特許第6386463号(P6386463)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386463
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】食品製品を保持するための製品ホルダ
(51)【国際特許分類】
   A22C 11/00 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
   A22C11/00
【請求項の数】16
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-539544(P2015-539544)
(86)(22)【出願日】2013年10月30日
(65)【公表番号】特表2015-535180(P2015-535180A)
(43)【公表日】2015年12月10日
(86)【国際出願番号】NL2013050776
(87)【国際公開番号】WO2014070009
(87)【国際公開日】20140508
【審査請求日】2016年9月5日
(31)【優先権主張番号】2009728
(32)【優先日】2012年10月30日
(33)【優先権主張国】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】513295582
【氏名又は名称】マレル タウンセンド ファーザー プロセッシング ビー.ヴィー.
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(72)【発明者】
【氏名】ファン デン ドゥンエン,ヴィルヘルムス ヨハネス エヴェラルダス マリア
(72)【発明者】
【氏名】メゲラース,シゲベルトゥス ヨハネス ヤコブス ヨセフ
(72)【発明者】
【氏名】メスケンダール,ディルク
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル ストラーテン,ヴィルヘルムス ヨハネス ヤコブス マリア
【審査官】 豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0095602(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A22C 5/00 − 29/04
B65G 17/00 − 17/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品製品を保持しながら処理室を通って搬送される製品ホルダであって,
少なくとも長手方向に延びる支持構造および前記長手方向に延びる支持構造に接続される複数のカップリングを有するキャリアフレームと、
前記食品製品に接触する複数の接触部分を有するコンテナと、を備え、
前記接触部分は、前記複数のカップリングによって、前記キャリアフレーに着脱自在に接続可能であり、
前記コンテナを通る長手方向に直角な横断面において、前記コンテナは複数の前記接触部分を有し、複数の前記接触部分のそれぞれが前記キャリアフレームに着脱自在に接続可能であることを特徴とする製品ホルダ。
【請求項2】
前記コンテナは、前記キャリアフレームに着脱自在に接続可能である複数の協働する前記接触部分を有することを特徴とする請求項1に記載の製品ホルダ。
【請求項3】
前記コンテナは、協働する前記接触部分を長手方向に複数個連続的に有し、複数の前記接触部分のそれぞれが前記キャリアフレームに着脱自在に接続可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の製品ホルダ。
【請求項4】
前記キャリアフレームに着脱自在な複数の前記接触部分は、同一の形状を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の製品ホルダ。
【請求項5】
前記コンテナを通る長手方向に対して直角な横断面において前記キャリアフレームに接続されている状態における前記コンテナは、実質的にC字形状であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の製品ホルダ。
【請求項6】
前記接触部分は、複数の拡張突起を備える少なくとも1つのエッジを有していることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の製品ホルダ。
【請求項7】
前記接触部分は、複数の開口部を備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の製品ホルダ。
【請求項8】
湾曲した前記接触部分の内部表面は、前記食品製品の方に向かっている隆起を有していることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の製品ホルダ。
【請求項9】
湾曲した前記接触部分は、ポリマー材料から作られていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の製品ホルダ。
【請求項10】
湾曲した前記接触部分は、前記キャリアフレームに解放可能にクランプ接続可能であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の製品ホルダ。
【請求項11】
前記長手方向に延びる支持構造は、少なくとも1つ、または2つ以上の平行なロッドを有していることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の製品ホルダ。
【請求項12】
前記長手方向に延びる支持構造は、少なくとも2つ以上の平行なロッドと、前記平行なロッドに接続するための前記長手方向に延びる支持構造の両側に接続されたカップリング端部と、を備えていることを特徴とする請求項11に記載の製品ホルダ。
【請求項13】
処理される食品製品を搬送するための搬送装置であって、
前記食品製品を取り扱うための処理室と、
複数の、請求項1から12のいずれか一項に記載された製品ホルダと、
前記処理室を通って延びる経路に沿って前記複数の製品ホルダを搬送するための少なくとも1つの駆動装置と、を備え、
前記製品ホルダのカップリング端部は、前記駆動装置によって駆動される前進要素に接続されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載された製品ホルダを組み立てる方法であって、
前記方法は、前記キャリアフレームに湾曲した接触部分を接続することによって、少なくとも1つの前記湾曲した接触部分を取り付けるステップを有することを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか一項に記載された製品ホルダを分解する方法であって、
前記方法は、前記キャリアフレームから湾曲した接触部分の接続を絶つことによって、少なくとも1つの前記湾曲した接触部分を取り除くステップを有することを特徴とする方法。
【請求項16】
処理室を通って食品製品を搬送するための、請求項13に記載の搬送装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理室を通って搬送される食品製品を保持するための製品ホルダ、処理される食品製品を搬送するための搬送装置、そのような搬送装置の利用、および、製品ホルダを組み立ておよび分解する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品製品を搬送するための複数の搬送装置が知られている。本発明に関連している食品製品搬送装置のタイプは、食品製品が処理される処理空間を通して搬送される、完全に保存処理されていないソーセージのような、安定性の低い食品製品を可能にするタイプに関する。そのような搬送装置は、環境条件がさまざまな観点から食品製品に働くことができるように食品製品を収容するために、バスケットタイプの製品ホルダを使用する。食品製品への環境条件の作用は、例えば、食品製品の硬化、乾燥、燻り(smoking)、塩漬け(salting)、着色、味付け(seasoning)、加熱および/または冷却に帰結する。搬送装置に用いられているそのようなバスケットの例は、国際公開公報第99/13729号に示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の概略目的は、改善された搬送効率をもたらす、および/または、使用に際して高められた可能性を有している、食品製品を搬送するための製品ホルダおよび搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、処理室を通って搬送される食品製品を保持するための製品ホルダを提供する。製品ホルダは、少なくとも長手方向支持構造および少なくとも1つのカップリングを有するキャリアフレームと、食品製品に接触するための少なくとも1つの接触部分によって形成されたコンテナと、を備えており、ここで、少なくとも1つの接触部分はキャリアフレームに着脱自在に接続可能である。少なくとも1つの接触部分と長手方向支持構造との間に、例えば、溶接結合、または、ボルト、ナット、ピン、ポップリベット、ネジなどのような結合手段が用いられていないために永続的な結合はないので、接触部分はキャリアフレームに着脱自在に接続可能である。結合はクランプ結合の結果である。接触部分と長手方向支持構造は、スナップ結合できるような、また、その結合をスナップ作用で解除できるような、形状にされている。カップリングは、従って、例えば工具を用いる必要なく、要素が再び解放されることができるようにクランプ力によって接触部分および長手方向支持構造を締め付ける「形状結合」である。キャリアフレームに1または2以上の接触部分を着脱自在に接続することができるようにするために、双方の構造は協働的な形状、言い換えれば、相補的な形状を有している。
【0005】
少なくとも1つのカップリングは、本発明の製品ホルダを搬送装置に結合するための1または2以上のコネクタまたはサスペンションを備えてもよい。例えば、カップリングは、長手方向支持構造の両側で提供されるカップリング端部のように提供されてもよい。別の1または2以上のカップリングは、また、長手方向支持構造の長さに渡って別な場所で提供されてもよい。けれども更なるオプションは、例えば、長手方向支持構造の端部が1または2以上の搬送チェーンと直接的に結合されてもよいという、長手方向支持構造が一体化された要素としてのカップリングを提供することである。このことは、長手方向支持構造の末端部を自動的に作ることであり、また、カップリング/カップリングである。搬送メカニズムへの結合に関しては、そのようなカップリングは、搬送経路に依存して製品ホルダが搬送メカニズムのルーチンに従わなければならないが、固定されたカップリングでもよく、また回転可能なカップリングでもよい。
【0006】
製品ホルダは、ソーセージ、注入製品、組立食品製品、分割食品製品、肉の部分、魚、魚の部分、野菜、果物などから選択される食品製品を保持するために適合している。食品製品は、食品製品の処理の際にホルダ内で例えば回転可能に、食品製品が自由に動くことができるような方法でホルダに配置されてもよい。利点の一つは、例えばキャリアフレームのような長手方向支持構造に解放可能なように締め付けられている少なくとも1つの接触部分から形成されたホルダによって、製品ホルダの修理およびメンテナンスの実行可能性が今や改善されていることである。ただ1つまたは2以上の製品ホルダが、壊れている、磨滅している、損傷している、またはそのような場合には、本発明はキャリアフレームがその位置に留まることができながら、コンテナ(複数の接触部分がコンテナを作っておれば、コンテナの部分)を取り換えるだけでよい可能性を許す。通常、キャリアフレームは、より大きな搬送メカニズムに接続されており、これはまた、キャリア構造を交換することを難しく/複雑にする。加えて、キャリア構造ではなくコンテナを交換するだけであることは、全ての製品ホルダを(長手方向キャリアを少なくとも1つの接触部分と一緒に)交換することに比べてより安価である。食品製品をコンテナに注入する際に、およびコンテナから食品製品を放出する際に、コンテナの摩耗はキャリアフレームの摩耗よりも通常大きい。部分の交換によってコンテナおよびキャリアフレームの双方の寿命は最適化することができ、従って、さらなる効率化およびコスト削減を導く。本発明の更なる利点は、製品ホルダは要求の変化に対してそれらの耐用年数の間中、適合することができることである。これは、例えば製品ホルダのコンテナの形状、材料、または他の特性を変えることによって可能である。使用の実際の必要性に対して製品ホルダの条件を最適化することによって、食品製品の搬送がさらに改善されてもよい。本発明はまた、衛生状態に関して食品処理業界における厳しい要求のために重要であるところの、洗浄が容易である製品ホルダの構造を可能にする。更なる利点は、本発明による製品ホルダは、また、例えば、拡張された容量を有する、および/または、より小さい大きさでより多くの食品製品を処理することができる、搬送装置の設計を導くための製品ホルダの形状に対して更なる最適化のための自由を提供することである。1または複数の接触部分の設計の有益な自由の例は、1または複数の接触部分を組立てたホルダに存在しているあらゆる開口部の、大きさおよび位置決めの選択の自由があることである。また、例えば隆起(bumps)や頂上部(ridges)のような突出要素、および溝またはスロットのような開口部が製品ホルダに備えられてもよい。また、製品ホルダの材料に対する選択にはより自由がある。例えば、種々のポリマーが構造材料として選択されてもよい。また、製品ホルダの重量はこれにより影響を受けるだろう。
【0007】
食品製品の処理の際における食品製品の可動性は、屈曲部(bends)、湾曲部(curves)、または食品製品に向かっての角度、を有する接触表面を有する1または2以上の接触部分によって形成されたコンテナの使用によって達成される。従って、本発明の製品ホルダはまた、食品製品の方に向かって、湾曲した、屈曲した、ゆがんだ(crooked)、または角度のある、接触表面を有する1または2以上の接触部分から形成されてもよい。本発明の製品ホルダはまた、屈曲した、および/または、角度のある、表面形状の組み合わせを有する1または2以上の接触部分から形成されてもよい。コンテナがキャリアフレームに接続されている位置のときには、1または2以上の接触部分は、食品製品の搬送の際に食品製品に対して保持装置または受容器としての役割を果たす完全なコンテナまたは容器を作り出す。
【0008】
本発明による製品ホルダの1実施形態においては、コンテナは、キャリアフレームに着脱自在に接続可能である複数の協働する接触部分を備えている。複数のコンテナ部分は長手方向に連続的に配置されてもよく、および/または、コンテナはコンテナを通る長手方向に対して直角な横断面で分かるように複数の接触部分によって形成されてもよい。各接触部分は、例えば、湾曲した接触部分を押したり引っ張ったりして、キャリアフレームに結合させられても、キャリアフレームから取り外されてもよい。コンテナが実際のところ割合に長いので(2メートルまでの長さが一般的である)、複数の接触部分のアセンブリであるコンテナは、コンテナ(部分)を作るためにより容易であり、また、複数のより小さいコンテナ部分の搬送および保管は、相対的に大きな単一のコンテナの製造、搬送、および保管よりも便利である(および従って安価である)。
【0009】
本発明による、および以下に述べる全ての実施形態に適用可能な、製品ホルダの1実施形態においては、キャリアフレームに取り外し可能に取り付けできる複数の接触部分は、同一の形状を有している。(すなわち、部分の形状は1つだけ使用されている。)接触部分の同一形状は、それらの生産および在庫の制御をより簡単にする。また、製品ホルダの組立ては、一つのタイプの接触部分のみを使用することによってさらに簡単である。好ましくは、キャリアフレームに接続されている全ての接触部分は、対称の内部鏡面を有さない、非対称である同一形状の部分である。非対称の部分の利点の一つは、キャリア構造に取り付けられたときに、完全なコンテナの構造における非連続性の結果になることなく、部分がお互いに相補的である形状を有することができることである。
【0010】
本発明による製品ホルダの1実施形態においては、コンテナを通る長手方向に対して直角な横断面における、キャリアフレームに接続されている状態におけるコンテナは、実質的にC字形状である。コンテナのC字形状形態は、1つの屈曲された及び/又は角度形状の接触部分、または、少なくとも2つの協働する屈曲された及び/又は角度形状の接触部分から形成されてもよい。このようなC字形状は、食品製品に対してコンテナに簡単なアクセスを可能にするのみならず、コンテナが処理室において真直ぐに上向いたり下向いたりする動きをしながら搬送される場合には、コンテナを長手方向の回転軸に沿って約180°に渡って回転させることによってコンテナに対する食品製品の位置を変えることを可能にする。C字形状は、また、複数の製品ホルダを動かしている搬送装置のコンパクトな構造を可能にするとともに、そのようなC字形状は、食品製品をより平坦に取り扱うために、異なる角度で搬送している間の途中で製品ホルダを傾けることを可能にする。接触表面の外周に対する食品製品の外周にもよるが、食品製品の回転はコンテナの回転から異なるであろう。従って、食品製品は360°より大きい角度に渡って回転してもよい。コンテナの設計選択において特別な注意が取られる必要があるのは、コンテナの動きに応じて、および搬送される食品製品の大きさに応じて、食品製品がコンテナに異なる場所で接触するように食品製品が動かされることである。(従って、食品製品に生じる傷跡のリスクはより小さく、食品製品の処理は食品製品の外周に渡ってより平坦/均等になる可能性が高い。)本発明による製品ホルダの接触部分は、複数の拡張突起を有するエッジを有してもよい。そのような突起は、好ましくは非対称的な指状構造で、しかしまたギザギザのエッジ(jagged edge)を有する形状をしていてもよい。突起は、例えば製品ホルダの長手方向など、どんな方向に向かってもよい。ここで用いられる用語「ギザギザのエッジ」は、歯状の端部(dentate edge)、刻み目のある端部、切り込んだ端部、鋸歯状の端部(toothed edge)、ギザギザになっている端部(serrated edge)、歯車の歯状の端部(cogged edge)、ジグザグな端部または同種のもの、である端部を説明するように定義されている。好ましくは、提供される突起は、それらの突起が対向する接触部分の間に真直ぐな溝または開口部を避けるような形状である。そのような真直ぐな溝または開口部は、食品製品上の意図しない傷跡(markings)につながるかもしれない。加えて、対向している接触部分の間に継ぎ目またはギヤップを生じさせる形状について特に興味深い点は、それらは例えば細菌の増殖を制限するために洗浄が簡単であるように形作られていることである。
【0011】
処理室からの処理条件が食品製品に作用することを可能にするために、接触部分は複数の開口部(apertures)を備えていてもよい。ここで用いられる用語「開口部」は、針の穴(eyes)、隙間(interstices)、開口、穴(orifices)、穿孔(perforations)、ピンホール、穿刺(punctures)、空間、通気孔(vents)または同種のものを説明するように定義されている。開口部はまた、コンテナに液体および気体の好ましくない集積を防ぐ。開口部は、円形の、六角形の、方眼の、または、ひし形の形状をしたパターンの形に配置されてもよい。六角形の形状のパターンは、食品製品の構造に悪影響を与えるかもしれない鋭いコーナを有さず、相対的により多くの開口構造を提供するので好ましい。
【0012】
コンテナと食品製品との接触を最小化させるために、接触部分の内側表面は、隆起(bumps)、すなわち、食品製品の方向に向かっている隆起を有してもよい。ここで用いられる用語「隆起」は、こぶ(knobs)、膨らみ(bulges)、緩衝物(buffers)、膨張(swellings)、塊(lump)または同種のものを説明するように定義されている。食品製品とコンテナとの接触を少なくすればする程、処理条件に従う食品製品の外観が良くなる。
【0013】
本発明による製品ホルダの1実施形態においては、接触部分は軽く、洗浄が容易で、食品製品との交互作用がないか又は最小の材料から作られている。使用される材料は、食品製品を衛生的な方法で保持することに適したいかなる材料であってもよい。好ましくは、使用される材料は、食品等級のポリマーから選択された合成または半合成のモールド可能な材料を含むポリマー材料であり、例えば、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、およびこれらの組み合わせを含むものなどである。
【0014】
本発明による製品ホルダの1実施形態においては、接触部分は、キャリアフレーム、例えば長手方向支持構造に対してクランプ接続可能であり、その結果、例えばキャリアフレームに取り外し可能にスナップ結合されている。従って、スナップまたはクリックシステムが、自己ロックシステムであってもよいように提供されている。本発明の製品ホルダのコンテナ−キャリアフレーム構造のおかげで、コンテナをキャリアフレームに接続するために複雑な接続手段は必要ではなく、結合/分離が工具を必要とせずに行うことができる。また、コンテナのキャリアフレームへの接続をさらに確保するために、ボルトや、ビス(screws)、結合ピンのような、さらなる接続手段を追加することも可能である。
【0015】
本発明による製品ホルダの1実施形態においては、長手方向支持構造は、少なくとも1つのロッドを備えている。ここで用いられる用語「ロッド」は、棒(bar)、ポール、桁(girder)、はり(beam)または同種のものを説明するように定義されている。ロッドは、必ずしも必要ではないが、(丸みを帯びた)長方形の、または(丸みを帯びた)三角形のはりであってもよく、オプション的に例えば開口部である固定手段を備え、そこに1または2以上の接触部分が着脱自在に接続していてもよい。ロッドは、金属(例えば鉄)、ポリマー材料、または同種のものから作られていてもよい。長手方向支持構造の重量を削減するために、ロッドは中空構造を有してもよい。ボルト、ポップリベット、プラグまたは同種のものを利用して接触部分がロッドに接続されている場合、中空構造を有するロッドが好ましい。別の1実施形態においては、ロッドの中空構造によって形成されたキャビティは、樹脂および/またはアルミニウムで充填されてもよい(ロッドに鉄が用いられている場合)。
【0016】
本発明の1実施形態においては、1または2以上の接触部分から作られたコンテナを支持するために用いられるロッドは、実質的にC字形状の中空構造を有しており、少なくとも部分的に接触部分を含んでおり、従って接触部分とキャリアフレームとの間に確実な着脱自在な接続を提供している。好ましくは、接触部分はプラスチックスのようなポリマーを含む、相対的にフレキシブルな材料から作られている。相対的にフレキシブルな接触部分は、好ましくは、例えば鉄などの金属から作られたより堅いキャリアフレームの中にスナップ結合されている。
【0017】
本発明による製品ホルダの1実施形態においては、長手方向支持構造は、例えば2または3の平行なロッドである、複数の平行なロッドを備えている。このような場合においては、長手方向支持構造は、さらに、その長手方向支持構造の両側に接続されているカップリング端部を備える。好ましくは、各接触部分は、長手方向支持構造を形成する少なくとも2つの平行なロッドに着脱自在に接続している。ロッドは、開いていて軽く、しかしまた堅固な支持構造に作られている。加えて、2以上のロッドを有する長手方向支持構造の使用は、同一の長手方向支持構造上に少なくとも2つの平行に配置された製品ホルダの位置決めの可能性を提供する。2以上のロッドを有している本発明の長手方向支持構造は、従って例えば少なくとも2つのロッドに接続された1つの製品ホルダ、または、それぞれが1つのロッドに接続された少なくとも2つの平行に配置された製品ホルダのような、異なる大きさの製品ホルダを提供することができ、従って種々の大きさの食品製品を製造することに適している。
【0018】
本発明による製品ホルダの1実施形態においては、長手方向支持構造はさらに、キャリアフレームが前述のように2または3以上の平行なロッドを備える場合、平行なロッドを接続するために結合端の間に配置されている少なくとも1つのカップリングを備える。そのようなカップリングは構造の安定性を増大させるためのロッド結合用の分離プレートまたは構造安定化手段でもよい。カップリングは、さらに支持構造の安定性を増大させる。
【0019】
別の観点においては、本発明は処理される食品製品を搬送するための搬送装置を提供する。搬送装置は、食品製品を取り扱うための処理室と、前述した本発明の複数の製品ホルダと、処理室に延びる経路に沿って製品ホルダを搬送するための少なくとも1つの駆動装置と、を備えており、ここで、製品ホルダの長手方向支持構造は、少なくとも1つのカップリングを有し、カップリングは駆動装置によって駆動される前進要素に接続されている。処理室において処理条件は、食品処理に対して要求されるように作り出すことができる。そのような処理の例としては、乾燥、加熱、冷却、燻煙(液体および/または煙によって)、噴霧、粉砕などがある。搬送装置の利点は参照として本発明による製品ホルダに関連してすでに述べられているが、ここでは参照として搬送装置に関連して提示される。
【0020】
本発明による搬送装置の1実施形態においては、前進要素は、ベルトまたはチェーンの形であってもよい。好ましくは、本発明の搬送装置は、カップリングに備えられているカップリング端部を有する長手方向支持構造の両側に接続している2つの前進要素を備える。さらにより好ましくは、製品ホルダは、前進要素の動きの方向に対して横に延びている。
【0021】
本発明は、また、製品ホルダの組立て方法および分解方法を提供する。組立てに対して、方法はキャリアフレームに接触部分を接続することによって少なくとも1つの接触部分を取り付けるステップを有する。接触部分は人手によりキャリアフレームにスナップ結合されるかクリックされてもよい。分解に対して、方法は少なくとも1つの接触部分をキャリアフレームから接続を絶つことによって取り除くステップを有する。また、接触部分の接続を絶つことは、人手により行われてもよい。
【0022】
本発明は、また、処理室を通って搬送される食品製品を保持するための、前述した搬送装置の使用を提供する。本発明の搬送装置の利点は、本発明が製品ホルダのよりコンパクトな構造を可能にすることである。例えば、よりコンパクトな形状のコンテナを提供することにより、搬送装置の容量の増大、または容量が拡大できないときは搬送装置のよりコンパクトな構造をもたらす。その結果として、これ(搬送装置)は、よりコンパクトな処理室または処理室中の食品製品の処理速度の増大をもたらす。
【0023】
本発明は、引き続く図面に示される例示的な実施形態に基づいてさらに明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の製品ホルダを示す図である。
図2】本発明の別の製品ホルダを示す図である。
図3】本発明のキャリアフレームを示す図である。
図4】本発明の製品ホルダを示す図である。
図5】本発明の製品ホルダの横断面を示す図である。
図6】複数の接触部分を有する本発明の製品ホルダを示す図である。
図7】本発明の製品ホルダの横断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、キャリアフレーム2、キャリアフレーム2に着脱自在に接続されている接触部分3a、3bを備える本発明の製品ホルダ1を示す。接触部分3a、3bは、キャリアフレーム2に解放可能なようにスナップ結合される協働する形状3aa、3abを有している。協働する形状は、キャリアフレーム2の形状によって変わってもよい(例えば図2および図5を参照)。接触部分3a、3bとキャリアフレーム2との間の接続は、固定手段(ここでは図示せず)を用いることによってさらに確保されてもよい。接触部分3a、3bは、さらに複数の開口部4を有する。キャリアフレーム2は、さらに、製品ホルダ1を搬送装置(ここでは図示せず)に結合させるためのカップリング(ここでは図示せず)を有してもよい。
【0026】
図2は、キャリアフレーム2に作られた開口部6に収まるスクリューアンカ5によってキャリアフレーム2に着脱自在に接続されている接触部分3a、3bを有する本発明の別の製品ホルダ1を示す。接触部分3a、3bは、さらに、6面構造を有している複数の開口部4を備える。しかし、開口部4は、また例えば、円形または矩形の形であってもよい。製品ホルダ1は、2つの同一の(非対称の)接触部分3a、3bによって形成されている。しかしながら、キャリアフレーム2に取り付けられた1つの接触部分(ここでは図示せず)であって、接触部分3a、3bに示す組み合わせの形状と外形とを有するものによって製品ホルダ1を形成することも可能である。加えて、接触部分3a、3bの端部は指状構造7を有している。接触部分3aの指状構造7は、接触部分3bの指状構造7と協働する。加えて、接触部分3a、3bの指状構造7は、オプション的に近傍の接触部分と協働する(ここでは図示せず)。
【0027】
図3は、バー8から作られた長手方向支持構造を有するキャリアフレーム2を示す。図は、3つの分離されたバー8を示す。しかしながら、本発明のコンテナを支持するために、ただ1個のバーから作られた長手方向支持構造を設計することも、また可能である。加えて、キャリアフレーム2の2つのバー8のそれぞれが別々のコンテナ即ち平行に配置された2つの別個の製品ホルダを支えている本発明の製品ホルダを設計することも可能である。キャリアフレームはさらにバー8の位置を確保するカップリング端部9を有し、加えて、この図には示さない搬送システムにキャリアフレームの接続を可能にしてもよい。しかしながら、搬送システムにキャリアフレーム2を接続するためのカップリングは、例えば、キャリアフレーム2の中央部など、キャリアフレーム2のどこに配置されてもよい。カップリング端部9が搬送システムに接続されている場合には、前進要素コネクタ10が例えばチェーンのような前進要素にキャリアフレーム2の接続手段を提供するためのカップリング端部9の部分である。長手方向支持構造の安定性を向上するために、コネクタ11が個別のバー8を接続してキャリアフレームに配置されてもよい。
【0028】
図4は、作りかけ状態の本発明の製品ホルダ1の部分を示す。図4図3のキャリアフレームの部分を示しており、バー8から作られた長手方向支持構造およびスタビライザー11を有している。キャリアフレーム2上において、ここでは、1つの接触部分3のみが着脱自在に接続されている。接触部分3は、キャリアフレーム2にスナップオンするように構成されている。接触部分3は、接触部分3によって支持される食品製品に環境条件を与える開口部4を備えている。開口部4は、円形の開口部の形を有してもよいが、食品製品を保持するために適しており、および流動物および/または気体が通過することを許容するいかなる構造でもよい。開口部は例えばまた、ハニカム構造(ここでは図示せず)を有してもよい。加えて、接触部分3は、隣接している接触部分(ここでは図示せず)と協働するための指状構造7を有する。接触部分3はまた、ジグザグ形状の端部12を有する別の端部を備える。
【0029】
図5は、図4に部分的に示したような製品ホルダ1を通る横断面を示す。製品ホルダ1を通る横断面は、キャリアフレーム2のロッド8にスナップ結合3ac、3bcによって着脱自在に接続されている2つの接触部分3a、3bを示す。例えばソーセージのような食品製品13は、食品製品13がその長手方向軸の周りを回転できるように配置されている。横断面において製品ホルダ1のC字形状は、食品製品が製品ホルダ1から外側へ落ちることを防いでいる。
【0030】
図6は、ロッド8およびカップリング端部9を備えるキャリアフレームに接続されている湾曲した接触部分3を複数個備える別の製品ホルダ1を示す。湾曲した接触部分3はここでは、長さ方向に連続的に配置されている。
【0031】
図7は、製品ホルダ1の横断面を示す。ここで、キャリアフレーム2は複数の接触部分3a、3b、3c、3dを部分的に包み込んでいる実質的にC字状の中空形態を有する2つのバー8a、8bを備える。双方のバー8a、8bは、1つの長手方向支持構造2を形成するために、カップリング端部(ここでは図示せず)で接続されている。例えばキャリアフレームのような長手方向支持構造は、さらに、キャリアフレーム2に、例えばチェーンのような搬送装置(ここでは図示せず)の前進要素を接続するための1または2以上のカップリングを備える。各接触部分3a、3b、3c、3dは、バー8a、8bによって形成されたキャビティ14のなかで接触部分3a、3b、3c、3dの部分3aa、3ba、3ca、3daをクリックすることによって、キャリアフレーム2に着脱自在に接続される。加えて、例えばバー8a、8bのようなキャリアフレーム2は、それぞれ接触部分3a、3bおよび3c、3dによって形成された2つのコンテナ15a、15bを支持する。従って、製品ホルダ1は、単一のキャリアフレーム2によってそれぞれ支持される接触部分3a、3bおよび3c、3dによって形成された2つの平行に配置されたコンテナ15a、15bを備えている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7