特許第6386388号(P6386388)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386388
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】草刈機
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/49 20060101AFI20180827BHJP
   A01D 34/64 20060101ALI20180827BHJP
   A01D 57/26 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   A01D34/49
   A01D34/64 A
   A01D57/26
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-16652(P2015-16652)
(22)【出願日】2015年1月30日
(65)【公開番号】特開2016-140264(P2016-140264A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2017年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】永井 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】赤井 勇斗
(72)【発明者】
【氏名】山下 信行
【審査官】 田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−273687(JP,A)
【文献】 特開2011−147389(JP,A)
【文献】 特開2002−360053(JP,A)
【文献】 特開2004−290205(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0152538(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/00−34/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面で刈り草を後方へ案内するガイド部材を具備する、昇降可能なモーアと、
上下回動可能なダクト底部材を具備し、前記ダクト底部材により、前記ガイド部材によって案内された刈り草をさらに後方へ案内するダクトと、
前記モーアの昇降に連動して前記ダクト底部材を回動させるリンク機構と、
を具備し、
前記モーアは、上昇に伴って前記ダクトへと近接する方向に変位し、
前記リンク機構は、前記モーアの上昇に伴って、前記ダクト底部材が前記ガイド部材を上方から覆う位置となるように当該ダクト底部材を回動させる、
草刈機。
【請求項2】
前記リンク機構は、前記モーアの昇降に連動して前記ダクト底部材を前記ガイド部材に干渉しないように回動させる、
請求項1に記載の草刈機。
【請求項3】
前記ガイド部材は、上面で刈り草を案内する第一ガイド部と、前記第一ガイド部の中途部に設けられて当該第一ガイド部の上面から突出する第二ガイド部と、を具備する、
請求項1又は請求項2に記載の草刈機。
【請求項4】
前記ガイド部材は、前記ダクト底部材とは独立して上下回動可能に形成される、
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の草刈機。
【請求項5】
前記ダクト底部材は、前記ガイド部材とは独立して上下回動可能に形成される、
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の草刈機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降可能なモーアを具備する草刈機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、昇降可能なモーアを具備する草刈機の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の草刈機は、自走車の車体フレームの前後輪間にリンク機構を介して連結されたモーア(草刈り装置)を具備する。前記リンク機構は、車体フレームとモーアの前部とを連結する左右一対の前揺動リンクと、車体フレームとモーアの後部とを連結する左右一対の後揺動リンクと、前揺動リンクと後揺動リンクとを連結する連結リンクと、を備えて構成される。左右一対の後揺動リンクは、連動部材を介して油圧シリンダに連動している。リンク機構は、油圧シリンダによって車体フレームに対して上下に揺動操作され、これによってモーアを昇降することができる。
【0004】
特許文献1に記載の草刈機において、モーアには刈り草を後方へ案内するための刈り草排出口が形成されている。モーアの後方には、前記刈り草排出口と連通するようにダクトが配置されている。モーアによって刈り取られた刈り草は、モーアの刈り草排出口からダクトへと案内され、さらに後方に配置される集草機に収容される。
【0005】
このように構成される草刈機において、モーアを低い位置に下降させて使用することで、草を短く刈ることができる。反対に、モーアを高い位置に上昇させて使用することで、草を比較的長く刈ることができる。
【0006】
しかし、このように構成される草刈機において、リンク機構を上方向に揺動操作するとモーアは真上ではなく上後方へ斜めに移動する。また、リンク機構を下方向に揺動操作するとモーアは下前方へ斜めに移動する。よって、モーアは下降すると同時にダクトから離れる方向に移動することとなる。このため、モーアの下降時には、モーアとダクトとの間に隙間が生じ、この隙間から刈り取った草が落下してしまうという問題があった。
【0007】
一方、この問題を解決するために、モーアに設けられて上面で刈り草をダクトへと案内するガイド部材と、ダクトの底部を形成するダクト底部材とを、モーアが下降した時に近接するように形成する方法がある。これによって、モーアとダクト(より具体的には、ガイド部材とダクト底部材)との間の隙間からの草の落下を防止することができる。
しかしながら、このような構成では、モーアの上昇時には当該モーアがダクトへと近づく方向(上後方)に移動するため、ガイド部材とダクト底部材とが干渉するおそれがあるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−278782公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、モーアの昇降時に、モーアに配置されるガイド部材とダクトに配置されるダクト底部材との間の隙間をできるだけ小さく維持しつつ、当該ガイド部材と当該ダクト底部材とが干渉することを防止することができる草刈機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0011】
即ち、請求項1においては、上面で刈り草を後方へ案内するガイド部材を具備する、昇降可能なモーアと、上下回動可能なダクト底部材を具備し、前記ダクト底部材により、前記ガイド部材によって案内された刈り草をさらに後方へ案内するダクトと、前記モーアの昇降に連動して前記ダクト底部材を回動させるリンク機構と、を具備し、前記モーアは、上昇に伴って前記ダクトへと近接する方向に変位し、前記リンク機構は、前記モーアの上昇に伴って、前記ダクト底部材が前記ガイド部材を上方から覆う位置となるように当該ダクト底部材を回動させるものである。
【0012】
請求項2においては、前記モーアの昇降に連動して前記ダクト底部材を前記ガイド部材に干渉しないように回動させるものである。
【0013】
請求項3においては、前記ガイド部材は、上面で刈り草を案内する第一ガイド部と、前記第一ガイド部の中途部に設けられて当該第一ガイド部の上面から突出する第二ガイド部と、を具備するものである。
【0014】
請求項4においては、前記ガイド部材は、前記ダクト底部材とは独立して上下回動可能に形成されるものである。
【0015】
請求項5においては、前記ダクト底部材は、前記ガイド部材とは独立して上下回動可能に形成されるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0018】
請求項1においては、モーアの昇降時に、ガイド部材とダクト底部材との間の隙間をできるだけ小さく維持しつつ当該ガイド部材と当該ダクト底部材とがとが干渉することを防止することができる。また、ダクトへ案内された刈り草が逆流してもこの刈り草がガイド部材とダクト底部材との間の隙間から落下するのを防ぐことができる。
【0019】
請求項2においては、モーアの昇降時に、ガイド部材とダクト底部材との間の隙間をできるだけ小さく維持しつつ当該ガイド部材と当該ダクト底部材とが干渉することを防止することができる。
【0020】
請求項3においては、モーアによって刈り取られた刈り草をより上方に飛ばすことで、刈り草がダクト底部材の先端に引っかかることを防止することができる。
【0021】
請求項4においては、ダクト底部材を動かすことなくモーアに溜まった刈り草を外部へ排出することができる。
【0022】
請求項5においては、ガイド部材を動かすことなくダクトに溜まった刈り草を外部へ排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係る草刈機を示した側面図。
図2】モーアが低い位置にあるときのモーア及びその周辺を示した側面図。
図3】モーアが低い位置にあるときのガイド部材とダクト底部材の断面図。
図4】モーアが低い位置にあるときのダクト側リンク機構を示した側面図。
図5】ダクト側リンク機構を示した上方からの斜視図。
図6】ダクト側リンク機構を示した下方からの斜視図。
図7】モーアが高い位置にあるときのモーア及びその周辺を示した側面図。
図8】モーアが高い位置にあるときのガイド部材とダクト底部材の断面図。
図9】モーアが高い位置にあるときのダクト側リンク機構を示した側面図。
図10】ガイド部材及びダクト底部材が回動する様子を示した断面図。
図11】他の実施形態に係るモーア側リンク機構及びダクト側リンク機構を示した側面図。
図12】他の実施形態に係るモーア側リンク機構及びダクト側リンク機構を示した側面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。なお、各図面においては、説明に不要な部材の図示を適宜省略している。
【0026】
まず、図1を用いて、草刈機1の構成の概要について説明する。
草刈機1は、走行しながら草(芝)を刈り取ることが可能な作業車両である。草刈機1は、主として機体フレーム2、前輪3、後輪4、運転座席5、ハンドル6、集草機7、モーア10、モーア側リンク機構20、ダクト30及びダクト側リンク機構40を具備する。
【0027】
機体フレーム2の前部は、左右一対の前輪3・3に支持される。機体フレーム2の後部は、左右一対の後輪4・4に支持される。機体フレーム2の前後中途部には、作業者が着座する運転座席5が設けられる。運転座席5の前方には、ハンドル6が設けられる。
【0028】
機体フレーム2の下部には、モーア側リンク機構20及びモーア10が設けられる。モーア側リンク機構20は、モーア10を昇降するためのものである。モーア側リンク機構20はモーア10に連結される。
【0029】
モーア10は、エンジン(不図示)の動力により草刈作業を行うためのものである。モーア10は、モーア側リンク機構20を介して機体フレーム2に取り付けられている。モーア10は、動力伝達機構(不図示)を介してエンジンと連結されている。前記動力伝達機構は、エンジンの動力をモーア10に伝達する。ダクト30は、モーア10と連通するようにモーア10の後方に配置される。集草機7は、ダクト30と連通するようにダクト30の後方に配置される。ダクト側リンク機構40は、モーア10の昇降時にモーア10とダクト30とが干渉しないように、モーア10の昇降に連動してダクト30の底部を動作させるものである。
【0030】
作業者は、モーア10を駆動させることで、草刈作業(芝刈作業)を行うことができる。モーア10により刈り取られた刈り草は、ダクト30内を通り、集草機7内に収容される。また作業者は、モーア側リンク機構20を動作させることによって、モーア10を機体フレーム2に対して昇降させることができる。
【0031】
次に、図2から図6までを用いて、モーア10の構成について説明する。
【0032】
モーア10は、その下方に生えた草を、所定の長さ(高さ)になるように刈り取る作業機である。モーア10は、機体フレーム2の略中央に且つ下部に配置される。モーア10は、後述するモーア側リンク機構20により機体フレーム2に対して昇降可能に構成されている。モーア10は、主としてモーアデッキ11、ガイド部材12、回転軸13及びガイド部材用リンク機構14を具備する。
【0033】
モーアデッキ11は、モーア10の主たる構造体を形成するものである。モーアデッキ11の内部には、回転ブレード(不図示)が収容される。この回転ブレードは、回転駆動されることで、草を刈り取ると同時に、刈り取った刈り草を後方へ(具体的には、集草機7へと向かう方向へ)案内するための搬送風を発生させる。モーアデッキ11の左右方向中央後部には、刈り草を後方へ案内するための刈り草排出路11aが形成されている。刈り草排出路11aは、上後方へ斜めに延びるように形成される。
【0034】
図3から図6に示すガイド部材12は、回転ブレードによって刈り取られた刈り草を当該回転ブレードによって発生される搬送風と共に後方へ案内するためのものである。ガイド部材12は、集草機7へと向かう方向(すなわち、上後方へ斜めに向かう方向)へ延びる板状に形成される。ガイド部材12は、モーアデッキ11の左右方向略中央に且つモーアデッキ11の後方側下部に、刈り草排出路11aの底部に沿うように配置される。ガイド部材12は、第一ガイド部121及び第二ガイド部122を具備する。
【0035】
第一ガイド部121は、上面で刈り草を後方へ案内するためのものである。第一ガイド部121は、集草機7へと向かう方向へ延びる略矩形板状に形成される。
【0036】
第二ガイド部122は、第一ガイド部121により案内される刈り草を、第一ガイド部121の上面に沿う方向よりも上方へと案内するためのものである。第二ガイド部122は、第一ガイド部121の前後中途部に設けられて当該第一ガイド部121の上面から突出するように形成される。具体的には、第二ガイド部122は、左右方向から見たときに先端が上方に向けられた三角形状に形成され、第一ガイド部121の前後中途部において左右方向に延びるように形成される。第二ガイド部122の前側の面122aは、左右方向から見たときに第一ガイド部121の上面よりも上向きの角度を有している(すなわち、第一ガイド部121の上面から上後方へ向かって上昇するように形成される)。
【0037】
図3図4及び図6に示す回転軸13は、ガイド部材12を上下回動可能に支持するためのものである。回転軸13は、左右方向に延びる円柱形状に形成される。回転軸13は、ガイド部材12の下方に配置され、第一ガイド部121の下面に固定されている。回転軸13は、刈り草排出路11aの左右の側壁に形成された貫通孔(不図示)に挿通され、ガイド部材12をモーアデッキ11に対して上下回動可能に支持する。
【0038】
図5に示すガイド部材用リンク機構14は、ガイド部材12を回転軸13の軸心回りに上下回動するためのものである。ガイド部材用リンク機構14の一方端は回転軸13の右端部と連結されており、ガイド部材用リンク機構14の他方端はガイド部材操作部(不図示)と連結されている。
【0039】
次に、図2を用いて、モーア側リンク機構20の構成について説明する。
【0040】
図2に示すモーア側リンク機構20は、モーア10を昇降させるためのものである。モーア側リンク機構20は、左右一対の前揺動リンク21、左右一対の後揺動リンク22、左右一対の連結リンク23及びシリンダ24を具備する。
【0041】
前揺動リンク21は、機体フレーム2とモーア10の前部とを連結するためのものである。前揺動リンク21は、機体フレーム2の左右両側に配置される。前揺動リンク21の下端(後端)はモーア10の前部に連結される。左右の前揺動リンク21の上端部近傍はともに、左右方向(図2において紙面手前から奥行き方向)に延びる回転軸21aにより機体フレーム2に支持されている。
【0042】
後揺動リンク22は、機体フレーム2とモーア10の後部とを連結するためのものである。後揺動リンク22は、機体フレーム2の左右両側に配置される。機体フレーム2には、左右の後揺動リンク22それぞれの前側において機体フレーム2から左右方向外側に延びる回転軸22aが形成される。後揺動リンク22は、回転軸22aにより機体フレーム2に上下回動可能に支持される。後揺動リンク22の下端(後端)はモーア10の後部に連結される。
【0043】
連結リンク23は、前揺動リンク21の動きに後揺動リンク22を連動させるためのものである。連結リンク23は、機体フレーム2の左右両側に形成される。連結リンク23は、前後方向に延びる板状に形成される。連結リンク23の前端は前揺動リンク21と連結され、連結リンク23の後端は後揺動リンク22と連結される。
【0044】
シリンダ24は、前揺動リンク21及び後揺動リンク22を上下に揺動させるためのものである。シリンダ24は、機体フレーム2に回動可能に設けられる。シリンダ24は、回転軸21aの一方端(左端)に連結され、当該回転軸21aを軸心回りに回転させる。
【0045】
次に、図2から図6までを用いて、ダクト30の構成について説明する。
【0046】
ダクト30は、モーア10により刈り取られた刈り草を後方へ案内するためのものである。ダクト30は、モーア10と集草機7とを連通する。ダクト30の内部には、モーア10によって刈り取られた刈り草を搬送するための搬送路が形成される。ダクト30は、主としてダクト本体31、ダクト底部材32、回転軸33及びダクト底部材用リンク機構34を具備する。
【0047】
ダクト本体31は、ダクト30の主たる構造体を形成するものである。ダクト本体31は、集草機7へと向かう方向に延びるように形成される。ダクト本体31は、下部が開放された矩形断面を有する筒状に形成される。つまり、ダクト本体31は、ダクト30の内部に形成される搬送路を上方及び両側方から覆うように形成される。
【0048】
ダクト底部材32は、ガイド部材12により案内された刈り草をさらに後方へと案内するためのものである。ダクト底部材32は、ダクト30の内部に形成される搬送路の底部に沿うように配置される。ダクト底部材32は、ダクト底部材本体321及び左右一対の支持部322を具備する。
【0049】
ダクト底部材本体321は、ダクト底部材32の主たる構造体を形成するものである。ダクト底部材本体321は、集草機7へ向かう方向(すなわち、上後方へ斜めに向かう方向)へ延びる略平板形状に形成され、前部がやや下方へ曲げられている。
【0050】
支持部322は、ダクト底部材本体321を支持するためのものである。支持部322は、ダクト底部材本体321の右端部及び左端部にそれぞれ形成される。支持部322は、ダクト底部材本体321の下方に且つ前後方向略中央部に形成される。支持部322は、支持部本体3221及び支持部外側部材3222を具備する。
【0051】
支持部本体3221は、ダクト底部材本体321の底面から下方へ延びる板状に形成される。左右の支持部本体3221には、それぞれ支持部本体3221の左右を貫通する貫通孔3221aが形成される。
【0052】
支持部外側部材3222は、支持部本体3221の左右方向外側に形成される部材である。支持部外側部材3222は、支持部本体3221の左右方向外側に臨む矩形面を有し、当該矩形面の両端が左右方向中央側に曲げられて支持部本体3221まで延びるように形成される。支持部外側部材3222は、支持部本体3221の下端に一体的に形成される。支持部外側部材3222の矩形面には、支持部外側部材3222の左右を貫通する貫通孔3222aが形成される。貫通孔3222aは、貫通孔3222aの軸線が支持部本体3221の貫通孔3221aの軸線と一致するように形成される。
【0053】
回転軸33は、機体フレーム2にダクト底部材32を上下回動可能に支持するためのものである。回転軸33は、左右に延びる円柱形状に形成される。回転軸33は、左右の支持部本体3221の貫通孔3221a及び左右の支持部外側部材3222の貫通孔3222aに挿通されている。回転軸33は、回転軸33の両端部(支持部外側部材3222の左右方向外側)に設けられた回転軸支持部材33aに、その軸心回りに回動可能に支持される。回転軸支持部材33aは、図示せぬ連結部材(ミッションケース等)を介して機体フレーム2に支持される。つまり、回転軸33は、回転軸支持部材33a及び図示せぬ連結部材を介して、機体フレーム2に軸心回りに回動可能に支持される。回転軸支持部材33aは、支持部外側部材3222の貫通孔3222aよりも大径に形成される。
【0054】
ダクト底部材用リンク機構34は、ダクト底部材32を回転軸33の軸心回りに上下回動させるためのものである。ダクト底部材用リンク機構34の下端は、支持部外側部材3222に連結される。ダクト底部材用リンク機構34の上端は、ダクト底部材32を回動操作するためのダクト底部材操作部34aに連結される(図2参照)。
【0055】
次に、図2図4図5及び図6を用いて、ダクト側リンク機構40の構成について説明する。
【0056】
ダクト側リンク機構40は、モーア10の昇降に連動してダクト底部材32をガイド部材12に干渉しないように回動させるためのものである。ダクト側リンク機構40は、モーア10及びダクト30の左側(図2において紙面手前側)においてモーア10とダクト底部材32とを連動するように形成される。ダクト側リンク機構40は、主として第一リンク41、第二リンク42及びピン支持部材43を具備する。
【0057】
第一リンク41は、ダクト側リンク機構40のモーア10側の部分を構成するものである。第一リンク41は、前端部がモーア10に連結され、上後方へ斜めに延びている。第一リンク41は、前リンク411、中間ロッド412、後リンク413を具備する。
【0058】
前リンク411は、第一リンク41の前側部分を構成するものである。前リンク411は、略矩形板状に形成される。前リンク411の前側中途部には、長孔411aが形成される。長孔411aには、ガイド部材12を回転させるための回転軸13が挿通される。回転軸13の左端部には、前リンク411(ひいては第一リンク41)が回転軸13から脱落するのを防止するための支持リング411bが設けられる。
【0059】
中間ロッド412は、第一リンク41の中間部分を構成するものである。中間ロッド412は、略円柱形状に形成される。中間ロッド412の前端は、前リンク411の後端に固定される。
【0060】
後リンク413は、第一リンク41の後側部分を構成するものである。後リンク413は、略矩形板状に形成される。後リンク413の前端は、中間ロッド412の後端に固定される。
【0061】
第二リンク42は、ダクト側リンク機構40のダクト底部材32側の部分を構成するものである。第二リンク42は、第一リンク41とダクト底部材32とを連動するように形成される。第二リンク42は、前リンク421、ピン422及び押上げ部材423を具備する。
【0062】
前リンク421は、第一リンク41と連結される部分である。前リンク421は、下後方へ斜めに延びる略矩形板状に形成される。前リンク421の上端は、第一リンク41の後リンク413の後端と上下回動可能に連結されている。
【0063】
ピン422は、前リンク421の後端からダクト30の右方向(左右方向中央に向かう方向)へ延びる略円柱形状に形成される。ピン422の左端は、前リンク421に固定されている。
【0064】
押上げ部材423は、モーア10の上昇に伴ってダクト底部材32を上方へ押し上げるためのものである。押上げ部材423は、ピン422からダクト底部材32の底面まで延びるように形成される。押上げ部材423の上端は、ダクト底部材32の底面に沿う形状に形成される。つまり、押上げ部材423は、ダクト底部材32の下面に接触するように形成される。押上げ部材423の下部はピン422に固定されている。つまり、第二リンク42は、前リンク421、ピン422及び押上げ部材423が一体的に形成されている。
【0065】
ピン支持部材43は、ピン422をその軸心回りに回動可能に支持するためのものである。ピン支持部材43は、平板431及びブラケット432を具備する。
【0066】
平板431は、第二リンク42の前リンク421の左側(左右方向外側)に配置される板状部材である。平板431は、ピン422の左端をその軸心回りに回動可能に支持する。平板431は、連結部材(不図示)を介して機体フレーム2に固定されている。
【0067】
ブラケット432は、平板431の左右方向内側の面から右方向に延びて後方に望む矩形面を有し、当該矩形面の右端が前方に曲げられた形状に形成される。ブラケット432は、ピン422の右端をその軸心回りに回動可能に支持する。ブラケット432の左端は、平板431に固定されている。
【0068】
次に、モーア10の昇降に伴う、モーア側リンク機構20とダクト側リンク機構40の動作について説明する。
【0069】
まず、図2図3図7及び図8を用いて、モーア側リンク機構20の動作について説明する。
【0070】
モーア10が低い位置(図2に示す位置)に位置するとき、ガイド部材12は、ガイド部材12の後端がダクト底部材32の前端と略同じ位置となるように配置されている(図3参照)。
【0071】
モーア10を低い位置(図2に示す位置)から高い位置(図7に示す位置)に上昇させるために、モーア側リンク機構20を動作させる。具体的には、シリンダ24を駆動させることで、回転軸21aをその軸心回りで左側面視反時計回り(図7に示す矢印a方向)に回転させる。回転軸21aの両端には左右の前揺動リンク21が連結されているため、回転軸21aが上記の如く回転すると、左右の前揺動リンク21は、回転軸21aの軸心回りで左側面視反時計回り(図7に示す矢印b方向)に回転する。
【0072】
前揺動リンク21が回転軸21aの軸心回りで左側面視反時計回りに回転すると、前揺動リンク21の連結リンク23が連結された部分が前方向へ変位することとなる。よって、前揺動リンク21が上記の如く回転すると、連結リンク23により後揺動リンク22に前方へ引っ張られる力が作用する。よって、後揺動リンク22は、後揺動リンク22の前方に設けられた回転軸22aの軸心回りで左側面視反時計回り(図7に示す矢印c方向)に回転する。
【0073】
前揺動リンク21の下端にはモーア10の前部が連結され、後揺動リンク22の下端にはモーア10の後部が連結されている。よって、上記の如く前揺動リンク21及び後揺動リンク22が動作することにより、モーア10が上方へと持ち上がる(上昇する)。このとき、前揺動リンク21及び後揺動リンク22はそれぞれ回転軸21a及び回転軸22aの軸心回りに回転するため、モーア10は上昇すると同時に、後方へ移動する。つまり、モーア10は、上後方へ斜めに(図7に示す矢印d方向へ)移動する。このとき、モーア10のガイド部材12もまた、モーア10と同じ方向(図8に示す矢印e方向)へ同じ距離だけ移動する。
【0074】
次に、図3から図10までを用いて、ダクト側リンク機構40の動作について説明する。
【0075】
モーア10が上後方へ斜めに移動すると、回転軸13によって支持されたダクト側リンク機構40の第一リンク41もまた、上後方へ斜めに移動する。第一リンク41が上後方へ斜めに移動すると、第一リンク41に連結された第二リンク42(の前リンク421)の上端部は、上後方(図9に示す矢印f方向)へ押されることとなる。前リンク421の下端部に固定されたピン422を支持するピン支持部材43は機体フレーム2に固定されているため、第二リンク42の前リンク421は、その上端部が上後方へ押されると、ピン422の軸心回りで左側面視時計回り(図9に示す矢印g方向)に回転する。このとき、ピン422に固定された押上げ部材423もピン422の軸心回りで左側面視時計回りに回転する。このとき、押上げ部材423の上端によりダクト底部材32の底面が上方へ押され、ダクト底部材32が上方へと持ち上げられる。
【0076】
ダクト側リンク機構40が上記の如く動作することにより、ダクト底部材32が回転軸33の軸心回りで上方(図8に示す矢印h方向)へと回転する。ガイド部材12は、モーア10と同じく上後方へ斜めに移動する。その結果、ダクト底部材32の下方にガイド部材12が潜り込むこととなる(図8参照)。これにより、モーア10が上昇したときに、ガイド部材12とダクト底部材32との間の隙間をできるだけ小さく維持しつつ、ガイド部材12とダクト底部材32とが干渉することを防止することができる。このとき、ダクト底部材32の前部はガイド部材12の後部を上から覆うように位置するため、ダクト30へ案内された刈り草が逆流(上後方から下前方へ移動)したとき、この刈り草はダクト底部材32の上面からガイド部材12の上面へと移動する。つまり、ダクト底部材32とガイド部材12の上下方向の隙間から、逆流した刈り草が落下するのを防ぐことができる。
【0077】
また、ガイド部材12の回転中心である回転軸13は、第一リンク41の前リンク411の長孔411aに挿通されているだけであり、第一リンク41(の前リンク411)に固定されているわけではない。よって、ガイド部材12を回転軸13の軸心回りに回転させても、第一リンク41が動作することはない。よって、ガイド部材12は、ガイド部材用リンク機構14を動作させることにより、ダクト側リンク機構40とは独立して、左側面視時計回り(図10に示す矢印i方向)に回動可能である。従って、ダクト側リンク機構40ひいてはダクト底部材32を動かすことなしに、ガイド部材12を上下回動させてモーア10に溜まった刈り草を外部へ(下方へ)排出することができる。
【0078】
また、回転軸33は、第二リンク42とは連結されていない。よって、ダクト底部材32を回転軸33の軸心回りに回転させても、ピン422がその軸心回りに回転することはない。よって、ダクト底部材32は、ダクト底部材用リンク機構34を動作させることにより、ダクト側リンク機構40とは独立して、左側面視時計回り(図10に示す矢印j方向)に回動可能である。従って、ガイド部材12を動かすことなしに、ダクト底部材32を上下回動させてダクト30に溜まった刈り草を外部へ(下方へ)排出することができる。
【0079】
以上の如く、本実施形態に係る草刈機1は、上面で刈り草を後方へ案内するガイド部材12を具備する、昇降可能なモーア10と、上下回動可能なダクト底部材32を具備し、前記ダクト底部材32により、前記ガイド部材12によって案内された刈り草をさらに後方へ案内するダクト30と、前記モーア10の昇降に連動して前記ダクト底部材32を回動させるダクト側リンク機構40(リンク機構)と、を具備するものである。
このように構成することにより、モーア10の昇降時に、ガイド部材12とダクト底部材32との間の隙間をできるだけ小さく維持しつつ当該ガイド部材12と当該ダクト底部材32とがとが干渉することを防止することができる。
【0080】
また、前記ダクト側リンク機構40は、前記モーア10の昇降に連動して前記ダクト底部材32を前記ガイド部材12に干渉しないように回動させるものである。
このように構成することにより、モーア10の昇降時に、ガイド部材12とダクト底部材32との間の隙間をできるだけ小さく維持しつつ当該ガイド部材12と当該ダクト底部材32とがとが干渉することを防止することができる。
【0081】
また、前記モーア10は、上昇に伴って前記ダクト30へと近接する方向に変位し、前記ダクト側リンク機構40は、前記モーア10の上昇に伴って、前記ダクト底部材32が前記ガイド部材12の上方に位置するように当該ダクト底部材32を回動させるものである。
このように構成することにより、ダクト30へ案内された刈り草が逆流してもこの刈り草がガイド部材12とダクト底部材32との間の隙間から落下するのを防ぐことができる。
【0082】
また、前記ガイド部材12は、上面で刈り草を案内する第一ガイド部121と、前記第一ガイド部121の中途部に設けられて当該第一ガイド部121の上面から突出する第二ガイド部122と、を具備するものである。
このように構成することにより、モーア10によって刈り取られた刈り草をより上方に飛ばすことで、刈り草がダクト底部材32の先端に引っかかることを防止することができる。
【0083】
また、前記ガイド部材12は、前記ダクト底部材32とは独立して上下回動可能に形成されるものである。
このように構成することにより、ダクト底部材32を動かすことなくモーア10に溜まった刈り草を外部へ排出することができる。
【0084】
また、前記ダクト底部材32は、前記ガイド部材12とは独立して上下回動可能に形成されるものである。
このように構成することにより、ガイド部材12を動かすことなくダクト30に溜まった刈り草を外部へ排出することができる。
【0085】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0086】
例えば、本実施形態においては、ガイド部材12は集草機7へと向かう方向(上後方へ斜めに向かう方向)へ延びる板状に形成されるものとしたが、この構造に限定されるものではない。例えば、ガイド部材12は上後方へ斜めに向かう方向へ延びる面を有するブロック状に形成されるものとすることも可能である。また、ガイド部材12の第二ガイド部122は、左右方向から見たときに先端が上方に向けられた三角形状に形成されるものとしたが、この構造に限定されるものではない。例えば、第二ガイド部122は、左右方向から見たときに下広がりの台形状に形成されるものとすることも可能である。
【0087】
また、本実施形態においては、ダクト底部材32のダクト底部材本体321は、集草機7へ向かう方向(上後方へ斜めに向かう方向)へ延びる略平板形状に形成され、前部がやや下方へ曲げられた形状としたが、この構造に限定されるものではない。例えば、ダクト底部材本体321は、単に上後方へ斜めに向かう方向へ延びる略平板形状に形成されるものとすることも可能である。
【0088】
また、本実施形態においては、モーア10とダクト底部材32とを連動させる構造としたが、この構造に限定されるものではない。例えば、モーア側リンク機構20とダクト底部材32とを連動するように構成することも可能である。また、モーア側リンク機構20及びダクト側リンク機構40の構成は、それぞれ本実施形態の構成に限定されるものではない。
【0089】
この変形例について、具体的に例を2つ挙げて本実施形態とは異なる点を中心に説明する。
【0090】
まず、第一変形例について以下に説明する。
【0091】
図11に示すモーア側リンク機構20は、シリンダ24、リンク25及び第一ロッド26を具備する。シリンダ24は、本実施形態と同様に、機体フレーム2に回動可能に設けられる。シリンダ24にはリンク25の上端が上下回動可能に連結される。リンク25の上下略中央部は、回転軸25aにより機体フレーム2に上下回動可能に支持される。リンク25の下端には第一ロッド26が当該第一ロッド26の前後方向中央部において上下回動可能に連結される。第一ロッド26は、その前端が回転軸26aにより機体フレーム2に上下回動可能に連結され、その後端がモーア10の後部に上下回動可能に連結される。
【0092】
図11に示すダクト側リンク機構40は、第二ロッド44及び押上げ部材45を具備する。第二ロッド44は、前端がリンク25に上下回動可能に連結され、ダクト底部材32へと向かう方向に延びるように形成される。第二ロッド44の後端には押上げ部材45が上下回動可能に連結される。押上げ部材45は、機体フレーム2に対してピン45aの軸心回りに上下回動可能に支持される。押上げ部材45の前端はダクト底部材32(のダクト底部材本体321)の下面に略接するように形成される。
【0093】
シリンダ24を駆動させると、リンク25は、回転軸25aの軸心回りに左側面視反時計周りに回転する。これにより、リンク25の下端は上後方へと移動する。そうすると、第一ロッド26は回転軸26aの軸心回りに左側面視反時計回り(図11に示す矢印k方向)に回転する。このとき、第一ロッド26の後端は上後方へと移動する。これにより、モーア10は上後方へ斜めに移動する。
リンク25の下端が上後方へと移動すると、第二ロッド44の前端は後方へと移動する。このとき、押上げ部材45の回転中心であるピン45aは、その軸心回りで左側面視時計回り(図11に示す矢印m方向)に回転する。これにより、ピン45aに固定された押上げ部材45もピン45aの軸心回りで左側面視時計回りに回転する。その結果、押上げ部材45の前端によりダクト底部材32の前部が上方に押されて、ダクト底部材32は回転軸33の軸心回りで左側面視時計回りに回転する。
これにより、モーア10の昇降時に、ガイド部材12とダクト底部材32との間の隙間をできるだけ小さく維持しつつ当該ガイド部材12と当該ダクト底部材32とが干渉することを防止することができる。
【0094】
次に、第二変形例について以下に説明する。
【0095】
図12に示すモーア側リンク機構20は、シリンダ24、リンク27及び第一ロッド28を具備する。シリンダ24は機体フレーム2に固定される。シリンダ24にはリンク27が上下回動可能に連結される。リンク27は、回転軸27aに固定され当該回転軸27aにより機体フレーム2に上下回動可能に支持される。第一ロッド28は、その前端が回転軸27aを介してリンク27に固定され、その後端がモーア10に上下回動可能に連結される。
【0096】
図12に示すダクト側リンク機構40は、第二ロッド46、リンク47及び押上げ部材48を具備する。第二ロッド46は、その前端がリンク27に上下回動可能に連結され、略後方へ延びるように形成される。第二ロッド46の後端にはリンク47がその上端において上下回動可能に連結される。リンク47は、回転軸47aにより機体フレーム2に上下回動可能に支持される。リンク47の下端には押上げ部材48が上下回動可能に連結される。押上げ部材48は、機体フレーム2にピン48aの軸心回りに上下回動可能に支持される。押上げ部材48の上端はダクト底部材32(のダクト底部材本体321)の底面に略接するように形成される。
【0097】
シリンダ24を駆動させると、リンク27は、回転軸27aの軸心回りに左側面視反時計回り(図12に示す矢印n方向)に回転する。これにより、第一ロッド28の後端部が上後方へと移動する。よって、モーア10は上後方へ移動する。
リンク27が回転軸27aの軸心回りに左側面視反時計回りに回転すると、第二ロッド46の前端は前方へと移動する。このとき、リンク47は回転軸47aの軸心回りに左側面視反時計周りに回転する。これにより、リンク47の下端が上方(図12に示す矢印p方向)へと持ち上がる。このとき、リンク47の下端に連結された押上げ部材48もピン48aの軸心回りに左側面視時計回りに回転する。その結果、ダクト底部材32は、その前部が押上げ部材48の上端により上方に押されることにより、回転軸33の軸心回りで左側面視時計回り(図12に示す矢印q方向)に回転する。
これにより、モーア10の昇降時に、ガイド部材12とダクト底部材32との間の隙間をできるだけ小さく維持しつつ当該ガイド部材12と当該ダクト底部材32とがとが干渉することを防止することができる。
【符号の説明】
【0098】
1 草刈機
10 モーア
12 ガイド部材
121 第一ガイド部
122 第二ガイド部
30 ダクト
32 ダクト底部材
40 ダクト側リンク機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12