【実施例1】
【0023】
第一の実施形態に係る不動産情報検索装置1は、利用者が望む間取りの建物を建築可能な土地を検索し、その検索結果によって利用者に土地を提案する。
不動産情報検索装置1は、いわゆるサーバコンピュータ等によって実現され、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブといったハードウェア資源、CPUが実行するコンピュータプログラム等のソフトウェア資源により、土地情報記憶部1A、間取り情報記憶部1B、地図情報記憶部1C、抽出処理部11、検索処理部12、生成処理部13、及び通信処理部14からなる機能ブロックを構成する。
【0024】
土地情報記憶部1Aは、利用者に対して販売等される土地に関する土地情報を複数、記憶した記憶部である。
この土地情報記憶部1Aには例えば、
図2に示されるように、土地の区画を個々に識別可能な土地IDごとに、少なくとも基本情報、土地側条件、土地形状、及び接道方向に係る情報が相互に関連付けて記憶されている。
【0025】
基本情報には、土地の住所や価格等の情報が含まれる。
土地側条件は、土地上に建物を建築する際に必要となる情報であって、例えば敷地面積、建ぺい率、容積率等によって構成される。この土地側条件には、土地上に建物を建築するにあたって物理的あるいは法令等に基づく制限あるいは規制となるような事項が含まれている。
また、土地形状は、土地の形状に係る情報であり、これにより、どのような間取り形状が収まるかを把握することができる。
また、接道方向は、土地が面する道路の向きに関する情報である。
【0026】
間取り情報記憶部1Bは、建物の間取りに関する間取り情報を複数、記憶した記憶部である。
この間取り情報記憶部1Bには例えば、
図3に示されるように、建物の間取りを個々に識別可能な間取りIDごとに、間取りの基本情報、間取り側条件、間取り形状、間取り方角、間取り方角許容度、設定方向、及び設定方向許容度に係る情報が相互に関連付けて記憶されている。
【0027】
基本情報には、所定の間取りの建物を供給する供給メーカーや、当該間取りの建物を建築する場合の価格といった情報が含まれる。
【0028】
間取り側条件は、建築面積や延床面積等、間取りに沿って建築される建物の仕様等に関する情報から構成される。この間取り側条件と土地の土地側条件と照らし合わせることで、所定の土地について、当該土地上に物理的あるいは法令等に基づく制限をクリアできる間取りであるか否かを把握することができる。
【0029】
間取り方角は、間取りに設定されている東西南北の方角に係る情報であり、間取りの中心からの方向等によって予め設定されている。この間取り方角は実際的には、水回りの位置や居室等の窓の向き等によって決定される。
間取り方角許容度は、間取りに設定されている東西南北の向きについて、ずらすことが許容可能な角度に係る情報である。即ち、
図4に示されるように、間取り方角許容度は、土地の東西南北に係る土地方角に対し、間取りごとに設定されている東西南北の間取り方角を傾けることが許容される角度(許容角度)である。
土地上に所定の間取りを建築する際、間取りに設定されている東西南北の向きは、厳密に実際の東西南北と一致する必要はなく、所定の許容角度の範囲でのずれが許容される。
【0030】
設定方向は、間取りが道路に面すべき向きに係る情報であり、間取りの中心からの方向等によって予め設定されている。この設定方向は実際的には、玄関が設けられている位置等によって決定される。
設定方向許容度は、間取りに設定されている道路の向きについて、ずらすことが許容可能な角度に係る情報である。即ち、
図5に示されるように、設定方向許容度は、土地における接道方向に対し、間取りごとに設定されている設定方向を傾けることが許容される角度(許容角度)である。
【0031】
地図情報記憶部1Cは、区画されている土地や、当該所定の土地に隣接する道路といった周辺の地図に関する地図情報を記憶した記憶部である。
この地図情報を参照することにより、所定の土地がどのように区画され、東西南北等のどの向きにおいて道路と隣接しているかを把握することができる。
【0032】
抽出処理部11は、利用者による間取りの指定に基づき、間取り情報記憶部1Bを参照して、指定された間取りの間取り情報を抽出する処理を実行する。
【0033】
検索処理部12は、抽出処理部11によって抽出された間取り情報に基づき、土地情報記憶部1Aを参照して、利用者によって指定された間取りの建物が建築可能な土地を検索する処理を実行する。
この検索処理部12は第一の機能部、第二の機能部、第三の機能部、及び第四の機能部から構成され、利用者からの検索要求に応じ、土地情報記憶部1Aを参照して、利用者の検索要求に応じた土地を検索する。
【0034】
具体的に、第一の機能部は、土地情報記憶部1Aに記憶されている土地について、利用者によって指定された間取りの間取り側条件に合致する土地側条件を備えているか否かを判断する。ここでは、土地ごとに決められている建ぺい率や容積率といった情報と、間取りごとの敷地面積や建築面積といった情報とを対比し、当該建ぺい率や容積率といった制限をオーバーすることなく、指定された間取りの建物が建築可能な土地であるか否かが判断される。
【0035】
また、第二の機能部は、土地情報記憶部1Aに記憶されている土地について、利用者によって指定された間取りに設定されている間取り方角と土地に設定されている土地方角とを一致させた状態で、当該間取りの間取り形状が収まる土地形状であるか否かを判断する。この第二の機能部はさらに、間取り形状が収まる土地形状であるか否かを判断する際に、間取りに設定されている東西南北の向きについて許容可能な角度の範囲で収まるか否かを判断することができる。
【0036】
この第二の機能部による処理について、
図6及び
図7を参照して説明する。この例ではまず、
図6(a)あるいは
図7(a)に示されるように、土地情報記憶部1Aに記憶されている土地の土地形状に対し、利用者によって指定された間取りの間取り形状を、予め間取りに設定されている間取り方角と土地の土地方角とを合わせて当てはめる。このとき、土地の土地方角と間取りの間取り方角とを一致させた状態で間取り形状が土地形状に収まった場合には、当該土地は、第二の機能部による処理における検索条件を満たしたものと扱われる。
【0037】
一方で、土地の土地方角と間取りの間取り方角とを一致させた状態で間取り形状が土地形状に収まらなかった場合にはさらに、
図6(b)あるいは
図7(b)に示されるように、間取り方角を許容角度の範囲で傾けた状態で、間取り形状が土地形状に収まるか否かを判断する。これにより、
図7(b)のように、間取り形状が土地形状に収まった場合には、当該土地は、第二の機能部による処理における検索条件を満たしたものと扱われる。他方、
図6(b)のように、間取り形状が土地形状に収まらなかった場合には、当該土地は検索条件を満たさないものとして扱われる。
【0038】
また、第三の機能部は、土地情報記憶部1Aに記憶されている土地について、利用者によって指定された間取りに設定された道路の設定方向と土地の接道方向が一致した状態で、当該間取りの間取り形状が収まる土地形状であるか否かを判断する。この第三の機能部はさらに、当該間取りの間取り形状が収まる土地形状であるか否かを判断する際に、間取りが道路に面すべき向きについて許容可能な角度の範囲で収まるか否かを判断することができる。
【0039】
この第三の機能部による処理について、
図8及び
図9を参照して説明する。この例ではまず、
図8(a)あるいは
図9(a)に示されるように、土地情報記憶部1Aに記憶されている土地の土地形状に対し、利用者によって指定された間取りの間取り形状を、予め間取りに設定されている道路の設定方向と土地の接道方向とを合わせて当てはめる。このとき、土地の接道方向と間取りの設定方向とを一致させた状態で間取り形状が土地形状に収まった場合には、当該土地は、第三の機能部による処理における検索条件を満たしたものと扱われる。
【0040】
一方で、土地の接道方向と間取りの設定方向とを一致させた状態で間取り形状が土地形状に収まらなかった場合にはさらに、
図8(b)あるいは
図9(b)に示されるように、間取りの設定方向を許容角度の範囲で傾けた状態で、間取り形状が土地形状に収まるか否かを判断する。これにより、
図9(b)のように、間取り形状が土地形状に収まった場合には、当該土地は、第三の機能部による処理における検索条件を満たしたものと扱われる。他方、
図8(b)のように、これでも間取り形状が土地形状に収まらなかった場合には、当該土地は検索条件を満たさないものとして扱われる。
【0041】
さらに、第四の機能部は、土地情報記憶部1Aに記憶されている土地について、利用者が検索条件として任意に入力した価格等の情報に基づき、合致する基本情報を備えているか否かを判断する。
【0042】
土地情報記憶部1Aに記憶されている土地について、上述した第一乃至第四の機能部から構成される検索処理が適用されることにより、利用者によって指定された間取りの建物が建築可能であって、利用者の希望に沿った土地が絞り込まれる。
【0043】
生成処理部13は、利用者端末2に対して検索結果として提案された土地のうち、利用者によって選択された土地に、指定された間取りを重ねたイメージを生成する処理を実行する。
この処理では、地図情報記憶部1Cが参照され、検索結果の中から利用者が選択した土地について、当該土地が面する道路を含む近隣の地図情報が抽出され、さらに当該地図中の土地上に指定された間取りが重ねられる。利用者端末2上では利用者による操作に基づき、この指定された間取りが土地上で回転可能に構成される。このような利用者端末2上における画面の出力は、具体的にはAjax(エイジャックス)等によって実現される。
【0044】
通信処理部14は、利用者端末2との間でインターネット等のネットワークNWを介し、データの送受信を実行する処理部である。
この通信処理部14により、利用者端末2との間で、間取りの指定に係る情報を受信したり、指定された間取りの建物が建築可能な土地に係る情報を送信したりすることができる。
【0045】
利用者端末2は、不動産情報検索装置1によって提供されるシステムを利用し、所望の不動産情報を検索する利用者が利用する端末である。この利用者端末2は例えば、所謂パーソナルコンピュータ、データの送受信が可能なタブレット型あるいは携帯型端末等によって構成される。
また、この利用者端末2は、データの送受信処理を実行するウェブブラウザ等の通信処理部や、データの入出力を行ためのディスプレイや、タッチパネルあるいはキーボードといった入出力処理部を有している。
【0046】
次に、本実施形態に係る不動産情報検索装置1によって実行される一連の処理について、
図10及び
図11を参照して説明する。
まず、所定のウェブサイト等を介し、利用者端末2から間取りの指定と共に、当該間取りの建物を建築可能な土地の提案依頼を受信する(S101)。
【0047】
この際に利用者端末2上で展開される画面の一例を
図12に示す。
図12の画面例では、間取り情報記憶部1Bに記憶されている間取り情報が参照され、指定可能な間取り情報が列挙されている。
なお、指定可能な間取りは所定の条件入力フォーム等によって、利用者が任意に絞り込むことができるようになっていてもよい。
【0048】
利用者が所望の間取りを指定すると、指定された間取りの建物が建築可能な土地の検索処理が実行される(S102)。
なお、本例においては、土地の提案依頼は、間取りの指定によって自動的に受け付けられるものとして構成されているが、間取りの指定とは別に設けられた所定のボタン等を押下することによって受け付けられるものとすることもできる。
また、図示を省略しているが、土地の基本情報によって検索結果を絞り込めるように、所定の検索条件入力フォームが設けられており、当該入力フォームに検索条件としての基本情報が入力できるようになっている。
【0049】
ここで、利用者によって指定された間取りの建物が建築可能な土地が検索される処理の流れの詳細を
図11に示す。
まず、抽出処理部11により、利用者によって指定された間取りの間取り情報が間取り情報記憶部1Bから抽出される(S201)。
【0050】
間取り情報が抽出されると、検索処理部12は、第四の機能部によって、利用者が希望する基本情報を備えた土地を絞り込む(S202)。ここでは、土地の所在地や値段など、主に利用者都合の条件に合致する土地が絞り込まれる。
さらに、第一の機能部によって、間取りの間取り側条件に合致する土地側条件を備えた土地が絞り込まれる(S203)。ここでは、土地ごとに決められている建ぺい率や容積率といった情報と、各間取りの敷地面積や建築面積といった情報とを対比し、当該建ぺい率や容積率といった制限をオーバーすることなく、指定された間取りの建物が建築可能な土地が絞り込まれる。
【0051】
それから第二の機能部により、上記絞り込まれた土地について、利用者によって指定された間取りに設定されている間取り方角と土地の土地方角とを一致させた状態において、当該間取りの間取り形状が収まる土地形状であるか否かが判断される(S204)。
さらに、土地の土地方角と間取りの間取り方角とを一致させた状態で間取り形状が土地形状に収まらなかった場合には、間取りに設定されている東西南北の向きについて許容可能な角度の範囲で、間取り形状が土地形状に収まるか否かが判断される(S205)。
【0052】
この結果、間取りに設定された許容可能な角度の範囲によっても、間取り形状が土地形状に収まらなかった場合には、当該土地は検索条件を満たさないものとして扱われる(S206)。
一方、S205の処理において、土地の土地方角と間取りの間取り方角とを一致させた状態で間取り形状が土地形状に収まった場合、及び、S206の処理において、間取り方角を許容角度の範囲で傾けた状態で、間取り形状が土地形状に収まった場合には、当該土地は、第二の機能部による処理における検索条件を満たすものと判断される。
【0053】
それから第三の機能部により、上記絞り込まれた土地について、利用者によって指定された間取りが道路に面すべき向きによって接道しつつ、当該間取りの間取り形状が収まる土地形状であるか否かが判断される(S207)。
さらに、土地の接道方向と間取りの設定方向とを一致させた状態で間取り形状が土地形状に収まらなかった場合には、間取りにおける道路の設定方向を許容角度の範囲で傾けた状態で、間取り形状が土地形状に収まるか否かが判断される(S208)。
【0054】
この結果、間取りに設定された許容可能な角度の範囲によっても、間取り形状が土地形状に収まらなかった場合には、当該土地は検索条件を満たさないものとして扱われる(S209)。
一方、S207の処理において、土地の接道方向と間取りの設定方向とを一致させた状態で間取り形状が土地形状に収まった場合、及びS208の処理において、設定方向を許容角度の範囲で傾けた状態で、間取り形状が土地形状に収まった場合には、当該土地は、第三の機能部による処理における検索条件を満たすものと判断される。
【0055】
検索処理部12による検索の結果、利用者によって指定された間取りの建物が建築可能であると共に、利用者の希望に沿った土地が絞り込まれると、当該絞り込まれた土地が一覧的に利用者端末2に対して提示される(S103)。
【0056】
このときの利用者端末2上における画面の一例を
図13に示す。
この画面例では、土地の検索結果が検索結果表示欄102に一覧的に表示されている。また、利用者によって指定された間取りが点線で囲われ、指定されていることが把握可能になっている。さらに、指定された間取りが指定欄101に登録されている。
【0057】
ここで、検索結果として一覧的に提示された複数の土地の中から、一の土地を利用者が選択すると(S104)、
図14に示されるように、土地情報記憶部1A及び地図情報記憶部1Cに記憶されている情報に基づき、指定された土地の周辺地図が表示される。この画面例は、利用者によって検索結果表示欄102中の筆頭の土地が指定された状態を示しており(
図14では、区画番号「1761−1」が指定された状態を示す)、指定された土地は地図上、点線状の太線で囲われている。また、検索結果表示欄102では、指定された土地が太字化され、指定されていることが把握可能になっている。
【0058】
ここで、指定欄101には、利用者が指定した間取り101aと共に、模式的な車101bのオブジェクトが合わせて表示される。なお、車101bの絵柄は本例では2台分表示されているが、本発明の実施において特に台数は限定されない。
利用者端末2上において、指定欄101中に表示された間取り101aと車101bは選択可能に構成されている。そして、利用者によるドラッグアンドドロップの操作に応じて間取り101aや車101bが、利用者によって選択されて地図表示されている土地上に配置させられると、生成処理部13が当該選択された土地上に間取り101aや車101bを配置したイメージを生成する(S105)。
【0059】
図15は、指定欄101中の間取り101aが選択された土地上に配置された状態を示している。ここで、間取り101aは利用者端末2を介した利用者による操作に従って、当該選択された土地上で回転可能に構成されている。
【0060】
図16は、利用者の操作によって土地上で間取りが回転させられ、間取りに予め設定されている許容角度の範囲において、間取り形状が土地形状に収まった状態を示している。
なお、不動産情報検索装置1の機能により、利用者によって土地が選択されたときに、間取り形状を適宜、自動的に回転させて、利用者が指定した間取りの間取り形状が選択された土地形状に収まった状態で表示するようにしてもよい。
【0061】
図17は、利用者端末2を介した利用者による操作に従って、選択された土地上に間取り101aと車101bが配置された状態を示している。
これにより、利用者は所望の間取りについて、検索結果として提案された土地上でどのように収まるかを把握することができると共に、車をどのように配置することができるかのシミュレーションを行うことができる。
【0062】
また、このウェブページ上には、利用者による操作に応じて土地上に建物の間取りや車が配置されたイメージをPDF等のフォーマットでダウンロードするボタンが設けられており、利用者はこれを適宜、ダウンロードし、いつでも参考にすることができる。
【0063】
以上の本実施形態に係る不動産情報検索装置1によれば、利用者が指定した間取りについて、間取りに設定されている東西南北の向きや、間取りが道路に面すべき向きといった要素を勘案して、当該利用者が指定した間取りの建物が現実的に建築可能な土地だけが一括して提案される。また、検索結果として示された土地の中から利用者が選択した土地上で間取りを操作することができるため、建物の配置に関する利用者の細かな希望に沿って、建物を建築した際のイメージをより具体的に把握することができる。
【0064】
なお、本実施形態においては、土地の検索結果を一覧的に提示した後、利用者による指定や操作に基づいて、利用者が所望する間取りを土地上に配置するものとしたが、これに限らず、検索結果として出力された土地の中から任意の土地を自動的に選択すると共に、当該選択した土地上に、土地と間取りの形状に合わせて間取りを自動配置した上、これを検索結果として利用者に提示するようにすることもできる。
【0065】
また、本実施形態においては、間取りと土地は二次元的なイメージとして利用者端末2に提供しているが、これにかかわらず、三次元的なイメージを生成して利用者に提供するようにしてもよい。このような三次元的なイメージの生成は例えば、土地が未造成の傾斜地である場合に、造成後の土地のイメージを生成すると共に、当該造成後のイメージの土地上に間取りを配置する場合に有用である。また、周辺環境、例えば隣接家屋の利用状況イメージを三次元的に生成することにより、建物の建築後のイメージをよりリアルなものとすることができる。
【0066】
また、第四の機能部において、利用者が検索条件として指定できる土地の基本情報ついては、最寄駅からの距離やスーパーマーケット等が近所にあるかないかといった周辺環境、土地の価格など、各種の項目が設定できるようになっていてもよい。また、検索条件としての価格については、土地の価格のみならず、利用者によって指定された間取りの建物の建築費用と土地の価格を合わせた合計価格であってもよいし、利用者に対して設定され得るローンを加味した価格などであってもよい。合計価格の場合は、間取りごとに設定された建築費用を予め記憶部に登録しておき、利用者の検索に応じて、当該建築費用を抽出すると共に、土地の価格と合算し、利用者が指定する価格以内の合計価格に当てはまる土地を検索するとよい。
さらに、検索結果では、検索条件の一致率の高いものから順に一覧的に表示したり、一致率の低いもの検索条件の一部が一致しないものは提案という形で併せて表示したりしてもよい。
【実施例2】
【0067】
本発明の第二の実施形態では、利用者が望む土地に建築可能な間取りを検索し、その検索結果によって間取りを提案する。
この第二の実施形態は、第一の実施形態と同様の機能部を有する不動産情報検索装置1によって実現される。即ち、本例においても、不動産情報検索装置1は、土地情報記憶部1A、間取り情報記憶部1B、地図情報記憶部1C、抽出処理部11、検索処理部12、生成処理部13、及び通信処理部14からなる機能ブロックを構成する。なお、本例において、各機能部によって実行される機能のうち、第一の実施形態において説明した機能の説明は省略する。また、利用者端末2の構成及び機能についても第一の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0068】
抽出処理部11は本例において、利用者による土地の指定に基づき、土地情報記憶部1Aを参照して、指定された土地の土地情報を抽出する処理を実行する。
【0069】
検索処理部12は、抽出処理部11によって抽出された土地情報に基づき、間取り情報記憶部1Bを参照して、利用者によって指定された土地に建築可能な建物の間取りを検索する処理を実行する。
この検索処理部12は第一の機能部、第二の機能部、第三の機能部、及び第四の機能部から構成され、利用者からの検索要求に応じ、間取り情報記憶部1Bを参照して、利用者の検索要求に応じた間取りを検索する。
【0070】
具体的に、第一の機能部は、間取り情報記憶部1Bに記憶されている間取りについて、利用者によって指定された土地の土地側条件に合致する間取り側条件を備えているか否かを判断する。
【0071】
また、第二の機能部は、間取り情報記憶部1Bに記憶されている間取りについて、利用者によって指定された土地に設定されている土地方角と間取りに設定されている間取り方角とを一致させた状態で、当該間取りの間取り形状が当該土地の土地形状に収まるか否かを判断する。この第二の機能部はさらに、間取り形状が土地形状に収まるか否かを判断する際に、間取りに設定されている東西南北の向きについて許容可能な角度の範囲で収まるか否かを判断することができる。
【0072】
また、第三の機能部は、間取り情報記憶部1Bに記憶されている間取りについて、利用者によって指定された土地の接道方向と間取りに設定されている道路の設定方向とを一致させた状態で、当該間取りの間取り形状が当該土地の土地形状に収まるか否かを判断する。この第三の機能部はさらに、当該間取りの間取り形状が土地形状に収まるか否かを判断する際に、間取りが道路に面すべき向きについて許容可能な角度の範囲で収まるか否かを判断することができる。
【0073】
さらに、第四の機能部は、間取り情報記憶部1Bに記憶されている間取りについて、利用者が検索条件として任意に入力した価格等の情報に基づき、合致する基本情報を備えているか否かを判断する。
【0074】
間取り情報記憶部1Bに記憶されている間取りについて、上述した第一乃至第四の機能部から構成される検索処理が適用されることにより、利用者によって指定された土地に建築可能な建物の間取りであって、利用者の希望に沿った間取りが絞り込まれる。
【0075】
生成処理部13は、利用者端末2に対して検索結果として提案された間取りのうち、利用者によって選択された間取りを、指定された土地に重ねたイメージを生成する処理を実行する。
この処理では、地図情報記憶部1Cが参照され、検索結果の中から利用者が指定した土地について、当該土地が面する道路を含む近隣の地図情報が抽出され、さらに当該地図中の土地上に選択された間取りが重ねられる。利用者端末2上では利用者による操作に基づき、この選択された間取りが土地上で回転可能に構成される。このような利用者端末2上における画面の出力は、具体的にはAjax(エイジャックス)等によって実現される。
【0076】
次に、本実施形態に係る不動産情報検索装置1によって実行される一連の処理について、
図18及び
図19を参照して説明する。
まず、所定のウェブサイト等を介し、利用者端末2から土地の指定と共に、当該土地に建築可能な建物の間取りの提案依頼を受信する(S301)。
【0077】
この際に利用者端末2上で展開される画面の一例を
図20に示す。
図20の画面例では、土地情報記憶部1A及び地図情報記憶部1Cに記憶されている土地情報及び地図情報に基づき、利用者が指定した土地とその周辺の地図が表示されている。
【0078】
利用者が土地を指定すると、指定された土地に建築可能な建物の間取りの検索処理が実行される(S302)。
なお、本例においては、間取りの提案依頼は、土地の指定によって自動的に受け付けられるものとして構成されているが、土地の指定とは別に設けられた所定のボタン等を押下することによって受け付けられるものとすることもできる。また、土地の住所による入力など、各種の態様により土地を指定することもできる。
また、図示を省略しているが、間取りの基本情報によって検索結果を絞り込めるように、所定の検索条件入力フォームが設けられており、当該入力フォームに検索条件としての基本情報が入力できるようになっている。
【0079】
ここで、利用者によって指定された土地に建築可能な建物の間取りが検索される処理の流れの詳細を
図19に示す。
まず、抽出処理部11により、利用者によって指定された土地の土地情報が土地情報記憶部1Aから抽出される(S401)。
【0080】
土地情報が抽出されると、検索処理部12は、第四の機能部によって、利用者が希望する基本情報を備えた間取りを絞り込む(S402)。ここでは、間取りの供給メーカーや値段など、主に利用者都合の条件に合致する間取りが絞り込まれる。
さらに、第一の機能部によって、土地の土地側条件に合致する間取り側条件を備えた間取りが絞り込まれる(S403)。ここでは、土地ごとに決められている建ぺい率や容積率といった情報と、間取りごとの敷地面積や建築面積といった情報とを対比し、当該建ぺい率や容積率といった制限をオーバーすることなく、指定された土地に建築可能な建物の間取りが絞り込まれる。
【0081】
それから第二の機能部により、上記絞り込まれた間取りについて、利用者によって指定された土地の土地方角と間取りの間取り方角とを一致させた状態において、当該間取りの間取り形状が収まる土地形状であるか否かが判断される(S404)。
さらに、土地の土地方角と間取りの間取り方角とを一致させた状態で間取り形状が土地形状に収まらなかった場合には、間取りに設定されている東西南北の向きについて許容可能な角度の範囲で、間取り形状が土地形状に収まるか否かが判断される(S405)。
【0082】
この結果、間取りに設定された許容可能な角度の範囲によっても、間取り形状が土地形状に収まらなかった場合には、当該間取りは検索条件を満たさないものとして扱われる(S406)。
一方、S405の処理において、土地の土地方角と間取りの間取り方角とを一致させた状態で間取り形状が土地形状に収まった場合、及び、S406の処理において、間取り方角を許容角度の範囲で傾けた状態で、間取り形状が土地形状に収まった場合には、当該間取りは、第二の機能部による処理における検索条件を満たすものと判断される。
【0083】
それから第三の機能部により、上記絞り込まれた間取りについて、利用者によって指定された土地の接道方向と間取りの道路の設定方向とが一致した状態において、当該間取りの間取り形状が収まる土地形状であるか否かが判断される(S407)。
さらに、土地の接道方向と間取りの設定方向とを一致させた状態で間取り形状が土地形状に収まらなかった場合には、間取りにおける道路の設定方向を許容角度の範囲で傾けた状態で、間取り形状が土地形状に収まるか否かが判断される(S408)。
【0084】
この結果、間取りに設定された許容可能な角度の範囲によっても、間取り形状が土地形状に収まらなかった場合には、当該間取りは検索条件を満たさないものとして扱われる(S409)。
一方、S407の処理において、土地の接道方向と間取りの設定方向とを一致させた状態で間取り形状が土地形状に収まった場合、及びS408の処理において、設定方向を許容角度の範囲で傾けた状態で、間取り形状が土地形状に収まった場合には、当該間取りは、第三の機能部による処理における検索条件を満たすものと判断される。
【0085】
検索処理部12による検索の結果、利用者によって指定された土地に建築可能な建物の間取りであると共に、利用者の希望に沿った間取りが絞り込まれると、当該絞り込まれた間取りが一覧的に利用者端末2に対して提示される(S303)。
【0086】
このときの利用者端末2上における画面の一例を
図21に示す。
この画面例では、間取りの検索結果が一覧的に表示されている。また、利用者によって指定された土地が太い点線で囲われ(
図21では区画番号「176−1」が指定された状態を示す)、指定されていることが把握可能になっている。
【0087】
ここで、検索結果として一覧的に提示された複数の間取りの中から、一の間取りを利用者が選択すると(S304)、
図22に示されるように、指定欄101に、利用者が選択した間取り101aと共に、模式的な車101bのオブジェクトが合わせて表示される。
利用者端末2上において、指定欄101中に表示された間取り101aと車101bは選択可能に構成されている。利用者によるドラッグアンドドロップの操作に応じて間取り101aや車101bが土地上に配置させられると、生成処理部13が当該土地上に間取り101aや車101bを配置したイメージを生成する(S305)。
【0088】
図23は、指定欄101中の間取り101aが、指定された土地上に配置された状態を示している。ここで、間取り101aは利用者端末2を介した利用者による操作に従って、当該指定された土地上で回転可能に構成されている。
【0089】
図24は、利用者の操作によって土地上で間取りが回転させられ、間取りに予め設定されている許容角度の範囲において、間取り形状が土地形状に収まった状態を示している。
なお、不動産情報検索装置1の機能により、利用者によって間取りが選択されたときに、間取り形状を適宜、自動的に回転させて、利用者が選択した間取りの間取り形状が指定された土地形状に収まった状態で表示するようにしてもよい。
【0090】
図25は、利用者端末2を介した利用者による操作に従って、土地上に選択された間取り101aと車101bが配置された状態を示している。
これにより、利用者は所望の土地について、検索結果として提案された間取りがどのように収まるかを把握することができると共に、車をどのように配置することができるかのシミュレーションを行うことができる。
【0091】
なお、第一の実施形態と同様、このウェブページ上には、利用者による操作に応じて土地上に建物の間取りや車が配置されたイメージをPDF等のフォーマットでダウンロードするボタンが設けられており、利用者はこれを適宜、ダウンロードし、いつでも参考にすることができる。
【0092】
以上の本実施形態に係る不動産情報検索装置1によれば、利用者が指定した土地について、間取りに設定されている東西南北の向きや、間取りが道路に面すべき向きといった要素を勘案して、当該利用者が指定した土地上に現実的に建築可能な建物の間取りだけが一括して提案される。また、検索結果として示された間取りの中から利用者が選択した間取りを土地上で操作することができるため、建物の配置に関する利用者の細かな希望に沿って、建物を建築した際のイメージをより具体的に把握することができる。
【0093】
なお、本実施形態においても、検索結果として出力された間取りの中の任意の間取りを土地上に自動配置し、これを検索結果として利用者に提示するようにすることもできる。
また、間取りと土地について三次元的なイメージを生成して利用者に提供するようにしてもよいし、検索結果では、検索条件の一致率の高いものから順に一覧的に表示したり、一致率の低いもの検索条件の一部が一致しないものは提案という形で併せて表示したりしてもよい。
【0094】
また、本発明は、土地上に建築可能な建物を把握したり、あるいは所定の建物を建築可能な土地を把握したりするものであることから、本発明における建物の間取りは、室内の部屋割り等を定めていない外観デザインあるいは建築デザインであってもよい。そのような外観デザインあるいは建築デザインに係る間取りであっても、窓や玄関、日照を受ける方位などにより、当該間取りに好適な東西南北の方角や道路に面すべき向きは必然的に決定されるし、建物の平面形状も把握可能であるから、本発明の実施形態に係る不動産情報検索装置1による処理の対象となり得る。