(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記マスターバッチに含まれたカーボンナノチューブの含量が10〜30重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の伝導性樹脂組成物の製造方法。
前記ポリエチレン共重合体は、エチレン酢酸ビニル(共重合体)、エチレンブチルアクリレート(共重合体)、エチレンエチルアクリレート(共重合体)、及びこれらのうち2以上の混合物からなる群より選択される一つであることを特徴とする請求項7に記載の伝導性樹脂組成物の製造方法。
【背景技術】
【0003】
熱可塑性樹脂は、加熱すると軟化して可塑性を示し、冷却すると固化するプラスチック(樹脂)を指称する。このような熱可塑性樹脂は、加工性及び成形性が優秀で各種生活用品、OA器機、電気/電子製品、車両用部品などに幅広く適用されている。
【0004】
また、このような熱可塑性樹脂が使用される製品の種類及び特性によって、特殊な性質を付加して高付加価値の素材として使用しようする試みが持続的に行われている。
【0005】
特に、樹脂製品間または他の素材との摩擦が発生する分野に熱可塑性樹脂を適用する場合、帯電現象による製品の損傷及び汚染が発生するので熱可塑性樹脂に電気伝導性を付与する必要性がある。
【0006】
このように、従来熱可塑性樹脂に電気伝導性を付与するためにカーボンナノチューブ、カーボンブラック、黒鉛、カーボンファイバー、金属粉末、金属コーティング無機粉末または金属ファイバーなどの伝導性フィラーが使用されてきた。
【0007】
ただし、電気伝導性の付与に意味のある結果を導出するためには、熱可塑性樹脂対比約10〜20重量%以上の伝導性フィラーを添加する必要があり、これは結果的に熱可塑性樹脂の耐衝撃性、伸び率、耐磨耗性のような固有の機械的物性の低下をもたらすようになる。
【0008】
特に、熱可塑性樹脂に電気伝導性及び機械的物性が同時に要求される分野、例えば、車両用燃料タンクまたは燃料ホースのような分野では、両者間のバランス維持の問題により製品の商用化に制限が発生する。
【0009】
また、高粘度の熱可塑性樹脂に電気伝導性の付与が要求される場合、熱可塑性樹脂の特性に起因して伝導性フィラーの添加による十分な電気伝導性が具現されない問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
熱可塑性樹脂、特に高粘度の熱可塑性樹脂の機械的物性の低下を防止しながらも優秀な電気伝導性を具現し得る伝導性樹脂組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一側面は、(a)カーボンナノチューブ(CNT)と第1オレフィン系高分子樹脂を圧縮(圧出)してマスターバッチを製造する段階;及び(b)前記マスターバッチと第2オレフィン系高分子樹脂を混合する段階;を含む伝導性樹脂組成物の製造方法を提供する。
【0012】
一実施形態において、前記(a)段階は180〜300℃の温度で実行され得る。
【0013】
一実施形態において、前記(a)段階で前記圧縮(圧出)は10〜500kg/hrの速度で実行され得る。
【0014】
一実施形態において、前記マスターバッチに含まれたカーボンナノチューブの含量は10〜30重量%であり得る。
【0015】
一実施形態において、前記伝導性樹脂組成物に含まれたカーボンナノチューブの含量は0.1〜10重量%であり得る。
【0016】
一実施形態において、前記カーボンナノチューブの見掛け密度は0.01〜0.2g/mlであり得る。
【0017】
一実施形態において、前記第1及び第2オレフィン系高分子樹脂は、各々高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン、ポリエチレン共重合体、ポリプロピレン及びこれらのうち2以上の混合物からなる群より選択される一つであり得る。
【0018】
一実施形態において、前記ポリエチレン共重合体は、エチレン酢酸ビニル(共重合体)、エチレンブチルアクリレート(共重合体)、エチレンエチルアクリレート(共重合体)及びこれらのうち2以上の混合物からなる群より選択される一つであり得る。
【0019】
一実施形態において、前記第1オレフィン系高分子樹脂は、ポリエチレン及びエチレン酢酸ビニル(共重合体)が2〜3:1の重量比で混合されたものであり得る。
【0020】
一実施形態において、前記(b)段階の前に、前記(a)段階の生成物をペレット化する段階をさらに含み得る。
【0021】
本発明の他の側面は、前記(b)段階の後に、(c)前記伝導性樹脂組成物を成形する段階をさらに含む車両用燃料タンクの製造方法を提供する。
【0022】
本発明のまた他の側面は、前記(b)段階の後に、(c)前記伝導性樹脂組成物を成形する段階をさらに含む車両用燃料ホースの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一側面によれば、伝導性フィラーと第1オレフィン系高分子樹脂を混合して高含量の伝導性フィラーを含むマスターバッチを製造し、これを前記第1オレフィン系高分子樹脂と同種であるか異種である第2オレフィン系高分子樹脂と混合することで、オレフィン系高分子樹脂の機械的物性の低下を防止し、優秀な電気伝導性を付与し得る。
【0024】
本発明の効果は、上述した効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明または特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能なすべての効果を含む。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して本発明を説明する。しかしながら、本発明は多様な形態で具現することができる。したがって、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0027】
明細書全体において、ある部分が所定構成要素を「含む」との用語は、特別に反対(限定)する記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく他の構成要素をさらに具備することを意味する。
【0028】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例を詳しく説明する。
【0029】
図1は、本発明の一側面による伝導性樹脂組成物の製造方法を示した図である。
図1を参照すれば、本発明の一側面による伝導性樹脂組成物の製造方法は、(a)カーボンナノチューブと第1オレフィン系高分子樹脂を圧縮(圧出)してマスターバッチを製造する段階;及び(b)前記マスターバッチと第2オレフィン系高分子樹脂を混合する段階を含み得る。
【0030】
伝導性樹脂組成物は、基本的に一定水準の機械的物性と成形性を有する高分子樹脂、及びこれに伝導性を付与し得る伝導性物質、例えば、金属、その他無機物などからなり得る。このような伝導性樹脂組成物を製造するためには、高分子樹脂と伝導性物質を混合するための工程が必要とされる(隋伴される)。
【0031】
従来、伝導性樹脂組成物の電気伝導性を向上させるために前記伝導性物質の含量を増加させる技術が提案された。ただし、同種の伝導性物質、特に、カーボンナノチューブの含量を一定水準以上に増加させると、樹脂自体の機械的物性だけではなく加工性、作業性などが低下する問題があった。これを解消するため、カーボンナノチューブに比べて伝導性付与の効果は微弱であるが加工性、作業性の優秀なカーボンブラックなどを併用して伝導性樹脂組成物のうち伝導性物質の総含量を増加させるための試みが行われた。
【0032】
しかし、このような方式は、伝導性物質の種類と含量が相違するよう調節したに過ぎず、樹脂伝導性物質の混合が単一工程によって行われた点において共通する。
【0033】
これに対して、前記(a)段階では、伝導性フィラーであるカーボンナノチューブと第1オレフィン系高分子樹脂を混合、圧縮(圧出)して高濃度カーボンナノチューブマスターバッチを製造し得る。
【0034】
本明細書で使用した用語「マスターバッチ(master batch)」は、樹脂組成物を製造する場合に高濃度の添加剤を事前に分散させたもので、このようなマスターバッチの製造を通じてオレフィン系高分子樹脂内のカーボンナノチューブの分散性を向上させ得る。これによって、前記伝導性樹脂組成物の全領域に対して均一な電気伝導性を付与し得る。
【0035】
この時、前記マスターバッチは、球状(sphere)、ペレット状(pellet)などに製造し得るが、以降の段階で熱可塑性樹脂と配合されて前記カーボンナノチューブの分散性を向上させることが可能であれば、その形態に制限なしに製造し得る。
【0036】
前記カーボンナノチューブは、不導体である熱可塑性高分子樹脂、特に、オレフィン系高分子樹脂に電気伝導性を付与するための物質であって、前記カーボンナノチューブが添加された樹脂組成物を成形して製造されたプラスチック基材の表面抵抗を減少させることで電気伝導性を向上させ得る。
【0037】
前記カーボンナノチューブを合成する方法には、アーク放電法(Arc−discharge)、熱分解法(Pyrolysis)、レーザー蒸着法(Laser vaporization)、プラズマ化学気相蒸着法(Plasma chemical vapor deposition)、熱化学気相蒸着法(Thermal chemical vapor deposition)などがあるが、合成方法に制限なしに製造された全てのカーボンナノチューブを使用し得る。
【0038】
また、前記カーボンナノチューブは、壁の個数によって単一壁カーボンナノチューブ(Single wall carbon nanotube)、二重壁カーボンナノチューブ(Double wall carbon nanotube)、多重壁カーボンナノチューブ(Multi wall carbon nanotube)、切頭された円錐型のグラフィン(truncated graphene)が多数積層された中空管形態のカーボンナノファイバー(cup−stacked carbon nanofiber)、及びこれらのうち2以上の混合物からなる群より選択される一つであり、好ましくは、製造の容易性及び経済性が優秀な多重壁カーボンナノチューブであり得るが、これに限定されるものではない。
【0039】
一方、前記マスターバッチの母材になるオレフィン系高分子樹脂は、熱可塑性樹脂のうち相対的に広い温度範囲で物性変化が少なくて、成形性、耐候性、耐薬品性などが優秀である。
【0040】
前記第1オレフィン系高分子樹脂は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン、ポリエチレン共重合体、ポリプロピレン、及びこれらのうち2以上の混合物からなる群より選択される一つであり、好ましくは、ポリエチレン系列であり、より好ましくは、高密度ポリエチレンであり得るが、これに限定されるものではない。
【0041】
また、前記ポリエチレン共重合体は、エチレン酢酸ビニル(共重合体)、エチレンブチルアクリレート(共重合体)、エチレンエチルアクリレート(共重合体)、及びこれらのうち2以上の混合物からなる群より選択される一つであり得るが、これに限定されるものではない。
【0042】
すなわち、前記第1オレフィン系高分子樹脂は、同種単量体が重合された単一重合体、異種単量体が重合された共重合体、またはこれらの混合物であり得る。前記共重合体は、重合形態の制限なしに交互共重合体(alternating copolymer)、ランダム共重合体(random copolymer)、ブロック共重合体(block copolymer)、またはグラフト共重合体(graft copolymer)であり得る。
【0043】
特に、前記マスターバッチの製造時、同種オレフィン系高分子樹脂を使用する場合に比べて異種オレフィン系高分子樹脂混合物を使用する場合、これらの間の相互作用によって樹脂組成物の電気伝導性と機械的物性のバランスが一層優秀に維持され得る。
【0044】
具体的に、前記第1オレフィン系高分子樹脂は、ポリエチレン(PE)及びエチレン酢酸ビニル(EVA)(共重合体)が1〜5:1、好ましくは、2〜3:1の重量比で混合されたものであり得る。両者間の重量比が前記範囲を外れた場合(脱すれば)、同種樹脂を使用する場合に比べて機械的物性の向上効果(はある)が微弱に(小さく)なり得る。
【0045】
一方、前記(a)段階は、180〜300℃、好ましくは、220〜240℃、より好ましくは、230℃の温度で実行され得る。前記(a)段階の工程温度が180℃未満であれば、オレフィン系高分子樹脂が部分的に溶融されて圧縮(圧出)成形性とカーボンナノチューブの分散性が低下され、300℃を超過すれば、オレフィン系高分子樹脂の熱分解または変性が発生し得る。
【0046】
また、前記(a)段階で、前記カーボンナノチューブと前記第1オレフィン系高分子樹脂を10〜500kg/hr、好ましくは、10〜30kg/hrの速度で圧縮(圧出)し得る。前記圧縮(圧出)速度が10kg/hr未満であれば、生産性が低下され、500kg/hrを超過すれば、カーボンナノチューブと第1オレフィン系高分子樹脂の混合均一度が低下され得る。
【0047】
前記(a)段階の生成物であるマスターバッチは、高含量のカーボンナノチューブを含み得る。例えば、前記マスターバッチに含まれたカーボンナノチューブの含量は、10〜30重量%であり得る。
【0048】
前記マスターバッチに含まれたカーボンナノチューブの含量が10重量%未満であれば、カーボンナノチューブがマスターバッチに濃縮される程度が些細であり、30重量%を超過すれば、製造されたマスターバッチの組成が不均一になって加工性が低下され得る。
【0049】
前記マスターバッチの製造時に使用されるカーボンナノチューブは、粉末状のものを機械的、物理的に打錠してペレット形態に加工したもので、加工後のカーボンナノチューブの見掛け密度が0.01〜0.2g/ml、好ましくは、0.05〜0.2g/mlであり得る。前記カーボンナノチューブの見掛け密度が前記範囲を外れた場合(脱すれば)、カーボンナノチューブを10重量%以上含む濃縮マスターバッチを製造しにくい。また、ペレット形態に加工されたカーボンナノチューブは作業中に粉末の飛散を防止して作業環境を改善し得る。
【0050】
一方、前記(a)段階で、圧縮(圧出)時に使用される圧縮(圧出)機は、一つのスクリューを具備した短縮圧縮(圧出)機、または複数のスクリューを具備した多軸圧縮(圧出)機であり、好ましくは、各成分間の均一な混合、圧縮(圧出)のために2個のスクリューが具備された2軸圧縮(圧出)機を例示し得る。
【0051】
この時、前記圧縮(圧出)機を利用した混練過程でカーボンナノチューブの破損を抑制するため、好ましくは、2軸圧縮(圧出)機を使用して前記オレフィン系高分子樹脂を圧縮(圧出)機側から投入し、カーボンナノチューブをサイドフィーダー(Side feeder)を使用して前記圧縮(圧出)機に供給することで溶融混練する方法を使用し得る。
【0052】
前記(b)段階では、前記マスターバッチに含まれた高含量のカーボンナノチューブを第2オレフィン系高分子樹脂と混合して希釈(let−down)し得る。前記(b)段階で投与される前記第2オレフィン系高分子樹脂の量は、生成物である伝導性樹脂組成物のうちカーボンナノチューブの含量を0.1〜10重量%に希釈できる程度であれば十分である。
【0053】
また、前記第2オレフィン系高分子樹脂は、前記第1オレフィン系高分子樹脂と同種であるか、必要に応じて、異種であってもよい。ただし、前記第1及び第2オレフィン系高分子樹脂の種類が相異なる場合にもこれらの間の相溶性を考慮してこれら各々に含まれた一つ以上の単量体が同一であるもの、またはこれら各々に含まれた一つ以上の樹脂が同一であるものを使用し得る。
【0054】
例えば、前記第1オレフィン系高分子樹脂がポリエチレンとエチレン酢酸ビニル(共重合体)の混合物である場合、前記第2オレフィン系高分子樹脂は、ポリエチレン、ポリエチレン共重合体、またはこれらの混合物であり得る。
【0055】
前記(a)及び(b)段階を通じて製造された伝導性樹脂組成物は、高粘度のオレフィン系高分子樹脂を母材に使用しながらも従来の製造方法、例えば、マスターバッチを経ないで製造された伝導性樹脂組成物に比べて電気伝導性を向上させると同時に機械的物性を維持して両者を均衡的に具現し得る。
【0056】
具体的に、前記マスターバッチと第2オレフィン系高分子樹脂を混合して前記伝導性樹脂組成物に含まれたカーボンナノチューブの含量が0.1〜10重量%になるように希釈し得る。
【0057】
前記伝導性樹脂組成物に含まれたカーボンナノチューブの含量が0.1重量%未満であれば、電気伝導性が低下され、10重量%を超過すれば、機械的物性が著しく低下され得る。
【0058】
前記(b)段階で、前記マスターバッチと前記第2オレフィン系高分子樹脂の混合は、溶融混合法(Melt compounding)、インサイツ重合法(In−situ polymerization)、溶液混合法(solution mixing)などを使用し得るが、好ましくは、圧縮(圧出)機などを利用して高温、高せん断力下でカーボンナノチューブを樹脂内に均一に分散させることで大容量化及び製造費用節減が可能な溶融混合法を使用し得る。前記圧縮(圧出)機の種類と特徴、選択基準などに関しては上述の通りである。
【0059】
前記(a)段階または(b)段階で、前記伝導性樹脂組成物の使用目的によって難燃剤、衝撃補強剤、難燃補助剤、滑剤、可塑剤、熱安定剤、帯電(積荷)防止剤、酸化防止剤、相溶化剤、光安定剤、顔料、染料、無機物添加剤、及びドリップ防止剤からなる群より選択される一つ以上の添加剤を追加で配合し得る。
【0060】
前記添加剤の含量は、前記伝導性樹脂組成物の全体重量を基準として0.1〜10重量%であり得る。前記添加剤の含量が0.1重量%未満であれば、使用目的に適合する効果を具現しにくく、10重量%を超過すれば、オレフィン系高分子樹脂固有の物性を低下させ得る。
【0061】
前記伝導性樹脂組成物は、射出、圧縮(圧出)成形などを通じてプラスチック成形品に製造され、広範囲な適用が可能なポリエチレン樹脂を母材に使用することで各種生活用品、OA機器、電気/電子製品、車両用部品などに使用され得る。
【0062】
特に、前記伝導性樹脂組成物は、一定水準以上の機械的物性と一定水準以上の電気伝導性が均衡的、必須的に要求される車両用部品、具体的に、車両用燃料タンク(fuel tank)または車両用燃料ホース(fuel hose)に適用され得る。前記(a)及び(b)段階を通じてこのような成形品に要求される化学的、電気化学的、機械的物性は完備され得るので、前記伝導性樹脂組成物をモールド(mold)で成形することで最終製品を得られる。
【0063】
また、前記伝導性樹脂組成物を利用して製造されたプラスチック成形品は、適用分野によって前記カーボンナノチューブの含量を変えて調節して表面抵抗が10
2〜10
10Ω/sqとなる範囲で製造され、特に、帯電防止や優秀な電気伝導性の付与が要求される分野では10
2〜10
8Ω/sqとなる範囲で製造され得る。
【実施例】
【0064】
実施例1
多重壁カーボンナノチューブ(MWCNT)をツインスクリュー圧縮(圧出)機のサイドフィーダー(Side Feeder)に投入し、ポリエチレン(HDPE、溶融指数5.0g/10min、ASTM D 1238)をメインホッパー(Main Hopper)に投入速度25kg/hrで投入した後、混練速度200rpm及び加工温度230℃下で溶融混練して、カーボンナノチューブの含量が10重量%であるマスターバッチを製造した。
【0065】
製造されたマスターバッチと異種のポリエチレン(HDPE、溶融指数0.3g/10min、ASTM D 1238)をツインスクリュー圧縮(圧出)機に投入し、混練速度200rpm及び加工温度250℃下で溶融混練して、カーボンナノチューブの含量が6重量%である樹脂組成物を製造した。
【0066】
実施例2
マスターバッチに含有されたカーボンナノチューブの含量が10重量%、樹脂組成物に含有されたカーボンナノチューブの含量が5重量%になるように調節したこと以外は、前記実施例1と同一な方法で樹脂組成物を製造した。
【0067】
実施例3
マスターバッチに含有されたカーボンナノチューブの含量が10重量%、樹脂組成物に含有されたカーボンナノチューブの含量が4重量%になるように調節したこと以外は、前記実施例1と同一な方法で樹脂組成物を製造した。
【0068】
実施例4
マスターバッチに含有されたカーボンナノチューブの含量が10重量%、樹脂組成物に含有されたカーボンナノチューブの含量が3重量%になるように調節したこと以外は、前記実施例1と同一な方法で樹脂組成物を製造した。
【0069】
実施例5
多重壁カーボンナノチューブ(MWCNT)をツインスクリュー圧縮(圧出)機のサイドフィーダー(Side Feeder)に投入し、ポリエチレン(HDPE、溶融指数5.0g/10min、ASTM D 1238)とエチレン酢酸ビニル(EVA)(共重合体)とが7:3の重量比で混合された樹脂をメインホッパー(Main Hopper)に投入速度25kg/hrで投入した後、混練速度200rpm及び加工温度230℃下で溶融混練して、カーボンナノチューブの含量が10重量%であるマスターバッチを製造した。
【0070】
その後、前記実施例1と同一な方法でカーボンナノチューブの含量が6重量%である樹脂組成物を製造した。
【0071】
実施例6
マスターバッチに含有されたカーボンナノチューブの含量が10重量%、樹脂組成物に含有されたカーボンナノチューブの含量が5重量%になるように調節したこと以外は、前記実施例5と同一な方法で樹脂組成物を製造した。
【0072】
実施例7
マスターバッチに含有されたカーボンナノチューブの含量が10重量%、樹脂組成物に含有されたカーボンナノチューブの含量が4重量%になるように調節したこと以外は、前記実施例5と同一な方法で樹脂組成物を製造した。
【0073】
実施例8
マスターバッチに含有されたカーボンナノチューブの含量が10重量%、樹脂組成物に含有されたカーボンナノチューブの含量が3重量%になるように調節したこと以外は、前記実施例5と同一な方法で樹脂組成物を製造した。
【0074】
比較例1
多重壁カーボンナノチューブ(MWCNT)をツインスクリュー圧縮(圧出)機のサイドフィーダー(Side Feeder)に投入し、ポリエチレン(HDPE、溶融指数0.3g/10min、ASTM D 1238)をツインスクリュー圧縮(圧出)機に投入速度25kg/hrで投入した後、混練速度200rpm及び加工温度250℃下で溶融混練して、カーボンナノチューブの含量が6重量%である樹脂組成を製造した。
【0075】
比較例2
樹脂組成物に含有されたカーボンナノチューブの含量が5重量%になるように調節したこと以外は、前記比較例1と同一な方法で樹脂組成物を製造した。
【0076】
比較例3
樹脂組成物に含有されたカーボンナノチューブの含量が4重量%になるように調節したこと以外は、前記比較例1と同一な方法で樹脂組成物を製造した。
【0077】
比較例4
樹脂組成物に含有されたカーボンナノチューブの含量が3重量%になるように調節したこと以外は、前記比較例1と同一な方法で樹脂組成物を製造した。
【0078】
実験例1:製造方法及びカーボンナノチューブの含量による電気伝導性の測定
前記実施例1〜8及び比較例1〜4による樹脂組成物を油圧式射出機を利用して210℃で射出して、横30cm、縦20cmのサイズを有する長方形形態の射出品に製造した。
【0079】
製造された各々の射出品の表面抵抗(Ω/sq)を表面抵抗測定器(SIMCO、ST−4)で測定し、その結果を
図2に示した。
【0080】
図2を参照すれば、マスターバッチの製造段階を経た後カーボンナノチューブ含量を希釈させて製造されたカーボンナノチューブ−高分子ナノ複合体が、マスターバッチの製造段階を経ずに製造されたカーボンナノチューブ−高分子ナノ複合体に比べて、同等(実施例4、8及び比較例4)乃至減少した(実施例1〜3、実施例5〜7及び比較例1〜3)表面抵抗を示し、最小10
5Ω/sq程度の値を示すこと(実施例1、5)を確認した。
【0081】
特に、カーボンナノチューブの含量が4重量%から5重量%に増加される区間では、マスターバッチの製造段階を経ない場合(比較例2、3)に比べて、マスターバッチの製造段階を経た後にカーボンナノチューブ含量を希釈させた場合(実施例2、3、6、7)に表面抵抗の急激な減少が観察され、カーボンナノチューブの含量を少量変更するだけでも一層向上した効果を示すことを確認した。
【0082】
また、マスターバッチの製造時、熱可塑性樹脂としてポリエチレンを単独で使用した場合(実施例3)に比べて、ポリエチレンとエチレン酢酸ビニル(共重合体)の混合物を使用した場合(実施例7)に、一定含量のカーボンナノチューブが含まれた伝導性樹脂組成物においてさらに減少された表面抵抗を示すことを確認した。
【0083】
このような結果を通じて、伝導性フィラーであるカーボンナノチューブが同一な含量で含まれても、伝導性樹脂組成物の製造時、マスターバッチを製造してこれを希釈させることで一層優秀な電気伝導性を付与することができ、さらに、マスターバッチの製造時に異種の熱可塑性樹脂混合物を使用することで電気伝導性を一層向上させ得ることが分かる。
【0084】
比較例5
カーボンナノチューブが含有されないポリエチレン(HDPE、溶融指数0.3g/10min、ASTM D 1238)を樹脂組成物に使用した。
【0085】
実験例2:製造方法及びカーボンナノチューブの含量による機械的物性の測定
前記実施例1〜8及び比較例1〜5による樹脂組成物を、射出機を利用して250℃で射出して、機械的物性を測定するための試片(サンプル)を製造した。各々の試片(サンプル)に対して下記のような方法によってアイゾット(Izod)衝撃強度、引張強度及び伸び率を測定し、その結果を各々
図3〜
図5に示した。
【0086】
−アイゾット(Izod)衝撃強度(kgf・cm/cm):1/8″(インチ)の厚さの試片(サンプル)に対してASTM D256に基づいて測定した。
【0087】
−引張強度(kgf/cm
2)及び伸び率(%):ASTM D638に基づいて20mm/minの条件下で測定した。
【0088】
図3を参照すれば、カーボンナノチューブを添加しない熱可塑性樹脂(比較例5)に比べて、カーボンナノチューブを添加して製造された熱可塑性樹脂組成物(実施例1〜8及び比較例1〜4)の衝撃強度は減少することが分かる。
【0089】
ただし、マスターバッチの製造後にこれを希釈させて製造された樹脂組成物(実施例1〜8)がマスターバッチの製造を経ずに製造された樹脂組成物(比較例1〜4)に比べて衝撃強度の減少幅が低いことを確認した。
【0090】
特に、カーボンナノチューブの含量が5重量%である場合、マスターバッチに異種の熱可塑性樹脂が含まれるように製造された樹脂組成物(実施例6)が、単一の熱可塑性樹脂が含まれるように製造された場合(実施例2)やマスターバッチの製造を経ない場合(比較例2)に比べて2倍ほど高い衝撃強度を示すことを確認した。
【0091】
図4を参照すれば、伝導性フィラーであるカーボンナノチューブが添加されない熱可塑性樹脂(比較例5)に比べて、カーボンナノチューブの添加量の増加によって樹脂組成物の引張強度は増加し(実施例1〜8及び比較例1〜4)、特に、単一の熱可塑性樹脂が含まれたマスターバッチの製造段階を経て製造された樹脂組成物(実施例1〜4)とマスターバッチの製造段階を経ずに製造された樹脂組成物(比較例1〜4)の引張強度がカーボンナノチューブの含量増加によって類似した増加傾向を示すことを確認した。
【0092】
また、
図5を参照すれば、マスターバッチの製造段階を経て製造された樹脂組成物(実施例1〜8)は、カーボンナノチューブの含量が増加しても熱可塑性樹脂(比較例5)固有の伸び率を維持した一方、マスターバッチの製造段階を経ずに製造された樹脂組成物(比較例1〜4)は著しい伸び率の減少を示すことを確認した。
【0093】
このような結果を通じて、伝導性フィラーが同一含量で含まれてもマスターバッチの製造段階の有無によって機械的物性の差が多少発生し、具体的に、マスターバッチの製造後にカーボンナノチューブの含量を希釈させて製造される樹脂組成物が一層優秀な機械的物性を示すことが分かる。
【0094】
以上、添付した図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形及び変更が可能である。したがって、上述した実施形態及び実施例は全ての面で例示的なものであり、限定的ではないものと理解しなければならない。例えば、単一型として説明されている各構成要素は、分散して実施することができ、同様に分散されたものとして説明されている構成要素を結合された形態で実施することができる。
【0095】
本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲により示されるが、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態は、本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。