特許第6386171号(P6386171)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6386171新規なアミノアルキルベンゾチアゼピン誘導体及びその用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386171
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】新規なアミノアルキルベンゾチアゼピン誘導体及びその用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 281/10 20060101AFI20180827BHJP
   A61K 31/554 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 1/10 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   C07D281/10 CCSP
   A61K31/554
   A61P1/10
【請求項の数】11
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2017-514289(P2017-514289)
(86)(22)【出願日】2015年8月28日
(65)【公表番号】特表2017-527589(P2017-527589A)
(43)【公表日】2017年9月21日
(86)【国際出願番号】KR2015009044
(87)【国際公開番号】WO2016064082
(87)【国際公開日】20160428
【審査請求日】2017年3月13日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0141869
(32)【優先日】2014年10月20日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0069949
(32)【優先日】2015年5月19日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514311689
【氏名又は名称】シージェイ ヘルスケア コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CJ HEALTHCARE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ウォン−ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】キム、スン イン
(72)【発明者】
【氏名】チ、スン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】コ、ドン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ソグ ボム
(72)【発明者】
【氏名】イ、グン ホ
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ヒョン ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドン ヒョン
【審査官】 前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−505554(JP,A)
【文献】 特表2006−518728(JP,A)
【文献】 特表2005−536502(JP,A)
【文献】 特表2013−525444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 281/00
A61K 31/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(1)で示される化合物またはその薬学的に許容可能な塩:
【化1】
前記式において、
は、ヒドロキシ、カルボキシまたはヒドロキシスルホニル(C1−4アルキル)であり;
及びRは、それぞれ独立して水素、C1−4アルキル、ヒドロキシ(C1−4アルキル)、カルバモイル(C1−4アルキル)、カルボキシ、カルボキシ(C1−4アルキル)、(少なくとも1つの窒素原子を有する5〜10員ヘテロアリール)(C1−4アルキル)または(C5−10アリール)(C1−4アルキル)または、R及びRが共にC3−7シクロアルキルを形成し;
は、水素またはカルボキシ(C1−4アルキル)であり;
、(1−4アルキル)チオであり;
及びRは、それぞれ独立してC1−6アルキルであり;
及びRは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、またはハロゲンであり;
Qは、C5−10アリールであり;
nは0〜3の整数である。
【請求項2】
は、ヒドロキシ、カルボキシまたはヒドロキシスルホニル(C1−4アルキル)であり;
及びRは、それぞれ独立して水素、C1−4アルキル、ヒドロキシ(C1−4アルキル)、カルバモイル(C1−4アルキル)、カルボキシ、カルボキシ(C1−4アルキル)または(少なくとも1つの窒素原子を有する5〜10員ヘテロアリール)(C1−4アルキル)または、R及びRが共にC3−7シクロアルキルを形成し;
は、水素またはカルボキシ(C1−4アルキル)であり;
は、(C1−4アルキル)チオであり;
及びRは、それぞれ独立してC1−6アルキルであり;
及びRは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲンまたはC1−4アルコキシであり;
Qは、C5−10アリールであり;
nは0〜3の整数である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
は、ヒドロキシ、カルボキシまたはヒドロキシスルホニルメチルである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
及びRは、それぞれ独立して水素、カルボキシ、メチル、イソブチル、カルバモイルメチル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、ヒドロキシメチル、イミダゾリルメチル、インドリルメチルまたはエチルであるか、R及びRが共にシクロプロピルを形成する、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
は、水素、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
は、メチルチオ、またはエチルチオである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
及びRは、いずれもブチルまたはエチルである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
及びRは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ、メトキシ、メチル、エチル、フルオロ、またはクロロである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項9】
Qは、フェニルである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
前記化合物は、
1)2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸;
2)3−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)プロパン酸;
3)2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)コハク酸;
4)(S)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)プロパン酸;
5)2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)ペンタン二酸;
6)4−アミノ−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−4−オキソブタン酸;
7)(R)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)プロパン酸;
8)2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−2−メチルプロパン酸;
9)(R)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−3−(1H−イミダゾール−4−)プロパン酸;
10)(R)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−3−(1H−インドール−2−イル)プロパン酸;
11)(S)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−4−メチルペンタン酸;
12)(S)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)ペンタン二酸;
13)(S)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸;
14)3−((カルボキシメチル)((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)プロパン酸;
15)3−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)ペンタン二酸;
16)2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8イル)メチル)アミノ)−2−オキソ酢酸;
17)1−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)シクロプロパンカルボン酸;
18)2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−2−オキソエタンスルホン酸;
19)2−(((3,3−ジブチル−5−(4−メトキシフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸;
20)2−(((3,3−ジブチル−5−(4−ヒドロキシフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸;
21)2−(((3,3−ジブチル−5−(3−メトキシフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸;
22)2−(((3,3−ジブチル−5−(4−フルオロフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸;
23)2−(((3,3−ジブチル−5−(3−フルオロフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸;
24)2−(((3,3−ジブチル−5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸;
25)2−(((3,3−ジブチル−5−(4−メトキシフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−2−オキソエタンスルホン酸;
26)1−(((3,3−ジブチル−5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)シクロプロパンカルボン酸;
27)2−(((3,3−ジブチル−5−(4−フルオロフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−2−オキソ酢酸;
28)(S)−2−(((3,3−ジブチル−5−(4−フルオロフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)プロパン酸;
29)(S)−2−(((3,3−ジブチル−5−(4−フルオロフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸;及び
30)1−(((3,3−ジブチル−5−(4−フルオロフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)シクロプロパンカルボン酸からなる群から選択されるものである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、便秘の予防または治療用薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なアミノアルキルベンゾチアゼピン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩、及びこれを有効成分として含む、便秘の予防または治療用薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
便秘は、国内において約16%の有病率を示すほどよく見られる消化器疾患である。男性よりも女性により多く発生し、高齢者ではさらに増加し、有病率は約30〜40%程度である。便秘は不快感を与え、日常生活に大きな影響を及ぼし、西洋では欠勤理由のうち二番目として挙げられており、さらには生活の質が深刻に低下する患者もいることが報告されている。
【0003】
現在、便秘薬としては、刺激性下剤及び便軟化剤などが広く使用されている。刺激性下剤は大腸内の水分の吸収を防ぎ、大腸の運動を刺激するものとして、センナ(senna)及びビサコジル(bisacodyl)などが広く使用される。また、便軟化剤は、便の表面張力を低下させて便の水分の吸収を増加させるものであり、代表的なものとしては、ドクセート(ducosate)がある。しかし、これらの刺激性下剤及び便軟化剤は、効能が一時的であり、耐性が生じうるという欠点があり、長期間使用することができない。
【0004】
一方、胆汁酸は、肝臓においてコレステロールから生成され、胆嚢に保管された後、食後、脂質及び脂質ビタミンのような栄養素の消化を助けるために小腸に排出される。胆汁酸は小腸の下部に移動する際に90%が肝臓に再吸収される。薬物による胆汁酸再吸収の抑制は、胆汁酸を大腸に移動するようにし、大腸内の水の分泌と大腸運動の促進を誘発するので、便秘の治療及び予防に有用である(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】American Journal ofgastroenterology、2011、106:2154-2163
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、便秘の予防または治療に用いることのできる新規な化合物を見出すために研究し、努力した結果、一連のアミノアルキルベンゾチアゼピン誘導体が胆汁酸の再吸収を効果的に抑制することにより便秘の予防または治療に有用であることを確認し、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの目的は、下記化学式(1)で示される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供することにある。
【0008】
【化1】
【0009】
本発明の他の目的は、上記化学式(1)で示される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、便秘の予防または治療用薬学的組成物を提供することにある。
【発明の効果】
【0010】
本発明の新規なアミノアルキルベンゾチアゼピン誘導体化合物は、胆汁酸の再吸収を抑制することにより、胆汁酸が大腸に移動するようにし、大腸内の水の分泌と大腸運動の促進を誘導する。このような結果は、本発明の化合物が便秘を効果的に治療及び予防するのに効果的に使用できることを示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[発明を実施するための最良の形態]
一態様として、本発明は、下記化学式(1)で示される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0012】
【化2】
【0013】
上記式において、
は、ヒドロキシ、カルボキシまたはヒドロキシスルホニル(C1−4アルキル)であり;
及びRは、それぞれ独立して水素、C1−4アルキル、ヒドロキシ(C1−4アルキル)、カルバモイル(C1−4アルキル)、カルボキシ、カルボキシ(C1−4アルキル)、(C5−10ヘテロアリール)(C1−4アルキル)または(C5−10アリール)(C1−4アルキル)または、R及びRが共にC3−7シクロアルキルを形成し;
は、水素またはカルボキシ(C1−4アルキル)であり;
は、水素、ハロゲン、(C1−4アルキル)チオ、(C1−4アルキル)アミノまたはジ(C1−4アルキル)アミノであり;
及びRは、それぞれ独立してC1−6アルキルであり;
及びRは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、(C1−4アルキル)アミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノ、アセトアミド、ホルミル、C1−4アルカノイル、カルボキシ、カルバモイル、(C1−4アルキル)カルバモイル、ジ(C1−4アルキル)カルバモイル、カルバモイルオキシ、(C1−4アルキル)カルバモイルオキシ、ジ(C1−4アルキル)カルバモイルオキシ、(C1−4アルキル)スルホニルオキシ、スルファモイルオキシ、(C1−4アルキル)スルファモイルオキシまたはジ(C1−4アルキル)スルファモイルオキシであり;
Qは、C5−10アリールまたはC5−10ヘテロアリールであり;
nは0〜3の整数である。
【0014】
好ましくは、上記式において、
は、ヒドロキシ、カルボキシまたはヒドロキシスルホニル(C1−4アルキル)であり、
及びRは、それぞれ独立して水素、C1−4アルキル、ヒドロキシ(C1−4アルキル)、カルバモイル(C1−4アルキル)、カルボキシ、カルボキシ(C1−4アルキル)または(C5−10ヘテロアリール)(C1−4アルキル)または、R及びRが共にC3−7シクロアルキルを形成することができ、
は、水素またはカルボキシ(C1−4アルキル)であり、
は、(C1−4アルキル)チオであり、
及びRは、それぞれ独立してC1−6アルキルであり、
及びRは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲンまたはC1−4アルコキシであり、
Qは、C5−10アリールであり
nは0〜3の整数であってもよい。
【0015】
好ましくは、上記式において、Rは、ヒドロキシ、カルボキシまたはヒドロキシスルホニルメチルであってもよい。
好ましくは、上記式において、R及びRは、それぞれ独立して水素、カルボキシ、メチル、イソブチル、カルバモイルメチル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、ヒドロキシメチル、イミダゾリルメチル、インドリルメチルまたはエチルであるか、R及びRが共にシクロプロピルを形成することができる。
【0016】
好ましくは、上記式において、Rは、水素、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルであってもよい。
好ましくは、上記式において、Rは、メチルチオ、エチルチオまたはジメチルアミノであってもよい。
【0017】
好ましくは、上記式において、R及びRは、いずれもブチルまたはエチルであってもよい。
好ましくは、上記式において、R及びRは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ、メトキシ、メチル、エチル、フルオロ、クロロ、ニトロ、シアノ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、アセチル、カルボキシ、カルバモイル、メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、カルバモイルオキシ、メチルカルバモイルオキシ、ジメチルカルバモイルオキシ、メチルスルホニルオキシ、スルファモイルオキシ、メチルスルファモイルオキシまたはジメチルスルファモイルオキシであってもよい。
【0018】
好ましくは、上記式において、Qはフェニル、ピリジン、ピリミジンまたはチオフェンであってもよい。上記化学式(1)によりQはR及びRで置換されたフェニル、ピリジン、ピリミジンまたはチオフェンであってもよい。上記Qにおいて、R及びRの位置は定められていないが、互いに異なる元素上に位置し、それ以外の位置は、水素が結合してもよい。したがって、R及びRがいずれも水素である場合は、Qが置換されていないフェニル、ピリジン、ピリミジンまたはチオフェンであることを意味する。
【0019】
より好ましくは、上記化合物は、
1)2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸;
2)3−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)プロパン酸;
3)2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)コハク酸;
4)(S)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)プロパン酸;
5)2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)ペンタン二酸;
6)4−アミノ−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−4−オキソブタン酸;
7)(R)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)プロパン酸;
8)2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−2−メチルプロパン酸;
9)(R)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−3−(1H−イミダゾール−4−)プロパン酸;
10)(R)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−3−(1H−インドール−2−イル)プロパン酸;
11)(S)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−4−メチルペンタン酸;
12)(S)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)ペンタン二酸;
13)(S)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸;
14)3−((カルボキシメチル)((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)プロパン酸;
15)3−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)ペンタン二酸;
16)2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−2−オキソ酢酸;
17)1−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)シクロプロパンカルボン酸;
18)2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−2−オキソエタンスルホン酸;
19) 2−(((3,3−ジブチル−5−(4−メトキシフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸;
20)2−(((3,3−ジブチル−5−(4−ヒドロキシフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸;
21)2−(((3,3−ジブチル−5−(3−メトキシフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸;
22)2−(((3,3−ジブチル−5−(4−フルオロフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸;
23)2−(((3,3−ジブチル−5−(3−フルオロフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸;
24)2−(((3,3−ジブチル−5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸;
25)2−(((3,3−ジブチル−5−(4−メトキシフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−2−オキソエタンスルホン酸;
26)1−(((3,3−ジブチル−5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)シクロプロパンカルボン酸;
27)2−(((3,3−ジブチル−5−(4−フルオロフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−2−オキソ酢酸;
28)(S)−2−(((3,3−ジブチル−5−(4−フルオロフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)プロパン酸;
29)(S)−2−(((3,3−ジブチル−5−(4−フルオロフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸;または
30)1−(((3,3−ジブチル−5−(4−フルオロフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)シクロプロパンカルボン酸であってもよい。
【0020】
また、本発明の化合物は、薬学的に許容可能な塩の形態で存在することができる。塩としては、薬学的に許容可能な遊離酸(free acid)により形成された酸付加塩が有用である。本発明の用語「薬学的に許容可能な塩」とは、患者に対して比較的非毒性で無害な有効作用を示す濃度を有するものであり、この塩に起因した副作用が化学式(1)で示される化合物の有利な効能を低下させない、上記化合物の任意のすべての有機または無機付加塩を意味する。
【0021】
酸付加塩は、通常の方法、例えば、化合物を過量の酸水溶液に溶解させ、この塩を水混和性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、アセトンまたはアセトニトリルを使用して沈殿させることによって製造することができる。同モル量の化合物及び水中の酸またはアルコール(例えば、グリコールモノメチルエーテル)を加熱し、続いて上記混合物を蒸発させて乾燥させたり、または析出された塩を吸引濾過させることができる。
【0022】
また、塩基を使用して薬学的に許容可能な金属塩を作ることができる。アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩は、例えば、化合物を過量のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物溶液中に溶解させ、非溶解化合物塩を濾過した後、ろ液を蒸発、乾燥させて得る。
【0023】
本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩は、特に断りのない限り、上記化学式(1)の化合物に存在しうる酸性または塩基性基の塩を含み、当業界において知られている塩の製造方法により製造されてもよい。
【0024】
さらに、本発明の化合物は、母核及びその置換基の非対称炭素中心を有するため、RまたはS異性体、ラセミ体、部分立体異性体混合物及び個々の部分立体異性体として存在することができ、これらすべての異性体及びこれらの混合物は、本発明のカテゴリーに含まれる。
【0025】
例えば、本発明の化合物は、下記反応式1で示される一連の反応を通じてアミノ−アルコキシベンゼンチオールと3−ブロモ−2−(モノまたはジ)アルキルプロパン酸から合成することができる。しかし、下記反応式は、本発明の化合物の例示的な製造方法に過ぎず、本発明の化合物の製造方法は、これに限定されず、当業界において公知の方法を利用したり、適切に変更して実行することができる。
【0026】
【化3】
【0027】
上記反応式において置換基は、先に定義した通りである。
具体的には、ステップ1は、化学式(2)で示される化合物であるアミノ−アルコキシベンゼンチオール(例えば、アミノ−メトキシベンゼンチオール)と化学式(3)で示される3−ブロモ−2−(モノまたはジ)アルキルプロパン酸誘導体(例えば、3−ブロモ−2,2−ジブチルプロパン酸a.k.a 2−ブロモメチル−2−ブチルヘキサン酸)を反応させて化学式(4)で示される化合物を製造するステップであり、好ましくは、上記ステップ1の反応は、水酸化カリウムの存在下で行うことができ、溶媒としては、水を使用してもよいが、これに限定されない。
【0028】
ステップ2は、ベンゾチアゼピンを形成するための環化反応であり、上記ステップ1から製造された化学式(4)で示される化合物をHATU(1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート)と反応させて化学式(5)で示される3,3−ジアルキル−8−アルコキシ−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−4(5H)−オン誘導体を製造するステップである。好ましくは、上記ステップ2の溶媒としてはジクロロメタンを使用することができるが、これに限定されない。
【0029】
ステップ3は、反応性置換基としてブロモ基を導入するステップであり、上記ステップ2から製造された化学式(5)で示される化合物とN−ブロモコハク酸イミドを反応させて化学式(6)で示される7−ブロモ−3,3−ジアルキル−8−アルコキシ−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−4(5H)−オン誘導体を製造するステップである。好ましくは、上記ステップ3の溶媒としてはジクロロメタンを使用することができるが、これに限定されない。上記N−ブロモコハク酸イミドの代わりに他のハロゲン元素を含むN−ハロコハク酸イミドを使用することができる。上記ハロゲン元素としては、その後の置換反応で十分な反応性を示すことができる置換基を提供することができるものであれば、制限なく使用することができる。
【0030】
ステップ4は、チアゼピン環の窒素原子上に置換基を導入するステップであり、上記ステップ3から製造された化学式(6)で示される化合物と化学式(7)で示されるヨウ素化合物と反応させることにより達成することができる。好ましくは、上記ステップ4の反応は、CuIの存在下で行うことができ、溶媒としてはキシレン(xylene)を使用することができるが、これに限定されない。
【0031】
ステップ5は、還元反応によりチアゼピン環上のケトン基を除去するステップであり、還元剤としてはLiAlHを使用することができるが、これに限定されるものではなく、チアゼピン環上のケトン基を選択的に還元させて−(C=O)−基を−CH−に変換させることができる還元剤を制限なく使用することができる。好ましくは、上記ステップ5の溶媒としては、ジエチルエーテルを使用することができるが、これに限定されない。
【0032】
ステップ6は、四酸化オスミウムで酸化させてチアゼピンのジオキシド誘導体を製造するステップであり、好ましくは、上記ステップ6の溶媒としては、テトラヒドロフランとt−ブタノールの混合溶媒を使用することができるが、これに限定されない。
【0033】
ステップ7は、置換反応により反応性ハロゲンが置換された位置に置換基Rを導入すると共に、ベンゾ環上のアルコキシ基、ヒドロキシ基に変換させるステップであり、置換反応のための反応物としては、導入しようとする置換基の金属塩、例えば、アルカリ金属塩(MR; Mはアルカリ金属)を使用することができる。好ましくは、上記ステップ7の溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)を使用することができるが、これに限定されない。
【0034】
ステップ8は、ベンゾ環上のヒドロキシ基を、優れた離脱基(good leavinggroup)であるトリフルオロメタンスルホン酸(a.k.a.トリフラート;OTf)に変換するステップであり、OTfの導入のための反応物としては、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(TfO)を使用することができる。好ましくは、上記ステップ8の溶媒としては、ジクロロメタンを使用することができるが、これに限定されない。
【0035】
ステップ9は、アミノメチル基の前駆体としてシアノ基を導入するステップであり、上記第8ステップから製造されたOTf基が導入された化学式(13)で示される化合物をシアン化亜鉛と反応させることによりOTf基をCN基で置換するステップである。好ましくは、上記ステップ1の反応は、パラジウムの存在下で行うことができ、溶媒としてはジメチルホルムアミドを使用することができるが、これに限定されない。
【0036】
ステップ10は、上記ステップ9を通じてシアノ基を導入した化合物をジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAL−H)と反応させて上記シアノ基をホルミル基に変換させるステップである。好ましくは、上記ステップ10の溶媒としてはジクロロメタンを使用することができるが、これに限定されない。
【0037】
ステップ11は、上記ステップ10から製造された化学式(15)で示される化合物をアミン誘導体と縮合反応させて標題の化合物を得るステップである。好ましくは、上記ステップ11の反応は、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(NaB(OAc)H)の存在下で行うことができ、溶媒としてはジクロロエタンを使用することができるが、これに限定されない。
【0038】
もう一つの態様として、本発明は、上記化学式(1)で示される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、便秘の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0039】
本発明で使用される用語「予防」とは、上記薬学的組成物の投与により便秘の発生、拡散及び再発を抑制させたり、遅延させる全ての行為を意味し、「治療」とは、上記薬学的組成物の投与により上記疾患の症状が好転したり、有利に変更されるすべての行為を意味する。
【0040】
本発明による薬学的組成物は、有効成分として化学式(1)で示される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含有することができ、また、薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤をさらに含むことができる。
【0041】
本発明の組成物は、薬学的に有効な量で投与する。本発明の用語「薬学的に有効な量」とは、医学的治療に適用可能な合理的な恩恵/リスク比で疾患を治療するのに十分であり、副作用を起こさない程度の量を意味し、本発明の用語「投与」とは、任意の適切な方法で患者に所定の物質を提供することを意味する。
【0042】
本発明において有効成分と結合して使用される「治療学的に有効な量」という用語は、対象の疾患を予防または治療するのに有効なアミノアルキルベンゾチアゼピン誘導体化合物またはその薬学的に許容可能な塩の量を意味する。
【0043】
本発明の薬学的組成物は、予防または治療しようとする疾患の種類に応じて、有効成分としてアミノアルキルベンゾチアゼピン誘導体化合物またはその薬学的に許容可能な塩以外の各疾患の予防または治療に使用される公知の薬物をさらに含むことができる。
【0044】
[発明を実施するための形態]
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかし、下記実施例は、本発明をさらに容易に理解するために提供されるものに過ぎず、実施例により本発明の内容が限定されるものではない。
【0045】
本発明の化合物を合成するための出発物質の多様な合成法が知られており、上記出発物質が市販されている場合は、供給先から購入して使用することができる。試薬供給先としては、Sigma−Aldrich、TCI、Wako、Kanto、Fluorchem、Acros、Alfa、Fluka、Dae−Jungなどの会社があるが、これに限定されるものではない。また、他の方法で規定される場合を除き、市販されているすべての物質は、さらに精製せずに使用した。
【0046】
まず、以下の実施例において合成に使用される化合物を下記製造例のように製造した。以下の製造例は、先述の反応式1の例であり、製造しようとする実施例の構造に相応して適切に変更することができる。
【0047】
製造例1:3,3−ジブチル−7−メチルチオ−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−カルバルデヒド1,1−ジオキシドの製造
ステップ1)2−(((2−アミノ−5−メトキシフェニル)チオ)メチル)−2−ブチルヘキサン酸の製造
【0048】
【化4】
【0049】
30%の水酸化カリウム250mlに6−メトキシベンゾ[d]チアゾール−2−アミン(25g、139.7mmol)を入れ、温度140℃で18時間攪拌した。反応液をTLCでチェックして2−アミノ−5−メトキシベンゼンチオールの形成を確認した後、反応液を常温に冷却した。その後、2−ブロモメチル−2−ブチルヘキサン酸(44.6g、167.7mmol)を添加し、常温で約17時間攪拌した。塩化アンモニウム飽和溶液とジクロロメタンを添加し、10分間攪拌した後、ジクロロメタン層を抽出する過程を3回繰り返した。ジクロロメタン層に無水硫酸マグネシウムを入れて濾過した後、濃縮した。得られた濃縮化合物にt−ブチルメチルエーテルと6N塩酸溶液を添加してエーテル層を抽出して再濃縮した。濃縮した化合物は、茶色の固体であり、これにヘキサンを添加して攪拌した後、濾過して51%の収率でアイボリー色の固体25gを得た。
【0050】
ステップ2)7−ブロモ−3,3−ジブチル−8−メトキシ−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−4(5H)−オンの製造
【0051】
【化5】
【0052】
上記ステップ1)から得た2−(((2−アミノ−5−メトキシフェニル)チオ)メチル)−2−ブチルヘキサン酸(25g、71.78mmol)をジクロロメタン900mlに入れて−40℃に冷却した。温度が−40℃まで下がると、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート(41g、107.68mmol;HATU)をゆっくりと分けて加え、約10分間攪拌した。その後、ジイソプロピルアミン58.15ml(358.9mmol)をゆっくりと滴下した。ジイソプロピルアミンの添加が完了した時点から約5時間攪拌した。塩化アンモニウム飽和溶液を添加した後、ジクロロメタン層を抽出する過程を3回繰り返した。抽出したジクロロメタン層に無水硫酸マグネシウムを入れて濾過した後、濃縮させて3,3−ジブチル−8−メトキシ−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−4(5H)−オン23gを得た。上記化合物にジクロロメタン480mlを加えて0℃に冷却した。温度を下げた後、N−ブロモコハク酸イミド14.51g(81.54mmol)をゆっくりと添加し、約4時間撹拌した。塩化アンモニウム飽和溶液を添加し、ジクロロメタン層を抽出した。抽出したジクロロメタン層に無水硫酸マグネシウムを入れて濾過した後、濃縮した。濃縮した化合物にヘキサン:酢酸エチル=30:1溶液200mlを加えて攪拌しながらヘキサン200mlを追加して生じた固体を濾過し、50%の収率で標題の化合物7−ブロモ−3,3−ジブチル−8メトキシ−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−4(5H)−オン14gを得た。
【0053】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.58 (s, 1H), 6.99 (d, J =2.8 Hz, 1H), 6.87 (d, J =8.8 Hz, 1H), 6.77 (dd, J =8.8 Hz, 2.8 Hz, 1H), 3.78 (s, 3H), 2.97 (s, 2H), 1.78-1.85 (m, 2H), 1.55-1.62 (m, 2H), 1.18-1.30 (m, 8H), 0.87 (t, J =6.8 Hz, 6H)。
【0054】
ステップ3)3,3−ジブチル−8−ヒドロキシ−7−メチルチオ−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピンジオキシドの製造
【0055】
【化6】
【0056】
上記ステップ2)から得られた7−ブロモ−3,3−ジブチル−8−メトキシ−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−4(5H)−オン5.77g(14.44mmol)のヨードベンゼン50ml、ヨウ化銅0.55g(2.89mmol)、炭酸カリウム4g(28.9mmol)、トリス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]アミン0.5ml(1.44mmol)を入れ、常温で約5分間攪拌した後、190℃で17時間還流させた。常温で冷やした後、シリカ濾過し、ヘキサンで洗浄してヨードベンゼンを除去した後、シリカに捕獲された化合物を酢酸エチルとジクロロメタンで溶出させて回収した溶液を濃縮させて7−ブロモ−3,3−ジブチル−8−メトキシ−5−フェニル−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−4(5H)−オンを5.8g得た。水素化アルミニウムリチウム1.4g(36.88mmol)を500mlの丸底フラスコに入れ、真空乾燥させた。ジエチルエーテル150mlを加えて−10℃に冷却した後、無水硫酸1ml(18.44mmol)をゆっくりと滴下した。上記得られた7−ブロモ−3,3−ジブチル−8−メトキシ−5−フェニル−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−4(5H)−オンをジエチルエーテルに溶かして反応フラスコに滴下した。常温で2時間攪拌した後、塩化アンモニウム飽和溶液を入れて、ジエチルエーテル層を抽出した。無水硫酸マグネシウムを入れて濾過した後、濃縮して7−ブロモ−3,3−ジブチル−8−メトキシ−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン5gを得た。得られた化合物5g(10.98mmol)にテトラヒドロフラン:t−ブタノール=1:1を75ml、四酸化オスミウム0.07g(0.27mmol)、N−メチルモルフォリンN−オキシド3.96g(32.94mmol)を入れ、常温で12時間攪拌した。塩化アンモニウム飽和溶液とジクロロメタンを入れてジクロロメタン層を抽出した後、濃縮することにより3.55gの7−ブロモ−3,3−ジブチル−8−メトキシ−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピンジオキシド化合物がアイボリー色の固体として得られた。得られた化合物3.55g(7.18mmol)のジメチルホルムアミド100ml、ナトリウムチオメトキシド5.032g(71.79mmol)、水素化ホウ素ナトリウム5.43g(143.6mmol)を入れ、60℃で15時間攪拌した。塩化アンモニウム飽和溶液とt−ブチルメチルエーテルを入れてエーテル層を抽出した後、濃縮した。濃縮した化合物にヘキサンを加え、固体を濾過し、84%の収率で3,3−ジブチル−8−ヒドロキシ−7−メチルチオ−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピンジオキシド2.7gを得た。
【0057】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.31 (s, 1H), 7.16 (t, J =8 Hz, 2H), 6.92 (d, J =8 Hz, 2H), 6.84 (t, J =6.8 Hz, 1H), 6.67 (s, 1H), 3.61 (s, 2H), 3.07 (s, 2H), 2.15 (s, 3H), 1.28-1.44 (m, 4H), 1.97-1.19 (m, 8H), 0.74 (t, J =6.8 Hz)。
【0058】
ステップ4)3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イルトリフルオロメタンスルホン酸の製造
【0059】
【化7】
【0060】
上記ステップ3)から得られた3,3−ジブチル−8−ヒドロキシ−7−メチルチオ−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピンジオキシド2.7g(5.98mmol)にジクロロメタン30ml、ピリジン0.63ml(7.77mmol)を添加した後、0℃に冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物1.3ml(7.77mmol)をゆっくりと滴下した後、常温で5時間攪拌した。塩化アンモニウム飽和溶液を入れ、ジクロロメタン層を抽出した後、無水硫酸マグネシウムを入れて濾過させて濃縮した。シリカカラムクロマトグラフィーを用いてヘキサン:酢酸エチル=8:1の比率の混合溶媒で精製した。その結果、86%の収率で3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イルトリフルオロメタンスルホネート2.96gを得た。
【0061】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.81 (s, 1H), 7.39 (t, J =7.6 Hz, 2H), 7.21 (d, J =7.6 Hz, 2H), 7.18 (d, J =7.2 Hz, 1H), 6.46 (s, 1H), 3.89 (s, 2H), 3.26 (s, 2H), 2.13 (s, 3H), 1.48-1.85 (m, 2H), 1.35-1.42 (m, 2H), 1.01-1.20 (m, 8H), 0.74 (t, J =6.8 Hz)。
【0062】
ステップ5)3,3−ジブチル−7−メチルチオ−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−カルボニトリルジオキシドの製造
【0063】
【化8】
【0064】
上記ステップ4)から得られた3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イルトリフルオロメタンスルホン酸2.96g(5.12mmol)にジメチルホルムアミド60ml、亜鉛粉末0.034g(0.512mmol)、シアン化亜鉛0.66g(5.632mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム0.47g(0.51mmol)、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン0.34g(0.614mmol)を入れ、80℃で20時間攪拌した。常温に冷却した後、塩化アンモニウム飽和溶液、酢酸エチルを加えて酢酸エチル層を抽出した後、無水硫酸マグネシウムを入れて濾過させて濃縮した。濃縮した化合物をシリカカラムクロマトグラフィーを使用してヘキサン:酢酸エチル=6:1の比率の混合溶媒で精製し、50%の収率で標題の化合物1gを得た。
【0065】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.19 (s, 1H), 7.45 (t, J =7.6 Hz, 2H), 7.24-7.31 (m, 3H), 6.26 (s, 1H), 4.02 (s, 2H), 3.30 (s, 2H), 2.11 (s, 3H), 1.26-1.58 (m, 4H), 0.83-1.19 (m, 8H), 0.74 (t, J =6.8 Hz)。
【0066】
ステップ6)3,3−ジブチル−7−メチルチオ−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−カルバルデヒドジオキシドの製造
【0067】
【化9】
【0068】
上記ステップ5)から得られた3,3−ジブチル−7−メチルチオ−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−カルボニトリルジオキシド1g(2.1mmol)にジクロロメタンを加え、0℃に冷却した後、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAL−H)5mlをゆっくりと滴下した。常温に上げて1時間攪拌した。再び0℃に冷却した後、蒸留水と酢酸エチル、酒石酸ナトリウムカリウムを入れて30分間攪拌した。酢酸エチル層を抽出した後、無水硫酸マグネシウムを入れて濾過して濃縮させた。濃縮した化合物をシリカカラムクロマトグラフィーを通じてヘキサン:酢酸エチル=4:1の比率の混合溶媒で精製させ、63%の収率で標題の化合物600mgを得た。
【0069】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.91 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.46 (t, J =7.6 Hz, 2H), 7.26-7.30 (m, 3H), 6.27 (s, 1H), 4.08 (s, 2H), 3.34 (s, 2H), 0.88-1.40 (m, 12H), 0.77 (t, J =6.8 Hz)。
【0070】
実施例1:2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸の製造
【0071】
【化10】
【0072】
上記製造例1から得られた3,3−ジブチル−7−メチルチオ−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−カルバルデヒドジオキシド31mg(0.067mmol)をジクロロエタン2mlに入れ、エチルグリシンメチルエステル塩酸塩11mg(0.088mmol)を投入した後、室温で20分間攪拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド28mg(0.131mmol)を投入し、常温で17時間攪拌した。反応が完了したら、ジクロロメタンと蒸留水を加えて抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。ろ液をPTLC(ジクロロメタン:メタノール=50:1)で精製してエチル2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸20.5mg(収率57%)を得た。
【0073】
上記得られた化合物20.5mg(0.038mmol)をテトラヒドロフラン:メタノール:蒸留水=1:1:1溶液3mlに入れ、水酸化リチウム16mg(0.40mmol)を投入した後、常温で12時間攪拌した。反応が完了したら、酢酸エチルと1N塩酸を加えて抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。ろ液をPTLC(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製して標題の化合物2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸10mg(収率44%)を得た。
【0074】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.22 (s, 1H), 7.34 (t, J =7.6 Hz, 2H), 7.24 (t, J =7.6 Hz, 2H), 7.12 (t, J =7.6 Hz, 1H), 6.47 (s, 1H), 4.46 (s, 2H), 3.73-3.93 (m, 4H), 3.33 (s, 2H), 2.15 (s, 3H), 1.47-1.52 (m, 2H), 1.33-1.39 (m, 2H), 1.08-1.15 (m, 4H), 1.00-1.03 (m, 4H), 0.78 (t, J =6.8 Hz, 6H)。
【0075】
実施例2:3−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)プロパン酸の製造
【0076】
【化11】
【0077】
反応物としてエチルグリシンメチルエステル塩酸塩の代わりにエチル3−アミノプロパノアートを使用する以外は、実施例1と同様の方法で、上記標題の化合物を合成した(収率65%)。
【0078】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.14 (s, 1H), 7.38-7.34 (m, 2H), 7.26-7.22 (m, 2H), 7.17-6.97 (m, 1H), 6.46 (s, 1H), 4.35 (s, 2H), 3.88 (s, 2H), 3.26 (s, 4H), 2.93 (s, 2H), 2.15 (s, 3H), 1.60-1.46 (m, 2H), 1.40-1.29 (m, 2H), 1.14-0.99 (m, 8H), 0.81-0.74 (m, 6H)。
【0079】
実施例3:2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)コハク酸の製造
【0080】
【化12】
【0081】
反応物としてエチルグリシンメチルエステル塩酸塩の代わりにジエチルアスパルテートを使用する以外は、実施例1と同様の方法で、上記標題の化合物を合成した(収率52%)。
【0082】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.21 (s, 1H), 7.34 (s, 3H), 7.24 (s, 1H), 7.12 (s, 1H), 6.46 (s, 1H), 4.62-4.35 (m, 2H), 4.02-3.88 (m, 2H), 3.50-3.10 (m, 5H), 2.17 (s, 3H), 1.66-1.35 (m, 4H), 1.22-0.89 (m, 8H), 0.75 (s, 6H)。
【0083】
実施例4:(S)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)プロパン酸の製造
【0084】
【化13】
【0085】
反応物としてエチルグリシンメチルエステル塩酸塩の代わりにジエチルアラニンエステルを使用する以外は、実施例1と同様の方法で、上記標題の化合物を合成した(収率61%)。
【0086】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.16 (s, 1H), 7.32 (s, 2H), 7.16-7.12 (m, 3H), 6.45 (s, 1H), 4.24-4.19 (m, 2H), 3.81 (s, 2H), 3.52 (s, 1H), 3.27 (s, 2H), 2.09 (s, 3H), 1.52-1.42 (m, 5H), 1.41-1.25 (m, 2H), 1.24-0.92 (m, 8H), 0.88-0.65 (m, 6H)。
【0087】
実施例5:2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)ペンタン二酸の製造
【0088】
【化14】
【0089】
反応物としてエチルグリシンメチルエステル塩酸塩の代わりにジエチルグルタミンエステルを使用する以外は、実施例1と同様の方法で、上記標題の化合物を合成した(収率36%)。
【0090】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.74 (s, 1H), 7.35-7.33 (m, 2H), 7.19-7.18 (m, 2H), 7.12-7.09 (m, 1H), 6.43 (s, 1H), 4.97 (d, J =14 Hz, 1H), 4.17 (d, J =15.2 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.26 (s, 2H), 1.21-0.96 (m, 8H), 0.82-0.76 (m, 6H)。
【0091】
実施例6:4−アミノ−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−4−オキソブタン酸の製造
【0092】
【化15】
【0093】
反応物としてエチルグリシンメチルエステル塩酸塩の代わりにジエチルアルギニンエステルを使用する以外は、実施例1と同様の方法で、上記標題の化合物を合成した(収率23%)。
【0094】
MS : 576.25 [M+H]+
実施例7:(R)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)プロパン酸の製造
【0095】
【化16】
【0096】
反応物としてエチルグリシンメチルエステル塩酸塩の代わりにジエチルアラニンエステルを使用する以外は、実施例1と同様の方法で、上記標題の化合物を合成した(収率56%)。
【0097】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.00 (s, 1H), 7.19-7.26 (m, 2H), 7.08-7.10 (m, 3H), 6.38 (s, 1H), 4.03-7.09 (m, 2H), 3.76 (s, 2H), 3.41 (s, 1H), 3.20 (s, 2H), 2.89-2.99 (m, 1H), 2.02 (s, 3H), 1.43 (s, 3H), 1.29-1.36 (m, 2H), 1.18-1.23 (m, 2H), 0.81-1.08 (m, 8H), 0.69-0.7 (m, 6H)。
【0098】
実施例8:2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−2−メチルプロパン酸の製造
【0099】
【化17】
【0100】
反応物としてエチルグリシンメチルエステル塩酸塩の代わりにエチル2−アミノ−2−メチルプロパノエートを使用する以外は、実施例1と同様の方法で、上記標題の化合物を合成した(収率57%)。
【0101】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.99 (s, 1H), 7.33 (t, J =7.6 Hz, 2H), 7.17-7.18 (m, 2H), 7.11-7.12 (m, 1H), 6.48 (s, 1H), 3.96 (s, 2H), 3.81 (s, 2H), 3.21 (s, 2H), 2.14 (s, 3H), 1.53 (s, 6H), 1.25-1.34 (m, 4H), 0.85-1.14 (m, 8H), 0.76 (t, J =6.8 Hz, 6H)。
【0102】
実施例9:(R)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸の製造
【0103】
【化18】
【0104】
反応物としてエチルグリシンメチルエステル塩酸塩の代わりにエチルヒスチジンエステルを使用する以外は、実施例1と同様の方法で、上記標題の化合物を合成した(収率43%)。
【0105】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.77 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.28-7.30 (m, 2H), 7.04-7.11 (m, 3H), 6.78 (s, 1H), 6.38 (s, 1H), 3.78 (s, 4H), 3.41-4.11 (m, 2H), 3.18 (s, 2H), 2.94-2.98 (m, 1H), 1.86 (s, 3H), 1.27-1.43 (m, 4H), 0.82-1.10 (m, 8H), 0.71 (t, J =6.8 Hz, 6H)。
【0106】
実施例10:(R)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−3−(1H−インドール−2−イル)プロパン酸の製造
【0107】
【化19】
【0108】
反応物としてエチルグリシンメチルエステル塩酸塩の代わりにエチルトリプトファンエステルを使用する以外は、実施例1と同様の方法で、上記標題の化合物を合成した(収率37%)。
【0109】
MS: 648.29 [M+H]+
実施例11:(S)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−4−メチルペンタン酸の製造
【0110】
【化20】
【0111】
反応物としてエチルグリシンメチルエステル塩酸塩の代わりにエチルロイシンエステルを使用する以外は、実施例1と同様の方法で、上記標題の化合物を合成した(収率58%)。
【0112】
MS: 575.29 [M+H]+
実施例12:(S)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)ペンタン二酸の製造
【0113】
【化21】
【0114】
反応物としてエチルグリシンメチルエステル塩酸塩の代わりにジエチルグルタミンエステルを使用する以外は、実施例1と同様の方法で、上記標題の化合物を合成した(収率25%)。
【0115】
MS: 591.27 [M+H]+
実施例13:(S)−2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸の製造
【0116】
【化22】
【0117】
反応物としてエチルグリシンメチルエステル塩酸塩の代わりにジエチルセリンエステルを使用する以外は、実施例1と同様の方法で、上記標題の化合物を合成した(収率45%)。
【0118】
MS: 549.25 [M+H]+
実施例14:3−((カルボキシメチル)((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)プロパン酸の製造
【0119】
【化23】
【0120】
反応物としてエチルグリシンメチルエステル塩酸塩の代わりに3−((2−エトキシ−2−オキソエチル)アミノ)プロパノエイトを使用する以外は、実施例1と同様の方法で、上記標題の化合物を合成した(収率49%)。
【0121】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.16 (s, 1H), 7.34-7.43 (m, 2H), 7.27 (s, 2H), 7.12-7.16 (m, 1H), 6.45 (s, 1H), 4.60-4.72 (m, 2H), 4.48-4.59 (m, 2H), 4.00-4.13 (m, 2H), 3.34 (s, 2H), 3.12-3.23 (m, 2H), 2.14 (s, 3H), 1.36-1.60 (m, 4H), 1.24-1.30 (m, 8H), 0.71 (t, J =6.8 Hz, 6H)。
【0122】
実施例15:3−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)ペンタン二酸の製造
【0123】
【化24】
【0124】
反応物としてエチルグリシンメチルエステル塩酸塩の代わりにジエチル2,2’−アザンジイルジアセテートを使用する以外は、実施例1と同様の方法で、上記標題の化合物を合成した(収率41%)。
【0125】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.02 (s, 1H), 7.32 (t, J =7.6 Hz, 2H), 7.21 (d, J =7.2 Hz , 2H), 7.10 (t, J =6.8 Hz, 1H), 6.48 (s, 1H), 4.47 (s, 2H), 4.03 (s, 1H), 3.85 (m, 2H), 3.29 (s, 2H), 3.06-3.17 (m, 4H), 2.16 (s, 3H), 1.35-1.46 (m, 4H), 1.23-1.32 (m, 8H), 0.71 (t, J =6.8 Hz, 6H)。
【0126】
実施例16:2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−2−オキソ酢酸の製造
【0127】
【化25】
【0128】
上記製造例1のステップ5)から得られた3,3−ジブチル−7−メチルチオ−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−カルボニトリルジオキシド160mg(0.350mmol)をジクロロメタン:ジエチルエーテル=3:2溶液5mlに溶解させた。0℃に冷却した後、水素化アルミニウムリチウム66mg(1.752mmol)を分けて投入し、常温で12時間攪拌した。反応が完了したら、ジエチルエーテルと蒸留水を加えて抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。ろ液をPTLC(ジクロロメタン:メタノール=50:1)で精製し、8アミノメチル−3,3−ジブチル−7−メチルチオ−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピンジオキシド40mg(収率25%)を得た。
【0129】
上記得られた化合物0.023g(0.05mmol)をジクロロメタン5mlに入れてトリエチルアミン0.01ml(0.1mmol)と4−ジメチルアミノピリジン0.003gを投入し、常温で10分間攪拌した。反応液を0℃に冷却した後、エチル2−クロロ−2−オキソアセテートをゆっくりと投入し、常温で18時間攪拌した。塩化アンモニウム溶液とジクロロメタンを加えてジクロロメタン層を抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。濃縮した化合物0.02gにテトラヒドロフラン1ml、メタノール1ml、蒸留水1mlを加え、水酸化リチウム0.03gを加えた後、常温で12時間攪拌した。その後、6N塩酸とジクロロメタンで抽出した後、濃縮した。濃縮した化合物をPTLC(ジクロロメタン:メタノール=13:1)で精製して標題の化合物2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−2−オキソ酢酸0.015g(収率78%)を得た。
【0130】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.76 (s, 1H), 7.25-7.33 (m, 2H), 6.97-7.11 (m, 3H), 6.50 (s, 1H), 3.72-4.40 (m, 2H), 3.19 (s, 2H), 2.50-2.68 (m, 2H), 2.06 (s, 3H), 1.27-1.43 (m, 4H), 0.93-1.20 (m, 8H), 0.71 (t, J =6.8 Hz, 6H)。
【0131】
実施例17:1−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)シクロプロパンカルボン酸の製造
【0132】
【化26】
【0133】
反応物としてエチルグリシンメチルエステル塩酸塩の代わりにエチル1−アミノシクロプロパンカルボキシレートを使用する以外は、実施例1と同様の方法で、上記標題の化合物を合成した(収率52%)。
【0134】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.11 (s, 1H), 7.42-7.35 (m, 2H), 7.21-7.15 (m, 2H), 7.13-7.12 (m, 1H), 6.49 (s, 1H), 4.53 (s, 2H), 3.88 (s, 2H), 3.24 (s, 2H), 2.04 (s, 3H), 1.68-1.61 (m, 2H), 1.55-1.48 (m, 2H), 1.21-0.92 (m, 12H), 0.78-0.71 (m, 6H)。
【0135】
実施例18:2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−2−オキソエタンスルホン酸の製造
【0136】
【化27】
【0137】
上記実施例16と同様な方法で、8−アミノメチル−3,3−ジブチル−7−メチルチオ−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピンジオキシドを製造した。上記化合物40mg(0.087mmol)をジクロロメタン4mlに溶解させた。0℃に冷却した後、トリエチルアミン36μl(0.260mmol)を滴下し、10分間攪拌した。ブロモアセチル塩化物15μl(0.174mmol)をゆっくりと滴下し、常温で16時間攪拌した。反応が完了したら、ジクロロメタンと塩化アンモニウム溶液を加えて抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。ろ液をPTLC(ジクロロメタン:メタノール=30:1)で精製して2−ブロモ−N−((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アセトアミド25mg(収率50%)を得た。
【0138】
上記得られた化合物25mg(0.043mmol)をエタノール:蒸留水=1:1溶液3mlに溶解させた。ナトリウムスルファイト271mg(2.149mmol)を投入し、80℃で17時間攪拌した。反応が完了したら、常温に冷却した。酢酸エチルと蒸留水を加えて抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。ろ液をPTLC(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製し、2−(((3,3−ジブチル−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−2−オキソエタンスルホン酸12.5mg(収率50%)を得た。
【0139】
MS: 583.20 [M+H]+
実施例19:2−(((3,3−ジブチル−5−(4−メトキシフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸の製造
【0140】
【化28】
【0141】
上記製造例1のステップ3でヨードベンゼンの代わりに1−ヨード−4−メトキシベンゼンを使用する以外は、実施例1の化合物を製造するのと同様の方法で標題の化合物を合成した(収率64%)。
【0142】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.01 (s, 1H), 7.13-7.15 (m, 2H), 6.80-6.89 (m, 2H), 6.31 (s, 1H), 4.22 (s, 2H), 3.70-3.81 (m, 5H), 3.42 (s, 2H), 3.21 (s, 2H), 2.08 (s, 3H), 1.30-1.55 (m, 4H), 0.86-1.06 (m, 8H), 0.71-0.76 (m, 6H)。
【0143】
実施例20:2−(((3,3−ジブチル−5−(4−ヒドロキシフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸の製造
【0144】
【化29】
【0145】
上記製造例1のステップ3でヨードベンゼンの代わりに4−ヨードフェノールを使用する以外は、実施例1の化合物を製造するのと同様の方法で標題の化合物を合成した(収率37%)。
【0146】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.94 (s, 1H), 7.20 (d, J =8.8 Hz, 2H), 6.89 (d, J =8 Hz, 2H), 6.43 (s, 1H), 4.30 (s, 2H), 3.89-3.93 (m, 4H), 3.30-3.36 (m, 2H), 2.21 (s, 3H), 1.40-1.61 (m, 4H), 1.20-1.29 (m, 8H), 0.81 (t, J =6.8 Hz , 6H)。
【0147】
実施例21:2−(((3,3−ジブチル−5−(3−メトキシフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸の製造
【0148】
【化30】
【0149】
上記製造例1のステップ3でヨードベンゼンの代わりに1−ヨード−3−メトキシベンゼンを使用する以外は、実施例1の化合物を製造するのと同様の方法で標題の化合物を合成した(収率47%)。
【0150】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.05 (s, 1H), 7.27-7.23 (m, 1H), 6.78-6.67 (m, 2H), 6.66-6.57 (m, 1H), 6.54 (s, 1H), 4.20 (s, 2H), 3.82 (s, 2H), 3.79 (s, 3H), 3.42 (s, 2H), 3.29 (s, 2H), 1.53-1.47 (m, 2H), 1.43-1.32 (m, 2H), 1.24-1.04 (m, 8H), 0.88-0.78 (m, 6H)。
【0151】
実施例22:2−(((3,3−ジブチル−5−(4−フルオロフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸の製造
【0152】
【化31】
【0153】
上記製造例1のステップ3でヨードベンゼンの代わりに1−フルオロ−4−ヨードベンゼンを使用する以外は、実施例1の化合物を製造するのと同様の方法で標題の化合物を合成した。
【0154】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.12 (s, 1H), 7.17-7.20 (m, 2H), 7.03 (t, J =8.4 Hz, 2H), 6.40 (s, 1H), 4.16 (s, 2H), 3.70 (s, 2H), 3.33 (s, 2H), 3.21 (s, 2H), 2.08 (s, 3H), 1.37-1.46 (m, 4H), 0.82-1.06 (m, 8H), 0.77 (t, J =6.8 Hz, 6H)。
【0155】
実施例23:2−(((3,3−ジブチル−5−(3−フルオロフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸の製造
【0156】
【化32】
【0157】
上記製造例1のステップ3でヨードベンゼンの代わりに1−フルオロ−3−ヨードベンゼンを使用する以外は、実施例1の化合物を製造するのと同様の方法で標題の化合物を合成した。
【0158】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.15 (s, 1H), 7.23-7.13 (m, 1H), 6.89-6.83 (m, 2H), 6.75-6.71 (m, 1H), 6.65 (s, 1H), 4.27 (s, 2H), 3.73 (s, 2H), 3.52 (s, 2H), 3.26 (s, 2H), 2.20 (s, 3H), 1.57-1.46 (m, 2H), 1.43-1.33 (m, 2H), 1.26-1.07 (m, 8H), 0.86-0.78 (m, 6H)。
【0159】
実施例24:2−(((3,3−ジブチル−5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)酢酸の製造
【0160】
【化33】
【0161】
上記製造例1のステップ3でヨードベンゼンの代わりに2−フルオロ−4−ヨード−1−メトキシベンゼンを使用する以外は、実施例1の化合物を製造するのと同様の方法で標題の化合物を合成した。
【0162】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.10 (brs, 1H), 6.70-6.90 (brs, 3H), 6.30-6.50 (brs, 1H), 3.90-4.20 (brs, 2H), 3.30-3.89 (brs, 3H), 3.55-3.29 (brs, 2H), 3.45-2.95 (m, 4H), 1.98-2.22 (brs, 3H), 1.23-1.49 (m, 4H), 0.73-1.24 (8H), 0.73 (brs, 6H)。
【0163】
実施例25:2−(((3,3−ジブチル−5−(4−メトキシフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−2−オキソエタンスルホン酸の製造
【0164】
【化34】
【0165】
上記製造例1のステップ3でヨードベンゼンの代わりに1−ヨード−4−メトキシベンゼンを使用する以外は、実施例18の化合物を製造するのと同様の方法で標題の化合物を合成した。
【0166】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.70 (s, 1H), 7.09-6.94 (m, 2H), 6.82-6.64 (m, 2H), 6.27 (s, 1H), 3.80-3.63 (m, 7H), 3.12 (s, 2H), 2.43 (s, 2H), 1.97 (s, 3H), 1.52-1.27 (m, 4H), 1.07-0.88 (m, 8H), 0.82-0.78 (m, 6H)。
【0167】
実施例26:1−(((3,3−ジブチル−5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)シクロプロパンカルボン酸の製造
【0168】
【化35】
【0169】
上記製造例1のステップ3でヨードベンゼンの代わりに2−フルオロ−4−ヨード−1−メトキシベンゼンを使用する以外は、実施例17の化合物を製造するのと同様の方法で標題の化合物を合成した。
【0170】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.89 (s, 1H), 6.98-6.82 (m, 3H), 6.48 (s, 1H), 3.97 (s, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.70 (s, 2H), 3.19 (s, 2H), 2.17 (s, 3H), 1.51-1.32 (m, 4H), 1.20-0.94 (m, 8H), 0.81-0.78 (m, 6H)。
【0171】
実施例27:2−(((3,3−ジブチル−5−(4−フルオロフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−2−オキソ酢酸の製造
【0172】
【化36】
【0173】
上記製造例1のステップ3でヨードベンゼンの代わりに1−フルオロ−4−ヨードベンゼンを使用する以外は、実施例16の化合物を製造するのと同様の方法で標題の化合物を合成した。
【0174】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.72 (s, 1H), 7.10 (brs, 2H), 6.95 (brs, 2H), 6.42 (s, 1H), 4.22-4.36 (m, 2H), 3.66-3.97 (m, 2H), 3.19-3.47 (m, 2H), 2.07 (s, 3H), 1.30-1.33 (m, 4H), 0.88-1.12 (m, 8H), 0.75-0.83 (m, 3H)。
【0175】
実施例28:(S)−2−(((3,3−ジブチル−5−(4−フルオロフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)プロパン酸の製造
【0176】
【化37】
【0177】
上記製造例1のステップ3でヨードベンゼンの代わりに1−フルオロ−4−ヨードベンゼンを使用する以外は、実施例4の化合物を製造するのと同様の方法で標題の化合物を合成した。
【0178】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.72 (s, 1H), 7.10 (brs, 2H), 6.95 (brs, 2H), 6.42 (s, 1H), 4.22-4.36 (m, 2H), 3.66-3.97 (m, 2H), 3.19-3.47 (m, 2H), 2.07 (s, 3H), 1.30-1.33 (m, 4H), 0.88-1.12 (m, 8H), 0.75-0.83 (m, 3H)。
【0179】
実施例29:(S)−2−(((3,3−ジブチル−5−(4−フルオロフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸の製造
【0180】
【化38】
【0181】
上記製造例1のステップ3でヨードベンゼンの代わりに1−フルオロ−4−ヨードベンゼンを使用する以外は、実施例13の化合物を製造するのと同様の方法で標題の化合物を合成した。
【0182】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.15 (s, 1H), 7.17 (brs, 2H), 6.95 (brs, 2H), 6.51 (s, 1H), 4.36 (brs, 2H), 3.95 (brs, 2H), 6.63 (brs, 2H), 3.46 (s, 1H), 3.26 (brs, 2H), 2.01 (s, 3H), 1.25-1.43 (m, 4H), 0.70-0.87 (m, 8H), 0.59-0.67 (m, 3H)。
【0183】
実施例30:1−(((3,3−ジブチル−5−(4−フルオロフェニル)−7−メチルチオ−1,1−ジオキシド−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン−8−イル)メチル)アミノ)シクロプロパンカルボン酸の製造
【0184】
【化39】
【0185】
上記製造例1のステップ3でヨードベンゼンの代わりに1−フルオロ−4−ヨードベンゼンを使用する以外は、実施例17の化合物を製造するのと同様の方法で標題の化合物を合成した。
【0186】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.92 (s, 1H), 7.17-7.14 (m, 2H), 7.09-7.02 (m, 2H), 6.42 (s, 1H), 4.11 (s, 2H), 3.77 (s, 2H), 3.22 (s, 2H), 2.15 (s, 3H), 1.68-1.46 (m, 4H), 1.40-1.30 (m, 4H), 1.21-0.92 (m, 8H), 0.88-0.76 (m, 6H)。
【0187】
実験例1:便排出時間及び効率の評価
8週齢のSDラットを購入し、24℃、12時間の照明飼育環境で7日間浄化させた。試験前日16時間絶食させ、試験当日ビヒクル(0.5%メチルセルロース)及び0.2mg/mlの濃度で製造した試験物質を、それぞれ5 mg/kgの容量で経口投与した。30分後、バリウムを含む食餌3gを経口投与したラットを代謝ケージに入れて10時間バリウムが腸を通過して便に排出される時間を、各個体別に確認して記録した。また、10時間以内にバリウム便を排出した個体の割合を概算し、表1に共に示した。
【0188】
【表1】
【0189】
便排出時間の短縮及び10時間内の便排出個体率の増加は、便秘症状の解消と密接な関係がある。上記表1に示されるように、本発明による化合物を投与した実験群ラットは、腸の機能を調節し、便秘を予防することが知られているメチルセルロースビヒクルを投与した対照群ラットに比べて減少された時間に便を排出しただけでなく、10時間以内に便を排出した個体の割合も大幅に高かった。また、投与用量を1/5〜1/50レベルにまで下げてもビヒクルと同等以上の効果を示すことを確認した。これは、本発明の化合物が便秘を効果的に予防または治療することができることを示すものである。