【実施例】
【0026】
以下、当該毛髪処理剤を実施例により説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0027】
[実施例1a]
下記表1に示す原料を水に配合し、剤型がクリーム状の実施例1aの毛髪処理剤を調製した。この実施例1aの毛髪処理剤には、粉体原料としてオクテニルコハク酸トウモロコシデンプンアルミニウム0.2質量%、カチオン界面活性剤としてステアリルトリメチルアンモニウムブロミド3質量%及びエチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム0.2質量%、並びに高級アルコールとしてセタノール5質量%及びステアリルアルコール2質量%を配合した。かかる毛髪処理剤について、以下に説明する毛髪の根元から毛先までのすべりの均一感、粉体原料の手移り感、及び低温安定性を評価した。
【0028】
[実施例1b]
粉体原料として、オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンアルミニウムに代えて、カオリンを使用した以外は実施例1aと同様にして実施例1bの毛髪処理剤を調製した。
【0029】
[実施例1c]
粉体原料として、オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンアルミニウムに代えて、ラウロイルリシンを使用した以外は実施例1aと同様にして実施例1cの毛髪処理剤を調製した。
【0030】
[比較例1a]
粉体原料として、オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンアルミニウムに代えて、シリコーンレジン被覆パウダー(信越シリコーン社の「KSP-101」)を使用した以外は実施例1a同様にして比較例1aの毛髪処理剤を調製した。
【0031】
[比較例1b]
粉体原料として、オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンアルミニウムに代えて、架橋ポリアクリル酸アルキル微粒子(松本油脂製薬社の「マツモトマイクロスフェアー S−100」)を使用した以外は実施例1aと同様にして比較例1bの毛髪処理剤を調製した。
【0032】
[比較例1c]
粉体原料として、オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンアルミニウムに代えて、シリコーンレジンパウダー(旭化成ワッカー社の「BELSIL TMS 803」)を使用した以外は実施例1a同様にして比較例1cの毛髪処理剤を調製した。
【0033】
<毛先までのすべり均一感の評価>
シャンプー後の濡れた毛髪の半分に実施例1cの毛髪処理剤を塗布する一方で、残りの半分の毛髪に実施例1a,1b、比較例1a〜1cのいずれかの毛髪処理剤を塗布し、さらに水洗、乾燥させた後に、毛髪の根元から毛先までのすべり均一感を以下の基準で評価した。毛先までのすべり均一感は、毛髪の根元から毛先まで手櫛により毛髪表面に指を滑らせたとき、根元から毛先までのすべり感が均一であるか(特に毛先での引っ掛かりがないか)により評価した。評価結果は表1に示した。なお、評価者の人数は3名とした。
【0034】
〇:評価者3名の全てが毛先までのすべり均一感が基準と同等と評価
△:評価者3名の全てが毛先までのすべる均一感が基準よりもやや劣ると評価
×:評価者3名の全てが毛先までのすべる均一感が基準よりも劣ると評価
【0035】
<手移り感の評価>
手移り感は、上述のすべり均一感の評価の際の手櫛後に、評価者の手に粉体原料が移っているか、及び移っている感触があるかを確認することで行った。評価結果は表1に示した。なお、評価者の人数は3名とした。
〇:評価者3名の全てが粉体下原料の手移り感が基準と同等(手移り感がない)と評価
△:評価者3名の全てが粉体下原料の手移り感が基準よりもやや劣ると評価
×:評価者3名の全てが粉体下原料の手移り感が基準よりも劣ると評価
【0036】
<低温安定性>
低温安定性は、設定温度を−2℃とした冷風循環槽内に、プラスチックカップ内に毛髪処理剤を封入して放置し、毛髪処理剤が凍結するか否かを確認することで評価した。
【0037】
【表1】
【0038】
表1から明らかなように、実施例1a及び実施例1bの毛髪処理剤は、評価者3名の全てが毛先までのすべり均一感が基準(実施例1cの毛髪処理剤)と同等であり、粉体原料の手移り感がなかったと評価した。これに対して、比較例1aの毛髪処理剤は基準と比べて粉体原料の手移り感が劣り(手移り感があり)、比較例1bの毛髪処理剤は毛先までのすべり均一感が基準よりもやや劣り、比較例1cの毛髪処理剤は毛先までのすべり均一感が劣っていた。この結果から、毛髪処理剤に粉体原料としてオクテニルコハク酸トウモロコシデンプンアルミニウム、カオリン又はラウロイルリシンを配合することで、毛先までのすべり均一感及び粉体原料の手移り感が改善されることが確認された。
【0039】
また、低温安定性の評価において、実施例1aの毛髪処理剤は2か月後も凍結せず、実施例1b及び実施例1cの毛髪処理剤は20日以内で凍結した。この結果から、粉体原料としてオクテニルコハク酸トウモロコシデンプンアルミニウムを配合することで、低温安定性が改善されることが確認された。
【0040】
[実施例2a]
下記表2に示す原料を水に配合し、クリーム状の剤型に実施例2aの毛髪処理剤を調製した。なお、実施例2aの毛髪処理剤は、実施例1aの毛髪処理剤と同一組成である。かかる実施例2aの毛髪処理剤について、上述した毛先までのすべり均一感の評価、及び仕上がりの重さを評価した。評価結果は表2に示した。
【0041】
[実施例2b]
粉体原料としてのオクテニルコハク酸トウモロコシデンプンアルミニウムの配合量を0.1質量%とした以外は実施例2aと同様にして実施例2bの毛髪処理剤を調製し、毛先までのすべり均一感の評価及び仕上がりの重さを評価した。評価結果は表2に示した。
【0042】
<仕上がりの重さを評価>
仕上がりの重さは、すべりの均一感の評価の後に、毛髪の重さの感触を相対比較した。
【0043】
【表2】
【0044】
表2から明らかなように、実施例2bの毛髪処理剤は、毛先までのすべり均一感が実施例2a(実施例1a)の毛髪処理剤と同等(良好)であった。すなわち、粉体原料としてのオクテニルコハク酸トウモロコシデンプンアルミニウムの配合量を0.1質量%に減らした場合でも、毛先までのすべり均一感が改善されていた。
【0045】
実施例2a(実施例1a)では、実施例2bに比べて毛髪の仕上がりの重さがないと評価された。すなわち、粉体原料としてオクテニルコハク酸トウモロコシデンプンアルミニウムを配合する場合、配合量を増やすことで仕上がりが軽くなる傾向が確認された。