特許第6386073号(P6386073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6386073低コストマシン型通信のための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386073
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】低コストマシン型通信のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/18 20090101AFI20180827BHJP
   H04W 4/70 20180101ALI20180827BHJP
【FI】
   H04W28/18
   H04W4/70
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-558385(P2016-558385)
(86)(22)【出願日】2014年3月21日
(65)【公表番号】特表2017-513374(P2017-513374A)
(43)【公表日】2017年5月25日
(86)【国際出願番号】CN2014073910
(87)【国際公開番号】WO2015139329
(87)【国際公開日】20150924
【審査請求日】2016年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,シン ホーン
(72)【発明者】
【氏名】リム,ソー シアン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ユ
【審査官】 古市 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−508539(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/039260(WO,A1)
【文献】 MediaTek Inc.,Impact of Introducing Low-Cost MTC UE on RAN2,3GPP TSG-RAN WG2#84 R2-134076,2013年11月15日
【文献】 Huawei, HiSilicon,RAN2 impacts of Low Cost MTC,3GPP TSG-RAN WG2#85 R2-140277,2014年 2月14日
【文献】 Ericsson,Capabilities of low cost/complexity MTC Ues,3GPP TSG-RAN WG2#84 R2-134299,2013年11月15日
【文献】 Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,Considerations for low cost MTC UE,3GPP TSG-RAN WG1#76b R1-141243,2014年 3月22日,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_76b/Docs/R1-141243.zip
【文献】 Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,Considerations on Low Cost MTC in legacy network,3GPP TSG-RAN WG2#86 R2-142581,2014年 5月 9日,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_86/Docs/R2-142581.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低コストマシン型通信のユーザ機器において使用するための方法であって、前記低コストマシン型通信のユーザ機器はレガシー基地局と通信し、
前記レガシー基地局が事前定義されているサイズよりも小さい送信ブロック・サイズを伴う前記低コストマシン型通信のユーザ機器をスケジュールできるようにスケジューリングに関する少なくとも1つのパラメータを調整するステップと、
前記調整された少なくとも1つのパラメータを前記レガシー基地局にレポートするステップと
を備え
前記少なくとも1つのパラメータは、
チャネル品質インジケータ、
バッファ・ステータス・レポート内のバッファ・サイズ値、及び、
電力ヘッドルーム値、
の内の少なくとも1つを含む、
方法。
【請求項2】
前記事前定義されているサイズは、1000ビットのサイズである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのパラメータは、チャネル品質インジケータを含み、
調整する前記ステップは、
最大値に従って前記チャネル品質インジケータの値を動的に調整するステップであって、前記最大値は、前記レガシー基地局が、前記事前定義されているサイズよりも大きいかまたは事前定義されているサイズよりも小さい前記送信ブロック・サイズを伴う前記低コストマシン型通信のユーザ機器をスケジュールしたかどうかに基づいて適合されるステップを備える
請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのパラメータは、バッファ・ステータス・レポート内のバッファ・サイズ値を含み、
調整する前記ステップは、
前記バッファ・サイズ値が事前定義されている最大値を超えないように、前記バッファ・サイズ値を、現在のバッファ内のデータビットの数及び1000ビットのうちの小さい方から選択するステップを備える
請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのパラメータは、電力ヘッドルーム値を含み、
調整する前記ステップは、
前記レガシー基地局が、前記事前定義されているサイズよりも小さい前記送信ブロック・サイズをもたらす物理アップリンク共有チャネル・リソースをスケジュールできるように基準信号受信電力測定に従って前記電力ヘッドルーム値を調整するステップを備える請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記レガシー基地局が、前記低コストマシン型通信のユーザ機器との通信をサポートするかどうかの指示が受信されていない場合、機能カテゴリ1を前記レガシー基地局にレポートするステップをさらに備える請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
低コストマシン型通信のユーザ機器において使用するための装置であって、前記低コストマシン型通信のユーザ機器はレガシー基地局と通信し、
前記レガシー基地局が事前定義されているサイズよりも小さい送信ブロック・サイズを伴う前記低コストマシン型通信のユーザ機器をスケジュールできるようにスケジューリングに関する少なくとも1つのパラメータを調整するように構成された調整ユニットと、
前記調整された少なくとも1つのパラメータを前記レガシー基地局にレポートするように構成されたレポート・ユニットと
を備え
前記少なくとも1つのパラメータは、
チャネル品質インジケータ、
バッファ・ステータス・レポート内のバッファ・サイズ値、及び、
電力ヘッドルーム値、
の内の少なくとも1つを含む、
装置。
【請求項8】
前記事前定義されているサイズは、1000ビットのサイズである請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのパラメータは、チャネル品質インジケータを含み、
前記調整ユニットは、最大値に従って前記チャネル品質インジケータの値を動的に調整するように構成され、前記最大値は、前記レガシー基地局が、前記事前定義されているサイズよりも大きいかまたは前記事前定義されているサイズよりも小さい前記送信ブロック・サイズを伴う前記低コストマシン型通信のユーザ機器をスケジュールしたかどうかに基づいて適合される請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのパラメータは、バッファ・ステータス・レポート内のバッファ・サイズ値を含み、
前記調整ユニットは、前記バッファ・サイズ値が事前定義されている最大値を超えないように、前記バッファ・サイズ値を、現在のバッファ内のデータビットの数及び1000ビットのうちの小さい方から選択するように構成される請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのパラメータは、電力ヘッドルーム値を含み、
前記調整ユニットは、前記レガシー基地局が、前記事前定義されているサイズよりも小さい前記送信ブロック・サイズをもたらす物理アップリンク共有チャネル・リソースをスケジュールできるように基準信号受信電力測定に従って前記電力ヘッドルーム値を調整するように構成される請求項に記載の装置。
【請求項12】
前記レポート・ユニットは、前記レガシー基地局が、前記低コストマシン型通信のユーザ機器との通信をサポートするかどうかの指示が受信されていない場合、機能カテゴリ1を前記レガシー基地局にレポートするように構成される請求項乃至11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
低コストマシン型通信のユーザ機器において使用するための装置であって、前記低コストマシン型通信のユーザ機器は前記レガシー基地局と通信し、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータ・プログラム・コードを含む少なくとも1つのメモリとを備え、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータ・プログラム・コードは、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、前記装置に少なくとも、
前記レガシー基地局が事前定義されているサイズよりも小さい送信ブロック・サイズを伴う前記低コストマシン型通信のユーザ機器をスケジュールできるようにスケジューリングに関する少なくとも1つのパラメータを調整させ、
前記調整された少なくとも1つのパラメータを前記レガシー基地局にレポートさせるように構成され、
前記少なくとも1つのパラメータは、
チャネル品質インジケータ、
バッファ・ステータス・レポート内のバッファ・サイズ値、及び、
電力ヘッドルーム値、
の内の少なくとも1つを含む、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書における本開示の非限定的および例示的な実施形態は、無線通信分野に関する。特に、本明細書における実施形態は、低コストマシン型通信のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マシン型通信(「MTC」)装置またはデバイスは、一部の固有のアプリケーション向けのマシンによって使用されるユーザ機器(「UE」)である。そのようなMTCデバイスの1つの例は、スマート・ユーティリティ・メーターである。そのようなデバイスは遅延耐性があり、高いスループットを必要としないことが期待される。したがって、Third Generation Partnership Project(「3GPP」)において、Low Cost MTC UEおよびカバレッジ拡張に対する新作業項目が承認された。Low Cost MTC(「LC−MTC」)UEの一部の特徴は、以下のとおりである。
1つの受信機(「Rx」)アンテナ、
1000ビットのユニキャスト(データ)に対する最大アップリンクおよびダウンリンク送信ブロック・サイズ(「TBS」)、および
6つの物理リソース・ブロック(「PRB」)の低減帯域幅
ただし、低減帯域幅の制約は、現在3GPPにおいて議論されている。
【0003】
上記で示されているように、LC−MTC UEは、1000ビットのトラフィックをサポートすることのみが可能であるため、evolved Node B(「eNB」)とも称され得る基地局(「BS」)は、UEの制限を承知している必要がある、つまり、LC−MTC UEとの通信を認識してサポートする。このことは、LC−MTC UEの配備を、これらをサポートするセルのみに限定することになる。言い換えれば、LC−MTC UEは、レガシーBSによって十分にサポートされないことになる。そのような制限は、LC−MTC UEのスケールメリットの達成を困難にし、それにより、低コストの利益を得ることが難しくなる場合もある。
【0004】
したがって、TBSの制約を伴うそのようなLC−MTC UEが、レガシーBSまたはeNBのカバレッジ・エリアにおいて効率的かつ有効に動作できるようにする解決策が、当技術分野において必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記で概説されている問題に対処し、送信ブロック・サイズ制限を伴う低コストマシン型通信のユーザ機器が、レガシー基地局のカバレッジ・エリアにおいて動作できるようにする解決策を提供することが、本開示の目的である。この目的は、以下のような方法および装置を提供することによって達成され得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様によれば、低コストマシン型通信のユーザ機器において使用するための方法が提供され、低コストマシン型通信のユーザ機器はレガシー基地局と通信する。方法は、レガシー基地局が事前定義されているサイズよりも小さい送信ブロック・サイズを伴う低コストマシン型通信のユーザ機器をスケジュールできるようにスケジューリングに関する少なくとも1つのパラメータを調整するステップを備える。方法はまた、調整された少なくとも1つのパラメータをレガシー基地局にレポートするステップを備える。
【0007】
1つの実施形態において、事前定義されているサイズは、1000ビットのサイズである。
【0008】
もう1つの実施形態において、少なくとも1つのパラメータは、チャネル品質インジケータであり、調整するステップは、最大値に従ってチャネル品質インジケータの値を動的に調整するステップを備え、最大値は、レガシー基地局が、事前定義されているサイズよりも大きいかまたは事前定義されているサイズよりも小さい送信ブロック・サイズを伴う低コストマシン型通信のユーザ機器をスケジュールしたかどうかに基づいて適合される。
【0009】
追加の実施形態において、少なくとも1つのパラメータは、バッファ・ステータス・レポート内のバッファ・サイズ値であり、調整するステップは、バッファ・サイズ値が事前定義されている最大値を超えることがないようにバッファ・サイズ値を調整するステップを備える。
【0010】
さらなる実施形態において、少なくとも1つのパラメータは、電力ヘッドルーム値であり、電力ヘッドルーム値を調整するステップは、レガシー基地局が、事前定義されているサイズよりも小さい送信ブロック・サイズをもたらす物理アップリンク共有チャネル・リソースをスケジュールできるように基準信号受信電力測定に従う。
【0011】
上記の実施形態において、方法は、レガシー基地局が、低コストマシン型通信のユーザ機器との通信をサポートするかどうかの指示が受信されていない場合、機能カテゴリ1をレガシー基地局にレポートするステップをさらに備える。
【0012】
本開示のもう1つの態様によれば、低コストマシン型通信のユーザ機器において使用するための装置が提供され、低コストマシン型通信のユーザ機器はレガシー基地局と通信する。装置は、レガシー基地局が事前定義されているサイズよりも小さい送信ブロック・サイズを伴う低コストマシン型通信のユーザ機器をスケジュールできるようにスケジューリングに関する少なくとも1つのパラメータを調整するように構成された調整ユニットを備える。装置はまた、調整された少なくとも1つのパラメータをレガシー基地局にレポートするように構成されたレポート・ユニットを備える。
【0013】
本開示の態様によれば、低コストマシン型通信のユーザ機器において使用するための装置が提供され、低コストマシン型通信のユーザ機器はレガシー基地局と通信する。装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ・プログラム・コードを含む少なくとも1つのメモリとを備え、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータ・プログラム・コードは、少なくとも1つのプロセッサと共に、装置に少なくとも、レガシー基地局が事前定義されているサイズよりも小さい送信ブロック・サイズを伴う低コストマシン型通信のユーザ機器をスケジュールできるようにスケジューリングに関する少なくとも1つのパラメータを調整させるように構成される。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータ・プログラム・コードはまた、少なくとも1つのプロセッサと共に、装置に少なくとも、調整された少なくとも1つのパラメータをレガシー基地局にレポートさせるように構成される。
【0014】
上記で言及されているさまざまな態様および実施形態において説明される解決策を用いて、送信ブロック・サイズ制限を伴う低コストマシン型通信のユーザ機器は、レガシー基地局のカバレッジ・エリアにおいて動作することができる。したがって、低コストマシン型通信のユーザ機器を、レガシー基地局によって提供されているような、さまざまなセルに配備することが可能である。これにより、低コストマシン型通信のユーザ機器のスケールメリットを達成することが容易となり、それに関わる通信コストを低減できるようになる。
【0015】
これ以降、実施形態は、添付の図面に関してさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の実施形態によるLC−MTC UEにおいて使用するための方法を示す概略流れ図である。
図2】本開示の1つの実施形態によるLC−MTC UEにおいて使用するための方法を示す概略流れ図である。
図3】本開示の1つの実施形態によるLC−MTC UEにおいて使用するための装置を示す概略ブロック図である。
図4】本開示のもう1つの実施形態によるLC−MTC UEにおいて使用するための装置を示す概略ブロックである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
これ以降、本開示は、本開示の特定の実施形態が示される添付の図面を参照して以下にさらに詳細に説明される。しかし、この開示は、多数の異なる形態で具現されてもよく、本明細書において示される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、これらの実施形態は、この開示が綿密かつ完璧なものとなり、本開示の範囲を当業者に十分に伝達できるように、一例として提供されている。本明細書全体を通じて、類似する番号は類似する要素を示す。
【0018】
一般に、特許請求の範囲において使用されるすべての用語は、本明細書において明示的に定義されていない限り、当技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるものとする。「1つの(a/an)/要素、装置、コンポーネント、手段、ステップなど」のすべての参照は、特に明記のない限り、要素、装置、コンポーネント、手段、ステップなどの少なくとも1つの例を参照するものとして広義に解釈されるものとする。本明細書において開示される任意の方法のステップは、特に明記のない限り、開示されている正確な順序で実行される必要はない。本開示の任意の態様に関する上記および後段の説明はまた、適用可能な部分において、本開示の任意の他の態様に関連する。
【0019】
本開示の基本概念は、レガシー基地局またはeNBが1000ビットを超えるTBSをスケジュールしないように、基地局またはeNBに対してスケジューリングに関するLC−MTC UEのレポートされたパラメータを調整(または増分減分)することである。この調整は、動的であり、さまざまな基地局またはeNBスケジューラに適応できる。
【0020】
図1は、本開示の実施形態によるLC−MTC UEにおいて使用するための方法100を示す概略流れ図である。図1に示されているように、S101において、方法100は、レガシー基地局が事前定義されているサイズよりも小さいTBSを伴うLC−MTC UEをスケジュールできるようにスケジューリングに関する少なくとも1つのパラメータを調整する。1つの実施形態において、事前定義されているサイズは、1000ビットのサイズである、つまり、上記で言及されているLC−MTC UE TBS制約である。次いで、S102において、方法100は、調整された少なくとも1つのパラメータをレガシー基地局にレポートする。
【0021】
例示の実施形態において、少なくとも1つのパラメータは、CQIである。さらなる例示の実施形態において、S101において調整するステップは、最大値に従ってCQIの値を動的に調整するステップを備え、最大値は、レガシー基地局が、事前定義されているサイズよりも大きいかまたは事前定義されているサイズよりも小さいTBSを伴うLC−MTC UEをスケジュールしたかどうかに基づいて適合され、図2を参照して詳細に説明される。
【0022】
特に、ダウンリンクについて、S101において動的に調整するステップは、LC−MTC UEのレポートされたCQIに実行されてもよい。CQIは、LC−MTC UEの無線条件の指示であるので、多くのeNBスケジューラは、CQIを使用して、変調および符号化方式(「MCS」)を決定することができ、これによりLC−MTC UEに適正なTBSを選択することができる。本開示の実施形態によれば、CQIMAXと示される最大CQIは、レポートされたCQIがこのCQIMAXを超えることができないように課されてもよい。本明細書においてCQIMAXは、定数でなくてもよいが、動的に適合されてもよい。たとえば、LC−MTC UEは、低いCQIMAXで進め、CQIMAXを、その実際の測定されたCQI値またはTBSが1000ビットよりも大きくなるよう導く値まで、徐々に増大させることができる。TBSが1000ビットよりも大きくなるときはいつも、LC−MTC UEは、特定の値(たとえば、1つの事前定義されたステップサイズ)ずつCQIMAXを減少させることができる。付加的または代替的に、LC−MTC UEは、CQIMAX=実際の測定されたCQI値を設定することから始め、次いで、レガシー基地局が1000ビットよりも小さいTBSを割り振るまで、そのCQIMAXを低減することができる。
【0023】
例示の実施形態において、少なくとも1つのパラメータは、バッファ・ステータス・レポート内のバッファ・サイズ値である。さらなる例示の実施形態において、S101において調整するステップは、バッファ・サイズ値が事前定義されている最大値を超えないように、バッファ・サイズ値を調整するステップを備える。
【0024】
特に、アップリンクについて、S101において動的に調整するステップは、バッファ・ステータス・レポート(BSR)内のバッファ・サイズ値に実行される。たとえば、LC−MTC UEは、レガシー基地局が、1000ビットよりも大きいTBSをもたらす物理アップリンク共有チャネル(「PUSCH」)リソースを割り振らないように、バッファ・サイズ値に最大限度を課すことができる。たとえば、レポートされるバッファ・サイズ値は、現在のバッファ内のデータビットの数および1000ビットのうちの小さいほうから、LC−MTC UEによって毎回選択されてもよい。
【0025】
もう1つの例示の実施形態において、少なくとも1つのパラメータは、電力ヘッドルーム値である。さらなる例示の実施形態において、S101において調整するステップは、レガシー基地局が、事前定義されているサイズよりも小さいTBSをもたらす物理アップリンク共有チャネル・リソースをスケジュールできるように基準信号受信電力測定に従って電力ヘッドルーム値を調整するステップを備える。たとえば、スケジュールされたTBSが1000ビットよりも大きい場合、LC−MTC UEは、負の電力ヘッドルーム値をレガシー基地局にレポートすることができる。
【0026】
例示の実施形態において、方法100は、レガシー基地局が、LC−MTC UEとの通信をサポートするかどうかの指示が受信されていない場合、機能カテゴリ1をレガシー基地局にさらにレポートする。言い換えれば、LC−MTC UEは、セルがLC MTCをサポートするという指示を受信しない場合、カテゴリ1の各自のそれぞれの機能カテゴリをレガシー基地局にレポートすることができる。これにより、レガシー基地局は、この型のUEを認識することができ、空間多重化を使用しなくてもよく、前述の動的調整を適用することができる。
【0027】
方法100および上記の実施形態において示されるそのいくつかの変形または改良に基づいて、LC−MTC UEに関連付けられているTBSの制約は、取り除かれてもよく、LC−MTC UEがレガシー基地局のカバレッジ・エリアにおいて動作できるようにすることができる。
【0028】
図2は、本開示の実施形態によるLC−MTC UEにおいて使用するための方法200を示す概略流れ図である。特に、図2は、可能なCQI調整の手法を示し、ここで最大CQIは基地局スケジューリングに基づいて適合される。簡略にするため、最大CQIはCQIMAXと示され、測定されたCQIはCQIMEASと示され、レポートされたCQIはCQIREPと示される。
【0029】
図2に示されるように、方法200は、S201において開始し、ここで方法200は、チャネル測定に基づいてCQIを計算して、CQIMEASを取得する。次いで、S202において、方法200は、以下の式に基づいてCQIREPを決定する。
CQIREP=min(CQIMAX、CQIMEAS)、
ここで、min()は、CQIREPが、CQIMAXとCQIMEASのうちの小さいほうをとることを意味する。
【0030】
図2には示されていないが、LC−MTC UEは、CQIREPをレガシー基地局にレポートし、次いで物理ダウンリンク制御チャネル(「PDCCH」)送信をデコードして、レガシー基地局から割り振られたTBSを決定することができる。次いで、S203において、方法200は、割り振られたTBSが1000ビットよりも小さいかまたは等しいかどうかを決定する。小さいかまたは等しい場合、フローはS204に進み、そこでCQIMAXがCQIREPと等しいかどうかについてさらに決定される。回答が「Yes」である場合、次いでS205において、方法200は、CQIMAXを、たとえば1CQIインデックスのような1ステップサイズずつ、増分する。それ以外の場合、S204において回答が「No」であれば、フローは、レポートおよび調整の次のラウンドのためにS201にループバックすることができる。
【0031】
S203において、割り振られたTBSが1000ビットよりも大きいことが決定される場合、フローはS206に進み、そこでCQIREPがCQIMEASと等しいかどうかについてさらに決定される。等しい場合、S208において、方法200は、CQIMAXにCQIMEASの値をとらせて、S201に戻る。等しくない場合、S207において、方法200は、CQIMAXを、たとえば1ステップサイズずつ、減分し、次いでS201に戻る。
【0032】
図2を参照して行われた上記の説明から、本開示によるレポートされたCQIが動的に調整され得ることが理解されよう。これにより、レポートされたCQIは、より正確なものとなり得るので、レガシー基地局は、LT−MTC UEにさらに適正なスケジューリングを行うことができる。
【0033】
図3は、本開示の実施形態によるLC−MTC UEにおいて使用するための装置300を示す概略ブロック図である。図3に示されるように、装置300は、レガシー基地局が事前定義されているサイズよりも小さいTBSを伴うLC−MTC UEをスケジュールできるようにスケジューリングに関する少なくとも1つのパラメータを調整するように構成された調整ユニット301を備える。装置300はまた、調整された少なくとも1つのパラメータをレガシー基地局にレポートするように構成されたレポート・ユニット302を備える。
【0034】
例示の実施形態において、事前定義されているサイズは、1000ビットのサイズである。
【0035】
もう1つの例示の実施形態において、少なくとも1つのパラメータは、チャネル品質インジケータである。さらなる例示の実施形態において、調整ユニット301は、最大値に従ってチャネル品質インジケータの値を動的に調整するように構成され、最大値は、レガシー基地局が、事前定義されているサイズよりも大きいかまたは事前定義されているサイズよりも小さいTBSを伴うLC−MTC UEをスケジュールしたかどうかに基づいて適合される。
【0036】
例示の実施形態において、少なくとも1つのパラメータは、バッファ・ステータス・レポート内のバッファ・サイズ値である。さらなる例示の実施形態において、調整ユニット301は、バッファ・サイズ値が事前定義されている最大値を超えないように、バッファ・サイズ値を調整するように構成される。
【0037】
例示の実施形態において、少なくとも1つのパラメータは、電力ヘッドルーム値である。さらなる例示の実施形態において、調整ユニット301は、レガシー基地局が、事前定義されているサイズよりも小さいTBSをもたらす物理アップリンク共有チャネル・リソースをスケジュールできるように基準信号受信電力測定に従って電力ヘッドルーム値を調整するように構成される。
【0038】
一部の例示の実施形態において、レポート・ユニット302は、レガシー基地局が、LC−MTC UEとの通信をサポートするかどうかの指示が受信されていない場合、機能カテゴリ1をレガシー基地局にレポートするように構成される。
【0039】
上記の説明から、装置300が、前述の関連する例示の実施形態において説明されているように、方法100および方法200ならびにそれらの変形および拡張を実行することができることが理解されよう。さらに、装置300は、LC−MTC UEまたはその一部として具現されてもよい。
【0040】
図4は、本開示のもう1つの実施形態によるLC−MTC UEにおいて使用するための装置400を示す概略ブロック図である。図4に示されるように、装置400は、データ・プロセッサのような少なくとも1つのプロセッサ401、プロセッサ401に結合された少なくとも1つのメモリ(MEM)402を含む。示されてはいないが、さまざまな実施態様に応じて、装置400は、たとえば本開示におけるレガシー基地局またはeNBなど、無線ネットワークのその他のノードとの無線接続を確立できるようにプロセッサ401に結合された適切なRF送信機TXおよび受信機RXをさらに含むことができる。MEM402は、プログラム(PROG)403を格納する。プロセッサ401とメモリ402の組合せは、本開示の実施形態を実行するように適合された処理手段を形成する。装置400は、たとえばインターネットのような、1つまたは複数の外部ネットワークまたはシステムへデータ・パスを介して結合されてもよい。
【0041】
PROG403は、プロセッサ401によって実行されるとき、装置400が、本開示の例示的な実施形態において説明される方法100、方法200、ならびにそれらのそれぞれの変形および拡張により本明細書において説明されるように、本開示の例示的な実施形態に従って動作できるようにする命令を含むことが想定される。装置300と同様に、装置400がまた、前述の関連する例示の実施形態において説明されているように、方法100および方法200ならびにそれらの変形および拡張を実行することができることが理解されよう。さらに、装置400は、LC−MTC UEまたはその一部として具現されてもよい。
【0042】
一般に、本開示の実施形態は、装置400の少なくとも1つのプロセッサ401によって、またはハードウェアによって、またはソフトウェアおよびハードウェアの組合せによって実行可能なコンピュータ・ソフトウェアにより実施されてもよい。
【0043】
MEM402は、ローカルの技術環境に適切な任意のタイプであってもよく、非限定的な例として、半導体ベースのメモリ・デバイス、磁気メモリ・デバイスおよびシステム、光学メモリ・デバイスおよびシステム、固定式メモリおよび取り外し可能メモリのような、任意の適切なデータ・ストレージ技術を使用して実施されてもよい。装置400において1つのMEMのみが示されているが、装置400内に複数の物理的に別個のメモリ・ユニットがあってもよい。プロセッサ401は、ローカルの技術環境に適切な任意のタイプであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、およびマルチコア・プロセッサ・アーキテクチャに基づくプロセッサの1つまたは複数を含むことができる。装置400は、たとえば、主演算処理装置を同期するクロックに時間的に従属な特殊用途向け集積回路チップのような、複数のプロセッサを有することができる。
【0044】
さらに、さまざまな実施方法によれば、本開示はまた、たとえばプロセッサ401のような、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されるとき、少なくとも1つのプロセッサに、本開示の例示の実施形態による方法を実行させる命令を備えるコンピュータ・プログラムを提供する。
【0045】
加えて、本開示は、前述のようにコンピュータ・プログラムを含むキャリアを提供し、キャリアは、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読ストレージ媒体のうちの1つである。
【0046】
本明細書において説明される技法は、実施形態により説明される対応するモバイル・エンティティの1つまたは複数の機能を実施するデバイスが、従来技術の手段のみならず、実施形態により説明される対応する装置の1つまたは複数の機能を実施するための手段も備え、デバイスが別個の機能ごとに別個の手段を備えることができるか、または手段が2つ以上の機能を実行するように構成され得るように、さまざまな手段によって実施されてもよい。たとえば、これらの技法は、ハードウェア(1つまたは複数の装置)、ファームウェア(1つまたは複数の装置)、ソフトウェア(1つまたは複数のモジュール)、またはその組合せにおいて実施されてもよい。ファームウェアまたはソフトウェアについては、実施態様は、本明細書において説明される機能を実行するモジュール(たとえば、プロシージャ、関数など)を介するものであってもよい。
【0047】
本明細書において示される本開示の多くの変更およびその他の実施形態は、前述の説明および関連する図面に提示される教示の利点を有する、本開示のこれらの実施形態が関連する当技術分野の当業者に考案されるであろう。したがって、本開示の実施形態が、開示される特定の実施形態に限定されるべきではないこと、ならびに変更およびその他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれるよう意図されていることを理解されたい。本明細書において特定の用語が採用されているが、これらは一般的および説明的な意味で使用
されているに過ぎず、限定を目的とするものではない。
図1
図2
図3
図4