(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1つまたは複数の処理装置によって実行されると、前記1つまたは複数の処理装置に方法を行わせる命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法は、
使用者の眼の中または上に眼装着型デバイスを配設した状態で第1の目視行為を行うように、補助デバイスのユーザインターフェースで前記使用者を促すことと、
前記第1の目視行為について第1の時間を指示する第1の信号を前記眼装着型デバイスに送ることであって、前記第1の信号に基づいて、前記眼装着型デバイスは、前記第1の目視行為の特性と、前記第1の時間中の前記眼装着型デバイスの第1の状態との対応関係を示す第1の構成情報を生成し、前記眼装着型デバイスの第1の動作モードは、前記第1の構成情報に基づく、前記第1の信号を前記眼装着型デバイスに送ることと、
前記眼装着型デバイスとともに第2の目視行為を行うように、前記ユーザインターフェースで前記使用者を促すことと、
第2の目視行為について第2の時間を指示する第2の信号を前記眼装着型デバイスに送ることであって、前記第2の信号に基づいて、前記眼装着型デバイスは、前記第2の目視行為の特性と、前記第2の時間中の前記眼装着型デバイスの第2の状態との対応関係を示す第2の構成情報を生成し、前記眼装着型デバイスの第2の動作モードは、前記第2の構成情報に基づく、前記第2の信号を前記眼装着型デバイスに送ることと
を含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
前記ユーザインターフェースは、前記使用者が前記第1の目視行為を現在行っているか、または行おうとしていることの指示を受け取る、ビデオカメラ、音声スピーカ、触覚センサ、タッチセンサ、慣性センサ、圧力センサ、応力センサ、または温度センサを含む請求項1に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
前記第1の目視行為を行うように前記使用者を促すことは、前記眼装着型デバイスが異なる調節レベルを連続的に提供する間、物に焦点を合わせるように前記使用者を促すことを含み、前記方法は、前記異なる調節レベルのうち好ましい調節レベルを識別するように、前記ユーザインターフェースを介して前記使用者を促すことをさらに含む請求項1に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0017] 眼に装着することができ、調節が可能なデバイスにアクセスする装置、システム、および方法の実施形態が本明細書に記載される。以下の説明では、実施形態の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細が述べられる。ただし、当業者は、本明細書に記載される技術は、それら具体的な詳細の1つもしくは複数を使用せずに、または他の方法、構成要素、材料などを用いて実施できることを認識されよう。他の例では、特定の態様を曖昧にするのを避けるために、よく知られる構造、材料、または動作は、詳細には図示または説明しない。
【0008】
[0018] 本明細書全体を通じた「1つの実施形態」または「一実施形態」の参照は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じて様々な箇所にある「1つの実施形態では」または「一実施形態では」という表現の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、そのような特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態で、任意の適切なやり方で組み合わせられてよい。
【0009】
[0019] 本明細書に記載されるのは、ユーザインターフェースを介して、スマートコンタクトレンズまたは他の眼装着型デバイス(EMD)へのアクセスを提供するデバイスである。いくつかの実施形態は、そのようなユーザインターフェースによってアクセスされる眼装着型デバイスを対象とする。眼装着型デバイスの実施形態は、通信回路、制御電子部品、および調節アクチュエータを含むことができ、これらはすべて、眼に接触して装着されるように形成された封入材料の中に埋め込まれる。制御電子部品は、調節アクチュエータを駆動して、眼装着型デバイスの屈折力を制御するために結合される。いくつかの実施形態では、制御電子部品は情報を記憶するか、またはその他の方法で情報にアクセスして、眼装着型デバイスの動作モードを選択、記録、またはその他の方法で指示する。
【0010】
[0020] 封入材料は、高分子材料、ヒドロゲル、PMMA、シリコーン系ポリマー(例えばフルオロシリコンアクリル酸塩)、またはその他など、人間の眼と直接接触するのに適合性のある各種材料で作製することができる。封入材料は、眼の角膜表面に装着するように構成された凹湾曲を持つ丸いレンズの形態とすることができる。電子部品は、封入材料の中に埋め込まれた基板の周囲近傍に配設して、角膜の中心領域の近くで受光される入射光との干渉を回避することができる。いくつかの実施形態では、注視方向、または眼装着型デバイスの容量センサ、光検出器システム、もしくは他のセンサ機構からの他の焦点距離情報が使用されて、封入材料の中心部に配置されたシースルー調節アクチュエータを介して加えられる調節の量を決定することができる。調節アクチュエータは、コントローラに結合されて、コントローラによって電気的に操ることができる。例えば、調節アクチュエータは、印加された電気バイアス信号に応答して屈折率を変える液晶セルを用いて実施することができる。他の実施形態では、調節アクチュエータは、印加された電場の存在下で屈折率を変化させる電気光学材料や、変形可能レンズの形状を変える電気機械構造など、他の種類の電気活性光学材料を使用して実施することができる。調節アクチュエータを実施するために使用できる他の例としての構造は、電気湿潤光学部品、微細電気機械システム、またはその他を含む。
【0011】
[0021] 眼に装着することが可能な、調節を行うレンズデバイスの文脈で様々な実施形態の特徴が本明細書に説明されるが、デバイスの光学的強度(例えば特定の焦点距離に対応する)は、静電容量式の注視追跡機構に基づいて変えることができる。ただし、そのような説明は、それに加えて、またはそれに代えて、使用者の眼の中または上で動作することが可能な各種の他の調節光学デバイスのいずれにも適用することができる。例えば、ある実施形態は、調節アクチュエータがデバイスの光学的強度を変えるための特定の機構(例えば、液晶要素またはその他)に関して制限されない。さらに、いくつかの実施形態は、光学的強度の変化が生じるべきかどうかを決定するために使用できる他の技術の静電容量式の注視追跡、光検出器による注視追跡に関して制限されない。
【0012】
[0022]
図1は、本開示の実施形態による、補助デバイス105を介してアクセスされる調節可能眼装着型デバイス100の機能ブロック図である。EMD100の露出部分は、眼の角膜表面に接触して装着されるように形成された封入材料110を含むことができる。基板115が、封入材料110の中に埋め込まれるか、または封入材料110に包囲されて、電源120、コントローラ125、調節アクチュエータ130、容量センサシステム135、アンテナ140、ならびに各種の相互接続145および150のための取付け面を提供することができる。図示される電源120の実施形態は、エネルギーハーベストアンテナ155、充電回路160、およびバッテリ165を含む。図示されるコントローラ125の実施形態は、制御ロジック170、調節ロジック175、および通信ロジック180を含む。図示される補助デバイス105の実施形態は、プロセッサ182、アンテナ184、およびメモリ186を含む。図示されるメモリ186の実施形態は、データ記憶188およびプログラム命令190を含む。
【0013】
[0023] コントローラ125は、容量センサシステム135からフィードバック制御信号を受信するように結合され、さらに、調節アクチュエータ130を操作するために結合されることができる。電源120は、コントローラ125および/または調節アクチュエータ130に動作電圧を供給する。アンテナ140は、コントローラ125によって操作されて、眼装着型デバイス100との間で情報を通信することができる。1つの実施形態では、アンテナ140、コントローラ125、電源120、および容量センサシステム135はすべて、埋め込まれた基板115に置かれる。1つの実施形態では、調節アクチュエータ130は、封入材料110の中に埋め込むことができるが、基板115上には配設されない。眼装着型デバイス100は電子部品を含み、眼に接触して装着されるように構成されるため、本明細書では、眼科用電子部品プラットフォーム、コンタクトレンズ、またはスマートコンタクトレンズとも呼ぶ。
【0014】
[0024] 接触した装着を容易にするために、封入材料110は、濡れた角膜表面に付着する(「載る」)(例えば、角膜表面を被覆する涙の膜との間の毛管力で)ように構成された凹表面を有することができる。それに加えて、またはそれに代えて、眼装着型デバイス100は、凹湾曲に起因する角膜表面と封入材料110との間の真空力によって付着させることもできる。凹表面を眼に当てて装着されるが、封入材料110の外側を向く表面は、眼装着型デバイス100が眼に装着されている間にまぶたの動きを妨げないように形成された凸湾曲を有することができる。例えば、封入材料110は、コンタクトレンズと同様の形状に作られた、実質的に透明の湾曲ディスクとすることができる。
【0015】
[0025] 封入材料110は、コンタクトレンズや角膜表面との直接の接触を伴う他の眼科用途で使用するために用いられる材料など、1種または複数の生体適合材料を含むことができる。封入材料110は、任意選択により、一部がそのような生体適合材料で形成されるか、または、そのような生体適合材料を用いた外側被覆を含むことができる。封入材料110は、ヒドロゲルなど、角膜表面に水分を与えるように構成された材料を含むことができる。事例によっては、封入材料110は、装着者の快適さを高めるために、変形可能な(「非剛性の」)材料とすることができる。事例によっては、封入材料110は、コンタクトレンズによって提供されることが可能なような、あらかじめ決められた視力を矯正する屈折力を提供する形状にすることができる。封入材料は、高分子材料、ヒドロゲル、PMMA、シリコーン系ポリマー(例えばフルオロシリコンアクリル酸塩)、またはその他を含む各種材料で作製することができる。
【0016】
[0026] 基板115は、容量センサシステム135、コントローラ125、電源120、およびアンテナ140を取り付けるのに適した1つまたは複数の表面を備える。基板115は、チップ型回路のための取付けプラットフォーム(例えばフリップチップ実装による)として、および/または、導電性材料(例えば、金、白金、パラジウム、チタン、銅、アルミニウム、銀、金属、他の導電性材料、それらの組み合わせなど)をパターニングして電極、相互接続、アンテナなどを作成するためのプラットフォームの両方として用いることができる。いくつかの実施形態では、実質的に透明の導電性材料(例えば酸化インジウムスズ)を基板115にパターニングして、回路、電極などを形成することができる。例えば、アンテナ140は、金または別の導電性材料のパターンを基板115に堆積させることによって形成することができる。同様に、相互接続145および150は、導電性材料の適切なパターンを基板115に堆積させることによって形成することができる。レジスト、マスク、および堆積技術の組み合わせを用いて、基板115上に材料をパターニングすることができる。基板115は、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、または封入材料110の中で回路および/または電子部品を構造的に支持するのに十分な別の材料など、比較的剛性の高い材料とすることができる。それに代えて、眼装着型デバイス100は、単一の基板ではなく、接続されていない基板の群を用いて構築されてもよい。例えば、コントローラ125および電源120は1つの基板に取り付けることができ、一方、アンテナ140および容量センサシステム135は別の基板に取り付けて、2つの基板を相互接続を介して電気的に接続することができる。
【0017】
[0027] いくつかの実施形態では、電源120およびコントローラ125(ならびに基板115)は、眼装着型デバイス100の中心から離して配置されることにより、眼装着型デバイス110の中心を通る眼への光の伝達との干渉を回避することができる。対して、調節アクチュエータ130は、中心に配置されて、眼装着型デバイス110の中心を通って眼に伝達される光に光学的な調節を加えることができる。例えば、眼装着型デバイス100が凹型に湾曲したディスクの形状とされる場合、基板115は、ディスクの周囲に沿って(例えば外周の近傍に)埋め込むことができる。いくつかの実施形態では、容量センサシステム135は、まぶたの重なりを感知するために周囲に分散された1つまたは複数の個別の静電容量センサを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の静電容量センサが、眼装着型デバイス100の中心領域に配置されてもよい。容量センサシステム135および/または基板115は、入ってくる可視光を実質的に透過して、眼への光の伝達との干渉を緩和する。
【0018】
[0028] 基板115は、埋め込まれる電子部品コンポーネントのための取付けプラットフォームを提供するのに十分な径方向の幅寸法を持つ、平坦な環の形状とすることができる。基板115は、眼装着型デバイス100の断面形状に悪影響を与えることなく、基板を封入材料110の中に埋め込めるようにするのに十分に小さい厚さを有することができる。基板115は、基板115に取り付けられた電子部品を支持するのに適した構造的安定性を提供するのに十分に大きい厚さを有することができる。例えば、基板115は、約10ミリメートルの直径、約1ミリメートルの径方向の幅(例えば外側半径が内側半径よりも1ミリメートル大きい)、および約50マイクロメートルの厚さを持つ環の形状とすることができる。基板115は、任意選択により、眼装着型デバイス100の眼装着面(例えば凸表面)の湾曲と一致させることができる。例えば、基板115は、内側半径と外側半径を定義する2つの円形セグメントの間の架空の円錐の表面に沿った形状とすることができる。そのような例では、架空の円錐の表面に沿った基板115の表面は、眼装着面の湾曲とその半径でおよそ一致する、傾斜した表面を定義する。
【0019】
[0029] 図示する実施形態では、電源120は、コントローラ125を含む、各種の埋め込まれた電子部品に給電するバッテリ165を含む。バッテリ165は、充電回路160およびエネルギーハーベストアンテナ155によって、誘導充電されることが可能である。1つの実施形態では、アンテナ140およびエネルギーハーベストアンテナ155は、各自のエネルギーハーベスト機能と通信機能を行う独立したアンテナである。別の実施形態では、エネルギーハーベストアンテナ155およびアンテナ140は、各自の誘導充電機能および補助デバイス105とのワイヤレス通信機能のために時分割で使用される同じ物理的アンテナである。それに加えて、またはそれに代えて、電源120は、入ってくる紫外線放射、可視放射、および/または赤外線放射からエネルギーを取り込む太陽電池(「光起電電池」)を含むこともできる。さらに、周辺の振動からエネルギーを取り込むために慣性力捕捉システムが含まれてもよい。
【0020】
[0030] 充電回路160は、バッテリ165を充電するため、またはバッテリ165を使用せずに直接コントローラ125に給電するために、取り込まれたエネルギーを適応させる整流器/調整器を含むことができる。充電回路160は、エネルギーハーベストアンテナ155内の高周波変動を緩和するために1つまたは複数のエネルギー蓄積装置も含むことができる。例えば、1つまたは複数のエネルギー蓄積装置(例えば、コンデンサ、インダクタなど)が接続されて、ローパスフィルタとして機能することができる。
【0021】
[0031] コントローラ125は、埋め込まれた他のコンポーネントの動作を計画するロジックを含んでいる。制御ロジック170は、論理ユーザインターフェースや電力制御機能などを提供することを含めて、眼装着型デバイス100の全般的な動作を制御する。調節ロジック175は、容量センサシステム135からのフィードバック信号を監視し、使用者の現在の注視方向または焦点距離を判定し、それに応じて適切な調節を提供するように調節アクチュエータ130を操るためのロジックを含む。静電容量式の注視追跡からのフィードバックに基づいて実時間で自動的な調節が実施されるか、または、特定の調節状況(例えば、物を読むための近視野調節、日常的な活動のための遠視野調節など)を選択するための使用者による制御を可能にすることができる。コントローラ125の回路は、例示的メモリ185(例えば揮発性メモリセルを含む)として表されるように、基板115上のリポジトリを含むか、またはリポジトリに結合することができ、このリポジトリは、例えば、その回路によって書き込まれたデータ、その回路の動作を決定するデータ、および/またはEMD100によって受信された(もしくはEMD100から送信される)データを記憶する。そのようなリポジトリは、調節ロジック175および/またはコントローラ125の他のコンポーネントの働きを記述するログ情報を記憶することができる。
【0022】
[0032] 通信ロジック180は、アンテナ140を介して補助デバイス105とワイヤレス通信するための通信プロトコルを提供する。1つの実施形態では、通信ロジック180は、補助デバイス105から出力された電磁場171の存在下で、アンテナ140を介して後方散乱通信を提供する。1つの実施形態では、通信ロジック180は、後方散乱ワイヤレス通信のためにアンテナ140のインピーダンスを変調するスマートワイヤレス無線周波識別(「RFID」)タグとして動作する。コントローラ125の各種ロジックモジュールは、汎用マイクロプロセッサで実行されるソフトウェア/ファームウェア、ハードウェア(例えば特定用途集積回路)、または両者の組み合わせとして実施することができる。
【0023】
[0033] 眼装着型デバイス100は、各種の他の埋め込まれた電子部品およびロジックモジュールを含むことができる。例えば、光源または画素の配列が含められて、使用者に可視のフィードバックを提供することができる。加速度計またはジャイロスコープが含められて、位置、回転、方向、または加速のフィードバック情報をコントローラ125に提供することができる。
【0024】
[0034]
図1に示すブロック図は、説明の便宜上機能モジュールとの関連で説明するが、必ずしも物理的な編成を暗示しないことに留意されたい。そうではなく、眼装着型デバイス100の実施形態は、単一のチップ、複数のチップ、1つもしくは複数の集積回路、または他の形で実施される機能モジュール(「サブシステム」)の1つまたは複数を用いて構築することができる。
【0025】
[0035] 補助デバイス105は、眼装着型デバイス100との間でワイヤレス信号171を送受信するためのアンテナ184(または2つ以上のアンテナからなる群)を含む。補助デバイス105は、メモリ186と通信状態にあるプロセッサ182を備えたコンピューティングシステムも含む。メモリ186は、非一時的なコンピュータ可読媒体とすることができ、これは、これらに限定されないが、磁気ディスク、光ディスク、有機メモリ、および/またはプロセッサ182により可読の任意の他の揮発性(例えばRAM)もしくは不揮発性の(例えばROM)記憶システムを含むことができる。メモリ186は、データログ(例えばユーザログ)、プログラム設定(例えば、眼装着型デバイス100および/または補助デバイス105の振る舞いを調整する)などのデータの指示を記憶するデータ記憶188を含むことができる。メモリ186は、プロセッサ182によって実行されて補助デバイス105に命令190によって指定されるプロセスを行わせるプログラム命令190も含むことができる。例えば、プログラム命令190により、眼装着型デバイス100から通信された情報を取得することを可能にする、または眼装着型デバイス100に情報を送信して眼装着型デバイス100の動作モードをプログラムもしくはその他の方法で選択することを可能にするユーザインターフェースを、補助デバイス105が提供することができる。補助デバイス105は、アンテナ184を操作して眼装着型デバイス100との間でワイヤレス信号171を送受信するための1つまたは複数のハードウェアコンポーネントも含むことができる。
【0026】
[0036] 補助デバイス105は、スマートフォン、デジタルアシスタント、または、ワイヤレス通信リンク171を提供するのに十分なワイヤレスの接続性を持つ他の携帯型コンピューティングデバイスとすることができる。補助デバイス105は、通信リンク171が携帯型コンピューティングデバイスで一般に用いられないキャリア周波数で動作する例などで、携帯型コンピューティングデバイスにプラグ接続することができるアンテナモジュールとして実施されてもよい。事例によっては、補助デバイス105は、ワイヤレス通信リンク171が低いパワーバジェットで動作できるように、装着者の眼の比較的近傍に装着するように構成された特殊目的デバイスである。例えば、補助デバイス105は、ネックレスやイヤリングなどの宝飾品の中に組み込まれるか、または、帽子やヘアバンドなど、頭部の近傍に着用される衣類品の中に組み込むことができる。
【0027】
[0037]
図2Aおよび
図2Bは、本開示の実施形態による眼装着型デバイス200の2つの方向から見た図を示す。
図2AはEMD200の上面図であり、
図2BはEMD200の斜視図である。眼装着型デバイス200は、
図1に示す眼装着型デバイス100の可能な実装形態の1つである。図示される眼装着型デバイス200の実施形態は、封入材料210、基板215、電源220、コントローラ225、調節アクチュエータ230、容量センサシステム235、およびアンテナ240を含む。
図2Aおよび
図2Bは必ずしも一定の縮尺で描かれておらず、例としての眼装着型デバイス200の構築を記載する際の説明のみを目的として図示されていることを理解されたい。
【0028】
[0038] 眼装着型デバイス200の封入材料210は、湾曲したディスクの形状とすることができる。封入材料210は、眼装着型デバイス200が眼に装着されている間に入射光を眼に伝達させる実質的に透明の材料である。封入材料210は、視力測定法で視力矯正用コンタクトレンズおよび/または美容用コンタクトレンズを形成するために用いられる材料と同様の生体適合材料とすることができ、そのような材料は、高分子材料、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、ポリメタクリル酸メチル(「PMMA」)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(「polyHEMA」)、ヒドロゲル、シリコン系ポリマー(例えばフルオロシリコンアクリル酸塩)、それらの組み合わせ、またはその他などである。封入材料210は、一方の側が、眼の角膜表面にフィットするのに適した凹表面211を有するように形成することができる。ディスクの反対側は、眼装着型デバイス200が眼に装着されている間にまぶたの動きを妨げない凸表面212を有することができる。図示される実施形態では、円形または楕円形の外側側面縁部213が、凹表面211と凸表面212とをつなぐ。
【0029】
[0039] 眼装着型デバイス200は、およそ1センチメートルの直径、および約0.1〜約0.5ミリメートルの厚さなど、視力矯正用および/または美容用コンタクトレンズと同様の寸法を有することができる。ただし、この直径および厚さの値は単に説明の目的で提供されるものである。いくつかの実施形態では、眼装着型デバイス200の寸法は、装着者の眼の角膜表面の大きさおよび/または形状に応じて選択されてよい。封入材料210は、様々なやり方で湾曲した形状に形成することができる。例えば、加熱成形、射出成形、スピンキャスト法など、視力矯正用コンタクトレンズの形成に用いられる技術と同様の技術を用いて、封入材料210を形成することができる。
【0030】
[0040] 基板215は、封入材料210の中に埋め込むことができる。基板215は、調節アクチュエータ230が配置される中心領域から離して、封入材料210の外側周囲に沿って置かれるように埋め込むことができる。図示される実施形態では、基板215が調節アクチュエータ230を取り囲む。基板215は、眼にごく近いために焦点が合うことはなく、また眼の光感知部分に入射光が伝達される中心領域から離して配置されるので、視覚を妨げない可能性がある。いくつかの実施形態では、基板215は、任意選択により透明材料で形成して、視覚的な知覚に対する影響をさらに緩和することができる。基板215は、平坦な円形の環の形状とされてよい(例えば、中心に孔があるディスク)。基板215の平坦な表面(例えば径方向の幅に沿った)は、電子部品を取り付けるため、ならびに電極、アンテナ、および/または相互接続を形成する導電性材料をパターニングするためのプラットフォームとすることができる。
【0031】
[0041] 容量センサシステム235は、眼装着型デバイス200全体に分散されて、静電容量式のタッチ画面と同じようにしてまぶたの重なりを感知することができる。まぶたの重なりの量および位置を監視することにより、容量センサシステム235からのフィードバック信号をコントローラ225によって測定して、およその注視方向および/または焦点距離を決定することができる。容量センサシステム235は、基板215上の封入材料210の中に配設されることが可能である。図示される実施形態では、容量センサシステム235は、基板215の内側の縁部に沿って、アンテナ240と調節アクチュエータ230との間に、調節アクチュエータ230の周囲に分散されている。他の実施形態では、容量センサシステム235は、それに代えて、眼装着型デバイス200の中または表面に分散させることもできる。図示される実施形態では、容量センサシステム235は、共通の読出し線に結合された複数の個別の静電容量センサを含むが、様々な実装形態は、単一の長形の静電容量センサ、複数の個別の静電容量センサ、共通の読出し線を介して並列に結合された複数の個別の静電容量センサ、並列に結合された個別の静電容量センサの複数の独立した枝路などを含む。別の実施形態では、光検出器が様々な方式で眼装着型デバイス200に配設されて、静電容量式の感知に代えて、または静電容量式の感知に加えて、光レベル(例えば光レベルの変化などを含む)に基づく目視行為の監視を行う。
【0032】
[0042] 調節アクチュエータ230は、封入材料210内の中心に配置されて、使用者の視野の中心で眼装着型デバイス200の屈折力に影響を与えることができる。様々な実施形態で、調節アクチュエータ230は、コントローラ225の影響下でアクチュエータ230の屈折率を変えることによって動作する。アクチュエータ230の屈折率を変えることにより、眼装着型デバイス200の湾曲表面の有効屈折力を改変することができ、それにより、制御可能な調節を加えることができる。調節アクチュエータ230は、種々の電気活性光学デバイスを使用して実施することができる。例えば、調節アクチュエータ230は、封入材料210の中心に配設された液晶の層(例えば液晶セル)を使用して実施することができる。他の実施形態では、調節アクチュエータ230は、印加された電場の存在下で屈折率を変化させる電気光学材料など、他の種類の電気活性光学材料を使用して実施することができる。調節アクチュエータ230は、封入材料210の中に埋め込まれた別個のデバイス(例えば液晶セル)、または制御可能な屈折率を有するバルク材料とすることができる。さらに別の実施形態では、調節アクチュエータ230は、電気信号の影響下で形状を変える変形可能なレンズ構造を使用して実施することができる。そのため、眼装着型デバイス200の屈折力は、コントローラ225から調節アクチュエータ230に延びる1つまたは複数の電極を介して電気信号を印加することで、コントローラ225によって制御することが可能である。
【0033】
[0043] 調節アクチュエータ230は、ネマティック液晶、ネマティックねじれ液晶、コレステリック液晶、またはブルー相液晶を含む種々の液晶構造を使用して実施することができる。低電力のチップ設計には低い切り替え電圧が望ましいため、切り替え電圧が5V未満のネマティック液晶が適する。5Vの制御信号の印加で、オフモードにおけるおよそ1.74から、オンモードにおける1.52の範囲の屈折率の切り替えが達成できる。0.2の屈折率の変移は、物を読むための近視野調節を提供するのに十分なはずである。
【0034】
[0044]
図2Aに戻り、ループアンテナ240は、基板の平坦な表面に沿ってパターニングされて平坦な導電性の環を形成する導電性材料の層である。例によっては、封入材料の湾曲に沿って追加的な柔軟性を可能にするために、ループアンテナ240は、互いと電気的につながれた、実質的に同心の複数の区画を含むことができる。そして、各区画が眼装着型デバイス200の凹/凸湾曲に沿って、独立して曲がることができる。例によっては、ループアンテナ240は、完全な輪を作らずに形成されてもよい。例えば、アンテナ240は、
図2Aに示すように、コントローラ225および電源220のための空間を可能にする切り抜き部を有することができる。ただし、ループアンテナ240は、基板215の平坦表面の周囲全体を1回または複数回巻回する、一続きの導電性材料の細片として構築されてもよい。例えば、複数回巻かれた導電性材料の細片を、基板215の裏側の、コントローラ225、電源220、および容量センサシステム235の反対側にパターニングすることができる。そして、そのような巻かれたアンテナの端部(例えばアンテナ引き込み)間の相互接続を、基板215を通してコントローラ225に通すことができる。
【0035】
[0045]
図3は、実施形態による、調節が可能なEMDがアクセスされる環境300の特徴を示す。EMDは、例えば、EMD100またはEMD200の特徴の一部またはすべてを備えることができる。EMDへのアクセスは、例示的デバイス320によって表されるように、補助デバイスを用いて行うことができる。デバイス320は、補助デバイス105の特徴のすべての一部を備えることができる。
【0036】
[0046] 1つの実施形態による例示的なシナリオでは、環境300内の使用者310の眼の中または上にEMD312が配設されている。デバイス320は、EMD312にアクセスするために、例えば、使用者310、眼科医、検眼士、光学器械の販売者、技術者などによって操作することができる。デバイス320などの補助デバイスと、使用者の眼の中または上にある単一のEMDとの間のやり取りに関連して、様々な実施形態の特定の特徴が本明細書に説明される。しかし、そのような説明は、補助デバイスと、使用者の左右の眼の中または上にある2つのEMDのそれぞれとの間のやり取りに様々な形で適用するように拡張することができる。
【0037】
[0047] EMD312へのアクセスは、例えば、EMD312の各動作モードをそれぞれが少なくとも部分的に定義する1つまたは複数のパラメータを構成するか、その他の方法で決定する情報を含むワイヤレス通信を、EMD312とデバイス320との間でやり取りすることを含むことができる。それに代えて、またはそれに加えて、そのような通信は、使用者によるEMD312の以前の何らかの操作を記述する情報を含むことができる。それに代えて、またはそれに加えて、通信の一部は、それぞれがEMD312に対する個々の明示的なコマンドとして働く、使用者310による1つまたは複数の行為をEMD312が定義するのを支援することもできる。
【0038】
[0048] いくつかの実施形態では、デバイス320は、例えば、プログラム命令190の少なくとも一部を実行するプロセッサ182、または他のハードウェアおよび/もしくは実行ソフトウェアを含む、ユーザインターフェースを提供するように構成されたロジックを含む。デバイス320のそのようなインターフェースの一例が、例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)324によって詳細
図322に表されている。
【0039】
[0049] GUIは、使用者310がそれぞれの動作を行うための1つまたは複数のプロンプトを提示することができる。例えば、EMD312とデバイス320との間でやり取りされる通信は、例えばEMD312を用いた1つまたは複数の目視行為など、使用者310によって行われる一連の行為に基づいてEMD312を較正および/または訓練する動作を支援することができる。目視行為は、例えば、使用者310が、自身の注視を特定の方向(もしくは視野の特定のエリア内)に向けること、自身の注視の方向を特定の経路に沿って移動すること、および/または特定の距離(もしくは特定の範囲の距離内)にある何らかの物体に焦点を合わせることを含み得る。それに代えて、またはそれに加えて、目視行為は、使用者310がまばたきをする(例えば、1回、または特定のまばたきの連続に従って)、眼を閉じる、眼をぐるりと回す、寄り目にする、なども含み得る。
【0040】
[0050] 限定ではなく例示として、ユーザインターフェースは、GUI324の例示的プロンプトによって表されるように、上を見る、下を見る、左を見る、右を見るなどの様々な目視行為を使用者310に行わせる、一連の視覚、音声、触覚および/またはその他によるプロンプトを使用者310(または、デバイス320を操作する別の者)に提示することができる。そのようなプロンプトに応答して、目視行為が使用者310によって行われて、その目視行為と同時にEMD310がセンサ情報を生成し、そのセンサ情報とその目視行為のそれぞれとの様々な対応関係を識別するのを助けることができる。例えば、EMD312は、使用者310の視野内の1つまたは複数の基準方向および/または領域、EMD312の調節機能によって選択的に提供されるべき1つまたは複数の光学的強度、各々がEMD312に対するそれぞれの明示的なコマンドとして働く1つまたは複数の目視行為などを様々に表すものとして、センサ情報を識別することができる。
【0041】
[0051] 使用者310または誰か他のデバイス320の操作者は、使用者310が促された行為を現在行っているか、または間もなく行うことを示す、視覚、接触、音声、慣性、圧力、応力、温度、または他による入力を、GUI324(またはデバイス320の他の同様のインターフェース機構)を介して提供することができる。例えば、デバイス320は、使用者310の目視の方向を判定するカメラおよび眼追跡ロジックを含むことができる。使用者310からそれぞれ異なる距離にある印、物体、および/または他の物に焦点を合わせるように、連続して使用者310を促すことができる。そのようなものの一例が、使用者310から距離d1にある例示的な本350、距離d2にあるデスクトップコンピュータ352、距離d3にあるドア354、および地平線の距離d4にある景色356によって表されている。使用者310が所与の距離にあるものに焦点を合わせている間、デバイス320は、異なる時に異なる調節レベルを連続的に提供するようにEMD312に指示を出し、一方、使用者310は、それらの調節レベルのうち好ましい調節レベルを示すように(GUI324および/またはデバイス320の操作者によって)促される。好ましい調節レベルは、GUI324を介して提供される入力によって示され、次いでEMD312に通信されることができる。例えば、好ましい調節レベルと所与の距離(またはその距離を含む距離の範囲)との対応関係は、GUI324を介したそのような入力、および/またはEMD312とデバイス320との間の関連する通信に基づいて、EMD312によって判定することができる。
【0042】
[0052] それに代えて、またはそれに加えて、使用者310は、水平線334に沿って視野の中心線330からずれた1つもしくは複数の方向、および/または、垂直線332に沿って中心線330からずれた1つもしくは複数の方向、を連続的に注視するように促される場合もある。EMD312の容量センサ、光検出器システム、または他のセンサ機構は、使用者310が特定の方向を注視している間にセンサ情報を生成することができ、EMD312とデバイス320との間の通信の結果、EMDが訓練され、例えば、訓練は、EMDが、センサ情報と注視方向との対応関係を示す構成情報を記憶することを含む。そのような訓練はさらに、EMD312が、使用者312の注視の方向(例えば、注視野の方向を関連付けることを含む)と、EMD312による調節のレベルとの関連付けを判定することを含むことができる。所与の光学的強度と、注視野の方向との関連付けは、部分的には、EMDの製造者から提供される情報、EMDの使用者に対する眼の処方、および/または他の事前情報に基づくことができる。例えば、EMDの製造者、販売業者、または他の媒介者が、比較的近い距離からの目視と比較的遠い距離からの目視にそれぞれ関連付けるべき、事前に定義された注視野の方向を記述した情報を提供することができる。
【0043】
[0053]
図4Aは、実施形態による、ユーザインターフェースを用いた眼装着型デバイスの構成を可能にする方法400の要素を示す。一実施形態では、方法400は、例えば補助デバイス105の特徴の一部またはすべてを持つデバイスを用いて行われる。方法400の動作は、1つまたは複数のEMDを構成するために、環境300(または他のそのような環境)内で行われてよい。
【0044】
[0054] 方法400は、405で、使用者の眼の中または上に眼装着型デバイスを配設した状態で第1の目視行為を行うように、デバイスのユーザインターフェースで使用者を促すことを含むことができる。ユーザインターフェースは、1つまたは複数の表示、音声、接触、触覚、および/またはその他によるインターフェース機構を含むことができ、それらには、これらに限定されないが、ディスプレイ、キーボード、マウス、タッチ画面、タッチパッド、ビデオカメラ、マイクロフォン、スピーカ、動きセンサなどの一部またはすべてが含まれる。1つの実施形態では、ユーザインターフェースは、ユーザインターフェースとの対話を介して何らかの目視行為を行うことを示すためにEMDの使用者がその目視行為から逸脱することを必要としない、1つまたは複数の入力機構および/または出力機構を含む。そのような1つまたは複数の機構の例には、これらに限定されないが、ビデオカメラおよび眼追跡ソフトウェア、音声スピーカおよび触覚センサ、慣性センサ、圧力センサ、応力センサ、温度センサなどが含まれる。405で促すことは、インターフェースが、デバイスの使用者、例えばEMDの使用者、医師、または技術者に対して、EMDの使用者が注視すべき方向、および/またはEMDの使用者が焦点を合わせるべき距離(もしくは距離範囲)を表示するか、または他の方法で表すことを含むことができる。
【0045】
[0055] 方法400は、410で、第1の目視行為について第1の時間を指示する第1の信号を眼装着型デバイスに送ることをさらに含むことができ、眼装着型デバイスは、その第1の信号に基づいて第1の構成情報を生成する。例えば、第1の時間は、デバイスの使用者がユーザインターフェースを用いて対話する時に基づくか、その他の形で対応することができる。限定ではなく例示として、方法400は、第1の目視行為を現在行っている時または間もなく行う時にユーザインターフェースが入力を受け取ることを含む、他の動作(図示せず)も含むことができる。それに代えて、ユーザインターフェースは、第1の目視行為をいつ行うかを使用者に指示する、音、振動、または他の出力を提供してもよい。ユーザインターフェースを介したそのような対話によって指示される実行の時間に基づいて、410で、デバイスは、EMDに送信される第1の信号を生成することができる。1つの実施形態では、第1の信号は、EMDに対して第1の時間を識別し、EMDは、EMDの第1の状態(例えばEMDで生成されたセンサ情報を含む)が、識別された第1の時間と同時であると識別する。それに代えて、EMDは、連続的に生成される状態情報をデバイスにストリーミングするか、またはその他の方法で送ることもでき、デバイスは、その状態情報の特定の部分が、第1の時間と一致すると識別する。そして、デバイスは、その一致を、210で送信される第1の信号でEMDに通信することができる。
【0046】
[0056] 第1の構成情報は、第1の目視行為の特性を、第1の時間中の眼装着型デバイスの第1の状態に対応付けることができる。第1の構成情報に基づいて、眼装着型デバイスの第1の動作モードが、定義、実施、および/またはその他の方法で決定されることが可能である。第1の構成は、第1の動作モードの定義を含むことができ、定義は、例えば、第1の動作モード中にEMDによって提供されるべき調節レベルを指定するか、またはその他の方法で指示することができる。それに代えて、またはそれに加えて、第1の動作モードの定義は、その動作モード中のEMDの使用者の注視の方向を指定するか、またはその他の方法で指示することができる(例えば方向の野を指示することによる)。
【0047】
[0057] 方法400は、415で、眼装着型デバイスとともに第2の目視行為を行うように、ユーザインターフェースでEMDの使用者を促すことをさらに含むことができる。415の促すことは、405の促すことと同様の特徴を含むことができ、第2の目視行為は第1の目視行為と異なる。例えば、第1の目視行為と第2の目視行為は、EMDの使用者による焦点および/または注視の方向に関して互いと異なってよい。
【0048】
[0058] 一実施形態では、方法400は、420で、眼装着型デバイスに第2の信号を送ることを含み、第2の信号は、第2の目視行為について第2の時間を指示し、眼装着型デバイスは、その第2の信号に基づいて第2の構成情報を生成する。第2の構成情報は、第2の目視行為の特性を、第2の時間中の眼装着型デバイスの第2の状態に対応付けることができる。第2の構成情報に基づいて、眼装着型デバイスの第2の動作モードが、定義、実施、および/またはその他の方法で決定されることが可能である。2つのそのような動作モードの定義により、後のEMDの動作を可能にすることができ、EMDの制御ロジックは、その定義にアクセスして、実施する調節のレベルを選択するか、またはその他の方法で決定する。
【0049】
[0059]
図4Bは、一実施形態による眼装着型デバイスを操作する方法450の要素を示す。方法450は、例えば、例えば方法400を同時に行う補助デバイスと協働して、使用者の眼の中または上に配設されたEMDによって行うことができる。方法400の動作は、EMD100、200、312のうち1つのEMDの特徴を持つEMDによって行うことができる。
【0050】
[0060] 一実施形態では、方法450は、455で、第1の時間に眼装着型デバイスの第1の状態を検出することを含む。第1の状態の検出は、例えば、第1の時間におけるEMDの使用者による注視の方向を示す、容量センサ、光検出器、または他のセンサ機構の状態を検出することを含むことができる。それに代えて、またはそれに加えて、455の検出することは、第1の時間にEMDの調節アクチュエータで提供される光学的強度を検出することを含むことができる。第1の状態を検出することは、例えばEMDが検出を行うことを求める、第1の時間またはその直前の要求で、EMDに第1の時間を指定するかまたはその他の方法で指示する、補助デバイスからのワイヤレス通信に応答して行うことができる。
【0051】
[0061] 方法450は、460で、第1の時間における使用者による第1の目視行為を示す第1の信号を補助デバイスから受信することをさらに含むことができる。460で受信される第1の信号は、例えば、方法400の410で送信された第1の信号の一部またはすべてを含むことができる。第1の信号は、補助デバイスのユーザインターフェースを介して補助デバイスに受け取られる第1の入力に基づいて、補助デバイスによって生成することができる。例えば、補助デバイスの操作者がそのような入力を提供して、第1の目視行為が現在行われているか、行われようとしていることを示すことができ、補助デバイスは、その入力に基づいて第1の時間を決定し、その第1の時間をEMDに指示することができる。
【0052】
[0062] 第1の信号に基づいて、方法450は、465で、第1の状態を第1の目視行為の特性と対応付ける第1の構成情報を生成することができ、眼装着型デバイスの第1の動作モードは、第1の構成情報に基づく。一実施形態では、第1の構成情報は、第1の動作モード中に調節アクチュエータによって提供されるべき光学的強度を指定するかまたはその他の方法で指示する。それに代えて、またはそれに加えて、第1の構成情報は、第1の動作モード中にEMDの使用者により可能な注視の方向を指定するか、またはその他の方法で指示することができる(例えば、可能な注視方向の範囲を指示することによる)。
【0053】
[0063] 方法450は、470で、第2の時間に眼装着型デバイスの第2の状態を検出することをさらに含むことができる。470の検出することは、455の検出することと同様の特徴を含むことができ、第2の状態は第1の状態と異なる。例えば、第1の状態と第2の状態は、調節アクチュエータで提供される調節のレベルに関して、および/またはEMDの使用者による注視の方向に関して、互いと異なる可能性がある。475で、方法400は、補助デバイスから、第2の時間における使用者による第2の目視行為を示す第2の信号を受信することができ、第2の信号は、ユーザインターフェースを介して補助デバイスに受信される第2の入力に基づく。475で受信される第2の信号は、例えば、方法400の420で送信された第2の信号の一部またはすべてを含むことができる。第2の信号に基づいて、方法450は、480で、第2の状態と、第2の目視行為の特性との対応関係を示す第2の構成情報を生成することができ、眼装着型デバイスの第2の動作モードは、第2の構成情報に基づく。第1の構成情報と同様に、第2の構成情報は、EMDの使用者による特定の注視方向(例えば注視方向の範囲)に対して特定の調節レベルを提供するものとして、第2の動作モードを定義することができる。
【0054】
[0064]
図5は、それぞれの実施形態に従って各々が眼装着型デバイスの動作モードを様々に決定する例示的な構成情報500、510を示す。構成情報500、510の一部またはすべては、例えば方法400、450の一方または両方に基づいて生成され得る。構成情報500、510の特定の構造および内容は例示的なものに過ぎず、異なる実施形態に応じて変化してよい。
【0055】
[0065] 定義されたEMDモードごとに、構成情報500は、それぞれのモード識別子502、そのモードによって提供されるそれぞれの光学的強度を表す値OSV504、および1つまたは複数のイベントを示す遷移状態情報506を含むことができ、その1つまたは複数のイベントが検出されると、その動作モードへの(またはそれに代えてその動作モードからの)遷移を発生させる。限定ではなく例示として、構成情報500は、例えばEMDの調節アクチュエータを動作させる信号のレベルおよび/または周波数を表す値Vaによって示される光学的強度を提供するように、モードMaを定義することができる。EMDの制御ロジックは、状態Saの1つまたは複数のイベント(イベントcaを含む)の検出に応答して、動作モードMaを構成することができる。そのような1つまたは複数のイベントには、EMDの使用者による注視の方向が、少なくとも何らかの最小閾値期間にわたって、値Vaで示される光学的強度に対応すると定義された方向の範囲内にあることが含まれ得る。
【0056】
[0066] モードMaの定義に加えて、構成情報は、例えば、値Vbで示される調節レベルに対応するモードMbを含む、1つまたは複数の他の動作モードも定義することができる。構成情報500に基づいて、EMDの制御ロジックは、使用者が状態Saの1つまたは複数の条件を満たす時に、Vaで表される調節レベルを提供することができ、使用者が状態Sbの1つまたは複数の条件を満たす時に、Vbで表される調節レベルを提供することができる。追加および/または代替のEMD動作モードが、異なる実施形態に応じて構成モード500によって様々に定義されてよい。
【0057】
[0067] いくつかの実施形態では、EMDの制御ロジックは、各々がそれぞれの部分動作モード、または下位モードからなる複数の動作モードをサポートする。そのようなモード中、EMDは、例えばEMDの使用者による注視の方向に基づいて、そのモードの下位モード間を遷移することができる。所与の動作モードの下位モードは各々、例えばEMDの使用者による異なる注視の方向(例えば異なる注視野の方向)に対応する、異なるそれぞれの調節強度を提供することができる。
【0058】
[0068] 限定ではなく例示として、構成情報510は、例示的モードMa、Mb、...、Mnによって表されるように、複数の動作モード各々のそれぞれのモード識別子520を含むことができる。構成情報510はさらに、モードMa、Mb、...、Mnのそれぞれの下位モードごとに、それぞれの下位モード識別子525と、その下位モードによって提供される光学的強度を表すそれぞれの値OSV530とを含むことができる。構成情報510の下位モード遷移状態情報535は、所与の下位モードについて、その所与の下位モードへの(またはそれに代えてその下位モードからの)遷移を発生させる1つまたは複数のイベントを示すことができる。いくつかの実施形態では、構成情報510はさらに、モードMa、Mb、...、Mnについてのそれぞれのモード遷移状態情報540を含む。モード遷移状態情報540は、所与のモードについて、その所与のモードへの(またはそれに代えてそのモードからの)遷移を発生させる1つまたは複数のイベントを示すことができる。例えば、次のモード識別子545は、対応するモード遷移状態が満たされるのに応答してEMDが遷移する先の動作モードを示すことができる。それぞれの下位モードを各々が含む2つのモードに関して、その2つのモードによって、異なる光学的強度値が各々、EMDの使用者による同じ所与の注視方向と様々に関連付けられることが可能である。例えば、個々のモードMa、Mbの下位モードMa1、Mb1が各々、EMDの使用者による注視方向の同じ範囲に対応することができ、下位モードMa1、Mb1は、それぞれの光学的強度値Va1、Vb1によって表される異なるレベルの調節を提供する。
【0059】
[0069]
図6Aは、一実施形態による、調節可能な眼装着型デバイスを操作する方法600の要素を示す。方法600は、例えばEMD100、312の1つによって行われることができる。一実施形態では、EMDは、EMDの管理モード中に、補助デバイスのユーザインターフェースを介した対話に基づいて、較正、訓練、および/またはその他の方法で構成される。
【0060】
[0070] 方法600は、605で、目視行為と、使用者の眼の中または上に配設されたEMDを操作するコマンドとの対応関係を示す構成情報を記憶することを含むことができる。一実施形態では、EMDの制御ロジックは、例えば、調節のレベルを徐々に上げる(または下げる)コマンド、現在の調節のレベルから遷移する機能を無効に(または有効に)するコマンド、デフォルトの調節のレベルに遷移するコマンドなどを含む1つまたは複数の明示的なコマンドに応えるように動作することができる。そのような1つまたは複数のコマンドは、例えば、EMDの使用者、EMDの製造者、医師、技術者などの指定に応じて、構成情報によって定義されることが可能である。
【0061】
[0071] 構成情報を記憶する間に、方法600は、610で眼装着型デバイスの状態を検出することができる。610で検出される状態は、EMDの使用者による注視の方向および/またはまばたきを示す、容量センサ、光検出器、または他のセンサ機構の状態を含むことができる。610で検出された状態および構成情報に基づいて、方法600は、615で目視行為のインスタンスを検出することができる。例えば、615の検出することは、状態情報の1つまたは複数のパラメータを、その目視行為の発生を示すための、構成情報の1つまたは複数の検査条件と比較することを含むことができる。そのような比較に基づいて、615の検出することは、EMDの使用者による注視方向、注視方向の変化、まばたきイベント、および/または他の行為を、そのコマンドの発行を意味するものとして識別することができる。
【0062】
[0072] 615でインスタンスを検出したことに応答して、方法600は、620で、そのコマンドによって示されるEMDの動作を行うことができる。一実施形態では、このコマンドは、615の検出の間に構成される動作モードEMDから遷移するための検査条件に関係なく、620で応えられる。例えば、620で動作を行う結果、EMDが第1の動作モードから第2の動作モードに遷移する可能性があり、ここで、本来であれば第1の動作モードからの遷移を生じさせることになる検査条件(コマンドのための検査条件と区別される)は、第1の動作モードの構成の間には満たされない。
【0063】
[0073]
図6Bは、一実施形態による眼装着型デバイスの構成情報を決定する方法650の要素を示す。方法650は、
図5に示す構成情報の一部またはすべてなどの構成情報を更新するために(例えば、EMDまたは補助デバイスによって)行うことができる。
【0064】
[0074] 方法650は、655で、使用者の眼の中または上に配設された眼装着型デバイスの動作モードのインスタンスを記述するログ情報にアクセスすることを含むことができる。例えば、EMDの制御ロジックは、リポジトリ(例えばメモリ185)と、時間の経過とともにEMDによって実施された動作モード、そのような動作モードの継続時間、発生するモード遷移、所与の動作モード中に起こる目視行為などを指定するか、またはその他の形で示すログをそのリポジトリに維持する回路とを含むか、それらに結合することができる。
【0065】
[0075] 1つの実施形態による例示的シナリオでは、EMDは、
図7に示すようにログ情報720を維持することができ、これは、ある期間に実施されたモードの識別子722を含む。この点で制限されない実施形態もあるが、ログ情報720には2つのモード(M1、M2)のみが表されている。ログ情報720はさらに、それぞれのモードが実施された時間の長さを各々表す継続時間値724を含むことができ、例えば、モードM1が継続時間D1にわたり実施され、次いでモードM2が継続時間D2にわたり実施され、次いでM1が継続時間D3にわたり実施されるなどしている。
【0066】
[0076] そのようなログの情報に基づいて、方法650は、660で、動作モードのインスタンスの特性によって検査条件が満たされるかどうかを評価することができる。例えば、ログ情報を、1つまたは複数の検査条件と比較するか、1つまたは複数の検査条件に基づいてその他の方法で処理して、その1つまたは複数の検査条件が満たされたかどうかを判定することができる。そのような1つまたは複数の検査条件の一例が、
図7の例示的な検査情報730で表され、これは、1つまたは複数の閾値の種類732各々について、それぞれの閾値734を識別する。この点で限定されない実施形態もあるが、検査情報730は、所与の時間の継続時間の間に起こってよいモード遷移の最大回数TPMmax(例えば1分当たりの遷移)を含むことができる。それに代えて、またはそれに加えて、検査情報730は、所与の動作モードの最小継続時間DRminを含んでもよい。いくつかの実施形態では、検査情報730は、第1のモードの2回のインスタンスの合計継続時間と、異なるモードのインスタンス(例えば第1のモードの当該2回のインスタンスの間)の継続時間との最大比RLSmaxを含む。検査情報730について示される閾値Th1、Th2、Th3は、例えば製造者や他の機関から事前情報として提供される可能性がある。
【0067】
[0077]
図7のタイミング
図700に示されるように、660の評価することは、期間t1内のモードM1、M2間の遷移の回数702がTh1を超えることを検出することを含むことができる。それに代えて、またはそれに加えて、660の評価することは、Th2未満である、モードM1のインスタンスの継続時間704を識別することを含んでもよい。
【0068】
[0078]
図7のタイミング
図710を参照して説明するように、660の評価することは、それぞれのインスタンスM2の継続時間t3、t5と、モードM1のインスタンスの継続時間t4とを識別し、合計(t3+t5)とt4との比がTh3よりも大きいと判定することを含むことができる。
【0069】
[0079] 検査条件が満たされると識別する660での評価に応答して、方法650は、665で、眼装着型デバイスの動作モードの定義を含む構成情報にアクセスすることができ、このアクセスすることは、定義のうち1つの定義のパラメータを自動的に更新することを含む。例えば、665のアクセスすることは、構成情報500、510などの遷移状態情報を更新することを含むことができる。例えば、ある動作モードが変わるべきかどうかを決定するための検査条件は、使用者が特定の方向(例えば、注視野の方向)を注視する最小の時間の長さを指定することができる。そのような実施形態では、665のアクセスで1つまたは複数のパラメータ値を変更して、最小の時間の長さおよび/または注視野の方向を変更することができる)。変更された1つまたは複数のパラメータ値は、EMDのそれまでの働きに応じて、特定のモード遷移を起こりやすくするか、または起こりにくくすることができる。
【0070】
[0080] いくつかの実施形態では、
図7に表されるようなログ情報および/または方法650でアクセスされるようなログ情報が、EMDから補助デバイスにダウンロードされることが可能である。そのようなダウンロードは、例えばEMDの使用者が明示的にそのようなダウンロードを指令する、および/またはそのようなダウンロードに気が付くことなく、自動的に起こってよい。例えば、ダウンロードは、EMDと補助デバイスとの間のワイヤレスの存在検出交換に応答して、自動的に発生することができる。それに加えて、またはそれに代えて、例えば方法650における構成情報の自動的な更新に関係なく、および/または補助デバイスのユーザインターフェースとの操作者による対話に関係なく、ログ情報のそのようなダウンロードが起こってもよい。ダウンロードされたログ情報は、これらに限定されないが、EMDの使用者、医師または技術者、EMDの製造者などを含む、様々な1人または複数の消費者のいずれもが、ユーザインターフェースおよび/またはネットワークを介して補助デバイスから利用できるようにすることができる。