったときには確変大当り確定という」特定画像を決定することができる。
【0144】
演出制御用CPU31aは、決定した演出パターンにチャンスアップ演出パターンがある場合、チャンスアップ演出パターンに基づく変動サイクルに対応する回数画像を赤色点灯の表示態様で表示させることを決定する。
【0145】
図11(a)を参照して、演出制御用CPU31aによって実行される報知制御処理について説明する。この報知制御処理は、演出決定処理とは別の処理であり、各変動サイクルの開始を契機として実行される。各変動パターンには、各変動サイクルの開始タイミングが規定されている。演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに規定された各変動サイクルの開始タイミングを演出制御用ROM31bから読み出し、変動ゲームの開始からの経過時間に基づいて、変動サイクルの開始タイミングを特定する。
【0146】
図11(a)に示すように、符号T0に示すタイミングにおいて、1回の変動ゲーム(1回目の変動サイクル)が開始される場合、演出制御用CPU31aは、決定した表示態様(報知態様)で種別画像SG、回数画像KG、特典画像TGを演出表示装置16の報知部GH2に表示させる。演出制御用CPU31aは、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数に対応する態様で回数画像KGを演出表示装置16の報知部GH2に表示させる。このように、演出制御用CPU31aは、変動ゲームが開始するタイミングで、変動ゲーム単位の報知を行わせる。
【0147】
符号T0に示すタイミングにおいて、演出制御用CPU31aは、第1回数画像KG1を白色点滅の表示態様で演出表示装置16に表示させる。このように、演出制御用CPU31aは、1回目の変動サイクルが開始するタイミングで、変動サイクル単位の報知を行わせる。
【0148】
次に、符号T1,T2に示すタイミングにおいて、2回目以降の変動サイクルが開始される場合、演出制御用CPU31aは、決定した表示態様で回数画像KGを演出表示装置16の報知部GH2に表示させる。特に、演出制御用CPU31aは、実行中となる変動サイクルに対応する回数画像を白色点滅の表示態様で演出表示装置16に表示させる。演出制御用CPU31aは、実行済みとなる変動サイクルのうちチャンスアップ演出が実行された変動サイクルに対応する回数画像を赤色点灯の表示態様で演出表示装置16に表示させる。つまり、演出制御用CPU31aは、2回目以降の変動サイクルが開始するタイミングでも、変動サイクル単位の報知を行わせる。
【0149】
このように、演出表示装置16は、演出表示部GH1において、ステップS12において決定された演出種別であって、ステップS13において決定された演出パターンに対応する擬似連続演出や擬似連続演出のガセ演出を実行することとなる。
【0150】
本実施形態において、演出表示部GH1に画像を表示する演出表示装置16が演出実行手段として機能する。演出表示装置16は、報知部GH2において、擬似連続演出や擬似連続演出のガセ演出についての各種報知を行うこととなる。本実施形態において、報知部GH2に画像を表示する演出表示装置16が報知手段として機能する。
【0151】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)擬似連続演出は、1回の変動ゲームで行われる変動サイクルの回数に応じて大当り期待度が異なる演出である。擬似連続演出が実行される場合、最終の変動サイクルの実行が開始されるまでに、1回の変動ゲームで行われる変動サイクルの回数を確定的に特定することができる。このため、1回の変動ゲームで行われる変動サイクルの回数を認識し易くなり、擬似連続演出に関する有利度合いが認識し易くなることにより、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0152】
(2)1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルのうち実行中の変動サイクルを特定可能な報知が行われる。このため、実行中の変動サイクルが何回目の変動サイクルであるかを特定することができ、擬似連続演出に関する有利度合いが認識し易くなることにより、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0153】
(3)1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルのうち、例えば、チャンスアップ演出が実行されるなど、有利度合いの高い変動サイクルが特定可能となり、擬似連続演出に関する有利度合いが認識し易くなることにより、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0154】
(4)1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数が特定回数(例えば3回や4回)となったときの有利度合いを特定可能な報知が行われる。このため、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数に対する期待感を更に高揚させることができ、擬似連続演出に関する有利度合いが認識し易くなることにより、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0155】
(5)擬似連続演出が実行される変動ゲームにおいて特定のゲーム結果が導出されたときの有利度合いが報知される。このため、擬似連続演出の実行に伴って特定のゲーム結果が導出されることに対する期待感を更に高揚させることができ、擬似連続演出に関する有利度合いが認識し易くなることにより、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0156】
(6)擬似連続演出が実行される変動ゲームにおいて特定の演出内容で演出が実行されるときの有利度合いが報知される。このため、擬似連続演出の実行に伴って特定の演出内容で演出が実行されることに対する期待感を更に高揚させることができ、擬似連続演出に関する有利度合いが認識し易くなることにより、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0157】
(7)擬似連続演出とは別で各種の報知が行われる。このため、擬似連続演出自体の演出効果を低減させることなく、各種の報知により、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数に対する期待感を更に高揚させることができ、擬似連続演出に関する有利度合いが認識し易くなることにより、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0158】
(8)擬似連続演出には、有利度合いが異なる演出種別があり、擬似連続演出が実行される場合、擬似連続演出の演出種別を特定可能な報知が行われる。このため、擬似連続演出の演出種別を認識させつつ、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数に対する期待感を更に高揚させることができ、擬似連続演出に関する有利度合いが認識し易くなることにより、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0159】
(9)1回の変動ゲームで1回の変動サイクルが行われる擬似連続演出のガセ演出は、擬似連続演出における最初の変動サイクルの途中までで(一部で)同じ演出態様である。このため、擬似連続演出のガセ演出が実行される場合であっても、擬似連続演出の実行に対する期待感を高揚させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0160】
次に、本発明を具体化した第2実施形態について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0161】
第1実施形態では、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数自体が報知されたが、これに限らない。例えば、第2実施形態のように、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数以上の回数が報知されてもよい。
【0162】
詳しく説明すると、
図10のステップS14において、演出制御用CPU31aは、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数が上限回数でない場合には、所定の抽選結果に基づいて、変動サイクルの回数より大きく、かつ、上限回数を超えない回数を報知してもよい。
【0163】
具体的な一例をあげると、1回の変動ゲームにおいて3回の変動サイクルが行われる場合、演出制御用CPU31aは、変動サイクルの回数が上限回数ではないと判定し、所定の抽選結果に基づいて、3回及び4回のうち報知する回数を決定する。
【0164】
特に、本実施形態において、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数より大きい回数のほうが、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数自体よりも大当り期待度が高くなるように、報知する変動サイクルの回数が決定される。このように決定された結果、実際に行われる変動サイクルの回数よりも大きい回数が報知されたときには、実際に行われる変動サイクルの回数自体が報知されたときよりも大当り期待度が高くなる。
【0165】
具体的な一例をあげると、1回の変動ゲームで4回の変動サイクルが行われると報知された場合において、3回目の変動サイクルで、継続の図柄組み合わせで一旦停止表示されずに、次回の変動サイクルが行われないことが認識可能となっても、1回の変動ゲームで3回の変動サイクルが行われると報知される場合よりも大当り期待度が高くなる。このため、4回の変動サイクルが行われないことに対する興趣の減退を抑制することができる。
【0166】
以上詳述したように、第2実施形態は、第1実施形態における(1)〜(9)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(10)最終の変動サイクルの実行が開始されるまでに、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数以上の回数を特定することができる。このため、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数を予測し易くなり、擬似連続演出に関する有利度合いが認識し易くなることにより、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0167】
(11)最終の変動サイクルの実行が開始される場合であっても、次回の変動サイクルが行われるかもしれないという期待感を持たせることもでき、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0168】
(12)1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数より大きい回数が報知される場合のほうが、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数自体が報知される場合よりも大当り期待度が高くなる。このため、報知されたの回数よりも小さい回数の変動サイクルが行われる場合であっても、大当りとなることに対する期待感を高揚させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0169】
次に、本発明を具体化した第3実施形態について説明する。
第1実施形態では、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数自体が報知されたが、これに限らない。例えば、第3実施形態のように、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数以下の回数が報知されてもよい。
【0170】
詳しく説明すると、
図10のステップS14において、演出制御用CPU31aは、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数が下限回数(本実施形態では1回)より大きい場合には、所定の抽選結果に基づいて、変動サイクルの回数より小さく、かつ、下限回数以上の回数を報知してもよい。
【0171】
具体的な一例をあげると、1回の変動ゲームにおいて3回の変動サイクルが行われる場合、演出制御用CPU31aは、変動サイクルの回数が下限回数ではないと判定し、所定の抽選結果に基づいて、1〜3回のうち報知する回数を決定する。
【0172】
特に、本実施形態において、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数より小さい回数のほうが、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数自体よりも大当り期待度が高くなるように、報知する変動サイクルの回数が決定される。このように決定された結果、実際に行われる変動サイクルの回数よりも小さい回数が報知されたときには、実際に行われる変動サイクルの回数自体が報知されたときよりも大当り期待度が高くなる。
【0173】
具体的な一例をあげると、1回の変動ゲームで2回の変動サイクルが行われると報知された場合において、2回目の変動サイクルで、継続の図柄組み合わせで一旦停止表示され、次回の変動サイクルが行われることが認識可能となると、3回の変動サイクルが行われると報知される場合よりも大当り期待度が高くなる。このため、3回目の変動サイクルが行われることに対する興趣の向上を図ることができる。
【0174】
なお、1回の変動ゲームにおいて1回の変動サイクルが行われる擬似連続演出のガセ演出が実行される場合、演出制御用CPU31aは、変動サイクルの回数が下限回数であると判定し、報知する変動サイクルの回数として1回を決定する。
【0175】
以上詳述したように、第3実施形態は、第1実施形態における(1)〜(9)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(13)最終の変動サイクルの実行が開始されるまでに、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数以下の回数を特定することができる。このため、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数を予測し易くなり、擬似連続演出に関する有利度合いが認識し易くなることにより、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0176】
(14)1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数として最低限保証される回数が特定可能となり、報知された回数まで変動サイクルが行われることが確定的に特定できる。このため、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数を認識し易くなり、擬似連続演出に関する有利度合いが認識し易くなることにより、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0177】
(15)1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数より小さい回数が報知される場合のほうが、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数自体が報知される場合よりも大当り期待度が高くなる。このため、報知された回数よりも大きい回数の変動サイクルが実際に行われた場合であっても、大当りとなることに対する期待感を高揚させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0178】
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・第2実施形態において、例えば、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数自体を報知する場合のほうが、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数より大きい回数を報知する場合よりも大当り期待度が高くなるように規定してもよい。また、例えば、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数自体を報知する場合と、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数より大きい回数を報知する場合とで大当り期待度が同じとなるように規定してもよい。
【0179】
・第3実施形態において、例えば、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数自体を報知する場合のほうが、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数より小さい回数を報知する場合よりも大当り期待度が高くなるように規定してもよい。また、例えば、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数自体を報知する場合と、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数より大きい回数を報知する場合とで大当り期待度が同じとなるように規定してもよい。
【0180】
・上記実施形態において、例えば、所定の抽選結果に基づいて、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数、その変動サイクルの回数より大きい回数、及びその変動サイクルの回数より小さい回数を報知できるように構成してもよい。
【0181】
・第3実施形態において、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数より小さい回数が報知される場合に、所定条件の成立により、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数を示すように回数画像の表示態様を変更してもよい。具体的な一例としては、1回の変動ゲームで3回の変動サイクルが実行される場合であって、かつ、2回の変動サイクルが行われると報知された場合、3回目の変動サイクルの実行が開始されたときに、3回の変動サイクルが行われることを示すように回数画像の報知態様が変更されてもよい。また、例えば、2回目の変動サイクルにおいて3回目の変動サイクルが継続して行われることが特定可能となったときに、3回の変動サイクルが行われることを示すように回数画像の報知態様が変更されてもよい。また、例えば、2回目の変動サイクルの実行が開始されたときに、3回の変動サイクルが行われることを示すように回数画像の報知態様が変更されてもよい。これによって、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数が認識し易くなる。
【0182】
・上記実施形態において、変動ゲームの実行が開始されることを契機として、演出表示装置16における報知部GH2で報知画像が表示されたが、これに限らず、例えば、1回の変動ゲームにおいて最初の変動サイクルが終了するまでに、演出表示装置16における報知部GH2で報知画像が表示されてもよい。また、例えば、1回の変動ゲームにおいて最終の変動サイクルの実行が開始されるまでに、演出表示装置16における報知部GH2で報知画像が表示されてもよい。具体的な一例をあげると、
図11(b)に示すように、1回の変動ゲームにおいて3回の変動サイクルが実行される場合に、2回目の変動サイクルの実行が開始されることを契機として、報知画像が表示されてもよい。また、例えば、1回の変動ゲームで行われる変動サイクルの回数が報知される場合、報知された回数の変動サイクルの実行が開始されるまでに、報知が行われることが好ましい。具体的な一例をあげると、第3実施形態において、1回の変動ゲームで3回の変動サイクルが行われる場合に、変動サイクルの回数が2回であると報知するときには、2回目の変動サイクルの実行が開始されるまでに報知が行われることが好ましい。また、例えば、変動ゲームの変動サイクルの開始ではなく、飾り図柄の一旦停止表示を契機として、報知が行われてもよい。
【0183】
・上記実施形態において、1回の変動ゲームで行われる変動サイクルの回数が大きくなるほど、大当り期待度が高くなるようにしたが、これに限らない。例えば、1回の変動ゲームで行われる変動サイクルの回数が大きくなっても、大当り期待度が同じであるなど、大当り期待度が高くならない場合があってもよい。つまり、変動サイクルの回数の少なくとも何れかで大当り期待度が異なるなど、変動サイクルの回数に応じて大当り期待度が異なればよい。
【0184】
・上記実施形態において、1回の変動ゲームで行われる変動サイクルの回数に応じて大当り期待度が異なるように規定したが、これに限らない。例えば、確変状態が付与される大当りとなる期待度や、高ベース状態が付与される大当りとなる期待度、高ベース状態が付与される上限回数が大きい大当りとなる期待度など、遊技者にとって有利な有利度合いが異なるように規定してもよく、これらの組み合わせであってもよい。また、例えば、擬似連続演出の演出種別や、擬似連続演出が実行される変動ゲームの演出内容やゲーム結果についても同じように、大当り期待度に限らず、上記のように、遊技者にとって有利な有利度合いが異なるように規定してもよく、これらの組み合わせであってもよい。
【0185】
・上記実施形態において、擬似連続演出のガセ演出では、擬似連続演出と比較して、最初の変動サイクルが開始されてから一旦停止表示されるまでの期間で、背景画像HG、飾り図柄KZ、キャラクタ画像CGが同じ演出態様となるようにしたが、これに限らない。例えば、背景画像HG、飾り図柄KZ、キャラクタ画像CGのうち何れかが異なる演出態様となっていてもよい。また、例えば、擬似連続演出のガセ演出が実行される場合、必ず2回以上の回数を報知してもよい。また、例えば、擬似連続演出のガセ演出が実行されなくてもよい。
【0186】
・上記実施形態において、演出態様及び大当り期待度が異なる複数種類の演出種別の擬似連続演出が実行されたが、これに限らず、例えば、1回の変動ゲームで実行される変動サイクルの上限回数が異なる複数種類の演出種別の擬似連続演出が実行されてもよい。具体的な一例としては、変動サイクルの上限回数が4回である演出種別と、変動サイクルの上限回数が8回である演出種別とがあってもよい。この場合、1回の変動ゲームで実行される変動サイクルの回数に対する大当り期待度が著しく異なることとなり、種別画像を表示させることにより、擬似連続演出に関する有利度合いが認識し易くなる。また、例えば、演出種別により異なる表示態様で回数画像KGが表示されてもよい。また、例えば、擬似連続演出において1種類の演出種別が規定されていても問題なく、種別画像が表示されなくてもよい。
【0187】
・上記実施形態において、1種類の変動パターンに1種類の変動サイクルの回数が対応していたが、これに限らず、例えば、1種類の変動パターンに複数種類の変動サイクルの回数が対応していてもよく、演出種別に対応する変動サイクルの回数が決定されてもよい。具体的な一例としては、変動パターンP32に変動サイクルの回数として3回と5回と6回とが対応しており、上限回数が4回である演出種別Aが決定された場合に3回が、上限回数が8回である演出種別Aが決定された場合に5回又は6回がそれぞれ対応していてもよい。
【0188】
・上記実施形態において、例えば、1回の変動ゲームで行われる変動サイクルの回数が、報知された回数とは異なる回数(特定回数)となったときの有利度合いを示す特典画像が表示されてもよい。具体的な一例としては、1回の変動ゲームにおいて3回の変動サイクルが行われ、3回の変動サイクルが行われると報知された場合に、4回の変動サイクルが行われたときの有利度合いを示す特典画像が表示されてもよい。
【0189】
・上記実施形態において、例えば、特典画像として、報知した変動サイクルの回数となったとき、擬似連続演出が実行される変動ゲームで特定の演出内容が実行されたときや特定のゲーム結果が導出されたときに付与され得る特典を示す画像のうち少なくとも何れかが表示されてもよく、何れも表示されなくても問題ない。
【0190】
・上記実施形態において、実行済みの変動サイクルのうちチャンスアップ演出が実行された変動サイクルを示す表示態様で回数画像が表示されたが、これに限らない。例えば、実行中の変動サイクルでチャンスアップ演出が実行されていること(実行中)を示す表示態様で回数画像が表示されてもよい。この場合、例えば、赤色点滅の表示態様で回数画像が表示されてもよい。また、例えば、未だ実行されていない変動サイクルでチャンスアップ演出が実行され得ることを示す表示態様で回数画像が表示されてもよく、実際にチャンスアップ演出が実行される場合と実行されない場合とがあってもよい。この場合、例えば、黄色点滅の表示態様で回数画像が表示されてもよい。
【0191】
・上記実施形態において、1回の変動ゲームで実行される変動サイクルの回数毎に異なる演出パターンが決定されたが、これに限らず、例えば、同じ演出パターンが決定されてもよい。また、例えば、同じ演出パターンであっても、背景画像HGなどの演出画像が、変動サイクルの回数に対応する表示態様で表示されてもよい。
【0192】
・上記実施形態において、演出制御用CPU31aによって1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数が決定されたが、これに限らない。例えば、主制御用CPU30aによって決定されてもよく、主制御用CPU30aによって決定された変動サイクルの回数が演出制御用CPU31aによって特定可能であればよい。
【0193】
・上記実施形態において、擬似連続演出の演出種別、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数、擬似連続演出の演出パターンがそれぞれで決定されたが、これに限らない。例えば、擬似連続演出の演出種別、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数、及び擬似連続演出の演出パターンが対応付けられた複数種類の選択パターンが規定されている。この場合、複数種類の選択パターンのうち何れか一つが選択されることにより、擬似連続演出の演出種別、1回の変動ゲームにおいて行われる変動サイクルの回数、及び擬似連続演出の演出パターンが一度に決定されてもよい。
【0194】
・上記実施形態において、演出種別、特典、1回の変動ゲームで行われる変動サイクルの回数、実行中の変動サイクル、チャンスアップ演出が実行された変動サイクルなど、擬似連続演出の演出内容を示す画像自体が表示されたが、これに限らない。例えば、有利度合いを示す所定数の星画像などが表示されてもよい。つまり、擬似連続演出の演出内容が特定可能な画像が表示されればよく、擬似連続演出の演出内容の有利度合いが特定可能な画像であることが好ましい。
【0195】
・上記実施形態において、円を4等分した表示態様で各回数画像KG1〜KG4が表示されたが、これに限らず、例えば、直線状に各回数画像が表示され、変動サイクルの回数が大きくなる順序で表示されてもよい。また、例えば、円弧状に各回数画像が表示され、変動サイクルの回数が大きくなる順序で表示されてもよい。つまり、変動サイクルの回数が特定可能な位置関係で回数画像が表示されることが好ましい。
【0196】
・上記実施形態において、右列及び中列の飾り図柄が、左列の飾り図柄より1大きい図柄となる継続の図柄組み合わせが表示されたが、これに限らず、例えば、継続を示す特殊図柄が中列の飾り図柄として一旦停止表示される継続の図柄組み合わせが表示されてもよく、左列の飾り図柄と右列の飾り図柄とが同じとなってもよい。
【0197】
・上記実施形態において、一体に設けられた演出表示装置16の画像表示部GHに、演出画像を表示させる演出表示部GH1と報知部GH2とが別々に割り当てられているが、これに限らず、例えば、演出表示装置16とは別体で報知装置(例えばサブ表示装置など)が設けられ、その報知装置で各種報知が行われてもよい。
【0198】
・上記実施形態において、画像の表示により各種報知が行われたが、これに限らず、例えば、スピーカSPからの音の出力態様や、装飾ランプLAによる光の発光態様により各種報知が行われてもよく、可動体の変位や操作部の変位、発射ハンドルの振動や送風などにより各種報知が行われてもよい。また、これらの組み合わせであってもよい。
【0199】
・上記実施形態において、例えば、遊技者の操作に応じて、報知部GH2を有効とするか無効にするかが切り替えできてもよい。
・上記実施形態において、飾り図柄の変動に伴う複数回の変動サイクルが1回の変動ゲームで実行されたが、これに限らず、例えば、特開2014−210131号公報などのように、飾り図柄の変動中において複数回の演出(単位演出)が1回の変動ゲームで実行されてもよい。そして、この場合、単位演出が実行される回数を特定可能な報知が同じように行われてもよい。
【0200】
・上記実施形態において、例えば、予め定めた段階数が対応する複数回の演出(単位演出)が1回の変動ゲームで実行されてもよい。そして、この場合、その段階数を特定可能な報知が同じように行われてもよい。
【0201】
・上記実施形態において、例えば、特開2003−38713号公報などのように、連続する複数回の変動ゲームのそれぞれで演出(単位演出)が実行されてもよい。そして、この場合、単位演出が実行される変動ゲームの回数を特定可能な報知が同じように行われてもよい。つまり、特定演出は、1回又は複数回の変動ゲームにおいて行われる演出の連続回数や演出の段階数によって、大当り期待度を示す演出であってもよい。
【0202】
・上記実施形態において、低ベース状態において擬似連続演出が実行されたが、これに限らず、例えば、高ベース状態において擬似連続演出が実行されてもよく、これらの組み合わせであってもよい。
【0203】
・上記実施形態において、例えば、複数の変動ゲームのうち一方が優先的に実行されるか、入賞順に実行されるか、複数の変動ゲームが同時に実行されるかも問わない。また、1種類の変動ゲームが実行されてもよい。
【0204】
・上記実施形態において、主制御基板30と演出制御基板31とが配設され、各種機能が搭載されたが、これに限らず、例えば、各種機能の少なくとも一部を異なる基板に搭載されてもよい。また、このような2種類の基板に限らず、例えば、一体的な基板として構成されてもよく、3種類以上の基板として構成されてもよい。
【0205】
・上記実施形態において、特別図柄指定コマンドにより、大当りの種類を指定していたが、変動パターン指定コマンドや、その他専用の制御コマンドにより、大当りの種類を指定するようにしても良い。
【0206】
・上記実施形態において、変動ゲームに係わる各種乱数値は、保留記憶数に応じて設けられた記憶領域に記憶するようにしてもよい。この場合、変動ゲームが実行される毎に、乱数値がシフト処理され、保留記憶数が1減算された記憶領域に記憶する。
【0207】
・上記実施形態において、演出制御基板31にて変動ゲームの変動時間が管理されていれば、図柄停止コマンドを出力しなくてもよい。
・上記実施形態において、所謂1種のパチンコ遊技機を採用したが、2種、3種、1種2種混合機等、パチンコ遊技機の種類には限られない。また、遊技盤の流下領域に配設された各種役物への遊技球の入球に基づく変動ゲームが実行されるパチンコ遊技機に限らず、例えば、遊技開始操作に応じて変動ゲームが実行されるスロット遊技機が採用されてもよい。また、この場合、停止操作に応じて変動ゲームにおける図柄を停止させるスロット遊技機か、所定時間の経過により変動ゲームにおける図柄を停止させるスロット遊技機かも問わない。また、スロット遊技機において、遊技開始操作を契機として当選役(例えば、ベル役、再遊技役等)が決定され、その当選役と停止操作の操作態様とに基づいて図柄が停止表示される。そして、停止表示される図柄が有利な組み合わせとなり易い状態(停止表示される図柄が有利な組み合わせとなる確率が高い状態や、停止表示される図柄が有利な組み合わせとなる停止操作態様が報知される確率が高い状態)が有利状態に相当する。
【0208】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記報知手段は、前記特定演出において行われる変動サイクルの連続回数を特定可能な報知を、最初の変動サイクルが終了するまでに行うことができることを特徴とする。
【0209】
(ロ)前記特定演出において行われる変動サイクルの連続回数を決定する連続回数決定手段を備え、前記報知手段は、前記連続回数決定手段によって決定された変動サイクルの連続回数を特定可能な報知を、最終の変動サイクルの実行が開始されるまでに行うことができることを特徴とする。
【0210】
(ハ)前記報知手段は、前記演出実行手段において実行される特定演出とは別で所定の報知を行うことを特徴とする。
(ニ)前記特定演出には、有利度合いが異なる演出種別があり、特定演出の演出種別を決定する演出種別決定手段を備え、前記演出実行手段は、前記演出種別決定手段によって決定された演出種別の特定演出を実行し、前記報知手段は、前記演出種別決定手段によって決定された演出種別を特定可能な報知を行うことを特徴とする。
【0211】
(ホ)前記演出実行手段は、1回の図柄変動ゲームで1回の変動サイクルが行われる特別演出を実行し、前記特別演出は、前記特定演出における最初の変動サイクルの少なくとも一部と同じ演出態様であることを特徴とする。