(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386149
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】タッチパネル
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20180827BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
G06F3/041 450
G06F3/044 120
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-176955(P2017-176955)
(22)【出願日】2017年9月14日
(62)【分割の表示】特願2015-189969(P2015-189969)の分割
【原出願日】2015年9月28日
(65)【公開番号】特開2017-216017(P2017-216017A)
(43)【公開日】2017年12月7日
【審査請求日】2017年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201814
【氏名又は名称】双葉電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】内藤 康之
(72)【発明者】
【氏名】出口 清之
(72)【発明者】
【氏名】井上 恭
(72)【発明者】
【氏名】三橋 翼
【審査官】
酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−090443(JP,A)
【文献】
特表2012−526040(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/172000(WO,A1)
【文献】
特開2014−106425(JP,A)
【文献】
特開2013−139136(JP,A)
【文献】
特開2013−114273(JP,A)
【文献】
特開2008−257494(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0279383(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが複数の電極列からなる第1電極と第2電極とを互いに交差させ、この交差する部分が絶縁されるように透光性を有する基板の裏面に前記第1電極と前記第2電極が形成されるセンサ部と、該センサ部を挟み込んだ状態でインサート射出成形される筐体部とを備え、前記基板の表面における前記筐体部よりも内方側に設定された操作領域内の位置座標が検出可能な投影型静電容量方式のタッチパネルにおいて、
前記基板の表面側には、前記基板の裏面側に配設された前記第1電極及び前記第2電極の引き出し配線部の配線領域を覆うように切欠部が形成され、
前記筐体部は、前記切欠部を覆いながら前記基板の外縁部を上下から挟み込むように樹脂材料によりインサート射出成形され、さらに前記基板の表面側にある前記切欠部を覆う前記筐体部の前記操作領域側の縁部が、前記基板の裏面側にある前記筐体部の前記操作領域側の縁部よりも前記操作領域側に突出して形成されていることを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
前記筐体部は、少なくとも前記引き出し配線部の表面を覆うように成形されることを特徴とする請求項1記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記切欠部は、所定形状に切削された段部を有することを特徴とする請求項1又は2記載のタッチパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指先の多点検出が可能な投影型静電容量方式のタッチパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、スマートデバイス(例えばタブレット型端末や電子ブックリーダー等)、カーナビゲーションシステム等の電子機器には、インタフェースの一形態として、直感的な操作ができる点、耐久性に優れる点を利点とするタッチパネル機能を備えた表示装置(タッチパネル付き表示装置:タッチパネルデバイス)が搭載されている。
【0003】
タッチパネルは、指やスタイラス等の指示体によるタッチを検出し、そのタッチ位置の座標を特定する位置入力装置である。その検出方式は、アナログ抵抗膜方式とマトリックス抵抗膜方式からなる抵抗膜方式、表面型静電容量方式と投影型静電容量方式からなる静電容量方式、赤外線走査方式と再帰反射方式からなる光学方式、表面弾性波方式と板波方式からなる超音波方式に大別され、各種方式のものが実用化されている。
【0004】
ところで、近年では、上述した検出方式のうち、特に投影型静電容量方式のタッチパネルの需要が拡大してきている。投影型静電容量方式のタッチパネルは、指先が近づくとその付近の電極の静電容量の変化を縦横2つの電極列からタッチパネル上の位置座標として検知するものである。
【0005】
図4はこの種の投影型静電容量方式のタッチパネルの一例を示す部分断面図である。
図4の投影型静電容量方式のタッチパネル51は、透光性を有する1枚の基板52の片面(操作面側となる表面と対向する裏面)に、第1の方向(例えば横方向)に延在する透明導電膜からなる複数列の第1電極(例えばX電極)と、第1電極と交差する第2の方向(例えば縦方向)に延在する透明導電膜からなる複数列の第2電極(例えばY電極)とを積層した電極部53を有するセンサ部54を形成し、筐体部55の係合凹部55aに両面テープなどの接着材56を介してセンサ部54を嵌め込んだ構成を基本構造として作製される。また、基板52には、電極部(第1電極、第2電極)53のそれぞれの端部から引き出される引き出し配線部57が加飾層58を介して形成される。さらに、センサ部54の電極部53と引き出し配線部57の全体を覆うように透明絶縁膜からなる保護層59が形成される。そして、基板52のセンサ部54と対向する位置には、例えば液晶ディスプレイなどの表示装置60が例えば透明粘着テープなどの接着材61を介して接着固定される。なお、このような投影型静電容量式のタッチパネルとしては、例えば下記特許文献1に開示されるものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011―90443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に開示されるタッチパネルは、基板52の裏面に設けられた電極部53の引き出し配線部57が操作領域以外の領域(外周)に配設され、タッチパネルの操作面側から使用者の目に触れないように隠す加飾層58が設けられている。
【0008】
しかしながら、タッチパネルを搭載する電子機器のデザインを阻害しないように、筐体部55の色味に応じて加飾層58の色を合わせる必要があるが、材質の異なる部品同士の色味を合わせる作業は非常に困難である。また、加飾層58を設けるためにタッチパネルの工程数が増えるため、製造コストが嵩むという問題もある。
【0009】
さらに、特許文献1のタッチパネルは、センサ部54を筐体部55に嵌め込み接着材61を介して接着固定した造りとなっているため、落下等の強い衝撃を受けるとセンサ部54が筐体部から離脱するという問題がある。
【0010】
また、タッチパネル51のセンサ部54の電極部(第1電極、第2電極)53は、端部から引き出し配線部57を介して不図示の制御ICに接続されるが、引き出し配線部57が外に露出して空気に晒されると腐食が発生しやすく、断線の虞があるため、その対策として、従来は引き出し配線部57の全面を覆うように透明絶縁膜からなる保護層59を形成していた。
【0011】
しかしながら、透明絶縁膜の保護層59を形成したタッチパネル51を高温高湿(例えば85℃、85%)の条件下で性能評価試験を試みたところ、保護層の仕様によっては時間の経過に伴って、外からの湿気が透湿性を有する保護層59を通って引き出し配線部57に達し、引き出し配線部57を腐食させてしまう虞のあることがわかった。このため、引き出し配線部57を保護層59で単に覆うだけの構成は、引き出し配線部57の腐食耐性の更なる向上が求められた。
【0012】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、耐衝撃性に優れ、且つ加飾層を設けることなく操作面側からのデザイン性に優れたタッチパネルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した目的を達成するため、本発明に係る第1の態様は、それぞれが複数の電極列からなる第1電極と第2電極とを互いに交差させ、この交差する部分が絶縁されるように透光性を有する基板の裏面に前記第1電極と前記第2電極が形成されるセンサ部と、該センサ部を挟み込んだ状態でインサート射出成形される筐体部とを備え
、前記基板の表面における前記筐体部よりも内方側に設定された操作領域内の位置座標が検出可能な投影型静電容量方式のタッチパネルにおいて、
前記基板の表面側には、前記基板の裏面側に配設された前記第1電極及び前記第2電極の引き出し配線部の配線領域を覆うように切欠部が形成され、
前記筐体部は、前記切欠部を覆いながら前記基板の外縁部を上下から挟み込むように樹脂材料によりインサート射出成形され
、さらに前記基板の表面側にある前記切欠部を覆う前記筐体部の前記操作領域側の縁部が、前記基板の裏面側にある前記筐体部の前記操作領域側の縁部よりも前記操作領域側に突出して形成されていることを特徴とする、タッチパネルである。
【0014】
本発明に係る第2の態様は、第1の態様に係るタッチパネルにおいて、前記筐体部は、少なくとも前記引き出し配線部の表面を覆うように成形されることを特徴とする、タッチパネルである。
【0015】
本発明に係る第3の態様は、第1の態様又は第2の態様に係るタッチパネルにおいて、前記切欠部は、所定形状に切削された段部を有することを特徴とする、タッチパネルである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1の態様によれば、外部から引き出し配線部が視認できないように遮蔽する加飾層を設ける必要なく引き出し配線部の遮蔽が可能となるため、製造コストの低減につながる。また、基板に対して筐体部をインサート射出成形するため、落下等の強い衝撃により筐体部から基板が離脱する心配のない信頼性の高いタッチパネルを提供することができる。
さらに、切欠部を覆う基板表面側にある筐体部の操作領域側の縁部が、基板裏面側にある筐体部の操作領域側の縁部よりも操作領域側に突出して形成することで、切欠部を覆う筐体部によって基板の裏側にある筐体部の操作領域側の縁部が隠れるように覆われるため、タッチパネルの操作面側から基板の裏面側に位置する筐体部が視認されにくいデザイン性に優れたタッチパネルを提供することができる。
【0017】
本発明の第2の態様によれば、各電極の引き出し配線部の領域を少なくとも覆うように筐体部をインサート射出成形すれば、引き出し配線部全体が樹脂で覆われるので、外からの湿気が通りにくく、引き出し配線部の腐食に対して十分な効果を発揮することができる。
【0018】
本発明の第3の態様によれば、切欠部に所定形状の段部を形成することで筐体部との接触面積が増えるため、使用環境の影響を受けて筐体部が膨張した際に基板が筐体部から外れることを防止する効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】(a)は本発明に係るタッチパネルのセンサ部を裏面側から見た平面図であり、(b)は(a)のA−A線拡大断面図である。
【
図2】(a)は本発明に係るタッチパネルの平面の一例を示す図であり、(b)は(a)のB−B線部分拡大断面図である。
【
図3】(a)、(b)は基板に形成される切欠部の形成例を示す図である。
【
図4】従来のタッチパネルの取付構造の一例を示す部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態によって本発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者等により考え得る実施可能な他の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれるものとする。
【0021】
なお、本明細書において、添付する各図を参照した以下の説明において、方向乃至位置を示すために上、下、左、右の語を使用した場合、これはユーザが各図を図示の通りに見た場合の上、下、左、右に一致する。
【0022】
本実施形態におけるタッチパネル1は、指先が近づくとその付近の電極の静電容量の変化を縦横2つの電極列からタッチパネル1上の位置座標を検知する指先の多点検出が可能な投影型静電容量方式を採用したものである。
【0023】
まず、本発明に係るタッチパネル1の構成について、
図1〜
図3を参照しながら説明する。なお、本実施の形態のタッチパネル1は、平面視した形状を長方形として図示して説明するが、その形状が限定されるものではなく、例えば正方形、円形、楕円形、多角形などの形状であってもよい。
【0024】
図1(a)に示すように、本実施形態のタッチパネル1は、透光性を有する基板11の裏面(操作面となる表面と対向する面)に形成される第1電極13及び第2電極14からなる電極部12を配置してなるセンサ部2と、センサ部2を上下方向(基板11の表裏方向)で挟み込んだ状態でインサート射出成形される筐体部3と、を備えて大略構成される。
【0025】
センサ部2は、
図1(b)に示すように、矩形板状の基板11を基部としている。基板11は、透光性を有する絶縁性材料で形成され、例えばガラス式又はフィルム式が用いられる。ガラス式の基板11としては、例えば無アルカリガラス、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスなどを用いる。また、フィルム式の基板11としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂製のフィルムを用いる。
【0026】
基板11の裏面(指先で操作される面と対向する反対側の面:以下、操作対向面という)11aには、電極部12としての第1電極13と第2電極14が形成される。第1電極13は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜をフォトリソグラフィー技術等でレジストをパターニングした後にエッチング処理して、例えば
図1の縦方向(X方向)に複数配列される列電極として形成される。
【0027】
第2電極14は、第1電極13と同様、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜をフォトリソグラフィー技術等でレジストをパターニングした後にエッチング処理して、例えば
図1の横方向(Y方向)に複数配列される列電極として形成される。
【0028】
さらに電極部12の形成方法について説明すると、まず、基板11の操作対向面11aに対し、
図1(a)の縦方向(X方向)に延在する複数の第1電極13と、分断された状態で
図1(a)の横方向(Y方向)に配置された複数の電極膜14aとを形成する。次に、第1電極13と第2電極14との交差部15における第1電極13上に絶縁層16を形成する。絶縁層16は、第1電極13と第2電極14との間を電気的に絶縁するもので、例えばアクリル樹脂などの絶縁材料からなる。次に、
図1(b)に示すように、第1電極13を跨いで
図1(a)の横方向(Y方向)にブリッジ配線(ジャンパー配線)17にて複数の電極膜14aを接続し、第2電極14を形成する。その際、第2電極14を構成する電極膜14a,14a間を接続するブリッジ配線17は、絶縁層16上を通るように配線される。そして、本例では、第1電極13と第2電極14による電極部12が形成される
図2(a)の内側の矩形部分をセンサ部2の操作領域E1としている。
【0029】
なお、上述した電極部12の形成方法では、第2電極14にブリッジ配線17を用いているが、第1電極13と第2電極14を逆転させた構成とし、第1電極13にブリッジ配線17を用いてもよい。また、第1電極13と第2電極14とは少なくとも交差部15が絶縁されていればよいので、一方の電極(第1電極13又は第2電極14)の全面に絶縁層16を形成し、この絶縁層16の上に他方の電極(第2電極14又は第1電極13)を形成する構成としてもよい。
【0030】
上述した形成方法にて基板11上に形成された第1電極13と第2電極14は、
図1(a)に示すように、それぞれの端部が引き出し配線部18により基板11の端部まで引き出され、不図示の制御IC(制御回路)に配線接続される。
【0031】
引き出し配線部18は、
図2(a)に示すように、操作領域E1の外側のコ字状部分の引き出し配線領域E2(図中の網かけ領域)において、第1電極13と第2電極14のそれぞれの端部から引き出される配線であり、例えばMAM(Mo/Al/Mo)、APC(Ag・Pd・Cuなど)などの金属膜をスパッタ法により成膜し、エッチング法により所定のパターンを基板11の端部まで形成する。
【0032】
このように、センサ部2は、位置センサとしての精度を保つため、直線状電極からなる第1電極13と第2電極14とが電気的に絶縁された状態で基板11上にXYのマトリックス状に配置され、どの電極上のどこ辺りにではなく、どのX方向電極とどのY方向電極であるかを独立に検出し、その交点から位置を算出することができる。
【0033】
また、基板11の表面側(基板11の操作面11b側)における外縁端部には、第1電極13及び第2電極14から基板11の操作対向面11aに引き出された引き出し配線部18の引き出し配線領域E2を覆うように、切欠部11cが形成されている。
【0034】
切欠部11cは、基板11の操作面11b側に上記条件で切欠部11cを形成することで、筐体部3をインサート射出成形した際に、この切欠部11cが樹脂材料によって覆われることになる。これにより、タッチパネル1となったときに、外部から引き出し配線部18が視認されず、従来装置のように引き出し配線部18を遮蔽するための加飾層を設けることなく、加飾層を設けるのと同等の効果を奏することができる。
【0035】
なお、切欠部11cは、インサート射出成形後、使用環境による筐体部3の膨張により基板11が筐体部3から外れないようにするため、例えば
図3(a)や(b)に示すように、基板11との接触面積が多くなるよう基板11における操作領域E1よりも外側に所定形状の段差(段部)を形成するように切削するのが好ましい。
【0036】
また、このような段差形状に切削する場合、
図3に示すような段差部分の形状や段部の寸法は特に限定されず、タッチパネル1のサイズや筐体部3の淵周りのサイズ等に応じて適宜設計することができる。
【0037】
筐体部3は、例えば汎用プラスチック、エンジニアリングプラスチックなどの熱可塑性の合成樹脂で構成される。筐体部3は、センサ部2の操作領域E1(指先が操作される領域)となる操作面11b側を表面として、基板11の外縁端部の操作面11b側に形成した切欠部11cを覆うように、基板11の外縁端部を上下(表裏)から挟み込み、筐体部3の表面3aと基板11の操作面11bとを面一にしてシームレスとなるように樹脂材料によりインサート射出成形する。
【0038】
また、筐体部3は、基板11の操作対向面11a側に形成される電極部12(第1電極13、第2電極14)の引き出し配線部18の引き出し配線領域E2を少なくとも覆うようにインサート射出成形する。これにより、引き出し配線部18が筐体部3によって直接覆われるため、性能評価試験のような過酷な条件下においても引き出し配線部18が腐食することなく製品の信頼性を担保することができる。
【0039】
そして、上記のように構成されるタッチパネル1は、
図2(b)に示すように、基板11の操作対向面11a(センサ部2が形成される面)が例えば透明粘着テープなどの接着層19を介して表示装置(例えば液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどの各種表示デバイス)20に接着固定される。
【0040】
これにより、タッチパネル1を入力デバイスの一形態として表示装置20に搭載することで、表示装置20をタッチパネル付き表示装置(タッチパネルデバイス)として機能させることができる。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態のタッチパネル1は、第1電極13及び第2電極14の引き出し配線部18の引き出し配線領域E2を覆うように、基板11の操作面11b側における外縁端部に切欠部11cを形成し、この切欠部11cを覆って筐体部3の表面3aと操作面11bとが面一となるように、筐体部3がセンサ部2の操作領域E1を表面側として基板11の外縁端部を上下から挟み込むように樹脂材料によりインサート射出成形して作製される。
【0042】
これにより、外部から引き出し配線部18が視認できないように遮蔽する加飾層を設ける必要なく引き出し配線部18の遮蔽が可能となるため、製造コストの低減につながるとともに、従来装置の様な接着層による嵌め込み構造のように落下等の強い衝撃により筐体部3から基板11が離脱する心配のない信頼性の高いタッチパネルを提供することができる。
【0043】
また、筐体部3は、第1電極13及び第2電極14の各電極の引き出し配線部18の領域を少なくとも覆うようにインサート射出成形し、引き出し配線部18全体が樹脂で覆われるので、外からの湿気が通りにくく、引き出し配線部18の腐食に対して十分な効果を発揮することができる。
【符号の説明】
【0044】
1…タッチパネル
2…センサ部
3…筐体部
3a…表面
11…基板
11a…裏面(操作対向面)
11b…表面(操作面)
11c…切欠部
12…電極部
13…第1電極
14…第2電極
14a…電極膜
15…交差部
16…絶縁層
17…ブリッジ配線
18…引き出し配線部
E1…操作領域
E2…引き出し配線領域