(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
A.第1実施形態:
A−1.装置構成:
図1は、本発明の一実施形態としての車両位置特定装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示す車両位置特定装置100は、図示しない車両に搭載されて車両の位置を特定する。車両位置特定装置100により特定された位置に基づき、例えば、操舵やブレーキや出力の自動制御(以下、「車両制御」とも呼ぶ)を行なったり、運転者に現在位置を示す地図を表示したり、警報を報知したり、経路探索や経路案内を行なったりすること(以下、「運転支援」とも呼ぶ)ができる。なお、上述の車両とは、自動車、トラック、タクシー、バス、バイク、自転車など、道路上を走行可能な任意の車両を意味する。
【0015】
図1に示すように、車両位置特定装置100は、CPU(Central Processing Unit)110と、ROM(Read Only Memory)121と、RAM(Random Access Memory)122と、ハードディスク130と、センサ入力インターフェイス(I/F)部141と、画像入力インターフェイス(I/F)部142とを備えている。これらの各構成要素は、内部バス190に接続されている。
【0016】
CPU110は、ROM121に記憶されている制御プログラムを実行することにより、車両位置特定部111、距離特定部112、画像データ取得部113、および測位結果取得部114として機能する。
【0017】
車両位置特定部111は、後述する車両位置特定処理を実行して、車両の現在位置を特定する。距離特定部112は、車両の移動した距離を特定する。例えば、後述する車速センサにより測定される車速を利用して移動距離を特定できる。画像データ取得部113は、撮像カメラ230により得られた撮像画像の画像データを取得してCPU110に送ったりハードディスク130に記憶させたりする。本実施形態において、撮像カメラ230は、CCD(Charge Coupled Device)を有するデジタルビデオカメラであり、所定画素数の映像データ(画像データ)を取得する。
【0018】
測位結果取得部114は、GPS(Global Positioning System)測位部250による測位結果である現在位置に関する情報(緯度、経度および高度)を取得する。GPS測位部250は、全地球測位システム(GPS)衛星から出力される信号に基づき、現在位置を算出する。GPS測位部250として公知の装置を採用することができるため、その詳細な説明を省略する。
【0019】
ハードディスク130は、第1地図データ格納部131、第2地図データ格納部132、および地物情報格納部133を備えている。第1地図データ格納部131は、道路をリンクおよびノードで表した概略的な地図(以下、「第1地図」と呼ぶ)を表すデータ(以下、「第1地図データ」と呼ぶ)を格納する。
【0020】
図2は、第1実施形態における第1地図を模式的に示す説明図である。
図3は、第1地図データの一例を示す説明図である。
図3では、
図2に示す第1地図の一部に相当するデータを表す。
図3(A)はリンクに関するデータ(以下、「リンクデータ」と呼ぶ)の一例を示し、
図3(B)はノードに関するデータ(以下、「ノードデータ」と呼ぶ)の一例を示す。
【0021】
図2に示すように、第1地図は、複数のリンクおよびノードにより表される。ノードは、現実の道路における交差点や分岐点に相当する。
図2では、合計9個のノードが表されている。これらのうち、2つのノードN1a,N2aは、後述する特定ノードに該当する。残りの7つのノードN1b,N2b,N3b,N4b,N5b,N6b,N7bは、特定ノードではない。リンクは、ノードとノードとの間の道路部分に相当する。例えば、リンクL1は、2つのノードN1a,N1bの間の道路部分に相当する。同様に、リンクL2は2つのノードN1b,N2aの間の道路部分に、リンクL3は2つのノードN2a,N4bの間の道路部分に、リンクL4は2つのノードN4b,N1aの間の道路部分に、リンクL5は2つのノードN2a,N5bの間の道路部分に、リンクL6は2つのノードN1a,N3bの間の道路部分に、それぞれ相当する。なお、
図2では、ノードN1bを端部とする2つのリンクL10,L11における他端に相当するノードは、それぞれ省略されている。なお、
図2では、双方向の車線を単一のリンクで表しているが、それぞれ異なるリンクで表してもよい。
【0022】
図3(A)に示すように、リンクデータは、各リンクの識別子、接続ノード、および長さの各フィールドの情報から成る。本実施形態では、説明の便宜上、各リンクの識別子を、
図2に示す各リンクの符号と一致させている。「接続ノード」フィールドには、各リンクの端点に相当するノードの識別子が設定される。本実施形態では、説明の便宜上、各ノードの識別子を、
図2に示す各ノードの符号と一致させている。「長さ」フィールドには、各リンクの長さ(道路に沿った長さ)が設定される。なお、リンクデータとしては、上述した3つの情報に加えて、例えば、道路形状や車線数や道路種別など、道路を特徴付ける任意の情報を含んでもよい。また、各リンクを形成する点列の各点の座標を含んでも良い。
【0023】
図3(B)に示すように、ノードデータは、各ノードの識別子、接続フラグ、位置情報、接続リンク、特定リンク、切替ポイント、および目印地物データの各フィールドの情報から成る。「接続フラグ」フィールドには、特定ノードであるか否かを示すフラグが設定される。特定ノードについて、
図2を用いて説明する。
【0024】
図2において破線で示す領域Ar1は、後述する第2地図により表されている領域(以下、「特定領域」と呼ぶ)である。リンクL1は、特定領域Ar1の内と外とに亘って延びるリンクである。本実施形態では、特定領域Ar1の内と外とに亘って延びるリンクを、「特定リンク」と呼ぶ。
図2に示すように、リンクL2も、リンクL1と同様に特定リンクに該当する。
【0025】
特定ノードとは、特定リンク上において、特定領域の外側に配置されているノードである。また、特定ノードは、後述する車両位置特定処理において、GPS測位部250による測位結果を用いずに、第1地図データを用いて現在位置を特定する処理に関連するノードであり、後述する切替ポイントまでの距離の起点となるノードである。
図2に示すように、本実施形態では、特定ノードは、特定領域から特定リンクに沿って移動して最初に到達するノード、換言すると、特定領域の外側のノードのうちの特定リンクL1,L2に沿って特定領域に最も近いノードN1a,N2aに設定されている。そして、
図3に示す接続フラグ「1」は特定ノードであることを示し、接続フラグ「0」は特定ノードでないことを示す。
【0026】
図3(B)に示す「位置情報」フィールドには、ノードの位置(緯度、経度および標高)が設定される。「接続リンク」フィールドには、ノードに接続されているリンクの識別子が設定される。「特定リンク」フィールドには、特定リンクの識別子が設定される。例えば、ノードN1aは、特定リンクであるリンクL1に接続されているため、特定リンクフィールドには「L1」が設定される。なお、特定リンクに接続されていないノードについては、「接続リンク」フィールドには、「−」が設定される。
【0027】
「切替ポイント」フィールドには、当該ノードから切替ポイントまでの特定リンクに沿った長さが設定される。例えば、
図2に示すように、リンクL1には切替ポイントCp1が設定されており、ノードN1aから切替ポイントCp1までのリンクL1に沿った長さD1が、ノードN1aに対して設定される。なお、
図3の例では、長さD1は300メートルに相当する。
図2に示すように、切替ポイントCp1は、特定領域Ar1とリンクL1との交点に設定されている。また、
図2に示すように、リンクL2には切替ポイントCp2が設定されており、ノードN2aから切替ポイントCp2までのリンクL2に沿った長さD2が、ノードN2aに対して設定される。なお、
図3の例では、長さD2は150mに設定されている。本実施形態では、
図2に示すように、切替ポイントCp2は、特定領域Ar1とリンクL2との交点よりも、リンクL2に沿ってノードN2a寄りの位置に相当する。上述の切替ポイントとは、車両の位置を特定する際に用いる地図を第1地図から第2地図に切り替えるべき地点として、予め管理者により設定されている地点を意味する。なお、切替ポイントの詳細については、後述の車両位置特定処理の中で説明する。
【0028】
図3(B)に示す「目印地物データ」フィールドには、後述する車両位置特定処理において、特定ノードを特定するために用いられる地物(以下、「目印地物」と呼ぶ)のデータ(以下、「目印地物データ」と呼ぶ)の識別子が設定される。本実施形態において、目印地物データとは、目印地物の画像、名称、各種属性を表すデータ群を意味する。後述するように、地物情報格納部133には、各地物のデータが識別子と対応付けられて格納されており、上述の目印地物データフィールドには、目印地物データの識別子が設定される。本実施形態では、ノードN1aには、目印地物として、ノードN1aに配置されている信号機に設置されてノードN1aの名称が記載されている標識が設定されている。なお、特定リンクに接続されていないノードについては、「目印地物データ」フィールドには、「−」が設定される。
【0029】
図3(A)および
図3(B)に示す各フィールドの値は、予め管理者によって設定されている。なお、
図3(A)および
図3(B)では、位置情報および目印地物データの各フィールドの値は、説明の便宜上、模式的な値として表している。
【0030】
図1に示す第2地図データ格納部132は、道路や標識や路面標示等の地物を第1地図に比べて高精度に表現する地図である第2地図の地図データ(以下、「第2地図データ」と呼ぶ)を格納する。本実施形態において、第2地図は、第1地図で表される領域のうちの一部の領域に対応している。具体的には、
図2に示す上述した特定領域Ar1に対応する。
【0031】
図4は、第1実施形態における第2地図を模式的に示す説明図である。
図5は、第2地図データの一例を示す説明図である。
図5では、
図4に示す第1地図の一部に相当するデータを表す。
図4に示すように、第2地図には、道路の各レーンに加えて、各レーンの中心線や、停止線および横断歩道等の路面標示や、信号機および標識等の道路近傍に存在する地物も表現されている。なお、
図4では、第1地図において対応するリンクまたはノードの識別子(符号)を、説明の便宜上表示している。
【0032】
図5に示すように、第2地図データは、「道路面」、「道路端」、「路面標示」、「信号」、「標識」、「レーン」、および「その他の立体物」に関するデータを含む。なお、
図5では、第2地図データに含まれるコンテンツを列挙し、具体的なデータについては、図示を省略している。
【0033】
「道路面」としては、例えば、交差点、分離帯、路肩、および歩道に関する情報が設定されている。例えば、交差点に関する情報としては、交差点の大きさや交差点の位置などの情報が含まれる。「道路端」としては、道路端線に関する情報が設定される。道路端線に関する情報としては、道路中央位置(分離帯の中央)からの距離や、道路端線を形成する点列の各点の座標などが含まれる。
【0034】
「路面標示」としては、例えば、区画線、停止線、横断歩道、および路面標示に関する情報が設定されている。例えば、停止線に関する情報としては、停止線の配置位置や大きさに関する情報などが含まれる。なお、
図5では、
図4に示す停止線13の識別子「0A2」が記載されており、停止線13について位置および大きさが設定されていることを示している。また、例えば、路面標示に関する情報としては、路面標示の位置および大きさに加えて、路面標示の種類に関する情報などが含まれる。
【0035】
「信号」としては、例えば、車両用信号に関する情報、および歩行者用信号に関する情報が設定されている。車両用信号に関する情報としては、例えば、信号機の位置、大きさ、形状に関する情報や、矢印信号の有無や種類に関する情報や、交差点名称の標識の有無の情報などが含まれる。歩行者用信号に関する情報としては、例えば、信号機の位置、大きさ、形状に関する情報などが含まれる。
【0036】
「標識」としては、例えば、既存の標識に関する情報がそれぞれ設定されている。具体的には、種類を表す情報や、標識の位置、大きさ、形状、色等の情報が含まれる。
図5では、
図4に示す駐車禁止の標識12の識別子「0A1」が記載されており、標識12について位置、大きさ、形状、色等が設定されていることを示している。
【0037】
「レーン」としては、例えば、レーン中心線に関する情報や、レーン間接続に関する情報などが設定されている。レーン中心線に関する情報としては、レーン中心線の数や、各レーン中心線の位置などが含まれる。
図5では、
図4に示すレーン中心線11の識別子「0B1」が記載されており、レーン中心線11について数や位置等が設定されていることを示している。
【0038】
「その他の立体物」としては、例えば、縁石、壁、ガードレール、電柱、および街灯に関する情報が設定されている。例えば、縁石に関する情報としては、縁石の位置および大きさなどが含まれる。
【0039】
図5に示すように、第2地図データには、多くの地物について位置、種類、大きさ、形状等についての高精度な情報が含まれる。したがって、第2地図データのデータ量は非常に多い。しかしながら、上述したように、第2地図データは、第1地図の一部の領域のみ対応しており、すべての領域に対応していない。このため、第2地図が第1地図のすべての領域に対応する構成に比べてデータ量が低減され、ハードディスク130として比較的記憶容量の小さなハードディスクを用いることができる。
【0040】
図1に示す地物情報格納部133には、第1地図データや第2地図データにおいて識別子が設定されている各種地物のデータが、識別子と対応付けて格納されている。
【0041】
センサ入力インターフェイス部141は、車両に配置されている車速センサ240およびGPS測位部250に接続されており、これらの各センサからの信号を、内部バス190を介してCPU110に中継する。車速センサ240は、車両の走行速度を検出する。車速センサ240として公知の装置を採用することができるため、その詳細な説明を省略する。画像入力インターフェイス部142は、撮像カメラ230に接続されている。撮像カメラ230は、CCD(Charge Coupled Device)を有するデジタルビデオカメラであり、所定画素数の映像データ(画像データ)を取得する。なお、本実施形態において、撮像カメラ230は、撮像範囲が車両前方となるように、車両に搭載されている。
画像入力インターフェイス部142は、撮像カメラ230により得られた画像データを、内部バス190を介してCPU110に中継する。
【0042】
上記構成を有する第1実施形態の車両位置特定装置100では、後述する車両位置特定処理を実行することにより、車両が特定領域内に存在する場合には、第2地図を用いて現在位置をより精度良く特定し、第2地図を用いた現在位置の特定が実行できないことを抑制する。
【0043】
上述の第1地図データ格納部131は、請求項における第1地図データ記憶部に相当する。また、第2地図データ格納部132は、請求項における第2地図データ記憶部に相当する。
【0044】
A−2.車両位置特定処理:
図6は、第1実施形態における車両位置特定処理の手順を示すフローチャートである。車両位置特定装置100では、車両のイグニッションがオンとなり、車両位置特定装置100の電源がオンすると、車両位置特定処理が実行される。なお、以降では、車両が
図2において破線の矢印で示す経路RT1に沿って運転されるものとする。
【0045】
測位結果取得部114は、GPS測位部250による測位結果を取得し、かかる測位結果の示す位置を、車両の現在位置として推定される位置(以下、「推定現在位置」と呼ぶ)として特定する(ステップS105)。車両位置特定部111は、ノードデータを参照して、ステップS105で特定された推定現在位置が特定ノードの近傍であるか否かを判定する(ステップS110)。特定ノードの近傍とは、本実施形態では、特定ノードまでの距離が0メートル以上且つ50メートル以下であることを意味する。なお、特定ノードまでの距離が任意の距離である範囲を、特定ノードの近傍としてもよい。
【0046】
上述のステップS110において、推定現在位置が特定ノードの近傍でないと判定されると(ステップS110:NO)、上述のステップS105が実行される。これに対して、推定現在位置が特定ノードの近傍であると判定されると(ステップS110:YES)、画像データ取得部113は、撮像カメラ230の撮像により得られた画像データを取得する(ステップS115)。車両位置特定部111は、ステップS115で取得された画像データの表す画像において目印候補地物を抽出する(ステップS120)。目印候補地物とは、上述した目印地物の候補となる地物を意味する。具体的には、ノードN1aの近傍であれば、撮像画像において、ノードN1aに対応付けられている目印地物である「交差点名称が記載された標識」と類似する外形の地物が抽出される。車両位置特定部111は、ステップS120で抽出された目印候補地物が特定ノードの目印地物であるか否かを判定する(ステップS125)。例えば、ノードN1aの近傍で撮像された画像において、交差点名称が記載された標識が抽出されると、かかる標識の文字列に関する情報と、
図3(B)に示すようにノードN1aに対して目印地物データとして記憶されている文字列に関する情報とを比較して、これらが一致する場合に目印候補地物が特定ノードの目印地物であると判定し、一致しない場合に目印候補地物が特定ノードの目印地物でないと判定できる。
【0047】
上述のステップS125において、目印候補地物が目印地物でないと判定されると(ステップS125:NO)、ステップS105に戻る。これに対して、ステップS125において、目印候補地物が目印地物であると判定されると(ステップS125:YES)、車両位置特定部111は、撮像画像に基づき、目印地物であると特定した地物と車両との位置関係から、第1地図上の現在位置を特定する(ステップS130)。したがって、GPS測位結果に基づく推定される現在位置に比べて、より精度の高い現在位置が特定される。
【0048】
車両位置特定部111は、車両が特定リンクを走行中であるか否かを判定する(ステップS135)。特定リンクを走行中であるか否かは、例えば、リンクデータがリンクの点列の座標を含む構成においては、改めてGPS測位部250による測位結果を取得し、その測位結果の位置が特定リンク上の点列のいずれかの点から所定距離以内であるか否かにより判定できる。
【0049】
上述のステップS135において、車両が特定リンクを走行していないと判定されると(ステップS135:NO)、前述のステップS105に戻る。例えば、車両が
図2に示すリンクL4をノードN1aに向かって走行していき、ノードN1aに達した後に、左折せずに直進した場合などには、車両は、リンクL1上に存在しなくなる。この場合、車両の現在位置としては、ステップS105におけるGPS測位部250の測位結果による推定現在位置、および、ステップS130における撮像画像および第1地図データにより特定される現在位置とが得られるに過ぎない。
【0050】
これに対して、上述のステップS135において、車両が特定リンクを走行していると判定されると(ステップS135:YES)、距離特定部112は、特定ノードからの走行距離を特定する(ステップS140)。例えば、ステップS125が実行されてからの経過時間と、車速センサ240から受信する走行速度の履歴とから、ステップS130で特定された現在位置からの距離を求め、ステップS130で特定された現在位置と特定ノードとの位置関係から、特定ノードからの距離を特定することができる。
図2の経路RT1に沿って車両が走行して、ノードN1aにおいて左折してリンクL1内に存在する場合、ノードN1aからその位置までの距離が測定される。
【0051】
車両位置特定部111は、
図3(B)に示すノードデータの切替ポイントフィールドの値を参照して、ステップS140において測定された特定ノードからの距離に基づき、現在位置が切替ポイントに達したか否かを判定する(ステップS145)。現在位置が切替ポイントに達していないと判定されると(ステップS145:NO)、前述のステップS140が実行される。これに対して、現在位置が切替ポイントに達したと判定されると(ステップS145:YES)、画像データ取得部113は、撮像カメラ230の撮像により得られた画像データを取得する(ステップS150)。例えば、
図2に示す経路RT1に沿って車両がリンクL1をノードN1bに向かって進んでゆき、ノードN1aからの距離がD1(300メートル)の地点である切替ポイントCp1に達すると、画像データが取得される。切替ポイントCp1は、特定領域Ar1の内と外との境界に位置しているので、ステップS150で取得される画像には、特定領域Ar1内の地物が写ることになる。また、例えば、車両がリンクL2をノードN1bに向かって進んでゆき、ノードN2aからの距離がD2(150メートル)の地点である切替ポイントCp2に達すると、画像データが取得される。切替ポイントCp2は、特定領域Ar1よりも外側に位置しているので、最初にステップS150が実行されて得られた画像には、特定領域Ar1の外側に位置する地物が写り、特定領域Ar1内の地物が写らない可能性がある。但し、後述するように、ステップS150は繰り返し実行されるため、車両が特定領域Ar1に入った後に実行されるステップS150で得られた撮像画像内には、特定領域Ar1内の地物が写ることになる。
【0052】
車両位置特定部111は、ステップS150で取得された画像内において、ランドマークを抽出する(ステップS155)。ランドマークとは、第2地図により表され得る地物を意味し、例えば、
図5に示すような各地物が該当する。このステップS155は、例えば、予めランドマークとなり得る地物の輪郭パターンを登録しておき、撮像画像内におけるエッジ抽出等により輪郭抽出を行い、抽出された輪郭と予め登録されている輪郭パターンとを比較してランドマークを抽出してもよい。なお、上述のように、リンクL1上の切替ポイントCp1で撮像された画像内には、特定領域Ar1内の地物が写るためランドマークが抽出され得る。他方、切替ポイントCp2で撮像された画像内には、特定領域Ar1の外側にある地物が写り、特定領域Ar1内の地物が写らない可能性がある。この場合、ステップS155では、ランドマークは抽出されない。
【0053】
車両位置特定部111は、ステップS155において抽出したランドマークを、第2地図データに基づき特定し、特定されたランドマークと車両との位置関係から、第2地図上の現在位置を特定する(ステップS160)。
図4に示すように、第2地図には、多数のランドマークが設定されている。したがって、ステップS160では、撮像画像内において多数のランドマークと車両との位置関係から、車両の現在位置が特定されるため、高精度の位置が特定されることになる。
【0054】
ここで、上述のステップS150〜S160は、現在の車両位置が例えば
図2に示す切替ポイントCp1に達したと判定されると実行されるため、特定領域Ar1において第2地図上の高精度の位置が特定される。換言すると、ノードN1aからノードN1bに向かってリンクL1を走行してゆき特定領域Ar1を越えてからステップS150〜S160が実行されてしまい、第2地図上において現在位置が特定できなくなることを抑制できる。
【0055】
ステップS160の実行後、車両位置特定部111は、ステップS160で特定された現在位置が特定領域から外れたか否かを判定し(ステップS165)、現在位置が特定領域から外れていないと判定されると、上述のステップS150に戻り、ステップS150〜S160が再び実行される。したがって、車両の走行と共に第2地図上における現在位置が継続して特定される。他方、ステップS165において、現在位置が特定領域から外れたと判定されると、前述のステップS105に戻り、ステップS105〜S160が再び実行される。
【0056】
以上説明した第1実施形態の車両位置特定装置100では、撮像画像内のランドマークを特定して、特定されたランドマークと車両との位置関係から第2地図に基づき現在位置を特定する処理を、車両の現在位置が切替ポイントに達したことを契機として開始する。そして、この切替ポイントを、特定ノードから切替ポイントまでの特定リンクに沿った距離が、特定ノードから特定領域Ar1までの特定リンクに沿った距離以下となるような地点として設定している。したがって、特定リンクに沿って走行してゆき、特定領域Ar1を過ぎてから、ランドマークの特定および第2地図に基づき現在位置を特定する処理が開始されることを抑制できる。このため、第2地図に基づき車両の現在位置が特定できなくなることを抑制できる。なお、特定領域の手前に切替ポイントが設定されていると、ランドマークの特定および第2地図に基づき現在位置を特定する処理が実行された場合、当初は現在位置を特定できないことが起こり得る。しかしながら、車両の走行に伴って車両が特定領域Ar1内に進入すると、第2地図に基づき現在位置を特定することが可能となる。
【0057】
また、車両の現在位置が切替ポイントに達したか否かを判定するために、まず特定ノードにおいて撮像画像に基づき第1地図上の位置を特定し、次に所定ノードからの距離を測定することによりその距離が所定距離以上であるか否かで判定している。したがって、GPS測位部
250の測位結果に基づき現在位置を特定して切替ポイントに達したか否かを特定する構成に比べて、切替ポイントに達したか否かを精度良く判定できる。
【0058】
また、切替ポイントの位置を、特定領域から特定リンクに沿って移動して最初に到達するノードからの距離として設定している。換言すると、特定領域の外側のノードのうちの特定リンクに沿って特定領域に最も近いノードからの距離として設定している。このため、切替ポイントの位置を、特定領域の外側の他のノードからの距離として設定する構成に比べて、かかる距離を短くできる。このため、かかる構成に比べて、現在位置が切替ポイントに達したか否かを精度良く判別できる。
【0059】
B.第2実施形態:
図7は、第2実施形態の車両位置特定装置100aの概略構成を示すブロック図である。第2実施形態の車両位置特定装置100aの構成は、車両制御用入出力インターフェイス(I/F)部143を備えている点、およびCPU110が挙動特定部115として機能する点において、
図1に示す第1実施形態の車両位置特定装置100の構成と異なる。第2実施形態の車両位置特定装置100aの他の構成は、第1実施形態の車両位置特定装置100と同じであるので、同一の構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0060】
車両制御用入出力インターフェイス部143は、車両に配置されている車両用ECU(Electronic Control Unit)210と接続されており、車両用ECU210からの信号を受信する。車両制御用入出力インターフェイス部143と車両用ECU210との接続は、例えば、CAN(Controller Area Network)により実現され得る。車両制御用入出力インターフェイス部143は、内部バス190に接続されており、車両用ECU210から受信した信号をCPU110に中継する。車両用ECUとしては、例えば、エンジン制御用ECUや、ブレーキ制御用ECUや、ウィンカー制御用ECUや、などが該当する。本実施形態では、車両制御用入出力インターフェイス部143は、車両用ECU210から車両が右折しているまたは左折しているといった、車両の挙動に関する情報を受信し、CPU110に中継する。
【0061】
挙動特定部115は、車両制御用入出力インターフェイス部143により中継される車両の挙動に関する情報を取得して、車両の挙動を特定する。具体的には、本実施形態では、挙動特定部115は、車両が右折または左折しているか否かを特定する。
【0062】
図8は、第2実施形態における車両位置特定処理の手順を示すフローチャートである。第2実施形態における車両位置特定処理は、ステップS115、S120およびS125に代えて、ステップS111およびS112を実行する点と、ステップS130に代えてステップS130aを実行する点とにおいて、
図6に示す第1実施形態における車両位置特定処理と異なる。第2実施形態における車両位置特定処理のその他の手順は、第1実施形態における車両位置特定処理と同じであるので、同一の手順には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0063】
上述のステップS110において、推定現在位置が特定ノードの近傍であると判定されると(ステップS110:YES)、挙動特定部115は、車両制御用入出力インターフェイス部143を介して車両用ECU210より車両の挙動に関する情報を取得し(ステップS111)、車両が右折または左折したか否かを判定する(ステップS112)。車両が右折または左折していないと判定されると(ステップS112:NO)、上述のステップS105に戻る。
【0064】
これに対して、車両が右折または左折したと判定されると(ステップS112:YES)、車両位置特定部111は、現在位置を特定ノードの位置であると特定する(ステップS130a)。その後、ステップS135以降の処理が実行される。
【0065】
以上説明した第2実施形態の車両位置特定装置100aは、第1実施形態の車両位置特定装置100と同様な効果を有する。加えて、左折または右折を含む車両の挙動情報に基づき現在位置が特定ノードの位置であることを特定するので、かかる特定を簡易に行なうことができ、かかる特定処理の処理負荷を軽減できる。
【0066】
C.第3実施形態:
図9は、第3実施形態におけるノードデータの一例を示す説明図である。第3実施形態の車両位置特定装置の構成は、ノードデータにおける設定項目(フィールド)において、第1実施形態の車両位置特定装置100の構成と異なる。第3実施形態の車両位置特定装置におけるその他の構成は、第1実施形態の車両位置特定装置100と同じであるので、同一の構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0067】
図9に示すように、第3実施形態のノードデータは、「参照地物」フィールドが追加されている点において、
図3(B)に示す第1実施形態のノードデータと異なる。第3実施形態のノードデータにおける他のフィールドは、第1実施形態のノードデータと同じであるので、詳細な説明を省略する。
【0068】
図9に示す「参照地物」フィールドには、後述する第3実施形態の車両位置特定処理において、特定領域内において現在位置を特定するために参照される地物(以下、「参照地物」と呼ぶ)の識別子、および参照距離が設定される。参照距離とは、特定ノードを起点として、参照地物を用いて現在位置を特定する地点(以下、「参照地物ポイント」と呼ぶ)までの距離を意味する。例えば、ノードN1aについてのノードデータには、参照地物として、
図4に示す標識12の識別子「標識0A1」と、参照距離として「515メートル」が設定されている。また、ノードN2aについてのノードデータには、参照地物として、
図4に示す停止線13の識別子「停止線0A2」と、参照距離として「390メートル」が設定されている。なお、参照距離は、特定ノードを起点として、特定ノードに沿って参照地物までの距離と等しい距離に限らず、参照地物の若干手前の位置までの距離として設定されてもよい。
【0069】
図10は、第3実施形態における車両位置特定処理の手順を示すフローチャートである。第3実施形態における車両位置特定処理は、ステップS145に代えてステップS145aを実行する点と、ステップS160に代えてステップS160aを実行する点とにおいて、
図6に示す第1実施形態における車両位置特定処理と異なる。第2実施形態における車両位置特定処理のその他の手順は、第1実施形態における車両位置特定処理と同じであるので、同一の手順には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0070】
図10に示すように、上述したステップS140が実行されて特定ノードからの距離が特定されると、車両位置特定部111は、ステップS140により特定された距離に基づき、
図9に示すノードデータを参照して、現在位置が参照地物ポイントに達したか否かを判定する(ステップS145a)。現在位置が参照地物ポイントに達していないと判定されると(ステップS145a:NO)、上述のステップS140に戻る。これに対して、現在位置が参照地物ポイントに達したと判定されると(ステップS145a:YES)、上述のステップS150およびS155が実行されて、撮像画像の取得および撮像画像内のランドマークが抽出される。例えば、車両がリンクL1をノードN1bに向かって走行して、ノードN1aから515メートルの参照地点に達すると、撮像画像を取得して、撮像画像内のランドマークが抽出される。この撮像画像の中には、
図4に示す標識12が写っている。
【0071】
ステップS155の実行後、車両位置特定部111は、ステップS155において抽出したランドマークの中から参照地物を特定し、参照地物と車両との位置関係から、第2地図上の現在位置を特定する(ステップS160a)。その後、上述のステップS165が実行される。
【0072】
以上の構成を有する第3実施形態の車両位置特定装置は、第1実施形態と同様な効果を有する。加えて、特定領域において現在位置を特定するために参照される地物(参照地物)について、特定ノードからその地物までの距離が予めノードデータとして設定されているので、かかる参照地物が写るように撮像画像を取得することができる。このため、参照地物を用いた現在位置の特定を、高い確実性をもって実行できる。そして、参照地物として、道路から視認し易い位置にある、特徴的な形状である等、目印としての有用性が高い地物を採用することにより、特定領域における現在位置をより精度良く特定することができる。
【0073】
D.第4実施形態:
図11は、第4実施形態の車両位置特定装置を適用した運転支援装置の概略構成を示す説明図である。運転支援装置300は、車両位置特定装置100bと、表示装置260とを備えている。運転支援装置300は、表示装置260に第1地図または第2地図を表示すると共に、表示された地図上に車両の現在位置を表示する。第4実施形態の運転支援装置300は、表示装置260に地図および車両の現在位置を表示することにより運転者の運転を支援する。なお、表示装置260は、ナビゲーションシステムやオーディオシステム等の表示装置として用いられ、例えば、タッチパネルにより構成される。
【0074】
第4実施形態の車両位置特定装置100bの構成は、画像出力インターフェイス(I/F)部144を備えている点と、CPU110が地図表示部116として機能する点と、ノードデータの内容とにおいて、第1実施形態の車両位置特定装置100の構成と異なる。第4実施形態の車両位置特定装置100bの他の構成は、第1実施形態の車両位置特定装置100と同じであるので、同一の構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0075】
画像出力インターフェイス(I/F)部144は、表示装置260と内部バス190とに接続されており、内部バス190を介してCPU110(地図表示部116)から受信する画像信号を表示装置260に中継する。地図表示部116は、車両位置特定処理により特定される現在位置に対応した第1地図や第2地図を表示するための表示データを生成する。また、第1地図または第2地図上における車両の位置を示すデータを生成する。
【0076】
なお、車両位置特定装置100bでは、第1実施形態の車両位置特定装置100と同様に、
図6に示す車両位置特定処理が実行される。
【0077】
図12は、第4実施形態の運転支援装置300において実行される運転支援処理の手順を示すフローチャートである。車両のイグニッションがオンとなり、運転支援装置300(車両位置特定装置100bおよび表示装置260)の電源がオンすると、運転支援処理が実行される。したがって、運転支援装置300では、車両位置特定処理と運転支援処理とが並行して実行される。
【0078】
地図表示部116は、車両位置特定処理のステップS105で特定された推定現在位置に基づき、表示装置260に第1地図を表示させると共に、第1地図上における推定現在位置を表示させる(ステップS205)。
【0079】
地図表示部116は、車両が上述の切替ポイントに達したか否かを判定する(ステップS210)。上述のように、車両位置特定処理のステップS145において同じ判定処理が実行されており、地図表示部116は、この判定処理の結果に基づき、ステップS210の判定を実行できる。車両が切替ポイントに達していないと判定されると(ステップS210:NO)、上述のステップS205が実行される。
【0080】
これに対して、車両が切替ポイントに達したと判定されると(ステップS210:YES)、地図表示部116は、特定ノードからの距離に基づき、第2地図を表示装置260に表示させると共に、第2地図上に現在位置を表示する(ステップS215)。上述したように、特定ノードから切替ポイントまでの特定リンクに沿った距離は予め設定されているので、かかる距離に基づき、第2地図上に現在位置を表示できる。
【0081】
地図表示部116は、車両位置特定処理のステップS160が完了されたか否か、すなわち、撮像画像から抽出されたランドマークを用いた現在位置の特定が完了したか否かを判定する(ステップS220)。撮像画像から抽出されたランドマークを用いた現在位置の特定が完了していないと判定されると(ステップS220:NO)、前述のステップS215に戻る。
【0082】
これに対して、撮像画像から抽出されたランドマークを用いた現在位置の特定が完了したと判定されると(ステップS220:YES)、車両位置特定処理のステップS160により特定された現在位置、すなわち、撮像画像から抽出されたランドマークを用いて特定された現在位置を第2地図上に表示する(ステップS225)。上述のように、撮像画像から抽出されたランドマークを用いて特定された現在位置は高い精度で特定された現在位置であるので、ユーザは、第2地図上に表示された現在位置を見ることにより、現在位置をより正確に把握できる。
【0083】
地図表示部116は、表示装置260に表示されている第2地図上の現在位置を更新し(ステップS230)、車両の現在位置が特定領域から外れたか否かを判定する(ステップS235)。このステップS235の判定は、上述した車両位置特定処理のステップS165の判定結果を利用して判定してもよい。現在位置が特定領域から外れていないと判定されると(ステップS235:NO)、上述のステップS230が実行される。すなわち、現在位置が特定領域から外れるまで、表示装置260に表示されている第2地図において、現在位置が更新される。車両の現在位置が特定領域から外れたと判定されると(ステップS235:YES)、上述のステップS205に戻る。
【0084】
以上説明した第4実施形態の運転支援装置300では、表示装置260に地図が表示されると共に、車両の現在位置が表示されるので、運転者は、車両の現在位置を容易に特定できる。加えて、特定領域の外側の領域では、表示装置260に第1地図を表示させると共に、車両位置特定処理によって特定された現在位置を表示させる。このため、特定ノードを越えて特定リンク上を走行している場合には、特定ノードからの距離に基づき特定された現在位置が表示されるので、GPS測位部250の測位結果に基づき現在位置を表示する構成に比べて、より高い精度の現在位置を表示できる。また、特定領域内においては、撮像画像から抽出されたランドマークを用いて特定された現在位置を表示するので、非常に高い精度の現在位置を表示できる。
【0085】
E.変形例:
E−1.変形例1:
第3実施形態の運転支援装置300は、表示装置260に第1地図または第2地図と、現在位置を表示させることにより、運転支援を行なっていたが、本発明はこれに限定されるものではない。特定された現在位置に基づき、各種警報の報知や、車両制御を行なうこともできる。
【0086】
図13は、変形例における運転支援装置の概略構成を示す説明図である。この運転支援装置300aは、車両位置特定装置100cを備えている点と、車両用ECU210およびスピーカ220を備えている点とにおいて、第4実施形態の運転支援装置300と異なる。変形例における運転支援装置300aの他の構成は、第4実施形態の運転支援装置300と同じであるので、同一の構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0087】
車両位置特定装置100cは、車両制御用入出力インターフェイス部143および音声出力インターフェイス(I/F)部145を備えている点と、CPU110が報知制御部117および車両制御部118として機能する点とにおいて、第1実施形態の車両位置特定装置100と異なる。車両位置特定装置100cの他の構成は、第1実施形態の車両位置特定装置100と同じであるので、同一の構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0088】
車両制御用入出力インターフェイス部143および車両用ECU210は、
図7に示す第2実施形態の車両制御用入出力インターフェイス部143および車両用ECU210と同じであるので、同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。音声出力インターフェイス部145は、スピーカ220と内部バス190とに接続されており、内部バス190経由で受信した音声データを、音声信号としてスピーカ220に出力する。
【0089】
報知制御部117は、車両位置特定処理により特定された現在位置と、第1地図データおよび第2地図データとに基づき、警報音(音声メッセージやアラーム)等の音声データを音声出力インターフェイス部145に送信し、スピーカ220から警報音等を出力させる。かかる警報音の出力制御の具体例について説明する。特定領域内においては、第2地図は、各リンクにおける各レーンについての詳細情報(例えば、直進レーンや、右折専用レーンなどのレーンの種類など)が含まれている。ここで、運転支援装置300aにおいて図示しない機能部により目的地案内処理が実行され、特定領域内の或る交差点で右折する必要があるにも関わらず、現在位置が直進レーン上に存在する場合、「右折レーンに移動してください」といった警報メッセージを、スピーカ220から出力させる。また、例えば、特定領域内を走行中に、走行レーンにおいて一時停止の路面標示や標識が配置されているにも関わらず、かかる路面標示等の近傍において車速が所定の速度以上である場合に、「危ない!、速度を落として!」といった警報メッセージや所定音のアラームを、スピーカ220から出力させる。
【0090】
車両制御部118は、車両位置特定処理により特定された現在位置と、第1地図データおよび第2地図データとに基づき、車両の挙動を制御するための制御信号を、車両制御用入出力インターフェイス部143を介して車両用ECU210に送信することにより、車両制御を行なう。具体的には、例えば、上述したように、特定領域内を走行中に、走行レーンにおいて一時停止の路面標示や標識が配置されているにも関わらず、かかる路面標示等の近傍において車速が所定の速度以上である場合に、ブレーキECUに対して、ブレーキを作動させるための制御信号を出力する。
【0091】
以上説明した変形例の運転支援装置300aは、第4実施形態の運転支援装置300と同様な効果を有する。加えて、特定領域においては、高い精度で特定されている現在位置に基づき、警報の報知および車両制御を行なうため、適切なタイミングで警報の報知および車両制御を実行できる。なお、上述した運転支援装置300aにおいて、警報の報知および車両制御のうち、いずれか一方を省略してもよい。
【0092】
E−2.変形例2:
各実施形態において、特定リンクは、特定領域Ar1の内と外とに亘って延びるリンクであったが、本発明は、これに限定されるものではない。
図14は、変形例における第1地図を模式的に示す第1の説明図である。
図14に示す第1地図は、特定領域Ar1に代えて特定領域Ar2を有する点、切替ポイントCp2に代えて切替ポイントCp3が設定されている点、ノードN2aが特定ノードでない点、およびノードN5bが特定ノードである点において、
図2に示す第1実施形態の第1地図と異なる。
図14に示す第1地図におけるその他の構成は、
図2に示す第1地図の構成と同じであるので、同一の構成には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0093】
特定領域Ar2において、リンクL2に沿ったノードN2a側の端部(境界)は、ノードN2aおよびリンクL3の一部を含む線分として表されている。リンクL5には、切替ポイントCp3が設定されている。ノードN5bは特定ノードであるため、ノードN5bには、ノードN5bから切替ポイントCp3までのリンクL5に沿った長さD3が設定されている。すなわち、
図14の構成では、リンクL5が特定リンクに相当する。この構成では、特定リンクであるリンクL5の一端はノードN2aであるため、リンクL5は、特定領域Ar2の内と外とに亘って延びるリンクには相当せず、特定領域Ar2に一端が接するリンクに相当する。すなわち、一般には、特定ノードから特定領域に至る任意のリンクを、特定リンクとして本発明の位置特定装置およびデータ構造において用いてもよい。
【0094】
E−3.変形例3:
各実施形態において特定リンクは、1つのリンクから構成されていたが、1つに限らず複数のリンクにより構成されてもよい。
図15は、変形例における第1地図を模式的に示す第2の説明図である。
図15に示す第1地図は、ノードN3aおよびリンクL7が追加して表されている点、およびノードN1aが特定ノードでない点において、
図2に示す第1実施形態の第1地図と異なる。
図15に示す第1地図におけるその他の構成は、
図2に示す第1地図の構成と同じであるので、同一の構成には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0095】
ノードN3bを中心としてノードN1aと対称の位置には、ノードN3aが配置されている。ノードN3aはリンクL7を介してノードN3bに接続されている。ノードN3aは特定ノードであるため、ノードN3aには、ノードN3aから切替ポイントCp1までの3つのリンクL7,L6,L1に沿った長さD1aが設定されている。このような
図15の構成においては、3つのリンクL7,L6,L1が特定リンクに相当する。すなわち、一般には、1つまたは複数のリンクにより構成されるリンクを、特定リンクとして本発明の位置特定装置およびデータ構造において用いてもよい。
【0096】
ここで、
図2の構成と
図15の構成との相違は、特定ノードの位置の観点から以下のように表現できる。すなわち、
図2の構成では、特定ノードが、特定領域Ar1から特定リンクに沿って移動して最初に到達するノード、換言すると、特定領域Ar1の外側のノードのうちの特定リンクL1に沿って特定領域Ar1に最も近いノードに設定されているのに対して、
図15の構成では、特定ノードが、特定領域Ar1から特定リンクL1,L6,L7に沿って移動して3番目に到達するノード、換言すると、特定領域Ar1の外側のノードのうちの特定リンクL1,L6,L7に沿って特定領域Ar1から3番目に近いノードに設定されている。
図15の構成のように、特定領域の外側のノードのうちの特定リンクに沿って特定領域から3番目に近いノードN3aに設定されているのは、例えば、以下のようなケースが想定される。すなわち、2つのノードN3b,N1aに配置されている信号機に交差点名称が記載された標識が設置されていないのに対して、ノードN3aは比較的大きな交差点であるために、ノードN3aに配置されている交差点に交差点名称が記載された標識が設置されているケースが想定される。このケースでは、ノードN3aに特定ノードが設定されることにより、ステップS125,130において、撮像画像に基づき第1地図上の現在位置の特定を、確実に実行させることができる。なお、特定領域の外側のノードのうちの特定リンクに沿って特定領域から3番目に近いノードに限らず、任意の順番で近いノードを、特定ノードとして設定してもよい。すなわち、一般には、特定領域の外に配置されている任意のノードを、特定ノードとして本発明の位置特定装置およびデータ構造において用いてもよい。
【0097】
なお、
図15の構成では、ノードN3aにどのリンクを経由して特定領域に向かうのかという情報を含めてノードデータに設定することが好ましい。具体的には、ノードN3aにリンクL7,L6,L1の識別子「L7,L6,L1」と距離D1aとをノードデータに設定することが好ましい。また、この設定を利用して、ステップS135において、車両が特定ノード上を走行しているか否かを判定することが好ましい。
【0098】
E−4.変形例4:
第2実施形態を除く各実施形態では、ステップS130において、第1地図上の現在位置を特定していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、特定ノードを起点とした特定リンクに沿った距離を特定してもよい。かかる構成であっても、その後実行されるステップS145において、現在位置が切替ポイントに達したか否かを判定できる。すなわち、一般には、車両が特定ノードを通過すると推定されると、特定ノードに対する車両の相対的な位置を特定する車両位置特定部を、本発明の車両位置特定装置に用いることができる。
【0099】
E−5.変形例5:
各実施形態の車両位置特定装置100,100a,100b,100cの構成、および運転支援装置300,300aの構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、第1地図データ格納部131、第2地図データ格納部132、地物情報格納部133は、いずれもハードディスク130に格納されていたが、ハードディスク130に代えてROM121に格納してもよい。また、車速センサ240およびGPS測位部250は、車両位置特定装置および運転支援装置とは別体であったが、車速センサ240およびGPS測位部250のうちの少なくとも一方を、車両位置特定装置および運転支援装置と一体に構成してもよい。また、参照地物は、標識12および停止線13であったが、これらに代えて、横断歩道や信号機などであってもよい。また、目印地物は「交差点名称が記載された標識」であったが、これに代えて、特定ノードを特定可能な任意の地物を用いてもよい。また、車両位置特定処理において用いられる画像データは、撮像カメラ230により得られたデータであったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、車両からミリ波帯の電波やレーザーを照射し、その反射波により表される画像データを用いてもよい。また、ステップS105では、GPS測位部250により推定現在位置を特定していたが、車速センサとジャイロとを用いて走行距離および方角を記録して現在位置を特定するいわゆる慣性航法装置を用いて推定現在位置を特定してもよい。
【0100】
E−6.変形例6:
上記実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。すなわち、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、データを一時的ではなく固定可能な任意の記録媒体を含む広い意味を有している。
【0101】
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。