(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386141
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】レセプタクルコネクタ及びそれを有するコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6581 20110101AFI20180827BHJP
H01R 24/60 20110101ALI20180827BHJP
H01R 13/6471 20110101ALI20180827BHJP
【FI】
H01R13/6581
H01R24/60
H01R13/6471
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-148918(P2017-148918)
(22)【出願日】2017年8月1日
(65)【公開番号】特開2018-26345(P2018-26345A)
(43)【公開日】2018年2月15日
【審査請求日】2017年8月1日
(31)【優先権主張番号】201620850743.2
(32)【優先日】2016年8月8日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ユン ファン
【審査官】
高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2016/0149349(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第105680246(CN,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0172804(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 24/60 −24/64
H01R 13/658−13/6597
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レセプタクルコネクタであって、
筐体、及び該筐体から前方へ延在する舌状部を備える絶縁体と、
複数の導電端子であって、各導電端子が、前記舌状部上に露出される嵌合部分、前記筐体から外方へ延在するはんだ付け部分、及び前記嵌合部分と前記はんだ付け部分との間に位置付けられる接続部分を備え、前記導電端子が、上部列導電端子及び下部列導電端子に分割され、各列導電端子が、少なくとも2つの接地端子及び少なくとも2つの電力端子を備える、複数の導電端子と、
前記絶縁体の中に埋設され、前記舌状部の両側に部分的に露出され、前記筐体から外方へ延在する接地はんだ付け脚部を有する少なくとも1つの接地ラッチと、
前記絶縁体上に固定され、前記舌状部の外周を包囲して嵌合空洞を形成する金属シェルと、を備え、
前記少なくとも1つの接地ラッチが、前記上部列導電端子の接地端子と前記下部列導電端子の接地端子との間に間置され、かつ上下に積層され、互いに接触し、
前記上部列導電端子及び下部列導電端子が、各々、前記舌状部の両側の各々に電力端子及び接地端子群を形成するように、前記舌状部の両側にそれぞれ位置付けられる2つの接地端子と、該2つの接地端子にそれぞれ隣接する2つの電力端子とを備え、前記舌状部の少なくとも片側において前記電力端子及び接地端子群の間に間置される補助電力端子を更に備える、レセプタクルコネクタ。
【請求項2】
前記接地端子及び電力端子の接続部分及びはんだ付け部分が、各々、それらの前記嵌合部分に対して広げられた幅を有する、請求項1に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項3】
前記補助電力端子の接続部分及びはんだ付け部分が、各々、前記補助電力端子の嵌合部分に対して広げられた幅を有する、請求項1に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項4】
前記上部列導電端子及び下部列導電端子が、各々、それらの前記2つの電力端子及び接地端子群の間に複数の信号端子を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項5】
前記レセプタクルコネクタが、独立し、かつ前記絶縁体の両側にそれぞれ位置付けられる2つの接地ラッチを備え、各接地ラッチが、前記舌状部の片側に露出されるラッチ部分と、前記筐体から外方に延在する接地はんだ付け脚部と、前記ラッチ部分と接地はんだ付け脚部との間に接続される接続部分とを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項6】
前記接地ラッチの厚さと、該接地ラッチの上部側及び下部側における前記2つの接地端子の2つの厚さとの合計が、前記舌状部の厚さに等しい、請求項5に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項7】
互いに協働するレセプタクルコネクタ及びプラグコネクタを備える電気コネクタアセンブリであって、前記レセプタクルコネクタが、請求項1〜6のいずれか1項に記載のレセプタクルコネクタである、電気コネクタアセンブリ。
【請求項8】
前記プラグコネクタが、前記レセプタクルコネクタの上部列導電端子及び下部列導電端子にそれぞれ対応する、上部列導電端子と、下部列導電端子とを備え、前記プラグコネクタの上部列導電端子及び下部列導電端子が、各々、前記舌状部の両側に位置付けられる2つの接地端子と、前記2つの接地端子に隣接する2つの電力端子と、前記舌状部の少なくとも片側に位置付けられる前記電力端子と接地端子との間に間置される補助電力端子とを備える、請求項7に記載の電気コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気コネクタアセンブリに関し、具体的には、大電流伝達用途に適した電気コネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ポータブル電子デバイス(モバイル電話など)の機能がますます強力になるにつれて、ポータブル電子デバイスのエネルギー消費問題が一段と顕著になってきており、高速充電技術が人々によってますます追及される。中国特許出願第CN201520619899.5号は、一体式USBタイプCレセプタクルコネクタを開示しており、これは、シェルと、挿入アセンブリとを備え、シェルが挿入アセンブリの外側を覆い、挿入アセンブリが絶縁体と、金属遮蔽シートと、上部列導電端子と、下部列導電端子とを備える。金属遮蔽シート、上部列導電端子及び下部列導電端子、並びに絶縁体は、インサート成形によって一体的に形成される。上部列導電端子及び下部列導電端子は、各々が、2つの接地端子と、2つの電力端子と、3つのデータ端子とを備える。各導電性端子は、嵌合部分と、接続部分と、はんだ付け部分とを備える。各接地端子の嵌合部分は、接地基部と、接地基部から突出する接地部分とを備える。各接地端子のはんだ付け部分は、接続部分から後方へ延在するSMT部分と、接続部分から下方へ延在するDIP部分とを備える。金属遮蔽シートの中間部分は、上方へ突出して、接地端子の役割を果たし、そのようなコネクタ構造は、高速充電を実現するための大電流伝達にある程度は対応することができる。しかしながら、そのようなコネクタ構造は、接地端子構成を形成するために、金属遮蔽シートの中間部分を上方へスタンプする必要があり、したがって、製造がより困難になり、大電流の通電の効果において理想的でなく、加えて、そのようなコネクタ構造は、2対の電力端子及び2対の接地端子を使用して大電流伝達を実現するUSBタイプC仕様に限定され、したがって、依然として耐久性がありかつ安定した大電流伝達を必要とするいくつかの適用環境に対して更なる改善が行われる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示によって解決される技術的問題は、上記の従来技術に存在する欠点を克服することであり、耐久性がありかつ安定した大電流伝達を必要とする適用環境により良好に適し得る電気コネクタアセンブリを提供する。
【0004】
上記の技術的問題を考慮して、本開示は、筐体、及び筐体から前方へ延在する舌状部を備える絶縁体と、複数の導電端子であって、各導電端子が、舌状部上に露出される嵌合部分、筐体から外方へ延在するはんだ付け部分、及び嵌合部分とはんだ付け部分との間に位置付けられる接続部分を備え、導電端子が、上部列導電端子及び下部列導電端子に分割され、各列導電端子が、少なくとも2つの接地端子及び少なくとも2つの電力端子とを備える、複数の導電端子と、絶縁体の中に埋設され、舌状部の両側に部分的に露出され、筐体から外方へ延在する接地はんだ付け脚部を有する少なくとも1つの接地ラッチと、絶縁体に固定され、舌状部の外周を包囲して嵌合空洞を形成する金属シェルとを備える、レセプタクルコネクタを提供する。少なくとも1つの接地ラッチは、上部列導電端子の接地端子と下部列導電端子の接地端子との間に間置され、かつ上下に積層され、互いに接触する。
【0005】
いくつかの実施形態において、上部列導電端子及び下部列導電端子は、各々が、舌状部の両側の各々に電力端子及び接地端子群を形成するように、舌状部の両側にそれぞれ位置付けられる2つの接地端子と、2つの接地端子にそれぞれ隣接する2つの電力端子とを備える。
【0006】
いくつかの実施形態において、接地端子及び電力端子の接続部分及びはんだ付け部分は、各々が、それらの嵌合部分に対して広げられた幅を有する。
【0007】
いくつかの実施形態において、上部列導電端子及び下部列導電端子は、各々が、舌状部の少なくとも片側において電力端子と接地端子群との間に間置される補助電力端子を更に備える。
【0008】
いくつかの実施形態において、補助電力端子の接続部分及びはんだ付け部分は、各々が、補助電力端子の嵌合部分に対して広げられた幅を有する。
【0009】
いくつかの実施形態において、上部列導電端子及び下部列導電端子は、各々が、それらの2つの電力端子と接地端子群との間に複数の信号端子を備える。
【0010】
いくつかの実施形態において、レセプタクルコネクタは、独立し、かつ絶縁体の両側にそれぞれ位置付けられる2つの接地ラッチを備え、各接地ラッチが、舌状部の片側に露出されるラッチ部分と、筐体から外方に延在する接地はんだ付け脚部と、ラッチ部分と接地はんだ付け脚部との間に接続される接続部分とを有する。
【0011】
いくつかの実施形態において、接地ラッチの厚さと、接地ラッチの上部側及び下部側における2つの接地端子の2つの厚さとの合計は、舌状部の厚さに等しい。
【0012】
上記の技術的問題を考慮して、本開示は、互いに協働するレセプタクルコネクタ及びプラグコネクタを備える電気コネクタアセンブリを提供し、前記レセプタクルコネクタは、上記のレセプタクルコネクタである。
【0013】
いくつかの実施形態において、プラグコネクタは、レセプタクルコネクタの上部列導電端子及び下部列導電端子にそれぞれ対応する、上部列導電端子と、下部列導電端子とを備え、プラグコネクタの上部列導電端子及び下部列導電端子が、各々、舌状部の両側に位置付けられる2つの接地端子と、2つの接地端子に隣接する2つの電力端子と、舌状部の少なくとも片側に位置付けられる電力端子と接地端子との間に間置される補助電力端子とを備える。
【0014】
従来技術と比較すると、上部列の接地端子及び下部列の接地端子、並びに中間の接地ラッチは、本発明のレセプタクルコネクタにおいて、上下に積層され、互いに接触し、これは、舌状部の制限された厚さに対する導電端子の厚さを最大に増加させることができ、接地回路の大電流通電能力を有益に促進するためにより小さいインピーダンスを得ることができ、動作温度の上昇を低減させることができ、また耐久性がありかつ安定した大電流伝達の適用環境により良好に適し得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の電気コネクタアセンブリの一実施形態の斜視図である。
【
図2】本開示のレセプタクルコネクタの一実施形態の別の角度からの斜視図である。
【
図3】本開示のレセプタクルコネクタの実施形態の正面図である。
【
図4】
図3の線A−Aに沿って切断した断面図である。
【
図5】本開示のレセプタクルコネクタの実施形態の分解斜視図である。
【
図9】本開示のプラグコネクタの一実施形態の別の角度からの斜視図である。
【
図10】本開示のプラグコネクタの実施形態の正面図である。
【
図12】本開示のプラグコネクタの実施形態の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0016】
符号は、以下のように表されている。
【0017】
10 レセプタクルコネクタ
1 絶縁体
2 導電端子
3 接地ラッチ
4 金属シェル
11 筐体
12 舌状部
21 上部列導電端子
22 下部列導電端子
26 嵌合部分
27 接続部分
28 はんだ付け部分
A1〜A12 上部列導電端子
B1〜B12 下部列導電端子
36 ラッチ部分
37 接続部分
38 接地はんだ付け脚部
49 嵌合空洞
20 プラグコネクタ
5 プラスチック本体
6 導電端子
7 プラスチック部材アセンブリ
8 遮蔽シート
9 外側シェル
59 受容空洞
61 上部列導電端子
62 下部列導電端子
66 嵌合部分
67 接続部分
68 はんだ付け部分
71 上部プラスチック部材
72 下部プラスチック部材
81 基部プレート
82 ラッチングフック
83 接地はんだ付け脚部
99 挿入空洞
A3a、B3a 補助電力端子
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、異なる形態の実施形態が可能であり、具体的な実施形態が図面で示され、また本明細書で詳細に説明されているが、本開示は、本開示の原理の例証であるとみなされ、本開示を例示されたものに限定することを意図しないという理解の下で行われる。
【0019】
よって、特徴又は態様への言及は、本開示の実施例の特徴及び態様を説明することを意図するものであり、本開示の全ての実施形態が、説明される特徴又は態様を有しなければならないことを含意することを意図するものではない。更に、記載はいくつかの特徴を例示していることに留意するべきである。特定の特徴を組み合わせて潜在的なシステム設計が例示されている一方で、それらの特徴は、明示的に開示されていない他の組み合わせにおいても使用することができる。したがって、描かれている組み合わせは、特に指示がない限り、限定的であることを意図しない。
【0020】
図面に例示されている実施形態において、本開示の様々な要素の構造及び移動を説明するために使用される上下左右、前後等の方向の表示は、絶対的ではなく、相対的である。これらの表示は、要素が図面に示されている位置にあるとき、適切である。しかしながら、要素の位置の説明が変化する場合、これらの表示はそれに応じて変更されることになる。
【0021】
以下、本開示の実施形態が、図面と組み合わせて更に詳細に説明される。
【0022】
図1を参照すると、本開示は、互いに協働するレセプタクルコネクタ10と、プラグコネクタ20とを備える、大電流伝達(8〜10A)用途のUSBタイプCコネクタアセンブリを提供する。
【0023】
図2〜
図8を参照すると、レセプタクルコネクタ10は、絶縁体1と、絶縁体1の中に埋設される複数の導電端子2と、絶縁体1の両側の中に埋設される2つの接地ラッチ3と、絶縁体1上に固定される金属シェル4とを備える。
【0024】
絶縁体1及び導電端子2及び2つの接地ラッチ3は、インサート成形プロセスによってともに係合される。絶縁体1は、筐体11と、筐体11から前方へ延在する舌状部12とを備える。
【0025】
導電端子2は、金属シートをスタンプし、曲げることによって一体的に形成される。各導電端子2は、舌状部12上に露出される嵌合部分26と、筐体11から後方へ延在するはんだ付け部分28と、嵌合部分26とはんだ付け部分28との間に接続される接続部分27とを備える。導電端子2は、上部列導電端子21及び下部列導電端子22に分割される。本実施形態において、レセプタクルコネクタ10を前方から後方へ見たときに、導電端子2は、以下の表のように配設される。
【0027】
表から分かるように、導電端子2には、2対の接地端子A1、A12、B1、B12及び3対の電力端子A3、A4、A9、B3、B4、B9があり、USBタイプCのコネクタ仕様の2対の接地端子A1、A12、B1、B12及び2対の電力端子A4、A9、B4、B9と比較して、1対の補助電力端子A3、B3が加えられている。
【0028】
具体的には、上部列導電端子21は、舌状部12の両側にそれぞれ位置付けられる第1の接地端子A12及び第2の接地端子A1と、2つの接地端子A12、A1にそれぞれ隣接する第1の電力端子A9及び第2の電力端子A4と、補助電力端子A3と、データを転送し、制御信号を提供するための4つの端子A5、A6、A7、A8とを備える。第1の電力端子A9及び第1の接地端子A12は、舌状部12の片側に電力端子及び接地端子群を形成し、第2の電力端子A4及び第2の接地端子A1もまた、舌状部12のもう一方の片側に電力端子及び接地端子群を形成する。
【0029】
本実施形態において、接地端子A1、A12及び電力端子A3、A4、A9の接続部分27及びはんだ付け部分28は、これらの端子のインピーダンスを低減させ、大電流伝達に有益であるように、広げられている(すなわち、これらの端子の接続部分27及びはんだ付け部分28は、各々が、それらの嵌合部分26に対して広げられた幅を有する)。コネクタの電力供給仕様からの要件に基づいて、図示されないいくつかの実施形態では、第2の接地端子A1及び第2の電力端子A4のためのより大きく広がった空間を提供するために、補助電力端子A3を省略することができることに留意されたい。
【0030】
第1の接地端子A12及び第1の電力端子A9側では、USBタイプCコネクタ仕様の2つの高速信号伝達端子A10、A11が取り除かれ、すなわち、第1の接地端子A12及び第1の電力端子A9は、USBタイプCコネクタ仕様の4つの端子A9〜A12の幅の空間を占有し、よって、第1の接地端子A12及び第1の電力端子A9を部分的に広げることができる。
【0031】
第2の接地端子A1、第2の電力端子A4、及び補助電力端子A3側では、USBタイプCコネクタ仕様の2つの高速信号伝達端子A2、A3が取り除かれ、補助電力端子A3が加えられ、すなわち、第2の接地端子A1、第2の電力端子A4、及び補助電力端子A3は、USBタイプCコネクタ仕様の4つの端子A1〜A4の幅の場所を占有し、よって、第2の接地端子A1、第2の電力端子A4、及び補助電力端子A3を部分的に広げることができる。新しく加えられた補助電力端子A3は、高速充電を提供するために大電流伝達に有益であるように、電力回路の電流を促進することができる。
【0032】
同様に、下部列導電端子22は、第1の接地端子B12と、第2の接地端子B1と、第1の電力端子B9と、第2の電力端子B4と、補助電力端子B3と、データを転送し、制御信号を提供するための4つの端子B5、B6、B7、B8とを備える。本実施形態において、接地端子B12、B1及び電力端子B9、B4、B3の接続部分27及びはんだ付け部分28は、これらの端子のインピーダンスを低減させ、大電流伝達に有益であるように、広げられている(すなわち、これらの端子の接続部分27及びはんだ付け部分28は、各々が、それらの嵌合部分26に対してより広い幅を有する)。コネクタ電力供給仕様の要件に基づいて、図示されないいくつかの実施形態では、第2の接地端子B1及び第2の電力端子B4のための大きく広がった空間を提供するために、補助電力端子B3を省略することができる。
【0033】
第1の接地端子B12及び第1の電力端子B9側では、USBタイプCコネクタ仕様の2つの高速信号伝達端子B10、B11が取り除かれ、すなわち、第1の接地端子B12及び第1の電力端子B9は、USBタイプCコネクタ仕様の4つの端子B9〜B12の幅の場所を占有し、よって、第1の接地端子B12及び第1の電力端子B9を部分的に広げることができる。
【0034】
第2の接地端子B1、第2の電力端子B4、及び補助電力端子B3側では、USBタイプCコネクタ仕様の2つの高速信号伝達端子B2、B3が取り除かれ、補助電力端子B3が加えられ、すなわち、第2の接地端子B1、第2の電力端子B4、及び補助電力端子B3は、USBタイプCコネクタ仕様の4つの端子B1〜B4の幅の場所を占有し、よって、第2の接地端子B1、第2の電力端子B4、及び補助電力端子B3を部分的に広げることができる。加えられた補助電力端子B3は、高速充電を提供するために大電流伝達に有益であるように、強電流を促進することができる。
【0035】
図7及び
図8を参照すると、2つの接地ラッチ3は、互いに対して独立し、かつ絶縁体1の両側にそれぞれ提供される。各接地ラッチ3は、舌状部12の側面に露出されるラッチ部分36と、筐体11から後方へ延在する接地はんだ付け脚部38と、ラッチ部分36と接地はんだ付け脚部38との間に接続される接続部分37とを備える。接地はんだ付け脚部38は、電気接地にはんだ付けすることができ、したがって、2つの接地ラッチ3は、2つの接地端子を加えることに相当し、これは、接地回路の通電能力を促進するために有益である。加えて、接地ラッチ3は、金属シートで作製され、これは、繰り返し使用した後に摩耗し難く、また、レセプタクルコネクタ10の耐久性を高めることもできる。一般的に使用される金属遮蔽シートは、2つの別個の接地ラッチ3が中間電力端子A3、A4、A9、B9、B4、B3のための空間を作るために有益であり、よって、電力端子A3、A4、A9、B9、B4、B3の厚さを増加させるために有益であるように簡素化される。図示されないいくつかの実施形態において、レセプタクルコネクタ10の2つの接地ラッチ3はまた、
図13に示される遮蔽シート8に類似する一体式ラッチフック部材として設計することもできることに留意されたい。また、いくつかの実施形態では、2つの接地ラッチ3のうちの1つを更に省略することができる。
【0036】
各接地ラッチ3は、好ましくは、上部列導電端子21の接地端子A12、A1と、下部列導電端子22の接地端子B1、B12との間にそれぞれ間置され、かつ上下に積層され、互いに接触する。具体的には、
図4の参照と組み合わせて、上部列導電端子21の接地端子A12、A1の嵌合部分26及び接続部分27、下部列導電端子22の接地端子B1、B12の嵌合部分26及び接続部分27、並びに接地ラッチ3の接続部分37は、一般に、上下に積層され、互いに接触し、よって、導電端子2の厚さを舌状部12の制限された厚さに対して最大に増加させることができ、そして、より小さいインピーダンスを得ることができ、これは、接地回路の電流伝達能力を促進することに有益であり、また、発生する熱に起因するコネクタの動作温度の上昇が低減される。本実施形態において、導電端子2の厚さは、0.25ミリメートルとして選択され、接地ラッチ3の厚さは、0.20ミリメートルとして選択され、これらの3つの部材がともに積層されたときに、総厚さは、舌状部12の厚さ0.70ミリメートルにちょうど等しくなり、これは、USBタイプCコネクタ仕様に対応する。
【0037】
金属シェル4は、金属シートをスタンプし、曲げることによって形成される。金属シェル4は、絶縁体1の外周を覆い、舌状部12の外部空間を包囲して嵌合空洞49を形成し、よって、それに応じて、プラグコネクタ20を嵌合空洞の中へ挿入することを可能にする。以前の上部列導電端子21及び以前の下部列導電端子22は、嵌合空洞49の中で180度の回転対称として配設され、よって、プラグコネクタ20の2通りの挿入配向をサポートすることができる。
【0038】
図9〜
図13を参照すると、プラグコネクタ20は、プラスチック本体5と、複数の導電端子6と、プラスチック部材アセンブリ7と、遮蔽シート8と、外側シェル9とを備える。プラスチック本体5は、射出成型によって一体的に形成される。プラスチック本体5は、前後方向に沿って貫通する受容空洞59を有する。導電端子6、遮蔽シート8、及びプラスチック部材アセンブリ7からなるアセンブリは、受容空洞59の中に装着される。外側シェル9は、金属シートをスタンプし、曲げることによって形成される。外側シェル9は、プラスチック本体5の外周を覆い、そこに固定される。プラグコネクタ20は、レセプタクルコネクタ10の舌状部12と協働する挿入空洞99を有する。
【0039】
導電端子6は、金属シートをスタンプし、曲げることによって一体的に形成される。各導電端子6は、嵌合部分66と、はんだ付け部分68と、嵌合部分66とはんだ付け部分68との間に接続される接続部分67とを備える。導電端子6は、上部列導電端子61及び下部列導電端子62に分割される。上部列導電端子61及び下部列導電端子62は、挿入空洞99の外周に沿って180度の回転対称として配設され、よって、プラグコネクタ20は、嵌合を実現するために、2通りの挿入配向でレセプタクルコネクタ10の中へ挿入することができる。具体的には、上部列導電端子61及び以前の下部列導電端子21は、同じ配設であり、また、下部列導電端子62及び以前の上部列導電端子22は、同じ配設であり、よって、本明細書では詳細な説明が省略される。USBタイプCコネクタ仕様の2対の接地端子及び2対の電力端子と比較して、これらの導電端子6は、以前のレセプタクルコネクタ10の補助電力端子A3、B3に対応する、1対の補助電力端子A3a、B3aを加えることに留意されたい。
【0040】
プラスチック部材アセンブリ7は、互いに協働する上部プラスチック部材71と、下部プラスチック部材72とを備える。上部プラスチック部材71及び上部列導電端子61は、インサート成形プロセスによってともに係合されて、上部端子モジュールを構成する。同様に、下部プラスチック部材72及び下部列導電端子62は、インサート成形プロセスによってともに係合されて、下部端子モジュールを構成する。
【0041】
遮蔽シート8は、上部端子モジュールと下部端子モジュールとの間に間置される。実施形態において、遮蔽シート8は、上部プラスチック部材71と下部プラスチック部材72との間に間置される基部プレート81と、基部プレート81の前端部の両側から前方へそれぞれ延在する2つのラッチングフック82と、基部プレート81の後端部から後方へ延在する2つの接地はんだ付け脚部83とを備える。それに応じて、2つの接地はんだ付け脚部83を電気接地にはんだ付けすることができる。
【0042】
再度
図1を参照すると、プラグコネクタ20及びレセプタクルコネクタ10がともに係合されるときに、それに応じて、レセプタクルコネクタ10の舌状部12がプラグコネクタ20の挿入空洞99の中へ挿入され、この時点で、プラグコネクタ20の上部列導電端子61及びレセプタクルコネクタ10の上部列導電端子21が、1端子対1端子の対応関係で互いに嵌合され、ともに電気的に接続され、プラグコネクタ20の下部列導電端子62及びレセプタクルコネクタ10の下部列導電端子22が、1端子対1端子の対応関係で互いに嵌合され、ともに電気的に接続され、プラグコネクタ20の2つのラッチングフック82及びレセプタクルコネクタ10の2つの接地ラッチ3が、1ラッチフック対1ラッチフックの対応関係で互いに嵌合され、ともに電気的に接続される。
【0043】
従来技術と比較すると、本開示の電気コネクタアセンブリでは、上部列の中の接地端子A1、A12及び下部列の中の接地端子B1、B12、並びに中間の接地ラッチ3は、レセプタクルコネクタ10において、上下に積層され、互いに接触し、このような設計は、単純でより容易に実現される積層構造を利用し、舌状部12の制限された厚さに対する導電端子2の厚さを最大に増加させることができ、接地回路の大電流通電能力を有益に促進するためにより小さいインピーダンスを得ることができ、また、動作温度の上昇を低減させることができ、加えて、レセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20は、各々が、1対の補助電力端子A3、B3、A3a、B3aを加え、これらもまた、電力回路の大電流伝達能力を更に促進するために有益であり、したがって、耐久性があり安定した大電流伝達の適用環境により良好に適し得る。
【0044】
上記の内容は、本開示の実施形態に過ぎず、本開示を実施する解決策を限定するために使用されるものではない。当業者は、本開示の主要な概念及び趣旨に基づいて、好都合に変更又は修正することができ、したがって、本開示の保護の範囲は、特許請求の範囲の用語によって決定されるものとする。