(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レドームにおいて、回転ノブ部の設置位置に、位相可変量を表示するダイヤル目盛をさらに形成することを特徴とする、請求項1に記載の移動通信システム用小型アンテナ装置。
【背景技術】
【0002】
通常、移動通信システムの基地局は、送受信信号の処理のための基地局本体装置と、多数の放射素子を備えて無線信号を送受信するアンテナ装置と、に区分されてきた。通常、基地局本体装置は地上の低い位置に設けられ、アンテナ装置は建物の屋上やタワーなどの高い位置に設けられており、それらの間は給電ケーブルなどを介して連結されることができる。
【0003】
また、現在の移動通信環境は、2G(Generation)、3G、4G LTE(Long Term Evolution)の商用化展開が進んでいるだけでなく、次世代5Gシステムの導入が考慮されている。これに伴い、通信システムまたは通信事業者及び国家によって様々な移動通信サービスの周波数帯域が混在されており、基地局環境も多様化している。これにより、特定事業者毎にサービス帯域も頻繁に変更される環境を有するため、効率的な基地局システムの実現及び基地局運営のコスト低減のために、基地局(及び基地局アンテナ装置)では、多様なサービス帯域をカバーすることができるように、広帯域のシステムを構築することになる。
【0004】
一方、無線電波を用いた移動通信サービスは、電波の特性上、地形、建物などのその環境によっては、電波が伝達されない地域が生じる。したがって、近年、環境によって電波が伝達されない陰影地域の解消のために、小型アンテナ装置が地上の低い位置の建物外壁などに実装されている。また、地上の低い外壁などに実装される小型サイズのアンテナ装置には、高い周波数帯域の少なくとも1つ以上の周波数帯域を有する放射素子が実装されている。
【0005】
かかる移動通信基地局の小型アンテナ装置は、低い地帯に設けられるため、外観上、そのサイズがユーザに嫌悪感を与えるなどのサイズにはならない。すなわち、小型アンテナ装置は、放射素子が備えられたレドームのサイズが相対的に小さいものしかなく、大型のアンテナ装置のように、放射素子のチルト角を自動で調節するための自動チルトモジュールを備えるための空間が確保されないという問題点がある。
【0006】
また、小型化したアンテナ装置は、高い周波数帯域によって建物や地形に多く影響され、多数の場所に設けられるが、それぞれの小型化したアンテナ装置に自動チルトモジュールを備えることは別の高いコストが求められるという問題点が発生し得る。
【0007】
また、小型化したアンテナ装置は、そのレドームのサイズが小さいため、内部に実装される放射素子の数も大型のアンテナ装置に比べて非常に少ないものしかない。例えば、小型アンテナ装置に提供される放射素子は、高い建物の外壁に設けられる大きいアンテナ装置に比べて1/3程度またはそれ以下の少ない数が実装される。レドームの内部に実装された少ない数の放射素子を自動でチルトして角度を調節すると、小型アンテナ装置に実装された放射素子のチルト角は、大型アンテナ装置の放射素子のチルト角に比べて減少することになる。すなわち、自動で放射素子のチルト角を調節すると、小型アンテナ装置の放射素子の場合、チルト角の誤差範囲が大きくなるという問題点が発生する。また、小型アンテナ装置は高い周波数帯域で実現されるが、チルト角の誤差が大きくなると、周波数帯域に変化が生じたり、放射性能が低下したり、若しくは放射性能が十分に実現されなかったりするなどの問題点が発生するしかない。また、高い外壁にアンテナ装置が設けられる場合、作業者が放射素子のチルト角を手動で操作しにくいが、低い外壁や地形に設けられる小型アンテナは、自動化したチルト作業に比べて作業者が簡単に放射素子のチルト角を調節することができる容易性が注目されている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、様々な変更を加えることができ、様々な実施形態を有することができるため、一部の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定するためのものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解されるべきである。
【0014】
「第1、第2」などの序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために用いられることができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されるものではない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられる。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく第1構成要素は第2構成要素と命名されることができ、同様に、第2構成要素も第1構成要素と命名されることができる。「及び/または」という用語は、記載されたの複数の関連項目の組み合わせ、または記載された複数の関連項目の何れかの項目を含む。
【0015】
また、「前面」、「後面」、「上面」、「下面」などのように、図に示されていることを基準として記述された相対的な用語は、「第1」、「第2」などのような序数で代替可能である。「第1」、「第2」などの序数においてその順序は、言及された手順または任意に決定されたものであって、必要に応じて任意に変更され得る。
【0016】
本出願で用いる用語は、ただ特定の実施形態を説明するために用いられたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。また、本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書に記載の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせの存在または付加可能性をあらかじめ排除するものではないと理解されるべきである。
【0017】
他に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含んでここで用いられる全ての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。一般的に用いられる辞典に定義されているものと同じ用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0018】
図1は本発明の一実施形態による移動通信システム用小型アンテナ装置100の斜視図である。
図2は本発明の一実施形態による移動通信システム用小型アンテナ装置100であって、小型アンテナ装置100が低床の外壁(または柱)10に設けられた状態を示す図である。
【0019】
本発明の一実施形態による移動通信システム用小型アンテナ装置100は、レドーム110と、位相シフタ部(例えば、
図3の130)と、回転ノブ部120と、を含むことができる。
【0020】
レドーム110は、その内部に少なくとも1つ以上の周波数帯域を有する複数の放射モジュール(例えば、
図7の101、102、103)を含むことができる。複数の放射モジュール101、102、103のそれぞれは、特定周波数帯域の送信及び受信信号を処理するための放射素子を有する。複数の放射モジュール(及びその放射素子)は、レドーム110の内側に備えられる全体的に比較的広い面積の反射板(例えば、
図3の140)上に、例えば、垂直に一列に設けられることができる。
【0021】
位相シフタ部130は、該当アンテナ装置に放射される全体的な放射ビームに対する電気的な垂直チルト(tilt)を提供するために、該当周波数帯域の入力信号の提供を受けて複数の放射モジュールに分配して出力する。この際、垂直に一列に配列された放射モジュールのそれぞれに分配される信号が互いに適切な位相差を有するように、各分配信号の位相を相補的に可変する。位相シフタ部130は、通常、それぞれの分配される信号を伝達する伝送線路を、機構的または電気的長さが可変する可変線路構造として実現し、外部の線形移動または回転駆動に対応するように該当可変線路構造の伝送線路を可変させることで、該当分配された信号の位相を可変する構造を有する。アンテナ装置の内部に備えられる位相シフタ部130は、通常、モータなどで構成される電気的駆動部により駆動される構造を有するが、本発明の一実施形態では、このような電気的駆動部を備えずに、外部作業者による手動操作によって駆動されるように構成される。
【0022】
すなわち、本発明の一実施形態では、アンテナ装置100の外部に露出するように備えられ、前記位相シフタ部130と直接結合されて前記位相シフタ部130を駆動させる回転ノブ部(rotary knob portion)120:121、122が備えられる。
【0023】
回転ノブ部120は、例えば、外部の露出部位がダイヤルノブと類似の形態で備えられ、作業者が外部で手動で回転操作することができるように構成されることができる。また、回転ノブ部120は内部的に、前記位相シフタ部130と連結され、外部作業者の手動操作によって内部の位相シフタ部130に直接的な回転駆動力を伝達するように機構的連結構造を有することができる。
【0024】
レドーム110の内部には、複数の放射モジュールや反射板、位相シフタ部の他にも、給電回路を初めとして送受信信号処理などのための(比較的小さいサイズの)様々な部品(不図示)が追加されることができる。レドーム110は、放射モジュールや反射板及び様々な部品を囲んで、一体型の筒状に備えられることができる。
【0025】
レドーム110は、その製作工程時間及び製作工程コストを最小化するために、全体的に均一な断面積の筒状に構成されることができる。また、レドーム110は、FRP(Fiber Reinforced Plastic)、ASA(Acrylonitrile Styrene Acrylate)、PVC(Poly Vinyl Chloride)などの合成物質で製作されることができ、このような合成物質を溶融し、予め設定された押出金型を用いて押出することで製作されることができる。レドーム110の下部には、内部の放射モジュール送受信信号などを外部に入出力するための複数のポート111:111a、111b、111c、111dが備えられることができる。レドーム110は支持部11により外壁10に支持固定されることができる。かかるアンテナ装置100は、前記複数のポート111を介して外部に別に設けられ得るサービス帯域分離/結合器などと連結されていてもよい。
【0026】
本発明の一実施形態における本発明のアンテナ装置は、第1周波数帯域及び第2周波数帯域をサービスする多重帯域アンテナ構造を有することができる。第1周波数帯域は1.8GHz帯のPCS(Personal Communication Service)帯域であり、第2周波数帯域は2.5GHz(例えば、2.495〜2.690GHz)帯のBRS(Broadband Radio Service)帯域であることができる。これにより、該当アンテナ装置には、それぞれの帯域毎に信号を処理するための位相シフタがそれぞれ別に備えられており、同様に、回転ノブ部120も各帯域毎に別に備えられている。
図1及び
図2の例では、第1周波数帯域(PCS帯域)のための第1回転ノブ部121と、第2周波数帯域のための第2回転ノブ部122とが備えられていることが示されている。また、複数のポート111において第1及び第2ポート111a、111b(P1、P2)は、第1周波数帯域の+45度偏波信号及び−45度偏波信号をそれぞれ入出力するために備えられ、複数のポート111において第3及び第4ポート111c、111d(P3、P4)は、第2周波数帯域の+45度偏波信号及び−45度偏波信号をそれぞれ入出力するために備えられることができる。
【0027】
一方、本発明では、該当アンテナ装置100が2つの周波数帯域をサービスするための多重帯域アンテナ構造を有することを例として説明したが、これに限定されるものではなく、1つの無線周波数帯域をサービスする構造を有してもよく、3つ以上の無線周波数帯域をサービスする構造を有してもよいことはいうまでもない。但し、多重帯域アンテナ構造を有するに伴い、回転ノブ部120の個数も増加し得ることを理解するであろう。
【0028】
図3は本発明の一実施形態による移動通信システム用小型アンテナ装置100の内部主要部を示す平面図であり、
図4は本発明の一実施形態による移動通信システム用小型アンテナ装置100の内部主要部を示す斜視図であって、該当アンテナ装置100の内部の後面構造を示している。
【0029】
図3及び
図4を参照すると、位相シフタ部130(phase shifter portion)は、前記レドーム110の内側において、例えば、反射板140の後面に少なくとも1つ以上備えられており、前記回転ノブ部120と連結され、前記回転ノブ部120の操作によって該当アンテナ装置のチルト角を調節することができるように構成される。この際、
図3及び
図4では直接的に示されていないが、該当反射板140の前面には、複数の放射モジュールが適切に垂直に配列されるように設けられることができ、位相シフタ部130と複数の放射モジュールとが、反射板140に形成された貫通孔を介して設けられる伝送ケーブルなどを介して電気的に互いに連結されることができる。
【0030】
位相シフタ部130は、
図3及び
図4に示されたように、第1周波数帯域用の第1位相シフタ部131と、第2周波数帯域用の第2位相シフタ部132と、で構成されることができる。また、第1位相シフタ部131は、第1周波数帯域の+45度偏波信号及び−45度偏波信号のそれぞれの信号処理のための2つの位相シフタ構造131a、131bが互いに重なる構造で形成されることができる。同様に、第2位相シフタ部132は、第1周波数帯域の+45度偏波信号及び−45度偏波信号のそれぞれの信号処理のための2つの位相シフタ構造132a、132bが互いに重なる構造で形成されることができる。
【0031】
それぞれの第1及び第2位相シフタ部131、132(及びそれらの位相シフタ構造)は、所定の誘電率を有するベース基板と、該当ベース基板上に形成される複数の分配構造を有する伝送線路と、を含むことができる。
【0032】
図5は本発明の一実施形態による移動通信システム用小型アンテナ装置100に適用可能な位相シフタ部130の他の実施形態を示す図である。
図5を参照して、本発明に適用可能な位相シフタ部130の構造をより詳細に説明する。位相シフタ部130は、プリント回路基板などで構成され得るベース基板132と、ベース基板132上に形成される複数の伝送線路、例えば、送信信号の入力端i1と連結される入力線路133cと、入力線路133cから入力された送信信号が分配されてそれぞれの放射モジュールに出力されるためのそれぞれの出力端o1、o2、o3、o4、o5と連結される複数の出力線路133a、133b、133dと、を含む。
図5の例では、複数の出力線路として、第1線路133a、第2線路133b、第3線路133cが形成されることができるが、これとともに、入力線路133cから入力された信号を第1線路133a及び第2線路133bに適切な位相差で分配して出力するための回転線路134が備えられる。
【0033】
回転線路134は、回転軸0を基準として回転可能に構成されており、回転軸0の地点で前記入力線路133cと電気的に連結される。回転線路134の両端の一端は前記第1線路133aと電気的に連結され、他端は前記第2線路133bと電気的に連結されるように構成されており、回転線路134の回転時にも、回転線路134と第1線路133a及び第2線路133bの電気的連結が保持されるようにそれぞれの線路パターンが適切に設計される。また、この場合、第3線路133dは、入力線路133cに入力された信号の位相を変化させることなく、例えば、第3出力端i3にそのまま出力するように構成されることができる。
【0034】
上記の構成により、入力線路133cに入力された信号は第1線路133a、第2線路133b、及び第3線路133dに分配されて出力されるが、第1線路133aに分配された信号はさらに該当第1線路133aの両端(o2、o4側)に分配され、第2線路133bに分配された信号はさらに該当第2線路133bの両端(o1、o4側)に分配される。この際、回転線路134の回転位置によって、第1線路133a及び第2線路133bの各両端に分配される信号の伝送経路の長さの差が互いに相補的に発生し、これにより、互いに相補的に位相差が発生する。
【0035】
このような構成で、本発明の一実施形態によって、前記回転線路134の回転動作が回転ノブ部120と操作によって連動されるように構成することで、回転ノブ部120の駆動によって、各出力線路(及び/またはこれらの両端)から出力される信号の位相を適切に調整することができることになる。
【0036】
一方、前記
図5に示された位相シフタ部の構造をみると、1つの入力端i1に入力された信号が互いに位相差を有し、且つ第1〜第5出力端o1〜o5に分配されて出力される構造であることが分かる。これは、複数の放射モジュールがそれぞれの出力端と対応するように、例えば、5個が備えられる場合に適用可能な構造であることが分かる。もし複数の放射モジュールが3個備えられる場合には、該当位相シフタ部は、前記第1線路133a及び第3線路133dのみを備える構造を有することを理解するであろう。
【0037】
図6は本発明の一実施形態による移動通信システム用小型アンテナ装置100の回転ノブ部120を示す図である。
【0038】
図6を参照すると、前記回転ノブ部120(rotary knob portion)は、前記レドーム110の外部に露出するように備えられており、前記位相シフタ部130と直接結合されて前記位相シフタを駆動させることができる。前記回転ノブ部120は、前記レドーム110の後面、側面、底面の少なくとも何れか一面に備えられることができ、本発明の一実施形態ではレドーム110の後面に備えられることを例として説明する。
【0039】
本発明の一実施形態において、レドーム110には、2つの特定周波数帯域をサービスする放射モジュールが備えられており、したがって、それぞれのサービス周波数帯域のRF位相を可変させてチルト角を可変させることができるように、第1回転ノブ部121及び第2回転ノブ部122を含むことを例として説明する。
【0040】
また、
図6に示されたように、第1回転ノブ部121及び第2回転ノブ部122の設置位置には、位相可変作業の容易性のために、外部に位相可変量を適切な単位で表示するためのダイヤル目盛121a、121bをさらに形成することができる。
【0041】
図7は本発明の一実施形態による移動通信システム用アンテナ装置100の概略的な内部回路構成を示すブロック図であって、例えば、二重帯域アンテナ構造を示している。
図7を参照すると、本発明の一実施形態による二重帯域アンテナ装置は、例えば、第1及び第2周波数共用帯域の第1〜第3放射モジュール101、102、103が、例えば、長さ方向に直立する1つの反射板140に備えられることができる。
【0042】
近年、広帯域特性を有する広帯域放射素子が、例えば、比帯域幅(fractional band width)が約45%程度になる帯域を包括するように提供されている。かかる放射素子は、例えば、1710〜2690MHz帯の動作特性を有することができる。本発明の一実施形態では、このような広帯域放射素子を用いて多重帯域アンテナを実現し、この場合、前記
図7に示されたように、第1及び第2周波数帯域に共用で用いられることができる放射モジュールが提供されることができる。勿論、このような構造は、該当アンテナ装置の小型化のためのものであり、場合によっては、第1周波数帯域及び第2周波数帯域毎に別の放射モジュールが備えられてもよいことを理解するであろう。
【0043】
このような構造において、第1周波数帯域の全体的な放射ビームに対する電気的な垂直チルトを提供するために、第1周波数帯域の入力信号の提供を受けて第1〜第3放射モジュール101〜103に分配して出力し、放射モジュールのそれぞれに分配される信号が互いに予め設定された位相差を有するように、各分配信号を可変する第1位相シフタ部131:131a、131bが備えられる。同様に、第2周波数帯域の全体的な放射ビームに対する電気的な垂直チルトを提供するために、第2周波数帯域の入力信号の提供を受けて第1〜第3放射モジュール101〜103に分配して出力し、放射モジュールのそれぞれに分配される信号が互いに予め設定された位相差を有するように、各分配信号を可変する第2位相シフタ部132:132a、132bが備えられる。
【0044】
第1位相シフタ部131で分配された複数の信号と、第2位相シフタ132部で分配された複数の信号は、それぞれ複数の周波数結合器151、152によって対応する信号同士が結合され、対応する放射モジュールに提供されるように構成される。複数の周波数結合器151、152は、第1周波数帯域をフィルタリングするフィルター部と、第2周波数帯域をフィルタリングするフィルター部の構造が併合されたダイプレクサ(diplexer)またはデュプレクサ(duplexer)構造を有することができる。また、上記では、周波数結合器という用語を用いたが、このような周波数結合器は、入出力信号の方向を反対に考慮する場合に周波数分配器の役割をする構成を有することができることを理解するであろう。
【0045】
前記
図7に示されたような、本発明の一実施形態によるアンテナ装置の構造は、複数の周波数結合器151、152及び広帯域放射モジュール101、102、103を用いて第1及び第2周波数帯域の無線信号を共用で処理できるようにすることで、全体的なアンテナサイズを減らすことができる。
【0046】
また、このような構造において、本発明の一実施形態による回転ノブ部120が提供され、作業者が移動通信システム用小型アンテナ装置100のRF信号の位相を可変させる場合、作業者はレドーム110の外部に露出した回転ノブ部120を回転させることになる。回転ノブ部120の回転により、位相シフタ部130における伝送線路133の長さが可変することになり、それぞれの放射モジュールは、作業者が設定するチルト角だけ可変されることで、前記RF信号の位相が可変されることができるのである。
【0047】
上記のように、本発明の一実施形態による移動通信システム用アンテナ装置100の構成及び動作がなされることができる。一方、上記の本発明の説明では具体的な実施形態について説明したが、様々な変形が本発明の範囲を逸脱することなく実施されることができる。
【0048】
例えば、上記の説明では、本発明の一実施形態によるレドーム110の製作時に、押出真空成形方式を適用することを例として説明したが、その他にも、ブロー成形方式を適用してもよい。また、その他にも、可変押出成形方式を用いてレドーム110を成形することができる。
【0049】
また、上記の説明では、本発明の実施形態によってサービス帯域分離/結合器がレドーム110の底面に設けられると説明したが、その他にも、前記サービス帯域分離/結合器は、アンテナ装置100と外壁10との間に実装されることにより、レドーム110と外壁10との間に備えられてもよく、レドーム110の内側に引き込まれて備えられてもよい。
【0050】
以上、本発明の詳細な説明では具体的な実施形態について説明したが、本発明の範囲を逸脱しない範囲内で様々な変形が可能であることは、当該分野において通常の知識を有する者にとって自明である。