特許第6386356号(P6386356)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386356
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】接着剤塗布ノズル
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/02 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
   B05C5/02
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-248549(P2014-248549)
(22)【出願日】2014年12月9日
(65)【公開番号】特開2016-107221(P2016-107221A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2017年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100155206
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 源一
(74)【代理人】
【識別番号】100101292
【弁理士】
【氏名又は名称】松嶋 善之
(74)【代理人】
【識別番号】100107205
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 秀一
(74)【代理人】
【識別番号】100112818
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 昭久
(72)【発明者】
【氏名】河面 圭太
(72)【発明者】
【氏名】金子 和也
【審査官】 高崎 久子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−011890(JP,A)
【文献】 特開2004−249191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C
B05D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送する糸状体に接着剤を塗布する接着剤塗布ノズルであって、
前記接着剤の第1流路を有し、搬送する前記糸状体をガイドする第1ガイドを先端部に有するノズル本体部と、
前記ノズル本体部の搬送方向下流側に配され、該ノズル本体部の前記第1流路にまで延びるスリットを有する第2ガイド部材と、
前記第2ガイド部材を搬送方向下流側から前記ノズル本体部に固定し、該ノズル本体部及び該第2ガイド部材の前記スリットと第2流路を形成する固定部材とを備え、
前記ノズル本体部には、前記第1ガイドと前記第2ガイド部材との間に、搬送する前記糸状体に接触する接触面が、搬送方向に一定の長さを有して形成されており、
前記接着剤塗布ノズルを側面視して、前記固定部材は、その先端の位置が、前記ノズル本体部の前記接触面の位置と上下方向で一致しており、前記第2ガイド部材は、その先端の位置が、前記固定部材の先端の位置及び前記ノズル本体部の前記接触面の位置よりも前記糸状体側に飛び出しており、
前記第2ガイド部材の前記スリットは、その幅が、前記ノズル本体部の前記第1ガイドの幅よりも狭い接着剤塗布ノズル。
【請求項2】
前記第2ガイド部材には、その幅方向に前記スリットが、間隔を空けて複数個形成されており、
前記ノズル本体部には、前記第1ガイドが、各前記スリットに対応して複数個形成されている請求項1に記載の接着剤塗布ノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送する糸状体に接着剤を塗布する接着剤塗布ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
搬送する糸状体に接着剤を塗布する接着剤塗布ノズルとして、例えば、特許文献1〜特許文献3に記載の接着剤塗布ノズルが提案されている。特許文献1に記載の接着剤塗布ノズルは、ノズル端部に糸状体である糸ゴムが接触する平面を設け、該平面に接着剤の吐出口を設け、該平面の糸ゴム走行方向の上流側に糸ゴムのスリット状案内溝を設けている。このように、特許文献1に記載の接着剤塗布ノズルは、糸ゴムが接触する平面を設けているので、接着剤のボタ落ちを少なくすることができる。
【0003】
特許文献2及び特許文献3に記載の接着剤塗布ノズルは、糸状の弾性部材にホットメルト接着剤を塗布する吐出口の上流側及び下流側に、弾性部材を誘導する前方ガイド及び後方ガイドを有している。その為、特許文献2及び特許文献3に記載の接着剤塗布ノズルは、接着剤を糸状の弾性部材に確実に塗布することができ、接着剤と弾性部材との摩擦抵抗を抑え、弾性部材の切断も防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−352494号公報
【特許文献2】特開2009-11890号公報
【特許文献3】特開2004−249191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の接着剤塗布ノズルは、糸ゴムを案内するスリット状案内溝が、一箇所にしか設けられていないので、糸状の弾性部材の蛇行を制御することが難しい。また、特許文献2及び特許文献3に記載の接着剤塗布ノズルは、吐出口の上流側及び下流側にそれぞれガイドを有しているが、上流側の前方ガイド及び下流側の後方ガイド後方ガイドが、互いに隣接しているため、やはり、糸状の弾性部材の蛇行を制御することが難しい。
【0006】
また、特許文献2及び特許文献3には、下流側のガイドの取り付けの誤差に関して、何ら記載されていない。下流側のガイドの取り付けの誤差が生じると、吐出口から接着剤が伝い漏れしてしまう。
【0007】
したがって本発明は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る接着剤塗布ノズルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、搬送する糸状体に接着剤を塗布する接着剤塗布ノズルであって、前記接着剤の第1流路を有し、搬送する前記糸状体をガイドする第1ガイドを先端部に有するノズル本体部と、前記ノズル本体部の搬送方向下流側に配され、該ノズル本体部の前記第1流路にまで延びるスリットを有する第2ガイド部材と、前記第2ガイド部材を搬送方向下流側から前記ノズル本体部に固定し、該ノズル本体部及び該第2ガイド部材の前記スリットと第2流路を形成する固定部材とを備え、前記ノズル本体部には、前記第1ガイドと前記第2ガイド部材との間に、搬送する前記糸状体に接触する接触面が、搬送方向に一定の長さを有して形成されており、前記接着剤塗布ノズルを側面視して、前記固定部材は、その先端の位置が、前記ノズル本体部の前記接触面の位置と上下方向で一致しており、前記第2ガイド部材は、その先端の位置が、前記固定部材の先端の位置及び前記ノズル本体部の前記接触面の位置よりも前記糸状体側に飛び出している接着剤塗布ノズルを提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、糸状体の蛇行を制御することができると共に、接着剤のボタ落ちや伝い漏れ等の不具合が生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施形態の接着剤塗布ノズルの断面図である。
図2図2は、図1に示す接着剤塗布ノズルを下流側から平面視した平面図である。
図3図3は、図1に示す接着剤塗布ノズルを構成するノズル本体部を下流側から平面視した平面図である。
図4図4は、図1に示す接着剤塗布ノズルを構成する第2ガイド部材を下流側から平面視した平面図である。
図5図5は、第2ガイド部材がずれた状態で一体化された接着剤塗布ノズルを下流側から平面視した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の接着剤塗布ノズルをその好ましい実施態様に基づき、図1図5を参照しながら説明する。
本実施形態の接着剤塗布ノズル1は、図1に示すように、搬送する糸状体である弾性部材2に接着剤3を塗布するノズルである。具体的には、接着剤塗布ノズル1は、後述するノズル本体部4、第2ガイド部材5及び固定部材6を備え、ホットメルト型の接着剤3を供給する接着剤供給部(不図示)に取り付けて使用されるものであり、ノズル本体部4の第1流路41に接着剤供給部(不図示)から供給された接着剤3を、後述する第2流路7を通して、搬送する弾性部材2に塗布するノズルである。
以下の説明においては、各図に示すように、接着剤塗布ノズル1の上下方向をX方向、上下方向(X方向)及び弾性部材2の搬送方向に直交する水平方向である幅方向をY方向として説明する。また、弾性部材2の搬送方向をZ方向として説明する。尚、接着剤塗布ノズル1のX方向、Y方向及びZ方向は、それぞれ、ノズル本体部4、第2ガイド部材5及び固定部材6それぞれのX方向、Y方向及びZ方向と同じ方向である。また、上下方向(X方向)の内、接着剤塗布ノズル1に接触しながら搬送される弾性部材2側を下方、搬送する弾性部材2と反対側を上方として説明する。
【0012】
ノズル本体部4は、接着剤3の第1流路41を有し、搬送する弾性部材2をガイドする第1ガイド42を先端部43に有している。具体的に、接着剤塗布ノズル1のノズル本体部4は、図2図3に示すように、搬送方向(Z方向)下流側から平面視して、幅方向(Y方向)に長い略矩形状であり、図1に示すように、上下方向(X方向)に沿って断面視して、下端部4dに先端部43を有している。先端部43は、幅方向(Y方向)からみて下方に向かって尖鋭な形状となっている。尖鋭な形状の先端部43は、搬送方向(Z方向)の上流側から下流側に向かって均一に傾斜する傾斜面44を有している。傾斜面44と搬送する弾性部材3とが形成する角度α(図1参照)は、弾性部材2の蛇行を制御する観点から、好ましくは10°以上、更に好ましくは30°以上であり、そして、好ましくは80°以下、更に好ましくは60°以下であり、具体的には、好ましくは10°以上80°以下であり、更に好ましくは30°以上60°以下である。
【0013】
ノズル本体部4の先端部43には、搬送する弾性部材2をガイドする第1ガイド42が形成されている。具体的に、接着剤塗布ノズル1においては、図2図3に示すように、細幅のスリット状の第1ガイド42が、ノズル本体部4の幅方向(Y方向)に間隔を空けて複数個(接着剤塗布ノズル1においては7個)形成されている。第1ガイド42の個数は、製造される対象物により、適宜設定され、接着剤塗布ノズル1においては、後述する第2ガイド部材5の有する各スリット51に対応して複数個形成されている。また、幅方向(Y方向)に隣り合う第1ガイド42,42同士の間隔は、製造される対象物により、適宜設定される。各スリット状の第1ガイド42は、接着剤塗布ノズル1においては、上下方向(Y方向)に関し、先端部43の先端(下端)から、後述する接触面45の位置まで延びて形成されている。そして、各スリット状の第1ガイド42は、接着剤塗布ノズル1においては、幅方向(Y方向)に関し、上下方向(Y方向)の上方側から下方側に向かって、間隔が漸次広くなるように形成されている。すなわち、各第1ガイド42は、幅方向(Y方向)からみて、先端部43の先端(下端)を開口とする台形の凹状部をなしている。
【0014】
また、ノズル本体部4は、接着剤塗布ノズル1においては、図1に示すように、上下方向(X方向)の上端面に、円形状の第1接着剤導入口46が形成されており、第1接着剤導入口46に連通する第1流路41の一部が、搬送方向(Z方向)下流側に向かうようにノズル本体部4の内部にL字状に屈曲して形成されている。第1流路41の一部は、断面が円形状の円筒状に形成されている。
【0015】
また、ノズル本体部4は、接着剤塗布ノズル1においては、図1図3に示すように、第2ガイド部材5に対向する面の中央領域に、上流側に凹んだ凹部47が形成されている。即ち、ノズル本体部4の第2ガイド部材5に対向する面は、凹部47を有し、凹部47及び先端部43を除く領域が平面に形成されている。ノズル本体部4は、図2図3に示すように、先端部43を除く外周に沿って、厚み方向(Z方向)に貫通する位置決め用の貫通口48が複数個(接着剤塗布ノズル1においては幅方向(Y方向)両端部に2個)形成されている。各貫通口48の形状は、接着剤塗布ノズル1においては、真円形状に形成されている。また、貫通口48とは別にボルト締め用のボルト穴(不図示)が複数個形成されている。
【0016】
ノズル本体部4の凹部47は、接着剤塗布ノズル1においては、図1図3に示すように、上下方向(Y方向)の上方から下方に向かって、凹みの深さが浅い第1凹部471と、凹みの深さが深い第2凹部472とを連続して有している。第1凹部471は、その底面が平滑に形成されており、搬送方向(Z方向)下流側から平面視して、上下方向(Y方向)の上方側から下方側に向かって、幅が漸次広くなるように、三角形状に形成されている。第1凹部471の底面には、上下方向(Y方向)の上方側に、第1流路41の一部に連通する円形状の第2接着剤導入口49が形成されている。また、第2凹部472は、その底面が平滑に形成されており、搬送方向(Z方向)下流側から平面視して、第1凹部471の下方部と同じ幅となるように、幅方向(Y方向)に平行に延在している。ノズル本体部4の有する第1流路41は、接着剤塗布ノズル1においては、第1接着剤導入口46から、第2接着剤導入口49を通って、凹部47を構成する第2凹部472に至るまで、延在するようになる。
【0017】
さらに、ノズル本体部4には、第1ガイド42と後述する第2ガイド部材5との間に、搬送する弾性部材2に接触する接触面45が、搬送方向(Z方向)に一定の長さを有して形成されている。具体的には、ノズル本体部4の接触面45は、接着剤塗布ノズル1においては、図1図3に示すように、ノズル本体部4の下端部4dに形成されており、先端部43の下流側に形成されている。接触面45の搬送方向(Z方向)の長さは、弾性部材2の蛇行を制御する観点から、第2ガイド部材5の厚み(搬送方向(Z方向)の長さ)の、好ましくは10%以上、更に好ましくは100%以上であり、そして、好ましくは10000%以下、更に好ましくは1000%以下であり、具体的には、好ましくは10%以上10000%以下であり、更に好ましくは100%以上1000%以下である。そして、接触面45の搬送方向(Z方向)の長さは、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.1mm以上であり、そして、好ましくは10mm以下、更に好ましくは1mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上10mm以下であり、更に好ましくは0.1mm以上1mm以下である。
【0018】
第2ガイド部材5は、ノズル本体部4の搬送方向(Z方向)下流側に配され、ノズル本体部4の第1流41路にまで延びる細幅のスリット51を有する。具体的に、接着剤塗布ノズル1の第2ガイド部材5は、図2図4に示すように、搬送方向(Z方向)下流側から平面視して、幅方向(Y方向)に長い略矩形状であり、図1に示すように、上下方向(X方向)に沿って断面視して、搬送方向(Z方向)の厚みが一定に形成されている。第2ガイド部材5は、幅方向(Y方向)の長さが、ノズル本体部4の幅方向(Y方向)の長さと一致している。尚、上下方向(X方向)の長さに関しては、後述する。
【0019】
第2ガイド部材5は、上下方向(X方向)の下端部5dに、搬送する弾性部材2をガイドするスリット51を有している。具体的に、接着剤塗布ノズル1においては、図2図4に示すように、スリット51が、幅方向(Y方向)に間隔を空けて複数個(接着剤塗布ノズル1においては7個)形成されている。スリット51の個数は、製造される対象物により、適宜設定される。また、幅方向(Y方向)に隣り合うスリット51,51同士の間隔は、製造される対象物により、適宜設定される。各スリット51は、接着剤塗布ノズル1においては、上下方向(Y方向)に関し、下端部5dの下端から、ノズル本体部4の第1流41路を構成する凹部47の第2凹部472に至る位置にまで延びて形成されている。各スリット51は、搬送される弾性部材2が入り込むことができる程度の幅を有している。そして、各スリット51は、接着剤塗布ノズル1においては、幅方向(Y方向)に関し、上下方向(Y方向)の上方側から下方側に向かって、その幅が一定の間隔で形成されている。
【0020】
第2ガイド部材5の搬送方向(Z方向)の長さは、好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.3mm以上であり、そして、好ましくは1.5mm以下、更に好ましくは1.0mm以下であり、具体的には、好ましくは0.1mm以上1.5mm以下であり、更に好ましくは0.3mm以上1.0mm以下である。
【0021】
第2ガイド部材5は、図1に示すように、ノズル本体部4に対向する面及び固定部材6に対向する面が、それぞれ、平面に形成されている。第2ガイド部材5は、図2図4に示すように、下端部5dに形成されたスリット51を除く外周に沿って、厚み方向(Z方向)に貫通する位置決め用の貫通口58が複数個(接着剤塗布ノズル1においては幅方向(Y方向)両端部に2個)形成されている。貫通口58はノズル本体部4の貫通口48及び後述する固定部材6の貫通口68に対応する位置を含むように形成されている。各貫通口58の形状は、接着剤塗布ノズル1においては、真円形状に形成されている。また、貫通口58とは別にボルト締め用のボルト穴(不図示)が複数個形成されている。第2ガイド部材5のボルト穴(不図示)は、ノズル本体部4のボルト穴(不図示)及び後述する固定部材6のボルト穴(不図示)に対応する位置を含むように形成されている。
【0022】
固定部材6は、第2ガイド部材5を搬送方向(Z方向)下流側からノズル本体部4に固定し、ノズル本体部4及び第2ガイド部材5のスリット51と第2流路7を形成する。具体的に、接着剤塗布ノズル1の固定部材6は、図2に示すように、搬送方向(Z方向)下流側から平面視して、幅方向(Y方向)に長い矩形状であり、図1に示すように、上下方向(X方向)に沿って断面視して、下端部6dに先端部61を有する台形状に形成されている。固定部材6は、幅方向(Y方向)の長さが、ノズル本体部4及び第2ガイド部材5の幅方向(Y方向)の長さと一致している。尚、上下方向(X方向)の長さに関しては、後述する。
【0023】
固定部材6は、図1に示すように、第2ガイド部材5(ノズル本体部4)に対向する面が、平面に形成されており、第2ガイド部材5(ノズル本体部4)に対向する面と反対側の面が、平面に形成されている。固定部材6の先端部61は、第2ガイド部材5(ノズル本体部4)に対向する面側から搬送方向(Z方向)下流側の第2ガイド部材5(ノズル本体部4)に対向する面と反対側の面側に向けて平滑に傾斜する傾斜面62を有している。傾斜面62と、搬送する弾性部材2とが形成する角度β(図1参照)は、弾性部材2の蛇行を制御する観点から、好ましくは10°以上、更に好ましくは45°以上であり、そして、好ましくは89°以下、更に好ましくは85°以下であり、具体的には、好ましくは10°以上89°以下であり、更に好ましくは45°以上85°以下である。
【0024】
固定部材6は、図2に示すように、外周に沿って、厚み方向(Z方向)に貫通する位置決め用の貫通口68が複数個(接着剤塗布ノズル1においては幅方向(Y方向)両端部に2個)形成されている。貫通口68は、ノズル本体部4の貫通口48と略一致する位置に、複数形成されている。各貫通口68の形状は、接着剤塗布ノズル1においては、ノズル本体部4の貫通口48と同じく、真円形状に形成されている。また、貫通口68とは別にボルト締め用のボルト穴(不図示)が複数個形成されている。
【0025】
本実施形態の接着剤塗布ノズル1は、図1に示すように、上述したノズル本体部4、第2ガイド部材5及び固定部材6を用いて形成され、ノズル本体部4、第2ガイド部材5のスリット51及び固定部材6によって第2流路7が形成される。具体的に説明すると、接着剤塗布ノズル1は、ノズル本体部4の凹部47を覆うように、ノズル本体部4と第2ガイド部材5とを重ね合わせ、さらに、第2ガイド部材5側に固定部材6を重ね合わせ、複数の貫通口48,58,68にネジ山の無い位置決めピン(不図示)を挿入してノズル本体部4、第2ガイド部材5及び固定部材6の位置決めをするとともに、ズル本体部4、第2ガイド部材5及び固定部材6それぞれのボルト穴(不図示)にボルト(不図示)を通して、ボルト締めすることにより一体化して形成される。
【0026】
位置決めピン(不図示)を挿入して位置決めすると共にボルト締めして一体化し、接着剤塗布ノズル1を形成する際には、接着剤塗布ノズル1を図1に示すように側面視して、固定部材6は、その下端部6dの先端の位置が、ノズル本体部4の接触面45の位置と上下方向で一致しており、第2ガイド部材5は、その下端部5d先端の位置が、固定部材6の下端部6d先端の位置及びノズル本体部4の接触面45の位置よりも弾性部材2側に飛び出すように一体化される。即ち、ノズル本体部4、第2ガイド部材5及び固定部材6それぞれの貫通口48,58,68に位置決めピン(不図示)を通し、更に、ボルト穴(不図示)に通したボルト(不図示)によりボルト締めし、第2ガイド部材5を、その下端部5d先端の位置が、固定部材6の下端部6d先端の位置及びノズル本体部4の接触面45の位置よりも弾性部材2側に飛び出すように、ノズル本体部4、第2ガイド部材5及び固定部材6を一体化する。
【0027】
以上のように一体化することで、接着剤塗布ノズル1には、ノズル本体部4の凹部47(第1凹部471,第2凹部472)と、第2ガイド部材5のノズル本体部4に対向する平面とによって、ノズル本体部4の第1流路41が、第1接着剤導入口46から、第2接着剤導入口49を通って、凹部47を構成する第2凹部472に至るまで、延在するように形成される。そして、以上のように一体化することで、接着剤塗布ノズル1には、ノズル本体部4の第1流路41を構成する凹部47の第2凹部472に至る位置にまで延びる複数個のスリット51を有する第2ガイド部材5と、ノズル本体部4の第2ガイド部材5に対向する面と、固定部材6の第2ガイド部材5に対向する面とによって、複数本の第2流路7(接着剤塗布ノズル1においては7個)が、ノズル本体部4の第2凹部472を含む位置からノズル本体部4の接触面45の位置及び固定部材6の下端部6d先端の位置にまで延びて形成される。そして、各第2流路7には、ノズル本体部4の接触面45の位置及び固定部材6の下端部6d先端の位置に、接着剤3の吐出口71が形成されるようになる。すなわち、第2ガイド部材5のスリット51は、第2流路7を形成するとともに、その先端部は、弾性部材2をガイドするガイド機能を有する。
【0028】
上述した接着剤塗布ノズル1を使用した際の作用効果について説明する。
先ず、接着剤塗布ノズル1の第1接着剤導入口46に、ホットメルト型の接着剤3を供給する液体供給管(不図示)を連結する。第1接着剤導入口46から供給された接着剤3は、図1に示すように、第1接着剤導入口46から第2接着剤導入口49を通って、凹部47を構成する第2凹部472に至るまで延在する第1流路41を流れ、そして複数個の第2流路7の吐出口71から噴出する。一方、Z方向に搬送されている複数本の弾性部材2は、それぞれ、ノズル本体部4の先端部43に配された第1ガイド42と、第1ガイド42の下流側に位置する第2ガイド部材5のスリット51とによりガイドされる。ガイドされた複数本の弾性部材2は、それぞれ、ノズル本体部4の接触面45に接触しながら第2流路7の吐出口71に導かれる。このように導かれた各弾性部材2には、各第2流路7の吐出口71から噴出する接着剤3が、連続的に塗布されるようになっている。
【0029】
本実施形態の接着剤塗布ノズル1には、図1に示すように、第1ガイド42と後述する第2ガイド部材5との間に、搬送方向(Z方向)に一定の長さを有する接触面45が形成されている。その為、吐出口71から噴出する接着剤3の内、弾性部材2に塗布されなかった余分の接着剤3は、Z方向に搬送されている弾性部材2によって、搬送方向(Z方向)の下流側に流れるようになる。従って、接触面45により、ノズル本体部4の第1ガイド42に伝わることが防止され、弾性部材2のノズル本体部4の第1ガイド42からのボタ落ちを防止することができる。
【0030】
また、本実施形態の接着剤塗布ノズル1は、図1に示すように、第2ガイド部材5の下端部5d先端の位置が、固定部材6の下端部6d先端の位置及びノズル本体部4の接触面45の位置よりも弾性部材2側に飛び出すように配されている。貫通口48,58,68の径と位置決めピンの径とは若干の誤差があるため、第2ガイド部材5がずれた状態で一体化される場合がある。したがって、例え図5に示すように、第2ガイド部材5がずれた状態で取り付けられたとしても、吐出口71から噴出する接着剤3が第2ガイド部材5のスリット51を伝わって漏れる、所謂伝い漏れが起こり難い。
【0031】
さらに、本実施形態の接着剤塗布ノズル1は、図1に示すように、接触面45によって、ノズル本体部4の先端部43に配された第1ガイド42と第2ガイド部材5のスリット51との間に間隔が形成されているので、ノズル本体部4の第1ガイド42及び第2ガイド部材5のスリット51で弾性部材2をガイドする間に、弾性部材2の蛇行を制御することができる。また、ノズル本体部4の第1ガイド42と第2ガイド部材5のスリット51との幅方向(Y方向)の位置がずれたとしても、接触面45があることによって、弾性部材2とノズル本体部4及び第2ガイド部材との擦れによる弾性部材2の裂けなどを抑制することができる。
【0032】
さらに、本実施形態の接着剤塗布ノズル1は、図2に示すように、第2ガイド部材5のスリット51が、幅方向(Y方向)に間隔を空けて複数個形成されており、ノズル本体部4の先端部43の第1ガイド42も、第2ガイド部材5の有する各スリット51に対応して複数個形成されている。その為、Z方向に搬送する複数本の弾性部材2それぞれについて、弾性部材2の蛇行を制御することができ、接着剤3のボタ落ちや接着剤3の伝い漏れが起こり難い。
【0033】
上述した効果が、一層確実に発現されるようにする観点から、接着剤塗布ノズル1は、以下の構成を有することが好ましい。
【0034】
例えば、第2ガイド部材5のスリット51は、その幅が、ノズル本体部4の第1ガイド42の幅よりも狭く形成されていることが好ましい。具体的には、本実施形態の接着剤塗布ノズル1においては、図3に示すように、ノズル本体部4のスリット状の第1ガイド42は、上下方向(Y方向)の上方側から下方側に向かって、間隔が漸次広くなるように形成され、図4に示すように、第2ガイド部材5のスリット51は、上下方向(Y方向)の上方側から下方側に向かって、一定の間隔で形成されている。そして、第2ガイド部材5のスリット51の幅が、ノズル本体部4の第1ガイド42の上下方向(Y方向)における上方の幅よりも狭く形成されている。
【0035】
本発明の接着剤塗布ノズルは、上述の実施形態の接着剤塗布ノズルに何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。
【0036】
例えば、上述の実施形態の接着剤塗布ノズル1においては、図2に示すように、第2ガイド部材5のスリット51が、幅方向(Y方向)に間隔を空けて複数個形成されており、ノズル本体部4の先端部43の第1ガイド42も、第2ガイド部材5の有する各スリット51に対応して複数個形成されているが、第2ガイド部材5のスリット51もノズル本体部4の第1ガイド42も1個形成されていればよい。
【0037】
また、上述の実施形態の接着剤塗布ノズル1においては、接着剤3を塗布する糸状体が弾性部材2であるが、弾性部材2の替わりに、糸状体として、通常の糸、紐等を用いることもできる。また、その断面形状は円形に限らず、楕円状のもの、矩形状のもの、多角形状のものであってもよい。
【0038】
上述した実施形態に関し、さらに以下の接着剤塗布ノズルを開示する。
【0039】
<1>
搬送する糸状体に接着剤を塗布する接着剤塗布ノズルであって、
前記接着剤の第1流路を有し、搬送する前記糸状体をガイドする第1ガイドを先端部に有するノズル本体部と、
前記ノズル本体部の搬送方向下流側に配され、該ノズル本体部の前記第1流路にまで延びるスリットを有する第2ガイド部材と、
前記第2ガイド部材を搬送方向下流側から前記ノズル本体部に固定し、該ノズル本体部及び該第2ガイド部材の前記スリットと第2流路を形成する固定部材とを備え、
前記ノズル本体部には、前記第1ガイドと前記第2ガイド部材との間に、搬送する前記糸状体に接触する接触面が、搬送方向に一定の長さを有して形成されており、
前記接着剤塗布ノズルを側面視して、前記固定部材は、その先端の位置が、前記ノズル本体部の前記接触面の位置と上下方向で一致しており、前記第2ガイド部材は、その先端の位置が、前記固定部材の先端の位置及び前記ノズル本体部の前記接触面の位置よりも前記糸状体側に飛び出している接着剤塗布ノズル。
【0040】
<2>
前記第2ガイド部材の前記スリットは、その幅が、前記ノズル本体部の前記第1ガイドの幅よりも狭い前記<1>に記載の接着剤塗布ノズル。
<3>
前記第2ガイド部材には、その幅方向に前記スリットが、間隔を空けて複数個形成されており、
前記ノズル本体部には、前記第1ガイドが、各前記スリットに対応して複数個形成されている前記<1>又は<2>に記載の接着剤塗布ノズル。
<4>
前記ノズル本体部の前記先端部は、幅方向からみて下方に向かって尖鋭な形状となっている前記<1>〜<3>の何れか1に記載の接着剤塗布ノズル。
<5>
前記ノズル本体部の前記先端部は、搬送方向の上流側から下流側に向かって均一に傾斜する傾斜面を有している前記<1>〜<4>の何れか1に記載の接着剤塗布ノズル。
<6>
前記ノズル本体部の前記傾斜面と、搬送する前記糸状体とが形成する角度αは、10°以上、好ましくは30°以上であり、そして、80°以下、好ましくは60°以下であり、具体的には、10°以上80°以下、好ましくは30°以上60°以下である前記<5>に記載の接着剤塗布ノズル。
<7>
前記第1ガイドは、スリット状をなしており、上下方向に関し、前記ノズル本体部の前記先端部の下端から、前記接触面の位置まで延びて形成されている前記<5>又は<6>に記載の接着剤塗布ノズル。
<8>
前記第1ガイドは、幅方向に関し、上下方向の上方側から下方側に向かって、間隔が漸次広くなるように形成されている前記<1>〜<7>の何れか1に記載の接着剤塗布ノズル。
<9>
前記スリットの幅が、前記第1ガイドの上下方向における上方の幅よりも狭く形成されている前記<1>〜<8>の何れか1に記載の接着剤塗布ノズル。
<10>
前記接触面の搬送方向の長さは、前記第2ガイド部材の厚みの、10%以上、好ましくは100%以上であり、そして、10000%以下、好ましくは1000%以下であり、具体的には、10%以上10000%以下、好ましくは100%以上1000%以下である前記<1>〜<9>の何れか1に記載の接着剤塗布ノズル。
<11>
前記接触面の搬送方向の長さは、0.01mm以上、好ましくは0.1mm以上であり、そして、10mm以下、好ましくは1mm以下であり、具体的には、0.01mm以上10mm以下、好ましくは0.1mm以上1mm以下である前記<1>〜<10>の何れか1に記載の接着剤塗布ノズル。
【0041】
<12>
前記第2ガイド部材は、搬送方向の厚みが一定に形成されている前記<1>〜<11>の何れか1に記載の接着剤塗布ノズル。
<13>
前記スリットは、幅方向に関し、上下方向の上方側から下方側に向かって、その幅が一定の間隔で形成されている前記<1>〜<12>の何れか1に記載の接着剤塗布ノズル。
<14>
前記第2ガイド部材の搬送方向の長さは、0.1mm以上、好ましくは0.3mm以上であり、そして、1.5mm以下、好ましくは1.0mm以下であり、具体的には、0.1mm以上1.5mm以下、更に好ましくは0.3mm以上1.0mm以下である前記<1>〜<13>の何れか1に記載の接着剤塗布ノズル。
<15>
前記固定部材は、上下方向に沿って断面視して、下端部に先端部を有する台形状に形成されている前記<1>〜<14>の何れか1に記載の接着剤塗布ノズル。
<16>
前記固定部材は、前記第2ガイド部材に対向する面が、平面に形成されている前記<1>〜<15>の何れか1に記載の接着剤塗布ノズル。
<17>
前記固定部材の前記先端部は、前記第2ガイド部材に対向する面側から搬送方向下流側の第2ガイド部材に対向する面と反対側の面側に向けて平滑に傾斜する傾斜面を有している前記<1>〜<16>の何れか1に記載の接着剤塗布ノズル。
<18>
前記固定部材の前記傾斜面と、搬送する糸状体とが形成する角度は、10°以上、好ましくは45°以上であり、そして、89°以下、好ましくは85°以下であり、具体的には、10°以上89°以下であり、好ましくは45°以上85°以下である前記<17>に記載の接着剤塗布ノズル。
【0042】
<19>
前記ノズル本体部は、前記第2ガイド部材に対向する面の中央領域に、上流側に凹んだ凹部が形成され、該凹部と、該第2ガイド部材のノズル本体部に対向する平面とによって、ノズル本体部の前記第1流路が形成される前記<1>〜<18>の何れか1に記載の接着剤塗布ノズル。
<20>
前記凹部は、上下方向の上方から下方に向かって、凹みの深さが浅い第1凹部と、凹みの深さが深い第2凹部とを連続して有している前記<19>に記載の接着剤塗布ノズル。
<21>
前記第1凹部は、その底面が平滑に形成されており、搬送方向下流側から平面視して、上下方向の上方側から下方側に向かって、幅が漸次広くなるように、三角形状に形成されている前記<20>に記載の接着剤塗布ノズル。
<22>
前記第2凹部は、その底面が平滑に形成されており、搬送方向下流側から平面視して、前記第1凹部の下方部と同じ幅となるように、幅方向に平行に延在している前記<20>又は<21>に記載の接着剤塗布ノズル。
<23>
前記ノズル本体部は、上下方向の上端面に、第1接着剤導入口が形成されており、該第1接着剤導入口に連通する前記第1流路の一部が、搬送方向下流側に向かうように該ノズル本体部の内部にL字状に屈曲して形成されている前記<1>〜<22>の何れか1に記載の接着剤塗布ノズル。
<24>
前記ノズル本体部、前記第2ガイド部材及び固定部それぞれは、厚み方向に貫通する位置決め用の貫通口を有しており、該貫通口に位置決めピンを通して一体化して形成される前記<1>〜<23>の何れか1に記載の接着剤塗布ノズル。
【符号の説明】
【0043】
1 接着剤塗布ノズル
2 弾性部材
3 接着剤
4 ノズル本体部
4d 下端部
41 第1流路
42 第1ガイド
43 先端部
44 傾斜面
45 接触面
46 第1接着剤導入口
47 凹部
48 貫通口
49 第2接着剤導入口
5 第2ガイド部材
5d 下端部
51 スリット
58 貫通口
6 固定部材
6d 下端部
61 先端部
62 傾斜面
68 貫通口
7 第2流路
図1
図2
図3
図4
図5