(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記トランジスタを形成する工程は、前記第1素子形成領域に、前記第1トランジスタと直列に接続される第3トランジスタを形成し、前記第2素子形成領域に、前記第2トランジスタと直列に接続される第4トランジスタを形成する工程を含み、
前記ゲート電極を形成する工程は、前記ダブルパターニングにより、前記第1素子形成領域に配置されて前記第1方向に沿って延在する第3ゲート電極と、前記第2素子形成領域に配置されて前記第1方向に沿って延在する第4ゲート電極とを形成する工程を含む、請求項7記載の半導体装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1に係る半導体装置を示す平面図である。
【
図2】同実施の形態において、半導体装置の断面構造を示す図であり、
図2(a)は、
図1に示す断面線IIa−IIaにおける断面図であり、
図2(b)は、
図1に示す断面線IIb−IIbにおける断面図である。
【
図3】同実施の形態において、半導体装置の製造方法の一工程を示す平面図である。
【
図4】同実施の形態において、
図3に示す工程における断面図であり、
図4(a)は、
図3に示す断面線IVa−IVaにおける断面図であり、
図4(b)は、
図3に示す断面線IVb−IVbにおける断面図である。
【
図5】同実施の形態において、
図3および
図4に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、
図5(a)は、
図3に示す断面線IVa−IVaに対応する断面線における断面図であり、
図5(b)は、
図3に示す断面線IVb−IVbに対応する断面線における断面図である。
【
図6】同実施の形態において、
図5に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、
図6(a)は、
図3に示す断面線IVa−IVaに対応する断面線における断面図であり、
図6(b)は、
図3に示す断面線IVb−IVbに対応する断面線における断面図である。
【
図7】同実施の形態において、
図6に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、
図7(a)は、
図3に示す断面線IVa−IVaに対応する断面線における断面図であり、
図7(b)は、
図3に示す断面線IVb−IVbに対応する断面線における断面図である。
【
図8】同実施の形態において、
図7に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、
図8(a)は、
図3に示す断面線IVa−IVaに対応する断面線における断面図であり、
図8(b)は、
図3に示す断面線IVb−IVbに対応する断面線における断面図である。
【
図9】同実施の形態において、
図8に示す工程の後に行われる工程を示す平面図である。
【
図10】同実施の形態において、
図9に示す工程における断面図であり、
図10(a)は、
図9に示す断面線Xa−Xaにおける断面図であり、
図10(b)は、
図9に示す断面線Xb−Xbにおける断面図である。
【
図11】同実施の形態において、
図9および
図10に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、
図11(a)は、
図9に示す断面線Xa−Xaに対応する断面線における断面図であり、
図11(b)は、
図9に示す断面線Xb−Xbに対応する断面線における断面図である。
【
図12】同実施の形態において、
図11に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、
図12(a)は、
図9に示す断面線Xa−Xaに対応する断面線における断面図であり、
図12(b)は、
図9に示す断面線Xb−Xbに対応する断面線における断面図である。
【
図13】同実施の形態において、
図12に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、
図13(a)は、
図9に示す断面線Xa−Xaに対応する断面線における断面図であり、
図13(b)は、
図9に示す断面線Xb−Xbに対応する断面線における断面図である。
【
図14】同実施の形態において、
図13に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、
図14(a)は、
図9に示す断面線Xa−Xaに対応する断面線における断面図であり、
図14(b)は、
図9に示す断面線Xb−Xbに対応する断面線における断面図である。
【
図15】比較例に係る半導体装置を示す平面図である。
【
図16】比較例に係る半導体装置の断面構造を示す図であり、
図16(a)は、
図15に示す断面線XVIa−XVIaにおける断面図であり、
図16(b)は、
図15に示す断面線XVIb−XVIbにおける断面図である。
【
図17】比較例に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図であり、
図17(a)は、
図15に示す断面線XVIa−XVIaに対応する断面線における断面図であり、
図17(b)は、
図15に示す断面線XVIb−XVIbに対応する断面線における断面図である。
【
図18】
図17に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、
図18(a)は、
図15に示す断面線XVIa−XVIaに対応する断面線における断面図であり、
図18(b)は、
図15に示す断面線XVIb−XVIbに対応する断面線における断面図である。
【
図19】
図18に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、
図19(a)は、
図15に示す断面線XVIa−XVIaに対応する断面線における断面図であり、
図19(b)は、
図15に示す断面線XVIb−XVIbに対応する断面線における断面図である。
【
図20】
図19に示す工程の後に行われる工程を示す平面図である。
【
図21】
図17に示す工程および
図18に示す工程において、アライメントのずれが生じた場合における、ゲート電極の配置関係の一例を示す平面図である。
【
図22】
図21に示す場合における、比較例に係る半導体装置を示す平面図である。
【
図23】同実施の形態において、
図6および
図7に示す工程において、アライメントのずれが生じた場合における半導体装置を示す平面図である。
【
図24】同実施の形態において、作用効果を説明するための、比較例に係る半導体装置のドレイン拡散容量とゲート・コンタクト間容量を示す第1の図である。
【
図25】同実施の形態において、作用効果を説明するための、比較例に係る半導体装置のドレイン拡散容量とゲート・コンタクト間容量を示す第2の図である。
【
図26】同実施の形態において、作用効果を説明するための、比較例に係る半導体装置のドレイン拡散容量とゲート・コンタクト間容量を示す第3の図である。
【
図27】同実施の形態において、作用効果を説明するための半導体装置のドレイン拡散容量とゲート・コンタクト間容量を示す図である。
【
図28】実施の形態2に係る半導体装置を示す平面図である。
【
図29】同実施の形態において、半導体装置の断面構造を示す図であり、
図29(a)は、
図28に示す断面線XXIXa−XXIXaにおける断面図であり、
図29(b)は、
図28に示す断面線XXIXb−XXIXbにおける断面図である。
【
図30】同実施の形態において、半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図であり、
図30(a)は、
図28に示す断面線XXIXa−XXIXaに対応する断面線における断面図であり、
図30(b)は、
図28に示す断面線XXIXb−XXIXbに対応する断面線における断面図である。
【
図31】同実施の形態において、
図30に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、
図31(a)は、
図28に示す断面線XXIXa−XXIXaに対応する断面線における断面図であり、
図31(b)は、
図28に示す断面線XXIXb−XXIXbに対応する断面線における断面図である。
【
図32】同実施の形態において、
図31に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、
図32(a)は、
図28に示す断面線XXIXa−XXIXaに対応する断面線における断面図であり、
図32(b)は、
図28に示す断面線XXIXb−XXIXbに対応する断面線における断面図である。
【
図33】同実施の形態において、
図32に示す工程の後の行われる工程を示す平面図である。
【
図34】同実施の形態において、
図33に示す工程における断面図であり、
図34(a)は、
図33に示す断面線XXXIVa−XXXIVaにおける断面図であり、
図34(b)は、
図33に示す断面線XXXIVb−XXXIVbにおける断面図である。
【
図35】他の比較例に係る半導体装置を示す平面図である。
【
図36】
図35に示す断面線XXXVI−XXXVIにおける断面図である。
【
図37】他の比較例に係る半導体装置において、アライメントのずれが生じた場合における、ゲート電極の配置関係を示す第1の平面図である。
【
図38】他の比較例に係る半導体装置において、アライメントのずれが生じた場合における、ゲート電極の配置関係を示す第2の平面図である。
【
図39】他の比較例に係る半導体装置において、アライメントのずれが生じた場合における、ゲート電極の配置関係を示す第3の平面図である。
【
図40】他の比較例に係る半導体装置において、アライメントのずれが生じた場合における、ゲート電極の配置関係を示す第4の平面図である。
【
図41】同実施の形態において、
図30および
図31に示す工程において、アライメントのずれが生じた場合における半導体装置を示す第1の平面図である。
【
図42】同実施の形態において、
図30および
図31に示す工程において、アライメントのずれが生じた場合における半導体装置を示す第2の平面図である。
【
図43】同実施の形態において、
図30および
図31に示す工程において、アライメントのずれが生じた場合における半導体装置を示す第3の平面図である。
【
図44】同実施の形態において、
図30および
図31に示す工程において、アライメントのずれが生じた場合における半導体装置を示す第4の平面図である。
【
図45】実施の形態3において、第1例に係る半導体装置のインバータ回路を示す図である。
【
図46】同実施の形態において、第1例に係る半導体装置を示す平面図である。
【
図47】同実施の形態において、第1例に係る半導体装置の断面構造を示す図であり、
図47(a)は、
図46に示す断面線XLVIIa−XLVIIaにおける断面図であり、
図47(b)は、
図46に示す断面線XLVIIb−XLVIIbにおける断面図である。
【
図48】同実施の形態において、半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図であり、
図48(a)は、
図46に示す断面線XLVIIa−XLVIIaに対応する断面線における断面図であり、
図48(b)は、
図46に示す断面線XLVIIb−XLVIIbに対応する断面線における断面図である。
【
図49】同実施の形態において、
図48に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、
図49(a)は、
図46に示す断面線XLVIIa−XLVIIaに対応する断面線における断面図であり、
図49(b)は、
図46に示す断面線XLVIIb−XLVIIbに対応する断面線における断面図である。
【
図50】同実施の形態において、
図49に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、
図50(a)は、
図46に示す断面線XLVIIa−XLVIIaに対応する断面線における断面図であり、
図50(b)は、
図46に示す断面線XLVIIb−XLVIIbに対応する断面線における断面図である。
【
図51】同実施の形態において、
図50に示す工程の後に行われる工程を示す平面図である。
【
図52】同実施の形態において、
図51に示す工程における断面図であり、
図52(a)は、
図51に示す断面線LIIa−LIIaにおける断面図であり、
図52(b)は、
図51に示す断面線LIIb−LIIbにおける断面図である。
【
図53】同実施の形態において、第2例に係る半導体装置のインバータ回路を示す図である。
【
図54】同実施の形態において、第2例に係る半導体装置を示す平面図である。
【
図55】同実施の形態において、第2例に係る半導体装置の断面構造を示す図であり、
図55(a)は、
図54に示す断面線LVa−LVaにおける断面図であり、
図55(b)は、
図54に示す断面線LVb−LVbにおける断面図である。
【
図56】同実施の形態において、第3例に係る半導体装置のインバータ回路を示す図である。
【
図57】同実施の形態において、第3例に係る半導体装置を示す平面図である。
【
図58】同実施の形態において、第4例に係る半導体装置のインバータ回路を示す図である。
【
図59】同実施の形態において、第4例に係る半導体装置を示す平面図である。
【
図60】実施の形態4において、第1例に係る半導体装置を示す平面図である。
【
図61】同実施の形態において、アライメントのずれが生じた場合における第1例に係る半導体装置を示す平面図である。
【
図62】さらに他の比較例に係る半導体装置を示す平面図である。
【
図63】同実施の形態において、第2例に係る半導体装置を示す平面図である。
【
図64】同実施の形態において、アライメントのずれが生じた場合における第2例に係る半導体装置を示す第1の平面図である。
【
図65】同実施の形態において、アライメントのずれが生じた場合における第2例に係る半導体装置を示す第2の平面図である。
【
図66】同実施の形態において、アライメントのずれが生じた場合における第2例に係る半導体装置を示す第3の平面図である。
【
図67】同実施の形態において、アライメントのずれが生じた場合における第2例に係る半導体装置を示す第4の平面図である。
【
図68】各実施の形態において、ゲート配線の接続部分を説明するための第1の部分平面図である。
【
図69】各実施の形態において、ゲート配線の接続部分を説明するための第2の部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1
ここでは、一つのトランジスタをゲート電極(配線)のゲート幅方向に、一のトランジスタと他のトランジスタとに2等分割した半導体装置について説明する。
【0016】
図1および
図2に示すように、半導体基板SUBの表面では、素子分離絶縁膜ELによって、第1素子形成領域EFAおよび第2素子形成領域EFBが規定されている。第1素子形成領域EFAには、分割された一のトランジスタとして第1トランジスタTRAが形成されている。第2素子形成領域EFBには、分割された他のトランジスタとして第2トランジスタTRBが形成されている。
【0017】
第1トランジスタTRAは、ゲート電極GEA、ソース領域SAおよびドレイン領域DAを有する。ゲート電極GEAは、第1素子形成領域EFAを横切るように形成されている。ソース領域SAは、ゲート電極GEAに対してX方向(負)側に位置する第1素子形成領域EFAの部分に形成され、ドレイン領域DAは、ゲート電極GEAに対してX方向(正)側に位置する第1素子形成領域EFAの部分に形成されている。
【0018】
第2トランジスタTRBは、ゲート電極GEB、ソース領域SBおよびドレイン領域DBを有する。ゲート電極GEBは、第2素子形成領域EFBを横切るように形成されている。ソース領域SBは、ゲート電極GEBに対してX方向(負)側に位置する第2素子形成領域EFBの部分に形成され、ドレイン領域DBは、ゲート電極GEBに対してX方向(正)側に位置する第2素子形成領域EFBの部分に形成されている。ゲート電極GEAとゲート電極GEBとは互いに繋がっており、ゲート配線GHの一部をなす。
【0019】
第1トランジスタTRAおよび第2トランジスタTRBを覆うように、ストレスライナー膜LNおよび層間酸化膜ILが形成されている。層間酸化膜IL等を貫通するようにプラグPGが形成されている。層間酸化膜の表面に複数の配線Wが形成されている。ソース領域SAとソース領域SBとは、プラグPGおよび一の配線Wを介して電気的に接続されている。ドレイン領域DAとドレイン領域DBとは、プラグPGおよび他の配線Wを介して電気的に接続されている。
【0020】
上述した半導体装置では、後述するように、第1素子形成領域EFAと第2素子形成領域EFBとは、同じサイズ(X方向(ゲート長方向)長さおよびY方向(ゲート幅方向)長さ)に設定されている。また、ゲート配線が延在するY方向と直交するX方向に、ゲート配線GHの最小ピッチPT(デザインルール)に対応する長さSPL分だけ互いにずれて配置されている。さらに、ゲート電極GEAとゲート電極GEBとは、ダブルパターニングによって形成されており、ゲート電極GEAは一のマスクのパターンに基づいて形成され、ゲート電極GEBは他のマスクのパターンに基づいて形成される。
【0021】
次に、上述した半導体装置の製造方法の一例について説明する。まず、
図3および
図4に示すように、半導体基板SUBの表面に素子分離絶縁膜ELを形成することによって、第1素子形成領域EFAと第2素子形成領域EFBとが規定される。第1素子形成領域EFAのX方向の長さX1と第2素子形成領域EFBのX方向の長さX2とは、同じ長さに設定されている。第1素子形成領域EFAのY方向の長さY1と第2素子形成領域EFBのY方向の長さY2とは、同じ長さに設定されている。また、第1素子形成領域EFAと第2素子形成領域EFBとは、ゲート配線の最小ピッチPTに対応する長さSPL分だけX方向に互いにずれて配置されている。
【0022】
次に、
図5に示すように、熱酸化処理等を施すことによって、第1素子形成領域EFAおよび第2素子形成領域EFBのそれぞれにゲート酸化膜GSが形成される。そのゲート酸化膜GSを覆うように、たとえば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって、所定の厚さのポリシリコン膜PSFが形成される。次に、ポリシリコン膜PSFの表面に、フォトレジストRESが塗布される。
【0023】
次に、ダブルパターニングによってゲート配線(ゲート電極)が形成される。まず、
図6に示すように、第1マスクMSK1を用いて、フォトレジストRESに露光が行われる。このとき、第1マスクMSK1には、所定の複数のゲート電極(ゲート配線)に対応するパターン(遮光膜)が形成されている。ここでは、ゲート電極GEAに対応するパターンが含まれており、第1素子形成領域EFAを覆うフォトレジストRESには、そのパターンが写真製版される。
【0024】
次に、
図7に示すように、第2マスクMSK2を用いて、フォトレジストRESに露光が行われる。このとき、第2マスクMSK2には、他の所定の複数のゲート電極(ゲート配線)に対応するパターン(遮光膜)が形成されている。ここでは、ゲート電極GEBに対応するパターンが含まれており、第2素子形成領域EFBを覆うフォトレジストRESには、そのパターンが写真製版される。
【0025】
次に、
図8に示すように、フォトレジストRESに現像処理を行うことによって、レジストパターンRP1とレジストパターンRP2を含むレジストパターンRPが形成される。レジストパターンRP1は、第1マスクMSK1によって写真製版されたレジストパターンであり、レジストパターンRP2は、第2マスクMSK2によって写真製版されたレジストパターンである。次に、そのレジストパターンRPをエッチングマスクとして、ポリシリコン膜PSFにエッチング処理を施すことにより、ゲート配線GH(
図9参照)が形成される。
【0026】
その後、レジストパターンRPを除去することによって、
図9および
図10に示すように、ゲート配線GHが露出する。なお、
図9および
図10では、図面の簡略化のために、第1素子形成領域EFAおよび第2素子形成領域EFBのそれぞれを横切るゲート配線GHを示す。ゲート配線GHでは、第1素子形成領域EFAを横切る部分がゲート電極GEAとなり、第2素子形成領域EFBを横切る部分がゲート電極GEBとなる。
【0027】
次に、ゲート電極GEA、GEBを注入マスクとして、第1素子形成領域EFAおよび第2素子形成領域EFBのそれぞれに所定導電型の不純物が注入される。次に、
図11に示すように、ゲート電極GEA、GEBの両側面にサイドウォール膜SWFが形成される。次に、ゲート電極GEA、GEBおよびサイドウォール膜SWFを注入マスクとして、第1素子形成領域EFAおよび第2素子形成領域EFBのそれぞれに所定導電型の不純物が注入される。これにより、第1素子形成領域EFAには、ソース領域SAおよびドレイン領域DAが形成される。第2素子形成領域EFBには、ソース領域SBおよびドレイン領域DBが形成される。
【0028】
次に、
図12に示すように、ゲート電極GEA、GEB等を覆うように、CVD法により、たとえば、シリコン窒化膜等のストレスライナー膜LNが形成される。次に、
図13に示すように、ストレスライナー膜LNを覆うように、CVD法により、たとえば、シリコン酸化膜等の所定の厚さの層間酸化膜ILが形成される。
【0029】
次に、所定の写真製版処理とエッチング処理を行うことにより、
図14に示すように、第1素子形成領域EFAでは、ソース領域SAおよびドレイン領域DAをそれぞれ露出するコンタクトホールHLが形成される。第2素子形成領域EFBでは、ソース領域SBおよびドレイン領域DBをそれぞれ露出するコンタクトホールHLが形成される。
【0030】
その後、コンタクトホールHL内にプラグPGが形成され、そのプラグPGに電気的に接続される配線Wが形成される(
図1および
図2参照)。こうして、一つのトランジスタが、ゲート電極(配線)の幅方向に、第1トランジスタTRAと第2トランジスタTRBとに2分割された半導体装置の主要部分が完成する。
【0031】
上述した半導体装置では、一つのトランジスタを、第1トランジスタTRAと第2トランジスタTRBとに2分割することで、ゲート配線の位置ずれに起因する、ソース・ドレインの拡散容量等のトランジスタ特性のばらつきを低減することができる。このことについて、比較例に係る半導体装置と比較して説明する。
【0032】
図15および
図16に示すように、比較例に係る半導体装置では、半導体基板CSUBの表面に素子分離絶縁膜CELを形成することによって、第1素子形成領域CEF1および第2素子形成領域CEF2が規定されている。第1素子形成領域CEF1のX方向の長さCX1と第2素子形成領域CEF2のX方向の長さCX2とは、同じ長さに設定されている。第1素子形成領域CEF1のY方向の長さCY1と第2素子形成領域CEF2のY方向の長さCY2とは、同じ長さに設定されている。また、長さCY1(CY2)は、実施の形態に係る半導体装置における長さY1(Y2)の2倍の長さを有する。
【0033】
第1素子形成領域CEF1には、第1トランジスタCTR1が形成されている。第2素子形成領域CEF2には、第2トランジスタCTR2が形成されている。第1トランジスタCTR1は、ゲート電極CGE1、ソース領域CS1およびドレイン領域CD1を有する。ゲート電極CGE1は、第1素子形成領域CEF1を横切るように形成されている。ソース領域CS1は、ゲート電極CGE1に対してX方向(負)側に位置する第1素子形成領域CEF1の部分に形成され、ドレイン領域CD1は、ゲート電極CGE1に対してX方向(正)側に位置する第1素子形成領域CEF1の部分に形成されている。
【0034】
第2トランジスタCTR2は、ゲート電極CGE2、ソース領域CS2およびドレイン領域CD2を有する。ゲート電極CGE2は、第2素子形成領域CEF2を横切るように形成されている。ソース領域CS2は、ゲート電極CGE2に対してX方向(負)側に位置する第2素子形成領域CEF2の部分に形成され、ドレイン領域CD2は、ゲート電極CGE2に対してX方向(正)側に位置する第2素子形成領域CEF2の部分に形成されている。
【0035】
第1トランジスタCTR1および第2トランジスタCTR2を覆うように、ストレスライナー膜CLNおよび層間酸化膜CILが形成されている。層間酸化膜CIL等を貫通するようにプラグCPGが形成されている。層間酸化膜CILの表面に複数の配線CWが形成されている。
【0036】
次に、比較例に係る半導体装置の製造方法について説明する。まず、半導体基板CSUBの表面に素子分離絶縁膜CELを形成することによって、第1素子形成領域CEF1と第2素子形成領域CEF2とが規定される(
図15参照)。
【0037】
次に、熱酸化処理等を施すことによって、第1素子形成領域CEF1および第2素子形成領域CEF2のそれぞれにゲート酸化膜CGSが形成される。そのゲート酸化膜CGSを覆うように、ポリシリコン膜CPSFが形成される。次に、ポリシリコン膜CPSFの表面に、フォトレジストCRESが塗布される(
図17参照)。
【0038】
次に、ダブルパターニングによってゲート配線が形成される。まず、
図17に示すように、第1マスクCMSK1を用いて、フォトレジストCRESに露光が行われる。このとき、第1マスクCMSK1には、ゲート電極CGEAに対応するパターンが含まれており、素子形成領域CEF1を覆うフォトレジストCRESには、そのパターンが写真製版される。
【0039】
次に、
図18に示すように、第2マスクCMSK2を用いて、フォトレジストCRESに露光が行われる。このとき、第2マスクCMSK2には、ゲート電極CGEBに対応するパターンが含まれており、素子形成領域CEF2を覆うフォトレジストCRESには、そのパターンが写真製版される。
【0040】
次に、
図19に示すように、フォトレジストCRESに現像処理を行うことによって、レジストパターンCRP1とレジストパターンCRP2を含むレジストパターンCRPが形成される。レジストパターンCRP1は、第1マスクCMSK1によって写真製版されたレジストパターンであり、レジストパターンCRP2は、第2マスクCMSK2によって写真製版されたレジストパターンである。
【0041】
次に、そのレジストパターンCRPをエッチングマスクとして、ポリシリコン膜CPSFにエッチング処理を施すことにより、
図20に示すように、ゲート配線CGH1、CGH2が形成される。なお、
図20では、説明の便宜上、ゲート配線CGH1、CGH2以外のゲート配線が省略されている。その後、ソース領域CS1、CS2およびドレイン領域CD1、CD2、ストレスライナー膜、CLN、層間酸化膜CIL、プラグCPGおよび配線CWを形成することによって、
図15および
図16に示す比較例に係る半導体装置が完成する。
【0042】
ダブルパターニングによってゲート電極(ゲート配線)が形成されたトランジスタでは、第1マスクと第2マスクとの双方にアライメントのずれが生じることがある。
図21に、たとえば、第1マスクのアライメントが所定の位置からX方向(負)にずれた場合(左向き矢印)のゲート配線CGH1と、第2マスクのアライメントが所定の位置からX方向(正)にずれた場合(右向き矢印)のゲート配線CGH2を示す。
【0043】
このようなゲート配線CGH1、CGH2が形成された後、
図22に示すように、第1トランジスタCTR1と第2トランジスタCTR2とが形成された半導体装置において、第1トランジスタCTR1と第2トランジスタCTR2とでは、異なったトランジスタ特性を示すことになる。トランジスタ特性を決めるパラメータとして、ソース・ドレイン拡散容量、コンタクト・ゲート間の容量、素子分離絶縁膜のストレス、ストレスライナー膜の形成、隣り合うゲート電極間の距離の5つのパラメータが挙げられる。
【0044】
ソース・ドレイン拡散容量とは、ソース領域と半導体基板との容量と、ドレイン領域と半導体基板との容量である。ゲート配線(ゲート電極)の位置がずれることで、ソース(ドレイン)領域と半導体基板とが接触する部分の面積が変わり、ソース・ドレイン拡散容量が変動し、トランジスタの動作速度に影響を与えることになる。
【0045】
コンタクト・ゲート間の容量とは、コンタクト(プラグ)とゲート電極との容量である。ゲート配線(ゲート電極)の位置がずれることで、プラグとゲート電極との距離が変わり、コンタクト・ゲート間の容量が変動することになる。
【0046】
素子分離絶縁膜のストレスとは、素子分離絶縁膜が有するストレスである。ゲート配線(ゲート電極)の位置がずれることで、ゲート電極から素子分離絶縁膜までの距離が変わり、素子形成領域が受けるストレスが変動して、トランジスタの駆動能力に影響を与えることになる。
【0047】
ストレスライナー膜を形成することで、素子形成領域にストレスが作用して結晶格子が歪み、キャリアの移動度が変わる。ゲート配線(ゲート電極)の位置がずれることで、ストレスライナー膜から素子分離絶縁膜までの距離が変わり、キャリアの移動度が変動して、トランジスタの駆動能力に影響を与えることになる。
【0048】
隣り合うゲート電極間の距離は、ゲート配線(ゲート電極)の位置がずれると変わり、素子形成領域に作用するストレスが変動して、トランジスタの駆動能力に影響を与えることになる。
【0049】
ここで、
図22に示される第1トランジスタCTR1と第2トランジスタCTR2とが、たとえば、一つのインバータ回路におけるnチャネル型トランジスタとpチャネル型トランジスタとにそれぞれ対応する場合を想定する。そうすると、nチャネル型トランジスタのゲート電極が所望の位置からX方向(負)にずれ、pチャネル型トランジスタのゲート電極が所望の位置からX方向(正)にずれることで、nチャネル型トランジスタおよびpチャネル型トランジスタの動作速度や駆動能力等が変動し、インバータ回路の特性が変わってしまうことになる。
【0050】
このような比較例に係る半導体装置に対して、実施の形態に係る半導体装置では、
図23に示すように、一つのトランジスタが、第1トランジスタTRAと第2トランジスタTRBとに2分割されており、ゲート電極GEAが第1マスクに基づいて形成され、ゲート電極GEBが第2マスクに基づいて形成されている。これにより、ゲート電極GEA、GEBが所定の位置からずれて形成されたとしても、位置ずれに起因するトランジスタ特性のばらつきを低減することができる。このことについて、特に、ドレイン拡散容量と、ゲート・コンタクト間容量を例に挙げて、定量的に説明する。
【0051】
まず、
図24に示すように、ゲート電極CGE1(CGE2)が所望の位置に形成された比較例(基準)に係る第1(第2)トランジスタCTR1(CTR2)のドレイン領域について、素子形成領域のX方向の長さを長さb、Y方向の長さを長さa、コンタクト(プラグ)とゲート電極CGE1(CGE2)との長さ(距離)を長さsとする。
【0052】
そして、ドレイン領域の拡散容量をCd、接合容量をCj、単位面積(1μm
2)あたりの接合容量をCju、周辺容量をCp、単位長さ(1μm)あたりの周辺容量をCpu、ゲート・コンタクト間容量をCgc、コンタクト1つあたりのゲート・コンタクト間容量をCbcuとする。
【0053】
そうすると、ドレイン拡散容量Cdは、次に式によって表される。
Cd=Cju×(a×b)+Cpu×(2a+2b)
また、ゲート・コンタクト間容量Cgcは、次の式によって表される。
【0054】
Cgc=8×Cgcu
次に、第1マスクのアライメントのずれにより、
図25に示すように、第1トランジスタCTR1のゲート電極CGE1がX方向に−ΔTずれた場合を想定する。この場合には、ドレイン拡散容量Cd
(−ΔT)は、次の式によって表される。
【0055】
Cd
(−ΔT)=Cd+Cju×a×ΔT+2×Cpu×ΔT
上式に示されるように、ドレイン拡散容量Cd
(−ΔT)は、基準となる比較例におけるドレイン拡散容量Cdに、ずれ(ΔT)に依存する容量が付加されることになる。
【0056】
また、ゲート・コンタクト間容量Cgc
(−ΔT)は、次の式によって表される。
Cgc
(−ΔT)=8×Cgcu×s/(s+ΔT)
上式に示されるように、ゲート・コンタクト間容量Cgc
(−ΔT)は、基準となる比較例におけるゲート・コンタクト間容量Cgcに対して、ΔTに依存した変動を受けることになる。
【0057】
次に、第2マスクのアライメントのずれにより、
図26に示すように、第2トランジスタCTR2のゲート電極CGE2がX方向に+ΔTずれた場合を想定する。この場合には、ドレイン拡散容量Cd
(+ΔT)は、次の式によって表される。
【0058】
Cd
(+ΔT)=Cd−Cju×a×ΔT−2×Cpu×ΔT
上式に示されるように、ドレイン拡散容量Cd
(+ΔT)は、基準となる比較例におけるドレイン拡散容量Cdに、ずれ(ΔT)に依存する容量が差し引かれることになる。
【0059】
また、ゲート・コンタクト間容量Cgc
(+ΔT)は、次の式によって表される。
Cgc
(+ΔT)=8×Cgcu×s/(s−ΔT)
上式に示されるように、ゲート・コンタクト間容量Cgc
(+ΔT)は、基準となる比較例におけるゲート・コンタクト間容量Cgcに対して、ΔTに依存した変動を受けることになる。
【0060】
次に、実施の形態に係る半導体装置について説明する。
図27に示すように、第1トランジスタTRAのゲート電極GEAが、X方向に−ΔTずれ、第2トランジスタのTRBのゲート電極GEBが、X方向に+ΔTずれた場合を想定する。第1トランジスタTRAと第2トランジスタTRBは、第1(第2)トランジスタCTR1(CTR2)をゲート幅方向に2等分したトランジスタに相当し、それぞれの素子形成領域のY方向の長さはa/2になる。
【0061】
ここで、第1トランジスタTRAのドレイン領域の拡散容量をCda(第1マスク)、第2トランジスタTRBのドレイン領域の拡散容量をCdb(第2マスク)、一つのトランジスタとして第1トランジスタTRAと第2トランジスタTRBとを合わせた拡散容量をCd(分割)とする。また、第1トランジスタTRAのゲート・コンタクト間容量をCgca、第2トランジスタTRBのゲート・コンタクト間容量をCgcb、一つのトランジスタとして第1トランジスタTRAと第2トランジスタTRBとを合わせたゲート・コンタクト間容量をCgc(分割)とする。
【0062】
そうすると、ドレイン拡散容量Cd(分割)は、次の式によって表される。
Cd(分割)=Cd+Cpu×2b
上式に示されるように、一つのトランジスタを第1トランジスタTRAと第2トランジスタTRBとの2つのトランジスタに分割することで、ずれΔTに依存する容量がなくなり、ドレイン拡散容量の変動を抑えることができることがわかる。
【0063】
また、ゲート・コンタクト間容量をCgc(分割)は、次の式によって表される。
Cgc(分割)=8×Cgcu×s×s/{(s+ΔT)×(s−ΔT)}
次に、比較例に係る半導体装置におけるゲート・コンタクト間容量の基準容量との差の最大値をΔCgc(比較例max)、実施の形態に係る半導体装置におけるゲート・コンタクト間容量の基準容量との差の最大値をΔCgc(分割max)とする。
【0064】
そうすると、ΔCgc(分割max)とΔCgc(比較例max)について、次の関係が得られる。
【0065】
ΔCgc(分割max)<ΔCgc(比較例max)
上式に示されるように、一つのトランジスタを第1トランジスタTRAと第2トランジスタTRBとの2つのトランジスタに分割することで、一つのトランジスタの場合に比べて、ゲート・コンタクト間容量を抑えることができることがわかる。
【0066】
以上のように、比較例に係る半導体装置に対して、実施の形態に係る半導体装置では、一つのトランジスタを第1トランジスタTRAと第2トランジスタTRBとの2つのトランジスタに分割することで、位置ずれに対して、ドレイン拡散容量の変動を抑えることができるとともに、ゲート・コンタクト間容量を抑えることができることがわかる。また、対称性を考慮すると、この傾向はソース領域についても同様のことが言え、ソース拡散容量およびゲート・コンタクト間容量を抑えることができることがわかる。
【0067】
さらに、一つの第1(第2)トランジスタCTR1(CTR2)が、第1トランジスタTRAと第2トランジスタTRBとに分割されていることで、応力の変動を抑制することができる。すなわち、ゲート電極GEA、GEBが位置ずれを起こしたとしても、ゲート電極CGE1(CGE2)が位置ずれを起こした場合に比べて、素子分離絶縁膜ELやストレスライナー膜LNによって、第1素子形成領域EFAおよび第2素子形成領域EFBが受ける応力の変動が抑えられる。これにより、第1トランジスタTRAおよび第2トランジスタTRBのそれぞれの駆動能力を均一化することができる。
【0068】
なお、上述した半導体装置では、一つの第1(第2)トランジスタCTR1(CTR2)をゲート電極の幅方向に、2つに等分割した第1トランジスタTRAおよび第2トランジスタTRBを例に挙げて説明したが、3つ以上に等分割させてもよい。
【0069】
実施の形態2
ここでは、直列に接続されたトランジスタを備えた半導体装置について説明する。
【0070】
図28および
図29に示すように、直列に接続された2つのトランジスタのうちの一方のトランジスタが、第1トランジスタTR1Aと第2トランジスタTR1Bとに分割され、他方のトランジスタが、第1トランジスタTR2Aと第2トランジスタTR2Bとに分割されている。第1トランジスタTR1Aおよび第1トランジスタTR2Aは、素子形成領域EFAに形成されている。第2トランジスタTR1Bおよび第2トランジスタTR2Bは、素子形成領域EFBに形成されている。
【0071】
第1トランジスタTR1Aは、ゲート電極GE1A、ソース領域S1Aおよびドレイン領域D1Aを有する。第2トランジスタTR1Bは、ゲート電極GE1B、ソース領域S1Bおよびドレイン領域D1Bを有する。第1トランジスタTR2Aは、ゲート電極GE2A、ソース領域S2Aおよびドレイン領域D2Aを有する。第2トランジスタTR2Bは、ゲート電極GE2B、ソース領域S2Bおよびドレイン領域D2Bを有する。
【0072】
ゲート電極GE1Aとゲート電極GE1Bとは互いに繋がっており、ゲート配線GH1の一部をなす。ゲート電極GE2Aとゲート電極GE2Bとは互いに繋がっており、ゲート配線GH2の一部をなす。ゲート電極GE1A、GE1B、GE2A、GE2Bは、ダブルパターニングによって形成されており、たとえば、ゲート電極GE1A、GE2Bは一のマスクのパターンに基づいて形成され、ゲート電極GE2A、GE1Bは他のマスクのパターンに基づいて形成される。
【0073】
また、第1素子形成領域EFAと第2素子形成領域EFBとは、同じサイズ(X方向長さおよびY方向長さ)に設定されており、ゲート配線GH1、GH2が延在するY方向と直交するX方向に、ゲート配線GH1、GH2の最小ピッチPTに対応する長さSPL分だけ互いにずれて配置されている。なお、これ以外の構成については、
図1および
図2に示す半導体装置と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
【0074】
次に、上述した半導体装置の製造方法の一例について説明する。まず、
図3〜
図5に示す工程と同様の工程を経た後、ダブルパターニングによってゲート配線(ゲート電極)が形成される。
図30に示すように、第1マスクMSK1を用いて、フォトレジストRESに露光が行われる。このとき、第1マスクMSK1には、所定の複数のゲート電極(ゲート配線)に対応するパターン(遮光膜)が形成されている。ここでは、ゲート電極GE1Aに対応するパターンと、ゲート電極GE2に対応するパターンとが含まれており、第1素子形成領域EFAおよび第2素子形成領域EFBを覆うフォトレジストRESには、それぞれのパターンが写真製版される。
【0075】
次に、
図31に示すように、第2マスクMSK2を用いて、フォトレジストRESに露光が行われる。このとき、第2マスクMSK2には、他の所定の複数のゲート電極(ゲート配線)に対応するパターン(遮光膜)が形成されている。ここでは、ゲート電極GE2Aに対応するパターンと、ゲート電極GE1Bに対応するパターンとが含まれており、第1素子形成領域EFAおよび第2素子形成領域EFBを覆うフォトレジストRESには、それぞれのパターンが写真製版される。
【0076】
次に、
図32に示すように、フォトレジストRESに現像処理を行うことによって、レジストパターンRP1とレジストパターンRP2を含むレジストパターンRPが形成される。レジストパターンRP1は、第1マスクMSK1によって写真製版されたレジストパターンであり、レジストパターンRP2は、第2マスクMSK2によって写真製版されたレジストパターンである。次に、そのレジストパターンRPをエッチングマスクとして、ポリシリコン膜PSFにエッチング処理を施すことにより、ゲート配線GH1、GH2(
図33参照)が形成される。
【0077】
その後、レジストパターンRPを除去することによって、
図33および
図34に示すように、ゲート配線GH1、GH2が露出する。ゲート配線GH1では、第1素子形成領域EFAを横切る部分がゲート電極GE1Aとなり、第2素子形成領域EFBを横切る部分がゲート電極GE1Bとなる。また、ゲート配線GH2では、第1素子形成領域EFAを横切る部分がゲート電極GE2Aとなり、第2素子形成領域EFBを横切る部分がゲート電極GE2Bとなる。その後、
図11〜
図14に示す工程と同様の工程を経た後、
図28および
図29に示す半導体装置の主要部分が完成する。
【0078】
次に、直列に接続されたトランジスタを備えた、他の比較例に係る半導体装置について説明する。
図35および
図36に示すように、素子形成領域CEFには、直列に接続された第1トランジスタCTR1と第2トランジスタCTR2とが形成されている。第1トランジスタCTR1は、ゲート電極CGE1、ソース領域CS1およびドレイン領域CD1を有する。第2トランジスタCTR2は、ゲート電極CGE2、ソース領域CS2およびドレイン領域CD2を有する。なお、これ以外の構成については、
図15および
図16に示す比較例に係る半導体装置と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
【0079】
上述した他の比較例に係る半導体装置は、ゲート配線を形成するためのマスクのパターンの配置が異なっている以外は、
図15および
図16に示す比較例に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を経て形成される。
【0080】
他の比較例に係る半導体装置では、第1マスク(図示せず)を用いて露光を行うことで、ゲート電極CGE1(ゲート配線CGH1)に対応するパターンが写真製版され、第2マスク(図示せず)を用いて露光を行うことで、ゲート電極CGE2(ゲート配線CGH2)に対応するパターンが写真製版される。
【0081】
このとき、第1マスクのアライメントのずれと、第2マスクのアライメントのずれによって、ゲート電極(ゲート配線)が位置ずれを起こすことがある。ここで、位置ずれを起こしたゲート電極の配置の代表的な例について説明する。
【0082】
図37に、特に、ゲート電極CGE2(第2マスク)がX方向(負)にずれた場合における、ゲート電極CGE1およびゲート電極CGE2の配置関係を示す。
図38に、特に、ゲート電極CGE2(第2マスク)がX方向(正)にずれた場合における、ゲート電極CGE1およびゲート電極CGE2の配置関係を示す。
【0083】
図39に、ゲート電極CGE1(第1マスク)がX方向(正)にずれ、ゲート電極CGE2(第2マスク)がX方向(負)にずれた場合における、ゲート電極CGE1およびゲート電極CGE2の配置関係を示す。
図40に、ゲート電極CGE1(第1マスク)がX方向(負)にずれ、ゲート電極CGE2(第2マスク)がX方向(正)にずれた場合における、ゲート電極CGE1およびゲート電極CGE2の配置関係を示す。
【0084】
図37〜
図40に示された、他の比較例に係る半導体装置では、ゲート配線CGH1、CGH2が所定の位置からずれて形成されることで、比較例に係る半導体装置について説明したのと同様に、ソース・ドレイン拡散容量、コンタクト・ゲート間の容量、素子形成領域に作用するストレス等が変動することになる。
【0085】
次に、他の比較例に係る半導体装置に対して、実施の形態に係る半導体装置において、他の比較例に係る半導体装置の場合と同様に、ゲート配線が位置ずれを起こした場合について説明する。
【0086】
まず、
図37に示す場合と同様に、
図41に、ゲート電極GE1Bおよびゲート電極GE2A(第2マスク)が、X方向(負)にずれた場合における、ゲート電極GE1A、GE1B、GE2A、GE2Bの配置関係を示す。
【0087】
図38に示す場合と同様に、
図42に、ゲート電極GE1Bおよびゲート電極GE2A(第2マスク)が、X方向(正)にずれた場合における、ゲート電極GE1A、GE1B、GE2A、GE2Bの配置関係を示す。
【0088】
図39に示す場合と同様に、
図43に、ゲート電極GE1Aおよびゲート電極GE2B(第1マスク)がX方向(正)にずれ、ゲート電極GE2Aおよびゲート電極GE1B(第2マスク)がX方向(負)にずれた場合における、ゲート電極GE1A、GE1B、GE2A、GE2Bの配置関係を示す。
【0089】
図40に示す場合と同様に、
図44に、ゲート電極GE1Aおよびゲート電極GE2B(第1マスク)がX方向(負)にずれ、ゲート電極GE2Aおよびゲート電極GE1B(第2マスク)がX方向(正)にずれた場合における、ゲート電極GE1A、GE1B、GE2A、GE2Bの配置関係を示す。
【0090】
実施の形態に係る半導体装置では、他の比較例に係る半導体装置における直列に接続された第1トランジスタCTR1および第2トランジスタCTR2を、それぞれゲート電極の幅方向に2つに等分割したトランジスタに相当するトランジスタが形成されている。すなわち、第1トランジスタCTR1を2つに分割したトランジスタに相当する第1トランジスタTR1Aおよび第2トランジスタTR1Bが形成され、第2トランジスタCTR2を2つに分割したトランジスタに相当する第1トランジスタTR2Aおよび第2トランジスタTR2Bが形成されている。
【0091】
これにより、ゲート電極GE1A、GE1B、GE2A、GE2Bが、たとえ、
図41〜
図44のそれぞれに示されるようにずれて形成されたとしても、ソース・ドレイン拡散容量やコンタクト・ゲート間の容量等を、実施の形態1において説明したのと同じ要領で見積もることができる。したがって、実施の形態に係る半導体装置では、他の比較例に係る半導体装置の場合よりも、ソース・ドレイン拡散容量やゲート・コンタクト間容量等を抑えることができることがいえる。
【0092】
また、ゲート電極GE1A、GE1B、GE2A、GE2Bが位置ずれを起こしたとしても、ゲート電極CGE1(CGE2)が位置ずれを起こした場合に比べて、素子分離絶縁膜ELやストレスライナー膜LNによって、第1素子形成領域EFAおよび第2素子形成領域EFBが受ける応力の変動が抑えられる。これにより、第1トランジスタTR1A、第2トランジスタTR1B、第1トランジスタTR2Aおよび第2トランジスタTR2Bのそれぞれの駆動能力を均一化することができる。
【0093】
なお、上述した半導体装置では、2つのトランジスタを直列に接続させた場合について説明したが、3つ以上のトランジスタを直列に接続させてもよい。
【0094】
実施の形態3
ここでは、インバータを備えた種々の半導体装置について説明する。
【0095】
(第1例)
まず、第1例に係る半導体装置について説明する。
図45に、pチャネル型トランジスタとnチャネル型トランジスタとによって構成されるインバータの回路図を示す。pチャネル型トランジスタは、pチャネル型第1トランジスタPTR1Aとpチャネル型第2トランジスタPTR1Bとに分割されている。nチャネル型トランジスタは、nチャネル型第1トランジスタNTR1Aとnチャネル型第2トランジスタNTR1Bとに分割されている。
【0096】
次に、インバータの構造について説明する。
図46および
図47に示すように、インバータINVでは、第1素子形成領域EFAに、nチャネル型第1トランジスタNTR1Aが形成され、第2素子形成領域EFBに、nチャネル型第2トランジスタNTR1Bが形成されている。第3素子形成領域EFCに、pチャネル型第1トランジスタPTR1Aが形成され、第4素子形成領域EFDに、pチャネル型第2トランジスタPTR1Bが形成されている。
【0097】
nチャネル型第1トランジスタNTR1Aは、ゲート電極GEN1A、ソース領域NS1Aおよびドレイン領域ND1Aを有する。nチャネル型第2トランジスタNTR1Bは、ゲート電極GEN1B、ソース領域NS1Bおよびドレイン領域ND1Bを有する。pチャネル型第1トランジスタPTR1Aは、ゲート電極GEP1A、ソース領域PS1Aおよびドレイン領域PD1Aを有する。pチャネル型第2トランジスタPTR1Bは、ゲート電極GEP1B、ソース領域PS1Bおよびドレイン領域PD1Bを有する。
【0098】
nチャネル型第1トランジスタNTR1Aでは、ゲート電極GEN1Aに対して、ソース領域NS1AはX方向(正)側に形成され、ドレイン領域ND1AはX方向(負)側に形成されている。nチャネル型第2トランジスタNTR1Bでは、ゲート電極GEN1Bに対して、ソース領域NS1BはX方向(負)側に形成され、ドレイン領域ND1BはX方向(正)側に形成されている。
【0099】
pチャネル型第1トランジスタPTR1Aでは、ゲート電極GEP1Aに対して、ソース領域PS1AはX方向(負)側に形成され、ドレイン領域PD1AはX方向(正)側に形成されている。pチャネル型第2トランジスタPTR1Bでは、ゲート電極GEP1Bに対して、ソース領域PS1BはX方向(正)側に形成され、ドレイン領域PD1BはX方向(負)側に形成されている。
【0100】
ゲート電極GEN1A、ゲート電極GEN1B、ゲート電極GEP1Aおよびゲート電極GEP1Bは、ゲート配線GHによって電気的に接続されている。ゲート電極GEN1A、ゲート電極GEN1B、ゲート電極GEP1Aおよびゲート電極GEP1Bは、ダブルパターニングによって形成されており、ゲート電極GEN1Bとゲート電極GEP1Aは、一のマスクのパターンに基づいて形成され、ゲート電極GEN1Aとゲート電極GEP1Bは、他のマスクのパターンに基づいて形成される。
【0101】
ソース領域NS1Aおよびソース領域NS1Bは、配線Wによって接地配線GNDに電気的に接続されている。ソース領域PS1Aおよびソース領域PS1Bは、電源配線VDDに電気的に接続されている。ドレイン領域ND1A、ドレイン領域ND1B、ドレイン領域PD1Aおよびドレイン領域PD1Bは、配線Wによって電気的に接続されている。なお、これ以外の構成については、
図1および
図2に示す半導体装置と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
【0102】
次に、上述した半導体装置の製造方法の一例について説明する。まず、
図3〜
図5に示す工程と同様の工程を経た後、ダブルパターニングによってゲート配線(ゲート電極)が形成される。
図48に示すように、第1マスクMSK1を用いて、フォトレジストRESに露光が行われる。このとき、第1マスクMSK1には、所定の複数のゲート電極(ゲート配線)に対応するパターン(遮光膜)が形成されている。ここでは、たとえば、ゲート電極GEN1Bに対応するパターンと、ゲート電極GEP1Aに対応するパターンとが含まれており、第2素子形成領域EFBおよび第3素子形成領域EFC(図示せず)を覆うフォトレジストRESには、それぞれのパターンが写真製版される。
【0103】
次に、
図49に示すように、第2マスクMSK2を用いて、フォトレジストRESに露光が行われる。このとき、第2マスクMSK2には、他の所定の複数のゲート電極(ゲート配線)に対応するパターン(遮光膜)が形成されている。ここでは、ゲート電極GEN1Aに対応するパターンと、ゲート電極GEP1Bに対応するパターンとが含まれており、第1素子形成領域EFAおよび第4素子形成領域EFDを覆うフォトレジストRESには、それぞれのパターンが写真製版される。
【0104】
次に、
図50に示すように、フォトレジストRESに現像処理を行うことによって、レジストパターンRP1とレジストパターンRP2を含むレジストパターンRPが形成される。レジストパターンRP1は、第1マスクMSK1によって写真製版されたレジストパターンであり、レジストパターンRP2は、第2マスクMSK2によって写真製版されたレジストパターンである。次に、そのレジストパターンRPをエッチングマスクとして、ポリシリコン膜PSFにエッチング処理を施すことにより、ゲート配線GH(
図51参照)が形成される。
【0105】
その後、レジストパターンRPを除去することによって、
図51および
図52に示すように、ゲート配線GHが露出する。ゲート配線GHのうち、第1素子形成領域EFAを横切る部分がゲート電極GEN1Aとなり、第2素子形成領域EFBを横切る部分がゲート電極GEN1Bとなる。また、第3素子形成領域EFCを横切る部分がゲート電極GEP1Aとなり、第4素子形成領域EFDを横切る部分がゲート電極GEP1Bとなる。その後、
図11〜
図14に示す工程と同様の工程を経た後、
図46および
図47に示す半導体装置の主要部分が完成する。
【0106】
第1例に係る、インバータを備えた半導体装置では、一つのpチャネル型トランジスタが、pチャネル型第1トランジスタPTR1Aとpチャネル型第2トランジスタPTR1Bとに分割されている。また、一つのnチャネル型トランジスタが、nチャネル型第1トランジスタNTR1Aとnチャネル型第2トランジスタNTR1Bとに分割されている。
【0107】
これにより、ゲート電極GEN1Bおよびゲート電極GEP1Aを含むゲート配線GHと、ゲート電極GEN1Aおよびゲート電極GEP1Bを含むゲート配線GHとが、位置ずれを起こして形成されたとしても、ソース・ドレイン拡散容量やコンタクト・ゲート間の容量等を、実施の形態1において説明したのと同じ要領で見積もることができる。したがって、第1例に係るインバータを備えた半導体装置では、pチャネル型トランジスタとnチャネル型トランジスタとがそれぞれ分割されていないインバータを備えた半導体装置の場合よりも、ソース・ドレイン拡散容量やゲート・コンタクト間容量等を抑えることができることがいえる。
【0108】
また、ゲート電極GEN1B、ゲート電極GEP1A、ゲート電極GEN1Aおよびゲート電極GEP1Bが、位置ずれを起こしたとしても、分割されていないトランジスタのゲート電極が位置ずれを起こした場合に比べて、素子分離絶縁膜ELやストレスライナー膜LNによって、第1素子形成領域EFA〜第4素子形成領域EFDが受ける応力の変動が抑えられる。これにより、pチャネル型第1トランジスタPTR1Aおよびpチャネル型第2トランジスタPTR1Bの駆動能力と、nチャネル型第1トランジスタNTR1Aおよびnチャネル型第2トランジスタNTR1Bの駆動能力とを均一化させることができる。その結果、インバータの動作を安定させることができる。
【0109】
(第2例)
次に、第2例に係る半導体装置について説明する。
図53に、pチャネル型トランジスタとnチャネル型トランジスタとによって構成されるインバータの回路図を示す。第2例に係るインバータの回路図は、第1例に係るインバータの回路図と同じである。
【0110】
次に、インバータの構造について説明する。
図54および
図55に示すように、インバータINVでは、第1素子形成領域EFAに、nチャネル型第1トランジスタNTR1Aが形成され、第2素子形成領域EFBに、nチャネル型第2トランジスタNTR1Bが形成されている。第3素子形成領域EFCに、pチャネル型第1トランジスタPTR1Aが形成され、第4素子形成領域EFDに、pチャネル型第2トランジスタPTR1Bが形成されている。
【0111】
第2例に係る半導体装置では、ソース領域NS1A、NS1B、PS1A、PS1Bは、いずれも、対応するゲート電極GEN1A、GEN1B、GEP1A、GEP1Bに対して、X方向(負)側に形成されている。また、ドレイン領域ND1A、ND1B、PD1A、PD1Bは、いずれも、対応するゲート電極GEN1A、GEN1B、GEP1A、GEP1Bに対して、X方向(正)側に形成されている。なお、これ以外の構成については、
図46および
図47に示す半導体装置と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
【0112】
第2例に係る、インバータを備えた半導体装置では、一つのpチャネル型トランジスタが、pチャネル型第1トランジスタPTR1Aとpチャネル型第2トランジスタPTR1Bとに分割されている。また、一つのnチャネル型トランジスタが、nチャネル型第1トランジスタNTR1Aとnチャネル型第2トランジスタNTR1Bとに分割されている。
【0113】
ゲート電極GEN1A、ゲート電極GEN1B、ゲート電極GEP1Aおよびゲート電極GEP1Bは、ダブルパターニングによって形成されている。ゲート電極GEN1Bとゲート電極GEP1Aは、一のマスクのパターンに基づいて形成され、ゲート電極GEN1Aとゲート電極GEP1Bは、他のマスクのパターンに基づいて形成される。
【0114】
これにより、ゲート電極GEN1Bおよびゲート電極GEP1Aを含むゲート配線GHと、ゲート電極GEN1Aおよびゲート電極GEP1Bを含むゲート配線GHとが、位置ずれを起こして形成されたとしても、ソース・ドレイン拡散容量やコンタクト・ゲート間の容量等を、実施の形態1において説明したのと同じ要領で見積もることができる。したがって、第2例に係るインバータを備えた半導体装置では、pチャネル型トランジスタとnチャネル型トランジスタとがそれぞれ分割されていないインバータを備えた半導体装置の場合よりも、ソース・ドレイン拡散容量やゲート・コンタクト間容量等を抑えることができることがいえる。
【0115】
また、ゲート電極GEN1B、ゲート電極GEP1A、ゲート電極GEN1Aおよびゲート電極GEP1Bが、位置ずれを起こしたとしても、分割されていないトランジスタのゲート電極が位置ずれを起こした場合に比べて、素子分離絶縁膜ELやストレスライナー膜LNによって、第1素子形成領域EFA〜第4素子形成領域EFDが受ける応力の変動が抑えられる。これにより、pチャネル型第1トランジスタPTR1Aおよびpチャネル型第2トランジスタPTR1Bの駆動能力と、nチャネル型第1トランジスタNTR1Aおよびnチャネル型第2トランジスタNTR1Bの駆動能力とを均一化させることができる。その結果、インバータの動作を安定させることができる。
【0116】
(第3例)
次に、第3例に係る半導体装置について説明する。
図56に、2入力NAND型のインバータの回路図を示す。一つのpチャネル型トランジスタが、pチャネル型第1トランジスタPTR1Aとpチャネル型第2トランジスタPTR1Bとに分割されている。他の一つのpチャネル型トランジスタが、pチャネル型第3トランジスタPTR2Aとpチャネル型第4トランジスタPTR2Bとに分割されている。
【0117】
一つのnチャネル型トランジスタが、nチャネル型第1トランジスタNTR1Aとnチャネル型第2トランジスタNTR1Bとに分割されている。他の一つのnチャネル型トランジスタが、nチャネル型第3トランジスタNTR2Aとnチャネル型第4トランジスタNTR2Bとに分割されている。
【0118】
次に、インバータの構造について説明する。構造的には、第1例に係るインバータに、nチャネル型第3トランジスタNTR2A、nチャネル型第4トランジスタNTR2B、pチャネル型第3トランジスタPTR2Aおよびpチャネル型第4トランジスタPTR2Bを加えた構造とされる。
【0119】
図57に示すように、インバータINVでは、第5素子形成領域EFEに、nチャネル型第3トランジスタNTR2Aが形成され、第6素子形成領域EFFに、nチャネル型第4トランジスタNTR2Bが形成されている。第7素子形成領域EFGに、pチャネル型第3トランジスタPTR2Aが形成され、第8素子形成領域EFHに、pチャネル型第4トランジスタPTR2Bが形成されている。
【0120】
nチャネル型第3トランジスタNTR2Aは、ゲート電極GEN2A、ソース領域NS2Aおよびドレイン領域ND2Aを有する。nチャネル型第4トランジスタNTR2Bは、ゲート電極GEN2B、ソース領域NS2Bおよびドレイン領域ND2Bを有する。pチャネル型第3トランジスタPTR2Aは、ゲート電極GEP2A、ソース領域PS2Aおよびドレイン領域PD2Aを有する。pチャネル型第4トランジスタPTR2Bは、ゲート電極GEP2B、ソース領域PS2Bおよびドレイン領域PD2Bを有する。
【0121】
nチャネル型第3トランジスタNTR2Aでは、ゲート電極GEN2Aに対して、ソース領域NS2AはX方向(負)側に形成され、ドレイン領域ND2AはX方向(正)側に形成されている。nチャネル型第4トランジスタNTR2Bでは、ゲート電極GEN2Bに対して、ソース領域NS2BはX方向(正)側に形成され、ドレイン領域ND2BはX方向(負)側に形成されている。
【0122】
pチャネル型第3トランジスタPTR2Aでは、ゲート電極GEP2Aに対して、ソース領域PS2AはX方向(負)側に形成され、ドレイン領域PD2AはX方向(正)側に形成されている。pチャネル型第4トランジスタPTR2Bでは、ゲート電極GEP2Bに対して、ソース領域PS2BはX方向(正)側に形成され、ドレイン領域PD2BはX方向(負)側に形成されている。
【0123】
ゲート電極GEN2A、ゲート電極GEN2B、ゲート電極GEP2Aおよびゲート電極GEP2Bは、ゲート配線GHによって電気的に接続されている。ソース領域NS2Aおよびソース領域NS2Bは、配線によって接地配線GNDに電気的に接続されている。ソース領域PS2Aおよびソース領域PS2Bは、電源配線VDDに電気的に接続されている。
【0124】
ドレイン領域ND2Aおよびドレイン領域ND2Bは、ソース領域NS1Aおよびソース領域NS1Bに電気的に接続されている。ドレイン領域PD2Aおよびドレイン領域PD2Bは、ドレイン領域ND1A、ドレイン領域ND1B、ドレイン領域PD1Aおよびドレイン領域PD1Bに電気的に接続されている。
【0125】
なお、これ以外の平面構造については、第1例に係る
図46に示される平面構造と同様であり、また、断面構造(図示せず)については、第1例に係る
図47に示される断面構造と同様である。このため、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
【0126】
次に、上述した半導体装置の製造方法は、素子形成領域やゲート配線のパターンが追加されるだけで、第1例に係る製造方法と実質的に同じである。特に、ゲート電極GEN1A、ゲート電極GEN1B、ゲート電極GEP1A、ゲート電極GEP1B、ゲート電極GEN2A、ゲート電極GEN2B、ゲート電極GEP2Aおよびゲート電極GEP2Bは、ダブルパターニングによって形成されている。
【0127】
たとえば、ゲート電極GEN1A、ゲート電極GEP1A、ゲート電極GEN2Aおよびゲート電極GEP2Aが一のマスクのパターンに基づいて形成され、ゲート電極GEN1B、ゲート電極GEP1B、ゲート電極GEN2Bおよびゲート電極GEP2Bが他のマスクのパターンに基づいて形成される。
【0128】
これにより、ゲート電極GEN1A、ゲート電極GEP1A、ゲート電極GEN2Aおよびゲート電極GEP2Aを含むゲート配線GHと、ゲート電極GEN1B、ゲート電極GEP1B、ゲート電極GEN2Bおよびゲート電極GEP2Bを含むゲート配線GHとが、位置ずれを起こして形成されたとしても、ソース・ドレイン拡散容量やコンタクト・ゲート間の容量等を、実施の形態1において説明したのと同じ要領で見積もることができる。したがって、第3例に係るインバータを備えた半導体装置では、pチャネル型トランジスタとnチャネル型トランジスタとがそれぞれ分割されていないインバータを備えた半導体装置の場合よりも、ソース・ドレイン拡散容量やゲート・コンタクト間容量等を抑えることができることがいえる。
【0129】
また、ゲート電極GEN1A、GEN1B、GEP1A、GEP1B、GEN2A、GEN2B、GEP2A、GEP2Bが、位置ずれを起こしたとしても、分割されていないトランジスタのゲート電極が位置ずれを起こした場合に比べて、素子分離絶縁膜ELやストレスライナー膜LNによって、第1素子形成領域EFA〜第8素子形成領域EFHが受ける応力の変動が抑えられる。
【0130】
これにより、pチャネル型第1トランジスタPTR1Aおよびpチャネル型第2トランジスタPTR1Bの駆動能力と、nチャネル型第1トランジスタNTR1Aおよびnチャネル型第2トランジスタNTR1Bの駆動能力とを均一化させることができる。また、pチャネル型第3トランジスタPTR2Aおよびpチャネル型第4トランジスタPTR2Bの駆動能力と、nチャネル型第3トランジスタNTR2Aおよびnチャネル型第4トランジスタNTR2Bの駆動能力とを均一化させることができる。その結果、インバータの動作を安定させることができる。
【0131】
(第4例)
次に、第4例に係る半導体装置について説明する。
図58に、pチャネル型トランジスタとnチャネルトランジスタとによって構成される2入力NAND型の回路図を示す。第4例に係るインバータの回路図は、第3例に係るインバータの回路図と同じである。
【0132】
次に、インバータの構造について説明する。構造的には、第3例と同様に、第1例に係るインバータに、nチャネル型第3トランジスタNTR2A、nチャネル型第4トランジスタNTR2B、pチャネル型第3トランジスタPTR2Aおよびpチャネル型第4トランジスタPTR2Bを加えた構造とされる。
【0133】
図59に示すように、第4例に係る半導体装置では、ソース領域NS1A、NS1B、PS1A、PS1B、NS2A、NS2B、PS2A、PS2Bは、いずれも、対応するゲート電極GEN1A、GEN1B、GEP1A、GEP1B、GEN2A、GEN2B、GEP2A、GEP2Bに対して、X方向(正)側に形成されている。また、ドレイン領域ND1A、ND1B、PD1A、PD1B、ND2A、ND2B、PD2A、PD2Bは、いずれも、対応するゲート電極GEN1A、GEN1B、GEP1A、GEP1B、GEN2A、GEN2B、GEP2A、GEP2Bに対して、X方向(負)側に形成されている。
【0134】
なお、これ以外の平面構造については、第3例に係る
図57に示される平面構造と同様であり、また、断面構造(図示せず)については、第1例に係る
図47に示される断面構造と同様である。このため、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
【0135】
第4例に係る半導体装置では、第3例と同様に、特に、ゲート電極GEN1A、ゲート電極GEN1B、ゲート電極GEP1A、ゲート電極GEP1B、ゲート電極GEN2A、ゲート電極GEN2B、ゲート電極GEP2Aおよびゲート電極GEP2Bは、ダブルパターニングによって形成されている。たとえば、ゲート電極GEN1A、ゲート電極GEP1A、ゲート電極GEN2Aおよびゲート電極GEP2Aが一のマスクのパターンに基づいて形成され、ゲート電極GEN1B、ゲート電極GEP1B、ゲート電極GEN2Bおよびゲート電極GEP2Bが他のマスクのパターンに基づいて形成される。
【0136】
これにより、ゲート電極GEN1A、ゲート電極GEP1A、ゲート電極GEN2Aおよびゲート電極GEP2Aを含むゲート配線GHと、ゲート電極GEN1B、ゲート電極GEP1B、ゲート電極GEN2Bおよびゲート電極GEP2Bを含むゲート配線GHとが、位置ずれを起こして形成されたとしても、ソース・ドレイン拡散容量やコンタクト・ゲート間の容量等を、実施の形態1において説明したのと同じ要領で見積もることができる。したがって、第3例に係るインバータを備えた半導体装置では、pチャネル型トランジスタとnチャネル型トランジスタとがそれぞれ分割されていないインバータを備えた半導体装置の場合よりも、ソース・ドレイン拡散容量やゲート・コンタクト間容量等を抑えることができることがいえる。
【0137】
また、ゲート電極GEN1A、GEN1B、GEP1A、GEP1B、GEN2A、GEN2B、GEP2A、GEP2Bが、位置ずれを起こしたとしても、分割されていないトランジスタのゲート電極が位置ずれを起こした場合に比べて、素子分離絶縁膜ELやストレスライナー膜LNによって、第1素子形成領域EFA〜第8素子形成領域EFHが受ける応力の変動が抑えられる。
【0138】
これにより、pチャネル型第1トランジスタPTR1Aおよびpチャネル型第2トランジスタPTR1Bの駆動能力と、nチャネル型第1トランジスタNTR1Aおよびnチャネル型第2トランジスタNTR1Bの駆動能力とを均一化させることができる。また、pチャネル型第3トランジスタPTR2Aおよびpチャネル型第4トランジスタPTR2Bの駆動能力と、nチャネル型第3トランジスタNTR2Aおよびnチャネル型第4トランジスタNTR2Bの駆動能力とを均一化させることができる。その結果、インバータの動作を安定させることができる。
【0139】
実施の形態4
ここでは、フィン型のソース・ドレイン領域を有するトランジスタを備えた半導体装置について説明する。このようなトランジスタは、FinFET(Field Effect Transistor)と称されている。
【0140】
(第1例)
まず、
図1に示されたトランジスタTRA、TRBを、フィン型のトランジスタとした半導体装置について説明する。フィン型のソース・ドレイン領域を有する一つのトランジスタCTR(
図62参照)が、
図60に示すように、フィン型のソース・ドレイン領域をそれぞれ有するトランジスタTRAとトランジスタTRBとに分割されている。
【0141】
半導体基板SUBの表面では、素子分離絶縁膜ELによって、第1素子形成領域EFAおよび第2素子形成領域EFBが規定されている。第1素子形成領域EFAは、複数の素子形成領域部分EFA1、EFA2、EFA3、EFA4によって構成される。素子形成領域部分EFA1、EFA2、EFA3、EFA4のそれぞれは、X方向にそれぞれ延在し、Y方向に互いに間隔を隔てて配置されている。第2素子形成領域EFBは、複数の素子形成領域部分EFB1、EFB2、EFB3、EFB4によって構成される。素子形成領域部分EFB1、EFB2、EFB3、EFB4のそれぞれは、X方向にそれぞれ延在し、Y方向に互いに間隔を隔てて配置されている。
【0142】
素子形成領域部分EFA1、EFA2、EFA3、EFA4のX方向の長さと、素子形成領域部分EFB1、EFB2、EFB3、EFB4のX方向の長さとは同じ長さに設定されている。また、素子形成領域部分EFA1、EFA2、EFA3、EFA4のY方向の長さ(合計)と、素子形成領域部分EFB1、EFB2、EFB3、EFB4のY方向の長さ(合計)とは同じ長さに設定されている。
【0143】
すなわち、トランジスタTRAとトランジスタTRBとでは、トンランジスタとしてのサイズが同じサイズに設定されている。素子形成領域部分EFA1、EFA2、EFA3、EFA4と素子形成領域部分EFB1、EFB2、EFB3、EFB4とは、ゲート配線の最小ピッチに対応する長さSPL分だけX方向に互いにずれて配置されている。
【0144】
トランジスタTRAは、ゲート電極GEAと、それぞれ複数のソース領域SAおよびドレイン領域DAとを有する。ゲート電極GEAは、複数の素子形成領域部分EFA1〜EFA4(第1素子形成領域EFA)のそれぞれを横切るように形成されている。ソース領域SAは、ゲート電極GEAに対してX方向(負)側に位置する素子形成領域部分EFA1〜EFA4のそれぞれに形成され、ドレイン領域DAは、ゲート電極GEAに対してX方向(正)側に位置する素子形成領域部分EFA1〜EFA4のそれぞれに形成されている。
【0145】
トランジスタTRBは、ゲート電極GEBと、それぞれ複数のソース領域SBおよびドレイン領域DBとを有する。ゲート電極GEBは、複数の素子形成領域部分EFB1〜EFB4(第2素子形成領域EFB)のそれぞれを横切るように形成されている。ソース領域SBは、ゲート電極GEBに対してX方向(負)側に位置する素子形成領域部分EFB1〜EFB4のそれぞれに形成され、ドレイン領域DBは、ゲート電極GEBに対してX方向(正)側に位置する素子形成領域部分EFB1〜EFB4のそれぞれに形成されている。ゲート電極GEAとゲート電極GEBとは互いに繋がっており、ゲート配線GHの一部をなす。
【0146】
なお、これ以外の平面構造については、
図1に示される平面構造と同様であり、また、素子形成領域EFA、EFBをX方向に横切る断面構造(図示せず)については、
図2に示される断面構造と同様である。このため、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
【0147】
第1例に係る半導体装置の製造方法は、素子形成領域EFA、EFBが、複数の素子形成領域部分EFA1〜EFA4、EFB1〜EFB4によって構成される他は、
図1等に示す半導体装置の製造方法と同じであり、ゲート電極GEAおよびゲート電極GEBは、ダブルパターニングによって形成されている。たとえば、ゲート電極GEAが一のマスクのパターンに基づいて形成され、ゲート電極GEBが他のマスクのパターンに基づいて形成される。
【0148】
これにより、たとえば、
図61に示すように、ゲート電極GEAを含むゲート配線GHと、ゲート電極GEBを含むゲート配線GHとが、位置ずれを起こして形成されたとしても、ソース・ドレイン拡散容量やコンタクト・ゲート間の容量等を、実施の形態1において説明したのと同じ要領で見積もることができる。したがって、第1例に係る半導体装置では、
図62に示す、さらに他の比較例に係るフィン型のトランジスタを備えた半導体装置の場合よりも、ソース・ドレイン拡散容量やゲート・コンタクト間容量等を抑えることができることがいえる。
【0149】
(第2例)
次に、
図28に示された直列に接続されたトランジスタTR1A、TR1BおよびトランジスタTR2A、TR2Bを、フィン型のトランジスタとした半導体装置について説明する。
【0150】
図63に示すように、直列に接続される一方のフィン型のトランジスタが、フィン型のソース・ドレイン領域をそれぞれ有する第1トランジスタTR1Aと第2トランジスタTR1Bとに分割され、直列に接続される他方のフィン型のトランジスタが、第1トランジスタTR2Aと第2トランジスタTR2Bとに分割されている。
【0151】
トランジスタTR1Aは、ゲート電極GE1Aと、それぞれ複数のソース領域S1Aおよびドレイン領域D1Aとを有する。ゲート電極GE1Aは、複数の素子形成領域部分EFA1〜EFA4(第1素子形成領域EFA)のそれぞれを横切るように形成されている。ソース領域S1Aは、ゲート電極GE1Aに対してX方向(負)側に位置する素子形成領域部分EFA1〜EFA4のそれぞれに形成され、ドレイン領域D1Aは、ゲート電極GE1Aに対してX方向(正)側に位置する素子形成領域部分EFA1〜EFA4のそれぞれに形成されている。
【0152】
トランジスタTR1Bは、ゲート電極GE1Bと、それぞれ複数のソース領域S1Bおよびドレイン領域D1Bとを有する。ゲート電極GE1Bは、複数の素子形成領域部分EFB1〜EFB4(第2素子形成領域EFB)のそれぞれを横切るように形成されている。ソース領域S1Bは、ゲート電極GE1Bに対してX方向(負)側に位置する素子形成領域部分EFB1〜EFB4のそれぞれに形成され、ドレイン領域D1Bは、ゲート電極GE1Bに対してX方向(正)側に位置する素子形成領域部分EFB1〜EFB4のそれぞれに形成されている。
【0153】
トランジスタTR2Aは、ゲート電極GE2Aと、それぞれ複数のソース領域S2Aおよびドレイン領域D2Aとを有する。ゲート電極GE2Aは、複数の素子形成領域部分EFA1〜EFA4(第1素子形成領域EFA)のそれぞれを横切るように形成されている。ソース領域S2Aは、ゲート電極GE2Aに対してX方向(負)側に位置する素子形成領域部分EFA1〜EFA4のそれぞれに形成され、ドレイン領域D2Aは、ゲート電極GE2Aに対してX方向(正)側に位置する素子形成領域部分EFA1〜EFA4のそれぞれに形成されている。
【0154】
トランジスタTR2Bは、ゲート電極GE2Bと、それぞれ複数のソース領域S2Bおよびドレイン領域D2Bとを有する。ゲート電極GE2Bは、複数の素子形成領域部分EFB1〜EFB4(第2素子形成領域EFB)のそれぞれを横切るように形成されている。ソース領域S2Bは、ゲート電極GE2Bに対してX方向(負)側に位置する素子形成領域部分EFB1〜EFB4のそれぞれに形成され、ドレイン領域D2Bは、ゲート電極GE2Bに対してX方向(正)側に位置する素子形成領域部分EFB1〜EFB4のそれぞれに形成されている。
【0155】
ゲート電極GE1Aとゲート電極GE1Bとは互いに繋がっており、ゲート配線GH1の一部をなす。ゲート電極GE2Aとゲート電極GE2Bとは互いに繋がっており、ゲート配線GH2の一部をなす。
【0156】
なお、これ以外の平面構造については、
図28に示される平面構造と同様であり、また、素子形成領域EFA、EFBをX方向に横切る断面構造(図示せず)については、
図29に示される断面構造と同様である。このため、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
【0157】
第2例に係る半導体装置の製造方法は、素子形成領域EFA、EFBが、複数の素子形成領域部分EFA1〜EFA4、EFB1〜EFB4によって構成される他は、
図28等に示す半導体装置の製造方法と同じであり、ゲート電極GE1A、GE1B、GE2A、GE2Bは、ダブルパターニングによって形成されている。たとえば、ゲート電極GE1A、GE2Bは一のマスクのパターンに基づいて形成され、ゲート電極GE2A、GE1Bは他のマスクのパターンに基づいて形成される。
【0158】
このとき、第1マスクのアライメントのずれと、第2マスクのアライメントのずれによって、ゲート電極(ゲート配線)が位置ずれを起こすことがあり、位置ずれを起こしたゲート電極の配置の代表的な例を、
図41〜
図44に倣い、
図64、
図65、
図66および
図67にそれぞれ示す。
【0159】
第2例に係る半導体装置では、直列に接続される一方のフィン型のトランジスタが、第1トランジスタTR1Aと第2トランジスタTR1Bとに分割され、直列に接続される他方のフィン型のトランジスタが、第1トランジスタTR2Aと第2トランジスタTR2Bとに分割されている。
【0160】
これにより、ゲート電極GE1A、GE1B、GE2A、GE2Bが、たとえ、
図64〜
図67のそれぞれに示されるようにずれて形成されたとしても、ソース・ドレイン拡散容量やコンタクト・ゲート間の容量等を、実施の形態1において説明したのと同じ要領で見積もることができる。したがって、第2例に係るフィン型のトランジスタを備えた半導体装置では、第1例に係るフィン型のトランジスタを備えた半導体装置と同様に、ソース・ドレイン拡散容量やゲート・コンタクト間容量等を抑えることができる。
【0161】
また、ゲート電極GE1A、GE1B、GE2A、GE2Bが位置ずれを起こしたとしても、素子分離絶縁膜ELやストレスライナー膜LNによって、第1素子形成領域EFAおよび第2素子形成領域EFBが受ける応力の変動が抑えられる。これにより、第1トランジスタTR1A、第2トランジスタTR1B、第1トランジスタTR2Aおよび第2トランジスタTR2Bのそれぞれの駆動能力を均一化することができる。
【0162】
なお、上述した各実施の形態では、説明の便宜上、
図68に示すように、第1マスクに基づいて形成されるX方向に延在するゲート配線GHと、第2マスクに基づいて形成されるX方向に延在するゲート配線GHとが、Y方向に延在する部分によって互いに接続される構造を示した。
【0163】
第1マスクおよび第2マスクの相対的なX方向のずれとY方向のずれを考慮すると、その相対的なずれ量に基づいて、X方向に寸法LX、Y方向には寸法LYを有するゲートのパターン(
図69参照)を第1マスクまたは第2マスクに形成するようにしてもよい。こうすることで、
図69に示すように、第1マスクに基づいて形成されるゲート配線GHと第2マスクに基づいて形成されるゲート配線GHとを確実に接続することができる。
【0164】
また、各実施の形態において説明した構成は、必要に応じて適宜組み合わせることが可能である。
【0165】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。