(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385979
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】浴室用壁パネル
(51)【国際特許分類】
E04B 2/72 20060101AFI20180827BHJP
E04H 1/12 20060101ALI20180827BHJP
E04F 11/18 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
E04B2/72 Z
E04H1/12 301
E04F11/18
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-89686(P2016-89686)
(22)【出願日】2016年4月27日
(65)【公開番号】特開2017-197973(P2017-197973A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2017年1月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】511255890
【氏名又は名称】ダイワ化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100195327
【弁理士】
【氏名又は名称】森 博
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(72)【発明者】
【氏名】中村 勝浩
【審査官】
星野 聡志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−098675(JP,A)
【文献】
特開2001−193186(JP,A)
【文献】
特開2001−329649(JP,A)
【文献】
特開平10−076598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/72
E04F 11/18
E04H 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室を構成する壁面を形成するための壁パネルであって、
浴室内に化粧面を向けた状態に配置される不燃化粧板と、
前記不燃化粧板の裏面の周縁部に沿って固着された耐錆性の金属製フレーム材と、
前記金属製フレーム材で囲まれた前記不燃化粧板の裏面全体を覆うように配置された補強板と、を備え、
前記不燃化粧板の化粧面側から前記補強板に対して雄ネジ部材が螺着可能である、浴室用壁パネル。
【請求項2】
前記補強板が木製合板である、請求項1に記載の浴室用壁パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般住宅の浴室あるいは養護施設や病院の共同浴室などの壁面部分を構築するために使用する浴室用壁パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
身体の不自由な人や高齢者などが入浴する場合、浴室内での歩行や浴槽への出入りの際の利便性や安全性を高めるため、入浴者の身体を支える手段の一つとして、浴室の壁面に手摺が設けられることが多い(例えば、特許文献1参照。)。従来の手摺は、特許文献1に記載された手摺のように、手摺体の両端部に設けられた円板状の取付板部を取付面(例えば、浴室の壁面)に当接させ、取付板部に開設された取付孔を介して取付ネジを取付面に向かってねじ込み止着することにより、手摺体が壁面に固定されている。
【0003】
一方、本発明に関連する先行技術として、例えば、特許文献2に記載された「浴室用手摺の取付け構造」がある。この「浴室用手摺の取付け構造」は、ドライバーなどの工具を使用することなく、手作業にて、手摺の取付け位置を所定の位置に簡単に変更することができる、というものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−131453号公報
【特許文献2】特開平9−70369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の「手摺」を浴室の壁面に取り付ける場合、ネジによる締め付け強度を確保するためには、壁面の厚みを取付ネジの全長と同等とする必要があるが、壁材の軽量化の要請あるいはコスト面の制約などがあり、実現が困難である。このため、従来の浴室の壁構造においては、壁面全体を必要な厚さとするのではなく、壁面の一部のみ、即ち、手摺体の取付板部を当接させる壁面部分(取付ネジをねじ込む部分)のみを厚くするという構造が採られている。
【0006】
具体的には、手摺体の取付板部を当接させる部分の壁面の裏側に、必要な厚さの補強部材を貼着し、壁面の表面側から補強部材に向かって取付ネジをねじ込んで止着することにより、手摺体が壁面に固定されている。
【0007】
従って、従来の浴室の場合、浴室が完成した後に、手摺の位置の変更が必要となった場合、変更したい位置の壁面の裏側に新たな補強材を貼着したり、変更したい位置の壁面の裏側に補強材が貼着された壁材に取り換えたりしなければならないので、施工後の手摺の位置変更が極めて困難であるのが実状である。また、従来の浴室の場合、施工後、新たな位置に手摺を取り付けることも困難である。
【0008】
また、従来の浴室の場合、手摺の取付位置は、壁面の裏側に貼着された補強材の位置によって予め決まっているので、施工現場において、施工主などの要望に応じて、任意の位置に手摺を取り付けることも容易ではない。
【0009】
一方、特許文献2に記載された「浴室用手摺の取付け構造」は、施工後も、手摺の取付け位置を変更することができるが、変更位置は、壁面において、予め手摺連結部材が取り付けられている部分に限定される。このため、施工後、手摺の取付位置を任意に変更することは極めて困難である。
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、浴室の壁面に対する手摺の取付位置を任意に設定したり、変更したりすることができ、また、施工後の手摺の追加取付も容易に行うことができる、浴室用壁パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の浴室用壁パネルは、
浴室を構成する壁面を形成するための壁パネルであって、
浴室内に化粧面を向けた状態に配置される不燃化粧板と、
前記不燃化粧板の裏面の周縁部に沿って固着された耐錆性の金属製フレーム材と、
前記金属製フレーム材で囲まれた前記不燃化粧板の裏面全体を覆うように配置された補強板と、を備え、
前記不燃化粧板の化粧面側から前記補強板に対して雄ネジ部材が螺着可能であることを特徴とする。
【0012】
ここで、前記浴室用壁パネルにおいては、前記補強板に螺着された前記雄ネジ部材の引き抜き耐力は、特に限定しないが、前記雄ネジ部材を用いて当該浴室用パネルに取り付けられた手摺が、使用中にズレたり、離脱したりしない程度の安全性を確保することができるレベルであることが必須である。
【0013】
また、前記浴室用壁パネルにおいては、前記補強板として、木材板を使用することができる。
【0014】
さらに、前記浴室用壁パネルにおいては、前記補強板として、耐水性を有する木製合板(コンパネ:コンクリート型枠用合板パネル)を使用することができる。
【0015】
一方、前記浴室用壁パネルにおいては、前記不燃化粧板
の裏面の周縁部及び前記補強板の周縁部に
沿って耐錆性の金属製フレーム材を配置してい
る。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、浴室の壁面に対する手摺の取付位置を任意に設定したり、変更したりすることができ、また、施工後の手摺の追加取付も容易に行うことができる、浴室用壁パネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態である浴室用壁パネルの裏面側から見た斜視図である。
【
図2】
図1中のA−A線における一部省略断面図である。
【
図3】
図1に示す浴室用壁パネルを使用して構築した浴室を示す一部省略平面図である。
【
図4】
図3中の矢線B方向から見た一部省略正面図である。
【
図6】
図3に示す浴室の壁面部分を示す一部省略水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、
図1〜
図6に基づいて、本発明の実施の形態である浴室用壁パネル100及びこれを使用して構築した浴室200について説明する。
図1,
図2に示す浴室用壁パネル100は、
図3,
図4に示すような浴室200を構成する壁面Wを形成するための資材である。
【0019】
図1,
図2に示すように、浴室用壁パネル100は、浴室200内に化粧面10aを向けた状態に配置される長方形の不燃化粧板10と、不燃化粧板10の裏面10cにおいて、その4つの周縁部10bに沿って角型鋼管11a,11bを固着することによって形成された防錆性の金属製フレーム材11と、金属製フレーム材11で囲まれた不燃化粧板10の裏面10c全体を覆うように配置された補強板12と、を備えている。補強板12の表面12aと、不燃化粧板10の裏面10cとは密着状態に接着されている。角型鋼管11a,11bは防錆コーティングが施されている。
【0020】
補強板12は木材板が好適であるが、本実施形態では、補強板12として、耐水性を有する木製合板(コンクリート型枠用合板パネル)を使用している。
図2に示すように、浴室用壁パネル100においては、不燃化粧板10の化粧面10a側から補強板12に対して雄ネジ部材20が螺着可能である。
【0021】
図2に示すように、補強板12の厚さ12tは、角型鋼管11a,11bの正方形状の横断面の1辺の長さ11xより小さく設定されているので、補強板12の裏面12bの周縁部と金属製フレーム材11との間には段差が形成されている。補強板12の裏面12bには、長方形板状をした発泡合成樹脂製の複数のスペーサ13が所定間隔を置いて貼着されている。スペーサ13の露出面13aは、金属製フレーム材11の背面と略同一平面をなしている。
【0022】
図3,4に示すように、浴室200は、設置面UBの上に複数の支持脚14を介して載置された床面材F及び浴槽BTなどの周囲に、複数の浴室用壁パネル100及び複数の引き戸Dなどを直立状態に配置し、これらの上面を覆うように天井材Tを取り付けることによって形成されている。
【0023】
浴室200の内部の壁面Wには、水平方向の手摺30や垂直方向の手摺40がそれぞれ複数、取り付けられている。
図5に示すように、手摺40は、その両端部分のエルボ部41の端部に円板フランジ状に形成された取付部42を壁面W(浴室用壁パネル100を構成する不燃化粧板10の化粧面10a)に当接させ、取付部42に開設された複数の貫通孔42aを通して、不燃化粧板12の化粧面10aから補強板12に向かってそれぞれ雄ネジ部材20を螺着し、締め付けることによって壁面Wに固定されている。雄ネジ部材20によって締め付け固定された取付部42には、着脱可能なカバー43が取り付けられるので、外部から見えない状態となる。壁面Wに対する水平方向の手摺30の取付構造は、前述した手摺40の取付構造と同じである。
【0024】
浴室用壁パネル100を構成する補強板12は、不燃化粧板10の裏面全体を覆うように貼着されているため、不燃化粧板10において、その裏面10c側に補強板12が存在している領域であれば、どの位置であっても、不燃化粧板10の化粧面10aから補強板12に向かって雄ネジ部材20を螺着させることができる。
【0025】
従って、浴室200の壁面Wに対する手摺30,40の取付位置を任意に設定したり、変更したりすることができ、また、施工後(浴室200が完成した後)に、手摺30,40を追加して取り付けることも容易である。なお、
図5に示すように、不燃化粧板10の化粧面10aから補強材12に向かって螺着された雄ネジ部材20を引き抜き耐力(雄ネジ部材20を軸心方向に引き抜くのに必要な力)は、特に限定するものではないが、手摺30,40の使用中に、雄ネジ部材20が緩んだり、あるいは手摺30,40がズレたり、壁面Wから外れたりしない程度の安全性を確保することができるレベルであることが必須である。
【0026】
次に、
図6に基づいて、浴室200を形成する複数の浴室用壁パネル100同士の連結構造などについて説明する。
【0027】
図6に示すように、水平方向に隣接して配置された複数の浴室用壁パネル100は、それぞれの金属製フレーム材11を構成する垂直方向の角型鋼管11a,11a同士を密着させ、その両方の背面と密着するように平板状のジョイント部材15を配置し、ジョイント部材15を通して、それぞれの角型鋼管11a,11aに雄ネジ部材21,21を螺着させることによって連結される。このとき、隣り合う不燃化粧板10,10の周縁部10b,10b(
図1参照)の隙間には、防水用のシリコンシールSが充填される。
【0028】
一方、
図6に示すように、浴室200のコーナ部においては、浴室用壁パネル100同士が直角をなすように配置されるので、横断面がL字形状をしたコーナージョイント部材16と、横断面がW字形状をしたコーナージョイント部材17と、を重ねて、隣り合う金属製フレーム材11の角型鋼管11a,11aを跨ぐように配置し、コーナージョイント部材17を通して、角型鋼管11a,11aに雄ネジ部材21,21を螺着させることによって連結される。このとき、直角をなして隣り合う不燃化粧板10,10の周縁部10b,10b(
図1参照)の隙間には、防水用のシリコンシールSが充填される。
【0029】
なお、
図1〜
図6に基づいて説明した浴室用壁パネル100は本発明の一例を示すものであり、本発明の浴室用パネルは、前述した浴室用パネル100に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の浴室用壁パネルは、一般住宅の浴室あるいは養護施設や病院の共同浴室などの壁面部分を構築するための資材として、建築業や建設業などの分野において広く利用することができる。
【符号の説明】
【0031】
10 不燃化粧板
10a 化粧面
10b 周縁部
10c 裏面
11 金属製フレーム材
11a,11b 角型鋼管
11x 長さ
12 補強板
12a 表面
12b 裏面
12t 厚さ
13 スペーサ
13a 露出面
14 支持脚
15 ジョイント板
16,17 コーナージョイント部材
20,21 雄ネジ部材
30,40 手摺
41 エルボ部
42 取付部
42a 貫通孔
43 カバー
100 浴室用壁パネル
200 浴室
BT 浴槽
D 引き戸
F 床面材
S シリコンシール
T 天井材
UB 設置面
W 壁面