特許第6386396号(P6386396)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6386396-燃料電池スタック 図000002
  • 特許6386396-燃料電池スタック 図000003
  • 特許6386396-燃料電池スタック 図000004
  • 特許6386396-燃料電池スタック 図000005
  • 特許6386396-燃料電池スタック 図000006
  • 特許6386396-燃料電池スタック 図000007
  • 特許6386396-燃料電池スタック 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386396
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】燃料電池スタック
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/248 20160101AFI20180827BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20180827BHJP
【FI】
   H01M8/248
   !H01M8/10 101
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-32657(P2015-32657)
(22)【出願日】2015年2月23日
(65)【公開番号】特開2016-27543(P2016-27543A)
(43)【公開日】2016年2月18日
【審査請求日】2017年4月19日
(31)【優先権主張番号】特願2014-139312(P2014-139312)
(32)【優先日】2014年7月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592157076
【氏名又は名称】イワブチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱田 仁
(72)【発明者】
【氏名】市田 有吾
(72)【発明者】
【氏名】須尭 亮太
【審査官】 近藤 政克
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−009844(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0093890(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/090003(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/248
H01M 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数の単位セルを含む積層体と、前記積層体の積層方向の両端に配置される第1エンドプレート及び第2エンドプレートと、を有する燃料電池スタックであって、
前記第1エンドプレート及び前記第2エンドプレートから前記積層体に前記積層方向に沿った荷重を付与する荷重付与機構を少なくとも一つ備え、
前記荷重付与機構は、
締結バンドと、
前記積層体の前記積層方向に沿った第1の側面部よりも外側の前記第1エンドプレートの内表面側で前記第1エンドプレートに対して前記締結バンドの一端を保持する第1保持部と、
前記第1の側面部と反対側の前記積層体の第2の側面部よりも外側の前記第1エンドプレートの内表面側で前記第1エンドプレートに対して前記締結バンドの他端を保持する第2保持部と、
を備え、
前記締結バンドは、前記第1保持部から前記第1の側面部に沿って前記積層方向に延在し、前記第2エンドプレートの外表面を周回した後、前記第2の側面部に沿って前記積層方向に延在して前記第2保持部まで達しており、
前記第2保持部は、前記締結バンドの他端に設けられた他端用ナット部材と、前記第1エンドプレートを介して前記他端用ナット部材に螺入されて、前記締結バンドの前記他端の保持位置を前記第2の側面部に沿って前記積層方向に調節可能保持する他端用締結ネジと、を有し、
前記他端用ナット部材の前記積層方向に沿った断面形状は、前記積層方向の厚さが前記積層方向に直交する向きの厚さに比べて厚い形状である
ことを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池スタックであって、
前記締結バンドの前記他端は、前記他端用ナット部材を覆う他端ロール部を有し、
前記他端用ナット部材の前記積層方向に沿った断面形状は、前記他端ロール部の輪郭形状に合わせた形状である
ことを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の燃料電池スタックであって、
前記他端用ナット部材は、前記積層体の幅方向の長さが前記締結バンドの幅よりも長く、前記締結バンドよりも外側の位置に、前記他端用締結ネジが螺入されるネジ穴を有する
ことを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池スタックであって、さらに、
前記第1保持部は、前記締結バンドの一端に設けられた一端用ナット部材と、前記第1エンドプレートを介して前記一端用ナット部材に螺入されて、前記締結バンドの前記一端の保持位置を前記第1の側面部に沿って前記積層方向に調節可能保持する一端用締結ネジと、を有する
ことを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の燃料電池スタックであって、さらに、
他の締結バンドと、
前記積層体の前記第1の側面部および前記第2の側面部以外の第3の側面部および第4の側面部のうち、前記第3の側面部よりも外側の前記第1エンドプレートの内表面側で前記第1エンドプレートに対して前記他の締結バンドの一端を保持する第3保持部と、前記第4の側面部よりも外側の前記第1エンドプレートの内表面側で前記第1エンドプレートに対して前記他の締結バンドの他端を保持する第4保持部とを有する他の荷重付与機構を備える
ことを特徴とする燃料電池スタック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池スタックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の燃料電池スタックは、例えば、特許文献1に記載されているように、複数の燃料電池(「単位セル」とも呼ばれる)が積層される積層体の積層方向の両端の第1エンドプレート及び第2エンドプレート間に積層方向に荷重を付与する荷重付与機構が設けられている。荷重付与機構は、バンド部材の一端が第1エンドプレートの外表面に固定されるとともに、バンド部材が、積層体の一方の側部に沿って積層方向に延在し、第2エンドプレートの外表面を周回した後、積層体の他方の側部に沿って積層方向に延在した後、バンド部材の他端が第1エンドプレート外表面に沿って伸縮可能な弾性部材に係合され、弾性部材が保持部に保持される構造を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−020740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に記載された燃料電池スタックでは、積層方向に延在したバンド部材の方向が第1エンドプレートの角部で外表面に沿った方向に向きを変えて弾性部材に係合されている。このため、弾性部材の伸縮を調整してバンド部材に加えられるテンションを調整する際に、バンド部材に加えられるテンションに応じて第1エンドプレートの角部に接触するバンド部材の部分に摩擦力が発生する。従って、実際の荷重の調整では、この摩擦力を加味してバンド部材に加えるテンションの調整を行なわなければならないため、その調整が困難である、という課題がある。また、燃料電池スタックの積層方向の寸法公差(各部材の積層方向の寸法公差の和)およびバンド部材の寸法公差の吸収も、弾性部材の伸縮を調整することによって行われるため、上記寸法公差の吸収が可能な伸縮可能量を有することが要求される。しかしながら、第1エンドプレートの外表面に沿って弾性部材および保持部材が設けられた構造では、弾性部材の伸縮方向に対応する第1エンドプレートの外表面の鉛直方向の長さの制限によって、弾性部材の伸縮の調整可能範囲(いわゆるストローク)を十分に確保することが困難な場合がある、という課題がある。さらにまた、第1エンドプレートの外表面に沿って弾性部材および保持部材が設けられた構造では、燃料電池スタックの積層方向が長尺化する、という課題がある。そのほか、従来の燃料電池スタックでは、その小型化や、低コスト化、製造の容易化、使い勝手の向上等が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の一形態によれば、積層された複数の単位セルを含む積層体と、前記積層体の積層方向の両端に配置される第1エンドプレート及び第2エンドプレートと、を有する燃料電池スタックが提供される。この燃料電池スタックは、前記第1エンドプレート及び前記第2エンドプレートから前記積層体に前記積層方向に沿った荷重を付与する荷重付与機構を少なくとも一つ備える。前記荷重付与機構は;締結バンドと;前記積層体の前記積層方向に沿った第1の側面部よりも外側の前記第1エンドプレートの内表面側で前記第1エンドプレートに対して前記締結バンドの一端を保持する第1保持部と;前記第1の側面部と反対側の前記積層体の第2の側面部よりも外側の前記第1エンドプレートの内表面側で前記第1エンドプレートに対して前記締結バンドの他端を保持する第2保持部と;を備える。前記締結バンドは、前記第1保持部から前記第1の側面部に沿って前記積層方向に延在し、前記第2エンドプレートの外表面を周回した後、前記第2の側面部に沿って前記積層方向に延在して前記第2保持部まで達している。前記第2保持部は、前記締結バンドの他端に設けられた他端用ナット部材と、前記第1エンドプレートを介して前記他端用ナット部材に螺入されて、前記締結バンドの前記他端の保持位置を前記第2の側面部に沿って前記積層方向に調節可能に保持する他端用締結ネジと、を有し、前記他端用ナット部材の前記積層方向に沿った断面形状は、前記積層方向の厚さが前記積層方向に直交する向きの厚さに比べて厚い形状である。
この形態の燃料電池スタックによれば、荷重付与機構の第1保持部および第2保持部が第1エンドプレートの内表面側に設けられるので、荷重付与機構を有する燃料電池スタックの長尺化を抑制することが可能である。また、第2保持部において締結バンドの他端の保持位置を第2の側面部に沿って積層方向に移動させることによって、第2の側面部に沿って積層方向に延在する締結バンドにテンションを加え、第2エンドプレートの外表面を周回する締結バンドを介して、第2エンドプレートと第1エンドプレートとの間の積層体に積層方向に沿って荷重を加えることができる。このため、第1エンドプレートの外表面側の角部に対して締結バンドが接触しないようにすることができ、課題で説明した第1エンドプレートの角部に接触するバンド部材の部分に発生する摩擦力を加味する必要がないので、荷重調整が容易である。また、他端用ナット部材がエンドプレートの上端よりも上側にはみ出してしまうことを抑制しつつ、他端用ナット部材の中央部の強度が不足することを抑制することができる。
上記形態の燃料電池スタックにおいて、前記締結バンドの前記他端は、前記他端用ナット部材を覆う他端ロール部を有し、前記他端用ナット部材の前記積層方向に沿った断面形状は、前記他端ロール部の輪郭形状に合わせた形状であるとしてもよい。
この形態の燃料電池スタックによれば、他端用ナット部材がエンドプレートの上端よりも上側にはみ出してしまうことを抑制しつつ、他端用ナット部材の中央部の強度が不足することを抑制することができる。
上記形態の燃料電池スタックにおいて、前記他端用ナット部材は、前記積層体の幅方向の長さが前記締結バンドの幅よりも長く、前記締結バンドよりも外側の位置に、前記他端用締結ネジが螺入されるネジ穴を有するとしてもよい。
この形態の燃料電池スタックによれば、他端用締結ネジの第1エンドプレートの幅方向における位置を変更することができる。
上記形態の燃料電池スタックにおいて、さらに、前記第1保持部は、前記締結バンドの一端に設けられた一端用ナット部材と、前記第1エンドプレートを介して前記一端用ナット部材に螺入されて、前記締結バンドの前記一端の保持位置を前記第1の側面部に沿って前記積層方向に調節可能に保持する一端用締結ネジと、を有するとしてもよい。
この形態の燃料電池スタックによれば、第2保持部において締結バンドの他端を第2の側面部に沿って積層方向に移動させることによって、第2の側面部に沿って積層方向に延在する締結バンドにテンションを加えるとともに、第1保持部においても締結バンドの一端を第1の側面部に沿って積層方向に移動させることによって、第1の側面部に沿って積層方向に延在する締結バンドにもテンションを加えることができる。これにより、第2エンドプレートの外表面を周回する締結バンドの部分を介して積層体の第1の側面部側および反対の第2の側面部側の両側から第2エンドプレートと第1エンドプレートとの間の積層体にバランス良く荷重を加えることができ、荷重調整がさらに容易である。
上記形態の燃料電池スタックにおいて、さらに、他の締結バンドと、前記積層体の前記第1の側面部および前記第2の側面部以外の第3の側面部および第4の側面部のうち、前記第3の側面部よりも外側の前記第1エンドプレートの内表面側で前記第1エンドプレートに対して前記他の締結バンドの一端を保持する第3保持部と、前記第4の側面部よりも外側の前記第1エンドプレートの内表面側で前記第1エンドプレートに対して前記他の締結バンドの他端を保持する第4保持部とを有する他の荷重付与機構を備えるとしてもよい。
この形態の燃料電池スタックによれば、第2エンドプレートと第1エンドプレートとの間の積層体の全体にバランス良く荷重を加えることができる。
その他、本発明は、以下の形態としても実現することが可能である。
【0006】
(1)本発明の一形態によれば、積層された複数の単位セルを含む積層体と、前記積層体の積層方向の両端に配置される第1エンドプレート及び第2エンドプレートと、を有する燃料電池スタックが提供される。この燃料電池スタックは、前記第1エンドプレート及び前記第2エンドプレートから前記積層体に前記積層方向に沿った荷重を付与する荷重付与機構を少なくとも一つ備える。そして、荷重付与機構は、締結バンドと;前記積層体の前記積層方向に沿った第1の側面部よりも外側の前記第1エンドプレートの内表面側で前記第1エンドプレートに対して前記締結バンドの一端を保持する第1保持部と;前記第1の側面部と反対側の前記積層体の第2の側面部よりも外側の前記第1エンドプレートの内表面側で前記第1エンドプレートに対して前記締結バンドの他端を保持する第2保持部と;を備える。そして、前記締結バンドは、前記第1保持部から前記第1の側面部に沿って前記積層方向に延在し、前記第2エンドプレートの外表面を周回した後、前記第2の側面部に沿って前記積層方向に延在して前記第2保持部まで達しており;前記第2保持部は、前記第2の側面部に沿って前記締結バンドの他端の保持位置を前記積層方向に調節可能な他端保持位置調整部を有し、前記他端保持位置調整部を介して前記締結バンドの他端を保持する。この形態の燃料電池スタックによれば、荷重付与機構の第1保持部および第2保持部が第1エンドプレートの内表面側に設けられるので、荷重付与機構を有する燃料電池スタックの長尺化を抑制することが可能である。また、第2保持部において他端保持位置調整部によって締結バンドの他端の保持位置を第2の側面部に沿って積層方向に移動させることによって、第2の側面部に沿って積層方向に延在する締結バンドにテンションを加え、第2エンドプレートの外表面を周回する締結バンドを介して、第2エンドプレートと第1エンドプレートとの間の積層体に積層方向に沿って荷重を加えることができる。このため、第1エンドプレートの外表面側の角部に対して締結バンドが接触しないようにすることができ、課題で説明した第1エンドプレートの角部に接触するバンド部材の部分に発生する摩擦力を加味する必要がないので、荷重調整が容易である。
【0007】
(2)上記形態の燃料電池スタックにおいて、さらに、前記第1保持部は、前記第1の側面部に沿って前記締結バンドの一端の保持位置を前記積層方向に調節可能な一端保持位置調整部を有し、前記一端保持位置調整部を介して前記締結バンドの一端を保持するようにしてもよい。この形態の燃料電池スタックによれば、第2保持部において他端保持位置調整部によって締結バンドの他端を第2の側面部に沿って積層方向に移動させることによって、第2の側面部に沿って積層方向に延在する締結バンドにテンションを加えるとともに、第1保持部においても一端保持位置調整部によって締結バンドの一端を第1の側面部に沿って積層方向に移動させることによって、第1の側面部に沿って積層方向に延在する締結バンドにもテンションを加えることができる。これにより、第2エンドプレートの外表面を周回する締結バンドの部分を介して積層体の第1の側面部側および反対の第2の側面部側の両側から第2エンドプレートと第1エンドプレートとの間の積層体にバランス良く荷重を加えることができ、荷重調整がさらに容易である。
【0008】
(3)上記形態の燃料電池スタックにおいて、さらに、前記積層体の前記第1の側面部および前記第2の側面部以外の第3の側面部および第4の側面部のうち、前記第3の側面部よりも外側の前記第1エンドプレートの内表面側で前記第1エンドプレートに対して前記締結バンドの一端を保持する第3保持部と、前記第4の側面部よりも外側の前記第1エンドプレートの内表面側で前記第1エンドプレートに対して前記締結バンドの他端を保持する第4保持部とを有する他の荷重付与機構を備えるようにしてもよい。この形態の燃料電池スタックによれば、第2エンドプレートと第1エンドプレートとの間の積層体の全体にバランス良く荷重を加えることができる。
【0009】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池スタックや、燃料電池スタックの荷重付与機構等の態様で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態としての燃料電池スタックの外観を模式的に示す説明図である。
図2図1の第1保持部の一つを拡大して模式的に示す説明図である。
図3】第1保持部の変形例を拡大して模式的に示す説明図である。
図4】形状制約を有するエンドプレートを用いた燃料電池スタックの一例を模式的に示す斜視図である。
図5図4に示した形状制約を有するエンドプレートの場合に変形例の第1保持部および第2保持部による荷重付与機構を適用した場合の燃料電池スタックの一例を模式的に示す斜視図である。
図6】第2実施形態としての燃料電池スタックの外観を模式的に示す説明図である。
図7】積層体の上側側面部および下側側面に沿って荷重付与機構を配置するとともに、積層体の左側側面および下側側面に沿って荷重付与機構を配置した一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態としての燃料電池スタックの外観を模式的に示す説明図である。図1(A)は上側の平面図を示し、図1(B)は図1(A)の幅方向の左側の側面図を示している。燃料電池スタック10は、図1(A)及び図1(B)の右端から、第1エンドプレート20a、絶縁板30a、集電板40a、複数の単位セル50、集電板40b、絶縁板30b、および、第2エンドプレート20bを順に積層することによって構成されている。すなわち、燃料電池スタック10は、絶縁板30a、集電板40a、複数の単位セル50、集電板40b、及び、絶縁板30bが積層された積層体60を、積層方向の両端に配置した第1エンドプレート20a及び第2エンドプレート20bで挟持することによって構成されている。なお、図1(A)では、縦方向が燃料電池スタック10の幅方向(左右方向)を示し、横方向が各部材の積層方向を示している。また、図1(B)では、横方向は図1(A)と同じ積層方向を示し、縦方向は燃料電池スタック10の高さ方向(上下方向)を示している。
【0012】
単位セル50は、MEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)と、MEAを上記積層方向で挟持する一対のセパレータと、を備える(不図示)。MEAは、電解質膜の一方の面に触媒層およびガス拡散層からなる電極(アノード)が形成され、電解質膜の他方の面に触媒層およびガス拡散層からなる電極(カソード)が形成された発電体である。なお、セパレータの表面には、反応ガス(水素を含有する燃料ガスあるいは酸素を含有する酸化ガス)を流すための溝状の流路や冷却水を流すための溝状の流路が形成されている。ただし、反応ガスの流路は、セパレータの表面に形成された溝状の流路ではなく、MEAとセパレータとの間に独立して設けられた多孔質体流路によって構成される場合もある。
【0013】
第1エンドプレート20a及び第2エンドプレート20bは、剛性を確保するため、鋼やアルミ等の金属によって形成されている。なお、絶縁板30a,30bは、ゴムや、樹脂等の絶縁性部材によって形成されている。集電板40a,40bは、緻密質カーボンや、銅板やアルミ板などのガス不透過な導電性部材によって形成されている。集電板40a,40bには、それぞれ図示しない出力端子が設けられており、燃料電池スタック10で発電した電力を出力可能となっている。
【0014】
なお、第1エンドプレート20aあるいは第2エンドプレート20bには、燃料電池スタック10内に、燃料ガスや酸化ガス、冷却水を流すための供給口や、排出口が設けられている(不図示)。また、燃料電池スタック10内部には、燃料ガスや酸化ガス、冷却水を、それぞれ各単位セル50に分配して供給するための供給マニホールド(水素供給マニホールド、空気供給マニホールド、冷却水供給マニホールド)や、各単位セル50のアノードおよびカソードからそれぞれ排出されるアノードオフガスおよびカソードオフガスや、冷却水を集合させて燃料電池スタック10の外部に排出するための排出マニホールド(アノードオフガス排出マニホールド、カソードオフガス排出マニホールド、冷却水排出マニホールド)が形成されている(不図示)。
【0015】
燃料電池スタックには、通常、スタック構造内のいずれかの箇所における接触抵抗の増加等による電池性能の低下の抑制や、ガスの漏洩の抑制等のために、スタック構造の積層方向に、外部から所定の押圧力を加えるとともに、その押圧力を維持するための荷重を付与する荷重付与機構が設けられる。本実施形態の燃料電池スタック10では、図1(A)及び図1(B)に示すように、燃料電池スタック10の幅方向に沿って均等に配置された3つの荷重付与機構70が設けられている。荷重付与機構70は、図1(B)に示すように、締結バンド72と、積層体60の上側側面部61よりも上側(「第1の側面部の外側」に相当する)の第1エンドプレート20aの内表面で締結バンド72の一端を固定する第1保持部74と、上側側面部61とは反対側の積層体60の下側側面部62よりも下側(「第2の側面部の外側」に相当する)の第1エンドプレート20aの内表面で締結バンド72の他端を固定する第2保持部75と、を備える。締結バンド72は、第1保持部74で固定された一端から積層体60の上側側面部61に沿って積層方向に延在し、第2エンドプレート20bの外表面を周回した後、積層体60の下側側面部62に沿って積層方向に延在し、他端が第2保持部75で締結されている。この締結バンド72によって第1エンドプレート20aと第2エンドプレート20bとの間の積層体60に積層方向の荷重が加えられるとともに、荷重が加えられた状態が維持される。
【0016】
図2は、図1の第1保持部の一つを拡大して模式的に示す説明図である。図2(A)は図1(A)の幅方向の左端に配置される第1保持部74を示す平面図であり、図2(B)は図2(A)の第1保持部74の側面図である。第1保持部74は、積層体60の上側側面部61に沿って積層方向に延在する締結バンド72の一端のロール部72a中に配置される幅方向に長い丸棒状のナット部材78と、ナット部材78の2か所のネジ穴78aに第1エンドプレート20aの貫通孔22aを介して螺入される2本の締結ネジ76と、から構成される。
【0017】
ロール部72aは、締結バンド72として引張強度に優れた部材のバンド、例えば、金属製バンドを利用することとし、その一端をロール状に丸めて溶接することにより形成される。ナット部材78および締結ネジ76も、同様に、引張強度に優れるとともに剛性の高い金属製の部材が用いられる。ナット部材78の2か所のネジ穴78aは、丸棒の軸方向(図2の幅方向)の中点を通り、軸方向に垂直な中心線78cx(締結バンド72の中心線72cxに一致)に対して線対称な位置に、中心線78cx(積層方向)に平行に形成された雌ネジである。締結ネジ76は、第1エンドプレート20aの外表面側に配置され、第1エンドプレート20aの内表面側への積層方向に沿った移動を規制する頭部76aと、頭部76aの端部から積層方向に平行に延在し、第1エンドプレート20aの貫通孔22aを介してナット部材78のネジ穴78aに螺入される雄ネジ部分を有するネジ部76bと、から構成される。
【0018】
締結ネジ76のネジ部76bをナット部材78のネジ穴78aに螺入させることにより、ナット部材78を覆う締結バンド72のロール部72a(締結バンドの一端)を第1エンドプレート20aの内表面側に保持することができる。また、2つの締結ネジ76の頭部76aを回転させて、ネジ部76bのネジ穴78aへの螺入量を変化させることにより、ナット部材78の位置を積層方向に沿って移動させることができる。これにより、ナット部材78を覆う締結バンド72のロール部72a(締結バンドの一端)を保持しつつ、その位置を積層方向に沿って移動させることができる。従って、締結バンド72の一端を積層方向に沿って移動可能な状態で第1エンドプレート20aの内表面に締結し固定することができる。
【0019】
図2のような拡大図示は省略するが、第2保持部75(図1(B))も、第1保持部74と同様に、積層体60の下側側面部62に沿って積層方向に延在する締結バンド72の他端のロール部72bと、ロール部72b中に配置される幅方向に長い丸棒状のナット部材78と、ナット部材78の2か所のネジ穴78aに第1エンドプレート20aの貫通孔22aを介して螺入される2本の締結ネジ76と、から構成される。そして、第2保持部75も、第1保持部74と同様に、ナット部材78を覆う締結バンド72のロール部72b(締結バンドの他端)を保持しつつ、その位置を積層方向に沿って移動させることができる。これにより、締結バンド72の他端を積層方向に沿って移動可能な状態で第1エンドプレート20aの内表面側に保持することができる。
【0020】
以上のように、本実施形態における荷重付与機構70は、第1保持部74において締結バンド72の一端の位置を積層方向に沿って調整して、上側側面部61に沿って積層方向に延在する締結バンド72にテンションを加えるとともに、第2保持部75において締結バンド72の他端の位置を積層方向に沿って調整(調節)して、下側側面部62に沿って積層方向に延在する締結バンド72にもテンションを加えることができる。これにより、第2エンドプレート20bの外表面を周回する締結バンド72の部分を介して上側側面部61側および下側側面部62側の両側から第2エンドプレート20bと第1エンドプレート20aとの間の積層体60に対してバランス良く荷重を加えることができ、容易に荷重の調整が可能である。
【0021】
ここで、従来の荷重付与機構は、上記したように、第1エンドプレートの外表面でバンド部材(締結バンド)を締結する方向に対して、積層方向に延在するバンド部材の方向が第1エンドプレートの角部で直角に向きを変える構造のため、第1エンドプレートの角部に接触するバンド部材で摩擦力が発生し、荷重調整が困難となる、という課題があった。これに対して、本実施形態の荷重付与機構70の第1保持部74及び第2保持部75は、それぞれ、締結ネジ76およびナット部材78によって締結バンド72を第1エンドプレート20aに締結する方向を、上側側面部61および下側側面部62に沿って積層方向に延在する締結バンド72に加えるテンションの方向(積層方向)に一致させることができるので、上記課題を解決することが可能である。
【0022】
また、第1保持部74及び第2保持部75は、第1エンドプレート20aの内表面側に設けられている。このため、本実施形態の荷重付与機構70は、第1エンドプレートの外表面に設けられることによって燃料電池スタックの積層方向が長尺化するという従来の荷重付与機構の課題を解決することが可能である。
【0023】
さらにまた、第1保持部74及び第2保持部75における締結バンド72の位置の調整可能範囲(ストローク量)は、積層方向に沿った締結ネジ76のネジ部76bのうち雄ネジ部分の長さに対応する。そして、燃料電池スタックの積層方向の長さは、通常、積層体60およびエンドプレート20a,20bの積層方向の各寸法公差の和(「燃料電池スタックの積層方向の寸法公差」とも呼ぶ)および締結バンド72の寸法公差に比べて十分に長い。従って、第1保持部74及び第2保持部75のそれぞれの締結ネジ76の雄ネジ部分の長さを、燃料電池スタックの積層方向の寸法公差および締結バンド72の寸法公差分の長さに応じて設定することにより、これらの寸法公差を吸収するためのストローク量を容易に確保して寸法公差を吸収することが可能である。これにより、本実施形態の荷重付与機構70は、従来の荷重付与構造ではストローク量を十分に確保することが困難である、という課題を解決することが可能である。なお、上記効果に着目すると、エンドプレートの高さあるいは幅に比べて積層方向の長さが長い、いわゆる扁平構造の燃料電池スタックにおいて、本実施形態の荷重付与機構70の構造は特に有効である。
【0024】
さらにまた、従来の荷重付与構造のようにいずれか一方の締結バンドの端部の位置のみを調整可能な場合では、燃料電池スタックの積層方向の寸法公差の2倍の長さ分および締結バンドの寸法公差分を吸収するための調整可能範囲(ストローク量)が要求される。これに対して、本実施形態の荷重付与機構70では、第1保持部74及び第2保持部75のそれぞれにおいて、燃料電池スタックの積層方向の寸法公差分および締結バンド72の半分の寸法公差分を吸収するためのストローク量で調整が可能である。
【0025】
なお、以上の説明からわかるように、第2保持部75においてナット部材78あるいは締結バンド72の他端のロール部72b及びナット部材78が積層方向に伸縮可能な他端保持位置調整部に相当し、第1保持部74においてナット部材78あるいは締結バンド72の一端のロール部72a及びナット部材78が積層方向に伸縮可能な一端保持位置調整部に相当する。
【0026】
図3は、第1保持部の変形例を拡大して模式的に示す説明図である。図3(A)は、図2(A)に対応する変形例の第1保持部74Bの平面図であり、図3(B)は、図3(A)の変形例の第1保持部74Bのナット部材78Bを拡大して示す斜視図である。変形例の第1保持部74Bは、幅方向の長さが締結バンド72の幅よりも長く、締結バンド72よりも外側の位置にネジ穴78aが形成されたナット部材78Bを用いており、締結バンド72の外側で締結ネジ76によって第1エンドプレート20aに締結バンド72の一端を締結(固定)する構造を有している。この構造にすれば、締結ネジ76の第1エンドプレート20aの幅方向における位置を変更することができる。
【0027】
ただし、幅方向の長さを長くしてネジ穴78aの間隔を広くすると、締結バンド72に加えるテンションを支えるためのナット部材の中央部の強度が、積層方向に沿った方向、すなわち、幅方向に垂直な方向に関して不足する可能性がある。これに対応するには、単純には、幅方向の長さに応じて丸棒の径を大きくすればよい。しかしながら、径を大きくした場合、ナット部材がエンドプレートの上端よりも上側にはみ出してしまう可能性があり、単純に丸棒の径を大きくできない可能性がある。
【0028】
そこで、図3(B)に示すように、変形例の第1保持部74Bの積層方向に沿った断面形状を、締結バンド72に加わるテンションの方向、すなわち、積層方向の厚さを厚くするとともに、締結バンド72のロール部72aの輪郭形状に合わせた形状とすることが好ましい。なお、上側の第1保持部74を変形例の第1保持部74Bのように変更する場合、対となる下側の第2保持部75も同様の構造に変更される。第1保持部及び第2保持部を変形例の構造とすることにより、以下で説明する問題の解決を図ることが可能となる。
【0029】
図1(B)に示した第1エンドプレート20は、その外形を矩形状として模式的に示されている。しかしながら、実際のエンドプレートでは、種々の部品が取り付けられることによる形状の制約や、燃料電池スタックの設置場所に対応するための形状の制約、燃料電池スタックの組み立て時の積層の位置決めのための形状の制約等、形状に種々の制約がある。
【0030】
図4は、形状制約を有するエンドプレートを用いた燃料電池スタックの一例を模式的に示す斜視図である。この燃料電池スタック10Bでは、燃料電池スタックの組み立て時の積層の位置決めのために、第1エンドプレート20aBの下側の幅方向の左右両側に切り欠け形状24aが設けられており、第2エンドプレート20bBの下側の幅方向の左右両側に切り欠け形状24bが設けられている。このため、図1,2に示した第1保持部74及び第2保持部75による荷重付与機構70では、締結ネジ76の配置位置を確保するために、左右両側の荷重付与機構70の締結バンド72が中央に寄ってしまう。この場合、締結バンド72により第1エンドプレート20aBと第2エンドプレート20bBとの間で積層体60に対して積層方向に加える荷重が幅方向の中央側に偏り、両側の締結バンド72よりも外側では荷重が加わり難くなるため、シール不良や接触抵抗増加による発電性能低下等の不具合を引き起こす可能性がある。
【0031】
図5は、図4に示した形状制約を有するエンドプレートの場合に変形例の第1保持部及び第2保持部による荷重付与機構を適用した場合の燃料電池スタックの一例を模式的に示す斜視図である。この燃料電池スタック10Bmでは、図4の左右両側の荷重付与機構70を、変形例の第1保持部74Bおよび第2保持部75Bを用いた荷重付与機構70Bに変更することにより、第1エンドプレート20aの切り欠け形状24aを避けて締結ネジ76を配置することができる。これにより、締結バンド72を幅方向でバランス良く配置して、第1エンドプレート20aBと第2エンドプレート20bBとの間の積層体60に対してバランス良く荷重を加えることが可能となる。なお、図の例では、中央の荷重付与機構については、実施形態の第1保持部74及び第2保持部75による荷重付与機構70のままとした場合を示しているが、変形例の第1保持部74B及び第2保持部75Bによる荷重付与機構70Bに変更することも可能である。実施形態の第1保持部74及び第2保持部75による荷重付与機構70と変形例の第1保持部74B及び第2保持部75Bによる荷重付与機構70Bを組み合わせて用いることで、種々のエンドプレートの形状に対応して、締結バンドをバランス良く配置して、第1エンドプレートと第2エンドプレートとの間の積層体に対してバランス良く荷重を加えることができる。
【0032】
B.第2実施形態:
図6は、第2実施形態としての燃料電池スタックの外観を模式的に示す説明図である。図6(A)は平面図、図6(B)は図6(A)の下側の側面図を示している。燃料電池スタック10Cは、第1実施形態の荷重付与機構70が荷重付与機構70Cに置き換えられた点が異なっており、積層体60およびエンドプレート20a,20bは同じである。また、荷重付与機構70Cは、図6(B)に示すように、第1実施形態の第1保持部74(図1及び図2参照)のみが第1保持部74Cに置き換えられた構造を有している。
【0033】
第1保持部74Cは、座金77Cと2組のボルト76Cおよびナット78Cとから構成れ、締結バンド72の一端を座金77Cと第1エンドプレート20aの内表面との間に挟みこんで締結し固定する構造を有している。
【0034】
本実施形態の荷重付与機構70Cは、第1保持部74Cにおいて締結バンド72の一端を第1エンドプレート20aの内表面上に固定するとともに、第2保持部75において締結バンド72の他端の位置を積層方向に沿って調整することにより、締結バンド72に加えるテンションを調整することができる。これにより、第1実施形態の荷重付与機構70と同様に、第2エンドプレート20bの外表面を周回する締結バンド72の部分を介して下側側面部62側から第2エンドプレート20bと第1エンドプレート20aとの間の積層体60に対して荷重を加えることができ、容易に荷重の調整が可能である。ただし、第1実施形の荷重付与機構70の方が、第2エンドプレート20bの外表面を周回する締結バンド72の部分を介して上側側面部61側および下側側面部62側の両側から第2エンドプレート20bと第1エンドプレート20aとの間の積層体60に対してバランス良く荷重を加えることができるので、より容易に荷重の調整が可能である。
【0035】
そして、第1実施形態で説明したように、本実施形態の第2保持部75は、締結ネジ76およびナット部材78によって締結バンド72を第1エンドプレート20aに締結する方向を、下側側面部62に沿って積層方向に延在する締結バンド72に加えるテンションの方向(積層方向)に一致させることができる。これにより、従来の荷重付与機構における、第1エンドプレートの角部に接触するバンド部材で摩擦力が発生し、荷重調整が困難となる、という課題を解決することが可能である。
【0036】
また、第1保持部74C及び第2保持部75は、第1エンドプレート20aの内表面側に設けられている。このため、本実施形態の荷重付与機構70Cも、第1実施形態の荷重付与機構70と同様に、従来の荷重付与構造では、第1エンドプレートの外表面に設けられることによって燃料電池スタックの積層方向が長尺化する、という課題を解決することが可能である。
【0037】
さらにまた、第2保持部75の締結ネジ76の雄ネジ部分の長さを、燃料電池スタックの積層方向の寸法公差の2倍分の長さおよび締結バンド72の寸法公差分の長さに応じて設定することにより、これらの寸法公差を吸収するためのストローク量を容易に確保して寸法公差を吸収することが可能である。これにより、本実施形態の荷重付与機構70Cも、第1実施形態の荷重付与機構70と同様に、従来の荷重付与構造ではストローク量を十分に確保することが困難である、という課題を解決することが可能である。上記効果に着目すると、第1実施形態の荷重付与機構70と同様に、エンドプレートの高さに比べて積層方向の長さが長い、いわゆる扁平構造の燃料電池スタックにおいて、本実施形態の荷重付与機構70の構造は特に有効である。
【0038】
C.変形例:
なお、上記実施形態および変形例では、第1保持部および第2保持部が積層体の上側側面部の上側(外側)および上側側面部の下側(外側)に配置された荷重付与機構を例に説明したが、第1保持部および第2保持部を上下反対に配置するようにしてもよい。また、第1保持部および第2保持部が積層体の左側側面部の外側および右側側面部の外側あるいは左右反対に配置するようにしてもよい。第1保持部が配置される積層体の側面部の外側が第1の側面部の外側に相当し、第2保持部が配置される積層体の側面部の外側が第2の側面部の外側に相当する。また、第1保持部および第2保持部が積層体の上側側面部の上側(外側)および上側側面部の下側(外側)に配置された荷重付与機構と、第1保持部および第2保持部が積層体の左側側面部の外側および右側側面部の外側に配置された荷重付与機構杯の両方を備える構成としてもよい。なお、図7は、積層体60の上側側面部61および下側側面部62に沿って荷重付与機構70を配置するとともに、積層体の左側側面部63および右側側面部64に沿って荷重付与機構70を配置した一例を示す説明図である。なお、図7において、左側側面部63および右側側面部64に沿って配置された荷重付与機構70のうち、第1保持部74が本発明の第3保持部に相当し、第2保持部75が本発明の第4保持部に相当する。また、右側側面部64が本発明の第3の側面部に相当し、左側側面部63が本発明の第4の側面部に相当する。
【0039】
また、上記実施形態では、幅方向に3つの荷重付与機構を配置する場合を例に説明したが、これ限定されるものではない。1つの荷重付与機構や2つの荷重付与機構、4つ以上の荷重付与機構を配置してもよい。1つあるいは2つの荷重付与機構とする場合、例えば、締結バンドの幅およびナット部材の幅を大きくし、締結ネジを3本以上として構成するようにしてもよい。また、4つ以上の荷重付与機構とする場合、例えば、締結バンドの幅およびナット部材の幅を小さくし、締結ネジを1本として構成するようにしてもよい。燃料電池スタックの幅方向にバランス良く荷重を付与することができれば、荷重付与機構の数や、締結ネジの数に特に限定はない。
【0040】
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、或いは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0041】
10…燃料電池スタック
10B…燃料電池スタック
10C…燃料電池スタック
10D…燃料電池スタック
10Bm…燃料電池スタック
20a…第1エンドプレート
20b…第2エンドプレート
20aB…第1エンドプレート
20bB…第2エンドプレート
22a…貫通孔
24a,24b…切り欠け形状
30a,30b…絶縁板
40a,40b…集電板
50…単位セル
60…積層体
61…上側側面部
62…下側側面部
63…左側側面部
64…右側側面部
70…荷重付与機構
70B…荷重付与機構
70C…荷重付与機構
72…締結バンド
72a…ロール部
72b…ロール部
72cx…中心線
74…第1保持部
74B…第1保持部
74C…第1保持部
75…第2保持部
75B…第2保持部
76…締結ネジ
76a…頭部
76b…ネジ部
76C…ボルト
77C…座金
78…ナット部材
78a…ネジ穴
78cx…中心線
78B…ナット部材
78C…ナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7