特許第6386235号(P6386235)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386235
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】車載発電システム
(51)【国際特許分類】
   H02N 11/00 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
   H02N11/00 A
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-33656(P2014-33656)
(22)【出願日】2014年2月25日
(65)【公開番号】特開2015-159677(P2015-159677A)
(43)【公開日】2015年9月3日
【審査請求日】2017年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】304021288
【氏名又は名称】国立大学法人長岡技術科学大学
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100149607
【弁理士】
【氏名又は名称】宇田 新一
(72)【発明者】
【氏名】中島 啓
(72)【発明者】
【氏名】金 允護
(72)【発明者】
【氏名】小川 孝
(72)【発明者】
【氏名】山中 暁
(72)【発明者】
【氏名】金 周永
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕久
(72)【発明者】
【氏名】中山 忠親
(72)【発明者】
【氏名】武田 雅敏
(72)【発明者】
【氏名】山田 昇
(72)【発明者】
【氏名】新原 晧一
【審査官】 森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−275975(JP,A)
【文献】 特開2013−074160(JP,A)
【文献】 特開2000−018095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン、および、前記エンジンから排ガスを排出させるための排気管を備える内燃機関と、
前記排気管内に配置され、排ガスが供給されることにより電気分極する第1デバイスと、
前記第1デバイスから電力を取り出すための第2デバイスと、
前記排気管における前記第1デバイスよりも上流側に設けられ、前記排気管内における排ガスの流速を調整するための調整手段と、
前記調整手段の動作を制御するための制御手段と
を備え、
前記排気管が、
主排気管と、前記主排気管の下流側において前記主排気管から分岐する複数のデバイス分岐管、および、1つのバイパス分岐管とを備え、
前記第1デバイスは、複数の各前記デバイス分岐管内に、それぞれ配置され、
前記調整手段は、前記デバイス分岐管と前記バイパス分岐管とが分岐される分岐部分に設けられ、前記デバイス分岐管および前記バイパス分岐管の内のいずれか1つを開状態とするとともに、その他を閉状態とする
ことを特徴とする、車載発電システム。
【請求項2】
さらに、
各前記デバイス分岐管における前記第1デバイスよりも上流側に接続され、冷却媒体を前記第1デバイスに供給することにより前記第1デバイスを冷却するための冷却手段
を備えることを特徴とする、請求項に記載の車載発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載発電システム、詳しくは、自動車などの車両に搭載される車載発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車エンジンなどの内燃機関や、ボイラー、空調設備などの熱交換器、発電機、モータなどの電動機関、照明などの発光装置などの各種エネルギー利用装置では、例えば、排熱、光などとして、多くの熱エネルギーが放出および損失されている。
【0003】
近年、省エネルギー化の観点から、放出される熱エネルギーを回収し、エネルギー源として再利用することが要求されている。そのようなシステムとして、具体的には、例えば、温度が経時的に上下する熱源と、その熱源の温度変化に応じて、ピエゾ効果、焦電効果、ゼーベック効果などにより電気分極する第1デバイス(誘電体など)と、第1デバイスから電力を取り出すため、第1デバイスを挟むように対向配置される第2デバイス(電極など)とを備える発電システムが提案されている。また、その発電システムを自動車などに積載すること、さらには、そのような場合に第1デバイス(誘電体など)を自動車の排ガスが供給される排気管内に配置することが、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−250675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、引用文献1に記載の発電システムでは、温度が経時的に上下する熱源として自動車の内燃機関および排ガスが用いられるが、第1デバイスの排気管内の配置箇所や自動車の走行状態によっては、第1デバイス(誘電体など)の温度変化量(ΔT)や、温度変化速度(昇温速度および降温速度)が小さく、第1デバイス(誘電体など)における発電効率が不十分となる場合がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、より効率よく発電することができる車載発電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の車載発電システムは、エンジン、および、前記エンジンから排ガスを排出させるための排気管を備える内燃機関と、前記排気管内に配置され、排ガスが供給されることにより電気分極する第1デバイスと、前記第1デバイスから電力を取り出すための第2デバイスと、前記排気管における前記第1デバイスよりも上流側に設けられ、前記排気管内における排ガスの流速を調整するための調整手段と、前記調整手段の動作を制御するための制御手段とを備えることを特徴としている。
【0008】
また、本発明の車載発電システムでは、前記排気管が、主排気管と、前記主排気管の下流側において前記主排気管から分岐する複数の分岐管とを備え、前記第1デバイスは、各前記分岐管内に配置され、前記調整手段は、各前記分岐管が分岐される分岐部分に設けられていることが好適である。
【0009】
また、本発明の車載発電システムは、さらに、各前記分岐管における前記第1デバイスよりも上流側に接続され、冷却媒体を前記第1デバイスに供給することにより前記第1デバイスを冷却するための冷却手段を備えることが好適である。
【0010】
また、本発明の車載発電システムは、エンジン、および、前記エンジンから排ガスを排出させるための排気管を備える内燃機関と、前記排気管内に配置され、排ガスが供給されることにより電気分極する第1デバイスと、前記第1デバイスから電力を取り出すための第2デバイスと、前記排気管における前記第1デバイスよりも上流側に接続され、冷却媒体を前記第1デバイスに供給することにより前記第1デバイスを冷却するための冷却手段と、前記冷却手段の動作を制御するための制御手段とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の車載発電システムによれば、排気管内の排ガスの流れが相対的に多くなることによる第1デバイスの加熱と、その排ガスの流れが相対的に少なくなることによる第1デバイスの冷却とが、調整手段によって切り替えられる。
【0012】
その結果、本発明の車載発電システムによれば、第1デバイスの加熱および冷却を制御することができ、発電効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の車載発電システムの一実施形態(第1実施形態)の概略構成図である。
図2】本発明の車載発電システムの他の実施形態(第2実施形態)の要部概略構成図である。
図3】本発明の車載発電システムの他の実施形態(第3実施形態)の要部概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.第1実施形態
図1において、自動車10は、車載発電システム1を備えている。
【0015】
車載発電システム1は、内燃機関2と、内燃機関2から排出され、温度が経時的に上下する排ガスが供給されることにより電気分極する第1デバイス3と、第1デバイス3から電力を取り出すための第2デバイス4と、第1デバイス3の温度を検知する温度センサ5と、排ガスの流速を調整するための調整手段としての切替弁7と、切替弁7の動作を制御するための制御手段としての制御ユニット8とを備えている。
【0016】
内燃機関2は、エンジン11と、エンジン11から排ガスを排出させるための排気管15とを備えている。
【0017】
エンジン11は、自動車10に動力を出力する装置であって、例えば、単気筒型または多気筒型(例えば、2気筒型、4気筒型、6気筒型)が採用されるとともに、その各気筒において、多サイクル方式(例えば、2サイクル方式、4サイクル方式、6サイクル方式など)が採用される。図1には、4気筒型のエンジン11を示す。また、以下において、各気筒で4サイクル方式が採用される場合について、説明する。
【0018】
排気管15は、主排気管28と、その主排気管28の下流側において分岐する分岐管としての下流側分岐管29とを備えている。
【0019】
主排気管28は、エキゾーストマニホールド17、触媒搭載部12およびエキゾーストパイプ13を備えている。
【0020】
エキゾーストマニホールド17は、エンジン11の気筒から排出される排気ガスを収束するために設けられる排気多岐管であって、エンジン11の各気筒に接続される複数(4つ)の上流側分岐管18(これらを区別する必要がある場合には、図1の上側から順に、上流側分岐管18a、上流側分岐管18b、上流側分岐管18cおよび上流側分岐管18dと称する。)と、それら上流側分岐管18の下流側において、各上流側分岐管18を1つに統合する集気管19とを備えている。
【0021】
このようなエキゾーストマニホールド17では、上流側分岐管18の上流側端部が、それぞれ、エンジン11の各気筒に接続されるとともに、上流側分岐管18の下流側端部と集気管19の上流側端部とが接続されている。また、集気管19の下流側端部は、触媒搭載部12の上流側端部に接続されている。
【0022】
触媒搭載部12は、例えば、触媒担体およびその担体上にコーティングされる触媒を備えており、内燃機関2から排出される排気ガスに含まれる炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)などの有害成分を浄化するために、内燃機関2(エキゾーストマニホールド17)の下流側端部に接続されている。
【0023】
エキゾーストパイプ13は、触媒搭載部12において浄化された排ガスを、下流側分岐管29に案内するために設けられており、上流側端部が触媒搭載部12に接続されるとともに、下流側端部が下流側分岐管29に接続されている。
【0024】
下流側分岐管29は、複数(2つ)のデバイス分岐管31と、1つのバイパス分岐管32とを備えている。なお、以下において、複数(2つ)のデバイス分岐管31を区別する必要がある場合には、図1における紙面上側のデバイス分岐管31を、デバイス分岐管31aとし、紙面下側のデバイス分岐管31を、デバイス分岐管31bとする。
【0025】
各デバイス分岐管31は、第1デバイス3(後述)が配置される排ガス流路であって、上流側端部がエキゾーストパイプ13(主排気管28)の下流側端部と接続されており、下流側端部が外気に開放されている。
【0026】
また、デバイス分岐管31の流れ方向途中には、箱型空間33が備えられている。箱型空間33は、デバイス分岐管31に連通するように介装される略直方体状の空間であって、その内側には、複数の第1デバイス3(後述)が配置されている。なお、図1においては、複数の第1デバイス3(後述)を簡略化し、1つの箱型空間33に対して、1つの第1デバイス3(後述)を示している。
【0027】
バイパス分岐管32は、第1デバイス3(後述)を回避するように排ガスを流すために設けられるバイパス流路であって、箱型空間33が介装されることなく、上流側端部がエキゾーストパイプ13(主排気管28)の下流側端部と接続されており、下流側端部が外気に開放されている。
【0028】
これにより、エンジン11から排出される排ガスは、主排気管28を通過し、下流側分岐管29を介して、外気に放出可能とされている。
【0029】
第1デバイス3は、内燃機関2(エンジン11)から排出され、温度が経時的に上下する排ガスが供給されることにより、温度が経時的に上下され、電気分極するデバイスである。
【0030】
ここでいう電気分極とは、結晶の歪みにともなう正負イオンの変位により誘電分極し電位差が生じる現象、例えばピエゾ効果、および/または、温度変化により誘電率が変化し電位差が生じる現象、例えば焦電効果などのように、材料に起電力が発生する現象と定義する。
【0031】
このような第1デバイス3として、より具体的には、例えば、ピエゾ効果により電気分極するデバイス、焦電効果により電気分極するデバイスなどが挙げられる。
【0032】
ピエゾ効果は、応力または歪みが加えられたときに、その応力または歪みの大きさに応じて電気分極する効果(現象)である。
【0033】
このようなピエゾ効果により電気分極する第1デバイス3としては、特に制限されず、公知のピエゾ素子(圧電素子)を用いることができる。
【0034】
第1デバイス3としてピエゾ素子が用いられる場合には、ピエゾ素子は、例えば、その周囲が固定部材により固定され、排ガスに接触(曝露)されるように、箱型空間33内に配置される。
【0035】
固定部材としては、特に制限されず、例えば、後述する第2デバイス4(例えば、電極など)を用いることもできる。
【0036】
そして、このような場合には、ピエゾ素子は、排ガスの経時的な温度変化により、加熱または冷却され、これにより、膨張または収縮する。
【0037】
このとき、ピエゾ素子は、固定部材により体積膨張が抑制されているため、ピエゾ素子は、固定部材に押圧され、ピエゾ効果(圧電効果)、または、キュリー点付近での相変態により、電気分極する。これにより、詳しくは後述するが、第2デバイス4を介して、ピエゾ素子から電力が取り出される。
【0038】
また、このようなピエゾ素子は、通常、加熱状態または冷却状態が維持され、その温度が一定(すなわち、体積一定)になると、電気分極が中和され、その後、冷却または加熱されることにより、再度、電気分極する。
【0039】
そのため、上記したように排ガスが周期的に温度変化し、高温状態と低温状態とが周期的に繰り返される場合などには、ピエゾ素子が周期的に繰り返し加熱および冷却されるため、ピエゾ素子の電気分極およびその中和が、周期的に繰り返される。
【0040】
その結果、後述する第2デバイス4により、電力が、周期的に変動する波形(例えば、交流、脈流など)として取り出される。
【0041】
焦電効果は、例えば、絶縁体(誘電体)などを加熱および冷却する時に、その温度変化に応じて絶縁体が電気分極する効果(現象)であって、第1効果および第2効果を含んでいる。
【0042】
第1効果は、絶縁体の加熱時および冷却時において、その温度変化により自発分極し、絶縁体の表面に、電荷を生じる効果とされている。
【0043】
また、第2効果は、絶縁体の加熱時および冷却時において、その温度変化により結晶構造に圧力変形が生じ、結晶構造に加えられる応力または歪みにより、圧電分極を生じる効果(ピエゾ効果、圧電効果)とされている。
【0044】
このような焦電効果により電気分極するデバイスとしては、特に制限されず、公知の焦電素子を用いることができる。
【0045】
第1デバイス3として焦電素子が用いられる場合には、焦電素子は、排ガスに接触(曝露)されるように、箱型空間33内に配置される。
【0046】
このような場合において、焦電素子は、排ガスの経時的な温度変化により、加熱または冷却され、その焦電効果(第1効果および第2効果を含む)により、電気分極する。これにより、詳しくは後述するが、第2デバイス4を介して、焦電素子から電力が取り出される。
【0047】
また、このような焦電素子は、通常、加熱状態または冷却状態が維持され、その温度が一定になると、電気分極が中和され、その後、冷却または加熱されることにより、再度、電気分極する。
【0048】
そのため、上記したように排ガスが周期的に温度変化し、高温状態と低温状態とが周期的に繰り返される場合などには、焦電素子が周期的に繰り返し加熱および冷却されるため、焦電素子の電気分極およびその中和が、周期的に繰り返される。
【0049】
その結果、後述する第2デバイス4により、電力が、周期的に変動する波形(例えば、交流、脈流など)として取り出される。
【0050】
これら第1デバイス3は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0051】
このような第1デバイス3として、具体的には、上記したように、公知の焦電素子(例えば、BaTiO、CaTiO、(CaBi)TiO、BaNdTi14、BaSmTi12、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti)O)など)、公知のピエゾ素子(例えば、水晶(SiO)、酸化亜鉛(ZnO)、ロッシェル塩(酒石酸カリウム−ナトリウム)(KNaC)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti)O)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、リチウムテトラボレート(Li)、ランガサイト(LaGaSiO14)、窒化アルミニウム(AlN)、電気石(トルマリン)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など)、Ca(VO、Ca(VO/Ni、LiNbO、LiNbO/Ni、LiTaO、LiTaO/Ni、Li(Nb0.4Ta0.6)O、Li(Nb0.4Ta0.6)O/Ni、Ca{(Nb,Ta)O、Ca{(Nb,Ta)O/Niなどを用いることができる。
【0052】
また、第1デバイス3としては、さらに、LaNbO、LiNbO、KNbO、MgNbO、CaNbO、(K1/2Na1/2)NbO、(Bi1/21/4Na1/4)NbO、(Sr1/100(K1/2Na1/299/100)NbO、(Ba1/100(K1/2Na1/299/100)NbO、(Li1/10(K1/2Na1/29/10)NbOなどの誘電体を用いることもできる。
【0053】
これら第1デバイス3は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0054】
第1デバイス3のキュリー点は、例えば、−77℃以上、好ましくは、−10℃以上であり、例えば、1300℃以下、好ましくは、900℃以下である。
【0055】
また、第1デバイス3(絶縁体(誘電体))の比誘電率は、例えば、1以上、好ましくは、100以上、より好ましくは、2000以上である。
【0056】
このような車載発電システム1では、第1デバイス3(絶縁体(誘電体))の比誘電率が高いほど、エネルギー変換効率が高く、高電圧で電力を取り出すことができるが、第1デバイス3の比誘電率が上記下限未満であれば、エネルギー変換効率が低く、得られる電力の電圧が低くなる場合がある。
【0057】
なお、第1デバイス3(絶縁体(誘電体))は、排ガスの温度変化によって電気分極するが、その電気分極は、電子分極、イオン分極および配向分極のいずれでもよい。
【0058】
例えば、配向分極によって分極が発現する材料(例えば、液晶材料など)では、その分子構造を変化させることにより、発電効率の向上を図ることができるものと期待されている。
【0059】
このような第1デバイス3は、排気管15内、具体的には、デバイス分岐管31に介装される箱型空間33内において、例えば、互いに間隔を隔てて複数整列配置され、第2デバイス4(および必要により設けられる固定部材(図示せず))により、固定されている。なお、上記したように、図1においては、1つの第1デバイス3を取り出して示し、その他の第1デバイス3については省略している。
【0060】
これにより、第1デバイス3は、箱型空間33内において、第2デバイス4を介して、排ガスに接触(曝露)可能とされている。
【0061】
第2デバイス4は、第1デバイス3から電力を取り出すために設けられる。
【0062】
このような第2デバイス4は、より具体的には、特に制限されないが、例えば、上記の第1デバイス3を挟んで対向配置される2つの電極(例えば、銅電極、銀電極など)、例えば、それら電極に接続される導線などを備えており、第1デバイス3に電気的に接続されている。
【0063】
また、第2デバイス4は、必要により、昇圧器(図示せず)、交流/直流変換器(AC−DCコンバーター)(図示せず)などを介して、バッテリー9に、電気的に接続されている。
【0064】
温度センサ5は、第1デバイス3の温度を検知するため、各第1デバイス3に対応して、第1デバイス3に近接または接触して複数設けられる。温度センサ5は、第1デバイス3の温度として、第1デバイス3の表面温度を直接検知するか、または、第1デバイス3の周囲の雰囲気温度を検知する。温度センサ5としては、例えば、赤外放射温度計や、熱電対温度計などの公知の温度センサが用いられる。
【0065】
切替弁7は、排気管15における排ガスの流速を調整するために設けられており、具体的には、排気管15内の排ガスの流速をエンジン11からの排気速度とするか、排ガスの流れを停止させるかを切り替えるために、第1デバイス3よりも上流側に設けられている。
【0066】
より具体的には、切替弁7は、主排気管28を通過した排ガスが、第1のデバイス分岐管31aのみを通過する位置と、第2のデバイス分岐管31bのみを通過する位置と、バイパス分岐管32のみを通過する位置とを切り替える四方弁であって、下流側分岐管29が分岐される分岐部分(すなわち、主排気管28と各下流側分岐管29との接続部分)に設けられている。
【0067】
このような切替弁7は、その切り替えによって、デバイス分岐管31a、デバイス分岐管31bおよびバイパス分岐管32の内のいずれか1つを開状態とするとともに、その他の2つを閉状態とすることができる。
【0068】
具体的には、切替弁7は、第1のデバイス分岐管31aを開通させるとともに、第2のデバイス分岐管31bおよびバイパス分岐管32を閉塞させることができ、これにより、排ガスを第1のデバイス分岐管31aのみに供給することができる。この場合、第1のデバイス分岐管31a内の第1デバイス3に、排ガスが供給される。
【0069】
また、切替弁7は、第2のデバイス分岐管31bを開通させるとともに、第1のデバイス分岐管31aおよびバイパス分岐管32を閉塞させることができ、これにより、排ガスを第2のデバイス分岐管31bのみに供給することができる。この場合、第2のデバイス分岐管31b内の第1デバイス3に、排ガスが供給される。
【0070】
また、切替弁7は、バイパス分岐管32を開通させるとともに、第1のデバイス分岐管31aおよび第2のデバイス分岐管31bを閉塞させることができ、これにより、排ガスをバイパス分岐管32のみに供給することができる。この場合、第1のデバイス分岐管31aおよび第2のデバイス用分岐管31b内の第1デバイス3は、排ガスから回避される。
【0071】
このように、切替弁7は、その切り替えによって、排ガスの流れ方向を、第1デバイス3に向かって流れる方向と、第1デバイス3を回避する方向とに変更可能としている。
【0072】
制御ユニット8は、車載発電システム1における電気的な制御を実行するユニット(例えば、ECU:Electronic Control Unit)であり、CPU、ROMおよびRAMなどを備えるマイクロコンピュータから構成されている。
【0073】
この制御ユニット8は、図1において破線で示すように、各温度センサ5に電気的に接続されるとともに、切替弁7に電気的に接続されており、後述するように、各温度センサ5による温度検知に基づいて、切替弁7を作動可能としている。
2.発電方法
以下において、上記した車載発電システム1を用いた発電方法について、詳述する。
【0074】
この車載発電システム1では、エンジン11の駆動により、各気筒において、ピストンの昇降運動が繰り返され、吸気工程、圧縮工程、爆発工程および排気工程が順次実施され、その温度が経時的に上下される。
【0075】
より具体的には、例えば、上流側分岐管18aに接続される気筒、および、上流側分岐管18cに接続される気筒の2つの気筒において、ピストンが連動し、吸気工程、圧縮工程、爆発工程および排気工程が、同位相で実施される。これにより、燃料が燃焼され、動力が出力されるとともに、高温の排気ガスが、上流側分岐管18aおよび上流側分岐管18cの内部を排気工程において通過する。
【0076】
このとき、エンジン11の熱が、排気ガスを介して伝達され、排気ガスの温度(上流側分岐管18aおよび上流側分岐管18cの内部温度)は、排気工程において上昇する。一方、その他の工程(吸気工程、圧縮工程、爆発工程)では、排気ガス量が低減されるので、排気ガスの温度(上流側分岐管18aおよび上流側分岐管18cの内部温度)は下降する。
【0077】
このように、排気ガスの温度は、排気工程において上昇し、吸気工程、圧縮工程および爆発工程において下降し、つまり、経時的に上下する。
【0078】
とりわけ、上記の各工程は、ピストンサイクルに応じて、周期的に順次繰り返されるため、排気ガスは、上記の各工程の繰り返しの周期に伴って、周期的に温度変化、より具体的には、高温状態と低温状態とが、周期的に繰り返される。
【0079】
一方、それら2つの気筒とはタイミングを異にして、上流側分岐管18bに接続される気筒、および、上流側分岐管18dに接続される気筒の2つの気筒において、ピストンが連動し、吸気工程、圧縮工程、爆発工程および排気工程が、同位相で実施される。これにより、燃料が燃焼され、動力が出力されるとともに、上流側分岐管18aおよび上流側分岐管18cとは異なるタイミングにおいて、高温の排気ガスが、上流側分岐管18bおよび上流側分岐管18dの内部を排気工程において通過する。
【0080】
このとき、エンジン11の熱が、排気ガスを介して伝達され、排気ガスの温度(上流側分岐管18bおよび上流側分岐管18dの内部温度)は、排気工程において上昇する。一方、その他の工程(吸気工程、圧縮工程、爆発工程)では、排気ガス量が低減されるので、排気ガスの温度(上流側分岐管18bおよび上流側分岐管18dの内部温度)は下降する。
【0081】
このように、排気ガスの温度は、排気工程において上昇し、吸気工程、圧縮工程および爆発工程において下降し、つまり、経時的に上下する。
【0082】
とりわけ、上記の各工程は、ピストンサイクルに応じて、周期的に順次繰り返されるため、排気ガスは、上記の各工程の繰り返しの周期に伴って、周期的に温度変化、より具体的には、高温状態と低温状態とが、周期的に繰り返される。
【0083】
この周期的な温度変化は、上流側分岐管18aおよび上流側分岐管18cの周期的な温度変化とは、周期が同じである一方、位相が異なる。
【0084】
そして、このようにしてエンジン11の各気筒から排出される排ガスは、エキゾーストマニホールド17の各上流側分岐管18に導入され、集気管19において集気されることにより温度が、幾分、平滑化される。その後、排ガスは、触媒搭載部12を通過するとともに触媒により浄化され、エキゾーストパイプ13を介して、下流側分岐管29に供給される。
【0085】
なお、下流側分岐管29における排ガスの温度は、例えば、自動車10の運転状態(エンジン11の駆動状態)などに応じて、経時的に上下する。
【0086】
具体的には、自動車10では、エンジン11の駆動および停止が経時的に繰り返され、これにより、自動車10の走行および停止が制御される。
【0087】
このような場合、エンジン11の駆動時には、エンジン11の温度は高温状態とされ、また、エンジン11の停止時には、エンジン11の温度は低温状態とされる。
【0088】
また、エンジン11の温度は、例えば、自動車10の走行時における負荷(車両重量、路面の傾斜度合など)や、車速、アクセル開度、エンジン11の回転数、吸気系における吸気圧および吸入空気量、燃料流量、さらには、空燃比(吸入空気量/燃料流量)などによっても変化し、経時的に上下する。
【0089】
このとき、エンジン11の熱が排ガスを介して伝達されるため、排ガスの温度(下流側分岐管29の内部温度)は、エンジン11の状態に応じて、経時的に上下する。
【0090】
このような車載発電システム1において、内燃機関2(エンジン11)および排ガスの温度は、高温状態における温度が、例えば、200〜1200℃、好ましくは、700〜900℃であり、低温状態における温度が、上記の高温状態における温度未満、より具体的には、例えば、100〜800℃、好ましくは、200〜500℃であり、高温状態と低温状態との温度差が、例えば、10〜600℃、好ましくは、20〜500℃である。
【0091】
そして、この車載発電システム1では、上記したように、デバイス分岐管31内に、第1デバイス3が配置されている。
【0092】
そのため、例えば、切替弁7の切り替えによって、第1のデバイス分岐管31aを開通させるとともに、第2のデバイス分岐管31bおよびバイパス分岐管32を閉塞させると、エンジン11(内燃機関2)から排出される排ガスが、第1のデバイス分岐管31aに導入される。
【0093】
これにより、第1のデバイス分岐管31a内において、第1デバイス3に排ガスが供給され、第1デバイス3が、第2デバイス4を介して排ガスに接触(曝露)され、加熱および/または冷却される。
【0094】
また、上記と同様に、切替弁7の切り替えによって、第2のデバイス分岐管31bを開通させるとともに、第1のデバイス分岐管31aおよびバイパス分岐管32を閉塞させると、エンジン11(内燃機関2)から排出される排ガスが、第2のデバイス分岐管31bに導入される。
【0095】
これにより、第2のデバイス分岐管31b内において、第1デバイス3に排ガスが供給され、第1デバイス3が、第2デバイス4を介して排ガスに接触(曝露)され、加熱および/または冷却される。
【0096】
すなわち、切替弁7の制御によって、第1のデバイス分岐管31aまたは第2のデバイス分岐管31bを開通させると、第1デバイス3が、エンジン11(内燃機関2)、および、そのエンジン11の熱を伝達する排ガスの経時的な温度変化により、加熱および/または冷却される。
【0097】
そして、これにより、第1デバイス3を、周期的に高温状態または低温状態にすることができ、第1デバイス3を、その素子(例えば、ピエゾ素子、焦電素子など)に応じた効果(例えば、ピエゾ効果、焦電効果など)により、電気分極させることができる。
【0098】
そのため、この車載発電システム1では、第2デバイス4を介して、各第1デバイス3から電力を周期的に変動する波形(例えば、交流、脈流など)として、取り出すことができる。
【0099】
その後、この方法では、例えば、図1において点線で示すように、上記により得られた電力を、必要により第2デバイス4に接続される昇圧器(図示せず)で昇圧し、交流/直流変換器(図示せず)において直流電圧に変換した後、バッテリー9に蓄電する。
【0100】
バッテリー9に蓄電された電力は、自動車10や、自動車10に搭載される各種電気部品の動力などとして、適宜、用いることができる。
3.切替弁の制御
上記したように、この車載発電システム1では、第1デバイス3が、エンジン11(内燃機関2)、および、そのエンジン11の熱を伝達する排ガスの経時的な温度変化により、加熱および/または冷却され、発電される。
【0101】
しかし、本実施形態では、分岐管18から排出される排ガスが、集気管19において幾分平滑化されており、また、第1デバイス3は、分岐管18内ではなく、集気管19の下流側である下流側分岐管29内に配置されている。また、車載発電システム1が搭載される自動車10の走行条件によっては、エンジン11(内燃機関2)、および、そのエンジン11の熱を伝達する排ガスの温度変化量(ΔT)や、温度変化速度(昇温速度および降温速度)が小さくなる場合がある。その結果、第1デバイス3の発電効率が不十分となる場合がある。
【0102】
そこで、上記の車載発電システム1では、切替弁7の切り替えによって、発電効率の向上を図る。
【0103】
より具体的には、この車載発電システム1では、例えば、切替弁7の制御により、まず、デバイス分岐管31aを開通させるとともに、デバイス分岐管31bおよびバイパス分岐管32を閉塞させる。これにより、排ガスがデバイス分岐管31aに案内される。
【0104】
また、これとともに、この車載発電システム1では、温度センサ5によって、デバイス分岐管31a内の第1デバイス3の温度が検知され、制御ユニット8に電気信号として入力される。
【0105】
そして、制御ユニット8において、第1デバイス3の温度変化速度(昇温速度および降温速度)が、所定値(例えば、2℃/秒)以上であるか否かが判断される。
【0106】
このとき、第1デバイス3の温度変化速度(昇温速度および降温速度)が、所定値以上と判断される場合には、デバイス分岐管31aの開通状態が継続され、発電が継続される。
【0107】
一方、第1デバイス3の温度変化速度(昇温速度および降温速度)が、所定値(例えば、2℃/秒)未満である場合には、切替弁7の制御により、デバイス分岐管31aを断続的に閉塞し、閉塞状態と開通状態とを周期的に繰り返す。また、これに対応するように、デバイス分岐管31bを断続的に開通させ、閉塞状態と開通状態とを周期的に繰り返す。
【0108】
これにより、排ガスが、デバイス分岐管31aとデバイス分岐管31bとに交互に供給される。そして、排ガスの流れが相対的に多くなるタイミングでは、そのデバイス分岐管31内の第1デバイス3が加熱され、一方、排ガスの流れが相対的に少なくなるタイミングでは、第1デバイス3が放冷(冷却)される。
【0109】
つまり、上記の車載発電システム1によれば、デバイス分岐管31内の排ガスの流れが相対的に多くなることによる第1デバイス3の加熱と、その排ガスの流れが相対的に少なくなることによる第1デバイス3の冷却とが、切替弁7によって切り替えられる。
【0110】
その結果、上記の車載発電システム1によれば、第1デバイス3の加熱および冷却を制御することができ、発電効率の向上を図ることができる。
【0111】
また、この車載発電システム1では、自動車10の走行条件によっては、例えば、デバイス分岐管31内の第1デバイス3が過度に加熱され、第1デバイス3に損傷を生じる場合がある。より具体的には、第1デバイス3がそのキュリー点以上に加熱された状態で維持されると、第1デバイスに損傷を生じ、発電性能の低下を惹起する場合がある。
【0112】
このような場合、この車載発電システム1では、温度センサ5によって第1デバイス3の温度が所定値(例えば、キュリー点)以上であると検知されるときには、切替弁7の制御により、デバイス分岐管31aおよびデバイス分岐管31bを閉塞し、バイパス分岐管32を開通させる。これにより、第1デバイス3を回避する方向に排ガスを流すことができ、第1デバイス3の損傷を抑制することができる。
4.第2実施形態
上記した説明では、第1デバイス3に対する排ガスの流れを相対的に少なくすることにより放冷(冷却)したが、例えば、第1デバイス3を強制的に冷却することもできる。
【0113】
この実施形態では、図2に示すように、車載発電システム1は、各デバイス分岐管31における第1デバイス3よりも上流側において、空気などの冷却媒体を第1デバイス3に供給するための冷却手段としての冷却装置35を備えている。
【0114】
冷却装置35は、冷却媒体(空気)を第1デバイス3に供給するための空気供給管40を備えている。
【0115】
空気供給管40は、その上流側端部が大気中に開放されており、流れ方向途中において、デバイス分岐管31に対応するように、デバイス分岐管31と同数(2つ)に分岐されている。また、分岐された空気供給管40の各下流側端部は、各デバイス分岐管31における第1デバイス3よりも上流側に接続されている。
【0116】
また、空気供給管40の分岐部分には、空気供給ポンプ42が介在されている。
【0117】
空気供給ポンプ42としては、例えば、エアコンプレッサなど、公知の送気ポンプが用いられる。空気供給ポンプ42は、制御ユニット8に電気的に接続されている(破線参照)。これにより、制御ユニット8からの制御信号が、空気供給ポンプ42に入力され、制御ユニット8が、空気供給ポンプ42の駆動および停止を制御する。
【0118】
また、空気供給管40において空気供給ポンプ42の下流側には、空気供給弁43が設けられている。
【0119】
空気供給弁43は、空気供給管40を開閉するための弁であって、例えば、電磁弁など、公知の開閉弁が用いられる。また、空気供給弁43は、制御ユニット8に電気的に接続されている(破線参照)。これにより、制御ユニット8からの制御信号が空気供給弁43に入力され、制御ユニット8が、空気供給弁43の開閉を制御する。
【0120】
そして、この車載発電システム1では、上記したように、温度センサ5によって第1デバイス3の温度を検知し、第1デバイス3の温度変化速度(昇温速度および降温速度)が、所定値(例えば、2℃/秒)未満である場合には、切替弁7の制御により、デバイス分岐管31aを断続的に閉塞し、閉塞状態と開通状態とを周期的に繰り返す。また、これに対応するように、デバイス分岐管31bを断続的に開通させ、閉塞状態と開通状態とを周期的に繰り返す。
【0121】
これにより、排ガスが、デバイス分岐管31aとデバイス分岐管31bとに交互に供給される。
【0122】
また、このとき、制御ユニット8によって、空気供給ポンプ42の駆動、および、空気供給弁43の開閉を制御し、排ガスが供給されない側のデバイス分岐管31(デバイス分岐管31aまたはデバイス分岐管31b)に対して、冷却媒体(空気)を供給する。
【0123】
これにより、第1デバイス3に対する排ガスの流れが相対的に少なくなるタイミングでは、第1デバイス3が放冷されるだけでなく、冷却媒体(空気)により強制的に冷却される。
【0124】
そのため、上記の車載発電システム1では、デバイス分岐管31内の排ガスの流れが相対的に多くなるタイミングにおける第1デバイス3の温度(加熱状態温度)と、その排ガスの流れが相対的に少なくなるタイミングにおける第1デバイス3の温度(冷却状態温度)との差が、より大きくなる。
【0125】
その結果、上記の車載発電システム1によれば、より一層、第1デバイス3の加熱および冷却を制御することができ、発電効率の向上を図ることができる。
【0126】
なお、上記した説明では、第1デバイス3の温度を温度センサ5により検知し、その温度に基づいて切替弁7を切り替えているが、温度センサ5を用いなくともよく、例えば、第1デバイス3の温度によらず、車載発電システム1の稼働中には常時、切替弁7を切り替え、排ガスをデバイス分岐管31aとデバイス分岐管31bとに交互に供給することもできる。
【0127】
また、上記した説明では、排ガスの流速を調整するための調整手段として、排ガスの流速をエンジン11からの排気速度とするか、排ガスの流れを停止させるかを切り替える切替弁7を用いたが、例えば、デバイス分岐管31a、デバイス分岐管31bおよびバイパス分岐管32の開度を任意に調整することができる調整弁を用いることもできる。
【0128】
また、上記した説明では、デバイス分岐管31として、第1のデバイス分岐管31aと第2のデバイス分岐管31bとの2つを用いたが、デバイス分岐管31の数は、特に制限されず、1つであってもよく、また3つ以上であってもよい。
5.第3実施形態
上記した説明では、切替弁7によって排ガスの流れを制御するとともに、冷却装置35によって冷却媒体(空気)を供給し、第1デバイス3を強制的に冷却したが、例えば、切替弁7によって排ガスの流れを調整することなく、冷却装置35のみによって、第1デバイス3を強制的に冷却することもできる。
【0129】
この実施形態では、図3に示すように、触媒搭載部12の下流側において排気管15が分岐されることなく、第1デバイス3が排気管15内に配置されており、また、第1デバイス3よりも上流側において、上記の第2実施形態と同様に、空気などの冷却媒体を第1デバイス3に供給するための冷却手段としての冷却装置35を備えている。
【0130】
そして、この車載発電システム1では、エンジン11の温度は、例えば、自動車10の走行時における負荷(車両重量、路面の傾斜度合など)や、車速、アクセル開度、エンジン11の回転数、吸気系における吸気圧および吸入空気量、燃料流量、さらには、空燃比(吸入空気量/燃料流量)などによっても変化し、経時的に上下する。
【0131】
このとき、エンジン11の熱が排ガスを介して伝達されるため、排ガスの温度(下流側分岐管29の内部温度)は、エンジン11の状態に応じて、経時的に上下する。
【0132】
そして、この車載発電システム1では、排気管15内に第1デバイス3が配置されているため、第1デバイス3に排ガスが供給され、第1デバイス3が、第2デバイス4を介して排ガスに接触(曝露)され、加熱および/または冷却される。
【0133】
しかし、上記と同様に、本実施形態でも、分岐管18から排出される排ガスが、集気管19において幾分平滑化されており、また、第1デバイス3は、分岐管18内ではなく、集気管19の下流側である下流側分岐管29内に配置されている。また、車載発電システム1が搭載される自動車10の走行条件によっては、エンジン11(内燃機関2)、および、そのエンジン11の熱を伝達する排ガスの温度変化量(ΔT)や、温度変化速度(昇温速度および降温速度)が小さくなる場合がある。その結果、第1デバイス3の発電効率が不十分となる場合がある。
【0134】
そこで、この車載発電システム1では、冷却装置35の制御によって、発電効率の向上を図る。
【0135】
すなわち、この車載発電システム1では、上記したように、温度センサ5によって第1デバイス3の温度を検知し、第1デバイス3の温度変化速度(昇温速度および降温速度)が、所定値(例えば、2℃/秒)未満である場合には、制御ユニット8によって、空気供給ポンプ42の駆動、および、空気供給弁43の開閉を制御し、排気管15に対して冷却媒体(空気)を断続的に供給する。
【0136】
これにより、第1デバイス3は、冷却媒体(空気)が供給されるタイミングでは冷却媒体(空気)により冷却され、また、冷却媒体(空気)が供給されないタイミングでは排ガスにより加熱される。
【0137】
その結果、上記の車載発電システム1によれば、第1デバイス3の加熱および冷却を制御することができ、発電効率の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0138】
1 車載発電システム
2 内燃機関
3 第1デバイス
4 第2デバイス
7 切替弁
8 制御ユニット
11 エンジン
15 排気管
図1
図2
図3