(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386004
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】ローマンシェードのスワッグ収納構造
(51)【国際特許分類】
A47H 3/00 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
A47H3/00
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-200982(P2016-200982)
(22)【出願日】2016年10月12日
(65)【公開番号】特開2018-61658(P2018-61658A)
(43)【公開日】2018年4月19日
【審査請求日】2017年10月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】500540121
【氏名又は名称】株式会社イマイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】今井 康夫
【審査官】
秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−168989(JP,A)
【文献】
特開2006−314532(JP,A)
【文献】
実開昭58−178988(JP,U)
【文献】
実開昭63−917(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47H 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローマンシェードのヘッドレールの前面から所定間隔を空けて、少なくともローマンシェードのスクリーンの横幅と同等の横幅と、当該スクリーンを上昇端までたくし上げたときに形成されるスワッグを収納可能な縦幅とを有する仕切板を対向配置し、前記スクリーンを上昇端までたくし上げたときに前記スワッグを前記仕切板の内側に圧縮状態で収納するようにしたことを特徴とするローマンシェードのスワッグ収納構造。
【請求項2】
前記スクリーンの上端部を前記ヘッドレールの前面に固定したことを特徴とする請求項1のローマンシェードのスワッグ収納構造。
【請求項3】
前記スクリーンの上端部を前記仕切板に固定したことを特徴とする請求項1のローマンシェードのスワッグ収納構造。
【請求項4】
前記ヘッドレールの上端部と前記仕切板の上端部との間に、前記仕切板を支持すると共に前記スワッグの上方を覆うスペーサ又は天板を配置したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項のローマンシェードのスワッグ収納構造。
【請求項5】
前記仕切板の内側面に、前記スワッグの引き込み収納をガイドするガイド部を成形したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項のローマンシェードのスワッグ収納構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はローマンシェードのスワッグ収納構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ローマンシェードは、窓枠上部に配置したヘッドレールからスクリーン(カーテン生地)を垂らし、当該スクリーンを複数本の昇降コードを使用して、たくし上げたり下ろしたりすることができるようにしたものである(特許文献1参照)。ローマンシェードはプレーンシェードやシャープシェードなど数種類あるが、いずれもスクリーンをたくし上げると優美なスワッグが重層形成されるという特徴がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−189312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ローマンシェードのスクリーンを最上端まで上げると、スクリーンの大きさ(丈)、材質(コシの強さ)、スワッグの大きさ・数にもよるが、
図6のように重層したスワッグ11aが室内側に大きく張り出して目障りになることがある。また、スワッグ11aのひだ付け位置は昇降コード21を通す挿通環20によってほぼ一定に定まるのであるが、プレーンシェードの場合はスワッグ形状が緩やかな弧状になって明確なひだ付け位置が定まりにくい。
【0005】
このため、スクリーンを上げる速さやスクリーン生地の微妙なクセなどによって、スワッグが規則正しく形成されないまま、不規則なシワが出来た状態でスクリーンがたくし上げられてしまうことがある。そうすると、きれいな(即ち、くっきりしたシャープな)ひだ付けができないだけでなく、スクリーン11を最上端まで上げた状態で長期間放置すると、当該位置ズレしたひだ付けが折癖として残ってしまうことがある。さらに、当該長期間放置ではスワッグ11aの露出表面がホコリ等で汚れたり、露出表面が日差し・照明で変・褪色してスクリーンに斑模様が出来たりすることがある。
【0006】
そこで本発明の課題は、ローマンシェードのスクリーン上昇時にスワッグをコンパクトに圧縮収納し、これによりスワッグのひだ付けを定位置に固定してシャープなひだ付けを形成し、併せてスクリーンの斑模様の原因となる汚れ、変・褪色を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を達成するため本発明は、ローマンシェードのヘッドレールの前面から所定間隔を空けて、少なくともローマンシェードのスクリーンの横幅と同等の横幅と、当該スクリーンを上昇端までたくし上げたときに形成されるスワッグを収納可能な縦幅とを有する仕切板を対向配置し、前記スクリーンを上昇端までたくし上げたときに前記スワッグを前記仕切板の内側に圧縮状態で収納するようにしたことを特徴とするローマンシェードのスワッグ収納構造である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のスワッグ収納構造によれば、スクリーンを上昇端までたくし上げたときに仕切板の内側にスワッグが圧縮状態で収納されるので、スワッグが室内側から直接見えなくなり、すっきりした外観を提供することができる。またスワッグのひだ付けを定位置に固定してシャープなひだ付けを形成することで、きれいなスワッグ形状とすることができる。またスクリーンを最上端まで上げて長期間放置しても、スワッグが仕切板の内側に収納されているのでスクリーンの斑模様の原因となる汚れ、変・褪色を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態を示すスワッグ収納構造の室内側斜視図である。
【
図2】第1実施形態のローマンシェードを裏側(窓側)から見た斜視図である。
【
図3】第1実施形態のローマンシェードのスクリーン上昇途中の側面図である。
【
図4】第1実施形態のローマンシェードのスクリーン上昇完了時(スワッグ収納時)の側面図である。
【
図5】第2実施形態のローマンシェードのスクリーン上昇途中の側面図である。
【
図6】第2実施形態のローマンシェードのスクリーン上昇完了時(スワッグ収納時)の側面図である。
【
図7】本発明の第3実施形態を示すスワッグ収納構造の室内側斜視図である。
【
図8】第3実施形態のローマンシェードを裏側(窓側)から見た斜視図である。
【
図9】第3実施形態のローマンシェードのスクリーン上昇途中の側面図である。
【
図10】第3実施形態のローマンシェードのスクリーン上昇完了時(スワッグ収納時)の側面図である。
【
図12】従来のローマンシェードのスクリーン上昇完了時(スワッグ張出し状態)の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(ローマンシェードの全体構成)
以下、図面を参照して本発明の第1〜第3実施形態を順に説明する。
図1は本発明の第1実施形態を示すスワッグ収納構造の室内側斜視図である。また
図2は第1実施形態のローマンシェード10を裏側(窓側)から見た斜視図である。ローマンシェード10はカーテン生地からなるスクリーン11と、ヘッドレール12と、当該スクリーン11の上端部を面ファスナーを介して前面において固定・支持する仕切板30と、スクリーンの下端部に取り付けられたウエイトバー13を有する。ヘッドレール12は窓枠上部の天井壁面や垂直壁面に固定される。
【0011】
スクリーン11の裏面には、その上下方向に沿って、複数の挿通環20が所定間隔をあけて一列に取り付けられ、これら複数の挿通環20で挿通環列200が形成されている。挿通環列200は、スクリーン11の幅員方向に所定間隔をあけて複数列(
図2では3列)で設けられている。
【0012】
各挿通環列200において、昇降コード21が各挿通環20を挿通し、当該昇降コード21の一端がウエイトバー13の位置に取り付けられた挿通環20に連結されている。また昇降コード21の他端は、ウエイトバー13よりも上方にある他の挿通環20を挿通した後、ヘッドレール12へと導入されている。
【0013】
昇降コード21の他端は、ヘッドレール12に導入された後、ヘッドレール12のコードガイド12aをさらに挿通し、このコードガイド12aで90度方向転換される。そして、昇降コード21はヘッドレール12の長手方向に進み、ヘッドレール12の一端側に設けられたストッパー14を通り、ヘッドレール12の端部から下方に導出され、つまみ15に連結される。こうして、全ての昇降コード21、21、21がつまみ15に連結され、当該つまみ15を昇降することで複数本の昇降コード21がウエイトバー13を伴って一斉に昇降するようになっている。
【0014】
(仕切板の構成)
図1〜
図4に示すように、仕切板30はヘッドレール12の前面から所定距離を空けて垂直に配置されている。当該仕切板30の形は、少なくともローマンシェードのスクリーン11の横幅と同等の横幅と、当該スクリーン11を上昇端までたくし上げたときに形成される複数のスワッグ11aを完全に又は大半を収納可能な縦幅とを有する、横長長方形状である。仕切板30の前面に面ファスナーを介してスクリーン11の上端部が固定・支持されている。
【0015】
仕切板30の上端部は、ヘッドレール12の前面とスペーサ32を介して隙間なく連結されている。当該スペーサ32によって仕切板30の内側上方を閉塞することで、スクリーン11を長期間上昇させたままにしても、仕切板30の内側のスワッグ11a上面にホコリが溜まるのを防止することができる。なお、ヘッドレール12の上端部が天井壁面に固定されてスワッグ11aの上方に天井壁面がある場合は、スワッグ11a上面にホコリが溜まるおそれがないので、スペーサ32に代えて複数の支持ブラケット等を使用することも可能である。
【0016】
(スワッグの収納)
次に、ローマンシェード10のスクリーン上昇時のスワッグ11aの収納について説明する。
図2のようにスクリーン11が閉じている状態からつまみ15を引き下ろすと、昇降コード21の下端部が上昇する。これにより、ウエイトバー13が水平状態を維持して上昇し、その上方の挿通環20に順次当接することで、
図3のように上下に隣合う挿通環20の間のスクリーン11が左側(室内側)に膨らんでスワッグ11aが順次形成される。
【0017】
これらスワッグ11aは挿通環20と共に一体に上昇し、所望の位置までスクリーン11を上昇させた後、最終的に
図4のように仕切板30の内側に収納される。この状態でつまみ15から手を離して昇降コード21を自由にすると、ストッパー14の作動で昇降コード21の移動が拘束され、スクリーン11の開いた
図4の状態が維持される。
【0018】
図4のようにスワッグ11aが仕切板30の内側に収納されると、室内側からはスワッグ11aが殆ど見えなくなり、すっきりとした外観を提供することができる。またスワッグ11aが仕切板30に押されて間隔L
1の間で圧縮されるため、各スワッグ11aのひだ付けが定位置でシャープに形成される。この反対に
図10のように仕切板30がない従来のローマンシェード10では、重層したスワッグ11aが長さL’で室内側に大きく張り出して目障りになったり、スクリーン11の昇降のたびにスワッグ11aのひだ付け位置がズレたりすることがある。
【0019】
次に、本発明の第2実施形態に係るスワッグ収納構造を
図5〜
図6により説明する。この第2実施形態は、スクリーン11の上端部を面ファスナーを介して仕切板30の前面ではなく後面(裏側)に固定・支持したものである。仕切板30の前面は室内側に直接露出した形になり、当該前面をスクリーン11の生地とは異なる独自の色彩・模様・別生地を有する意匠面として構成することができる。
【0020】
この第2実施形態では、スクリーン11を最大まで上昇させることで、
図6のようにスクリーン11のスワッグ11aを仕切板30の内側に完全収納することも可能である。その他は前述した第1実施形態と同じである。
【0021】
次に、本発明の第3実施形態に係るスワッグ収納構造を
図7〜
図10により説明する。
図5はスワッグ収納構造の室内側斜視図、
図6はローマンシェード10を裏側(窓側)から見た斜視図である。この第3実施形態は、
図7に示すようにスクリーン11の上端部を面ファスナーを介して仕切板30ではなくヘッドレール12の前面に固定・支持したものである。その他は前述した第1、第2実施形態と同じである。
【0022】
この第3実施形態においては、
図6のスクリーン11が閉じた状態からつまみ15を引き下ろすと、
図7のようにウエイトバー13が上昇し、スワッグ11aが左側(室内側)に膨らんで順次形成される。これらスワッグ11aは最終的に
図8のように仕切板30の内側に完全収納することが可能である。この収納状態でつまみ15から手を離して昇降コード21を自由にすると、ストッパー14の作動で昇降コード21の移動が拘束され、スクリーン11の開いた
図8の状態が維持される。
【0023】
図8のようにスワッグ11aが仕切板30の内側に収納されると、室内側からはスワッグ11aがまたく見えなくなり、すっきりとした外観を提供することができる。またスワッグ11aが仕切板30に押されて間隔L
2の間で圧縮されるため、各スワッグ11aのひだ付けが定位置でシャープに形成される。
【0024】
(仕切板の変形例)
スクリーン11を上昇させてスワッグ11aを仕切板30の内側に収納する際の昇降コード21の抵抗を低減するため、
図9のように仕切板30の内側面にガイド部31を成形してもよい。当該ガイド部31はスワッグ11aを仕切板30の内側に収納しやすいように、仕切板30の下端部から徐々に立ち上がった傾斜面31aを有する。
【0025】
このようにガイド部31を配置することで、昇降コード21の引き上げ抵抗を低減することができると共に、スワッグ11aを無理なく圧縮することができ、スクリーン11の生地を摩擦ダメージから保護することができる。なお、ガイド部31は仕切板30の幅方向に連続形成する他、仕切板30の幅方向複数箇所に分散して形成することもできる。
【0026】
以上、本発明の第1〜第3実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば前記実施形態では、昇降コード21の操作部としてつまみ24を用いたが、これに限るものではなく、昇降コード21をヘッドレール12内に設けたドラムに巻取り及び巻解き可能に巻き付けて、当該ドラムと一体に回転する回転軸の端部にプーリを設けて、操作チェーンによってプーリを回転駆動させることによりドラムの回転を操作するように構成したものであってもよい。またドラムにモータを連結してモータを回転駆動させることによりドラムの回転を操作するように構成したものであってもよい。
【符号の説明】
【0027】
10:ローマンシェード
11:スクリーン
11a:スワッグ
12:ヘッドレール
12a:コードガイド
13:ウエイトバー
14:ストッパー
20:挿通環
21:昇降コード
30:仕切板
31:ガイド部
31a:傾斜面
32:スペーサ
40:天板
200:挿通環列