特許第6386084号(P6386084)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386084
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】電子機器及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20180827BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   H04Q9/00 311H
   H04M11/00 301
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-564543(P2016-564543)
(86)(22)【出願日】2014年12月19日
(86)【国際出願番号】JP2014083665
(87)【国際公開番号】WO2016098241
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2017年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】398058588
【氏名又は名称】東芝クライアントソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻 直志
【審査官】 宮田 繁仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−033578(JP,A)
【文献】 特開2013−099026(JP,A)
【文献】 特開2003−302290(JP,A)
【文献】 特開2008−293776(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源から得られた電源電圧により動作する電子機器であって、
外部のメータから検針データを受信すると共に、前記電源電圧の変化をモニタして停電発生を検出する第1通信手段と、
前記検針データが書き込まれる不揮発性メモリと、
前記電源電圧により充電され、前記停電発生の開始から少なくとも30秒間は前記電子機器の動作電圧を維持するキャパシタと、
前記第1通信手段によって前記停電発生が検出されたとき、前記キャパシタの電力を用いて停電発生時刻情報を前記不揮発性メモリに書き込み、停電復旧したとき、前記不揮発性メモリから前記停電発生時刻情報を読み出すコントローラと、
前記検針データを外部のサーバに送信すると共に、前記停電復旧したとき、前記コントローラによって前記不揮発性メモリから読み出された前記停電発生時刻情報を前記サーバへ送信する第2通信手段と、
を具備する電子機器。
【請求項2】
前記第2通信手段は、前記停電発生時刻情報とともに停電復旧時刻情報も前記サーバへ送信するように構成される請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1通信手段は、前記キャパシタが接続される第1端子と、前記電源電圧とフォトカプラを介して接続される第2端子と、を具備し、
前記電源電圧の供給が途絶えた場合、前記キャパシタから前記第1端子に供給される電圧により前記第1通信手段の動作が維持され、前記第1通信手段は前記第2端子における前記電源電圧の変化をモニタして前記停電発生を検出する請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1通信手段は、前記第2端子における前記電源電圧の変化を所定間隔毎にモニタし、同じ変化を少なくとも2回続けて検出したとき前記停電発生の検出を前記コントローラに伝える請求項記載の電子機器。
【請求項5】
前記コントローラは、前記第1通信手段から前記停電発生の検出が伝えられると、前記停電発生時刻情報を前記不揮発性メモリに書き込むと共に、前記第2通信手段を用いて前記サーバに前記停電発生の検出を伝える請求項記載の電子機器。
【請求項6】
商用電源から得られた電源電圧により動作し、
外部のメータから検針データを受信する第1通信手段と、前記検針データが書き込まれる不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリにデータを書き込み、前記不揮発性メモリからデータを読み出すコントローラと、前記電源電圧により充電され、停電発生の開始から少なくとも30秒間は電子機器の動作電圧を維持するキャパシタと、前記検針データを外部のサーバに送信する第2通信手段と、を具備する電子機器の方法であって、
前記第1通信手段を用いて前記電源電圧の変化をモニタして前記停電発生を検出し、
前記停電発生が検出されたとき前記コントローラは前記キャパシタの電力を用いて停電発生時刻情報を前記不揮発性メモリに書き込み、
停電復旧すると、前記コントローラは前記不揮発性メモリから前記停電発生時刻情報を読み出し、前記第2通信手段を用いて前記停電発生時刻情報を前記サーバへ送信す
方法。
【請求項7】
前記第2通信手段は、前記停電発生時刻情報とともに停電復旧時刻情報も前記サーバへ送信することを具備する請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記第1通信手段は、前記キャパシタが接続される第1端子と、前記電源電圧とフォトカプラを介して接続される第2端子と、を備え、
前記電源電圧の供給が途絶えた場合、前記キャパシタから前記第1端子に供給される電圧により前記第1通信手段の動作が維持され、前記第1通信手段は前記第2端子における前記電源電圧の変化をモニタして前記停電発生を検出する請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記第1通信手段は、前記第2端子における前記電源電圧の変化を所定間隔毎にモニタし、同じ変化を少なくとも2回続けて検出したとき前記停電発生の検出を前記コントローラに伝える請求項記載の方法。
【請求項10】
前記コントローラは、前記第1通信手段から前記停電発生の検出が伝えられると、前記停電発生時刻情報を前記不揮発性メモリに書き込むと共に、前記第2通信手段を用いて前記サーバに前記停電発生の検出を伝える請求項記載の方法。
【請求項11】
商用電源に接続され、前記商用電源の電圧を動作電圧に変換するコンバータを具備する電力量計に接続される電子機器であって、
外部のメータから検針データを受信すると共に、前記電力量計からの電圧の変化をモニタして停電発生を検出する第1通信手段と、
前記検針データが書き込まれる不揮発性メモリと、
前記コンバータからの動作電圧により充電され、前記停電発生の開始から少なくとも30秒間は前記電子機器の動作電圧を維持するキャパシタと、
前記第1通信手段によって前記停電発生が検出されたとき、前記キャパシタの電力を用いて停電発生時刻情報を前記不揮発性メモリに書き込み、停電復旧したとき、前記不揮発性メモリから前記停電発生時刻情報を読み出すコントローラと、
前記検針データを外部のサーバに送信すると共に、前記停電復旧したとき、前記コントローラによって前記不揮発性メモリから読み出された前記停電発生時刻情報を前記サーバへ送信する第2通信手段と、
を具備する電子機器。
【請求項12】
前記第2通信手段は、前記停電発生時刻情報とともに停電復旧時刻情報も前記サーバへ送信するように構成される請求項11記載の電子機器。
【請求項13】
前記第1通信手段は、前記キャパシタが接続される第1端子と、前記電力量計からの電圧とフォトカプラを介して接続される第2端子と、を具備し、
前記電力量計からの電圧の供給が途絶えた場合、前記キャパシタから前記第1端子に供給される電圧により前記第1通信手段の動作が維持され、前記第1通信手段は前記第2端子における電圧の変化をモニタして前記停電発生を検出する請求項11記載の電子機器。
【請求項14】
前記第1通信手段は、前記第2端子における前記電力量計からの電圧の変化を所定間隔毎にモニタし、同じ変化を少なくとも2回続けて検出したとき前記停電発生の検出を前記コントローラに伝える請求項13記載の電子機器。
【請求項15】
前記コントローラは、前記第1通信手段から前記停電発生の検出が伝えられると、前記停電発生時刻情報を前記不揮発性メモリに書き込むと共に、前記第2通信手段を用いて前記サーバに前記停電発生の検出を伝える請求項14記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商用電源で駆動され、通信機能を有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
このような電子機器の一例としてスマートメータと呼ばれる通信機能を有する電力量計、ガスメータ、水道メータがある。スマートメータは、ネットワークを介して電力、ガス、水道の使用量を電力、ガス、水道の会社のサーバへ送信する。サーバは料金等をスマートメータへ送信する。さらに、電力会社がサービスエリア内の停電の発生状況を把握するために、スマートメータは停電開始時刻情報、停電復旧時刻情報を電力会社のサーバへ送信する。ここで、スマートメータはバッテリを搭載せず商用電源により動作するので、停電発生後は電源が供給されずに、通信することもできない。これに対処するために、スマートメータはスーパーキャパシタと呼ばれる大容量の電気二重層キャパシタを備え、商用電源による動作中にキャパシタを充電し、停電発生後はキャパシタに充電された電力を利用して通信する。
【0003】
しかし、停電発生時は、多数のスマートメータが停電発生時刻情報をサーバに通信するので、各スマートメータは通信エラーにより通信を何度もリトライすることが考えられる。そのため、正常に通信を完了する前にキャパシタの充電電力を使い尽くし、停電発生時刻情報をサーバへ知らせることができないスマートメータも存在し得る。
【0004】
この問題はスマートメータに限らず、バッテリを搭載せず、商用電源により駆動される電子機器で、停電の発生を外部機器へ通知する必要があるものであれば、同様に起こりえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6-181468号公報
【特許文献2】特開2000-232527号公報
【特許文献3】特開2008-293776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、バッテリを搭載せず、商用電源により駆動される電子機器において、停電により動作電源が消失した場合でも、停電の発生を外部機器へ通知することができる電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施例によれば、商用電源から得られた電源電圧により動作する電子機器は、外部のメータから検針データを受信すると共に、前記電源電圧の変化をモニタして停電発生を検出する第1通信手段と、前記検針データが書き込まれる不揮発性メモリと、前記電源電圧により充電され、前記停電発生の開始から少なくとも30秒間は前記電子機器の動作電圧を維持するキャパシタと、前記第1通信手段によって前記停電発生が検出されたとき、前記キャパシタの電力を用いて停電発生時刻情報を前記不揮発性メモリに書き込み、停電復旧したとき、前記不揮発性メモリから前記停電発生時刻情報を読み出すコントローラと、前記検針データを外部のサーバに送信すると共に、前記停電復旧したとき、前記コントローラにより前記不揮発性メモリから読み出された前記停電発生時刻情報を前記サーバへ送信する第2通信手段と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例の電子機器がネットワークに接続された状況の一例を示すブロック図である。
図2図2は、実施例の電子機器の回路構成の一例の回路図である。
図3図3は、実施例の電子機器の停電発生検出、停電復旧検出の一例を示す信号波形図である。
図4図4は、実施例の電子機器の動作の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、図4のフローチャートの続きの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、変形例の電子機器がネットワークに接続された状況の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施例を説明する。
【0010】
図1は、実施例の電子機器がインターネット等のネットワークに接続された状況の一例を示すブロック図である。実施例としては、通信機能付きの電力量計であるスマートメータを説明するが、これに限らず、バッテリを搭載せず、商用電源により駆動される電子機器で、停電の発生を外部機器へ通知する必要があるものであれば、同様に適用可能である。また、図1のスマートメータはメータ機能と通信機能とが別体のユニット内に収納され、両ユニットが工場出荷時に強固に結合される、あるいはユーザ側で着脱自在に結合されている例を説明するが、両機能が一体のユニット内に収納されていてもよい。着脱自在に結合されるのは、故障時の通信機能単体の交換の便宜のためである。
【0011】
家庭への商用電源の引き込み線に電力量計10が接続される。電力量計10の検針データは、無線通信により通信ハブ(CH)20に送信される。家庭内の他のメータ、例えば、水道メータ11、ガスメータ13も検針データを無線により通信ハブ20に送信する。HEMS(Home Energy Management System)が通信ハブ20に接続されても良い。通信ハブ20は、各メータから受信した検針データをインターネット102を介して電気会社、水道会社、ガス会社のサーバへ送信する。住宅が密集している都心部では、通信ハブからネットワークへの通信方式は、IEEE802.15.4規格の無線マルチホップ方式が採用される。無線マルチホップ方式とは、通信可能な他の通信ハブを順々にマルチホップしてゲートウェイ112と呼ばれる通信ハブまでデータを送信するものである。ゲートウェイ112がインターネット102に接続される。このように、1つのスマートメータ(ゲートウェイ)以下に複数のスマートメータがメッシュ状にネットワーク接続され、通信可能な通信ハブが選ばれてゲートウェイまでのルートが都度決定される。ゲートウェイ112は2G/3Gの携帯電話回線を介して無線基地局110に接続される。基地局110がインターネット102を介して電力会社、水道会社、ガス会社のサーバ106、107、108に接続される。
【0012】
無線マルチホップ方式は携帯電話回線が弱い、あるいは存在しない郊外での通信ハブ間の通信に使用される。基地局110の電波が届く範囲にある通信ハブ20はダイレクトに2G/3Gの携帯電話回線を介して基地局110に接続されてもよい。さらに、ネットワークとの通信は無線に限らず、電力線を用いた通信でもよい。電力線を用いた通信はマンション、ビル等で主に採用される。
【0013】
このように各家庭の電力量計10に通信ハブ20が接続されているので、電力量計10が停電発生を検出し、それをサーバ106に通知すると、電力会社はどの電力量計10が電力消失しているかに基づいてどのエリアで停電が発生したかをタイムリーに把握することができる。そのため、電力量計10は停電発生を検出したら、停電発生時刻情報をサーバ106へ報告するように構成されている。しかし、電力量計10及び通信ハブ20は屋外に設置されるので、通信ハブ20はバッテリを搭載できない。停電発生時にサーバ106へ情報を通信するための電力を供給するために、通信ハブ20は大容量コンデンサを備え、そこに貯蔵された電力を使用して、停電発生時の対応を実行する。
【0014】
図2は、実施例の電子機器の回路構成の一例の回路図である。電力量計10は、通常の商用電源(例えば、日本では交流200Vあるいは100V、イギリスでは240V)6が印加されている。商用電源6の電源ラインは、例えば交流240Vのニュートラルラインと、絶縁されていない接地レベルのライブラインとを含む。
【0015】
電力量計10は、AC/DCコンバータ12、タンパー検出用プルダウン抵抗14、ジグビーデバイス16、アンテナ18、積算部19等を含む。ニュートラルラインからの交流電圧がAC/DCコンバータ12に供給され、交流電圧が直流電圧(例えば、DC12V)に変換され、コネクタを介して通信ハブ20に電源として供給される。ライブラインが電力量計10を素通りして通信ハブ20の接地ラインに接続される。電力量計10と通信ハブ20の間のコネクタには、DC12V端子、ライブライン端子の他にタンパー検出端子MT_PRが設けられる。通信ハブ20のタンパー検出端子MT_PRは電力量計10内でプルダウン抵抗14(例えば10Ω)を介してライブラインに接続される。
【0016】
図示しない電気機器が接続される家庭内配線が電力量計10に接続され、電気機器の電力消費量の積算値が積算部19で求められる。積算電力はジグビーデバイス16、アンテナ18を用いて通信ハブ20に無線で送信される。通信ハブ20は電力量計10に取り付けられ、電力量計10からコネクタを介して電源電圧が供給されるが、電力量計10の検針データ(積算電力)はコネクタを介して通信ハブ20に送信されず、ジグビー規格の無線通信により電力量計10から通信ハブ20に送信される。しかし、上記構成に限定されず、電力量計10の検針データをコネクタ経由で通信ハブ20(後述するシステムコントローラ52)に有線で送信してもよい。
【0017】
なお、家庭内の電力量計以外の他のメータ、例えばガスメータ13からのガスの使用量データ、水道メータ11からの水道の使用量データもそれぞれのメータに含まれるジグビーデバイスから通信ハブ20に送信され、アンテナ40、ジグビーデバイス38を介して受信される。すなわち、通信ハブ20は電力量計10のみならず各種メータからの検針データを無線で集約し、定期的(例えば30分間隔)にネットワーク側へ送信することができる。
【0018】
電力量計10から通信ハブ20に供給された例えば12Vの直流電圧はトランス22を介して変圧され、ダイオード24を介して例えば4.2VのVsys電圧として出力される。トランス22の1次巻線の両端は抵抗16、ダイオード18を介して互いに接続される。トランス22の1次側にはDC/DCコンバータ54も接続され、DC12VがDC/DCコンバータ54にも供給される。トランス22の2次巻線の両端は電気二重層キャパシタ(以下スーパーキャパシタと称する)26、28を直列に介して互いに接続され、トランス22の出力電圧Vsysは大容量のスーパーキャパシタ26、28に充電される。スーパーキャパシタ26の一端はダイオード24に接続され、スーパーキャパシタ28の一端は接地される。例えば、スーパーキャパシタ26、28はそれぞれ25Fの容量であり、直列接続されたスーパーキャパシタ26、28の容量は12.5Fである。この容量は、停電発生等によりDC12Vの通信ハブ20への供給が断たれても、トランス22の出力電圧Vsysを一定時間保ち、通信ハブ20が停電発生後でも多少の時間は動作できる値に設定される。
【0019】
通信ハブ20は複数、例えば3つの無線通信デバイス、例えば2G/3Gデバイス32、ジグビーデバイス38、RFメッシュデバイス(IEEE802.15.4規格のメッシュネットワーク)48を含む。このうち、ジグビーデバイス38は各種メータから検針データを受信するためのものであり、2G/3Gデバイス32とRFメッシュデバイス48は各種メータから受信した検針データをネットワーク側へ送信するためのものである。2G/3Gデバイス32は携帯電話回線を用いて通信するものであり、郊外や住宅が密集していない地方で主に採用される。RFメッシュデバイス48はメータ(通信ハブ20)間をマルチホップして通信するものであり、住宅が密集している都心部で主に採用される。なお、ネットワークとの通信は無線に限らず、電力線を用いた通信でもよい。電力線を用いた通信はマンション、ビル等で主に採用される。ネットワークとの通信に使うデバイスは、通信ハブの設置環境に応じて選択される。
【0020】
2G/3Gデバイス32の動作電圧は3.4V〜4.2V(Typ:標準は3.8V)であるが、ジグビーデバイス38、RFメッシュデバイス48の動作電圧は3.3V(Typ)である。スーパーキャパシタの電圧は停電発生等によりDC12Vが断たれると4.2Vから減少する為、トランス22の出力Vsysはアップコンバータ30を介して例えばDC4.2Vに昇圧され、2G/3Gデバイス32の電源端子Vccに供給される。2G/3Gデバイス32はアンテナ34を介して携帯電話通信の基地局と通信することにより、停電発生後でも検針データを例えば電力会社のサーバへ送信することができる。
【0021】
トランス22の出力VsysはLDO(Low Drop Out)レギュレータ36を介して3.3Vに変圧され、ジグビーデバイス38の電源端子Vccに供給される。ジグビーデバイス38はアンテナ40を介して各種メータと通信することにより、各種メータからの検針データを受信する。またRFメッシュデバイス48は、受信した検針データをアンテナ50を介して他の通信ハブ20のRFメッシュデバイスを経由(ホップ)してゲートウェイへ検針データを送信する。
【0022】
トランス22の出力VsysはLDOレギュレータ46を介して3.3Vに変圧され、RFメッシュデバイス48の電源端子Vccに供給される。RFメッシュデバイス48もアンテナ50を介して他の通信ハブ20と無線メッシュネットワークを形成して、ゲートウェイへ検針データを送信する。
【0023】
2G/3Gデバイス32、ジグビーデバイス38、RFメッシュデバイス48には、システムコントローラ52が接続され、検針データの送受信が制御される。例えば、ジグビーデバイス38で受信した各種メータからの検針データがシステムコントローラ52の制御の下、2G/3Gデバイス32あるいはRFメッシュデバイス48からネットワーク側へ送信される。コントローラ52には、フラッシュメモリ53が接続され、通信ハブ20の識別情報や、他のメータから受信した検針データ、停電発生時刻情報がフラッシュメモリ53に書き込まれる。
【0024】
なお、通信ハブ20は停電発生開始から30秒間は動作し、その間に、ネットワークへ停電の発生を知らせるように設計されている。そのため、電力量計10からDC12Vの供給が断たれても30秒間はVsysを維持できるように、スーパーキャパシタ26、28の容量が決められている。この30秒間に通信ハブ20はLast Gasp動作を行い、2G/3Gデバイス32あるいはRFメッシュデバイス48を用いてネットワーク側に停電の発生を伝えることができる。ネットワーク側は停電の発生が伝えられると、適宜な処置を取ることが期待される。ネットワーク側に停電の発生を伝えた後は、通信ハブ20は動作停止してもよい。停電はエリアで発生するので、停電中は多数の通信ハブ20がネットワークへ一斉に送信するので、ネットワークが混雑し、リトライが必要になる。リトライは3回までとされており、3回のリトライのために30秒間は必要になる。しかし、大規模停電時等は、30秒間以内でネットワークに接続され、停電の発生を伝えることが確実に出来る保証はない。本実施例では、フラッシュメモリ53に停電発生時刻情報が書き込まれ、後刻、フラッシュメモリ53から読み出された停電発生時刻情報がサーバ106に通知される。そのため、停電発生時に停電発生時刻情報がサーバ106に直ぐに通知される必要はないので、本実施例では、停電発生時には、停電発生時刻情報はフラッシュメモリ53に書き込まれるだけで、サーバ106に通知されることはしていない。サーバ106に通知されるのは、停電復旧後の安定した動作が保証される時である。これにより、停電発生時刻情報をサーバ106に確実に通知することができる。フラッシュメモリ53への書き込みは僅かな電力で可能であるので、停電発生後であってもスーパーキャパシタ26、28の電力により十分書き込み可能である。
【0025】
停電検出は電力量計10から供給される電源電圧の変化を利用して行なうことができるので、いずれかの通信デバイスで停電検出が行なわれる。ここでは、一例としてジグビーデバイス38で停電検出が行なわれる例を説明する。他のデバイスも同様に変形することにより、他のデバイスでも検出可能である。ジグビーデバイス38は停電検出のために、GPI1端子、ADC端子を含む。
【0026】
電力量計10からの電圧は非絶縁電圧であるので、通信ハブ20の上記検出機能を実現する回路を電力量計10から絶縁することが望まれる。そのため、トランス22の出力Vsysはジグビーデバイス38のADC端子に接続されるが、電力量計10から供給されるDC12Vはフォトカプラ56を介してジグビーデバイス38のGPI1端子に接続される。これにより、ジグビーデバイス38は商用電源から絶縁される。
【0027】
フォトカプラ56のLEDのアノードは抵抗55を介してDC12Vラインに接続され、カソードはライブラインに接続される。フォトカプラ56のフォトトランジスタのコレクタがGPI1端子に接続されるとともにキャパシタ58を介して接地される。フォトカプラ56のフォトトランジスタ56のエミッタは抵抗60を介して接地される。GPI1端子は抵抗42を介してLDOレギュレータ36の出力電圧3.3Vに接続される。
【0028】
このように、1次側のDC12Cをフォトカプラ56で反転して2次側に伝達し、その変化をGPI1端子で検出する。その際、トランス22の2次側にはスーパーキャパシタ26、28が接続されており、電源(DC12V)の供給が途絶えても、トランス22の出力電圧Vsysは一定時間は維持されている為、その間ジグビーデバイス38は動作を続けることができ、GPI1端子のLow→Highの変化を検出することが出来る。
【0029】
図3は、停電発生及び停電からの復旧を検出する動作を示すタイミングチャートである。停電及び停電からの復旧はトランス22の2次側のスーパーキャパシタ26、28の充電電荷を利用して検出するが、充電容量は停電発生直後から徐々に減少する。電力量計10では出力端子に容量が接続されているので、停電が発生した場合、図3に示すように、通信ハブ20内のDC12Vラインの電圧は徐々に低下し、閾値以下に低下すると、フォトカプラ56がオフとなり、LEDが発光停止する。そのため、フォトカプラ56の出力がLow→Highとなり、GPI1端子がLow→Highに変化する。ジグビーデバイス38はGPI1端子がLow→Highに変化すると、割り込みを検出し、その後、所定時間、例えば1秒毎にGPI1端子の状態をモニタし、Highが2回続くと、ネットワーク側へ停電検出を伝えるLast Gasp動作を開始する。具体的には、ジグビーデバイス38はシステムコントローラ52に停電検出を伝える。システムコントローラ52は、停電発生時刻情報をフラッシュメモリ53に書き込むとともに、2G/3Gデバイス32あるいはRFメッシュデバイス48を用いてネットワーク側の電力会社のサーバ106に停電検出を伝える。電力会社はこれを受けて復旧作業を開始することができ、停電からの復旧時間を短縮することができる。
【0030】
なお、GPI1端子のLow→Highの変化で直ちに停電検出しないのは、不安定な動作に基づく誤検出の可能性を避けるためである。そのため、動作が安定している場合は、割り込み検出で直ぐに停電を検出してもよい。また、割り込み検出で直ぐに停電を検出しない場合、Highの検出回数は2回に限らず、1回でも、3回以上でもよいし、検出間隔も1秒に限らず、任意の(一定ではない場合も含む)間隔でよい。
【0031】
電源が停電から復旧し、DC12Vラインが閾値以上に上昇すると、フォトカプラ56がオンとなり、その出力がLowとなり、GPI1端子がHigh→Lowに変化する。ジグビーデバイス38はGPI1端子がHigh→Lowに変化すると、割り込みを検出し、その後、所定時間、例えば1.5秒毎にGPI1端子の状態と、Vsysが供給されているADC端子の状態をモニタし、GPI1=Low、ADC=High(スーパーキャパシタ26、28の充電電荷により停電からの復旧時までVsysがHighを保っている)が2回続くと、停電からの復旧を知らせるパワーオンをネットワーク側へ伝える。この復旧検出も、停電検出と同様に、割り込みで直ちに検出してもよいし、複数回の検出で検出する場合、回数等は適宜変更可能である。
【0032】
図4は、実施例の通信ハブ20の動作の一例を示すフローチャートである。ブロック402で、ジグビーデバイス38は、各種メータから送信され、アンテナ40で受信した検針データを受信する。受信データは、システムコントローラ52により、フラッシュメモリ53に書き込まれる。説明の便宜上、電力量計10からの検針データについて説明するが、他のメータ11、13からの検針データにも同様な処理が行われる。ブロック404で、システムコントローラ52は、フラッシュメモリ53からジグビーデバイス38で受信した検針データを読み出し、RFメッシュデバイス48によりアンテナ50から送信させる。ある通信ハブのアンテナ50から送信されたデータは、周囲の通信ハブのRFメッシュデバイス48で受信され、周囲の通信ハブのRFメッシュデバイス48からさらにその周囲の通信ハブに送信される。これが繰り返され、ゲートウェイ112となる通信ハブ20に検針データが送られる。そのため、途中の通信ハブが停電等で通信不能な場合は、当該通信ハブをスキップして、通信可能なハブを選んで使いゲートウェイ112まで検針データがマルチホップされる。ゲートウェイ112は、2G/3Gの携帯電話回線を介して基地局110に接続され、基地局110がインターネット102を介して電力会社のサーバ106に接続される。このようにして、各通信ハブ20の検針データがサーバ106にアップロードされる。検針データには、通信ハブの識別情報が付随している。
【0033】
ブロック408で、システムコントローラ52は、検針データを送信してから30分経過したか否か判定する。否の場合、ブロック410で、システムコントローラ52は、ジグビーデバイス38がGP11端子の電圧に基づいて停電を検出したか否か判定する。否の場合、ブロック408の経過時間チェックが続けられる。30分経過した場合は、ブロック402に戻り、検針データの受信、送信が行なわれる。これにより、電力量計10から通信ハブ20、ゲートウェイ112、基地局110、インターネット102を介してサーバ106に検針データが30分毎に送信される。
【0034】
ブロック410で、ジグビーデバイス38が停電の発生を検出すると、ブロック414で、システムコントローラ52は、停電発生時刻情報をフラッシュメモリ53に書き込む。図3で説明したように、停電が発生した場合、GPI1端子がLow→Highに変化するので、ジグビーデバイス38は、その後、所定時間、例えば1秒毎にGPI1端子の状態をモニタし、Highが2回続くと、停電の発生を検出する。通信ハブ20では、トランス22の2次巻線の両端は、大容量のスーパーキャパシタ26、28を直列に介して互いに接続されているので、スーパーキャパシタ26、28は、トランス22の出力電圧Vsysにより充電されている。このため、停電が発生しても、スーパーキャパシタ26、28の電荷により、トランス22の出力電圧Vsysは暫くは保たれる。これにより、停電発生時刻情報が確実にフラッシュメモリ53に書き込まれる。
【0035】
次に、ブロック416で、スーパーキャパシタ26、28の充電電荷の残があるか否か判定される。スーパーキャパシタ26、28の充電電荷は時間経過とともに減少し、時間がある程度経過すると、通信ハブ20が動作不可能となる。充電電荷の残が無い場合、ブロック420で、通信ハブ20は電源が完全に消失され、電源オフ状態になる。スーパーキャパシタ26、28の充電電荷の残がある場合、ブロック424で、システムコントローラ52は、ジグビーデバイス38がGP11端子の電圧に基づいて停電復旧を検出したか否か判定する。否の場合、ブロック416に戻る。図3で説明したように、停電復旧した場合、GPI1端子がHigh→Lowに変化するので、ジグビーデバイス38は、その後、所定時間、例えば1.5秒毎にGPI1端子の状態と、Vsysが供給されているADC端子の状態をモニタし、GPI1=Low、ADC=Highが2回続くと、停電復旧を検出する。
【0036】
停電復旧が検出されると、ブロック430で、システムコントローラ52は、フラッシュメモリ53から停電発生時刻情報を読み出し、RFメッシュデバイス48を用いて他の通信ハブをホップして、停電復旧時刻情報とともに停電発生時刻情報をサーバ106へアップロードする。停電発生時刻情報には、通信ハブの識別情報が付随している。ブロック432で、システムコントローラ52は、フラッシュメモリ53内の停電発生時刻情報をクリアして、ブロック402に戻る。なお、通信ハブ20側でも停電発生の状況を記録するため、ブロック432は省略しフラッシュメモリ53内に停電発生時刻情報を記憶ておき、サーバに報告するのは最新の停電発生時刻情報のみとしても良い。
【0037】
このように、停電発生から暫くの間は通信ハブ20は電力量計10からのDC12Vが断たれても、スーパーキャパシタ26、28の充電電荷により引き続き動作する。この間に、停電発生時刻情報がフラッシュメモリ53に確実に書き込まれる。フラッシュメモリ53は不揮発性なので、スーパーキャパシタ26、28の充電電荷が0になり、通信ハブ20の電源がオフになっても、停電発生時刻情報は記憶されている。そのため、その後、停電復旧した際、フラッシュメモリ53から停電発生時刻情報を読み出し、サーバ106に送信することにより、サーバは停電発生時刻情報を確実に収集することが出来る。
【0038】
図5は、図4のフローチャートの続きの一例を示すフローチャートである。通信ハブ20は常時電源オンであり、停電発生時以外は電源オフにならない。さらに、図4に示すように、停電発生後もスーパーキャパシタ26、28の充電電荷の残がある間に停電復旧すると、電源オフとならず、図4の動作を繰り返している。電源オフになると、停電復旧あるいは何らかの要員で電源オンとなると、図5の動作が行なわれる。電源オンとなると、ブロック502で、市システムコントローラ52は、フラッシュメモリ53に停電発生時刻情報が記憶されているか否かを判定する。記憶されている場合、ブロック504で、システムコントローラ52は、フラッシュメモリ53から停電発生時刻情報を読み出し、RFメッシュデバイス48を用いて他の通信ハブをホップして、電源オン時刻(停電復旧時刻の場合もある)情報とともに停電発生時刻情報をサーバ106へアップロードする。ブロック506で、システムコントローラ52は、フラッシュメモリ53内の停電発生時刻情報をクリアして、図4のブロック402以下の処理に進む。ブロック432と同様に、ブロック506も省略してもよい。
【0039】
このように、常時電源オンしている通信ハブであるが、停電発生等で電源オフされることがある。その後、電源オンとなると、フラッシュメモリ53に停電発生時刻情報が記憶されていれば、それを読み出し、サーバ106に送信することにより、サーバは停電発生時刻情報を確実に収集することが出来る。
【0040】
上述の説明は、電力量計10と通信ハブ20とが別体である例であるが、両機能が一体のユニット内に収納されていてもよい。図6は、この変形例の電子機器がネットワークに接続された状況の一例を示すブロック図である。図1では、通信ハブがRFメッシュネットワークを構成しているが、図6では電力量計602と通信部604とが一体であるスマートメータ600がRFメッシュネットワークを構成する。なお、スマートメータとインターネット620との接続は、RFメッシュネットワークに限らず、マンション、ビル内のスマートメータ600を接続線630を介して建物内の集約装置616に接続し、電力線632を介してインターネット620に接続しても良い。
【0041】
上述の説明は、停電発生時には、停電発生時刻情報はフラッシュメモリ53に書き込まれるだけで、サーバ106に通知されることはしていないが、スーパーキャパシタ26、28の電力に余裕がある場合は、停電復旧まで待たずに、サーバ106に通知してもよい。ただし、サーバ106からデータを通信ハブ20側へ送信する可能性がある場合は、停電時でもデータを受信できるように、スーパーキャパシタ26、28の電力を保存するため、停電発生時刻情報のサーバ106への送信を停電復旧まで待った方がよいかもしれない。例えば、通信ハブ20の通信機能のファームウェアをサーバ106から更新するように構成されている場合が該当する。しかし、このような場合でも、サーバ106が停電発生時刻情報、停電復旧時刻情報を把握しているので、停電中にサーバ106から送信した情報は通信ハブ20で正しく受信されていないと想定し、当該情報を再送信すればよい。
【0042】
さらに、実施例として、通信機能付きの電力量計であるスマートメータを説明したが、これに限らず、バッテリを搭載せず、商用電源により駆動される電子機器で、停電の発生を外部機器へ通知する必要があるものであれば、同様に適用可能である。
【0043】
なお、本実施形態の処理はコンピュータプログラムによって実現することができるので、このコンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこのコンピュータプログラムをコンピュータにインストールして実行するだけで、本実施形態と同様の効果を容易に実現することができる。
【0044】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10…電力量計、19…積算部、20…通信ハブ、22…トランス、30…アップコンバータ、32…2G/3Gデバイス、34、40、50…アンテナ、36、46…LDOレギュレータ、38…ジグビーデバイス、48…RFメッシュデバイス、54…DC/DCコンバータ、102…インターネット、106…サーバ、110…基地局、112…ゲートウェイ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6