(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
[実施形態]
【0013】
以下、
図1〜6を用いて、本実施形態を説明する。
[全体概要]
【0014】
図1は、本実施形態の組合せ計量装置1の概要を説明するための図である。
【0015】
図1に示される組合せ計量装置1は、分散テーブル10、搬送部20、プールホッパ30、計量ホッパ(計量部)40、集合排出シュート(集合シュート)50、支持部材60、タイミングホッパ70およびフレーム80を備える。
【0016】
以下、最初に組合せ計量装置1における動作概要を説明する。
【0017】
まず、組合せ計量装置1まで、組合せ計量装置1の上方に配置されたクロスフィーダ(図示せず)により被計量物が搬送される。ここで、被計量物は、生の鶏肉等、柔らかく粘着性のある食品である。しかし、被計量物はこれに限定されるものではなく、組合せ計量する対象物品であればどのようなものでも構わない。
【0018】
クロスフィーダにより搬送されてきた被計量物は、分散テーブル10の略中央部に供給される。分散テーブル10は、上下方向に延びる回転軸C(
図1を参照)周りを回転駆動される。そして、分散テーブル10は、上方から供給された被計量物を、周方向に分散させながら、径方向外側に向けて搬送する。分散テーブル10により分散されつつ搬送された被計量物は、分散テーブル10の外周縁から放出される。
【0019】
分散テーブル10から放出された被計量物は、分散テーブル10の下方に環状に配置された複数の搬送部20に供給される。複数の搬送部20は、分散テーブル10の中心から放射状に延びる。言い換えると、複数の搬送部20は組合せ計量装置1の中心から放射状に延びる。
【0020】
各搬送部20は、各搬送部20に1対1で対応するように分散テーブル10の周囲に配置される各プールホッパ30に向かって、分散テーブル10から供給された被計量物を搬送する。具体的には、搬送部20は、トラフ内にスクリュー搬送ユニットが配置される部材である。搬送部20は、このスクリュー搬送ユニットが回転駆動することで被計量物を搬送する。各搬送部20は、搬送した被計量物を、搬送部20の外端部の下方に配置されるプールホッパ30に落下させることで、プールホッパ30に被計量物を供給する。
【0021】
なお、上記において搬送部20はスクリュー搬送ユニットとして説明したが、トラフ自体が振動して被計量物を搬送する振動フィーダユニットであっても構わない。要するに、搬送部20は、分散テーブル10から供給される被計量物をプールホッパ30に搬送できる構成であれば、どのようなものを利用するものでも構わない。
【0022】
各プールホッパ30は、搬送部20から供給された被計量物を一時的に保持する。その後、各プールホッパ30は、各プールホッパ30に1対1で対応するように各プールホッパ30の下方に配置される各計量ホッパ40に、保持した被計量物を供給する。各計量ホッパ40では、図示しない計量機構により、被計量物の重量が計測される。
【0023】
組合せ計量装置1のコントローラ(制御部)(図示せず)は、計量ホッパ40内の被計量物の重量に基づいて、許容される範囲の重量の組合せの中で、目標重量に一致する組合せかあるいは最も近いホッパの組合せを演算によって求める。コントローラが演算によって求めた組合せに含まれるホッパ内の被計量物は、集合排出シュート50に排出される。
【0024】
集合排出シュート50は、異なるホッパから排出される被計量物を集合させ、タイミングホッパ70に向けて落下させる部材である。集合排出シュート50に排出された被計量物は、自重により当該集合排出シュート50に沿ってタイミングホッパ70に落下する。
【0025】
タイミングホッパ70は、集合排出シュート50から供給される被計量物を一時的に滞留させる部材である。タイミングホッパ70は、組合せ計量装置1のコントローラ(図示せず)の制御により、一時的に滞留させている被計量物を所定のタイミングで下流に対して排出する。
【0026】
タイミングホッパ70の周囲または略鉛直方向におけるタイミングホッパ70の上側近傍には、フレーム80が配置されている。タイミングホッパ70は、支持部材60を介してフレーム80に取付けられている。
【0027】
フレーム80は、組合せ計量装置1における各部材を直接的または間接的に支持する部材である。フレーム80は、その一部に開口部802を有する。使用者は、フレーム80に開口部802が設けられているため、略鉛直方向におけるフレーム80の上側からタイミングホッパ70をメンテナンスできる。要するに、使用者は、略鉛直方向におけるフレーム80の上側からでも支持部材60またはタイミングホッパ70を視認でき、かつ手を伸ばして直接作業できる。
【0028】
なお、略鉛直方向における上側及び下側に開口しかつ略水平方向における一方の側(例えば、前側)に開口するように、フレーム80が構成されることで、開口部802が形成されても構わない。また、その場合、フレーム80の剛性を向上させるために、開口部802が角状の部材で接続されていても構わない。また、略鉛直方向に対して斜め方向に開口する開口部802であっても構わない。その場合、開口部802の開口方向は、使用者に向けて(すなわち、前側に)斜めに開口していることが好ましい。要するに、フレーム80は、少なくとも上方に向けて開口する開口部802を有する構成であれば、どのようなものでも構わない。以下、説明の便宜上、本実施形態の組合せ計量装置1におけるフレーム80は、略鉛直方向における上側及び下側に開口しかつ略水平方向における一方の側(例えば、前側)に開口するように構成されているものとして説明する。
[タイミングホッパ70の取付に関する機構および支持部材60の具体的構成]
【0029】
以下、タイミングホッパ70の取付に関する機構および支持部材60の具体的構成に関して図面を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態の組合せ計量装置1におけるタイミングホッパ70および支持部材60の具体的構成を説明するための斜視図である。
図3は、本実施形態の組合せ計量装置1におけるタイミングホッパ70および支持部材60の具体的構成を説明するための平面図である。
図4は、本実施形態の組合せ計量装置1におけるタイミングホッパ70の取付位置を説明するための図である。
【0030】
図2に示されるように、フレーム80には、吊下部材801が接続されている。吊下部材801は、フレーム80のうち略鉛直方向における下側の下面に取り付けられている。
【0031】
吊下部材801は、
図2および
図3に示されるように、1対の部材で構成される。具体的には、吊下部材801は、
図2および
図3に示されるx軸方向に長手方向を有する吊下部材801aおよび吊下部材801bを有する。この吊下部材801aおよび吊下部材801bは、
図2に示されるxy平面(略水平面)において対向する。
【0032】
吊下部材801aおよび吊下部材801bのそれぞれの両端部には、略鉛直方向に長手方向を有する取付部材が設けられている。この取付部材を介して吊下部材801はフレーム80と接続されている。
【0033】
吊下部材801は、さらに、吊下部材801のねじれを抑制するために、
図2および
図3に示されるy軸方向に長手方向を有する吊下部材801cおよび吊下部材801dを有する。
【0034】
支持部材60は、略鉛直方向と直交する平面上(
図2および
図3に示されるxy平面)において、吊下部材801上を、
図2に示されるx軸方向に移動可能な部材である。具体的には、支持部材60は、タイミングホッパ70を支持部材60に対して固定した状態において、(1)タイミングホッパ70が集合排出シュート50から供給される被計量物を受け取る第1の取付位置(
図4(a)に示される状態)と、(2)タイミングホッパ70の着脱に係る第2の取付位置(
図4(b)に示される状態)との間で、吊下部材801を摺動しながら移動する。第1の取付位置と第2の取付位置との間で支持部材60が移動する際、タイミングホッパ70は、支持部材60に対する固定状態を維持し続けることができる。
【0035】
なお、タイミングホッパ70が第2の取付位置に移動した場合であっても、タイミングホッパ70は組合せ計量装置1の外側に飛び出さない。つまり、タイミングホッパ70を移動させたとしても、組合せ計量装置1のメンテナンスに係る設置面積は変わらない。
【0036】
第2の取付位置近傍には、フレーム80に設けられた開口部802が位置する。これにより、使用者は、タイミングホッパ70が第2取付位置に位置する場合、フレーム80に設けられた開口部802を介して、略鉛直方向における上側にタイミングホッパ70を容易に取り外すことができる。
【0037】
以下、支持部材60およびタイミングホッパ70の取付機構について図面を参照しながら説明する。
【0038】
具体的には、支持部材60は、第1レール部材601、第2レール部材602、側板603および係合部材604を有する。
【0039】
タイミングホッパ70は、少なくとも係合ピン(第1の係合部材)701および係合部材702を有する。
【0040】
以下、上記のそれぞれについて図面を参照しながら具体的に説明する。
【0041】
第1レール部材601は、第2レール部材602を介してタイミングホッパ70を間接的に支持する線状部材である。
【0042】
具体的に第1レール部材601は、略鉛直方向と直交する平面上(
図2および
図3に示されるxy平面)において対向する1対の線状部材である。言い換えると、上記平面上において、
図2および
図3に示されるy軸と平行する2つの直線のそれぞれ上に第1レール部材601のそれぞれの長手方向が配置される。
【0043】
第1レール部材601のそれぞれは、両端部にローラを有する。このローラが吊下部材801を転がることにより、タイミングホッパ70は、第1の取付位置と第2の取付位置との間で移動する。
【0044】
1対の第1レール部材601は、第1レール部材601間に少なくともタイミングホッパ70および第2レール部材602が配置されるように互いに離れている。
【0045】
第2レール部材602は、第1レール部材601に取り付けられ、タイミングホッパ70を直接的に支持する部材である。この第2レール部材602は、第1端部(第2の係合部材)6021および摺動面6022を有する。
【0046】
第1端部6021は、タイミングホッパ70が第2レール部材602に固定されている状態において、タイミングホッパ70が有する係合ピン701と係合する部材である。
【0047】
摺動面6022は、係合ピン701が摺動する面である。略鉛直方向における摺動面6022の上側には、係合ピン701の摺動時にその動作をガイドする部材は取り付けられていない。つまり、係合ピン701が摺動面6022を摺動している状態において、使用者は、略鉛直方向における上側からタイミングホッパ70を取り外すことができる。
【0048】
第2レール部材602における端部のうち、第1端部6021とは逆の第2端部と、吊下部材801bとの間は、略鉛直上方向から見た場合(
図3を参照)、係合ピン701が通過できる空間が形成されている。上記のように構成することにより、摺動面6022上を摺動した係合ピン701が第2端部に到達した後、そのまま略鉛直方向における下側に係合ピン701を第2レール部材602から落として取り外すことが可能となる。これにより、使用者は、タイミングホッパ70を略鉛直方向における上側から取り外すだけでなく、略鉛直方向における下側からも取り外すことが可能となる。その結果、使用者における利便性を向上できる。
【0049】
図3に示されるように、1対の第2レール部材602のそれぞれは、その長手方向の長さが異なる。これにより、第2レール部材602と吊下部材802bとの間に形成される空間の大きさに違いができる(
図3を参照)。
【0050】
上記のように構成することにより、1対の係合ピン701のうち、一方が第2レール部材602から落下したとしても、他方は第2レール部材602と係合した状態が維持される。これにより、使用者が意図しないタイミングでタイミングホッパ70が落下することを抑止できる。要するに、係合ピン701が同じタイミングで第2レール部材602から落下しなくなるため、使用者における利便性を向上できる。
【0051】
なお、上記における1対の第2レール部材602は、長さが異なるものを説明したが、製造観点から同じ長さの第2レール部材602を利用することもできる。
【0052】
側板603は、第1レール部材601の端部に接続され、第1レール部材601の吊下部材801からの落下を抑制する部材である。
【0053】
係合部材604は、係合部材702と係合する部材である。タイミングホッパ70が支持部材60に固定されている状態、言い換えると、係合ピン701が第1端部6021に係合している状態において、係合部材604も係合部材702と係合する。つまり、タイミングホッパ70が支持部材60に対して固定されている状態では、係合ピン701と第1端部6021が係合し、かつ係合部材702と係合部材604が係合している。
【0054】
係合ピン701は、第1端部6021と係合する係合部材である。係合ピン701は、第1端部6021から取り外された後、摺動面6022を摺動する。
【0055】
第1の取付位置から第2の取付位置に向かう方向(
図2および
図3に示されるx軸方向)に対して、係合ピン701のうち一方の最外端から他方の最外端までの距離L(
図3を参照)は、第1レール部材601間の距離よりも短く設定されている。これにより、係合ピン701が摺動面6022上を摺動し、第2レール部材602における第2端部に到達した後、使用者は、そのまま略鉛直下方向に係合ピン701を第2レール部材602から取り外すことができる。その結果、使用者はタイミングホッパ70を略鉛直下方向に取り外せる。
【0056】
係合部材702は、係合部材604と係合する部材である。タイミングホッパ70が支持部材60に対して固定された状態において、係合部材702は係合部材604と係合する。
[第2レール部材602近傍における係合ピン701と第2レール部材602の関係性の説明]
【0057】
以下、図面を参照しながら第2レール部材602近傍における係合ピン701と第2レール部材602の関係性について説明する。
【0058】
図5は、本実施形態の組合せ計量装置1における第2レール部材602およびその近傍に対して仮想的に設定される領域を説明するための図である。
【0059】
図5に示されるように、第2レール部材602およびその近傍は、第1領域、第2領域および第3領域の3つの領域に分割される。
【0060】
第1領域は、タイミングホッパ70が支持部材60に対して固定されている状態において、係合ピン701と第1端部6021が係合し、かつ係合部材702と係合部材604が係合する領域である。この第1領域において、タイミングホッパ70は、支持部材60に対して固定されている状態である。そのため、使用者は、略鉛直方向における上側または略鉛直方向における下側のいずれからも、タイミングホッパ70を取り外すことはできない。
【0061】
第2領域は、係合ピン701と第1端部6021とは係合しておらず、かつ係合部材702と係合部材604も係合していない領域である。要するに、第2領域は、係合ピン701が摺動面6022上を自由に摺動でき、かつ係合ピン701のみが第2レール部材602に係止している領域である。この第2領域において、略鉛直方向における係合ピン701の上側には、係合ピン701の動きを制限する部材は配置されていない。つまり、使用者は、係合ピン701が第2領域に存在する場合、タイミングホッパ70を略鉛直方向における上側から取り外すことができる。
【0062】
第3領域は、係合ピン701が第2レール部材602に接していない領域である。つまり、使用者は、係合ピン701が第3領域に存在する場合、タイミングホッパ70を略鉛直方向における上側および略鉛直方向における下側のいずれからも取り外すことができる。
【0063】
第1領域、第2領域および第3領域は、この順に形成されていることが好ましい。つまり、タイミングホッパ70が支持部材60に固定されている状態から非固定状態となった場合、使用者は、まず、タイミングホッパ70を略鉛直方向における上側から取り外すことができ、その後、略鉛直方向における上側および略鉛直方向における下側のいずれからも取り外すことができる構成が好ましい。このように構成することにより、タイミングホッパ70が支持部材60に対する固定状態から非固定状態となった場合、タイミングホッパ70が突然に略鉛直方向における下側に落下することを防止できる。
【0064】
なお、第1の取付位置から第2の取付位置にタイミングホッパ70が移動する移動方向(
図2および
図3に示されるx軸方向)と、タイミングホッパ70を支持部材60から取り外す取外方向(
図2および
図3に示されるy軸方向)とは、互いに直交する。つまり、第1の取付位置から第2の取付位置にタイミングホッパ70が移動する移動方向と、所定位置に固定されているタイミングホッパ70を支持部材60から取り外す取外方向とは、互いに交差する。
【0065】
使用者は、例えばはしご等に登り、フレーム80の略鉛直方向における上側から、タイミングホッパ70を取り外すことが想定される。ここで、支持部材60の移動方向(
図2および
図3に示されるx軸方向)を、使用者に対して奥が第1の取付位置となり、使用者に対して手前が第2の取付位置となるように、設定する。一方、タイミングホッパ70の支持部材60に対する移動方向(
図2および
図3に示されるy軸方向)を、使用者に対して右側または左側から他方の側に移動するよう設定する。
【0066】
このように、それぞれの方向が設定される場合、使用者は、タイミングホッパ70を取り外す際に、第1レール部材601等を掴み、第1の取付位置から第2の取付位置に支持部材60およびタイミングホッパ70を引き出すことができる。つまり、使用者がはしご等に登って作業しているとしても、使用者がタイミングホッパ70を楽に移動できる。要するに、使用者にとって力の入りやすい方向にタイミングホッパ70を引き出すことができる。
【0067】
そして、使用者は、支持部材60およびタイミングホッパ70を第2の取付位置に移動させた後、係合ピン701と第1端部6021との係合および係合部材702と係合部材604との係合を解除する。
【0068】
これにより、使用者は、タイミングホッパ70を略鉛直方向における上側から取り外すことができる。このとき、使用者は、両手ともに自身の重心近くでタイミングホッパ70を持ち上げることができる。つまり、使用者は、タイミングホッパ70を取り外す際、右手または左手のいずれか一方を自身の重心から遠くなる方向に伸ばす必要がなくなる。要するに、開口部802近傍に位置する使用者は、無理な態勢を取らずともタイミングホッパ70を取り外すことができる。そのため、使用者の利便性を向上できる。
【0069】
また、第2の取付位置は、集合排出シュート50から離れた位置に形成されている。一般的に集合排出シュート50は、略鉛直方向における上側から下側に向けて先すぼみする円錐形状である。よって、第2の取付位置における使用者の作業空間は、第1の取付位置における使用者の作業空間よりも広い。このため、第2の取付位置において使用者は、第1の取付位置よりも容易にタイミングホッパ70の取り外し作業を行うことができる。
【0070】
なお、上記のように使用者が第1レール部材601を掴んでタイミングホッパ70を引き出すことも考えられる。しかし、このような場合、力のかけ具合によっては第1レール部材601に歪み等が発生する。そこで、第1レール部材601のうち使用者側に配置されるものには、使用者によって把持可能なハンドル機構(把持部材)を有する構成が設けられても構わない。このように構成することにより、使用者はタイミングホッパ70を第1の取付位置から第2の取付位置に引き出す際、そのハンドル機構を把持できるため、使用者は、より安全にタイミングホッパ70の位置を変更できる。
[タイミングホッパ70の取り外しに係る具体的動作]
【0071】
上記のように説明した各部材を用いて、タイミングホッパ70の取り外し動作についてより具体的に説明する。
【0072】
図6は、本実施形態の組合せ計量装置1において支持部材60からタイミングホッパ70を取り外す動作を説明するための図である。
[略鉛直方向における支持部材60の下側からタイミングホッパ70を取り外す動作]
【0073】
以下、略鉛直方向における支持部材60の下側からタイミングホッパ70を取り外す動作について説明する。
【0074】
使用者は、タイミングホッパ70が第1の取付位置および第2の取付位置のいずれに位置する場合であっても、略鉛直方向における支持部材60の下側からタイミングホッパ70を取り外すことができる。
【0075】
使用者は、タイミングホッパ70が第1の取付位置または第2の取付位置に位置する場合(
図6(a)を参照)、略鉛直方向における支持部材60の下側から手を伸ばし、タイミングホッパ70を略鉛直方向における上側に持ち上げることにより、係合部材702が係合部材604に係合している状態を解除する。
【0076】
次に、使用者は、係合ピン701と第1端部6021とが係合している状態を解除する(
図6(b)を参照)。要するに、使用者は係合ピン701を第2端部側に移動させる。
【0077】
そして、使用者は、係合ピン701を、摺動面6022上を摺動させ、係合ピン701を第2レール部材602における第2端部まで移動させる(
図6(c)および(d)を参照)。
【0078】
最後に、使用者は、タイミングホッパ70を把持した状態で、係合ピン701を第2レール部材602から略鉛直下側に落下させることにより、支持部材60からタイミングホッパ70を取り外すことができる(
図6(e)を参照)。
[略鉛直方向における支持部材60の上側からタイミングホッパ70を取り外す動作]
【0079】
次に、略鉛直方向における支持部材60の上側からタイミングホッパ70を取り外す動作について説明する。
【0080】
使用者がタイミングホッパ70を略鉛直方向における上側から取り外す場合、第1の取付位置では、集合排出シュート50によって取り外しに必要な空間を確保できない。
【0081】
そこで、使用者は、まずタイミングホッパ70を第1の取付位置(
図4(a)を参照)から第2の取付位置(
図4(b)を参照)に移動させる。
【0082】
次に、使用者は、タイミングホッパ70を略鉛直方向における上側に持ち上げることにより、係合部材702が係合部材604に係合している状態を解除する。
【0083】
次に、使用者は、係合ピン701と第1端部6021とが係合している状態を解除する(
図6(b)を参照)。要するに、使用者は係合ピン701を第2端部側に移動させる。
【0084】
そして、使用者は、係合ピン701が第2領域および第3領域(
図5を参照)に位置する場合(
図6(c)、(d)および(e)を参照)、タイミングホッパ70を略鉛直方向における上側に持ち上げることにより、支持部材60からタイミングホッパ70を取り外すことができる。
【0085】
上記においては、タイミングホッパ70の取り外しの際、使用者は、タイミングホッパ70の位置を第1の取付位置から第2の取付位置に移動できる。そのため、使用者は、タイミングホッパ70の取り外しに先立ち集合排出シュート50を取り外す必要がない。これにより、使用者の組合せ計量装置1に対する位置関係に依存することなく、また、タイミングホッパ70の取り外しに先立ち集合排出シュート50を取り外すことなく、タイミングホッパ70を支持部材60から略鉛直方向における上側または下側のいずれからも取り外すことが可能となる。その結果、使用者における利便性を向上できる。
[まとめ]
【0086】
以上のように、本実施形態における組合せ計量装置1は、被計量物を計量する複数の計量ホッパ40と、計量された被計量物の重量を組み合わせ、所望範囲内の重量値となる特定の計量ホッパ40を選択するコントローラと、選択した計量ホッパ40から排出される被計量物を集合させて排出させる集合排出シュート50と、排出される被計量物を一時的に滞留させ、その後、被計量物を排出させるタイミングホッパ70と、タイミングホッパ70の周囲に配置され、各部を直接的または間接的に支持するフレーム80と、フレーム80に取り付けられる部材であって、タイミングホッパ70を支持部材60上の所定位置に固定しながら、略鉛直方向と交差する方向に沿って(例えば、略鉛直方向と直交する平面(
図2および
図3に示されるxy平面)上において)タイミングホッパ70を移動させる支持部材60と、を備える。
【0087】
さらに、組合せ計量装置1における支持部材60は、例えば前述の平面(
図2および
図3に示されるxy平面)上におけるタイミングホッパ70の取付位置であって、(1)タイミングホッパ70が被計量物を受け取り滞留させる第1の取付位置と、(2)タイミングホッパ70の着脱に係る第2の取付位置との間で、支持部材60に対するタイミングホッパ70の固定状態を変更することなく、タイミングホッパ70の位置を移動させる。
【0088】
ここで、第1の取付位置から第2の取付位置にタイミングホッパ70が移動する移動方向(例えば、
図2および
図3に示されるx軸方向)と、所定位置に固定されているタイミングホッパ70を支持部材60から取り外す取外方向(例えば、
図2および
図3に示されるy軸方向)とは、互いに交差する(例えば、直交する)。
【0089】
上記のように構成することにより、使用者は、自身の奥から手前に引き出す動作でタイミングホッパ70を移動でき、さらに自身の近くでタイミングホッパ70を取り外せる。また、一般的に集合排出シュート50は略鉛直方向における上側から下側に向けて広がりが狭くなる円錐形状を有している。よって、第1の取付位置では確保できなかった作業領域を第2の取付位置では確保できる。これにより、使用者は、力の入れやすい態勢でタイミングホッパ70の移動および取り外しを実施できる。よって、使用者における利便性を向上できる。さらに、タイミングホッパ70の移動方向とタイミングホッパ70の取外方向とが互いに交差するので、タイミングホッパ70の移動の流れで不意にタイミングホッパ70が支持部材から外れるのを抑制できる。
【0090】
なお、第1の取付位置から第2の取付位置にタイミングホッパ70が移動する移動方向は、直線に沿った方向に限定されない。例えば、第2の取付位置が第1の取付位置に対して下側かつ手前の位置であり、第1の取付位置から第2の取付位置にタイミングホッパ70が円弧に沿って移動してもよい。このように移動方向が曲線に沿った方向である場合には、第2の取付位置における当該曲線の接線方向が、タイミングホッパ70を支持部材60から取り外す取外方向と交差していればよい。同様に、所定位置に固定されているタイミングホッパ70を支持部材60から取り外す取外方向も、直線に沿った方向に限定されず、曲線に沿った方向であってもよい。その場合には、第2の取付位置における当該曲線の接線方向が、第1の取付位置から第2の取付位置にタイミングホッパ70が移動する移動方向と交差していればよい。さらに、移動方向が第1の曲線に沿った方向であり、取外方向が第2の曲線に沿った方向であってもよく、その場合には、第2の取付位置における第1の曲線の接線方向と、第2の取付位置における第2の曲線の接線方向とが、互いに交差していればよい。いずれの場合にも、タイミングホッパ70の移動の流れで不意にタイミングホッパ70が支持部材から外れるのを抑制できるなど、上述の効果が奏され、その結果、使用者における利便性を向上できる。
【0091】
また、好ましくは、フレーム80は、第2の取付位置の近傍に、略鉛直方向における上側に開口する開口部802を有する。
【0092】
これにより、使用者は、開口部802から手を伸ばし、タイミングホッパ70を第1の取付位置から第2の取付位置に移動させ、その後、タイミングホッパ70を略鉛直方向における上側に取り外すことができる。そのため、使用者は、タイミングホッパ70の取り外しにあたり、他の物品を取り外す必要がないため、利便性を向上できる。
【0093】
また、好ましくは、組合せ計量装置1は、タイミングホッパ70の取付位置を移動する際に利用されるハンドル機構を備える。ここで、1対の第1レール部材601は、
図2および
図3に示されるxy平面上において、第1の取付位置から第2の取付位置にタイミングホッパ70が移動する移動方向(
図2および
図3に示されるx軸方向)において対向する。また、ハンドル機構は、1対の第1レール部材601のうち、使用者に対してタイミングホッパ70の移動方向(
図2および
図3に示されるx軸方向)における手前に配置される第1レール部材601に取り付けられる。
【0094】
これにより、使用者は、タイミングホッパ70の取付位置を第1の取付位置から第2の取付位置に移動させる場合、このハンドル機構を把持しながら移動できる。これにより、使用者における操作性を向上できる。
【0095】
また、好ましくは、タイミングホッパ70は、第1端部6021と係合する係合ピン701を有する。そして、第2レール部材602の近傍に仮想的に形成される領域のうち、(1)第1領域は、係合ピン701と第1端部6021とが係合する領域であり、(2)第1領域に続く第2領域は、係合ピン701が摺動面6022上を摺動する領域であって、第2レール部材602の上側からタイミングホッパ70を取り外し可能な領域であり、(3)第2領域に続く第3領域は、第2レール部材602の上側および下側からタイミングホッパ70を取り外し可能な領域である。
[他の実施の形態]
【0096】
以上のように、本開示における技術の例示として、本実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【0097】
以上のように、本開示における技術の例示として、本実施形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0098】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0099】
また、上述の実施形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。