(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、添付の図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。しかし、本発明がこれらの実施例に限定されるものではなく、様々な形態に変形可能であることは勿論である。
【0014】
図面では、本発明を明確且つ簡略に説明するために、説明と関係のない部分の図示を省略し、明細書全体において同一又は極めて類似の部分に対しては同一の図面参照符号を使用する。そして、図面では、説明をより明確にするために、厚さ、面積などを拡大又は縮小して示しており、本発明の厚さ、面積などは図面に示したものに限定されない。
【0015】
そして、明細書全体において、ある部分が他の部分を「含む」とするとき、特に反対の記載がない限り、他の部分を排除するのではなく、他の部分をさらに含むことができる。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとするとき、これは、他の部分の「直上に」ある場合のみならず、それらの間に他の部分が位置する場合も含む。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「直上に」あるとするときは、それらの間に他の部分が位置しないことを意味する。
【0016】
以下、添付の図面を参照すると、本発明の実施例に係る太陽電池パネル用配線材付着装置及び方法を詳細に説明する。明確な説明のために、本実施例に係る太陽電池パネル用配線材付着装置及び方法によって付着された配線材を備える太陽電池パネルを先に説明した後、本実施例に係る太陽電池パネル用配線材付着装置及び方法を説明する。以下において「第1」、「第2」などの表現は、相互間の区別のために使用したものに過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明の実施例に係る太陽電池パネルを示した斜視図であり、
図2は、
図1のII−II線に沿う断面図である。
【0018】
図1及び
図2を参照すると、本実施例に係る太陽電池パネル100は、複数の太陽電池150、及び複数の太陽電池150を電気的に接続する配線材142を含む。そして、太陽電池パネル100は、複数の太陽電池150及びこれを接続する配線材142を包んで密封する密封材130と、密封材130の上で太陽電池150の前面に位置する前面基板110と、密封材130の上で太陽電池150の後面に位置する後面基板120とを含む。これについてより詳細に説明する。
【0019】
まず、太陽電池150は、太陽光を電気エネルギーに変換する光電変換部と、光電変換部に電気的に接続され、電流を収集して伝達する電極とを含むことができる。そして、複数個の太陽電池150は、配線材142によって電気的に直列、並列又は直並列に接続されてもよい。具体的には、配線材142は、複数個の太陽電池150のうち隣り合う2つの太陽電池150を電気的に接続する。
【0020】
そして、バスリボン145は、配線材142によって接続されて一つの列を形成する太陽電池150(すなわち、太陽電池ストリング)の配線材142の両端を交互に接続する。バスリボン145は、太陽電池ストリングの端部でそれと交差する方向に配置されてもよい。このようなバスリボン145は、隣り合う太陽電池ストリングを接続したり、太陽電池ストリング又は複数の太陽電池ストリングを電流の逆流を防止するジャンクションボックス(図示せず)に接続することができる。バスリボン145の物質、形状、接続構造などは様々に変形可能であり、本発明がこれに限定されるものではない。
【0021】
密封材130は、配線材142によって接続された太陽電池150の前面に位置する第1密封材131、及び太陽電池150の後面に位置する第2密封材132を含むことができる。第1密封材131及び第2密封材132は、水分と酸素が流入することを防止し、太陽電池パネル100の各要素を化学的に結合する。第1及び第2密封材131,132は、透光性及び接着性を有する絶縁物質で構成されてもよい。一例として、第1密封材131及び第2密封材132には、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール、ケイ素樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂などを使用することができる。第1及び第2密封材131,132を用いたラミネーション工程などによって、後面基板120、第2密封材132、太陽電池150、第1密封材131、前面基板110が一体化されて太陽電池パネル100を構成することができる。
【0022】
前面基板110は、第1密封材131上に位置して太陽電池パネル100の前面を構成し、後面基板120は、第2密封材132上に位置して太陽電池150の後面を構成する。前面基板110及び後面基板120は、それぞれ外部の衝撃、湿気、紫外線などから太陽電池150を保護することができる絶縁物質で構成されてもよい。そして、前面基板110は、光が透過し得る透光性物質で構成され、後面基板120は、透光性物質、非透光性物質、又は反射物質などで構成されるシートで構成されてもよい。一例として、前面基板110がガラス基板などで構成されてもよく、後面基板120が、TPT(Tedlar/PET/Tedlar)タイプを有したり、又はベースフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))の少なくとも一面に形成されたポリフッ化ビニリデン(poly vinylidene fluoride、PVDF)樹脂層を含むことができる。
【0023】
しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1及び第2密封材131,132、前面基板110、又は後面基板120が、上述した説明以外の様々な物質を含むことができ、様々な形態を有することができる。例えば、前面基板110又は後面基板120が様々な形態(例えば、基板、フィルム、シートなど)又は物質を有することができる。
【0024】
図3を参照して、本発明の実施例に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池及びそれに接続された配線材の一例をより詳細に説明する。
【0025】
図3は、
図1の太陽電池パネルに含まれる太陽電池及びそれに接続された配線材の一例を示した部分断面図である。
【0026】
図3を参照すると、太陽電池150は、半導体基板160と、半導体基板160に又は半導体基板160上に形成される導電型領域20,30と、導電型領域20,30に接続される電極42,44とを含む。導電型領域20,30は、第1導電型を有する第1導電型領域20、及び第2導電型を有する第2導電型領域30を含むことができる。電極42,44は、第1導電型領域20に接続される第1電極42、及び第2導電型領域30に接続される第2電極44を含むことができる。その他に、第1及び第2パッシベーション膜22,32、反射防止膜24などをさらに含むことができる。
【0027】
半導体基板160は、単一の半導体物質(一例として、4族元素)を含む結晶質半導体で構成されてもよい。一例として、半導体基板160は、単結晶又は多結晶半導体(一例として、単結晶又は多結晶シリコン)で構成されてもよい。特に、半導体基板160は単結晶半導体(例えば、単結晶半導体ウエハ、より具体的には、単結晶シリコンウエハ)で構成されてもよい。すると、太陽電池150が、結晶性が高いため欠陥の少ない単結晶半導体で構成される半導体基板160をベースとするようになる。これによって、太陽電池150は優れた電気的特性を有することができる。
【0028】
半導体基板160の前面及び/又は後面は、テクスチャリング(texturing)されて凹凸を有することができる。凹凸は、一例として、外面が半導体基板160の(111)面で構成され、不規則的な大きさを有するピラミッド形状を有することができる。テクスチャリングによって半導体基板160の前面などに凹凸が形成されて前面の表面粗さが増加すると、半導体基板160の前面などを通して入射する光の反射率を低下させることができる。したがって、ベース領域10と第1又は第2導電型領域20,30によって形成されたpn接合まで到達する光量を増加させることができ、光損失を最小化することができる。本実施例では、半導体基板160の前面及び後面のそれぞれに凹凸が形成される場合を例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、半導体基板160の前面及び後面のうち少なくともいずれか1つに凹凸が形成されてもよく、前面及び後面に凹凸が形成されなくてもよい。
【0029】
本実施例において、半導体基板160は、第1又は第2導電型ドーパントが低いドーピング濃度でドープされて第1又は第2導電型を有するベース領域10を含む。このとき、半導体基板160のベース領域10は、これと同じ導電型を有する第1及び第2導電型領域20,30のうち1つよりも低いドーピング濃度、高い抵抗又は低いキャリア濃度を有することができる。一例として、本実施例において、ベース領域10は第2導電型を有することができる。
【0030】
そして、半導体基板160は、第1導電型領域20及び第2導電型領域30を含むことができる。本実施例において、半導体基板160を構成するベース領域10と導電型領域20,30は、半導体基板160の結晶構造を有し、導電型、ドーピング濃度などが互いに異なる領域である。例えば、半導体基板160において、第1導電型ドーパントを含んで第1導電型を有する領域が第1導電型領域20として定義され、第2導電型ドーパントを低いドーピング濃度で含んで第2導電型を有する領域がベース領域10として定義され、第2導電型ドーパントをベース領域10よりも高いドーピング濃度で含んで第2導電型を有する領域が第2導電型領域30として定義され得る。
【0031】
第1及び第2導電型領域20,30は、半導体基板160の前面及び後面でそれぞれ全体的に形成されてもよい。ここで、全体的に形成されるということは、隙間なく全てに形成された場合のみならず、不可避に一部の領域には形成されない場合も含む。これによって、第1及び第2導電型領域20,30を十分な面積で別途のパターニングなしに形成することができる。
【0032】
第1導電型領域20は、ベース領域10とpn接合を形成するエミッタ領域を構成することができる。第2導電型領域30は、後面電界(back surface field)を形成する後面電界領域を構成することができる。後面電界領域は、半導体基板160の表面(より正確には、半導体基板160の後面)で再結合によってキャリアの損失が発生することを防止する役割を果たす。
【0033】
本実施例では、導電型領域20,30が、半導体基板160の内部にドーパントをドープして形成されて半導体基板160の一部を構成するドーピング領域である場合を例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1導電型領域20及び第2導電型領域30のうちの少なくとも1つが、半導体基板160上に別途の層として構成される非晶質、微細結晶又は多結晶半導体層などで構成されてもよい。その他にも様々な変形が可能である。
【0034】
そして、本実施例において、第1導電型領域20及び第2導電型領域30がそれぞれ全体的に均一なドーピング濃度を持つ均一な構造(homogeneous structure)を有する例を示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、他の実施例として、第1導電型領域20及び第2導電型領域30のうちの少なくとも1つが選択的構造(selective structure)を有してもよい。選択的構造では、導電型領域20,30において電極42,44と隣接する部分で高いドーピング濃度及び低い抵抗を有し、その他の部分では低いドーピング濃度及び高い抵抗を有することができる。更に他の実施例として、第2導電型領域30が局部的構造(local structure)を有してもよい。局部的構造では、第2導電型領域30が、第2電極44が形成された部分に対応して局部的に形成されてもよい。
【0035】
第1導電型領域20に含まれる第1導電型ドーパントがn型又はp型のドーパントであってもよく、ベース領域10及び第2導電型領域30に含まれる第2導電型ドーパントがp型又はn型のドーパントであってもよい。p型のドーパントとしては、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などの3族元素を使用することができ、n型のドーパントとしては、リン(P)、ヒ素(As)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)などの5族元素を使用することができる。ベース領域10の第2導電型ドーパントと第2導電型領域30の第2導電型ドーパントは、互いに同一又は異なる物質であってもよい。
【0036】
一例として、第1導電型領域20がp型を、ベース領域10及び第2導電型領域30がn型を有することができる。第1導電型領域20とベース領域10によって形成されたpn接合に光が照射されると、光電効果によって生成された電子が半導体基板160の後面側に移動して第2電極44によって収集され、正孔が半導体基板160の前面側に移動して第1電極42によって収集される。これによって、電気エネルギーが発生する。すると、電子に比べて移動速度の遅い正孔が半導体基板160の後面ではなく前面へ移動することで、変換効率を向上させることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、ベース領域10及び第2導電型領域30がp型を有し、第1導電型領域20がn型を有することも可能である。
【0037】
半導体基板160の表面上には第1及び第2パッシベーション膜22,32、反射防止膜24などの絶縁膜を形成することができる。このような絶縁膜は、別途にドーパントを含まないアンドープ絶縁膜で構成されてもよい。
【0038】
より具体的には、半導体基板160の前面上に、より正確には半導体基板160に形成された第1導電型領域20上に第1パッシベーション膜22が形成(一例として、接触)され、第1パッシベーション膜22上に反射防止膜24が形成(一例として、接触)されてもよい。そして、半導体基板160の後面上に、より正確には半導体基板160に形成された第2導電型領域30上に第2パッシベーション膜32が形成(一例として、接触)されてもよい。
【0039】
第1パッシベーション膜22及び反射防止膜24は、第1電極42に対応する部分(より正確には、第1開口部102が形成された部分)を除いて実質的に半導体基板160の前面全体に形成することができる。これと同様に、第2パッシベーション膜32は、第2電極44に対応する部分(より正確には、第2開口部104が形成された部分)を除いて実質的に半導体基板160の後面全体に形成することができる。
【0040】
第1及び第2パッシベーション膜22,32は、第2導電型領域20,30に接触して形成され、導電型領域20,30の表面又はバルク内に存在する欠陥を不動化させる。これによって、少数キャリアの再結合サイトを除去して太陽電池150の開放電圧(Voc)を増加させることができる。反射防止膜24は、半導体基板160の前面に入射する光の反射率を減少させる。これによって、半導体基板160の前面を通して入射する光の反射率を低下させ、ベース領域10と第1導電型領域20との界面に形成されたpn接合まで到達する光量を増加させることができる。これによって、太陽電池150の短絡電流(Isc)を増加させることができる。このようにパッシベーション膜32,22及び反射防止膜24によって太陽電池150の開放電圧及び短絡電流を増加させることで、太陽電池150の効率を向上させることができる。
【0041】
一例として、パッシベーション膜22,32又は反射防止膜24は、シリコン窒化膜、含水素シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、アルミニウム酸化膜、MgF
2、ZnS、TiO
2及びCeO
2からなる群から選択されたいずれか1つの単一膜、又は2つ以上の膜が組み合わされた多層膜構造を有することができる。一例として、第1又は第2パッシベーション膜22,32は、導電型領域20,30がn型を有する場合には、固定正電荷を有するシリコン酸化膜、シリコン窒化膜などを含むことができ、p型を有する場合には、固定負電荷を有するアルミニウム酸化膜などを含むことができる。一例として、反射防止膜24はシリコン窒化物を含むことができる。
【0042】
しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1及び第2パッシベーション膜22,32及び反射防止膜24が様々な物質を含むことができる。そして、半導体基板160の前面及び/又は後面上に積層される絶縁膜の積層構造もまた様々な変形が可能である。例えば、上述した積層順序と異なる積層順序で絶縁膜が積層されてもよい。または、上述した第1及び第2パッシベーション膜22,32及び反射防止膜24のうちの少なくとも1つを備えないか、または上述した第1及び第2パッシベーション膜22,32及び反射防止膜24以外の他の絶縁膜を備えることもできる。その他にも様々な変形が可能である。
【0043】
第1電極42は、半導体基板160の前面に位置した絶縁膜(例えば、第1パッシベーション膜22及び反射防止膜24)に形成された第1開口部102を通して第1導電型領域20に電気的に接続される。第2電極44は、半導体基板160の後面に位置した絶縁膜(例えば、第2パッシベーション膜32)に形成された第2開口部104を通して第2導電型領域30に電気的に接続される。一例として、第1電極42は第1導電型領域20に接触し、第2電極44は第2導電型領域30に接触することができる。
【0044】
第1及び第2電極42,44は、様々な物質(一例として、金属物質)で構成され、様々な形状を有するように形成することができる。第1及び第2電極42,44の形状については、後で再び説明する。
【0045】
このように、本実施例では、太陽電池150の第1及び第2電極42,44が一定のパターンを有することによって、太陽電池150が、半導体基板160の前面及び後面に光が入射し得る両面受光型(bi−facial)構造を有する。これによって、太陽電池150で使用される光量を増加させ、太陽電池150の効率向上に寄与することができる。
【0046】
しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2電極44が半導体基板160の後面側で全体的に形成される構造を有することも可能である。また、第1及び第2導電型領域20,30、そして、第1及び第2電極42,44が、半導体基板160の一面(一例として、後面)側に共に位置することも可能であり、第1及び第2導電型領域20,30のうちの少なくとも1つが半導体基板160の両面にわたって形成されることも可能である。すなわち、上述した太陽電池150は、一例として提示したものに過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。
【0047】
上述した太陽電池150は、第1電極42又は第2電極44の上に位置(一例として、接触)する配線材142によって隣り合う太陽電池150と電気的に接続され、これについては、
図1乃至
図3と共に
図4を参照してより詳細に説明する。
【0048】
図4は、
図1に示した太陽電池パネル100に含まれ、配線材142によって接続される第1太陽電池151と第2太陽電池152を概略的に示した斜視図である。
図4で、第1及び第2太陽電池151,152は、半導体基板160と電極42,44を中心に概略的に示した。
【0049】
図4に示したように、複数個の太陽電池150のうち、隣り合う2つの太陽電池150(一例として、第1太陽電池151と第2太陽電池152)を配線材142によって接続することができる。このとき、配線材142は、第1太陽電池151の前面に位置した第1電極42と、第1太陽電池151の一側(図面上、左側下部)に位置する第2太陽電池152の後面に位置した第2電極44とを接続する。そして、他の配線材1420aが、第1太陽電池151の後面に位置した第2電極44と、第1太陽電池151の他側(図面上、右側上部)に位置する他の太陽電池の前面に位置した第1電極42とを接続する。そして、更に他の配線材1420bが、第2太陽電池152の前面に位置した第1電極42と、第2太陽電池152の一側(図面上、左側下部)に位置する更に他の太陽電池の後面に位置した第2電極44とを接続する。これによって、複数個の太陽電池150を配線材142,1420a,1420bによって一つの列をなすように連結することができる。以下で配線材142に関する説明は、隣り合う2つの太陽電池150を接続する全ての配線材142,1420a,1420bにそれぞれ適用することができる。
【0050】
本実施例において、配線材142は、第1太陽電池151の前面で第1電極42(より具体的には、第1電極42のバスバーライン(
図5の参照符号42b、以下同様))に接続された状態で第1縁部161からこれと反対の第2縁部162に向かって延長される第1部分と、第2太陽電池152の後面で第2電極44(より具体的には、第2電極44のバスバーライン)に接続された状態で第1縁部161からこれと反対の第2縁部162に向かって延長される第2部分と、第1太陽電池151の前面から第2太陽電池152の後面まで延長されて第1部分と第2部分とを連結する第3部分と、を含むことができる。これによって、配線材142が第1太陽電池151の一部の領域で第1太陽電池151を横切った後に第2太陽電池152の一部の領域で第2太陽電池152を横切って位置することができる。このように、配線材142が第1及び第2太陽電池151,152よりも小さい幅を有し、第1及び第2太陽電池151,152の一部(一例として、バスバーライン42b)に対応する部分でのみ形成されるため、小さな面積によっても第1及び第2太陽電池151,152を効果的に接続することができる。
【0051】
一例として、配線材142は、第1及び第2電極42,44においてバスバーライン42b上でバスバーライン42bに接触しながらバスバーライン42bに沿って長く延びるように配置することができる。これによって、配線材142と第1及び第2電極42,44とが連続的に接触するようにし、電気的接続特性を向上させることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。バスバーライン42bを備えないことも可能であり、この場合には、配線材142が、フィンガーライン(
図5の参照符号42a)と交差する方向に複数個のフィンガーライン42aを横切って複数個のフィンガー電極42aに接触及び接続されるように配置されてもよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0052】
各太陽電池150の一面を基準とする場合、配線材142は複数個備えられて、隣り合う太陽電池150の電気的接続特性を向上させることができる。特に、本実施例では、配線材142が、既存に使用されていた相対的に広い幅(例えば、1mm〜2mm)を有するリボンよりも小さい幅を有するワイヤで構成されることによって、各太陽電池150の一面を基準として既存のリボンの個数(例えば、2個〜5個)よりも多い個数の配線材142を使用する。
【0053】
一例として、配線材142は、金属からなるコア層142a、及びコア層142aの表面に薄い厚さでコーティングされ、ソルダ物質を含むことによって電極42,44とのソルダリングが可能なようにするソルダ層142bを含むことができる。一例として、コア層142aは、Ni、Cu、Ag、Alを主要物質(一例として、50wt%以上含まれる物質、より具体的には、90wt%以上含まれる物質)として含むことができる。ソルダ層142bは、Pb、Sn、SnIn、SnBi、SnPb、SnPbAg、SnCuAg、SnCuなどの物質を主要物質として含むことができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、コア層142a及びソルダ層142bが様々な物質を含むことができる。
【0054】
このように、既存のリボンよりも小さい幅を有するワイヤを配線材142として使用する場合、材料コストを大幅に低減することができる。そして、配線材142がリボンよりも小さい幅を有するため、十分な個数の配線材142を備えてキャリアの移動距離を最小化することによって、太陽電池パネル100の出力を向上させることができる。
【0055】
また、本実施例に係る配線材142を構成するワイヤは丸い部分を含むことができる。すなわち、配線材142を構成するワイヤが、円形又は楕円形の断面、曲線からなる断面、または丸い断面を有することができる。これによって、配線材142が反射又は乱反射を誘導することができる。これによって、配線材142を構成するワイヤの丸い面で反射された光が、太陽電池150の前面又は後面に位置した前面基板110又は後面基板120などに反射又は全反射されて太陽電池150に再入射するようにすることができる。これによって、太陽電池パネル100の出力を効果的に向上させることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、配線材142を構成するワイヤは、四角形などの多角形の形状を有することができ、その他の様々な形状を有することができる。
【0056】
本実施例において、配線材142は、幅(又は直径)が250μm〜500μmであってもよい。参考に、本実施例において、ソルダ層142bの厚さは非常に小さいほうであり、配線材142の位置によって様々な厚さを有することができるので、配線材142の幅はコア層142aの幅を意味し得る。または、配線材142の幅は、ライン部(
図5の参照符号421)上でライン部の中心を通る幅を意味し得る。このような幅を有するワイヤ形状の配線材142によって、太陽電池150で生成した電流を外部回路(例えば、バスリボン又はジャンクションボックスのバイパスダイオード)又は他の太陽電池150に効率的に伝達することができる。本実施例では、配線材142が、別途の層、フィルムなどに挿入されていない状態で太陽電池150の電極42,44上にそれぞれ個別的に位置して固定されてもよい。配線材142の幅が250μm未満であると、配線材142の強度が十分でないおそれがあり、電極42,44との接続面積が非常に少ないため、電気的接続特性が良好でなく、付着力が低下することがある。配線材142の幅が500μmを超えると、配線材142のコストが増加し、配線材142が太陽電池150の前面に入射する光の入射を妨げてしまい、光損失(shading loss)が増加し得る。また、電極42,44から離隔する方向に配線材142に加えられる力が増加するため、配線材142と電極42,44との付着力が低下し、電極42,44又は半導体基板160に亀裂などの問題を発生させることがある。一例として、配線材142の幅は、350μm〜450μm(特に、350μm〜400μm)であってもよい。このような範囲で、電極42,44との付着力を高めると共に、出力を向上させることができる。
【0057】
このとき、配線材142の個数が、太陽電池150の一面を基準として6個〜33個であってもよい。より具体的には、配線材142の幅が250μm以上、300μm未満であるとき、配線材142の個数が15個〜33個であってもよい。配線材142の幅が300μm以上、350μm未満であるとき、配線材142の個数が10個〜33個であってもよい。配線材142の幅が350μm以上、400μm未満であるとき、配線材142の個数が8個〜33個であってもよい。配線材142の幅が400μm〜500μmであるとき、配線材142の個数が6個〜33個であってもよい。そして、配線材142の幅が350μm以上であると、配線材142の個数が15個を超えても太陽電池パネル100の出力がこれ以上増加しにくい。そして、配線材142の個数が増加すると、太陽電池150に負担となり得る。これを考慮して、配線材142の幅が350μm以上、400μm未満であるとき、配線材142の個数が8個〜15個であってもよい。配線材142の幅が400μm〜500μmであるとき、配線材142の個数が6個〜15個であってもよい。このとき、太陽電池パネル100の出力をさらに向上させるために、配線材142の個数を10個以上(一例として、12個〜13個)にすることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、配線材142の個数及びこれによるバスバーライン42bの個数は様々な値を有することができる。
【0058】
このとき、配線材142のピッチ(又はバスバーライン42bのピッチ)が4.75mm〜26.13mmであってもよい。これは、配線材142の幅及び個数を考慮したものである。例えば、配線材142の幅が250μm以上、300μm未満であるとき、配線材142のピッチが4.75mm〜10.45mmであってもよい。配線材142の幅が300μm以上、350μm未満であるとき、配線材142のピッチが4.75mm〜15.68mmであってもよい。配線材142の幅が350μm以上、400μm未満であるとき、配線材142のピッチが4.75mm〜19.59mmであってもよい。配線材142の幅が400μm〜500μmであるとき、配線材142のピッチが4.75mm〜26.13mmであってもよい。より具体的には、配線材142の幅が350μm以上、400μm未満であるとき、配線材142のピッチが10.45mm〜19.59mmであってもよい。配線材142の幅が400μm〜500μmであるとき、配線材142の個数が10.45mm〜26.13mmであってもよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、配線材142のピッチ及びこれによるバスバーライン42bのピッチが様々な値を有することができる。
【0059】
本実施例では、第1電極42(又は第2電極44)、配線材142、電極領域(
図5の参照符号EA)などが、第1方向(フィンガーライン42aと平行な方向)及び第2方向(バスバーライン42b又は配線材142と平行な方向)において互いに対称となるように位置し得る。これによって、電流の流れを安定的に実現することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0060】
図1乃至
図4と共に
図5を参照して、本発明の実施例に係る配線材142が付着され得る太陽電池150の電極42,44の一例を詳細に説明する。以下では、
図5を参照して、第1電極42を基準として詳細に説明した後、第2電極44について説明する。
【0061】
図5は、
図4のA部分を拡大して示した部分平面図である。
【0062】
図1乃至
図5を参照すると、本実施例において、第1電極42は、第1方向(図面の横方向)に延び、互いに平行に位置する複数のフィンガーライン42aを含む。そして、フィンガーライン42aと交差(一例として、直交)する第2方向(図面の縦方向)に延び、配線材142が接続又は付着されるバスバーライン42bをさらに含むことができる。バスバーライン42bは、配線材142に対応して配置できるので、バスバーライン42bの個数、ピッチなどに対しては配線材142の個数、ピッチなどに関する説明をそのまま適用することができる。以下では、複数のバスバーライン42bのうち隣接する2つのバスバーライン42bの間をそれぞれ電極領域EAと呼ぶ。本実施例において、配線材142が太陽電池150の一面を基準として複数個(一例として、6個以上)備えられるため、電極領域EAも複数個(すなわち、配線材142の個数よりも1つ少ない個数)備えられ得る。
【0063】
複数のフィンガーライン42aは、均一な幅及びピッチを有し、互いに離隔し得る。図面では、フィンガーライン42aが、第1方向に互いに並んで形成され、太陽電池150のメイン縁部(特に、第1及び第2縁部161,162)と平行である場合を例示したが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0064】
一例として、第1電極42のフィンガーライン42aは35μm〜120μmの幅を有することができる。そして、第1電極42のフィンガーライン42aは、1.2mm〜2.8mmのピッチを有することができ、フィンガーライン42aと交差する方向において、フィンガーライン42aの個数が55個〜130個であってもよい。このような幅及びピッチは、簡単な工程条件によって形成可能であり、光電変換によって生成された電流を効果的に収集しながらも、フィンガーライン42aによるシェーディング損失(shading loss)を最小化するように限定されたものである。このようなフィンガーライン42aの厚さは、工程時に容易に形成可能であり、所望の比抵抗を有し得る範囲であってもよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、フィンガーライン42aの幅、ピッチなどは、工程条件の変化、太陽電池150の大きさ、フィンガーライン42aの構成物質などによって様々に変化可能である。
【0065】
このとき、配線材142の幅は、フィンガーライン42aのピッチよりも小さくてもよく、フィンガーライン42aの幅よりも大きくてもよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0066】
一例として、バスバーライン42bは、電極領域EA内で、第1縁部161に隣接する部分から第2縁部162に隣接する部分まで連続して形成されてもよい。前述したように、バスバーライン42bは、隣り合う太陽電池150との接続のための配線材142が位置する部分に対応するように位置し得る。このようなバスバーライン42bは、配線材142に一対一対応するように備えられてもよい。これによって、本実施例において、太陽電池150の一面を基準として、バスバーライン42bが配線材142と同じ個数で備えられてもよい。
【0067】
バスバーライン42bは、電極領域EA内で、配線材142が接続される方向に沿って相対的に狭い幅で長く延びるライン部421、及びライン部421よりも広い幅を有することで配線材142との接続面積を増加させるパッド部422を備えることができる。狭い幅のライン部421によって、太陽電池150に入射する光を遮断する面積を最小化することができ、広い幅のパッド部422によって、配線材142とバスバーライン42bとの付着力を向上させ、接触抵抗を減少させることができる。パッド部422は、ライン部421よりも広い幅を有し、実質的に配線材142が付着される領域である。ライン部421には配線材142が付着されてもよく、ライン部421に配線材142が付着されていない状態で、配線材142がライン部421上に置かれた状態であってもよい。
【0068】
第1方向で測定されるパッド部422の幅は、ライン部421及びフィンガーライン42aの幅よりもそれぞれ大きくてもよい。
【0069】
本実施例では、配線材142に対応するようにバスバーライン42bのライン部421が備えられる場合を例示した。より具体的には、従来は、配線材142に対応して、フィンガーライン42aよりも非常に大きい幅を有するバスバー電極が位置していたが、本実施例では、バスバー電極よりも非常に小さい幅を有するバスバーライン42bのライン部421が位置する。本実施例において、ライン部421は、複数のフィンガーライン42aを接続して、一部のフィンガーライン42aが断線される場合にキャリアが迂回できる経路を提供することができる。
【0070】
本明細書において、バスバー電極とは、リボンに対応するようにフィンガーラインに交差する方向に形成され、フィンガーラインの幅の12倍以上(通常、15倍以上)の幅を有する電極部を指す。バスバー電極は、相対的に大きい幅を有するので、通常、2個乃至3個の個数で形成される。そして、本実施例でのバスバーライン42bのライン部421は、配線材142に対応するようにフィンガーライン42aと交差する方向に形成され、フィンガーライン42aの幅の10倍以下の幅を有する電極部のことを指すことができる。
【0071】
一例として、ライン部421の幅がフィンガーライン42aの幅の0.5倍〜10倍であってもよい。前記比率が0.5倍未満であると、ライン部421の幅が小さくなるため、ライン部421による効果が十分でないことがある。前記比率が10倍を超えると、ライン部421の幅が大きくなるため、光損失が増加し得る。特に、本実施例では、配線材142を多数備えるため、ライン部421も多数備えられ、そのため、光損失がさらに増加し得る。より具体的には、ライン部421の幅がフィンガーライン42aの幅の0.5倍〜7倍であってもよい。前記比率を7倍以下にすることで、光損失をさらに減少させることができる。一例として、光損失を参照すると、ライン部421の幅がフィンガーライン42aの幅の0.5倍〜4倍であってもよい。より具体的には、ライン部421の幅がフィンガーライン42aの幅の0.5倍〜2倍であってもよい。このような範囲で、太陽電池150の効率を大幅に向上させることができる。
【0072】
または、ライン部421の幅が配線材142の幅と同一又はこれより小さくてもよい。配線材142が円形、楕円形又は丸い形状を有する場合に、配線材142の下部においてライン部421に接触する幅又は面積が大きくないため、ライン部421の幅を配線材142の幅と同一又はこれより小さくすることができるためである。このようにライン部421の幅を相対的に小さくすると、第1電極42の面積を減少させ、第1電極42の材料コストを低減することができる。
【0073】
一例として、配線材142の幅:ライン部421の幅の比が1:0.07〜1:1であってもよい。前記比が1:0.07未満であると、ライン部421の幅が過度に小さいため、電気的特性などが低下し得る。前記比が1:1を超えると、ライン部421との接触特性などは大きく向上しないのに、第1電極42の面積だけが増加してしまい、光損失の増加、材料コストの増加などの問題がある。一例として、光損失、材料コストなどをさらに考慮する場合、前記比は1:0.1〜1:0.5(より具体的には1:0.1〜1:0.3)であってもよい。
【0074】
または、ライン部421の幅が35μm〜350μmであってもよい。ライン部421の幅が35μm未満であると、ライン部421の幅が過度に小さいため、電気的特性などが低下し得る。ライン部421の幅が350μmを超えると、ライン部421との接触特性などは大きく向上しないのに、第1電極42の面積だけが増加してしまい、光損失の増加、材料コストの増加などの問題がある。一例として、光損失、材料コストなどをさらに考慮する場合、ライン部421の幅は35μm〜200μm(より具体的に35μm〜120μm)であってもよい。
【0075】
しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、ライン部421の幅は、光電変換によって生成された電流を効果的に伝達しながらもシェーディング損失を最小化する範囲内で様々な変形が可能である。
【0076】
また、パッド部422の幅は、ライン部421の幅よりも大きく、配線材142の幅と同一又はそれより大きくてもよい。パッド部422は、配線材142との接触面積を増加させて配線材142との付着力を向上させるための部分であるため、ライン部421よりも大きい幅を有し、配線材142と同一又はこれより大きい幅を有する。
【0077】
一例として、配線材142の幅:パッド部422の幅の比が1:1〜1:5であってもよい。前記比が1:1未満であると、パッド部422の幅が十分でないため、パッド部422と配線材142との付着力が十分でないことがある。前記比が1:5を超えると、パッド部422によって光損失が発生する面積が増加してしまい、シェーディング損失が大きくなり得る。付着力、光損失などをさらに考慮する場合、前記比は1:2〜1:4(より具体的に1:2.5〜1:4)であってもよい。
【0078】
または、一例として、パッド部422の幅が0.25mm〜2.5mmであってもよい。パッド部422の幅が0.25mm未満であると、配線材142との接触面積が十分でないため、パッド部422と配線材142との付着力が十分でないことがある。パッド部422の幅が2.5mmを超えると、パッド部422によって光損失が発生する面積が増加してしまい、シェーディング損失が大きくなり得る。一例として、パッド部422の幅が0.8mm〜1.5mmであってもよい。
【0079】
また、パッド部422の長さはフィンガーライン42aの幅よりも大きくてもよい。例えば、パッド部422の長さが0.035mm〜30mmであってもよい。パッド部422の長さが0.035mm未満であると、配線材142との接触面積が十分でないため、パッド部422と配線材142との付着力が十分でないことがある。パッド部422の長さが30mmを超えると、パッド部422によって光損失が発生する面積が増加してしまい、シェーディング損失が大きくなり得る。
【0080】
または、一例として、フィンガーライン42aの幅:パッド部422の長さの比が1:1.1〜1:20であってもよい。このような範囲内で、パッド部422と配線材142との付着面積を増加させ、パッド部422と配線材142との付着力を向上させることができる。
【0081】
または、一例として、配線材142の幅:パッド部422の長さの比が1:1〜1:10であってもよい。前記比が1:1未満であると、パッド部422の長さが十分でないため、パッド部422と配線材142との付着力が十分でないことがある。前記比が1:10を超えると、パッド部422によって光損失が発生する面積が増加してしまい、シェーディング損失が大きくなり得る。付着力、光損失などをさらに考慮する場合、前記比は1:3〜1:6であってもよい。
【0082】
一つのバスバーライン42bにおいて、パッド部422は6個〜24個(一例として、12個〜22個)配置されてもよい。複数個のパッド部422は間隔を置いて配置されてもよい。一例として、2個〜10個のフィンガーライン42a毎に1つずつ位置することができる。これによれば、バスバーライン42bと配線材142との接着面積が増加する部分を規則的に備え、バスバーライン42bと配線材142との付着力を向上させることができる。または、2つのパッド部422間の距離が互いに異なる値を有するようにして複数個のパッド部422を配置してもよい。特に、他の部分(すなわち、バスバーライン42bの中央部分)よりも大きな力が作用するバスバーライン42bの端部においてパッド部422を高密度で配置することができる。その他の様々な変形が可能である。
【0083】
上述した説明では、
図5を参照して第1電極42を中心に説明した。第2電極44は、第1電極42のフィンガーライン42a及びバスバーライン42bにそれぞれ対応するフィンガーライン及びバスバーラインを含むことができる。第1電極42のフィンガーライン42a及びバスバーライン42bに関する内容はそのまま第2電極44のフィンガーライン及びバスバーラインに適用することができる。このとき、第1電極42に関連する第1導電型領域20に関する説明は、第2電極44に関連する第2導電型領域30に関する説明であってもよい。そして、第1電極42に関連する第1パッシベーション膜22及び反射防止膜24、そして、開口部102に関する説明は、第2電極44に関連する第2パッシベーション膜30、そして、開口部104に関する説明であってもよい。
【0084】
このとき、第1電極42のフィンガーライン42a、そして、バスバーライン42bのライン部421及びパッド部442の幅、ピッチ、個数などは、第2電極44のフィンガーライン、そして、バスバーラインのライン部及びパッド部の幅、ピッチ、個数などと同一であってもよい。または、第1電極42のフィンガーライン42a、そして、バスバーライン42bのライン部421及びパッド部422の幅、ピッチ、個数などは、第2電極44のフィンガーライン、そして、バスバーラインのライン部及びパッド部の幅、ピッチ、個数などと異なってもよい。一例として、相対的に光の入射が少ない第2電極44の電極部の幅が、これに対応する第1電極42の電極部の幅よりも大きくてもよく、第2電極44のフィンガーラインのピッチが、これに対応する第1電極42のフィンガーライン42aのピッチよりも小さくてもよい。その他の様々な変形が可能である。ただし、第1電極42のバスバーライン42bの個数及びピッチは、それぞれ、第2電極44のバスバーラインの個数及びピッチと同一であってもよい。また、第1電極42と第2電極44の平面形状が互いに異なってもよい。例えば、第2電極44が半導体基板160の後面に全体的に形成されることも可能である。その他の様々な変形が可能である。
【0085】
本実施例によれば、ワイヤ形状の配線材142を使用して、乱反射などによって光損失を最小化することができ、配線材142の個数を増加させ、配線材142のピッチを減少させてキャリアの移動経路を減少させることができる。これによって、太陽電池150の効率及び太陽電池パネル100の出力を向上させることができる。上述したように小さい幅W1を有する円形などの断面形状を有するワイヤ形状の配線材142を太陽電池150に多数個付着しなければならない。そのため、ワイヤ形状を有しても高い付着力を有するように太陽電池150に付着することができ、多数の配線材142を共に付着して生産性を向上させることができる、配線材付着装置が要求される。これを考慮した本実施例に係る配線材付着装置及びこれを用いた配線材付着方法を、
図6乃至
図11、及び
図12A乃至
図12Gを参照して詳細に説明する。
【0086】
図6は、本発明の実施例に係る太陽電池パネル用配線材付着装置の一部を概略的に示した構成図である。
図7は、本発明の実施例に係る太陽電池パネル用配線材付着装置の他の一部を概略的に示した構成図である。また、
図8は、本発明の実施例に係る太陽電池パネル用配線材付着装置の作業台、熱源部及び上部固定部材供給部を概略的に示した概念図である。簡略な図面のための
図7では、上部固定部材供給部及び太陽電池供給部を示していない。
【0087】
図6乃至
図8を参照すると、本実施例に係る太陽電池パネル用配線材付着装置(以下、“配線材付着装置”)200は、巻き取りロール212に巻かれている配線材142を巻き出して工程方向に提供する配線材供給部210と、提供された配線材142にフラックスを塗布するフラックス部220と、フラックスを乾燥する乾燥部230と、配線材142をジグ243に固定する配線材固定部240と、配線材142を太陽電池150に付着する付着部250とを含むことができる。これについてより詳細に説明する。
【0088】
巻き取りロール212は、円柱状を有することができ、配線材142が円柱の円周方向に巻かれている。巻き取りロール212に巻かれた配線材142は、巻き取りロール212から巻き出されて工程方向に提供される。本実施例において、巻き取りロール212は、太陽電池150の一面を基準として配置すべき配線材142の個数と同一に複数個備えることができる。このような複数個の巻き取りロール212は、横及び/又は縦に一定間隔で配置され、複数個の巻き取りロール212から巻き出された複数の配線材142は、ガイド部214によって同一平面上で太陽電池150に配置すべき間隔(ピッチ)で互いに離隔した状態で整列された状態で移動することができる。ガイド部214は、複数個の配線材142を平行に配置した状態で移動させることができる様々な構造が適用可能である。本実施例では、一例として、ガイド部214に各配線材142に対応するように一定間隔で離隔した複数の溝(又は凹部)214aが形成され、このような溝214aによって各配線材142の位置(一例として、図面のy軸及びz軸での位置)が固定された状態で進行方向(一例として、図面のx軸)に沿って移動するようになる。図面では、簡略な図示のために1つのガイド部214のみを示したが、このようなガイド部214が進行方向に複数個備えられてもよい。ガイド部214の構造、形態などは様々な変形が可能である。
【0089】
このように配線材142が平行に配置された状態で移動すると、各太陽電池150の一面に付着される複数個の配線材142に同時に必要な工程が行われ、同時に太陽電池150に付着可能であるので、工程を単純化することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0090】
このように巻き取りロール212から巻き出されて一定の形状に整列された複数個の配線材142はフラックス部220を通過する。フラックス部220では、配線材142の外面にフラックスを塗布する。このとき、フラックスは、浸漬工程、スプレー工程、コーティング工程などの様々な方法により配線材142の外面に塗布されてもよい。
【0091】
フラックス部220を通過して配線材142に塗布されたフラックスが、乾燥部230を通過しながら硬化して、配線材142の外周面を取り囲んで位置するフラックス層を構成するようになる。乾燥部230は、フラックスを乾燥できる様々な構造からなることができる。一例として、乾燥部は、風、熱などによってフラックスを乾燥することができる。本発明が乾燥部230の構造、方式などに限定されるものではない。
【0092】
簡略且つ明確な図示のために、フラックス部220及び乾燥部230の具体的な構造は示しておらず、様々な構造が適用可能である。フラックス部220と乾燥部230は、1つのボディーの内部に共に位置してもよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、フラックス部220と乾燥部230の配置などは、様々な変形が可能である。
【0093】
乾燥部230を通過した配線材142は、配線材固定部240でジグ243に固定される。
【0094】
配線材固定部240には、配線材142の一側及び他側でそれぞれ複数の配線材142を固定する第1及び第2固定部分241,242を備えるジグ243が位置する。このとき、複数の配線材142は、隣り合う2つの太陽電池150の間又は太陽電池150とバスリボン(
図1の参照符号145、以下同様)に接続するのに適した長さでジグ243に固定されるように、切断部244によって切断される。
【0095】
本実施例において、ジグ243は、複数の配線材142の一側で複数の配線材142の延長方向と交差する方向に形成されて複数の配線材142を固定する第1固定部分241と、複数の配線材142の他側で複数の配線材142の延長方向と交差する方向に形成されて複数の配線材142を固定する第2固定部分242とを含むことができる。一例として、第1固定部分241及び第2固定部分242は、それぞれ一字状に長く延びることができる。複数の配線材142が接続されたジグ243において、第1固定部分241と第2固定部分242は、一定の間隔を置いて離隔して複数の配線材142を引っ張る状態で維持される。複数の配線材142が、小さい幅を有するワイヤなどで構成されるため、このように第1固定部分241と第2固定部分242が複数の配線材142を引っ張る状態で維持されると、複数の配線材142が塑性変形し、これ以上変形しない状態で維持される。このように、本実施例では、ジグ243が、複数の配線材142の両側をそれぞれ固定する第1及び第2固定部分241,242を備えることで、簡単な構造によって、複数の配線材142が一定の降伏強度を有するように維持できる構造を有する。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、ジグ243の構造は様々に変形可能である。
【0096】
一例として、ジグ243の一側(一例として、入口側)に位置した第1固定部分241は、少なくとも互いに直角に交差する3つの軸(図面のx軸、y軸、z軸)に移動可能であり、ジグ固定部の他側(一例として、出口側)に位置した第2固定部分242は、少なくとも互いに直角に交差する3つの軸(図面のx軸、y軸、z軸)に移動可能である。第1及び第2固定部分241,242は、公知の様々な構造又は方式によって所望の位置に移動することができる。そして、切断部244は、ジグ243の一側(一例として、入口側)で第1固定部分241よりも先に位置し得る。
【0097】
切断部244は、複数の配線材142を自由に移動させたり、一定の位置に固定したり、その位置で切断したりすることができる様々な構造及び方式を有することができる。
図9を参照して、切断部244の構造をより詳細に説明する。
【0098】
図9は、
図6に示した配線材付着装置200に含まれる切断部244の動作を示した図である。
【0099】
図9を参照すると、本実施例では、切断部244は第1部分2441及び第2部分2442を含み、第2部分2442は、第1部分2441に対して相対的に配線材142の進行方向と垂直な左右方向(一例として、図面のy軸方向)に移動することができる。第1部分2441は、複数の配線材142がそれぞれ通過し得る複数の第1溝(又は第1凹部)R1を備え、第2部分2442は、複数の配線材142がそれぞれ通過し得る複数の第2溝(又は第2凹部)R2を備えることができる。そして、第1部分2441の第1溝R1の両側面は、配線材142を損傷なしに固定できるように、鋭くない平らな面2442aで構成することができる。そして、第2部分2442の第2溝R2の一側面には、配線材142を損傷なしに固定できるように、鋭くない平らな面2442aを備え、他側面には、配線材142を切断できるように鋭く形成された切断刃2442bを備えることができる。切断刃2442bは、第2部分2442の平面よりも進行方向に突出した位置で配線材142を切断することができる。これによって、切断部244によって切断されて切断部244に固定された配線材142が、切断部244の第2部分2442の平面よりも突出した状態で固定され得る。
【0100】
上述したように、第2部分2442が第1部分2441に対して左右方向に相対的に移動できるので、第1溝R1と第2溝R2とが重なる部分の幅を自由に調節することができる。
図9の(a)に示したように、第1溝R1と第2溝R2との重なる部分の幅が配線材142の幅よりも大きいと、配線材142が自由に移動することができる。
図9の(b)に示したように、第1溝R1と第2溝R2との重なる部分の幅が配線材142の幅と同一であると、配線材142が第1部分2441と第2部分2442によって固定され得る。そして、
図9の(c)に示したように、切断刃2442bが配線材142を横切るように移動した後、第1溝R1と第2溝R2との重なる部分の幅が配線材142の幅と同一になるように移動すると、切断刃2442bによって配線材142が切断され、残った配線材142が切断部244に固定された状態を維持するようになる。
【0101】
図面及び詳細な説明での切断部244の構造及び方式は、複数の配線材142を一定の位置でガイドして固定できると共に、切断を行うことができる構造を有する場合を例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、切断部244は、複数の配線材142がジグ243に固定される前又は固定された後に配線材142が一定の長さを有するように切断できる、様々な構造、方式などを有することができる。
【0102】
また、第1固定部分241は、複数の配線材142を一定の位置に固定又は移動させることができる様々な構造及び方式を有することができる。例えば、第1固定部分241は、複数の配線材142が嵌め込まれて固定されるように配線材142をクランプ(clamping)することができる。
【0103】
一例として、本実施例では、第1固定部分241は第1部分2411及び第2部分2412を含み、第2部分2412は、第1部分2411に対して相対的に配線材142の進行方向と垂直な左右方向(一例として、図面のy軸方向)に移動することができる。第1部分2411は、各配線材142に対応して配線材142の一側に位置して配線材142の一側に接触し、配線材142の長手方向に沿って第2部分2412に向かう方向に延びる第1クランプ部PAを含み、第2部分2412は、各配線材142に対応して配線材142の他側に位置して配線材142の他側に接触し、配線材142の長手方向に沿って第1部分2411に向かう方向に延びる第2クランプ部PBを含む。これによって、配線材142が第1クランプ部PAと第2クランプ部PBとの間に長手方向にクランプされているため、安定的に固定することができる。
【0104】
図面では、一例として、第1部分2411は、配線材142の他側で下部に向かって突出する第1突出部分P11と、第1突出部分P11から第1部分2411の長手方向に突出して配線材142の一側まで延びる第2部分P12と、第2部分P12から下部に向かって突出する第3突出部分P13とを含む第1固定部P1を含むことができる。このとき、第3突出部分P13に第1クランプ部PAが位置することができる。これと同様に、第2部分2412は、配線材142の一側で下部に向かって突出する第1突出部分P21と、第1突出部分P21から第2部分2412の長手方向に突出して配線材142の他側まで延びる第2部分P22と、第2部分P22から下部に向かって突出する第3突出部分P23とを含む第2固定部P2を含むことができる。このとき、第3突出部分P23に第2クランプ部PBが位置した場合を例示した。このような構造によって、配線材142を安定的にクランプすることができる。
【0105】
第1クランプ部PAと第2クランプ部PBとの間に配線材142が位置した状態で、第2部分2412が第1部分2411に対して第1クランプ部PAと第2クランプ部PBとの間が狭まるように移動し、第1クランプ部PAと第2クランプ部PBが配線材142の両側に密着すると、第1クランプ部PAと第2クランプ部PBとの間に配線材142が安定的に固定され得る。逆に、第2部分2412が第1部分2421に対して第1クランプ部PAと第2クランプ部PBとの間が広がるように移動し、第1クランプ部PAと第2クランプ部PBとの間の距離が配線材142の幅よりも大きくなると、配線材142が第1クランプ部PAと第2クランプ部PBから安定的に分離又は解除され得る。
【0106】
これと同様に、第2固定部分242は、第1クランプ部PA及び第1固定部P1(すなわち、第1〜第3突出部分P11,P12,P13)を有する第1部分2421と、第2クランプ部PB及び第2固定部P2(第1〜第3突出部分P21,P22,P23)を有する第2部分2422とを含むことができる。これについては、第1固定部分241で説明した内容をそのまま適用できるので、詳細な説明を省略する。
【0107】
本実施例では、クランプ部PA,PBを備える第1及び第2部分(2411,2412)(2421,2422)が相対的に移動して配線材142をクランプするものと示したが、本発明がこれに限定されるものではない。すなわち、クランプ部PA,PBの構造、第1及び第2固定部P1,P2の構造、第1及び第2固定部分241,242の構造には、その他の様々な構造が適用されてもよい。
【0108】
また、切断部244の前に、切断時に配線材142を固定できる固定部材246をさらに含むことができる。一例として、本実施例では、固定部材246が、各配線材142に一対一対応し、配線材142が動かずに固定されたときに配線材142を押さえて固定する構造を有することを例示した。このような固定部材246は、相互間に一定間隔を置いて複数個備えることができる。すると、配線材142が移動、固定又は切断されたり、又はジグ243に固定されるとき、複数個の固定部材246の駆動を制御して安定的に配線材142を移動又は固定させることができる。図面では、固定部材246が2つ備えられることによって、個数を最小化しながらも、配線材142の移動又は固定を安定的に行うことを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、固定部材246の構造には様々な構造が適用されてもよく、固定部材246の個数が限定されるものではない。
【0109】
このように複数の配線材142が固定されたジグ243(すなわち、ジグ−配線材結合体)は付着部250に移動する。一例として、第1及び第2固定部分241,242は、一定の距離を維持した状態で様々な方向(一例として、図面のx軸方向、y軸方向、z軸方向)に駆動することができる。したがって、複数の配線材142が、望まない変形をしないようにジグ243に固定された状態で付着部250に移動する。
【0110】
第1及び第2固定部分241,242を所望の位置に移動できるようにする構造には、公知の様々な構造が適用されてもよい。そして、第1及び第2固定部分241,242が配線材142を固定する構造も、様々な構造が適用されてもよい。
【0111】
図7を参照すると、付着部250は、配線材142と太陽電池150を加圧及び固定した状態で、熱源部258によって熱を加えることによって、配線材142を太陽電池150に付着する。このとき、本実施例では、配線材142と太陽電池150の固定後にジグ243を配線材142から分離し、ジグ243を備えていない状態で配線材142と太陽電池150が熱源部258を通過するようにする。
【0112】
本実施例では、排気吸着を用いて配線材142と太陽電池150を互いに圧着した状態で、ジグ243を除去する。すなわち、排気によって、ジグ243なしに配線材142と太陽電池150を吸着して固定した状態で、熱源部258を通過するようにする。これによって、簡単な方法により配線材142と太陽電池150を安定的に固定することができる。そして、ジグ243が、単に複数の配線材142を付着部250まで伝達した後に再び配線材固定部240に戻ることができるので、配線材付着装置200で動作するジグ243の個数が非常に少ない。このように、動作するジグ243の個数を減少させると、生産性を大幅に向上させることができる。
【0113】
排気吸着のために、気体を排出する排気装置(又は真空装置)259を備えることができる。排気装置259として、ポンプ、圧縮機などが使用されてもよく、その他の様々な構造、方式及び形状を有する装置が使用されてもよい。理解を助けるために、
図7の付着部250の右側下部に排気装置259を概念的に示したが、実際に排気装置259は、付着部250の内部に位置せず、外部に位置して付着部250に連結されてもよい。
【0114】
このとき、排気吸着が容易に行われ、配線材142及び太陽電池150を容易に熱源部258に移動させることができるように、作業台がコンベアベルト252で構成されてもよい。本実施例において、コンベアベルト252は、互いに離隔するように複数個備えることができる。これによって、コンベアベルト252の間にも排気が可能であるため、配線材142と太陽電池150をさらに容易に圧着することができる。そして、コンベアベルト252が狭い幅を有するため、さらに容易に駆動し得る。
【0115】
各コンベアベルト252は、排気孔252aをさらに備えることができる。これによって、排気孔252aを介して排気装置259による排気が行われるようにして、太陽電池150と配線材142を効果的に圧着することができる。排気装置259は、排気孔252aを介して気体を排出する構造を有することができる。
【0116】
一例として、各コンベアベルト252には、両側縁部に隣接する部分に配線材142が1つずつ位置し、中央部分にコンベアベルト252の長手方向に一定間隔で複数の排気孔252aが備えられてもよい。すると、配線材142と太陽電池150が、2つの隣接するコンベアベルト252の間での排気、及び各コンベアベルト252の排気孔252aによる排気によって効果的に圧着され得る。これによって、配線材142と太陽電池150の固定安定性を向上させることができる。
【0117】
このとき、排気吸着を用いて配線材142と太陽電池150を固定するとき、配線材142と太陽電池150の位置がずれないように、コンベアベルト252の一側(コンベアベルト252が始まる部分よりも前)に第3固定部分254が位置することができる。第3固定部分254は、コンベアベルト252に対して一定の位置を有するように固定された状態を維持している。
【0118】
第3固定部分254は、複数の配線材142を一定の位置に固定又は移動させることができる様々な構造及び方式を有することができる。一例として、本実施例では、第3固定部分254は第1部分2541及び第2部分2542を含み、第2部分2542は、第1部分2541に対して相対的に配線材142の延長方向と垂直な左右方向(一例として、図面のy軸方向)に移動することができる。
【0119】
第1部分2541は、配線材142の長手方向に形成され、配線材142の一側に密着及び接触するようになる第1クランプ部PAを含み、配線材142の長手方向に形成され、配線材142の他側に密着及び接触するようになる第2クランプ部PBを含む。そして、第1部分2541は、配線材142の他側で上部に向かって突出する第1突出部分P11と、第1突出部分P11から第1部分2541の長手方向に突出して配線材142の一側まで延びる第2部分P12と、第2部分P12から上部に向かって突出する第3突出部分P13とを含む第1固定部P1を含むことができる。このとき、第3突出部分P13に第1クランプ部PAが位置することができる。これと同様に、第2部分2542は、配線材142の一側で上部に向かって突出する第1突出部分P21と、第1突出部分P21から第2部分2542の長手方向に突出して配線材142の他側まで延びる第2部分P22と、第2部分P22から上部に向かって突出する第3突出部分P23とを含む第2固定部P2を含むことができる。このとき、第3突出部分P23に第2クランプ部PBが位置した場合を例示した。このような構造によって、配線材142を安定的にクランプすることができる。
【0120】
このように、第1クランプ部PA及び第1固定部P1と第2クランプ部PB及び第2固定部P2は、第1又は第2固定部分241,242と反対に上部に突出するため、第1固定部分241との干渉なしに配線材142を安定的に固定することができる。このように、第1クランプ部PA及び第1固定部P1と第2クランプ部PB及び第2固定部P2は、下部ではなく上部に突出すること以外は、第1又は第2固定部分241,242の第1クランプ部PA及び第1固定部P1と第2クランプ部PB及び第2固定部P2と同一であるので、これについての内容をそのまま適用することができる。
【0121】
本実施例では、クランプ部PA,PBを備える第1及び第2部分2541,2542が相対的に移動して配線材142をクランプすることを示したが、本発明がこれに限定されるものではない。すなわち、クランプ部PA,PBの構造、第1及び第2固定部P1,P2の構造、第1及び第2固定部分241,242の構造には、その他の様々な構造が適用されてもよい。
【0122】
そして、コンベアベルト252の上部には、太陽電池150を供給する太陽電池供給部(
図11の参照符号251、以下同様)を備えることができる。太陽電池供給部251は、作業台252、熱源部258、上部固定部材供給部2560に連結されず、独自の駆動部によって駆動されて太陽電池150を作業台252に提供する役割を果たすことができる。太陽電池供給部251には、公知の様々な構造、方式などが適用されてもよい。
【0123】
また、コンベアベルト252の上部には、太陽電池150の上部で配線材142を固定する上部固定部材256を提供する上部固定部材供給部2560が位置することができる。
【0124】
図8を参照すると、上部固定部材供給部2560から供給された上部固定部材256は、熱源部258に投入される前に太陽電池150の上部で配線材142を固定する。そして、上部固定部材256が、太陽電池150の上部で配線材142を固定した状態で、これらと共に熱源部258を通過する。熱源部258を通過しながら太陽電池150と配線材142とが互いに付着される。熱源部258を通過した後、上部固定部材256は、太陽電池150と配線材142から分離されて上部固定部材供給部2560に再び戻ることができる。このとき、上部固定部材供給部2560は、作業台252、熱源部258などと連結されず、独自の駆動部によって駆動されて、上部固定部材256を太陽電池150と配線材142の上部に提供する役割を果たすことができる。
【0125】
一例として、上部固定部材供給部2560は、熱源部258の前方から熱源部258の後方まで延びた状態で位置して、熱源部258の前方で太陽電池150と配線材142の上に上部固定部材256を容易に供給し、熱源部258を通過した上部固定部材256を熱源部258の後方で容易に回収することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0126】
また、上部固定部材供給部2560は、複数の上部固定部材256を備えることによって、一つの上部固定部材256が熱源部258を通過しているときにも、他の上部固定部材256がその後に位置した太陽電池150と配線材142を固定することができる。これによって、連続的に複数の太陽電池150の付着工程を行うことができる。
【0127】
本実施例において、上部固定部材256は、フレーム部2562,2566、及びフレーム部2562,2566に固定されて複数の配線材142を固定する複数の固定部2564を含むことができる。
図10を共に参照して、上部固定部材256について詳細に説明する。
【0128】
図10は、
図7に示した配線材付着装置200に含まれる上部固定部材256を用いて、太陽電池150とその上部に位置した配線材142を固定した状態を示した斜視図である。
【0129】
図7及び
図10を参照すると、フレーム部2562,2566は、複数の固定部2564を固定できる様々な形状を有することができる。一例として、フレーム部2562,2566は、配線材142の延長方向と交差する方向に配置される複数の第1部分2562と、複数の第1部分2562の両側をそれぞれ連結する第2部分2566とを含むことができる。これによって、構造を単純化しながらも複数の固定部2564を安定的に固定することができる。
【0130】
固定部2564は、第1部分2562における配線材142が位置する部分に対応して位置することができる。そして、複数の第1部分2562にそれぞれ位置して、1つの配線材142を複数の固定部2564が固定することができる。
【0131】
固定部2564は、配線材142を押さえて固定できる様々な構造を有することができる。より具体的には、固定部2564が弾性部材からなることができる。一例として、固定部2564が、傾斜して折り曲げられた部分を有することができる。すると、固定部2564の折り曲げ部分の下に配線材142が位置すると、固定部2564の折り曲げ部分に加わる弾性によって配線材142を押圧することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、上部固定部材256の構造、方式などは、様々な変形が可能である。
【0132】
そして、熱源部258は、コンベアベルト252の上部又は下部から太陽電池150に熱を提供する。熱源部258によって提供された熱によって配線材142のコーティング層142bが溶けてソルダリングされることによって、配線材14が太陽電池150の電極42,44(特に、パッド部424)に付着することができる。本実施例では、熱源部258が熱を直接加えることによって、付着工程の時間を削減し、付着特性を向上させることができる。一例として、熱源部258が赤外線ランプであってもよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、熱源部258には、熱を提供できる様々な構造、方式などが適用されてもよい。
【0133】
図11は、本発明の実施例に係る配線材付着装置200を概略的に示したブロック図である。
【0134】
図6乃至
図8と共に
図11を参照すると、配線材供給部210から提供された配線材142は、フラックス部220及び乾燥部230を経た後に配線材固定部240に提供される。配線材固定部240で太陽電池150と別個に配線材142のみをジグ243に固定して配線材−ジグ結合体を形成する。
【0135】
このように形成された配線材−ジグ結合体は作業台252に提供される。そして、作業台252には、太陽電池供給部251から太陽電池150が提供される。このとき、太陽電池150とその下部に位置する配線材142は、吸着によって作業台252上に固定され、太陽電池150とその上部に位置する配線材142は、それらの上に位置する上部固定部材256によって固定される。このように太陽電池150と配線材142が作業台252又は上部固定部材256によって固定されると、配線材142を固定していたジグ243は、配線材142から分離されて配線材固定部240に搬送される。このように、作業台252は、配線材142と太陽電池150を移送する役割と共に、一定の位置に整列された太陽電池150とその下部に位置する配線材142をその状態で固定する役割を果たす。
【0136】
そして、太陽電池150、配線材142及び上部固定部材256が共に熱源部258を通過し、太陽電池150と配線材142とが互いに付着されて太陽電池ストリングを形成し、熱源部258を通過した上部固定部材256は、太陽電池150と配線材142から分離されて上部固定部材供給部2560に搬送される。
【0137】
本実施例に係る配線材付着装置200の動作及び配線材付着方法を、
図6乃至
図11、及び
図12A乃至
図12Gを参照してより詳細に説明する。
【0138】
図12A乃至
図12Gは、
図7に示した配線材付着装置200の付着部250の動作を説明するための図である。
【0139】
配線材供給部210によって同一平面上で離隔した状態で整列された複数の配線部142(より具体的には、第1配線部1420a)がフラックス部220及び乾燥部230に提供される。これによって、第1配線材1420aの外面にフラックス層が形成されて第1配線材1421の付着特性を向上させることができる。参照に、本説明では、区別のために、最初に第1太陽電池151の下部にのみ位置して付着される配線材142を第1配線材1421と呼び、第1太陽電池151と第2太陽電池152とを接続する配線材142を第2配線材1422と呼ぶ。しかし、第1配線材1421、第2配線材142の用語は、相互間の区別のために使用するだけで、本発明がこれに限定されるものではない。
【0140】
切断部244及び固定部材246に固定された第1配線材1421は、切断部244の第2部分2442の平らな面よりもさらに突出した位置に位置する。この状態で第2固定部分242が進行方向の逆方向(図面で負のx軸方向)に移動して、切断部244から突出した第1配線材1421が位置した部分まで移動する。このとき、第1固定部分241が上部又は下部などに移動して、第2固定部分242が切断部244から突出した第1配線材1421まで到達することを妨げない位置に位置するようになる。そして、第2固定部分242の第2部分2422が左右方向(y軸方向)に移動してクランプ部PA,PBの間の距離を調節することによって、切断部244に固定された複数の第1配線材1421が第2固定部分242に固定される。
【0141】
次いで、固定部材246が、第1配線材1421を固定しない位置に移動し、切断部244が、
図9の(a)に示したように、第1配線材1421を固定しない解除状態となり、第1配線材1421が、切断部244に固定されずに自由に移動できる状態となる。
【0142】
次いで、第2固定部分242が、所望の第1配線材1421の長さだけ進行方向(図面の正のx軸方向)に移動し、第1固定部分241が、配線材142を固定できる位置に移動し、切断部244に隣接する部分で配線材142の一側を固定する。そして、固定部材246も第1配線材1421を押さえて配線材142の位置を固定する。
【0143】
この状態で、切断部244が、
図9の(c)に示したように動作し、複数の第1配線材1421を共に切断する。これによって、ジグ243に所望の長さに切断された複数の第1配線材1421が共に固定され、第1ジグ−配線材結合体が構成される。このとき、第1固定部分241と第2固定部分242との間に固定された複数の第1配線材1421は、長手方向に引っ張られる力を受けて塑性変形し、塑性変形した後、一定距離に維持された第1固定部分241と第2固定部分242との間で、これ以上変形せずにその状態を維持するようになる。これによって、ジグ243に固定された複数の第1配線材1421は、ジグ243が移動してもこれ以上変形しない状態に維持される。
【0144】
次いで、
図12A及び
図12Bに示したように、複数の第1配線材1421が固定されたジグ243を作業台に位置させ、複数の第1配線材1421と第1太陽電池151を固定する。
【0145】
より具体的には、まず、
図12Aに示したように、作業台であるコンベアベルト252上に、配線材142が固定されたジグ243(すなわち、第1配線材−ジグ結合体)を位置させる。この状態で、コンベアベルト252の一側に位置する第3固定部分254が、第1固定部分241と第2固定部分24との間で第1固定部分241側に固定された第1配線材1421を把持して固定するように第1配線材1421に締結され、第1固定部分241は第1配線材1421から解除される。このとき、第1配線材1421の長さは、一つの第1太陽電池151よりも少し長く、第1太陽電池151と第2太陽電池152の長さよりは小さくて、バスリボン(
図1の参照符号145)に接続可能な程度の第1長さを有することができる。このように、第3固定部分254が複数の第1配線材1421の一側を固定すると、複数の第1配線材1421が、作業台の一側で作業台と一定の位置関係を維持して位置する第3固定部分254に固定されるため、作業台に安定的に固定され得る。
【0146】
また、
図12Bに示したように、第1太陽電池151をコンベアベルト252及び複数の配線材1421上に載置した状態で、排気装置259を用いて排気する。すると、第1太陽電池151が複数の第1配線材1421上に圧着されて固定される。このとき、第1部分241は、第1太陽電池151が第1配線材1421上で作業台252に吸着されることを妨げない位置(一例として、第1太陽電池151の上部位置)に位置し得る。上述したように、第1配線材1421の長さが第1太陽電池151の長さよりも長い第1長さを有するため、第2部分242は、第1太陽電池151と一定距離だけ離隔して位置するので、第1配線材1421に締結された状態でも、第1太陽電池151が作業台252に吸着されて固定されることを妨げない。
【0147】
次いで、
図12Cに示したように、第2固定部分242を解除してジグ243を複数の第1配線材1421から分離する。このとき、第3固定部分254を共に解除して、互いに固定された複数の第1配線材1421と第1太陽電池151がコンベアベルト252の移動によって移動可能な状態となる。第3固定部分254と第2固定部分242を解除しても、排気吸着によってコンベアベルト252、配線材142及び第1太陽電池151が安定的に固定されている。これによって、ジグ243が配線材142から完全に分離及び解除され、ジグ243は、配線材固定部240に戻る。
【0148】
次いで、
図12Dに示したように、第1太陽電池151とその下面に付着された配線材142が、コンベアベルト252によって進行方向に移動する。
【0149】
次いで、
図12E及び
図12Fに示したように、第1太陽電池151上に他の配線材142(すなわち、複数の第2配線材1422)を位置させ、第1太陽電池151上に複数の第2配線材1422を固定し、複数の第2配線材1422の他の一部上に第2太陽電池152を固定する。
【0150】
すなわち、
図12Eに示したように、第3固定部分254からコンベアベルト252上に位置した第1太陽電池151を通るように、複数の第2配線材1422が固定されたジグ243(すなわち、第2配線材−ジグ結合体)を位置させる。第2配線材−ジグ結合体は、配線材固定部240において第1配線材−ジグ結合体を形成する方法と同一の方法により形成することができる。ただし、第2配線材1422の長さは、2つの太陽電池(すなわち、第1及び第2太陽電池151,152)を接続できるように、第1及び第2太陽電池151,152よりも長い第2長さを有することができる。
【0151】
この状態で、コンベアベルト252の一側に位置する第3固定部分254が、ジグ243の第1固定部分241側に固定された第2配線材1422を把持して固定するように第2配線材1422に締結され、第1固定部分241は第2配線材1422から解除される。
【0152】
そして、
図12Fに示したように、コンベアベルト252上に位置した第2配線材1422の他の一部上に第2太陽電池152を載置すると、排気吸着によって複数の第2配線材1422が第2太陽電池152に固定される。また、第1太陽電池151上に位置した第2配線材1422には上部固定部材256を位置させ、
図10に示したように、複数の固定部2564が複数の第2配線材1422を押さえて固定するようにする。
【0153】
次いで、
図12Gに示したように、第2固定部分242を解除してジグ243を複数の第2配線材1422から分離する。このとき、第3固定部分254を共に解除して、互いに固定された複数の第2配線材1422と第2太陽電池152がコンベアベルト252の移動によって移動可能な状態となる。第3固定部分254と第2固定部分242を解除しても、排気吸着によってコンベアベルト252、配線材142、そして、第1及び第2太陽電池151,152が安定的に固定されている。これによって、ジグ243が配線材142から完全に分離及び解除され、ジグ243は配線材固定部240に戻る。
【0154】
このように太陽電池150の上面及び下面の両方に配線材142が付着された状態で、太陽電池150が熱源部258を通過すると、配線材142のフラックス及びコーティング層142bが溶融されて太陽電池150の第1又は第2電極42,44に付着される。より具体的には、複数の第1配線材1421が第1太陽電池151の一面に位置し、複数の第2配線材1422が第1太陽電池151の他面に位置した第1太陽電池151に熱を加え、第1太陽電池151の両面に複数の第1配線材1421及び複数の第2配線材1422を付着することができる。
【0155】
そして、第2太陽電池152の一部に更に他の複数の配線材142の一部を位置させ、更に他の複数の配線材142の他の一部に更に他の太陽電池(例えば、第3太陽電池)を位置させ、両面に複数の配線材142が位置した第2太陽電池152に熱を加えることによって、複数の配線材142を第2太陽電池152に付着することができる。このような動作を繰り返すことによって、一つの列を構成する太陽電池ストリングを形成することができる。太陽電池ストリングを構成する最後の太陽電池150では、第1長さを有する複数の配線材142を最後の太陽電池150上に位置させた状態で、上部固定部材256を用いてこれらを固定した状態で熱を加えることによって、複数の配線材142を付着することができる。
【0156】
本実施例によれば、熱源部258を通過する前に複数の配線材142からジグ243が分離されるので、動作するジグ243の個数を最小化することができる。これによって、配線材付着装置200の構造を単純化し、生産性を向上させることができる。このとき、複数の配線材142と太陽電池150を排気吸着によって固定すると、複数の配線材142及び太陽電池150に損傷を与えずにこれらを安定的に固定することができる。そして、切断部244によって切断された複数の配線材142を太陽電池150に固定して付着するので、構造及び製造工程を単純化することができる。また、太陽電池150の両面に複数の配線材142が位置した状態で、コンベアベルト252を介して熱源部258を通過することによって、複数の配線材142の付着を自動化することができる。これによって、丸い部分を含み、ソルダリングのためのコーティング層142bを含む配線材142を、自動化されたシステムによって太陽電池150に付着することができる。
【0157】
図面及び上述した説明では、簡略且つ明確な説明のために、本実施例に係る配線材付着装置200に必須な構成のみを図示及び説明した。切断部244、固定部材246、第1固定部分241、第2固定部分242、第3固定部分243、上部固定部材256などは、これらを駆動したり、これらの位置を変更したりすることができるように、駆動部材(例えば、モーター)及びこれに連結される部分(例えば、アーム(arm)、リンクなど)を備えることができる。そして、駆動部材を無線又は有線で作動させるコントローラをさらに含むことができる。これによって、配線材付着装置200を望むところによって作動させることができる。上述した駆動部材、連結される部分及びコントローラには、公知の様々な方式又は構造が適用されてもよい。
【0158】
図13は、本発明の実施例に係る太陽電池パネルの配線材付着装置を適用できる太陽電池パネルの断面図であり、
図14は、
図13に示した太陽電池パネルの太陽電池及び配線材を示した斜視図である。
【0159】
図13を参照すると、本実施例に係る太陽電池パネル100は、複数の太陽電池150、及び複数の太陽電池150を電気的に接続する配線材142を含む。そして、太陽電池パネル100は、複数の太陽電池150及びこれらを接続する配線材142を包んで密封する密封材130と、密封材130上で太陽電池150の前面に位置する前面基板110と、密封材130上で太陽電池150の後面に位置する後面基板120とを含む。これについてより詳細に説明する。
【0160】
本実施例において、太陽電池150は、半導体基板と、半導体基板に又は半導体基板上の一面に形成されるエミッタ領域及び他面に形成される後面電界領域と、エミッタ領域に接続される第1電極及び後面電界領域に接続される第2電極とを含むことができる。一例として、太陽電池150は、単結晶又は多結晶シリコンを含む半導体基板をベースとするシリコン半導体太陽電池であってもよい。これによって、高い効率を有することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、太陽電池150が様々な構造を有することができる。
【0161】
そして、複数個の太陽電池150は、配線材142によって電気的に直列、並列又は直並列に接続されてもよい。具体的には、配線材142は、太陽電池150の幅よりも小さい幅を有し、隣り合う2つの太陽電池150のうち第1太陽電池151の第1電極の上から、これに隣接する第2太陽電池152の第2電極の上まで長く連結され、これらを電気的に接続する。3つ以上の太陽電池150を備える場合には、隣接する2つの太陽電池に、上述したように配線材142が位置することで、連続的に太陽電池150が電気的に接続される。
【0162】
本実施例では、配線材142が、既存に使用されていた相対的に広い幅(例えば、1mm〜2mm)を有するリボンよりも小さい幅を有しながら長く延びるワイヤで構成されてもよい。ここで、配線材142は、金属からなるコア層142a、及びコア層142aの表面に薄い厚さでコーティングされ、ソルダ物質を含んで電極とのソルダリングが可能なようにするソルダ層142bを含むことができる。そして、一例として、配線材142の幅又は直径が250μm〜500μmであってもよい。ここで、ソルダリングの後に配線材142の形状などが変化し得、ソルダ層142bの厚さが薄く形成されるため、配線材142の幅又は直径は、コア層142aの幅又は直径を意味し得る。このとき、配線材142を構成するワイヤは丸い部分を含むことができる。すなわち、配線材142を構成するワイヤが、円形、楕円形、または曲線からなる断面又は丸い断面を有することができる。
【0163】
そして、配線材142が、太陽電池150の一面を基準として6個〜33個備えられてもよい。このとき、太陽電池パネル100の出力をさらに向上させるために、配線材142の個数を10個以上(一例として、12個〜13個)にすることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。このとき、配線材142のピッチが4.75mm〜26.13mmであってもよい。しかし、上述した数値などは、一例として提示したものに過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。
【0164】
密封材130は、配線材142によって接続された太陽電池150の前面に位置する第1密封材131、及び太陽電池150の後面に位置する第2密封材132を含むことができる。一例として、第1密封材131及び第2密封材132には、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール、ケイ素樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂などを使用することができる。前面基板110は、光が透過し得る透光性絶縁物質で構成され、後面基板120は、透光性物質、非透光性物質、又は反射物質などで構成されるシートで構成されてもよい。一例として、前面基板110がガラス基板などで構成されてもよく、後面基板120が、TPT(Tedlar/PET/Tedlar)タイプを有したり、又はベースフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))の少なくとも一面に形成されたポリフッ化ビニリデン(poly vinylidene fluoride、PVDF)樹脂層を含むことができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0165】
本実施例のように、小さい幅又は直径を有するワイヤを配線材142として用いる場合、材料コストを大きく低減することができ、十分な個数の配線材142を備えてキャリアの移動距離を最小化することによって、太陽電池パネル100の出力を向上させることができる。また、丸い部分によって配線材142が反射又は乱反射を誘導し、光を再利用することができる。
【0166】
本実施例では、上述したように小さい幅又は直径を有し、円形などの断面形状を有するワイヤ形状の配線材142を、太陽電池150に多数個付着しなければならない。そのため、ワイヤ形状を有しても高い付着力を有するように配線材142を太陽電池150に付着することができ、多数の配線材142を共に付着して生産性を向上させることができる、配線材付着装置が要求される。これを考慮した本実施例に係る太陽電池パネルの配線材付着装置を、
図15乃至
図21を参照して詳細に説明する。
【0167】
図15は、本発明の実施例に係る太陽電池パネルの配線材付着装置の一部を概略的に示した構成図である。
図16は、本発明の実施例に係る太陽電池パネルの配線材付着装置の他の一部を概略的に示した構成図である。
図17は、本発明の実施例に係る太陽電池パネルの配線材付着装置を概略的に示したブロック図である。また、
図18は、
図16に示した配線材付着装置に含まれる上部固定部材を用いて、太陽電池とその上部に位置した配線材を固定した状態を概略的に示した斜視図である。簡略な図面のための
図16では、上部固定部材供給部2560及び太陽電池供給部251を示していない。
【0168】
図15乃至
図18を参照すると、本実施例に係る太陽電池パネルの配線材付着装置(以下、“配線材付着装置”)200は、巻き取りロール212に巻かれている配線材142を巻き出して工程方向に提供する配線材供給部210と、提供された配線材142にフラックスを塗布するフラックス部220と、フラックスを乾燥する乾燥部230と、配線材142をジグ243に固定する配線材引き出し部240と、配線材142を太陽電池150に付着する付着部250とを含むことができる。
【0169】
配線材供給部210から提供された配線材142は、フラックス部220及び乾燥部230を経てフラックス層が形成された状態で、配線材引き出し部240に提供される。配線材引き出し部240で配線材142のみをジグ243に固定した後、切断部244が配線材142を切断する。これによって、太陽電池150とは別個に、切断された配線材142がジグ243に固定されている配線材−ジグ結合体243aを形成する。
【0170】
本実施例において、ジグ243は、配線材142の一側に固定される第1固定部分241、及び配線材142の他側に固定される第2固定部分242を備える。第1固定部分241及び第2固定部分242には、それぞれ相互間の間隔が変化するように移動して各配線材142をクランプするクランピング部P1,P2が備えられてもよい。第1及び第2固定部分241,242のクランピング部P1,P2については、より詳細に後述する。切断部244は、配線材142がジグ243に固定された後に配線材142を切断できる様々な構造、方式などが適用されてもよい。
【0171】
そして、配線材引き出し部240は、切断部244から一定距離だけ離隔して配線材142を固定する配線材固定部材248を含むことができる。配線材固定部材248は、配線材142の工程方向及びその逆方向(図面のx軸方向)に移動することができる。本実施例では、配線材固定部材248が配線材142をクランプした状態で工程方向に移動し、切断部244から所望の距離だけ離隔した状態で配線材142の一側を固定することができる。このとき、固定部材246が配線材142を押さえて配線材142の位置を固定する。この状態で、ジグ243を構成する第1及び第2固定部分241,242が配線材固定部材248の上側で配線材142を固定し、切断部244が配線材142を切断し、配線材固定部材248が配線材142のクランプを解除すると、配線材142が第1及び第2固定部分241,242にそれぞれ固定され、配線材−ジグ結合体243aを形成する。
【0172】
本実施例では、第1及び第2固定部分241,242と共に配線材固定部材248をさらに含むことによって、配線材固定部材248が、第1及び第2固定部分241,242の役割を分担することができる。これによって、配線材付着装置240において構造又は駆動を単純化することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2固定部分242が配線材固定部材248の役割を兼ねることも可能である。
【0173】
配線材固定部材248には、それぞれ相互間の間隔が変化するように移動して各配線材142をクランプするクランピング部が備えられてもよい。配線材固定部材248については、より詳細に後述する。
【0174】
そして、配線材供給部210、フラックス部220、乾燥部230及び配線材引き出し部240へ移動する経路中には、配線材142の位置を整列又はガイドする様々な部材又は装置が位置することができる。一例として、配線材142が所望の位置に位置するようにガイドするガイド部材214、配線材142が移動しないときに配線材142を押さえて固定する押さえ部材246などをさらに含むことができる。図面では、一例として、ガイド部材214に配線材142が通過する溝214aが形成されて配線材142をガイドする場合を例示したが、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、ガイド部材214、押さえ部材246などの形状、構造、方式などは様々に変形可能である。
【0175】
配線材引き出し部240で形成された配線材−ジグ結合体243aは、コンベアベルト252に移送されて提供される。一例として、ジグ243を移送する移送部材(図示せず)が、ジグ243を配線材引き出し部240からコンベアベルト252に移送することによって、配線材−ジグ結合体243aとして移送することができる。移送部材の構造には、公知の様々な構造、方式などが適用されてもよい。そして、コンベアベルト252には、太陽電池供給部251から太陽電池150が提供される。
【0176】
このとき、コンベアベルト252には排気孔252aが備えられる。これによって、排気孔252aを介して排気装置259を用いて排気が行われるようにして、太陽電池150とその下部(すなわち、太陽電池150とコンベアベルト252)との間に位置した配線材142を効果的に圧着することができる。排気装置259は、排気孔252aを介して気体を排出できる構造を有することができる。このように、太陽電池150とその下部に位置する配線材142は、吸着によってコンベアベルト252上に固定される。
【0177】
このとき、排気吸着を用いて配線材142と太陽電池150を固定するとき、配線材142と太陽電池150の位置がずれないように、コンベアベルト252の一側(コンベアベルト252が始まる部分よりも前)に第3固定部分254が位置することができる。第3固定部分254は、コンベアベルト252に対して一定の位置を有するように固定された状態を維持している。第3固定部分254は、配線材142をそれぞれ固定し得るクランピング部P1,P2を備えることができる。クランピング部P1,P2の構造は、より詳細に後述する。
【0178】
そして、太陽電池150とその上部に位置する配線材142は、これらの上に位置する上部固定部材(又は固定部材)256によって固定される。
【0179】
上部固定部材供給部2560から供給された上部固定部材256は、熱源部258に投入される前に太陽電池150の上部で配線材142を固定する。そして、上部固定部材256が太陽電池150の上部で配線材142を固定した状態で、これらと共に熱源部258を通過する。熱源部258を通過しながら太陽電池150と配線材142とが互いに付着される。熱源部258を通過した後、上部固定部材256は、太陽電池150と配線材142から分離されて上部固定部材供給部2560に再び戻ることができる。このとき、上部固定部材供給部2560は、コンベアベルト252、熱源部258などと連結されず、独自の駆動部によって駆動されて、上部固定部材256を太陽電池150と配線材142の上部に提供する役割を果たすことができる。
【0180】
一例として、上部固定部材供給部2560は、熱源部258の前方から熱源部258の後方まで延びた状態で位置して、熱源部258の前方で太陽電池150と配線材142の上に上部固定部材256を容易に供給し、熱源部258を通過した上部固定部材256を熱源部258の後方で容易に回収することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0181】
そして、上部固定部材供給部2560は、複数の上部固定部材256を備えることによって、一つの上部固定部材256が熱源部258を通過しているときにも、他の上部固定部材256がその後に位置した太陽電池150と配線材142を固定することができる。これによって、連続的に複数の太陽電池150の付着工程を行うことができる。
【0182】
本実施例において、上部固定部材256は、フレーム部2562,2566、及びフレーム部2562,2566に固定されて複数の配線材142を圧着する複数の圧着片2564を含むことができる。
【0183】
フレーム部2562,2566は、複数の圧着片2564が固定され得る様々な形状を有することができる。一例として、フレーム部2562,2566は、配線材142の延長方向と交差する方向に配置される部分を含む第1部分2562と、第1部分2562の両側をそれぞれ連結する第2部分2566とを含むことができる。これによって、構造を単純化しながらも、複数の圧着片2564を安定的に固定又は支持することができる。図面では、第2部分2566が一字状に形成され、両側に1つずつ位置する場合を例示したが、本発明がこれに限定されるものではない。第2部分2566が額縁状又は中空の四角形状などを有してもよい。そして、第1部分2562と第2部分2566は互いに一体に形成されてもよく、または別個に形成され、ねじなどの締結部材などによって互いに締結されてもよい。
【0184】
第1部分2562と圧着片2564は、一体に形成されるか、または圧着片2564が第1部分2562の底面に固定又は結合されてもよい。一例として、圧着片2564が第1部分2562に着脱可能に固定されることで、容易に修理又は交換されるようにすることができる。圧着片2564が第1部分2562の底面に固定又は結合される構造には、公知の様々な構造が用いられてもよい。
【0185】
第1部分2562は、配線材142を安定的に太陽電池150に圧着できるように、一定間隔を置いて離隔してもよい。このとき、第1部分2562又はフレーム部2562,2566は、圧着片2564が配線材142を太陽電池150に圧着可能な程度の重量を有することができる。すなわち、フレーム部2562,2566は、自重によって配線材142に圧着力を提供することができる。これによれば、別途に圧着力を加える他の装置などを備えなくてもよいので、設備を簡素化することができる。
【0186】
圧着片2564は、第1部分2562における配線材142が位置する部分に対応して位置することができる。一例として、圧着片2564は、太陽電池150に固定される配線材142の間隔だけ互いに離隔し、配線材142の個数と同じ数だけ各第1部分2562に一列に固定されてもよい。これによって、複数の第1部分2562にそれぞれ位置した複数の圧着片2564が、一つの配線材142を圧着及び固定することができる。
【0187】
圧着片2564は、配線材142を押さえて固定できる様々な構造を有することができる。圧着片2564が、弾性力を有すると共に、傾斜して折り曲げられた部分又は丸い部分を有することができる。一例として、圧着片2564は、略C字状、U字状、またはV字状を有することができる。
【0188】
このように、太陽電池150と配線材142がコンベアベルト252及び/又は上部固定部材256によって固定されると、配線材142を固定していたジグ243及び第3固定部分254は配線材142から分離され、ジグ243は配線材引き出し部240に搬送される。このように、コンベアベルト252は、配線材142と太陽電池150を移送する役割と共に、一定の位置に整列された太陽電池150とその下部に位置する配線材142をその状態で固定する役割を果たす。
【0189】
太陽電池150、配線材142及び上部固定部材256が共に熱源部258を通過し、太陽電池150と配線材142とが互いに付着されて太陽電池ストリングを形成し、熱源部258を通過した上部固定部材256は、太陽電池150と配線材142から分離されて上部固定部材供給部2560に搬送される。
【0190】
このとき、付着部250は、配線材142と太陽電池150が加圧及び固定された状態で、熱源部258によって光を提供して熱(例えば、輻射熱)を加えることによって、配線材142を太陽電池150に付着する。
【0191】
より具体的には、熱源部258は、コンベアベルト252の上部又は下部から太陽電池150に光を加えることによって熱を提供する。熱源部258から提供された熱によって配線材142のソルダ層142bが溶けてソルダリングされ、これによって、配線材142が太陽電池150の電極42,44に付着される。本実施例では、熱源部258が光によって熱を加えることによって、付着工程の時間を低減し、付着特性を向上させることができる。一例として、熱源部258が赤外線ランプであってもよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、熱源部258には、熱を提供できる様々な構造、方式などが適用されてもよい。
【0192】
以下では、
図15と共に、
図19乃至
図21を参照して、ジグ243、配線材固定部材248、または第3固定部分254のクランピング部P1,P2を詳細に説明する。より具体的には、
図15と共に、
図19乃至
図21を参照して、ジグ243のクランピング部P1,P2を詳細に説明し、その後、配線材固定部材248又は第3固定部分254のクランピング部P1,P2を説明する。
【0193】
図19は、
図15に示したVII−VII線に沿う断面図であり、
図20は、
図15に示した太陽電池パネル100の配線材付着装置200において第1接触部分P11を配線材142と共に示した側面図である。
【0194】
図15、
図19及び
図20を参照すると、クランピング部P1,P2は、各配線材142を一定の位置に固定又は移動させることができるように配線材142をクランプ(clamping)する。
【0195】
一例として、本実施例において、第1固定部分241は、第1部分2411及び第2部分2412を含み、第2部分2412は、第1部分2411に対して相対的に配線材142の工程方向と垂直な左右方向(一例として、図面のy軸方向)に移動することができる。第1部分2411は、各配線材142に対応して配線材142の一側に位置し、配線材142の一側に接触する第1クランピング部P1を含み、第2部分2412は、各配線材142に対応して第1クランピング部P1と反対の配線材142の他側で第1クランピング部P1に対応するように位置し、配線材142の他側に接触する第2クランピング部P2を含む。配線材142が第1クランピング部P1と第2クランピング部P2との間に位置した状態で、第1クランピング部P1と第2クランピング部P2が配線材142に力を加えると、配線材142が第1クランピング部P1と第2クランピング部P2との間で安定的に固定され得る。
【0196】
一例として、第1クランピング部P1は、配線材142の一側に接触する第1接触部分P11、及び第1部分2411と第1接触部分P11との間を連結する第1連結部分P12を含む。このとき、第1接触部分P11は第1連結部分P12よりも第2クランピング部P2(又は配線材142)に向かって突出して位置することができる。すなわち、第1接触部分P11において第2クランピング部P2に隣接する面が第1連結部分P12において第2クランピング部P2に隣接する面よりも第2クランピング部P2に向かって突出することができる。これによって、第1接触部分P11のみが配線材142に接触するようにし、配線材142に加える力を集中させることによって、配線材142をさらに安定的にクランプすることができる。
【0197】
第2クランピング部P2は、配線材142の他側に接触する第2接触部分P21、及び第2接触部分P21と第2部分2412との間を連結する第2連結部分P22を含むことができる。第2接触部分P21は、配線材142を介在して第1接触部分P11と対向するように形成することができる。すなわち、第1接触部分P11と第2接触部分P21は、配線材142の同一部分で両側にそれぞれ位置することができる。図面では、第2クランピング部P2が一字状に下部に延びた形状を有し、第1クランピング部P1の第1連結部分P12が、配線材142の長手方向に沿って第2クランピング部P2又は第2部分2412に隣接するように延びた後に折り曲げられて下部に延びることを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1接触部分P11と第2接触部分P21が互いに対向するようにする様々な構造、方式、又は形状を有することができる。
【0198】
第1クランピング部P1と第2クランピング部P2との間に配線材142が位置した状態で、第1部分2411及び/又は第2部分2412が第1クランピング部P1と第2クランピング部P2との間が狭まるように移動し、第1クランピング部P1と第2クランピング部P2が配線材142の両側に密着すると、第1クランピング部P1と第2クランピング部P2との間に配線材142が安定的に固定され得る。逆に、第1部分2411及び/又は第2部分2412が第1クランピング部P1と第2クランピング部P2との間が広がるように移動し、第1クランピング部P1と第2クランピング部P2との間の距離が配線材142の幅又は直径よりも大きくなると、配線材142が第1クランピング部P1と第2クランピング部P2から安定的に分離又は解除され得る。
【0199】
このとき、本実施例において、第1接触部分P11には、接触部Cよりも第2クランピング部P2(より正確には、第2接触部分P21)から遠くに離隔するように陥没した陰刻部Rを形成することができる。陰刻部Rによって、第1接触部分P11における配線材142と実際に接触する接触部Cの面積を減少させると、第1接触部分P11によって配線材142に加わる力が接触部Cに集中するため、配線材142をクランプする加圧力(又は応力)を増加させることができる。これは、同じ力が加わるとき、面積が小さくなると加圧力が増加するためである。
【0200】
第2クランピング部P2(又は配線材142)に隣接する陰刻部Rの面は、第2クランピング部P2に隣接する接触部Cの面よりも第2クランピング部P2から遠く離隔して位置すればよく、陰刻部Rの形状は限定されない。したがって、第2クランピング部P2に隣接する陰刻部Rの面は、曲面、複数の平面又は傾斜面を有する様々な形状を有することができ、断面視で、陰刻部Rの形状が半円形、四角形、三角形などの様々な形状を有することができる。ただし、第1クランピング部P1に隣接する陰刻部Rの面(一例として、内面)が曲面からなる場合、陰刻部Rの部分で加圧力が集中する部分が存在しないため、構造的により一層安定化させることができる。一例として、断面視で、第1クランピング部P1に隣接する陰刻部Rの面が円弧形状を有することができる。
【0201】
そして、接触部Cは、陰刻部Rよりも小さい曲率、小さい屈曲、または小さい傾斜を有する平らな平面で構成されてもよい。これによって、接触部Cで配線材142に加える力が十分に伝達されるようにすることができ、接触部Cによる配線材142の損傷又は変形などを防止することができる。
【0202】
このとき、第1接触部分P11に対する接触部Cの面積の比率が10%〜70%であってもよい。前記比率が10%未満であると、接触部Cの面積が小さいため、配線材142を安定的にクランプしにくい。前記比率が70%を超えると、接触部Cの面積が大きくなるため、接触部Cに力を集中してクランプされる加圧力を増加させる効果が十分でない。
【0203】
そして、一つの配線材142の長手方向において配線材142に接触する接触部Cが複数(すなわち、2つ以上)備えられるか、または配線材142の長手方向において接触部Cが、少なくとも陰刻部Rを介在して陰刻部Rの両側に位置することができる。接触部Cが1つのみ備えられるか、または接触部Cが陰刻部Rの一側にのみ備えられる場合、接触部Cを備えても配線材142を安定的に把持することが難しいためである。一例として、配線材142の長手方向において1つの配線材142に接触する接触部Cの個数が3つ以上であると、配線材142をより一層安定的に把持することができる。例えば、接触部Cが第1接触部分P11の両側端部に1つずつ位置し、内部で中央に1つ又は互いに一定間隔を置いて複数位置する場合、配線材142を安定的に把持することができる。
【0204】
配線材142に接触する接触部Cの個数の上限は限定されないが、接触部Cの個数が10個以上になると、1つの接触部Cの面積が小さくなるため、配線材142を安定的にクランプすることが難しい。一例として、接触部Cの個数が3個〜5個であってもよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0205】
本実施例では、陰刻部Rが配線材142の延長方向又は工程方向と交差する方向に形成される。陰刻部Rが配線材142の延長方向と平行な方向に形成される場合、その部分で配線材142をクランプする力を伝達できなくなるため、配線材142が安定的にクランプされない。特に、本実施例のように、配線材142が丸い形状又は円形の断面形状を有するときには、工程誤差などによって接触部Cが配線材142の位置した部分に位置しない場合には、配線材142を逃しやすい。反面、本実施例のように、陰刻部Rが配線材142の延長方向と交差する方向に形成される場合、工程誤差などによって、接触部Cに接触した配線材142の上下位置(すなわち、図面のz軸方向での位置)が少し変わっても、接触部Cが配線材142に接触する部分があるので、安定的に配線材142をクランプすることができる。このとき、陰刻部Rが配線材142の延長方向と垂直に長く位置して、陰刻部Rの形状及び接触部Cを安定的に形成することができる。
【0206】
このように、陰刻部Rが配線材142の延長方向又は工程方向と垂直に第1接触部分P11の両端を横切って長く形成される場合には、配線材142の上下位置に変動があっても、配線材142を安定的にクランプすることができるので、接触部Cの面積比率をさらに減少させて配線材142に加わる力を接触部Cに集め、より効果的にクランプすることができる。したがって、この場合には、第1接触部分P11における接触部Cの面積が陰刻部Rよりも小さくてもよい。第1接触部分P11に対する接触部Cの面積比率が10%〜45%(より具体的に10%〜30%)であってもよい。前記比率を45%以下(より具体的には30%以下)にすることで、配線材142に加わる力を接触部Cに集め、より効果的に配線材142をクランプすることができる。
【0207】
図21を参照して、陰刻部Rを備えた第1接触部分P11の様々な例を説明する。
図21は、本発明の様々な変形例に係る太陽電池パネル100の配線材付着装置200における第1接触部分P11を配線材142と共に示した側面図である。簡略な図示のために、
図21では、第1接触部分P11及び配線材142のみを示した。
【0208】
図21の(a)に示したように、複数の陰刻部Rが、配線材142の延長方向又は工程方向と傾斜した方向に並んで長く位置することができる。
【0209】
または、
図21の(b)に示したように、陰刻部Rが、配線材142の延長方向又は工程方向と互いに異なる第1角度及び第2角度をもって傾斜して形成されて互いに交差することができる。
【0210】
または、
図21の(c)に示したように、複数の陰刻部Rが、互いに離隔する複数の島形状を有することもできる。このような場合にも、配線材142の長手方向では、配線材142が、陰刻部Rを介在して陰刻部Rの両側に位置する接触部Cに接触するようになる。これによって、接触部Cが、陰刻部Rを除いた部分で互いに連結された一体の形状を有しても、配線材142が安定的にクランプされ得る。
【0211】
または、
図21の(d)に示したように、陰刻部Rが一体に連結されて一つ備えられてもよい。このような場合にも、配線材142の長手方向では、配線材142が、陰刻部Rを介在して陰刻部Rの両側に位置する接触部Cに接触するようになる。これによって、陰刻部Rが一つ備えられても、配線材142が安定的にクランプされ得る。
【0212】
その他にも、陰刻部Rは様々な平面形状を有することができる。
【0213】
再び
図15、
図19及び
図20を参照すると、第2接触部分P21は、第1接触部分P11よりも小さい曲率、小さい屈曲、または小さい傾斜を有する平らな平面で構成することができる。すると、陰刻部Rを備えた第1接触部分P11及び第2接触部分P21によって配線材142をクランプするとき、第2接触部分P21が安定的に配線材142の一側に接触した状態で、配線材142の他側は第1接触部分P11の接触部Cに力が集められた状態で配線材142を加圧することができる。すなわち、陰刻部Rを備えた第1接触部分P11を使用するとき、平面のみで構成された第2接触部分P21を共に使用して安定性を向上させることができる。そして、第2接触部分P21で配線材142の損傷又は変形などを防止することができる。
【0214】
図面では、第1固定部分241を例示としてクランピング部P1,P2を説明した。第2固定部分242の第1部分2421、第2部分2422、及びこれに形成されたクランピング部に対しては、第1固定部分241の第1部分2411、第2部分2412、及びこれに形成されたクランピング部P1,P2に対する内容をそれぞれそのまま適用することができるので、詳細な説明を省略する。
【0215】
図16の拡大円に示したように、第3固定部分254のクランピング部P1,P2が第3固定部分254の第1部分2541及び第2部分2542の上部に突出するという点を除いては、第3固定部分254の第1及び第2部分2541,2542及びクランピング部P1,P2に対しては、第1固定部分241の第1及び第2部分2411,2412及びクランピング部P1,P2に対する説明がそのまま適用されてもよい。これと同様に、配線材固定部材248の第1部分2481及び第2部分2482及びクランピング部に対しては、第1固定部分241の第1及び第2部分2411,2412及びクランピング部P1,P2に対する説明がそのまま適用されてもよい。
【0216】
そして、上述した説明及び図面では、ジグ243を構成する第1及び第2固定部分241,242ではクランピング部P1,P2が下部に突出し、第3固定部分254及び配線材固定部材248ではクランピング部P1,P2が上部に突出する場合を例示した。これによって、ジグ243を構成する第1及び第2固定部分241,242と第3固定部分254及び配線材固定部材248では、クランピング部P1,P2が互いに上下対称をなす形状を有することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、ジグ243、第3固定部分254及び配線材固定部材248においてクランピング部P1,P2が突出する方向が限定されるものではない。
【0217】
そして、図面では、ジグ243を構成する第1及び第2固定部分241,242、第3固定部分254及び配線材固定部材248が全て上述したような形状又は構造のクランピング部P1,P2を有する場合を例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、ジグ243を構成する第1及び第2固定部分241,242、第3固定部分254及び配線材固定部材248の少なくとも1つが上述したような形状又は構造のクランピング部P1,P2を有し、残りのクランピング部はこれと異なる形状を有してもよい。
【0218】
本実施例に係る配線材付着装置200によれば、丸い部分を含む配線材142を自動化されたシステムによって太陽電池150に付着することができる。このとき、配線材142を固定する固定部分241,242,254又は配線材固定部材248のクランピング部P1,P2の第1接触部分P11が陰刻部Rを備えることによって、配線材142に加わる加圧力を最大化し、配線材142を逃さずに安定的にクランプすることができる。これによって、配線材142を付着する工程中に配線材142をクランプし損なって発生し得る不良、工程遅延などの問題を防止して、配線材付着装置200の生産性を向上させることができる。
【0219】
上述したような特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれ、必ずしも一つの実施例にのみ限定されるものではない。さらに、各実施例で例示した特徴、構造、効果などは、実施例の属する分野における通常の知識を有する者によって、他の実施例に対しても組み合わせ又は変形して実施可能である。したがって、このような組み合わせ及び変形に係わる内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。