特許第6386050号(P6386050)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6386050金属ブレード補強材の高温成形のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386050
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】金属ブレード補強材の高温成形のための方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 53/78 20060101AFI20180827BHJP
   B21D 37/18 20060101ALI20180827BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20180827BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20180827BHJP
   F02K 3/06 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   B21D53/78
   B21D37/18
   F01D25/00 L
   F01D25/00 X
   F02C7/00 D
   F02C7/00 C
   F02C7/00 F
   F02K3/06
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-537362(P2016-537362)
(86)(22)【出願日】2014年8月25日
(65)【公表番号】特表2016-530104(P2016-530104A)
(43)【公表日】2016年9月29日
(86)【国際出願番号】FR2014052117
(87)【国際公開番号】WO2015028750
(87)【国際公開日】20150305
【審査請求日】2017年7月31日
(31)【優先権主張番号】1358360
(32)【優先日】2013年9月2日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516227272
【氏名又は名称】サフラン・エアクラフト・エンジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アブスフィアン,ジャック
(72)【発明者】
【氏名】ボッセリュ,アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】クラン,ジル・シャルル・カジミール
【審査官】 貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0089428(US,A1)
【文献】 特開2010−116856(JP,A)
【文献】 特開2009−28734(JP,A)
【文献】 特開2006−297482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 53/78
B21D 37/18
F01D 25/00
F02C 7/00
F02K 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノーズ(36)から延在する2つの側部フィン(32、34)を含む予め成形された金属部品(30)を高温成形するために適する成形工具を使用する成形方法であって、
前記予め成形された金属部品を前記工具の第1の底部金型(42)の中に設置するステップと、
前記予め成形された金属部品を第1の可動中央インサート(44)によって、第1の所定の位置に保持するステップと、
第1の可動頂部金型(46)によって、前記予め成形された金属部品の前記側部フィンの一方(34)を前記ノーズと一直線になる最終的な形状に形成するステップと、
そのように最終的な形状に成形される前記側部フィンの1つを含む前記予め成形された金属部品をひっくり返すステップと、
前記予め成形された金属部品を前記工具の第2の底部金型(52)の中に配置するステップと、
第2の可動中央インサート(54)によって、前記予め成形された金属部品を第2の所定の位置に保持するステップと、第2の可動頂部金型(56)によって、前記予め成形された金属部品の前記側部フィンの他方の1つ(32)を前記ノーズと一直線になる最終的な形状に成形するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
第1の所定の位置に保持する前記ステップが、前記第1の可動中央インサートを第1の軸線(48A)に沿って移動することによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の成形方法。
【請求項3】
前記予め成形された金属部品の前記側部フィンの一方を成形する前記ステップが、前記第1の可動頂部金型を第2の軸線(48B)に沿って移動することによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の成形方法。
【請求項4】
第2の所定の位置に保持する前記ステップが、前記第2の可動中央インサートを第3の軸線(58A)に沿って移動することによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の成形方法。
【請求項5】
前記第2の可動中央インサートが移動される前記軸線が、前記側部フィンの間の中央平面に概ね相当することを特徴とする、請求項4に記載の成形方法。
【請求項6】
前記予め成形された金属部品の前記側部フィンの他方の1つを成形する前記ステップが、前記第2の可動頂部金型を第4の軸線(58B)に沿って移動することによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の成形方法。
【請求項7】
前記第1の可動頂部金型および前記第2の可動頂部金型がそれぞれ沿って移動される前記第2の軸線および前記第4の軸線が、同一であることを特徴とする、請求項6および3に記載の成形方法。
【請求項8】
前記予め成形された金属部品を前記成形工具から取り出す場合、引抜きを容易にするために、前記第2の可動中央インサートが、窒化ホウ素の保護層の中に被覆されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の成形方法。
【請求項9】
予め成形された金属部品を高温成形するために適する成形工具であって、
前記予め成形された金属部品を設置する第1の底部金型(42)と、
前記予め成形された金属部品を第1の所定の位置に保持するための第1の可動中央インサート(44)と、
前記ノーズと一直線になる最終的な形状に前記予め成形された金属部品の前記側部フィンの一方(34)を形成するための第1の可動頂部金型(46)と、
ひっくり返される後、前記予め成形された金属部品が設置される第2の底部金型(52)と、
前記予め成形された金属部品を第2の所定の位置に保持するための第2の可動中央インサート(54)と、
前記予め成形された金属部品の前記側部フィンの他方の1つ(32)を前記ノーズと一直線になる最終的な形状に成形するための第2の可動頂部金型(56)と、
を含む成形工具。
【請求項10】
前記第2の可動中央インサートが、窒化ホウ素の保護層の中に被覆されることを特徴とする、請求項9に記載の成形工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、タービンエンジン分野であり、特に複合材料でできた、金属構造補強材を含む前縁を有するタービンエンジンファンブレードの分野であり、したがって、本発明は、より詳細には、例えば複合材料でできたタービンエンジンブレードの前縁用金属構造補強材など、金属部品を高温成形する方法に関する。
【0002】
それでも、本発明は、複雑な幾何形状の任意の部品の作製、並びに任意のタイプの陸上または航空タービンエンジン用、および特にヘリコプターのターボシャフトエンジン用、またはターボジェット航空機用ブレードの前縁または後縁を補強するための金属補強材の作製に等しく適用可能である。
【背景技術】
【0003】
出願人の名で出願された文献、欧州特許第1908919号明細書に記載されるように、ブレードの最大限の高さの上方に、その前縁を越えて延在する金属構造補強材を含む複合材料からできているタービンエンジンファンブレードを提供することが公知である。そのような補強材は、例えば鳥、霰、または実際の砂粒など、異物がファンに衝突する場合に複合材ブレードを保護することができる。
【0004】
特に、金属構造補強材は、層間剥離の任意の危険性、繊維破断の任意の危険性、または繊維と母材との間の結合力の損失による実際の損傷を回避することによって、複合材ブレードの前縁を保護する。公知の方法では、あるいは、補強材は完全にチタニウムの塊をミル加工することによって作製されるが、それには高い製造コストを意味する、多くの再加工作業および複雑な工具が必要であり、それとも、出願人の名で出願された仏国特許発明第2961866号明細書の中に特に記載されるように、鍛造ステップの連続によって簡単な金属バーから得られるプリフォームから作製される。
【0005】
それでも、補強材のアンダーカットの存在を考えると、最後の鍛造ステップは特に実施するには困難である。そういうわけで、出願人は、仏国特許発明第2965496号明細書の中に記載される高温成形用「多重効果」工具を発展させてきており、それによって、高温、すなわち850℃を超える(チタニウムから補強材を作製するためには約940℃)状態下で、費用のかからない単一効果プレス(すなわち、1つだけの作業軸線上での操作)によって三次元に(すなわち、同時に異なる方向に)変形を実施することができる。
【0006】
その方法は、速度および容易さの観点から概ね満足のいくものであるが、しかしそれでも、工具を閉鎖するために関係する必要がある移動方法の結果として、やはり若干の欠点が存在する。その結果として、作製されるべき部品が、工具内で不適当に配置される可能性があり、型から外す間、凹所から部品を取り外すことがやはり容易ではなく、それによって部品が変形されることにつながる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第1908919号明細書
【特許文献2】仏国特許発明第2961866号明細書
【特許文献3】仏国特許発明第2965496号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明の主な目的は、ノーズから延在する2つの側部フィンを含む予め成形された金属部品を成形し、成形工具を使用する成形方法であって、予め成形された金属部品を前記工具の第1の底部金型の中に設置するステップと、前記予め成形された金属部品を第1の可動中央インサートによって、第1の所定の位置に保持するステップと、第1の可動頂部金型を第1の軸線に沿って移動させることによって、前記予め成形された金属部品の前記側部フィンの一方を前記ノーズと一直線になる最終的な形状に形成するステップと、そのように最終的な形状に成形される前記側部フィンの1つを含む前記予め成形された金属部品をひっくり返すステップと、前記予め成形された金属部品を前記工具の第2の底部金型の中に設置するステップと、第2の可動中央インサートによって、前記予め成形された金属部品を第2の所定の位置に保持するステップと、第2の可動頂部金型を第2の軸線に沿って移動させることによって、前記予め成形された金属部品の前記側部フィンの他方の1つを前記ノーズと一直線になる最終的な形状に成形するステップとを含む方法を提案することによってそのような欠点を軽減することである。
【0009】
したがって、2つの側部フィンを最終的な形状に成形する前に、所定の位置に部品をブロックすることによって、従来技術の工具に観察される移動を回避する。
【0010】
好適には、第1の所定の位置に保持する前記ステップが、第1の可動中央インサートを第1の軸線に沿って移動することによって実施される。
【0011】
有利なことに、第2の所定の位置に保持する前記ステップが、第2の可動中央インサートを第2の軸線に沿って移動することによって実施される。前記第2の可動中央インサートが移動される前記軸線が、前記側部フィンの間の中央平面に概ね相当する。
【0012】
好適には、前記予め成形された金属部品を前記成形工具から取り出す場合、引抜きを容易にするために、前記第2の可動中央インサートが、窒化ホウ素の保護層の中に被覆される。
【0013】
本発明は、上記に特定される成形方法によって得られる予め成形された金属部品の高温成形に適する成形工具をさらに提供する。
【0014】
本発明の他の特徴および利点が、限定しない特徴を含む一実施形態を示す、添付の図面を参照して成される以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】複合材料でできているファンブレードの前縁の断面図であり、金属構造補強材を示す図である。
図2】本発明の成形方法を実施する前に、図1の金属構造補強材を作製するために使用される予め成形された金属部品の斜視図である。
図3】本発明の成形方法を実施するために使用される成形工具の相当する配置を示す図である。
図4】本発明の成形方法を実施するために使用される成形工具の相当する配置を示す図である。
図5】本発明の成形方法を実施するために使用される成形工具の相当する配置を示す図である。
図6】本発明の成形方法を実施するために使用される成形工具の相当する配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の成形方法によって得られる、前縁のための金属構造補強材を含む複合材ブレードの部分図である。
【0017】
実施例として、図示されるブレード10は、ブレード根元からブレード先端まで前縁と後縁との間に延在し、織物複合材料を被覆(充填、接着)することによって通常は得られる、タービンエンジン(図示せず)のファンブレードである。実施例として、使用される複合材料は、織物炭素繊維および母材樹脂のアセンブリによって構成されることができ、そのアセンブリは、樹脂トランスファ成形(RTM)タイプの従来の樹脂真空射出方法を使用して成形することによって形成される。
【0018】
圧迫側面12および吸込み側面14が、ブレード10の前縁16および後縁(図示せず)に相互連結するブレード10の側部面を形成する。公知の様式で、ブレード10は、好適にはチタニウム系(衝撃によるエネルギーを吸収する能力に優れているので)の金属構造補強材18を含み、その補強材は、補強材が密接して嵌合する前縁16に接着され、強化前縁20を形成するように延在する。金属構造補強材は、例えば、シアノアクリル(cyano−acrylic)接着剤または実際のエポキシ接着剤など、当業者に公知の接着剤を使用することによってブレード10上に接着される。
【0019】
便利な様式では、金属構造補強材18は、前縁20を形成する基部22を提供する略V字形部分を有する単体であり、ブレード10の圧迫側12および吸込み側14の上方にそれぞれ密接して嵌合される2つの側方フランク24および26によって延伸される。フランク24および26は、ブレードの後縁の方へ向かうテーパ型または薄い輪郭を提供する。基部22は、ブレード10の前縁16の丸みを帯びた形状に密接して嵌合するために適する丸みを帯びた内側輪郭28を有する。
【0020】
本発明の成形方法は、図2の斜視図に示される予め成形された金属部品30から開始して、図1に示される金属構造補強材(補強材は、タービンエンジンファンブレード10上に取り付けられている最終的な状態で示されている)の準備を終了させることを可能にする。
【0021】
前述の仏国特許発明第2961866号明細書の方法の最初のステップから公知のように、予め成形された金属部品30は、所望のブレードの機能である金属バーの円弧形断面、直径および長さから得られる。バーは、700℃から940℃の範囲(バーがチタニウムでできている場合)にある温度で等温プレスを使用することによって、二重キャンバーを形成するために最初に、2方向に変形される。その後、このようにして曲げられたバーは、約940℃の温度で油圧プレスまたはねじプレスによって型押しされて、その後1つのパンチ(または、押し出される材料の量に特に依存して、複数のパンチ)によって、間接押出法によって成形されるが、その鋳型は、金属補強材18の基部22の内側輪郭28の最終的な内側形状に相当するV字形、すなわちブレード10の前縁16の形状に補完的である丸みを帯びた形状を有する。
【0022】
本発明の成形方法より前に、これらのステップの終わりに、予め成形された金属部品30は、間に60°から90°の範囲の角度を成し、金属構造補強材18の基部22の最終的形状に概ね相当する固体ノーズ36から延在する、2つの側部フィン32、34を含む略V字形(またはより正確にはY字形)の製作中間体である。側部フィンの厚さは、ブレードの圧迫側面および吸込み側面が一致するように、ノーズから離れて行くにつれて先細になる輪郭を提供する。
【0023】
この部品30の端部で、最初の金属バーから由来するスタッド38A、38Bが、その部品の取り扱いを容易にする。
【0024】
図3から図6は、前述のステップによって得られる予め成形された金属部品30から金属構造補強材18を成形する様々なステップを示し、成形は高温で部品を成形する(形成または鍛造する)ために適する成形工具を使用して実施される。この工具の目的は、側部フィン32および34を互いに向かって移動させて、側部フィン32および34がそれらの間に形成する角度を減少させて、所望の最終的形状を得ることである。密閉筐体(図示せず)の中に、約920℃の温度(プラスまたはマイナス20℃)で、方法は、底部金型42、52、可動中央インサート44、54および可動頂部金型46、56をそれぞれ備える第1のセット40および第2のセット50を連続して使用する。
【0025】
図3に示すように、予め成形された金属部品30は、最初に底部金型42の中に設置され、予め成形された金属部品30はその内側輪郭に密接して嵌合し、次いで可動中央インサート44が、ノーズ36の内側部分に接触するまで軸線48A(図面では水平)に沿って移動され、この第1の位置で予め成形された金属部品30は、第1の側部フィン32を可動中央インサートおよび底部金型に対してブロックすることによって定位置に保持される。
【0026】
図4は、頂部金型46が軸線48B(図面では垂直)に沿って移動され、その結果、第1のセット40を閉鎖することによって、頂部金型46は第2の側部フィン34を可動中央インサート44に対して成形する、本発明の方法の以下のステップを示す。これを実施するために、可動中央インサートの頂部壁44Aおよび可動頂部金型の底部壁46Aが、予め成形された金属部品の第2の側部フィン34を最終的形状に、すなわちノーズ36と一直線になるように成形するために必要な間隙だけをそれらの間に残すように成形される向かい合う面を提供する。
【0027】
第1の側部フィン32を成形するために、第2の側部フィン34を成形する中間ステップで得られる予め成形された金属部品をひっくり返し、図5に示すように、第2の側部フィン34がその内側輪郭に一致する成形工具の第2の底部側部52の中にその金属部品を設置することが必要である。次いで可動中央インサート54が、ノーズ36の内側部分に接触するまで、軸線58A(側部フィンの間の概ね中央平面にあり、したがって図面の中で上方へ傾斜している)に沿って移動され、その結果、この第2の位置で、予め成形された金属部品30は、その以前に成形された第2の側部フィン34を可動中央インサートと底部金型52との間にブロックすることによって、定位置に保持される。この目的のために、向かい合っている可動中央インサートの面54Aと底部金型の面52Aとは、それらの間に第2の側部フィンを受けるために必要な間隙だけを残すように、当然ながら成形される。
【0028】
図6は、頂部金型56が軸線58B(図面では垂直)に沿って移動され、その結果、第2のセット50を閉鎖することによって、頂部金型56は第1の側部フィン32を可動中央インサート54に対して成形するようになる、本発明の方法の最後のステップを示す。これを実施するために、可動中央インサートの頂部壁54Bおよび可動頂部金型の底部壁56Aが、予め成形された金属部品の第1の側部フィン32を最終的形状に、すなわちノーズ36と一直線になるように成形するために必要な間隙だけをそれらの間に残すように成形される向かい合う面を提供する。工具は、部品が弾性的に後ろに移動する任意の危険性を回避するために、数分間部品に対して閉じた状態に維持される。
【0029】
これらの成形ステップの最後に、予め成形された金属部品30は、基部22から延在し、その間に技術的な詳細によって要求される最終的な角度を提供する2つの側方フランク24、26を含む、金属構造補強材18の最終的なY字形を提供する。次いで、残っている成すべきすべてのことは、予め成形された金属部品を第2のセット50から引き抜くために、各軸線58Bおよび58Aに沿って(以前にそれらを移動したのとは反対方向へ)、可動頂部金型および可動中央インサート54を続けて移動することによって金属構造補強材を取り出す(好適には高温の間に)ことであり、次いで、使用の準備ができた金属構造補強材を得るために、この部品の2つの端部でスタッドを切り取ることである。可動中央インサート54が複数の部分を備える場合、頂部金型を移動する前に可動中央インサート54は引き抜かれる。この取り出しは、可動中央インサート上に窒化ホウ素の保護層を付着させることによって、および個別に引き抜くために適するように複数の部分として可動中央インサートを作製することによって、より容易になる。必要な場合、その利用に応じて、この取り出しに続いて、金属構造補強材を磨くステップが実施され得る。
【0030】
本発明の方法は、チタニウム系金属構造補強材について主に説明されるが、ニッケル系または実際には鋼鉄系材料にも、これら合金に適する温度を使用することによって、当然のことながら等しく応用され得ることに注視するべきである。
【0031】
本発明は、複合材料でできたタービンエンジンブレード用金属補強材を成形することに関してより詳細に説明されるが、金属でできたタービンエンジンブレード用金属補強材にもやはり適用することが明白であることにもさらに注視するべきである。同様に、本発明は、タービンエンジンブレードの前縁用金属補強材に関連してより詳細に説明されるが、タービンエンジンブレードの後縁用金属補強材を作製することにもやはり適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6