(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記LED端子が地絡した場合には、前記整流素子を介して、前記発電機端子から前記LED端子に向かって、電流が流れて、前記ノード電圧が前記第2の閾値電圧未満になる
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用点灯制御装置。
前記LED端子が地絡した場合における前記ダイオードのアノードの電位は、前記LED端子が地絡せずに前記LEDランプが点灯している場合における前記ダイオードのアノードの電位よりも、低いことを特徴とする請求項9に記載の車両用点灯制御装置。
バッテリが出力する電力で駆動するLEDランプの点灯を制御する車両用点灯制御装置であって、発電機が電気的に接続され、交流電圧が印加される発電機端子と、前記バッテリが電気的に接続され、前記バッテリが出力するバッテリ電圧が印加されるバッテリ端子と、カソード側が固定電位に接続される前記LEDランプのアノード側が接続されるLED端子と、前記バッテリ端子と前記LED端子との間に接続され、前記LEDランプに供給する電力を制御するための制御スイッチ素子と、前記発電機端子と前記LED端子との間に接続され、前記発電機端子から前記LED端子へ整流する整流素子と、前記発電機端子の端子電圧を検出し、検出した前記端子電圧に基づいて、前記制御スイッチ素子を制御する検出回路と、を備えた車両用点灯制御装置の制御方法であって、
前記検出回路により、
前記端子電圧が予め設定した第1の閾値電圧以上である場合には、前記制御スイッチ素子をオンして前記LEDランプを点灯させ、
前記端子電圧が前記第1の閾値電圧未満である場合には、前記制御スイッチ素子をオフして前記LEDランプを消灯させ、
前記整流素子の発電機端子側のノードのノード電圧が予め設定した第2の閾値電圧未満である場合には、前記制御スイッチ素子を強制的にオフする
ことを特徴とする車両用点灯制御装置の制御方法。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の車両用点灯制御装置100Aにおいては、検出回路YAは、発電機Gの発電を検出した場合には、スイッチ素子SWをオンして、バッテリBから供給される電流IAによりLEDランプLXを点灯させる(
図5)。
【0005】
しかし、LED端子TLが地絡した場合、バッテリBからオンしている制御スイッチ素子SWに大電流IAが流れ込むこととなる(
図6)。
【0006】
そのため、このような従来の車両用点灯制御装置に適用される制御スイッチ素子には、地絡電流にも耐えられる大型の素子を採用する必要があり、当該制御スイッチ素子の小型化を図ることができない問題があった。
【0007】
そこで、本発明では、LEDランプに供給する電力を制御するための制御スイッチ素子に小型のスイッチ素子を用いることが可能な車両用点灯制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る実施例に従った車両用点灯制御装置は、
バッテリが出力する電力で駆動するLEDランプの点灯を制御する車両用点灯制御装置であって、
発電機が電気的に接続され、交流電圧が印加される発電機端子と、
前記バッテリが電気的に接続され、前記バッテリが出力するバッテリ電圧が印加されるバッテリ端子と、
カソード側が固定電位に接続される前記LEDランプのアノード側が接続されるLED端子と、
前記バッテリ端子と前記LED端子との間に接続され、前記LEDランプに供給する電力を制御するための制御スイッチ素子と、
前記発電機端子と前記LED端子との間に接続され、前記発電機端子から前記LED端子へ整流する整流素子と、
前記発電機端子の端子電圧を検出し、検出した前記端子電圧に基づいて、前記制御スイッチ素子を制御する検出回路と、を備え、
前記検出回路は、
前記端子電圧が予め設定した第1の閾値電圧以上である場合には、前記制御スイッチ素子をオンして前記LEDランプを点灯させ、
前記端子電圧が前記第1の閾値電圧未満である場合には、前記制御スイッチ素子をオフして前記LEDランプを消灯させ、
前記整流素子の発電機端子側のノードのノード電圧が予め設定した第2の閾値電圧未満である場合には、前記制御スイッチ素子を強制的にオフする
ことを特徴とする。
前記車両用点灯制御装置において、
前記LED端子が地絡した場合には、前記整流素子を介して、前記発電機端子から前記LED端子に向かって、電流が流れて、前記ノード電圧が前記第2の閾値電圧未満になる
ことを特徴とする。
【0009】
前記車両用点灯制御装置において、
前記検出回路は、
前記LED端子が地絡して前記ノード電圧が前記第2の閾値電圧未満になった場合には、前記制御スイッチ素子をオフする
ことを特徴とする。
【0010】
前記車両用点灯制御装置において、
前記制御スイッチ素子は、エミッタが前記バッテリ端子に接続され、コレクタが前記LED端子に接続されたPNP型バイポーラトランジスタであり、
前記PNP型バイポーラトランジスタはベース電流が前記検出回路により制御される
ことを特徴とする。
【0011】
前記車両用点灯制御装置において、
前記整流素子は、
アノード側が前記発電機端子に接続され、カソード側が前記LED端子に接続されたダイオードである
ことを特徴とする。
【0012】
前記車両用点灯制御装置において、
前記検出回路は、
前記ダイオードのアノードにアノードが接続された第1のダイオードと、
一端が前記第1のダイオードのカソードに接続され、他端が前記固定電位に接続された第1の抵抗と、
一端が前記第1のダイオードのアノードに接続され、他端が前記第1の抵抗の他端に接続されたキャパシタと、
アノードが前記バッテリ端子に接続された第2のダイオードと、
一端が前記第2のダイオードのカソードに接続され、他端が前記ダイオードのアノードに接続された第2の抵抗と、
一端が前記PNP型バイポーラトランジスタのベースに接続された第3の抵抗と、
コレクタが前記第3の抵抗の他端に接続され、エミッタが前記第1の抵抗の他端に接続され、ベースが前記第1の抵抗の一端に接続されたNPN型バイポーラトランジスタと、を備える
ことを特徴とする。
【0013】
前記車両用点灯制御装置において、
前記車両用点灯制御装置は、二輪車に積載され、前記LEDランプは、前記二輪車のテールランプである
ことを特徴とする。
【0014】
前記車両用点灯制御装置において、
前記車両用点灯制御装置は、前記発電機が出力する電力で駆動するバルブランプの点灯を制御し、
前記バルブランプは、前記二輪車のヘッドランプであることを特徴とする。
【0015】
前記車両用点灯制御装置において、
前記ノード電圧が前記第2の閾値電圧以上である場合には、前記NPN型バイポーラトランジスタがオンすることにより、前記PNP型バイポーラトランジスタがオンし、
前記ノード電圧が前記第2の閾値電圧未満である場合には、前記NPN型バイポーラトランジスタがオフすることにより、前記PNP型バイポーラトランジスタをオフする。
【0016】
前記車両用点灯制御装置において、
前記第2の抵抗の抵抗値は、前記第1の抵抗の抵抗値よりも、大きいことを特徴とする。
【0017】
前記車両用点灯制御装置において、
前記LED端子が地絡した場合における前記ダイオードのアノードの電位は、前記LED端子が地絡せずに前記LEDランプが点灯している場合における前記ダイオードのアノードの電位よりも、低いことを特徴とする。
【0018】
前記車両用点灯制御装置において、
前記LEDランプのアノード側とLED端子との間に、負荷抵抗が接続されることを特徴とする。
【0019】
前記車両用点灯制御装置において、
接地電位に接続された接地端子をさらに備え、
前記第1の抵抗の他端は、前記接地端子に接続されていることを特徴とする。
【0020】
前記車両用点灯制御装置において、
前記車両用点灯制御装置は、前記発電機が出力する電力を用いて、前記バッテリの充電を制御することを特徴とする。
【0021】
本発明の一態様に係る実施例に従った車両用点灯制御装置の制御方法は、バッテリが出力する電力で駆動するLEDランプの点灯を制御する車両用点灯制御装置であって、発電機が電気的に接続され、交流電圧が印加される発電機端子と、前記バッテリが電気的に接続され、前記バッテリが出力するバッテリ電圧が印加されるバッテリ端子と、カソード側が固定電位に接続される前記LEDランプのアノード側が接続されるLED端子と、前記バッテリ端子と前記LED端子との間に接続され、前記LEDランプに供給する電力を制御するための制御スイッチ素子と、前記発電機端子と前記LED端子との間に接続され、前記発電機端子から前記LED端子へ整流する整流素子と、前記発電機端子の端子電圧を検出し、検出した前記端子電圧に基づいて、前記制御スイッチ素子を制御する検出回路と、を備えた車両用点灯制御装置の制御方法であって、
前記検出回路により、
前記端子電圧が予め設定した第1の閾値電圧以上である場合には、前記制御スイッチ素子をオンして前記LEDランプを点灯させ、
前記端子電圧が前記第1の閾値電圧未満である場合には、前記制御スイッチ素子をオフして前記LEDランプを消灯させ、
前記整流素子の発電機端子側のノードのノード電圧が予め設定した第2の閾値電圧未満である場合には、前記制御スイッチ素子を強制的にオフする
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様に係る車両用点灯制御装置は、バッテリが出力する電力で駆動するLEDランプの点灯を制御する車両用点灯制御装置であって、発電機が電気的に接続される発電機端子と、バッテリが電気的に接続されるバッテリ端子と、カソード側が固定電位に接続されるLEDランプのアノード側が接続されるLED端子と、バッテリ端子とLED端子との間に接続され、LEDランプに供給する電力を制御するための制御スイッチ素子と、発電機端子とLED端子との間に接続され、発電機端子からLED端子へ整流する整流素子と、発電機端子の端子電圧を検出し、検出した端子電圧に基づいて、制御スイッチ素子を制御する検出回路と、を備える。そして、前記検出回路は、端子電圧が予め設定した第1の閾値電圧以上である場合(発電機の発電を検出した場合)には、制御スイッチ素子をオンしてLEDランプを点灯させ、端子電圧が前記第1の閾値電圧未満である場合(発電機が発電していない場合)には、制御スイッチ素子をオフしてLEDランプを消灯させ、整流素子の発電機端子側のノードのノード電圧が予め設定した第2の閾値電圧未満である場合(LED端子が地絡した場合)には、制御スイッチ素子を強制的にオフする。
【0023】
このように、本発明に係る車両用点灯制御装置は、LED端子TLの地絡を検出した場合には、LEDランプに供給する電力を制御するための制御スイッチ素子をオフするため、当該制御スイッチ素子に大電流(地絡電流)が流れないこととなり、LEDランプに供給する電力を制御するための制御スイッチ素子の小型化や低コスト化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る実施形態について図面に基づいて説明する。
【0026】
図1は、第1の実施形態に係る車両用点灯制御装置100の構成の一例を示す図である。また、
図2は、
図1に示す車両用点灯制御装置100の第1の制御部10に注目した構成の一例を示す図である。また、
図3は、
図2に示す車両用点灯制御装置100の通常時の動作における電流経路の一例を示す図である。また、
図4は、
図2に示す車両用点灯制御装置100の地絡時の動作における電流経路の一例を示す図である。
【0027】
第1の実施形態に係る車両用点灯制御装置100は、例えば、
図1に示すように、バッテリBが出力する電力で駆動するLEDランプLXの点灯を制御する第1の制御部10と、発電機Gが発電する電力で駆動するバルブランプZの点灯を制御する第2の制御部20と、を備える。
【0028】
また、LEDランプLXは、第1の制御部10のLED端子TLと接地電位(固定電位)との間に接続されている。なお、例えば、
図1、
図2に示すように、LEDランプLXのアノード側とLED端子TLとの間に、負荷抵抗RXが接続されている。
【0029】
また、バルブランプZは、第2の制御部20のバルブ端子TZと接地電位(固定電位)との間に接続されている。
【0030】
また、発電機Gは、例えば、単相交流発電機であり、そのコイルの一端側が発電機端子TGに接続され、該コイルの他端側が接地電位(固定電位)に接続される。
【0031】
この発電機Gが発電して交流電圧が発電機端子TGに印加されると、端子電圧VGが予め設定した第1の閾値電圧以上になるようになっている。この発電機Gが発電を停止しているときは、端子電圧VGが該第1の閾値電圧未満になるようになっている。
【0032】
また、バッテリBは、正極が第1の制御部10のバッテリ端子TB及び第2の制御部20の バッテリ端子TB2に接続され、負極が接地電位(固定電位)に接続されている。
【0033】
ここで、車両用点灯制御装置100は、例えば、二輪車に積載される。この場合、LEDランプLXは、例えば、当該二輪車のテールランプである。そして、発電機Gは、例えば、当該二輪車の内燃機関(図示せず)にトルクを授受可能に接続され、該内燃機関の駆動により発電するようになっている。そして、バルブランプZは、例えば、既述の二輪車のヘッドランプである。
【0034】
そして、車両用点灯制御装置100の第2の制御部20は、発電機Gが出力する電力で駆動するバルブランプZの点灯を制御するようになっている。さらに、車両用点灯制御装置100の第2の制御部20は、例えば、バッテリBのバッテリ電圧を監視し、発電機Gが出力する電力を用いて、バッテリBの充電を制御するようになっている。
【0035】
そして、車両用点灯制御装置100の第1の制御部10は、発電機Gが発電してバルブランプZが点灯するのに同期して(内燃機関が始動した後に)、バッテリBが出力する電力で駆動するLEDランプLXの点灯を制御するようになっている。
【0036】
ここで、車両用点灯制御装置100の第1の制御部10は、例えば、
図2に示すように、発電機端子TGと、バッテリ端子TBと、LED端子TLと、接地端子TAと、制御スイッチ素子SWと、整流素子DXと、検出回路Yと、を備える。
【0037】
そして、発電機端子TGは、発電機Gが電気的に接続され、発電機Gが出力する交流電圧VGが印加されるようになっている。既述のように、発電機Gのコイルの一端側が発電機端子TGに接続され、該コイルの他端側が接地電位(固定電位)に接続されている。
【0038】
また、バッテリ端子TBは、バッテリBが電気的に接続され(バッテリBの正極が接続され)、このバッテリBが出力するバッテリ電圧が印加されるようになっている。
【0039】
また、LED端子TLは、カソード側が固定電位(接地電位)に接続されるLEDランプLXのアノード側が(負荷抵抗RXを介して)接続されるようになっている。
【0040】
また、接地端子TAは、接地電位(固定電位)に接続されている。
【0041】
そして、例えば、
図2に示すように、第1の抵抗R1の他端(NPN型バイポーラトランジスタTrのエミッタ)は、接地端子TAに接続されている(すなわち、接地端子TAを介して、接地電位(固定電位)に接続される)。
【0042】
また、制御スイッチ素子SWは、バッテリ端子TBとLED端子との間に接続され、LEDランプLXに供給する電力を制御するためのスイッチ素子である。
【0043】
この制御スイッチ素子SWは、例えば、
図2に示すように、エミッタがバッテリ端子TBに接続され、コレクタがLED端子TLに接続されたPNP型バイポーラトランジスタSW(以下では、このPNP型バイポーラトランジスタも“SW”で示す)である。そして、このPNP型バイポーラトランジスタSWはベース電流が検出回路Yにより制御されるようになっている。なお、このPNP型バイポーラトランジスタSWのエミッタとベースとの間には、第4の抵抗R4が接続されている。
【0044】
なお、この制御スイッチ素子SWは、上記PNP型バイポーラトランジスタに代えて、他のトランジスタ、例えば、ソースがバッテリ端子TBに接続され、ドレインがLED端子TLに接続されたMOSトランジスタで構成されていてもよい。この場合、このMOSトランジスタは、ゲートのゲート電圧が検出回路Yにより制御されることとなる。
【0045】
また、整流素子DXは、発電機端子TGとLED端子TLとの間に接続されている。そして、この整流素子DXは、発電機端子TGからLED端子TLへ整流するようになっている。
【0046】
この整流素子DXは、例えば、
図2に示すように、アノード側が発電機端子TGに(検出回路Yの第2のダイオードD2及び第2の抵抗R2を介して)接続され、カソード側がLED端子TL(制御スイッチ素子SWのコレクタ)に接続されたダイオードである。
【0047】
また、
図2に示すように、検出回路Yは、発電機端子TGの端子電圧VGを検出し、検出した端子電圧VGに基づいて、制御スイッチ素子SWを制御するようになっている。
【0048】
例えば、この検出回路Yは、端子電圧VGが予め設定した第1の閾値電圧以上である場合(すなわち、発電機Gの発電を検出した場合)には、制御スイッチ素子SWをオンしてLEDランプLXを点灯させるようになっている。
【0049】
さらに、検出回路Yは、端子電圧VGが該第1の閾値電圧未満である場合(すなわち、発電機Gが発電していない場合)には、制御スイッチ素子SWをオフしてLEDランプLXを消灯させるようになっている。
【0050】
上記検出回路Yの動作により、発電機Gが発電してバルブランプZが点灯するのに同期して(例えば、該内燃機関が始動した後に)、バッテリBが出力する電力で駆動するLEDランプLXの点灯を制御することができる。
【0051】
ここで、LED端子TLが地絡した場合(
図4)におけるダイオードDXのアノードの電位(ノード電圧VN)は、LED端子TLが地絡せずにLEDランプLXが点灯している場合(
図3)におけるダイオード(整流素子DX)のアノードの電位(ノード電圧VN)よりも、低くなるように設定されている。すなわち、LED端子TLが地絡した場合(
図4)には、整流素子DXを介して、発電機端子TGからLED端子TLに向かって、電流I1が流れて、ノード電圧VNが予め設定した第2の閾値電圧未満になる。
【0052】
そこで、検出回路Yは、端子電圧VGが該第1の閾値電圧以上である(発電機Gが発電している)ときに、整流素子DXの発電機端子TG側のノード(アノード)のノード電圧VNが予め設定した第2の閾値電圧未満である場合(すなわち、LED端子TLが地絡した場合)には、制御スイッチ素子SWを強制的にオフするようになっている。
【0053】
このように、検出回路Yは、LED端子TLが地絡してノード電圧VNが該第2の閾値電圧未満になった場合には、制御スイッチ素子SWをオフするようになっている。
【0054】
これにより、LED端子TLが地絡した場合に、LEDランプLXに供給する電力を制御するための制御スイッチ素子SWをオフして、当該制御スイッチ素子SWに大電流(地絡電流)が流れないようにすることができる。
【0055】
なお、検出回路Yは、端子電圧VGが該第1の閾値電圧以上であるとき(発電機Gが発電している)に、整流素子DXの発電機端子TG側のノード(アノード)のノード電圧VNが該第2の閾値電圧以上である場合(すなわち、LED端子TLが地絡していない場合)には、制御スイッチ素子SWを強制的にオフしないようになっている。
【0056】
以上のような機能を有する検出回路Yは、例えば、
図2に示すように、第1のダイオードD1a、D1bと、第1の抵抗R1と、キャパシタCと、第2のダイオードD2と、第2の抵抗R2と、第3の抵抗R3と、NPN型バイポーラトランジスタTrと、を備える。
【0057】
第1のダイオードD1aは、ダイオード(整流素子DX)のアノードにアノードが接続されている。さらに、第1のダイオードD1bは、第1のダイオードD1bのカソードにアノードが接続されている。なお、
図2の例では、2つの第1のダイオードD1a、D1bが直列に接続された例を示しているが、必要に応じて、この第1のダイオードは1つのダイオード、若しくは、3つ以上の直列に接続されたダイオードであってもよい。
【0058】
また、第1の抵抗R1は、一端が第1のダイオードD1bのカソードに接続され、他端が接地端子TAを介して固定電位(接地電位)に接続されている。
【0059】
また、キャパシタCは、一端が第1のダイオードD1bのアノードに接続され、他端が第1の抵抗R1の他端に接続されている。
【0060】
また、第2のダイオードD2は、アノードがバッテリ端子TBに接続されている。この第2のダイオードD2は、発電機Gが出力する電流を整流するようになっている。
【0061】
また、第2の抵抗R2は、一端が第2のダイオードD2のカソードに接続され、他端がダイオード(整流素子DX)のアノード(キャパシタCの一端)に接続されている。
【0062】
なお、この第2の抵抗R2の抵抗値は、第1の抵抗R1の抵抗値よりも、大きくなるように設定されている。これにより、通常時、地絡時に流れる電流I1を適切に制限することができる(
図3、
図4)。
【0063】
また、第3の抵抗R3は、一端がPNP型バイポーラトランジスタ(制御スイッチ素子SW)のベース(制御端子)に接続されている。
【0064】
また、NPN型バイポーラトランジスタTrは、コレクタが第3の抵抗R3の他端(接地端子TA)に接続され、エミッタが第1の抵抗R1の他端に接続され、ベースが第1の抵抗R1の一端に接続されている。
【0065】
ここで、この
図2に示す構成を有する検出回路Yは、例えば、端子電圧VGが該第1の閾値電圧以上である場合(すなわち、発電機Gの発電を検出した場合)には、NPN型バイポーラトランジスタTrのベースに電流I1が流れて、NPN型バイポーラトランジスタTrがオンすることにより、PNP型バイポーラトランジスタSWのベースに電流I2が流れて、PNP型バイポーラトランジスタ(制御スイッチ素子)SWがオンするようになっている(
図3)。
【0066】
これにより、検出回路Yは、端子電圧VGが予め設定した第1の閾値電圧以上である場合(すなわち、発電機Gの発電を検出した場合)には、制御スイッチ素子SWをオンして電流I3によりLEDランプLXを点灯させるようになっている。
【0067】
一方、
図2に示す構成を有する検出回路Yは、端子電圧VGが該第1の閾値電圧未満である場合(すなわち、発電機Gが発電していない場合)には、NPN型バイポーラトランジスタTrのベースに電流I1が流れないことで、NPN型バイポーラトランジスタTrがオフすることにより、PNP型バイポーラトランジスタSWのベースに電流I2が流れず、PNP型バイポーラトランジスタ(制御スイッチ素子)SWをオフするようになっている。
【0068】
これにより、検出回路Yは、端子電圧VGが該第1の閾値電圧未満である場合(すなわち、発電機Gが発電していない場合)には、制御スイッチ素子SWをオフしてLEDランプLXを消灯させる。
【0069】
特に、この
図2に示す構成を有する検出回路Yは、例えば、ノード電圧VNが該第2の閾値電圧未満である場合には、NPN型バイポーラトランジスタTrのベースに電流I1が流れない(発電機端子TGからLED端子TLに向かって電流I1が流れる)ことで、NPN型バイポーラトランジスタTrがオフすることにより、電流I2が遮断され、PNP型バイポーラトランジスタ(制御スイッチ素子)SWをオフするようになっている(
図4)。
【0070】
すなわち、検出回路Yは、整流素子DXの発電機端子TG側のノード(アノード)のノード電圧VNが予め設定した第2の閾値電圧未満である場合には、制御スイッチ素子SWを強制的にオフする。
【0071】
これにより、バッテリBから出力される電流I3が制御スイッチ素子SWにより遮断される。すなわち、LED端子TLが地絡した場合に、LEDランプLXに供給する電力を制御するための制御スイッチ素子SWをオフして、当該制御スイッチ素子SWに大電流(地絡電流)が流れないようにすることができる。
【0072】
一方、この
図2に示す構成を有する検出回路Yは、端子電圧VGが該第1の閾値電圧以上であるときに、ノード電圧VNが該第2の閾値電圧以上である場合には、NPN型バイポーラトランジスタTrのベースに電流I1が流れて、NPN型バイポーラトランジスタTrがオンすることにより、PNP型バイポーラトランジスタSWのベースに電流I2が流れて、PNP型バイポーラトランジスタ(制御スイッチ素子)SWがオンするようになっている(
図3)。
【0073】
すなわち、検出回路Yは、端子電圧VGが該第1の閾値電圧以上であるときに、整流素子DXの発電機端子TG側のノード(アノード)のノード電圧VNが該第2の閾値電圧以上である場合(すなわち、LED端子TLが地絡していない場合)には、制御スイッチ素子SWをオン状態に維持する。
【0074】
これにより、バッテリBから出力される電流I3が、制御スイッチ素子SWを介して、LEDランプLXに供給され続けて、LEDランプLXは点灯し続けることとなる。
【0075】
次に、以上のような構成を有する車両用点灯制御装置100の動作(車両用点灯制御装置100の第1の制御部10の制御方法)の一例について説明する。
【0076】
例えば、第1の制御部10の検出回路Yは、端子電圧VGが該第1の閾値電圧以上である場合(すなわち、発電機Gの発電を検出した場合)には、NPN型バイポーラトランジスタTrのベースに電流I1が流れて、NPN型バイポーラトランジスタTrがオンすることにより、PNP型バイポーラトランジスタSWのベースに電流I2が流れて、PNP型バイポーラトランジスタ(制御スイッチ素子)SWがオンする(
図3)。
【0077】
これにより、検出回路Yは、発電機Gの発電を検出した場合には、制御スイッチ素子SWをオンして電流I3によりLEDランプLXを点灯させる。
【0078】
一方、検出回路Yは、端子電圧VGが該第1の閾値電圧未満である場合(すなわち、発電機Gが発電していない場合)には、NPN型バイポーラトランジスタTrのベースに電流I1が流れないことで、NPN型バイポーラトランジスタTrがオフすることにより、PNP型バイポーラトランジスタSWのベースに電流I2が流れず、PNP型バイポーラトランジスタ(制御スイッチ素子)SWをオフする。
【0079】
これにより、検出回路Yは、発電機Gが発電していない場合には、制御スイッチ素子SWをオフしてLEDランプLXを消灯させる。
【0080】
特に、検出回路Yは、ノード電圧VNが該第2の閾値電圧未満である場合には、NPN型バイポーラトランジスタTrのベースに電流I1が流れない(発電機端子TGからLED端子TLに向かって電流I1が流れる)ことで、NPN型バイポーラトランジスタTrがオフすることにより、電流I2が遮断され、PNP型バイポーラトランジスタ(制御スイッチ素子)SWをオフする(
図4)。
【0081】
すなわち、検出回路Yは、整流素子DXの発電機端子TG側のノード(アノード)のノード電圧VNが予め設定した第2の閾値電圧未満である場合には、制御スイッチ素子SWを強制的にオフする。
【0082】
これにより、バッテリBから出力される電流I3が制御スイッチ素子SWにより遮断される。すなわち、LED端子TLが地絡した場合に、LEDランプLXに供給する電力を制御するための制御スイッチ素子SWをオフして、当該制御スイッチ素子SWに大電流(地絡電流)が流れないようにすることができる。
【0083】
一方、検出回路Yは、端子電圧VGが該第1の閾値電圧以上であるときに、ノード電圧VNが該第2の閾値電圧以上である場合には、NPN型バイポーラトランジスタTrのベースに電流I1が流れて、NPN型バイポーラトランジスタTrがオンすることにより、PNP型バイポーラトランジスタSWのベースに電流I2が流れて、PNP型バイポーラトランジスタ(制御スイッチ素子)SWがオンする(
図3)。
【0084】
すなわち、検出回路Yは、端子電圧VGが該第1の閾値電圧以上であるときに、整流素子DXの発電機端子TG側のノード(アノード)のノード電圧VNが該第2の閾値電圧以上である場合(すなわち、LED端子TLが地絡していない場合)には、制御スイッチ素子SWをオン状態に維持する。
【0085】
これにより、バッテリBから出力される電流I3が、制御スイッチ素子SWを介して、LEDランプLXに供給され続けて、LEDランプLXは点灯し続けることとなる。
【0086】
以上のように、本発明の一態様に係る車両用点灯制御装置100は、バッテリBが出力する電力で駆動するLEDランプLXの点灯を制御する車両用点灯制御装置であって、発電機Gが電気的に接続される発電機端子TGと、バッテリBが電気的に接続されるバッテリ端子TBと、カソード側が固定電位(接地電位)に接続されるLEDランプのアノード側が接続されるLED端子TLと、バッテリ端子TBとLED端子との間に接続され、LEDランプに供給する電力を制御するための制御スイッチ素子SWと、発電機端子TGとLED端子TLとの間に接続され、発電機端子TGからLED端子TLへ整流する整流素子DXと、発電機端子TGの端子電圧VGを検出し、検出した端子電圧に基づいて、制御スイッチ素子SWを制御する検出回路Yと、を備える。
【0087】
そして、前記検出回路Yは、端子電圧が予め設定した第1の閾値電圧以上である場合(発電機の発電を検出した場合)には、制御スイッチ素子をオンしてLEDランプを点灯させ、端子電圧が前記第1の閾値電圧未満である場合(発電機が発電していない場合)には、制御スイッチ素子をオフしてLEDランプを消灯させ、整流素子DXの発電機端子側のノード(アノード)のノード電圧VNが予め設定した第2の閾値電圧未満である場合(LED端子TLが地絡した場合)には、制御スイッチ素子を強制的にオフする。
【0088】
このように、本発明に係る車両用点灯制御装置は、LED端子TLの地絡を検出した場合には、LEDランプに供給する電力を制御するための制御スイッチ素子をオフするため、当該制御スイッチ素子に大電流(地絡電流)が流れないこととなり、LEDランプに供給する電力を制御するための制御スイッチ素子の小型化や低コスト化を図ることができる。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
車両用点灯制御装置は、発電機端子の端子電圧を検出し、検出した端子電圧に基づいて、制御スイッチ素子を制御する検出回路を備える。検出回路は、端子電圧が予め設定した第1の閾値電圧以上である場合には、制御スイッチ素子をオンしてLEDランプを点灯させ、端子電圧が第1の閾値電圧未満である場合には、制御スイッチ素子をオフしてLEDランプを消灯させ、整流素子の発電機端子側のノードのノード電圧が予め設定した第2の閾値電圧未満である場合には、制御スイッチ素子を強制的にオフする。