特許第6386296号(P6386296)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386296
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/18 20060101AFI20180827BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   G06F1/18 E
   H05K7/20 U
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-172112(P2014-172112)
(22)【出願日】2014年8月27日
(65)【公開番号】特開2016-45907(P2016-45907A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2017年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】霜田 智紀
【審査官】 三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−306444(JP,A)
【文献】 特開2013−149447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16−1/18
H01R 12/00−24/86
H05K 7/14−7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板が、筐体に収容され、第2の基板と電気的に接続することにより、情報処理装置として機能する情報処理装置であって、
前記第1の基板と、前記第2の基板と、回転体とを備え、
前記第2の基板は、該第2の基板の基板表面が、前記第1の基板の挿入方向に平行であり、且つ、該第1の基板の表面と垂直になるように、前記筐体内に設けられており、
前記第1の基板は、前記第2の基板と電気的に接続するための第1の端子群を備えた第1のコネクタを有し、
前記第2の基板は、前記第1の基板と電気的に接続するための第2の端子群を備えた第2のコネクタを有し、
前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、長手方向が前記挿入方向と平行になるように設けられており、
前記回転体は、前記第1の基板が前記筐体に収容された際に、前記第1のコネクタと第2のコネクタとの間に形成される空間に位置し、回転の中心軸が前記挿入方向と平行となるように設けられており、
前記回転体は、回転の中心となる軸と、前記軸を中心として対称となる位置に設けられている第1の羽部と第2の羽部とを有し、前記第1の羽部の面には第1の中継端子群が設けられ、前記第2の羽部の面には第2の中継端子群が設けられ、前記第1の中継端子群と前記第2の中継端子群とは、電気的に接続されており、
前記第1の中継端子群と前記第2の中継端子群は、前記第1のコネクタの前記第1の端子群と前記第2のコネクタの前記第2の端子群との電気的接続を中継するものであり、
前記第1の羽部と前記第2の羽部は、前記軸を中心に回転することにより、前記第1の羽部の面に設けられた前記第1の中継端子群が、前記第1のコネクタの第1の端子群と接続し、且つ、前記第2の羽部の面に設けられた前記第2の中継端子群が、前記第2のコネクタの第2の端子群と接続するように形成されており、
前記回転体は、前記第1の基板が前記筐体に収容された際に、回転することにより、前記第1のコネクタの前記第1の端子群と、前記第2のコネクタの前記第2の端子群とを、電気的に接続させる、ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の中継端子群は、前記第1の羽部の表面に設けられ、前記第2の中継端子群は、前記軸を間にして前記第1の羽部の表面とは反対側の裏面に連続している前記第2の羽部の裏面に設けられている、ことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1のコネクタには、第1の基板を前記筐体に収容する際に位置決めするためのガイドが設けられており、
前記第2のコネクタには、前記第1のコネクタと嵌合し、前記第1の基板を筐体内に案内するためのガイド溝が設けられており、
前記ガイド溝は、前記第1の基板を前記筐体に収容する際に、前記ガイドが該ガイド溝に沿うように形成されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の基板が筐体に収容されることにより、筐体内の第2の基板と電気的に接続する、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、ブレードサーバのような、抜き差し可能な電子機器を複数搭載可能な筐体に搭載した情報処理装置が知られている。このような情報処理装置には、上記電子機器とコネクタを介して電気的に接続するバックボードが含まれている。このバックボードは、上記電子機器の挿入方向と、当該バックボートの面とが略垂直になるように、配置される場合がある。
【0003】
しかしながら、上記電子機器の挿入方向と平行に冷却風を通す場合、上記配置では、バックボードが上記冷却風を遮ってしまい、冷却効率が低下する場合があるという問題があった。
【0004】
そこで、特許文献1には、電子回路パッケージに搭載されたコネクタ(第1のコネクタと呼ぶ)を開いた状態にし、上辺にコネクタ(第2のコネクタと呼ぶ)を設けた他の電子回路パッケージを、当該コネクタの長手方向にスライドさせ、嵌合位置まで移動させることが記載されている。そして、この開放位置に設定されているコネクタを閉じた状態にすることで、第1のコネクタの端子群と、第2のコネクタの端子群とを電気的に接続している。
【0005】
また、プリント板ユニットを収容する棚の電気接続機構部に収容し、板状カムを介してピンボードを押し上げることによって、このコンタクトプローブをプリント板ユニットのコネクタに接触させて電気的接続を行う技術が特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−311956号公報
【特許文献2】特開平9−243711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
接続したい信号の数が増えた場合、端子群の数が増える。このとき、特許文献1に記載の技術では、コネクタが大きくなってしまい、電子機器の挿入方向に垂直な、該コネクタの面の面積が大きくなってしまう。したがって、電子機器の挿入方向と平行に冷却風を通す場合に、冷却風を妨げてしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、より効果的に冷却を行うことが可能な情報処理装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、第1の基板が、筐体に収容され、第2の基板と電気的に接続することにより、情報処理装置として機能する情報処理装置であって、前記第1の基板と、前記第2の基板と、回転体とを備え、前記第2の基板は、該第2の基板の基板表面が、前記第1の基板の挿入方向に平行であり、且つ、該第1の基板の表面と垂直になるように、前記筐体内に設けられており、前記第1の基板は、前記第2の基板と電気的に接続するための第1の端子群を備えた第1のコネクタを有し、前記第2の基板は、前記第1の基板と電気的に接続するための第2の端子群を備えた第2のコネクタを有し、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、長手方向が前記挿入方向と平行になるように設けられており、前記回転体は、前記第1の基板が前記筐体に収容された際に、前記第1のコネクタと第2のコネクタとの間に形成される空間に位置し、回転の中心軸が前記挿入方向と平行となるように設けられており、前記回転体は、前記第1の基板が前記筐体に収容された際に、回転することにより、前記第1のコネクタの前記第1の端子群と、前記第2のコネクタの前記第2の端子群とを、電気的に接続させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、より効果的に冷却を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る情報処理装置の全体構成の一例を示す概略斜視図である。
図2図1に示す第1のコネクタおよび第2のコネクタの拡大斜視図である。
図3図2における第1のコネクタが、第2のコネクタに嵌合した状態を示す拡大斜視図である。
図4】回転体の形状の一例を示す図である。
図5図3における第1のコネクタおよび第2のコネクタの斜視図である。
図6図5の状態から回転体を回転させた状態を示す図である。
図7】第2の実施の形態における第1のコネクタおよび第2のコネクタの拡大斜視図である。
図8図7の状態から第1の基板を筐体に挿入したときの、第1のコネクタおよび第2のコネクタの正面図である。
図9図8の状態から回転体を回転させた状態を示す図である。
図10】第3の実施の形態に係る情報処理装置の第1のコネクタと第2のコネクタとの構成を示す断面図である。
図11図10の状態から回転体を回転させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る構造体の全体構成の一例を示す概略斜視図である。図1に示す通り、なお、本実施の形態に係る構造体の一例として、ブレードサーバ等の情報処理装置を例に挙げて説明を行うが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0014】
情報処理装置100は、図1に示す通り、筐体3と、筐体3に挿入可能な第1の基板1と、第1の基板1と電気的に接続する第2の基板2とを備えている。
【0015】
筐体3には、図示しないファン、電源、外部インタフェース等を備えている。筐体3は、図1に示す通り、奥行き方向(Z軸方向)に連通した空間を有しており、正面(Z軸負方向側)と背面(Z軸正方向側)とに開口している。
【0016】
筐体3内部の上部および下部には、第2の基板2が設けられている。なお、第2の基板2は、筐体3内部の上部および下部の何れか一方に設けられる構成であってもよい。第2の基板2は、図1に示す通り、XZ平面と略平行になるように設けられている。この第2の基板2は、筐体3から電源が供給されるものである。第2の基板2は、一般的なバックボードと同様の機能を有する。
【0017】
第2の基板2には、X軸方向に所定の間隔を有して複数のコネクタ(第2のコネクタ)20が設けられている。コネクタ20は、第1の基板1を筐体3に収容するために、上下の第2の基板2の対称となる位置に、対向して配置されている。つまり、コネクタ20は、筐体3の上部の第2の基板2のY軸負方向側の面と、筐体3の下部の第2の基板2のY軸正方向側の面とに設けられている。なお、コネクタ20は、後述する第1の基板1が筐体3内に挿入されたとき、第1の基板1のコネクタ10と電気的に接続するための部材である。コネクタ20は、該コネクタ20の長手方向が、第1の基板1の挿入方向と平行になるように設けられている。
【0018】
第1の基板1は、図1に示す通り、ブレード上の基板である。第1の基板1の上部および下部(Y軸方向)には、第1の基板1が筐体3に挿入(収容)された際に、第2の基板2と電気的に接続するためのコネクタ(第1のコネクタ)10が設けられている。コネクタ10は、該コネクタ10の長手方向が、第1の基板1の挿入方向と平行になるように設けられている。このコネクタ10がコネクタ20に嵌合することにより、第1の基板1と、第2の基板2とが電気的に接続する。これにより、情報処理装置100は、情報処理装置として機能する。
【0019】
なお、コネクタ10は、第1の基板1の一方の面に設けられる構成であることを例に説明を行うが、本発明はこれに限定されるものではない。コネクタ10は、上下で異なる面になるように設けられる構成であってもよいし、両方の面に設けられる構成であってもよい。
【0020】
なお、図1では、第1の基板1が筐体3の正面の開口から挿入可能な構成であることを示しているが、第1の基板1は、筐体3の背面の開口からも挿入可能である。
【0021】
次に、図2から図6を参照して、コネクタ10とコネクタ20との構成について説明する。
【0022】
以下では、筐体3の上部に設けられた第2の基板2のコネクタ20と、該コネクタ20に嵌合する、第1の基板1の上部に設けられたコネクタ10とについて説明を行う。なお、その他の位置に設けられているコネクタ20および該コネクタ20と嵌合するコネクタ10も、図2から図6を用いて説明するものと同様の構成を有することは言うまでもない。
【0023】
図2は、図1におけるコネクタ10とコネクタ20との拡大斜視図である。コネクタ20は、第1の基板1を筐体3に収容するための案内レールであり、第1の基板1が筐体3に収容された際には、コネクタ10と嵌合して第1の基板1を筐体3内に保持する機能を有する。コネクタ20は、断面がコの字型である。なお、コネクタ20の形状は、これに限定されるものではなく、上記機能を有する形状であればよい。
【0024】
コネクタ20は、コネクタ10と電気的に接続するための端子群であるコンタクト201(第2の端子群)を備えている。コンタクト201は、コネクタ20の内壁であって、上側の壁に設けられている。コンタクト201は、第2の基板2の図示しない電子回路に接続される。
【0025】
コネクタ10は、第1の基板1を筐体3に収容するために、コネクタ20の内側の空間にスライド可能な形状である。コネクタ10は、断面が略L字型である。なお、コネクタ20の形状は、これに限定されるものではなく、コネクタ20の内側の空間にスライド可能な形状であればよい。
【0026】
コネクタ10は、コネクタ20と電気的に接続するための端子群であるコンタクト101(第1の端子群)と、回転体30とを備えている。コンタクト101は、略L字型のコネクタ10の底面のY軸正方向側に配置されている。コンタクト101は、第1の基板1の図示しない電子回路に接続される。
【0027】
回転体30は、回転することにより、コネクタ10のコンタクト101と、コネクタ20のコンタクト201とを電気的に接続するための部材である。本実施の形態では、回転体30は、コネクタ10に備えられることを例に説明を行うが本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】
図4は、回転体の形状の一例を示す図である。回転体30は、図4に示す通り、中継端子301(301aおよび301b(不図示))と、羽部302a、302bと、軸(中心軸)303とを有している。以下では、羽部302aと羽部302bとを総称して羽部302とも呼ぶ。
【0029】
羽部302aと羽部302bとは、軸303を中心に対称に設けられた板状の部材である。羽部302aの一方の面には、中継端子301aが設けられている。また、羽部302bの一方の面にも中継端子301bが設けられている。羽部302bの中継端子301bが設けられている面は、羽部302aの中継端子301aが設けられている面とは異なる方向側にある面である。つまり、羽部302aの中継端子301aが設けられている面がY軸正方向側の面であるとき、羽部302bの中継端子301bが設けられている面はY軸負方向側の面となる。
【0030】
中継端子301aと中継端子301bとは、図示しない配線を介して電気的に接続している。この中継端子301aが、コンタクト101またはコンタクト201と電気的および物理的に接続し、中継端子301bがコンタクト201またはコンタクト101と電気的および物理的に接続することにより、コンタクト101とコンタクト201とは、電気的に接続する。以下では、中継端子301aと301bとの夫々を区別しない場合、または、総称する場合には、これらを中継端子301と呼ぶ。
【0031】
回転体30は、軸303を中心に回転する。軸303は、コネクタ10のZ軸方向の長さと同じ長さであることを例に説明を行うが本発明はこれに限定されるものではない。軸303は、Z軸方向に延在可能である。例えば、軸303が図2のZ軸正方向に延在している場合、この軸303をガイドとして、コネクタ10とコネクタ20とを嵌合させることができる。そして、第1の基板1が回転体30に収容されると、延在した軸303の部分は、軸303内部に収納されるような構成であってもよい。
【0032】
図2の状態から、第1の基板1を筐体3に収容するために挿入すると、コネクタ10とコネクタ20とは、図3のように嵌合する。図3は、図2におけるコネクタ10が、コネクタ20に嵌合した状態を示す拡大斜視図である。
【0033】
このときの筐体3の正面側の開口から見たコネクタ10およびコネクタ20の拡大図を図5に示す。図5は、図3におけるコネクタ10およびコネクタ20の斜視図である。図5に示す通り、コネクタ10とコネクタ20との間に形成される空間の略中央部には、回転体30が位置し、この回転体30の上部にコンタクト201が位置し、下部にコンタクト101が位置している。そして、回転体30の軸303は、第1の基板1の挿入方向と平行になるように設けられている。図5では、コネクタ10をコネクタ20に嵌合させたのみであり、コネクタ10とコネクタ20とは、電気的に接続していない。
【0034】
図5に示す通り、回転体30の羽部302aの上面(Y軸正方向側の面)には、中継端子301aが設けられている。そして、上述したとおり、回転体30の羽部302bの下面(Y軸負方向側の面)には、中継端子301bが設けられている。
【0035】
この図5の状態から回転体を回転させたときのコネクタ10およびコネクタ20の状態を図6に示す。図6は、図5の状態から回転体を回転させたときの状態を示す図である。
【0036】
図5の状態から、回転体30を時計回り方向に回転させると、図6に示す通り、回転体30が回転し、コネクタ10およびコネクタ20と物理的に接続する。具体的には、上記回転により、回転体30の羽部302aに設けられた中継端子301aが、コネクタ20のコンタクト201に電気的および物理的に接続する。同様に、回転体30の羽部302bに設けられた中継端子301bがコネクタ10のコンタクト101に電気的および物理的に接続する。
【0037】
これによりコネクタ10とコネクタ20とは電気的に接続することができる。
【0038】
なお、この回転体30の回転は、コネクタ10とコネクタ20とが嵌合したことをトリガに自動的に行われるものであってもよいし、第1の基板1を筐体3に挿入した作業者によって、行われるものであってもよい。また、回転体30の回転の方向は、中継端子301とコンタクト201およびコンタクト101とが接続する方向であればよい。
【0039】
また、本実施の形態では、中継端子301が羽部302の片面に設けられる構成について説明を行ったが、中継端子301は、羽部302に両面に設けられる構成であってもよい。この場合、回転体30を回転する方向は、コンタクト201およびコンタクト101と、中継端子301とが接続する方向であればよく、時計回りに限定されない。
【0040】
(効果)
上述したとおり、本実施の形態に係る情報処理装置100は、第1の基板1が、筐体3に収容され、第2の基板2と電気的に接続することにより、情報処理装置として機能する。情報処理装置100の第2の基板2は、該第2の基板2の基板表面が、第1の基板1の挿入方向に平行であり、且つ、該第1の基板1の表面と垂直になるように、筐体3内に設けられている。第1の基板1は、第2の基板2と電気的に接続するためのコンタクト101(第1の端子群)を備えたコネクタ10(第1のコネクタ)を有し、第2の基板2は、第1の基板1と電気的に接続するためのコンタクト201(第2の端子群)を備えたコネクタ20(第2のコネクタ)を有している。そして、コネクタ10と、コネクタ20とは、長手方向が挿入方向と平行になるように設けられている。
【0041】
回転体30は、第1の基板1が筐体3に収容された際に、コネクタ10とコネクタ20との間に形成される空間に位置し、回転の中心軸が挿入方向と平行となるように設けられている。そして、回転体30は、第1の基板1が筐体3に収容された際に、回転することにより、コネクタ10のコンタクト101と、コネクタ20のコンタクト201とを、電気的に接続させる。
【0042】
このように、回転体30を用いることにより、簡単な構成で、第1の基板1と第2の基板2とを電気的に接続することができる。
【0043】
また、接続したい信号の数が増えた場合、本実施の形態に係る情報処理装置100では、第1の基板1の挿入方向と平行な方向にコンタクト101およびコンタクト201を増加させることができる。したがって、第1の基板1の挿入方向に垂直な、コネクタ10の面の面積は増加しない。したがって、第1の基板1の挿入方向と平行に冷却風を通す場合に、冷却風を妨げないため、情報処理装置100は、より効果的に冷却を行うことができる。
【0044】
また、第1の基板1の接続先である第2の基板2が、筐体3内の天面側または底面側に配置されることで、第1の基板1の挿入方向奥側に第2の基板2が配置されない。
【0045】
第2の基板2がバックプレーンとして、筐体3に設けられている場合、該バックプレーンには冷却風を通す為の穴を開けている場合が多い。より多くの冷却風を通す必要があればこの穴は出来るだけ大きくしなければならなくなる。また、コネクタ10またはコネクタ20に設けられる端子の数が多くなれば、高密度で小型の高価なコネクタを採用しなければならなくなる。しかしながら、バックプレーンには信号配線があるため、冷却風の為の穴のサイズには限界があった。
【0046】
しかしながら、本実施の形態に係る情報処理装置100によれば、筐体3の前面から背面に向かう方向、または、背面から前面に向かう方向に流れる冷却風を遮る遮蔽物が無くなり冷却効率があがる。これにより、情報処理装置100は、冷却のためのファンの低回転化やファンの個数の減少が可能となる。したがって、情報処理装置100によれば、静音効果や省電力効果を得ることができる。
【0047】
また、コネクタ10およびコネクタ20は冷却風が流れる方向に対し、コネクタサイズの自由度が上がるため、情報処理装置100は、ピンの高密度化が不要となり、ボード上のパターン設計が容易になる。
【0048】
また、本実施の形態に係る情報処理装置100は、コネクタ10が筐体3内に完全に挿入された後、回転体30を用いて最終嵌合を行う。これにより、コネクタ10とコネクタ20とを固定することができる。
【0049】
また、本実施の形態に係る情報処理装置100は、回転体30を回転させるのみで、コネクタ10とコネクタ20とを電気的に接続することができるため、コネクタ10とコネクタ20とを電気的に接続させる他の機構を必要としない。したがって、第1の基板1の搭載数の向上を図ることができる。また、情報処理装置100は、回転体30を回転させるという簡単な方法で、コネクタ10とコネクタ20とを接続することができる。
【0050】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、説明の便宜上、前述した第1の実施の形態で説明した図面に含まれる部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0051】
本実施の形態に係る情報処理装置200は、図1に示す情報処理装置100と同様に、第1の基板1と、第2の基板2と、筐体3とを備えている。本実施の形態に係る情報処理装置200の第1の基板1は、第1の実施の形態に係る情報処理装置100の第1の基板1に設けられたコネクタ10の代わりに、コネクタ11を含んでいる。また、情報処理装置200の第2の基板2は、情報処理装置100の第2の基板2に設けられたコネクタ20の代わりに、コネクタ21を含んでいる。
【0052】
情報処理装置200の全体構成は、図1に示す情報処理装置100と同様であるため、説明を省略する。
【0053】
次に、図7から図9を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置200におけるコネクタ11と、コネクタ21との構成について説明する。図7は、図1におけるコネクタ11とコネクタ21との拡大斜視図である。
【0054】
図7に示す通り、コネクタ11は、第1の実施の形態で説明したコネクタ10に、ガイド102aおよび102bが設けられた形状である。なお、ガイド102aと102bとの夫々を区別しない場合、または、総称する場合には、これらをガイド102と呼ぶ。
【0055】
ガイド102aは、コネクタ11の上部に設けられており、ガイド102bは、コネクタ11の下部に設けられている。つまり、コネクタ11のL字状の部分のうち、Y軸方向の部分(L字型の部分のうち縦方向の部分)が上下に延出(突出)した部分が、ガイド102となる。
【0056】
また、コネクタ21は、第1の実施の形態で説明したコネクタ20に、上記ガイド102を収容するためのガイド溝202aおよび202bが設けられた形状である。なお、ガイド溝202aと202bとの夫々を区別しない場合、または、総称する場合には、これらをガイド溝202と呼ぶ。
【0057】
ガイド102およびガイド溝202は、第1の基板1を筐体3に挿入する際に、ガイド102をガイド溝202に沿ってスライドさせるために設けられたものである。これにより、第1の基板1を筐体3に挿入する際に、コネクタ11とコネクタ21との接続にずれが生じない。
【0058】
図7の状態から、第1の基板1を筐体3に収容するために挿入した際の、コネクタ11およびコネクタ22の正面拡大図を図8に示す。第1の基板1を筐体3に挿入すると、コネクタ11とコネクタ21とが図8に示すように嵌合する。このとき、コネクタ11のガイド102が、コネクタ21のガイド溝202に沿って挿入されるため、コネクタ11とコネクタ21とは位置ずれを起こすことなく、嵌合することができる。
【0059】
そして、第1の実施の形態と同様に、回転体30を回転させることにより、図9に示す通り、コネクタ11のコンタクト101と、回転体30の中継端子301とが接続し、且つ、コネクタ21のコンタクト201と、回転体30の中継端子301とが接続する。これにより、コネクタ11とコネクタ21とが電気的に接続する。
【0060】
このように、本実施の形態に係る情報処理装置200は、上述した第1の実施の形態に係る情報処理装置100と同様の効果を有する。更に、本実施の形態に係る情報処理装置200によれば、コネクタ11とコネクタ21との接続の位置ずれをより抑止することができる。
【0061】
なお、本実施の形態に係る情報処理装置200のコネクタ11は、図8および図9に示す通り、ガイド102aおよび102bの夫々に更に凸部103aおよび103bを有する構成であってもよい。そして、コネクタ21は、この凹部103aおよび103bを夫々収容するための凹部203aおよび203bが設けられる構成であってもよい。
【0062】
凸部103aは、ガイド102aの内壁側(X軸正方向側)と、この反対側の壁側(X軸負方向側)とに設けられた突起である。同様に、凸部103bは、ガイド102bの両側の壁に設けられた突起である。なお、凸部103aと103bとの夫々を区別しない場合、または、総称する場合には、これらを凸部103と呼ぶ。
【0063】
凹部203aは、ガイド溝202aに設けられた溝であり、凸部103aと係合する形状に設けられたものである。同様に、凹部203bは、ガイド溝203bに設けられた溝であり、凸部103bと係合する形状に設けられたものである。なお、凹部203aと203bとの夫々を区別しない場合、または、総称する場合には、これらを凹部203と呼ぶ。
【0064】
このような凸部103および凹部203が設けられていることにより、コネクタ11とコネクタ21とは位置ずれをよりなくすことができる。また、凸部103と凹部203とが係合することにより、第1の基板1を筐体3に挿入した後も、コネクタ11とコネクタ21との位置ずれを好適に防ぐことができる。
【0065】
なお、凸部103および凹部203の形状および数は、これに限定されるものではなく、第1の基板1を挿入する際に、容易に挿入可能であり、より位置ずれを防ぐことが可能な数であることが好ましい。
【0066】
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、説明の便宜上、前述した第1および第2の実施の形態で説明した図面に含まれる部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0067】
第1および第2の実施の形態では、中継端子301と羽部302とを備えた回転体30を用いて、コネクタ10とコネクタ20とを電気的に接続する構成について説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0068】
本実施の形態では、更に、簡単な構成で好適にコネクタ10とコネクタ20とを電気的に接続されるための構成について説明する。
【0069】
図10は、本実施の形態に係る情報処理装置300のコネクタ12とコネクタ20との構成を示す断面図である。図10では、第1の基板1を筐体3に挿入した後の状態を示している。本実施の形態に係る情報処理装置300の全体構成は、図1に示す情報処理装置100と同様であるため、説明を省略する。本実施の形態に係る情報処理装置300の第1の基板1は、第1の実施の形態に係る第1の基板1のコネクタ10の代わりにコネクタ12を含んでいる。
【0070】
なお、本実施の形態に係る情報処理装置300は、情報処理装置100の第1の基板1のコネクタ10の代わりにコネクタ12を設けることを例に説明を行うが、本発明はこれに限定されるものではない。情報処理装置300の第1の基板12のコネクタ12および第2の基板2のコネクタ20は、第2の実施の形態に係る情報処理装置200のコネクタ11およびコネクタ21と同様に、ガイド102およびガイド溝202が設けられた構成であってもよい。
【0071】
コネクタ12は、コネクタ20と電気的に接続するための端子群であるコンタクト101(第1の端子群)と、回転体31とを備えている。なお、本実施の形態では、回転体31は、コネクタ12に備えられることを例に説明を行うが本発明はこれに限定されるものではない。回転体31は、コネクタ20に備えられるものであってもよい。
【0072】
回転体31は、軸303と、軸303に取り付けられた卵型の1以上の回転部材304とを含んでいる。
【0073】
回転部材304は、回転体30が軸303を中心に回転することにより、コンタクト101と、コンタクト201とを、物理的に接続させる部材である。回転部材304は、コンタクト101の端子ごとに設けられるものであってもよいし、複数の端子ごとに設けられるものであってもよい。図11は、図10の状態から回転体30を回転させた状態を示す図である。これにより、コネクタ12と、コネクタ20とは、電気的に接続することができる。
【0074】
このように、本実施の形態に係る情報処理装置300は、より簡単な構成で、上述した第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0075】
以上のように、上述した各実施の形態に係る情報処理装置を、ブレードサーバやハードディスクドライブなど、筐体の前方および後方からスライド挿入して実装する構造を有する機器に好適に適用することができる。
【0076】
なお、上述した各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、上記各実施の形態にのみ本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において当業者が上記各実施の形態の修正や代用を行い、種々の変更を施した形態を構築することが可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 第1の基板
2 第2の基板
3 筐体
10、11、12 コネクタ
101 コンタクト
102 ガイド
103 凸部
20、21 コネクタ
201 コンタクト
202 ガイド溝
203 凹部
30、31 回転体
301 中継端子
302 羽部
303 軸
304 回転部材
100、200、300 情報処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11