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特許6386072デュアルコネクティビティ動作におけるベアラのためのサービングゲートウェイのアップリンクユーザプレーン終端点切換え
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386072
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】デュアルコネクティビティ動作におけるベアラのためのサービングゲートウェイのアップリンクユーザプレーン終端点切換え
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/28 20090101AFI20180827BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20180827BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20180827BHJP
   H04W 92/12 20090101ALI20180827BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20180827BHJP
【FI】
   H04W36/28
   H04W92/20
   H04W72/04 111
   H04W92/12
   H04W16/32
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-557984(P2016-557984)
(86)(22)【出願日】2015年3月10日
(65)【公表番号】特表2017-513355(P2017-513355A)
(43)【公表日】2017年5月25日
(86)【国際出願番号】EP2015054948
(87)【国際公開番号】WO2015140006
(87)【国際公開日】20150924
【審査請求日】2016年11月8日
(31)【優先権主張番号】14305390.8
(32)【優先日】2014年3月19日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴダン,フィリップ
【審査官】 伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】 特表2016−505231(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/065010(WO,A1)
【文献】 LG Electronics Inc.,Specific issues on E-RAB management and Bearer Type[online],3GPP TSG-RAN WG3♯83,3GPP,2014年 2月14日,R3-140280,検索日[2017.12.07],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_83/Docs/R3-140280.zip>
【文献】 Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,New Path Switch procedure for Dual Connectivity[online],3GPP TSG-RAN WG3♯83bis,3GPP,2014年 3月21日,R3-140775,検索日[2017.12.07],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_83bis/Docs/R3-140775.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュアルコネクティビティ動作において、マスタeNBMeNB(MeNB)と称するeNBからセカンダリeNBSeNB(SeNB)と称するeNBへとオフロードされるベアラのS1−UアップリンクSGW(S−GW)終端点の切換えを可能にするための方法であって、
− 前記SeNBに対し、X2修正要求メッセージで、X2インタフェースを介して前記MeNBが、前記オフロードされるベアラのために使用される新規S1−UアップリンクSGWユーザプレーン終端点に関するアドレス指定情報を、シグナリングすることであって、前記アドレス指定情報が前記ベアラのオフロード後にS1−MMEインタフェースを介して前記MeNBによって受信されることを含む、
方法。
【請求項2】
− 前記MeNBに対し、S1−MMEインタフェースを介してE−RAB修正要求メッセージでモビリティ管理エンティティMMEが前記アドレス指定情報をシグナリングすること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
− 前記アドレス指定情報が、IPアドレス指定情報、および、GTP−U終点を識別する、トンネル終点識別子TEID
を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
モビリティ管理エンティティMME(MME)であって、
− S1−MMEインタフェースを介して、デュアルコネクティビティ動作においてマスタeNBMeNB(MeNB)と称するeNBに対し、前記MeNBから、前記デュアルコネクティビティ動作においてセカンダリeNBSeNB(SeNB)と称するeNBへとオフロードされるベアラのために使用される、新規S1−UアップリンクSGWユーザプレーン終端点に関するアドレス指定情報をシグナリングすることであって、前記アドレス指定情報が前記ベアラのオフロード後にS1−MMEインタフェースを介して前記MMEによってシグナリングされること
を行うように構成される、モビリティ管理エンティティMME(MME)。
【請求項5】
S1−MMEインタフェースを介して前記MeNBに対しE−RAB修正要求メッセージで前記アドレス指定情報をシグナリングすること
を行うように構成される、請求項4に記載のモビリティ管理エンティティMME(MME)。
【請求項6】
− 前記アドレス指定情報が、IPアドレス指定情報、および、GTP−U終点を識別するトンネル終点識別子TEID
を含む、請求項4または5に記載のMME。
【請求項7】
デュアルコネクティビティ動作において、マスタeNBMeNB(MeNB)と称するeNBであって、
− X2インタフェースを介したX2修正要求メッセージで、前記デュアルコネクティビティ動作においてセカンダリeNBSeNB(SeNB)と称するeNBに対し、前記MeNBから前記SeNBへとオフロードされるベアラのために使用される、新規S1−UアップリンクSGWユーザプレーン終端点に関するアドレス指定情報をシグナリングすることであって、前記アドレス指定情報が前記ベアラのオフロード後にS1−MMEインタフェースを介して前記MeNBによって受信されること
を行うように構成された、eNB。
【請求項8】
− 前記アドレス指定情報を、S1−MMEインタフェースを介して前記MeNBへと送信されるE−RAB修正要求メッセージで受信すること
を行うように構成された、請求項に記載のeNB。
【請求項9】
− 前記アドレス指定情報が、IPアドレス指定情報、および、GTP−U終点を識別するトンネル終点識別子TEID
を含む、請求項またはに記載のeNB。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、モバイル通信ネットワークおよびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信ネットワークおよびシステムに関する詳細な記述は、たとえば3GPP(第3世代パートナシッププロジェクト)といった標準化団体が公開している、特に技術仕様書などの文献に見出すことが可能である。
【0003】
パケットモバイル通信システムの一例は、とりわけ3GPP TS23.401において規定される、進化型パケットシステム(EPS)である。
【0004】
EPSネットワークには、進化型パケットコア(EPC)と呼ばれるコアネットワーク(CN)が含まれ、E−UTRANと呼ばれる無線アクセスネットワーク(RAN)が、このEPCにアクセスする。EPSネットワークノードとしては、特に以下の要素が挙げられる:E−UTRANノード(eNodeB(eNB)と呼ばれる)、EPC制御プレーンノード(モビリティ管理エンティティ(MME)と呼ばれる)、EPCノード(サービングゲートウェイ(SGW)と呼ばれる)。EPSネットワークノード間のインタフェースとしては、特に以下の要素が挙げられる:X2インタフェース(eNB同士の間)、S1−MMEインタフェース(eNBとMMEの間、制御プレーン内)、S1−Uインタフェース(eNBとS−GWの間、ユーザプレーン内)。
【0005】
EPSネットワークは、ユーザ機器(UE)に対し、接続性を提供する。EPSベアラの提供も、これに含まれる。EPSベアラには、UEとSGWの間のE−UTRAN無線アクセスベアラ(E−RAB)が含まれ、よってUEとeNBの間の無線ベアラおよびeNBとSGWの間のS1ベアラも含まれる。S1ベアラは、トンネル(GTP−Uトンネルと呼ばれる)によって実装される。S1ベアラのトラフィックは、アップリンク(UL)でeNBからSGWへと、かつ/または、ダウンリンク(DL)でSGWからeNBへと送信され得る。S1ベアラは、S1−U終端点を、以下に有する:eNB(S1−Uアップリンクおよび/またはダウンリンクeNB終端点)、SGW(S1−Uアップリンクおよび/またはダウンリンクSGW終端点)。
【0006】
3GPPベースか非3GPPベースかを問わず、その他のシステム(EPS以外)においても、類似の構想が存在し得る。
【0007】
スモールセルを用いたネットワークの高密度化は、こうしたシステムの重要な発展形態であり、モバイルトラフィックの爆発的増加に対処することを可能にしている。スモールセルエンハンスメントは、とりわけ3GPPによって、標準化が行われているところである。
【0008】
スモールセルエンハンスメントには特に、とりわけ3GPP TR36.842において定義される、デュアルコネクティビティ動作が含まれる。この動作では、所与のUEが、非理想的バックホールに接続された、少なくとも2つの異なるネットワークポイント(マスタおよびセカンダリeNB)が提供する無線リソースを、接続状態のままで消費する。マスタeNB(MeNB)とセカンダリeNB(SeNB)の間のベアラ分割に向け、さまざまなオプションが提案されている。それらのオプションには、とりわけオプション1が含まれ、その原理は、3GPP TR36.842より抜粋した、図1において想起される。MeNBおよびSeNB内のプロトコルアーキテクチャについて、さまざまな代替形態が提案されている。それらの代替形態には、とりわけ代替形態1Aが含まれ、その原理は、3GPP TR36.842より抜粋した、図2において想起される。
【0009】
こうして3GPP TR36.842において定義される代替形態1Aは、UEの一部のベアラがSeNBによってサービスされ得る(換言すれば、MeNBからSeNBへとオフロードされ得る)と同時に、その他のベアラはMeNBによってのみサービスされる、といったことを可能にするものである。ただし、UEに提供されるS1−MME接続は1つだけであり、MeNBにおいて終端している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】3GPP TS23.401
【非特許文献2】3GPP TR36.842
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
デュアルコネクティビティ動作では、オフロード中のベアラ、またはオフロードされたベアラ(このオフロードには、DLおよび/またはUL eNB S1−U終端点の変更を伴う)のS1−UアップリンクSGW終端点を、MeNBからSeNBへと、切り換えることを許可する必要がある。おしなべて言うと、特に代替形態1Aに関して、デュアルコネクティビティ動作は改善される必要がある。
【0012】
本発明の実施形態は、とりわけこうした要求に応えるものである。
【0013】
一態様において、これらの、およびその他の目的は、以下の方法によって達成される。すなわち、ベアラのS1−UアップリンクSGW終端点の切換えを、デュアルコネクティビティ動作において、マスタeNBMeNBと称するeNBからセカンダリeNBSeNBと称するeNBへの前記ベアラのオフロード中やその終了ごとに、可能にするための方法であって:
− 前記SeNBに対し、前記MeNBを介し、前記ベアラのオフロード中やその終了ごとに、前記切換え後に前記ベアラのために使用される、新規S1−UアップリンクSGWユーザプレーン終端点に関するアドレス指定情報を、シグナリングすること
を含む、方法によって達成される。
【0014】
別の態様では、これらの、およびその他の目的は、以下のエンティティによって達成される。すなわち、このような方法、および/または、このような方法が持つ個々のステップを実行するためのエンティティであって、とりわけ(限定するものではないが)、たとえばEPSネットワークの場合であれば、eNBと、モビリティ管理エンティティMMEとを含むエンティティによって達成される。
【0015】
一態様において、これらの、およびその他の目的は、モビリティ管理エンティティMMEによって達成される。このMMEは、以下の動作を行うように構成される:
− デュアルコネクティビティ動作においてマスタeNBMeNBと称するeNBに対し、前記MeNBから、前記デュアルコネクティビティ動作においてセカンダリeNBSeNBと称するeNBへのベアラのオフロード中やその終了ごとに、前記ベアラのために使用される、サービングゲートウェイSGW内の新規S1−UアップリンクSGWユーザプレーン終端点に関するアドレス指定情報を、シグナリングすること。
【0016】
別の態様では、これらの、およびその他の目的は、デュアルコネクティビティ動作において、マスタeNBMeNBと称するeNBによって達成される。前記eNBは、以下の動作を行うように構成される:
− 前記MeNBから、前記デュアルコネクティビティ動作においてセカンダリeNBSeNBと称するeNBへのベアラのオフロード中やその終了ごとに、モビリティ管理エンティティMMEから、受信を行うこと、
− 前記ベアラのオフロード中やその終了ごとに前記SeNBに対して、前記ベアラのために使用される、サービングゲートウェイSGW内の新規S1−UアップリンクSGWユーザプレーン終端点に関するアドレス指定情報を、シグナリングすること。
【0017】
別の態様では、これらの、およびその他の目的は、デュアルコネクティビティ動作において、セカンダリeNBSeNBと称するeNBによって達成される。前記eNBは、以下の動作を行うように構成される:
− 前記デュアルコネクティビティ動作においてマスタeNBMeNBと称するeNBから、前記MeNBから前記MeNBへのベアラのオフロード中やその終了ごとに、サービングゲートウェイSGW内の新規S1−UアップリンクSGWユーザプレーン終端点に関するアドレス指定情報を、前記ベアラのために、受信すること、
− 前記新規S1−UアップリンクSGWユーザプレーン終端点に向けて、前記ベアラのアップリンクユーザプレーントラフィックをルーティングするために、前記アドレス指定情報を使用すること。
【0018】
以下、本発明の実施形態による装置および/または方法のいくつかの実施形態を、例示のみを目的として、添付図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】オプション1と称する、デュアルコネクティビティ動作に向けたベアラ分割オプションの原理を想起するための図である。
図2】代替形態1Aと称する、デュアルコネクティビティ動作に向けたプロトコルアーキテクチャ代替案の原理を想起するための図である。
図3】代替形態1Aに向けたベアラオフロード手続きを想起するための図である。
図4】ベアラのS1−UアップリンクSGW終端点の切換えが、前記ベアラのオフロード中に可能となる、本発明の第1の実施形態によるシグナリングフローの一例を、簡略に示すための図である。
図5】ベアラのS1−UアップリンクSGW終端点の切換えが、前記ベアラのオフロード後に可能となる、本発明の第2の実施形態によるシグナリングフローの一例を、簡略に示すための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下で説明する、本発明の実施形態は、一例として、とりわけEPSに対して適用される。とはいえ、本発明の実施形態は、こうした実施例に限定されるものではなく、3GPPベースか非3GPPベースかを問わず、EPS以外のシステムに対しても適用可能であることを理解されたい。
【0021】
上で想起したとおり、3GPPは、ワークアイテム「スモールセルエンハンスメント−上位レイヤ(Small Cell Enhancements−Higher Layer)」の一部である、デュアルコネクティビティ機能を、リリース12において、標準化の過程にある。
【0022】
オプション1A、およびオプション3Cとして知られている、2つの変種が検討されている。
【0023】
オプション1Aが用いられる場合、データベアラは、マスタeNB(MeNB)からセカンダリeNB(SeNB)へと「オフロード」され得る。3GPP TR36.842から抜粋した、ベアラオフロード手続きのためのシグナリング方式が、図3において想起される。
【0024】
図3において想起されるように、このシグナリング方式の最後には、E−RAB修正と呼ばれる手続きが存在する。3GPP TR36.842において、この手続きは、EPCに向かうユーザプレーンパスの更新を実行することと記述されている。この手続きには、以下の動作が含まれる:
− MeNBが、MMEに対してE−RAB修正指示メッセージを送信すること(ステップ12)。
− MMEとS−GWの間で、メッセージを交換すること(ステップ13:ベアラ修正)。
− MMEが、SeNBに対してE−RAB修正確認メッセージを送信すること(ステップ14)。
【0025】
このE−RAB修正手続きの意図は、MeNBからMMEへとトリガされた後(ステップ12)、MMEにSGWに対する要求を発生させることで(ステップ13)、オフロードされるベアラのダウンリンク(DL)終端点を切り換えることにある。そのために、MMEは通例、ステップ13の要求メッセージで、SeNBでオフロードされるベアラに関する、新規DLアドレス指定情報(IPアドレス+トンネル終点識別子TEID)を提供することになる。
【0026】
オフロード手続きの間(たとえば、E−RAB修正手続きのステップ13において)、オフロードされるベアラに関し、対応するアップリンクSGWユーザプレーン終端点を同時変更する、といったことが含まれる機能の使用を、SGWが求めることも考えられる。
【0027】
しかし、現在のところ、上で想起したオフロード手続きでは、このような場合に、上記の機能を使用することはできない。
【0028】
オフロード手続き後に、SGW/MMEが、そのような機能(SGW UL終端点の切換え)の使用を求めることも考えられる。
【0029】
このような場合においてもやはり、現在のところ、そのような機能を使用することができない。
【0030】
本発明の実施形態は、とりわけ、このような場合に、上記の機能を使用することを可能にするものである。本発明の実施形態により、とりわけ、デュアルコネクティビティ動作において、オフロード中のベアラ、またはオフロードされたベアラ(前記オフロードには、DLおよび/またはUL eNB S1−U終端点の変更を伴う)のS1−UアップリンクSGW終端点を、SGWがMeNBからSeNBへと、切り換えることが可能となる。
【0031】
図4は、ベアラのS1−UアップリンクSGW終端点の切換えが、前記ベアラのオフロード中に可能となる、本発明の第1の実施形態によるシグナリングフローの一例を、簡略に示すためのものである。
【0032】
図4において、図3と共通のステップについては、図3と同じ参照符号が使用される。
【0033】
一実施形態では、SGWは、たとえばステップ13’の応答メッセージで、オフロードされるベアラに関する、SGW内に新規ULアドレス指定情報(IPアドレス+TEID)を提供する。それにより、MMEは、このアドレス指定情報を、たとえばステップ14’において、MeNBへと返すことが可能となる。同アドレス指定情報は、ERAB修正確認、より一般には、MMEからMeNBへとS1−MMEインタフェースを介して送信されるメッセージ、具体的には、ベアラのオフロード手続き中に切り換わるパスに向けられたメッセージにより、提供され得る。
【0034】
一実施形態では、次いで、MeNBが、SGWユーザプレーン終端点に関する、この新規ULアドレス指定情報を、SeNBへと伝播させる(ステップ15’)。同アドレス指定情報は、X2インタフェースなどのMeNBとSeNBの間のインタフェースを介して送信されるメッセージ(この例では、X2新規メッセージまたはX2修正と記される)に含み入れられる。ステップ15’におけるメッセージは、新規メッセージとすることも、あるいは、既存のメッセージ(たとえば、X2修正要求、またはX2再構成要求)とすることも可能である。このメッセージは、アドレス指定情報を、新しい情報要素(IE)の形態で含むことになる。
【0035】
よって、一実施形態では、ステップ14’の後(ステップ15’)、SGWユーザプレーン終端点に関する新規ULアドレス指定情報を、MeNBからSeNBへとピギーバックするために、後続メッセージが提案される。
【0036】
よって、一実施形態では、新規UL SGWユーザプレーン終端点に関するアドレス指定情報を、MeNBからSeNBへと提供するために(MeNBは、ステップ13’、14’を通じて、SGWからアドレス指定情報を受信しているものと想定する)、既存ベアラのオフロードシグナリング方式の最後に、新規メッセージが作成される。
【0037】
一実施形態では、以下のステップ(図4の実施例に示すもの)のうち、一部または全部が使用され得る:
・ ステップ13’において、SGWが、新規ULユーザプレーン終端点に関するアドレス指定情報(IPアドレス、TEID)を、オフロードされるベアラのために使用される、たとえばステップ13’の応答メッセージにより、MMEに提供する。
・ ステップ14’において、MMEが、新規UL SGWユーザプレーン終端点に関する、このアドレス指定情報を、たとえばERAB修正確認メッセージにより、MeNBにピギーバックする。
・ 新たなステップ15’において、MeNBが、新規UL SGWユーザプレーン終端点に関する、このアドレス指定情報を、SeNBに提供する。
・ ステップ15’の後、SeNBが、新規UL SGWユーザプレーン終端点に関する、受信したアドレス指定情報を、オフロードされた当該ベアラにかかわるUEから受信したパケットの送信先に関するアドレス指定情報として、使用する。
【0038】
図5は、ベアラのS1−UアップリンクSGW終端点の切換えが、前記ベアラのオフロード後に可能となる、本発明の第2の実施形態によるシグナリングフローの一例を、簡略に示すためのものである。
【0039】
図5の実施例には、以下のステップが示されている:
− ステップ14”において、MMEが、新規UL SGWユーザプレーン終端点に関するアドレス指定情報(IPアドレス、TEID)を、MeNBに提供する。一例として、同アドレス指定情報は、たとえばE−RAB修正要求と呼ばれるメッセージ、より一般には、MMEからMeNBへとS1−MMEインタフェースを介して送信されるメッセージ、具体的には、S1接続の修正を目的としたメッセージにより、提供される。
− ステップ15”において、MeNBが、新規SGW ULユーザプレーン終端点に関する、このアドレス指定情報を、X2インタフェースなどのMeNBとSeNBの間のインタフェースを介して送信されるメッセージ(この例では、X2新規メッセージまたはX2修正と記される)により、SeNBに提供する。ステップ15”におけるメッセージは、新規メッセージとすることも、あるいは、既存のメッセージ(たとえば、X2修正要求、またはX2再構成要求)とすることも可能である。このメッセージは、アドレス指定情報を、新しい情報要素(IE)の形態で含むことになる。ステップ15”で送信されたメッセージは、ステップ15’で送信されたメッセージと同一のものとすることも、別のものとすることも可能である。
【0040】
よって、本発明の実施形態は、ベアラのアップリンクSGWユーザプレーン終端点の切換えを、そのダウンリンクユーザプレーン終端点が別のeNBへと切り換わると同時に行うことを可能にする(ここでは、オフロードされるベアラのために、MeNBからSeNBへと切り換わる)。それにより、たとえば、SGWが、異なるeNB(MeNBではなくSeNB)によってサービスされているベアラのユーザプレーンパスを、別の内部ボードへと移動させることが可能となる。たとえば、いくつかの内部ユーザプレーンボードを、いくつかの特定のeNBのベアラと関連づけるといった、SGWの実装形態を有することは、負荷分担上の理由から、有益であり得る。
【0041】
一態様では、ベアラのS1−UアップリンクSGW終端点の切換えを、デュアルコネクティビティ動作において、マスタeNBMeNBと称するeNBからセカンダリeNBSeNBと称するeNBへの前記ベアラのオフロード中やその終了ごとに、可能にするための方法が提供される。
【0042】
さまざまな実施形態が提供されるが、それらは単独で採用されても、種々の組合せに従って併用されてもよい。
【0043】
一実施形態では、前記方法が:
− 前記SeNBに対し、前記MeNBを介し、前記ベアラのオフロード中やその終了ごとにシグナリングすることであって、新規S1−UアップリンクSGWユーザプレーン終端点に関するアドレス指定情報が、前記切換え後に、前記ベアラのために使用される、シグナリングすることを含む。
【0044】
一実施形態では、前記方法が:
− 前記MeNBに対してモビリティ管理エンティティMMEが前記アドレス指定情報をシグナリングすることを含む。
【0045】
一実施形態では、前記方法が:
− ベアラのオフロード中やその終了ごとに、前記MeNBに対し、S1−MMEインタフェースを介してモビリティ管理エンティティMMEが前記アドレス指定情報をシグナリングすることを含む。
【0046】
一実施形態では、前記方法が:
− 前記SeNBに対して前記MeNBが前記アドレス指定情報をシグナリングすることを含む。
【0047】
一実施形態では、前記方法が:
− 前記SeNBノードに対し、X2インタフェースなどの前記デュアルコネクティビティ動作にかかわるインタフェースを介して前記MeNBが前記アドレス指定情報をシグナリングすることを含む。
【0048】
一実施形態では、前記方法が:
− ベアラのオフロード中やその終了ごとに、S1−MMEインタフェースを介して前記MeNBが前記アドレス指定情報を受信することを含む。
【0049】
一実施形態では、前記方法が:
− 前記MeNBから、前記SeNBが前記アドレス指定情報を受信することと、
− 前記新規S1−UアップリンクユーザプレーンSGW終端点に向けて、前記ベアラのアップリンクユーザプレーントラフィックをルーティングするために、前記SeNBが前記アドレス指定情報を使用することとを含む。
【0050】
一実施形態では、前記方法が:
− X2インタフェースなどの前記デュアルコネクティビティ動作にかかわるインタフェースを介して、前記MeNBにより前記SeNBへと送信されるメッセージで前記SeNBが前記アドレス指定情報を受信することを含む。
【0051】
一実施形態では:
− 前記アドレス指定情報が、IPアドレス指定情報、および、GTP−U終点を識別する、トンネル終点識別子TEIDなどのUDPアドレス指定情報を含む。
【0052】
別の態様では、このような方法、および/または、このような方法が持つ個々のステップを実行するためのエンティティが提供され、前記エンティティには、とりわけ(限定するものではないが)、たとえばEPSネットワークの場合であれば、eNBと、EPC内のモビリティ管理エンティティMMEとが含まれる。
【0053】
一態様では、モビリティ管理エンティティMMEが提供される。
【0054】
さまざまな実施形態が提供されるが、それらは単独で採用されても、種々の組合せに従って併用されてもよい。
【0055】
一実施形態では、前記MMEが:
− デュアルコネクティビティ動作においてマスタeNBMeNBと称するeNBに対し、前記MeNBから、前記デュアルコネクティビティ動作においてセカンダリeNBSeNBと称するeNBへのベアラのオフロード中やその終了ごとに、前記ベアラのために使用される、サービングゲートウェイSGW内の新規S1−UアップリンクSGWユーザプレーン終端点に関するアドレス指定情報を、シグナリングすることを行うように構成される。
【0056】
一実施形態では、前記MMEが:
− ベアラのオフロード中やその終了ごとに、前記MeNBに対し、S1−MMEインタフェースを介して前記アドレス指定情報をシグナリングすることを行うように構成される。
【0057】
一実施形態では:
− 前記アドレス指定情報が、IPアドレス指定情報、および、GTP−U終点を識別する、トンネル終点識別子TEIDなどのUDPアドレス指定情報を含む。
【0058】
別の態様では、デュアルコネクティビティ動作において、マスタeNBMeNBと称するeNBが提供される。
【0059】
さまざまな実施形態が提供されるが、それらは単独で採用されても、種々の組合せに従って併用されてもよい。
【0060】
一実施形態では、前記eNBが:
− 前記MeNBから、前記デュアルコネクティビティ動作においてセカンダリeNBSeNBと称するeNBへのベアラのオフロード中やその終了ごとに、モビリティ管理エンティティMMEから受信を行うことと、
− 前記ベアラのオフロード中やその終了ごとに前記SeNBに対して、前記ベアラのために使用される、サービングゲートウェイSGW内の新規S1−UアップリンクSGWユーザプレーン終端点に関するアドレス指定情報を、シグナリングすることとを行うように構成される。
【0061】
一実施形態では、前記eNBが:
− X2インタフェースなどの前記デュアルコネクティビティ動作にかかわるインタフェースを介して、前記MeNBにより前記SeNBへと送信されるメッセージで、前記アドレス指定情報をシグナリングすることを行うように構成される。
【0062】
一実施形態では、前記eNBが:
− 前記ベアラのオフロード中やその終了ごとに、S1−MMEインタフェースを介して前記アドレス指定情報を受信することを行うように構成される。
【0063】
一実施形態では:
− 前記アドレス指定情報が、IPアドレス指定情報、および、GTP−U終点を識別する、トンネル終点識別子TEIDなどのUDPアドレス指定情報を含む。
【0064】
別の態様では、デュアルコネクティビティ動作において、セカンダリeNBSeNBと称するeNBが提供される。
【0065】
さまざまな実施形態が提供されるが、それらは単独で採用されても、種々の組合せに従って併用されてもよい。
【0066】
一実施形態では、前記eNBが:
− 前記デュアルコネクティビティ動作においてマスタeNBMeNBと称するeNBから、前記MeNBから前記MeNBへのベアラのオフロード中やその終了ごとに、サービングゲートウェイSGW内の新規S1−UアップリンクSGWユーザプレーン終端点に関するアドレス指定情報を、前記ベアラのために、受信することと、
− 前記新規S1−UアップリンクSGWユーザプレーン終端点に向けて、前記ベアラのアップリンクユーザプレーントラフィックをルーティングするために、前記アドレス指定情報を使用することとを行うように構成される。
【0067】
一実施形態では、前記eNBが、以下の動作を行うように構成される:
− X2インタフェースなどの前記デュアルコネクティビティ動作にかかわるインタフェースを介して、前記MeNBにより前記SeNBへと送信されるメッセージで前記アドレス指定情報を受信すること。
【0068】
一実施形態では:
− 前記アドレス指定情報が、IPアドレス指定情報、および、GTP−U終点を識別する、トンネル終点識別子TEIDなどのUDPアドレス指定情報を含む。
【0069】
上で説明したさまざまな方法が持つステップは、プログラミングされたコンピュータによって実行可能であるということが、当業者には容易に認識されよう。本明細書において、いくつかの実施形態は、たとえばデジタルデータ記憶媒体など、プログラム記憶デバイスも対象に含むことを意図している。このようなプログラム記憶デバイスは、マシンまたはコンピュータ可読であるとともに、マシンまたはコンピュータが実行可能な、命令に関するプログラムの符号化を行う。前記命令は、上で説明した前記方法が持つステップの一部または全部を実行するものである。プログラム記憶デバイスは、たとえば、デジタルメモリ、磁気記憶媒体(磁気ディスク、磁気テープなど)、ハードドライブ、または光学的可読デジタルデータ記憶媒体とすることができる。各実施形態は、上記方法が持つ前記ステップを実行するようにプログラミングされた、コンピュータも対象に含むことを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5