特許第6386053号(P6386053)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アモーレパシフィックの特許一覧

特許638605321‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3を含む発毛または育毛促進用組成物
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386053
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3を含む発毛または育毛促進用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/63 20060101AFI20180827BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20180827BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20180827BHJP
   A61K 31/215 20060101ALI20180827BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20180827BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20180827BHJP
   A61K 36/82 20060101ALI20180827BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20180827BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20180827BHJP
【FI】
   A61K8/63
   A61K8/9789
   A61Q7/00
   A61P17/14
   A61K31/215
   A61Q5/02
   A61Q5/00
   A61K36/82
   A23L33/105
   A23L33/10
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-538842(P2016-538842)
(86)(22)【出願日】2014年8月21日
(65)【公表番号】特表2016-529287(P2016-529287A)
(43)【公表日】2016年9月23日
(86)【国際出願番号】KR2014007768
(87)【国際公開番号】WO2015030422
(87)【国際公開日】20150305
【審査請求日】2017年6月28日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0104230
(32)【優先日】2013年8月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506213681
【氏名又は名称】アモーレパシフィック コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホン, ヨン ドク
(72)【発明者】
【氏名】コ, ジェ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】シン, ソン ソク
(72)【発明者】
【氏名】パク, ヨン ホ
【審査官】 駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/027984(WO,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2010−0029369(KR,A)
【文献】 国際公開第2005/034938(WO,A1)
【文献】 特表2003−528898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
A61P1/00−43/00、171
A61K31/00−31/327
A61K 36/00−36/05
A61K 36/07−36/9068
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノール(21‐O‐angeloyltheasapogenol)E3を有効成分として含有する組成物であって、
前記組成物は、前記21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノール(21‐O‐angeloyltheasapogenol)E3を、前記組成物の総重量を基準として、0.001〜20重量%含有する、発毛または育毛促進用組成物。
【請求項2】
前記21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3は、下記化学式2で表されるものである、請求項に記載の発毛または育毛促進用組成物。
【化1】
【請求項3】
前記有効成分は、緑茶サポニンから由来したものである、請求項1に記載の発毛または育毛促進用組成物。
【請求項4】
前記組成物は、毛嚢毛乳頭細胞を増殖させる効果を有するものである、請求項1に記載の発毛または育毛促進用組成物。
【請求項5】
前記組成物は、PGE2、IL‐6またはIL‐8の生成を抑制する効果を有するものである、請求項1に記載の発毛または育毛促進用組成物。
【請求項6】
前記組成物は、化粧料組成物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の発毛または育毛促進用組成物。
【請求項7】
前記組成物は、薬学組成物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の発毛または育毛促進用組成物。
【請求項8】
前記組成物は、食品組成物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の発毛または育毛促進用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一側面において、発毛または育毛促進用組成物に関し、他の一側面において、21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノール(21‐O‐angeloyltheasapogenol)E3を含み、毛髪の周期のうち休止期から成長期へ移行する周期を短縮させて毛髪の成長を促進させる発毛または育毛促進用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
脱毛の原因としては、男性ホルモン作用過剰説、皮脂分泌過剰説、血液循環不良説、過酸化物、細菌等による頭皮機能低下説、遺伝的要因、老化、ストレス等が議論されている。これに加え、社会的ストレスの増加とともに、環境汚染およびインスタント食品等の西欧化された食習慣、頻繁なパーマや染色等により脱毛人口が次第に増加している。毛髪の周期は、毛髪を成長させる成長期(anagen)、成長を終了し、毛球部が縮小する時期である退行期(catagen)、毛乳頭が活動を停止し、毛髪を頭皮に留まらせる時期である休止期(talogen)、毛乳頭が活動を開始し、または新たな毛髪を発生させて、古い毛髪を脱毛させる時期である発生期に分けることができる。
【0003】
成長期(Anagen Stage;2〜7年)は、毛髪が成長する期間で、再び毛髪が毛球から毛包に出ようとする毛髪生成段階と、硬いケラチンが毛嚢の中で作られる段階とに分けられる。毛髪は、退行期まで自己成長を続ける。退行期(Catagen Stage;2〜3週間)は、成長期が終わり、毛髪の形態を維持しつつ代謝過程が遅くなる時期で、この段階では、ケラチンを作り出さない。退行期は、毛髪全体の1%を占める。このとき、毛球部が収縮して毛乳頭から分かれ、毛嚢に覆われて上方に上がっていき、細胞分裂は停止状態となる。休止期(Talogen Stage;3ヶ月)は、毛乳頭が萎縮し、毛嚢が徐々に萎びていき、毛根が上方に押し上げられて抜ける。毛髪がなくなる時期であり、次の成長期段階が始まるまでの寿命は、3〜4ヶ月である。
【0004】
正常な人の場合、成長期状態の毛髪が多いのに比べ、脱毛症(Alopecia)の人は、休止期状態の毛髪が多く、目に見える脱毛現象が現れるようになる。脱毛が進行するほど成長期の期間が短くなり、これにより、毛髪はますます小型化する。したがって、脱毛の治療のためには、休止期状態の毛嚢を、成長期に速やかに進むことができようにし、短くなった成長期を増やしてやることが重要である。
【0005】
男性型脱毛症は、テストステロン(Testosterone)という男性ホルモンによって現れる現象で、このテストステロンが、5α‐リダクターゼ(α‐reductase)という酵素によって、より強力なホルモンであるジヒドロテストステロン(Dihydrotestosterone,DHT)に変わると、このホルモンが毛嚢に作用して毛嚢を成長期段階から退行期段階へと誘導して、脱毛を引き起こさせる。したがって、男性型脱毛症を治療するために、5α‐リダクターゼによるDHTの生成を抑制する方法が主に使用される。
【0006】
女性型脱毛症は、主に閉経後のエストロゲン量の減少によって発生する。女性型脱毛症のための治療剤としては、主にミノキシジルやエストロゲンが使用されている。
【0007】
円形脱毛症は、自己免疫疾患や精神的ストレス、遺伝的素因によって発生する。こうした円形脱毛症は、アンドロゲン性脱毛症とは根本的に原因が異なり、治療法もまた異なるため、副腎皮質ホルモン剤を処理する方法を使用したり、ミノキシジルを患部に塗ったり、人為的に患部に刺激を誘発したりする方法を使用する。
【0008】
しかし、これまで、脱毛を防止し、発毛促進および毛髪の生長に効果を持っていると知られているミノキシジル(minoxidil)やトリコサッカライド(trichosaccharide)等の製剤の場合、はっきりとした効能の不在および人体安定性、皮膚刺激誘発等の副作用の問題が台頭していることから、安全性および効能が確保された組成物の開発が急がれている実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記のような問題点を解決するために、本発明は、一側面において、21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3が、これまで知られていなかった発毛または育毛促進効果があることを発見し、これを利用した化粧料組成物、薬学組成物および健康食品組成物を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、一側面において、下記化学式1で表されるテアサポゲノール(theasapogenol)誘導体を有効成分として含有する、発毛または育毛促進用組成物を提供する。
【0011】
【化1】
【0012】
前記式において、RおよびRは、それぞれ独立して‐H、C1‐6アルキル、‐OH、‐ROHまたは‐CHOであり、
は、‐H、C1‐6アルキル、‐OHまたは‐OOCRであり、
は、‐Hまたは‐CORであり、
は、‐HまたはC1‐6アルキルであり、
ここで、Rは、C1‐6アルキル、Rは、C2‐6アルケニル、およびRは、C1‐6アルキルである。
【0013】
本発明は、他の一側面において、21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノール(21‐O‐angeloyltheasapogenol)E3を有効成分として含む、発毛または育毛促進用組成物を提供する。
【0014】
本発明は、また他の一側面において、緑茶サポニンから由来したテアサポゲノール誘導体を有効成分とし、かつ、一側面において、有効成分を組成物総重量を基準として0.001〜20重量%含有する、発毛または育毛促進用組成物を提供する。
【0015】
本発明は、また他の一側面において、化粧料組成物、薬学組成物または食品組成物である、発毛または育毛促進用組成物を提供する。
【発明の効果】
【0016】
一側面において、本発明の組成物は、緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3を含有することにより、従来の育毛剤よりも優れた発毛または育毛促進効果を発現することができる。
【0017】
また、植物性天然物を使用するため、安全性に優れるので、発毛および育毛を促進するための皮膚外用剤として使用することができ、化粧料組成物、薬学組成物および健康食品組成物等に広く使用することができる。
【0018】
他の一側面において、21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3を有効成分として含有した組成物は、毛嚢毛乳頭細胞を増殖させる効果を有し、PGE2、IL‐6およびIL‐8の生成を抑制する効果を発現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
2013年8月30日に出願された韓国特許出願番号10‐2013‐0104230号は、すべての目的で全体が本明細書に参照として含まれる。また、本出願は、その全体が本明細書において参照として含まれる韓国特許出願番号10‐2013‐0104230号の利益を主張する。
【0020】
以下においては、本発明を詳細に説明する。
一側面において、本発明の組成物は、下記化学式1で表されるテアサポゲノール(theasapogenol)誘導体を有効成分として含有する、発毛または育毛促進用組成物である。
【0021】
本発明は、一側面において、発毛または育毛促進が必要な個体に下記化学式1で表されるテアサポゲノール(theasapogenol)誘導体を投与することを含む、発毛または育毛促進方法に関する。前記投与は、本明細書に記載されている投与方法または投与量に従うものであってよい。
【0022】
本発明は、一側面において、下記化学式1で表されるテアサポゲノール(theasapogenol)誘導体の発毛または育毛促進用途に関する。
【0023】
本発明は、一側面において、発毛または育毛促進に使用するためのものであって、下記化学式1で表されるテアサポゲノール(theasapogenol)誘導体に関する。
【0024】
【化2】
【0025】
前記式において、RおよびRは、それぞれ独立して‐H、C1‐6アルキル、‐OH、‐ROHまたは‐CHOであり、
は、‐H、C1‐6アルキル、‐OHまたは‐OOCRであり、
は、‐Hまたは‐CORであり、
は、‐HまたはC1‐6アルキルであり、
ここで、Rは、C1‐6アルキル、Rは、C2‐6アルケニル、およびRは、C1‐6アルキルである。
【0026】
他の一側面において、本発明の組成物は、21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3を含む、発毛または育毛促進用組成物である。
【0027】
本発明は、一側面において、発毛または育毛促進が必要な個体に21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3を投与することを含む、発毛または育毛促進方法に関するものであってよい。前記投与は、本明細書に記載されている投与方法または投与量に従うものであってよい。
【0028】
本発明は、一側面において、21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3の発毛または育毛促進用途に関するものであってよい。
【0029】
本発明は、一側面において、発毛または育毛促進に使用するための21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3に関するものであってよい。
【0030】
また他の一側面において、前記21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3は、下記化学式2で表されるものであってよい。すなわち、下記化学式2は、前記化学式1において、Rが‐CHO、Rが‐CH、Rが‐OCOC(CH)=CHCH、Rが‐COCH、およびRが‐CHであるテアサポゲノール誘導体に相当する。
【0031】
【化3】
【0032】
また他の一側面において、前記化学式1で表されるテアサポゲノール誘導体または21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3は、緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3であってよい。緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3は、緑茶種子から水または有機溶媒を利用して、サポニンを含有する抽出物を収得するステップ;および、前記抽出物を酸、塩基、酵素または前記酵素を生産する微生物を利用して加水分解することにより、21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3を分離するステップを含む製造方法を通じて製造されてよい。
【0033】
前記有機溶媒は、エタノール、メタノール、ブタノール、エーテル、酢酸エチルおよびクロロホルムを含む群から選択された一つ以上の有機溶媒またはこれらと水の混合物、一側面において、50%エタノールを使用してよい。前記酸は、塩酸、硫酸および硝酸からなる群より選択された一つ以上の酸、または前記酸とエタノール、メタノールおよびブタノールからなる群より選択された一つ以上のアルコールとの混合溶媒を使用してよい。前記塩基は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムからなる群より選択された一つ以上の塩基、または前記塩基とエタノール、メタノール、ブタノールからなる群より選択された一つ以上のアルコールとの混合溶媒を使用してよい。前記酵素または前記酵素を生産する微生物は、抽出物に含有された緑茶サポニンの糖結合を分解する酵素または前記糖結合を分解する酵素を生産する微生物であって、緑茶サポニンの糖部分を除去して21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3を生成することができるものである。また、前記酵素は、グルコシダーゼ(glucosidase)、アラビノシダーゼ(arabinosidase)、ラムノシダーゼ(rhamnosidase)、キシロシダーゼ(xylosidase)、セルラーゼ(cellulase)、ヘスペリジナーゼ(hesperidinase)、ナリンギナーゼ(naringinase)、グルクロニダーゼ(glucuronidase)、ペクチナーゼ(pectinase)、ガラクトシダーゼ(galactosidase)およびアミログルコシダーゼ(amyloglucosidase)からなる群より選択された一つ以上であってよい。さらに、前記酵素を生産する微生物は、アスペルギルス(aspergillus)属、バチルス(bacillus)属、ペニシリウム(penicillium)属、リゾプス(rhizopus)属、リゾムコール(rhizomucor)属、タラロマイセス(talaromyces)属、ビフィドバクテリウム(bifidobacterium)属、モルチエレラ(mortierella)属、クリプトコッカス(cryptococcus)属、ミクロバクテリウム(microbacterium)属からなる群より選択された一つ以上であってよい。
【0034】
前記のように、酸、塩基、酵素、または前記酵素を生産する微生物を利用して加水分解した後、反応液を減圧濃縮して溶媒を除去し、残渣にアルコールを加えて1〜5回攪拌させた後、沈殿した塩等を、濾過を通じて除去し、濾過された濾液を減圧濃縮して粗生成物を収得し、習得された粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=8:1〜4:1)で分離して、21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3を収得してよい。
【0035】
一側面において、緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3の製造方法に関する韓国特許出願第10‐2008‐0088127号は、明細書全体が本発明の参照として含まれる。
【0036】
本明細書に開示される組成物は、一側面において、組成物の総重量を基準として0.001〜20重量%の、化学式1で表されるテアサポゲノール誘導体または21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3を含有してよく、他の一側面において、0.01〜15重量%、0.01〜10重量%、または0.1〜5重量%含有してよい。一側面において、本明細書に開示される組成物に含まれる化学式1で表されるテアサポゲノール誘導体または21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3は、組成物の総重量を基準として0.001重量%以上、0.01重量%以上、0.1重量%以上、または1.0重量%以上であってよく、他の一側面において、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、または5重量%以下であってよい。含有量が0.001重量%未満である場合には、組成物の発毛または育毛促進効果を期待することができず、20重量%を超過する場合には、安全性または剤形上製造に困難があるが、前記含有量に特に限定されるものではない。
【0037】
本明細書に開示される組成物は、一側面において、化学式1で表されるテアサポゲノール誘導体または21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3を含み、毛嚢毛乳頭細胞を増殖させる効果を有する組成物であってよい。他の一側面において、本明細書に開示される組成物は、化学式1で表されるテアサポゲノール誘導体または21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3を含み、ケラチン形成細胞を活性化させる組成物であってよい。
【0038】
本明細書に開示される組成物は、他の一側面において、化学式1で表されるテアサポゲノール誘導体または21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3を含み、PGE2、IL‐6またはIL‐8の生成を抑制する効果を有する組成物であってよい。
【0039】
本発明の発毛または育毛促進用組成物は、一側面において、薬学組成物、化粧料組成物または健康食品組成物であってよい。
【0040】
本発明の一実施形態に係る発毛または育毛促進用化粧料組成物には、化学式1で表されるテアサポゲノール誘導体または21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3以外に、機能性添加物および一般的な化粧料組成物に含まれる成分がさらに含まれてよい。前記機能性添加物としては、水溶性ビタミン、油溶性ビタミン、高分子ペプチド、高分子多糖、スフィンゴ脂質および海藻エキスからなる群より選択された成分を含んでよい。
【0041】
また、本発明の化粧料組成物には、前記機能性添加物とともに、必要に応じて、一般的な化粧料組成物に含まれる成分を配合してよい。その他に含まれる配合成分としては、油脂成分、保湿剤、エモリエント剤、界面活性剤、有機および無機顔料、有機粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、植物抽出物、pH調整剤、アルコール、色素、香料、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、精製水等を挙げることができる。
【0042】
本発明の一実施形態に係る発毛または育毛促進用化粧料組成物は、剤形が特に限定されず、目的とするところに応じて適切に選択してよい。たとえば、スキンローション、スキンソフナー、スキントナー、アストリンゼント、ローション、ミルクローション、モイスチャーローション、栄養ローション、マッサージクリーム、栄養クリーム、モイスチャークリーム、ハンドクリーム、ファンデーション、エッセンス、栄養エッセンス、パック、石鹸、クレンジングフォーム、クレンジングローション、クレンジングクリーム、ボディローションおよびボディソープからなる群より選択されたいずれか一つ以上の剤形で製造されてよいが、これらに限定されるものではない。
【0043】
本発明の剤形がペースト、クリームまたはゲルである場合には、担体成分として、動物繊維、植物繊維、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、シリカ、タルクまたは酸化亜鉛等が利用されてよい。
【0044】
本発明の剤形がパウダーまたはスプレーである場合には、担体成分として、ラクトース、タルク、シリカ、アルミニウムヒドロキシド、カルシウムシリケートまたはポリアミドパウダーが利用されてよく、特に、スプレーの場合には、さらにクロロフルオロヒドロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルといった推進体を含んでよい。
【0045】
本発明の剤形が溶液または乳濁液の場合には、担体成分として、溶媒、溶媒化剤または乳濁化剤が利用されてよく、たとえば、水、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3‐ブチルグリコールオイル、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコールまたはソルビタンの脂肪酸エステルがある。
【0046】
本発明の剤形が懸濁液である場合には、担体成分として、水、エタノールまたはプロピレングリコールといった液状希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステルおよびポリオキシエチレンソルビタンエステルといった懸濁剤、微小結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、アガーまたはトラガカント等が利用されてよい。
【0047】
本発明の剤形が界面活性剤含有クレンジングである場合には、担体成分として、脂肪族アルコールソルフェート、脂肪族アルコールエーテルソルフェート、スルホコハク酸モノエステル、イセチオネート、イミダゾリニウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルソルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性油、リノリン誘導体またはエトキシル化グリセロール脂肪酸エステル等が利用されてよい。
【0048】
化粧料組成物に含まれる有効成分である化学式1で表されるテアサポゲノール誘導体または21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3の含有量は、特に制限されないが、組成物の総重量を基準として0.001〜20重量%であってよく、他の一側面において、0.01〜15重量%、0.01〜10重量%、または0.1〜5重量%であってよい。前記有効成分が前記含量を満たす場合、副作用なしに優れた効能を発現することができる。
【0049】
本発明の一実施形態に係る発毛または育毛促進用薬学組成物は、化学式1で表されるテアサポゲノール誘導体または21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3以外に、防腐剤、安定化剤、水和剤または乳化促進剤、浸透圧調節のための塩および/または緩衝剤等の薬剤学的補助剤、ならびにその他治療的に有用な物質をさらに含有してよく、通常の方法に従って多様な経口投与剤または非経口投与剤の形態で剤形化してよい。
【0050】
前記経口投与剤は、たとえば、錠剤、丸剤、硬質および軟質カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳化剤、シロップ剤、粉剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、ペレット剤等があり、これらの剤形は、有効成分以外に、界面活性剤、希釈剤(例:ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよびグリシン)、滑沢剤(例:シリカ、タルク、ステアリン酸およびそのマグネシウムまたはカルシウム塩、ならびにポリエチレングリコール)を含有してよい。錠剤は、また、マグネシウムアルミニウムシリケート、澱粉ペースト、ゼラチン、トラガカンス、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよびポリビニルピロリジンといった結合剤を含有してよく、場合によって、澱粉、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩といった崩解剤、吸収剤、着色剤、香味剤、および甘味料等の薬剤学的添加剤を含有してよい。前記錠剤は、通常の混合、顆粒化またはコーティング方法によって製造されてよい。
【0051】
また、前記非経口投与形態として、経皮投与型剤形であってよく、たとえば、注射剤、点滴剤、軟膏、ローション、ゲル、クリーム、スプレー、懸濁剤、乳剤、坐剤、パッチ等の剤形であってよいが、これらに限定されるものではない。
【0052】
本発明の一実施例に係る前記薬学組成物は、非経口、直腸、局所、経皮、皮下等に投与されてよい。本発明の一実施例に係る薬学組成物は、たとえば、頭皮に局所投与されてよい。
【0053】
前記有効成分の投与量の決定は、当業者の水準内にあり、薬物の1日投与量は、投与しようとする対象の脱毛進行程度、発症時期、年齢、健康状態、合併症等の多様な要因に応じて異なるが、成人を基準とした場合、一側面において前記組成物1μg/kg〜200mg/kg、他の一側面において50μg/kg〜50mg/kgを、1日1〜3回に分割して投与してよく、前記投与量は、いかなる方法であれ、本発明の範囲を限定するものではない。
【0054】
また、前記本発明の一実施例に係る発毛および育毛促進用組成物は、皮膚外用剤であってよく、前記皮膚外用剤は、皮膚外部において塗布されるいかなるものであっても含まれ得る総称であって、多様な剤形の化粧品、医薬品がここに含まれてよい。
【0055】
本発明の一実施例に係る健康食品組成物において、前記組成物は、液状または固体状態の剤形であってよく、錠剤、カプセル剤、軟質カプセル剤、丸剤、顆粒剤、飲料(ドリンク剤)、ダイエットバー、チョコレート、キャラメル剤形または菓子類の剤形であってよく、その剤形が特に限定されるものではない。本発明の健康食品組成物は、21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3である有効成分以外にも、必要に応じて、賦形剤、糖類、香料、色素、油脂類、タンパク質などを適宜含有してよい。
【0056】
健康食品組成物に含まれる有効成分である化学式(1)で表されるテアサポゲノール誘導体または21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3の含量は、特に制限されないが、組成物の総重量を基準として0.001〜20重量%であってよく、他の一側面において、0.01〜15重量%、0.01〜10重量%、または0.1〜5重量%であってよい。前記有効成分が前記含量を満たす場合、副作用なしに優れた効能を発現することができる。
【0057】
以下の実施例を通じて本発明をより詳細に説明する。ただし、実施例は、本発明を例示するためのものであって、これらのみに本発明の範囲が限定されるものではない。
【0058】
[製造例1]緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3の製造
緑茶種子2kgにヘキサン6リットルを入れ、常温で攪拌抽出して脱脂させた後、脱脂された緑茶種子1kgに50%エタノール4リットルを入れ、3回還流抽出した後、15℃で1日間浸漬させた。その後、濾過布濾過と遠心分離を通じて残渣と濾液を分離し、分離されたろ液を減圧濃縮して得たエキスを水に懸濁した後、エーテル1リットルで5回抽出して色素を除去し、水層を1‐ブタノール500mlで3回抽出した。これから得られた総1‐ブタノール層を減圧濃縮して1‐ブタノールエキスを得、これを少量のメタノールに溶かした後、大量のエチルアセテートに追加して、生成された沈殿物を乾燥することにより、緑茶種子抽出物300gを得た。
【0059】
前記得られた緑茶種子抽出物10gに、20倍(v/w)の1N HCl‐50%メタノール溶液(v/v)を加え、80℃水浴槽で8時間加熱還流させて、緑茶種子粗サポニンに結合された糖を加水分解させた。反応液を減圧濃縮して溶媒を除去し、残渣にエタノール(200ml)を加えて攪拌した後(3回)、濾過を通じて沈殿した塩等を除去した後、ろ過されたろ液を減圧濃縮して粗生成物を収得した後、収得された粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=7:1〜3:1)で分離して、21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3 0.55を収得した。Varian Gemini 2000 300MHz(Varian社)を利用して、前記収得物が21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3であるか確認したところ、本明細書において参照している韓国特許出願第10‐2008‐0088127号の発明の詳細な説明の実験例1と同一の結果が出た。
【0060】
[試験例1]毛乳頭細胞における毛髪成長因子VEGFの発現評価
21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3が、血管形成に必要な成長因子であって毛髪の成長期に移動するのに必要な成長因子である血管内皮増殖因子(Vascular endothelial growth factor;VEGF)を発現させる程度を評価するために、生体外(in vitro)システムを適用して、緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3適用後の活性を評価した。
【0061】
前記実験のために、47歳の男性の毛乳頭真皮細胞(Dermal Papilla Cell;DPC)(P.11)4×10cellを、12ウェルプレート(well plate)にシーディング(seeding)し、10%FBS(fetal bovine serum)を含有するDMEM(Dulbecco´s modified Eagle´s medium)培地において一晩培養した。培養後、緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3を20ppmで処理した。陰性対照群としては、DMSOを使用した。24時間後、緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3が処理された混合液を収集(soup collect)し、VEGF ELISA(Vascular endothelial growth factor Enzyme‐Linked Immunosorbent Assay;R&D biosystems)を使用して、緑茶サポニンから由来された21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3の発現程度を確認した。そして、その結果を表1に示した。
【0062】
表1から見られるように、緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3は、対照群と比較して大きな効果の差が現れたことを確認することができ、毛乳頭細胞における毛髪成長因子VEGFの発現を約3倍以上増加させた。したがって、本発明に係る緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3は、優れた毛髪生成促進能を有することが分かる。
【0063】
【表1】
【0064】
[試験例2]毛嚢毛乳頭細胞増殖効果の評価
毛髪を構成するケラチンタンパク質は、毛根部ケラチン形成細胞(keratinocyte)で生成され、このケラチン形成細胞は、毛乳頭細胞から分化される。したがって、本発明に係る緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3が毛乳頭細胞の活性を促進するのであれば、それから分化されるケラチン形成細胞の活性を促進させることができ、ひいては毛髪生成を促進することができるであろう。
【0065】
そこで、本実験では、緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3の毛乳頭細胞活性促進効果を、下記のように評価した。
【0066】
まず、本実験においては、ヒト毛乳頭細胞(Human dermal papilla cell、ソウル大学校・権五祥教授)細胞株を使用した。前記細胞株は、10%ウシ胎児血清(FBS)が含有されたDulbecco´s modified Eagle´s medium(DMEM;Gibco BRL,Gaithersburg,MD,USA)において、5%CO、37℃で維持されるインキュベータで24時間培養した後、緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3を1ppm、10ppmおよび20ppmそれぞれ処理した。陰性対照群としては、DMSOを使用した。試験物質を処理した後、24時間経過後に、WST‐1キット(Roche)を使用して、細胞増殖能(%)を測定した。その結果を表2に示した。
【0067】
表2から見られるように、本発明に係る緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3は、10ppmおよび20ppmともに、2つの細胞の増殖を有意に増加させた。特に、緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3を20ppm処理した場合が、対照群と対比して約1.5倍以上高い毛乳頭細胞増殖増加率を示した。これは、本発明に係る緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3が、毛乳頭細胞の増殖を促進させることができ、ケラチン形成細胞の活性および毛髪の生成もより効果的に促進することができることを意味する。
【0068】
【表2】
【0069】
[試験例3]人体毛嚢器官を利用した毛髪成長促進効果の評価
本発明の、実際の人体毛嚢器官における毛髪成長促進能を確認した実験を実施した。
【0070】
55歳の男性の後頭部頭皮組織から毛嚢器官を一つずつ分離して、William E培地(L‐グルタミン(2mM)、インスリン(10μg/ml)、ヒドロコルチゾン(40ng/ml)、抗生剤(1%)、抗真菌剤(1%)含有)に培養した。培養後3日目に成長が起こった毛嚢を選別して3mmに切り、選別した毛嚢組織に対して、薬物を処理していない場合を対照群とし、緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3 1ppm、3ppmおよび5ppmをそれぞれ処理した。そして、処理してから8日後、それぞれの長さの測定および写真撮影を行った。その結果を表3に示した。
【0071】
その結果、表3から見られるように、毛嚢器官における毛髪の長さの増加において、緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3を5ppm処理した場合は、対照群よりも優れた毛髪成長促進効果が示された。したがって、前記表3の結果を見た場合、本発明に係る緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3は、毛嚢において毛髪の長さの成長を促進する効果に優れることが分かる。
【0072】
【表3】
【0073】
[試験例4]PGE2、IL‐6およびIL‐8生成抑制実験
ヒト線維芽細胞を6ウェル培養プレートに1×10の細胞濃度で接種し、24時間の間、37℃、5%COインキュベータで培養した。H 500μMをウェルに処理して24時間刺激を与えた後、カルシウムの木抽出物を濃度別に処理して48時間反応させた。反応完了後、培養液を回収してELISA分析を行った。このとき、抗炎および刺激緩和剤として多く使用される物質であるα‐ビサボロール(α‐bisaborol)を対照群として使用した。PGE2は、アッセイデザイン(Assay Design)社のキット、IL‐6、IL‐8は、エンドゲン(Endogen)社のキットを使用し、各会社のマニュアルに明記された方法に従って実験を行った。抑制効果は、下記数式1に基づいて計算し、測定結果は、下記表4に示した。
【0074】
下記表4に示されたところのように、炎症媒介物質であるPGE2、IL‐6、IL‐8の生成量が、本発明の緑茶サポニンから由来した21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3添加によって著しく減少して、高い抑制効果を示すことを確認することができる。
【0075】
[数式1]
抑制効果={1−(試験試料−対照群)/(H−対照群)}×100
【0076】
【表4】
【0077】
下記に、本発明に係る組成物の剤形例について説明するが、他の様々な剤形へも応用可能であり、これは、本発明を限定しようとするものではなく、ただ具体的に説明しようとするものである。
【0078】
[剤形例1]シャンプー
下記表5に記載された組成に従って、通常の方法でシャンプーを製造した。
【0079】
【表5】
【0080】
[剤形例2]リンス
下記表6に記載された組成に従って、通常の方法でリンスを製造した。
【0081】
【表6】
【0082】
[剤形例3]軟膏
下記表7に記載された組成に従って、通常の方法で軟膏を製造した。
【0083】
【表7】
【0084】
[剤形例4]ヘアトニック
下記表8に記載された組成に従って、通常の方法でヘアトニックを製造した。
【0085】
【表8】
【0086】
[剤形例5]ヘアローション
下記表9に記載された組成に従って、通常の方法でヘアローションを製造した。
【0087】
【表9】
【0088】
[剤形例6]ヘアソープ
下記表10に記載された組成に従って、通常の方法でヘアソープを製造した。
【0089】
【表10】
【0090】
[剤形例7]ローション
下記表11に記載された組成に従って、通常の方法でローションを製造した。
【0091】
【表11】
【0092】
[剤形例8]クリーム
下記表12に記載された組成に従って、通常の方法でクリームを製造した。
【0093】
【表12】
【0094】
[剤形例9]パック
下記表13に記載された組成に従って、通常の方法でパックを製造した。
【0095】
【表13】
【0096】
[剤形例10]美容液型製剤
下記表14に記載された組成に従って、通常の方法で美容液型製剤を製造した。
【0097】
【表14】
【0098】
[剤形例11]軟質カプセル剤
化学式1で表されるテアサポゲノール誘導体または21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3 50mg、L‐カルニチン80〜140mg、大豆油180mg、パーム油2mg、植物性硬化油8mg、黄蝋4mgおよびレシチン6mgを混合し、通常の方法に従って、1カプセルあたり400mgずつ充填して軟質カプセルを製造した。
【0099】
[剤形例12]精製
化学式1で表されるテアサポゲノール誘導体または21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3 50mg、ガラクトオリゴ糖200mg、乳糖60mgおよび麦芽糖140mgを混合し、流動層乾燥機を利用して顆粒した後、糖エステル(sugar ester)6mgを添加して、打錠機で打錠して錠剤を製造した。
【0100】
[剤形例13]顆粒剤
化学式1で表されるテアサポゲノール誘導体または21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3 50mg、無水結晶ブドウ糖250mgおよび澱粉550mgを混合し、流動層造粒機を使用して顆粒に成形した後、包に充填して顆粒剤を製造した。
【0101】
[剤形例14]ドリンク剤
化学式1で表されるテアサポゲノール誘導体または21‐O‐アンゲロイルテアサポゲノールE3 50mg、ブドウ糖10g、クエン酸0.6gおよび液状オリゴ糖25gを混合した後、精製水300mlを加えて各瓶に200mlずつ充填した。瓶に充填した後、130℃で4〜5秒間殺菌して、ドリンク剤飲料を製造した。