特許第6386319号(P6386319)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386319
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】研削盤
(51)【国際特許分類】
   B24B 55/02 20060101AFI20180827BHJP
   B24B 5/04 20060101ALI20180827BHJP
   B24B 41/02 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   B24B55/02 A
   B24B5/04
   B24B41/02
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-196011(P2014-196011)
(22)【出願日】2014年9月26日
(65)【公開番号】特開2016-64486(P2016-64486A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2017年7月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】593127027
【氏名又は名称】株式会社シギヤ精機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100091719
【弁理士】
【氏名又は名称】忰熊 嗣久
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 慧
(72)【発明者】
【氏名】松本 耕
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04274229(US,A)
【文献】 特開2010−069574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 5/00 − 5/50
B24B 55/02
B24B 41/02
B23Q 1/01
B23Q 11/10 − 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの両端を同軸上に支持して回転させるワーク保持装置と、
前記ワーク保持装置の背面から正面側に向けてワークへの切り込み移動する砥石装置と、前記砥石装置がワークを研削する箇所に向けてクーラントを供給するクーラントノズルと、前記ワーク保持装置と砥石装置に対して機械加工の基準面を提供し、一体状に結合された上面壁、前面壁、左面壁、右面壁を有するベッドであって、
前記上面壁は、正面側に並列して前記ワーク保持装置を支持する左右の台部と、前記左右の台部の間に設けられ正面側に向けて下に傾斜し、前記前面壁の外面上に下流端を有する傾斜箇所と、前記ワーク保持装置と砥石装置の間であって、前記ワーク保持装置に沿って前記ベッドの左右端部から前記傾斜箇所に向けて下降傾斜するように溝部が設けられ、前記クーラントノズルから供給されたクーラントは前記溝部に落下し前記傾斜箇所を経由して正面側に到り、前記前面壁の前外方に脱するように形成されたベッドと、
前記ベッドに対して断熱状に別体として設置され、前記前面壁の前外方に脱したクーラントをクーラントタンクに案内する第1の樋とを有することを特徴とする研削盤。
【請求項2】
請求項1記載の研削盤であって、前記左右の台部の頭頂部分が橋渡し状に連結されていることを特徴とする研削盤。
【請求項3】
請求項1記載の研削盤であって、前記ワーク保持装置は左右の主軸台を有し、それぞれが左右の台部に固定されていることを特徴とする研削盤。
【請求項4】
請求項1記載の研削盤であって、前記ベッドに対して断熱状に設置され、前記前面壁の前外方に流出するクーラントを受ける液受け箱を有し、前記樋は前記液受け箱から前記樋を経てクーラントはクーラントタンクに到ることを特徴とする研削盤。
【請求項5】
請求項1記載の研削盤であって、前記溝部に落下すべきクーラントの大部分を捕獲して前記傾斜箇所に流し込む第2の樋であって、前記第2の樋は、前記溝部の上側に傾斜箇所に向かって漸次降下していることを特徴とする研削盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研削盤に係り、特に供給されたクーラントの回収流路の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
ワーク保持部が保持したワークの研削中に、クーラントを供給するようにした研削盤において、ワークの加工点に供給されたクーラントは、ベッドの表面上を砥石装置側である後方へ流れ、ベッド後部を経て、ベッドの背面に配置されたクーラントタンク内に流入し、再びワークの加工点に供給される。このクーラントはワークの加工熱により温度上昇した状態となってベッドの表面を流れるため、ベッドは不均一に加熱され、この熱による変形が研削盤の加工精度を低下させる。
例えば特許文献1乃至3に開示された研削盤によれば、ベッドの表面上を流すのではなく、ワークの加工点の下に位置するベッド表面に対して切欠箇所を形成して、クーラントをベッド表面から下へ落下させる構造になっている。ベッド表面に切欠箇所を形成したことによる剛性低下を補うことが必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−231030号公報
【特許文献2】特開2002−127012号公報
【特許文献3】特開2004−223634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、クーラントの熱によるベッドの熱変形に起因して生じるワーク加工精度の低下を回避できるベッド構造を有する研削盤を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る研削盤は、ワークの両端を同軸上に支持して回転させるワーク保持装置と、
前記ワーク保持装置の背面から正面側に向けてワークへの切り込み移動する砥石装置と、前記砥石装置がワークを研削する箇所に向けてクーラントを供給するクーラントノズルと、前記ワーク保持装置と砥石装置に対して機械加工の基準面を提供し、一体状に結合された上面壁、前面壁、左面壁、右面壁を有するベッドであって、
前記上面壁は、正面側に並列して前記ワーク保持装置を支持する左右の台部と、前記左右の台部の間に設けられ正面側に向けて下に傾斜し、前記前面壁の外面上に下流端を有する傾斜箇所と、前記ワーク保持装置と砥石装置の間であって、前記ワーク保持装置に沿って前記ベッドの左右端部から前記傾斜箇所に向けて下降傾斜するように溝部が設けられ、前記クーラントノズルから供給されたクーラントは前記溝部に落下し前記傾斜箇所を経由して正面側に到り、前記前面壁の前外方に脱するように形成されたベッドと、
前記ベッドに対して断熱状に別体として設置され、前記前面壁の前外方に脱したクーラントをクーラントタンクに案内する第1の樋とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ワーク保持装置に対して機械加工の基準面を提供する台部が上面壁に設けられ、この間をクーラントが流れるようにしたため、クーラントが接する箇所が限定され、クーラントの熱の影響を受けにくい。また、クーラントは台部の間からベッド外に直ちに流下することから、比較的短い経路上を実現でき、ベッドとクーラントの接触時間が短縮化される。また、ベッドの上面壁に穴を開ける構造でないため、ベッドとしての強度性が維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例による研削盤を示す図である。
図2】研削盤を斜め後上方から見た斜視概要図である。
図3】研削盤を斜め前上方から見た斜視概要図である。
図4】樋を消去した状態の図2中の符号x1−x1部分を示す断面図である。
図5図2中の符号x2−x2部分を示す一部省略断面図である。
図6】樋を示した状態の図2中の符号x1−x1部分を示す断面図である。
図7図2中の符号x3−x3部分を示す一部省略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
実施例1による研削盤1は、ベッド上の正面側でワークwを保持するワーク保持装置2aと、ベッド100の背面側から正面側に切り込み移動する砥石装置2bとを備えている。箱形のベッド100は、ワーク保持装置2aと砥石装置2bを保持する上面壁1gを有し、上面壁1gはワーク保持装置2aと砥石装置2bに対して、工作機械としての加工精度を保証する機械加工上の基準面を提供する。ワーク保持装置2aはワークwを単にベッド100上の定位置に固定するもの、ワークwを直線的な移動可能に位置保持するもの、又は、ワークwを回転駆動可能に位置保持するものなどの何れでも良い。なお、図1中、符号a1は研削盤1の背面側から正面側へ向かう方向を示し、符号b1は左側を示している。
【0009】
砥石装置2bは電動モータなどで回転駆動される砥石車3をワーク保持装置2aにより位置保持されたワークwに対し相対変位させることによりワーク保持装置2aの背面からワークwを切り込むように加工する。ワーク保持装置2aはベッド100の正面側に配置され、砥石装置2bは砥石車3を正面側に移動させるため、ワークwと砥石車3の接触点である加工点はベッド100の正面側に位置し、正面側に立つ作業者に対してワークwを加工する様子が観察できるようになっている。
【0010】
ベッド100は、ワークwの研削加工中にワークwの加工点に供給されるクーラントを回収する液路4を備えている。液路4は、ワーク保持装置2aの左右方向b0長さ中央寄り位置に、方向a1に向かって形成された案内路4aとワーク保持装置2aの背面側に左右方向b0に沿って案内路4bを有している。ベッド100の上面壁1gは、ワーク保持装置2aに対して加工精度の基準となる面を与える左右2つの台部41、42を有し、台部41、42が上側に突出してワーク保持装置2aを左右で支える。また、上面壁1gは、台部41、42の間の箇所において、少なくとも支持箇所の方向a1の範囲c1内において、正面側に向けて下に傾斜する傾斜箇所sを有している。傾斜箇所sの左右方向b0の存在範囲は、砥石装置2bによる左右方向b0の研削範囲EXである。
【0011】
案内路4aは、傾斜箇所sによって構成され、支持箇所の間を通して重力でクーラントを流下させる。案内路4aの上流には、ワーク保持装置2aの背面側に左右方向b0に向かうように形成される案内路4bが設けられている。案内路4bはベッド100の左端側から案内路4aの最上流点に向け降下するように形成された右側案内路4b1と、ベッド100の右端側から案内路4aの最上流点に向け降下するように形成された左側案内路4b2を有している。
【0012】
案内路4aは、ワーク保持装置2aの下を通った後、ベッド100の正面側にある側壁を脱して、樋34によりベッド100の背面側に設けられたクーラントタンクに回収される。ベッド100上のクーラントを迅速にベッド100の外方に流出させるのは、クーラントの熱によるベッド100の偏った熱変形を回避するためである。クーラントは潤滑や冷却のための液体であり、単なる水であっても良い。
【実施例2】
【0013】
図2には他の箱形のベッド200が示されている。図2のx1−x1断面(図4図6)、x2−x2断面(図5)、x3−x3断面(図7)を参照して、ベッド200の内部構造を説明する。
【0014】
ベッド200は、前面壁1a、左面壁1d、後面壁1c、右面壁1fにより周囲を囲まれ、その内部を十字に交差する第1中央面壁1bと第2中央面壁1eが設けられている。前後面壁1a、1c及び第1中央面壁1bは、左右方向b0に沿うものである。また、左右面壁1d、1d及び第2中央面壁1eは、前後方向a0に沿うものである。第1中央面壁1b、第2中央面壁1e、前後左右面壁1a〜1fの交叉箇所は一体状に結合されており、また3つの面壁1a、1b、1cの下端部は曲げ強度を増大させるために肉厚部を形成されている。
【0015】
ベッド200は前後左右面壁1a、1c、1d、1fで囲まれた領域の上方開口を覆う上面壁1gが形成され、これと交差する前後左右および第1、第2中央の面壁1a〜1fと一体状に結合されている。上面壁1gの前部の左右各端部d21、d22は2つの面壁1d、1fに対し左右方向b0の外方へ張り出されており、各端部d21、d22の下面部には左右方向b0に沿う補強壁部d31と前後方向a0に沿う補強壁部d32とが一体状に形成されている(図4)。さらに各面壁1a〜1gには必要に応じ補強部d4が設けられ、また重量軽減などのため透孔d5が形成されている(図5)。
【0016】
ベッド200の上面壁1gの上面にはワーク保持装置2a及び砥石装置2bが設けられている。ワーク保持装置2aは上面壁1gの正面側の上方に設けられており、また砥石装置2bはワーク保持装置2aの背面側の上面壁1g部分の上方に設けられている。
ワーク保持装置2aは、上面壁1gに同体状且突状に設けられた左右の台部5に支持された左右一対からなる主軸台6a、6bと、これら主軸台6a、6bを左右方向b0へ変位させる第1駆動機構部7とを有している。
【0017】
台部41,42の上面には、第1駆動機構部7が設置されている。第1駆動機構部7は、左右方向b0に沿わせられた一対の直線状の案内レール5a、5bを有し、案内レール5a、5b間に位置されたネジ軸9を図示しないサーボモータにより回転させることにより一対の主軸台6a、6bを左右方向b0に若干変更可能である。各主軸台6a、6bの基台部8は案内レール5a、5bに左右方向b0の移動自在に支持された複数のサドル部材5cに載置状に固定され、これらサドル部材5cと同体状に左右移動する。
【0018】
一対の主軸台6a、6bは、左右方向b0で対向する一対の主軸10a、10b及び、それぞれの主軸10a、10bを回動させるサーボモータ11a、11bを備えている。各主軸10a、10bは、基台部8と同体状に形成された軸受箇所により左右方向b0に沿って移動するクイル12a、12bにZ軸回りの回転が可能なように支承され、ワークwを支持するための主軸センタ13a、13bを具備する。
【0019】
次に砥石装置2bは、図5において、上面壁1gと同体状に形成された左右向きの第2軌道台部14と、この第2軌道台部14に支持される移動台15と、この移動台15を左右方向b0へ変位させる第2駆動機構部16と、移動台15の上面側に設けられた案内手段17を介して前後方向a0の変位可能に支持された砥石台50と、この砥石台50を前後方向a0へ変位させる第3駆動機構部19とを有している。
【0020】
第2軌道台部14はベッド200の上面の第1軌道台部5の後方に前後一対の直線状の案内部14a、14bを左右方向b0に沿わせて突状に形成されており、これら案内部14a、14bの間箇所であるベッド200の上面は凹み状とされている。そして前側の案内部14aの上面には断面V形の凹み状とされた案内面e1が左右方向b0に沿って形成され、一方、後側の案内部14bの上面には左右方向b0に沿って長く形成された細長状の水平面からなる案内面e2が形成されている。
【0021】
移動台15は第2軌道台部14の案内部14a、14bにより左右方向b0の移動可能に支持され、下面に前後一対の被案内部15a、15bが形成されている。前側の被案内部15aは第2軌道台部14の前側の案内面e1に左右方向b0の摺動可能に支持される断面V形の下向き突状であり、一方、後側の被案内部15bは第2軌道台部14の後側の案内面e2に左右方向b0の摺動可能に支持される左右方向b0へ長い長方形状の水平面になっている。
【0022】
第2駆動機構部16は、第2軌道台部14と移動台15の間に装設されており、例えば、案内部14a、14b間に位置されたネジ軸18を既存の機構により回転させることにより移動台15をベッド200に対し左右方向b0へ移動する。
案内手段17は移動台15と砥石台50の間に装設されており、例えば移動台15の上面に前後方向a0に沿って設けられた左右一対の図示しない案内レールと、これら案内レールのそれぞれに前後方向a0の移動可能に支持され且つ、上面に砥石台50の一部である基台部20の下面を載置状に固定される図示しない複数のサドル部材とを備える。これにより砥石台50は移動台15上において基台部20と同体状に前後方向a0へ移動可能である。
【0023】
砥石台50は、左右方向b0に沿った砥石軸21に固定された砥石車22と、砥石軸21を左右方向b0に沿わせた状態で回転自在に支承する軸受部23と、砥石軸21の右端に回転力を付与する電動モータ24とを備えている。
砥石車22は砥石台50の左前寄り位置の上方に位置され、砥石台50に固定された砥石カバー25により上部及び後部を覆われる。電動モータ24は砥石台50の上面後部に固定されており、この電動モータ24の出力軸の回転が砥石軸21に伝達される。
【0024】
第3駆動機構部19は移動台15と砥石台50の間に装設されており、例えば、移動台15の上面に設けられた図示しない左右一対の案内レールの間に位置される前後方向a0に沿うネジ軸28や、砥石台50の下面に固定され且つこのネジ軸28に螺合される図示しないナット体、ネジ軸28を回転させるサーボモータ27を備える。
【0025】
ワーク保持装置2aに保持されたワークwは砥石車22を当接されて加工されるが、この加工中におけるワークwの加工点にはワークwの有害な発熱を回避するためクーラントがクーラントノズル29により連続的に供給される。
【0026】
クーラント送給装置31は、クーラントノズル29へクーラントを送給する。一方、クーラントノズル29からベッド100上に流出したクーラントは回収され、還流ライン32を経てクーラント送給装置31へ戻される。クーラント送給装置31は、クーラントタンク31bと、クーランタンク31b内に蓄えられたクーラントをクーラントノズル29に向け送給する送液ポンプ31cが設置されている。
【0027】
還流ライン32はベッド200の上面壁1g上に存在する部分とベッド200から脱した部分とで形成されている。ベッド200の上面壁1g上に存在する部分は、クーラントノズル29からワーク加工領域内に供給されたクーラントをベッド200の正面側に重力により流下させる液路4からなっている。この液路4は、案内路4aと案内路4bとからなる。
【0028】
上面壁1gの上側に突出した台部41、42の間が、案内路4aとなっている。図7に示すように、台部41、42の頭頂部は、ベッド200と同体状の梁板43で橋渡しされている。尚、梁板43は必須では無い。上面壁1gは、台部41、42の間の箇所において、正面側に向けて下に傾斜する傾斜箇所sを有している。傾斜箇所sの左右方向b0の存在範囲は、砥石装置2bによる左右方向b0の研削範囲EXである。本実施例においては、第1軌道台部5により、主軸台6a、6bが左右移動可能にしているが、第2軌道台部14により砥石装置2bが左右動可能であるので、第1軌道台部5を設けずに台部41、42にそれぞれ主軸台6a、6bを固定的に取り付けても良い。傾斜箇所sは、支持箇所の間を通して重力でクーラントを流下させて案内路4aを形成する。
【0029】
第1軌道台部5の背後の上面壁1gには左右方向に沿う溝部tが設けられ、その底面が図4に示すように傾斜箇所sの頂上に向けベッド200の左右端部から漸次に降下している。溝部tが案内路4bを形成する。案内路4bの上側には図6に示すように樋30が案内路4aに向け漸次降下するように装設されている。樋30は、案内路4bに落下すべきクーラントの大部分を捕獲して、案内路4aに直接流し込むものである。案内路4aの下流端はベッド200の前面壁1aの外面上の左右長さ中央寄り位置の上部に固定された液受け箱33a内に導かれている。
【0030】
液路4を経てベッド200上の前外方に流出したクーラントは、液受け箱33aから樋34を経てクーラントタンク31b内に至る。液受け箱33aや樋34は、ベッド200とは別体であり、熱がベッド200に伝達され難いように断熱状に設置されている。
【0031】
次に動作について説明する。
ワーク保持装置2aのクイル12a、12bにワークwの各端部を把持させ、ワークwを各主軸10a、10bの回転に連動して回転させる。一方では砥石台50をベッド200上で前後方向a0及び左右方向b0に移動させて砥石車22をワークwに当接させることによりワークwの表面を研削加工させる。
この加工中、クーラントノズル29からワークwと砥石車22の接触箇所である加工点に向けクーラントを流出させる。このように供給されたクーラントはワークwの加工点を潤滑すると同時にこの加工点の周辺を冷却し洗浄した後、ワーク加工領域のベッド200の上面壁1gに落下する。
【0032】
この後、クーラントは案内路4bに流入し、以後、案内路4aを流下して液受け箱33a内にワークwの切削により生じた切粉と一緒に流れ込む。
【0033】
このように実施例1、2によれば、ワーク保持装置2aに対して機械加工の基準面を提供する台部41、42が上面壁1gに設けられ、この間をクーラントが流れるようにしたため、クーラントが接する箇所が限定され、クーラントの熱の影響を受けにくい。また、クーラントは台部41、42の間からベッド100、200外に直ちに流下することから、比較的短い経路上を実現でき、ベッド100、200とクーラントの接触時間が短縮化される。また、ベッド100、200の上面壁1gに穴を開ける構造でないため、ベッドとしての強度性が維持できる。
【0034】
またベッド100、200上からその外方へのクーラントが迅速に流出するので、ベッド100、200上に堆積する切粉の量を低減させことができる。また、液受け箱33aや樋34の内方に切粉などからなるスラッジが堆積した場合には、液受け箱33aや樋34の上側を開放状態として外方に取り出すことが可能である。
【0035】
さらに、ワーク加工領域においてクーラントの排出性が良好となるため、ワークwの研削点の直下のベッド100、200の上面壁1gの高さを従来よりも高くすることができる。その結果、加工時におけるワーク保持装置2a及び砥石装置2bを通る力線経路を短くすることができ、研削加工精度が向上する。
【0036】
また、ベッド100、200は、ワーク保持装置2aが支持される台部5の左右長さ中央寄り位置に、案内路4aが設けられている、案内路4aの傾斜底面はベッド200の上面壁1gを連続させるものであり、ベッド100、200の構造的な強度が維持できる。
【0037】
また液路4を経てベッド100、200の正面から脱したクーラントをベッド100,200の外方に配設されたクーラントタンク31b内まで流下させるための樋34をベッド100、200の外周面に沿わせて配設している。この樋34には、液路4から流出した切粉を受入れ堆積するが、容易に取り出すことができる。
【0038】
また、ワーク保持装置2aの背後の左右方向b0に沿って、上面壁1gに溝部tが設けられ、これが上面開放形の案内路4bとして機能し、漸次降下するように設けられており、かつ、案内路4bの上側に樋30が設けられ、熱せられたクーラントの大部分がベッド100、200上に直接降り注ぐことなく、一旦樋に受け取られる。このため、クーラントの大部分は、樋30により案内路4aに直接落下して、台部41、42の周囲を熱に晒すことが低減される。これにより、台部41、42が主軸台6a、6bに提供する加工精度の基準が熱によって変動することが抑制される。
【符号の説明】
【0039】
2a ワーク保持装置
4 液路
4a、4b 案内路
5 第1軌道台部
31b クーラントタンク
33a 液受け箱(上面が開放された部分)
34 樋
100、200 ベッド
b0 左右方向
w ワーク

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7