特許第6386544号(P6386544)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6386544-データ交換方法及び装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386544
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】データ交換方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
   G06F13/00 510G
【請求項の数】20
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-520138(P2016-520138)
(86)(22)【出願日】2014年10月30日
(65)【公表番号】特表2016-536669(P2016-536669A)
(43)【公表日】2016年11月24日
(86)【国際出願番号】US2014063255
(87)【国際公開番号】WO2015066380
(87)【国際公開日】20150507
【審査請求日】2017年10月6日
(31)【優先権主張番号】201310533683.2
(32)【優先日】2013年10月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510330264
【氏名又は名称】アリババ・グループ・ホールディング・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALIBABA GROUP HOLDING LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チンフォン リー
【審査官】 佐々木 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−151735(JP,A)
【文献】 特表2015−506001(JP,A)
【文献】 特開2013−186553(JP,A)
【文献】 特開2013−045302(JP,A)
【文献】 特開2013−003904(JP,A)
【文献】 米国特許第9160786(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0166658(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0138745(US,A1)
【文献】 特開2013−122629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ交換方法であって、前記方法は、
第一ユーザおよび第二ユーザの位置情報に従って、第二ユーザの定義済み境界内に位置する第一ユーザを識別することと、
前記第一ユーザの行動記録および前記第二ユーザの行動記録のそれぞれに従って、第一ユーザの基本状態及び第二ユーザの基本状態を更新することと、
前記第一ユーザ及び/または前記第二ユーザの基本状態に従って、第一ユーザと第二ユーザとの間のデータ交換を要求するデータ交換要求のタイプを判定することと、
第一ユーザまたは第二ユーザからデータ交換要求を受信することと、
前記データ交換要求のタイプに従って、前記第一ユーザと第二ユーザとの間でデータ交換を実行することと
を備える方法。
【請求項2】
前記第一ユーザおよび前記第二ユーザの位置情報は、第一ユーザおよび第二ユーザの地理的位置情報を含み、第二ユーザの定義済み境界内に位置する配置された第一ユーザを識別することは、
第一ユーザの地理的位置情報および第二ユーザの地理的位置情報を比較することと、
前記第二ユーザの事前定義された地理的領域内に位置する前記第一ユーザを識別することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態がビジー状態である場合、データ交換要求が遅延型であると判定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
遅延型データ交換要求は、サーバシステムによって事前設定された或いは前記第一ユーザ及び/または前記第二ユーザによって自己定義された遅延時間を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第一ユーザまたは前記第二ユーザの行動記録は、過去の行動記録及び/または現在のデータ交換量を含み、前記過去の行動記録は、過去におけるデータ交換の通時的な量を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第一ユーザまたは前記第二ユーザの行動記録は、過去の行動記録及び/または現在のデータ交換量を含み、前記過去の行動記録は、過去におけるデータ交換の通時的な量を含み、前記第一ユーザの基本状態及び第二ユーザの基本状態を更新することは、
第一ユーザ及び/または第二ユーザの過去の行動記録が、現在時刻と一致する期間の間のデータ交換の通時的な量が定義済み閾値を超えていることを示す場合、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態をビジー状態に更新することと、
第一ユーザ及び/または第二ユーザの過去の行動記録が、現在時刻と一致する期間の間のデータ交換の通時的な量が定義済み閾値であるか閾値以下であることを示す場合、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態をアイドル状態に更新することと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記定義済み閾値は、位置情報で示されたロケーションシナリオ及び/またはロケーションシナリオに従うネットワーク状態を考慮して決定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第一ユーザまたは前記第二ユーザの行動記録は、過去の行動記録及び/または現在のデータ交換量を含み、前記過去の行動記録は、過去におけるデータ交換の通時的な量を含み、第一ユーザまたは第二ユーザの基本状態がビジー状態またはアイドル状態にあり、第一ユーザの基本状態及び第二ユーザの基本状態を更新することは、
第一ユーザ及び/または第二ユーザの現在のデータ交換量が定義済み閾値を超えている場合、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態をビジー状態に更新すること、または、
第一ユーザ及び/または第二ユーザの現在のデータ交換量が定義済み閾値であるか閾値以下である場合、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態をアイドル状態に更新すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第一ユーザの基本状態及び第二ユーザの基本状態を更新することは、
第一ユーザの基本状態を第一ユーザ及び第二ユーザにプッシュすることと、
第二ユーザの基本状態を第二ユーザ及び第一ユーザにプッシュすることと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
データ交換要求のタイプを判定することは、
第一ユーザの基本状態及び/または第二ユーザの基本状態がビジー状態のとき、第一ユーザ及び/または第二ユーザと通信するサーバによってデータ交換要求の遅延型を選択すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記データ交換要求のタイプを判定することは、
第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態がビジー状態のとき、第一ユーザ及び/または第二ユーザと通信するサーバによって前記第一ユーザ及び/または前記第二ユーザがデータ交換要求の遅延型を選択できるようにする、
ことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記データ交換要求のタイプを判定することは、
第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態がビジー状態のとき、第一ユーザ及び/または第二ユーザと通信するサーバによって前記第一ユーザ及び/または前記第二ユーザがデータ交換要求の遅延型を受け入れるように要求する、
ことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第一ユーザまたは第二ユーザからのデータ交換要求を受信することは、
第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態がビジー状態のときに、第一ユーザ及び/または第二ユーザと通信するサーバにおいて、第一ユーザ及び/または第二ユーザからデータ交換要求の遅延型を受信する、
ことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
データ交換要求のタイプに従って第一ユーザと第二ユーザとの間でデータ交換を実行することは、
受信されたデータ交換要求が遅延型である場合、第二ユーザによって許可された遅延後に第一ユーザと第二ユーザの間でデータ交換を実行することと、
受信されたデータ交換要求がインスタント型である場合、第一ユーザと第二ユーザとのデータ交換を直ちに実行することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
データ交換要求のタイプに従って第一ユーザと第二ユーザの間でのデータ交換を実行することは、
データ交換で第一ユーザによって使用される基本値を含む第一ユーザの固有情報に従って、第一ユーザと第二ユーザとの間でデータ交換を実行すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
データ交換方法であって、前記方法は、
第一ユーザと第二ユーザの位置情報に従って、第二ユーザの定義済み境界内に位置する第一ユーザを識別することと、
前記第一ユーザの行動記録と前記第二ユーザの行動記録にそれぞれ従って、第一ユーザの基本状態と第二ユーザの基本状態を更新することと、
第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態に従って、第一ユーザと第二ユーザとの間でデータ交換を要求するデータ交換要求の遅延型が望ましいか否かを判定することと、
第一ユーザまたは第二ユーザから遅延データ交換要求を受信することと、
遅延データ交換要求で許容される遅延後に第一ユーザと第二ユーザとの間でデータ交換を実行することと
を備える方法。
【請求項17】
前記第一ユーザと前記第二ユーザとの間のデータ交換を要求するデータ交換要求の遅延型が望ましいか否かを判定することは、
第一ユーザの基本状態及び/または第二ユーザの基本状態がビジー状態であると判定された場合、遅延型が望ましいと判定すること
を備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ユーザの行動に基づいてユーザの特徴を抽出するためのコンピュータベースの装置であって、前記装置は、
プロセッサ、コンピュータ可読メモリと記憶媒体、及びI/Oデバイスを有するコンピュータを備え、前記コンピュータは、
第一ユーザおよび第二ユーザの位置情報に従って、第二ユーザの定義済み境界内に位置する第一ユーザを識別するユーザ位置識別モジュールと、
第一ユーザの行動記録と第二ユーザの行動記録のそれぞれに従って、第一ユーザの基本状態および第二ユーザの基本状態を更新する状態更新モジュールと、
第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態に従って、第一ユーザと第二ユーザとの間のデータ交換を要求するデータ交換要求のタイプを判定するデータ交換タイプ判定モジュールと、
第一ユーザまたは第二ユーザから、データ交換要求を受信する要求受信モジュールと、 データ交換要求のタイプに従って第一ユーザと第二ユーザとの間でデータ交換を実行する実行モジュールと
を含む機能モジュールを有するようにプログラムされている装置。
【請求項19】
前記データ交換タイプ判定モジュールは、前記第一ユーザおよび前記第二ユーザの基本状態に従って、第一ユーザと第二ユーザとの間のデータ交換を要求するデータ交換要求は遅延型が望ましいか否かを判定し、前記実行モジュールは、データ交換要求によって許容される遅延後に第一ユーザと第二ユーザとの間のデータ交換を実行する、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記データ交換タイプ判定モジュールは、前記第一ユーザの基本状態及び/または第二ユーザの基本状態がビジー状態であると判定された場合、遅延型が望ましいと判定する、請求項18に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2013年10月31日に出願された「データ交換方法及び装置」と題する中国特許出願番号第201310533683.2号に基づく優先権を主張し、これによって中国特許出願は、全体として本明細書に参考として組み入れられている。
【0002】
本発明はデータ処理に関し、より具体的にはデータ交換のためのシステム及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来のデータ交換方法では、ユーザはサーバを介して他のユーザとデータ交換要求を開始することができ、サーバがデータ交換要求に基づいてリアルタイムでデータ交換命令を生成し、そしてデータ交換を実行する必要がある2人のユーザに指示を発する。サーバから指示を受信すると、2人のユーザがサーバの指示に従ってデータ交換操作を実行する。
【0004】
しかしながら、データ交換中に2人の交換当事者(すなわち、データ交換要求を開始したユーザと、交換要求を受信したユーザ)は、要求された時点において2人の当事者よって現在実行される必要があるデータ交換の量を予測するすべがない。例えば、家庭またはホテルの環境では、データ交換サービスのユーザの数は少なく且つより良好なネットワーク状態のため、データ交換の処理速度はより速く、その結果、交換すべき保留中のデータの量はより小さい。ところがオフィスビルやショッピングモールでは、ユーザは多数でありビジーなネットワーク状態のため、データ交換の処理速度がより遅くなり、それ故に交換されるべき保留中のデータの量がより大きくなってしまう。当事者の一方、特にデータ交換要求を受信したユーザは、処理されるべき保留中のデータ交換量を多量に有していて、当事者はサーバから受信したデータ交換命令をタイムリーに実行することができなくなり、必然的にデータ交換動作を迅速に実行できず、結果的にはユーザのデータ交換に過負荷を生じさせてしまう。有効期限が切れてしまった未実行のデータ交換命令に起因する障害で、データ交換が失敗に終わることもあり得る。
【発明の概要】
【0005】
この概要は、簡略化された形態で概念の選択を紹介するために提供されるが、概念については以下の詳細な説明でさらに記述する。この概要は、特許請求される主題の全ての主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、また特許請求された主題の範囲を決定する一助として単一で用いられることも意図されていない。
【0006】
本発明は、未知のデータ交換量に起因するデータ交換障害の問題を解決するために、そしてデータ交換の成功率を向上させるためのデータ交換方法及び装置を提供する。
【0007】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は以下の技術的解決策を提供する。
【0008】
本発明の一態様は、2人のユーザの位置情報に基づいて第二ユーザの定義済み境界内に位置する第一ユーザを決定し、それらの行動記録に従って2人のユーザの基本的な状態を更新する方法である。この方法は、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態に従ってユーザ間でデータ交換を要求するデータ交換要求のタイプを判定する。データ交換要求を受信すると、サーバはデータ交換要求の判定されたタイプに従ってデータ交換を実行する。
【0009】
第一ユーザ及び第二ユーザの位置情報は、第一ユーザと第二ユーザの地理的位置情報を含むことができる。第二ユーザの定義済み境界内に位置する第一ユーザを識別するために、この方法は、第一ユーザの地理的位置情報を第二ユーザの地理的位置情報と比較し、第二ユーザの定義済み地理的領域内に位置する第一ユーザを識別する。
【0010】
一実施形態では、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態がビジー状態である場合に、データ交換要求は遅延型であると判定される。
【0011】
第一ユーザまたは第二ユーザの行動記録は、過去の行動記録及び/または現在のデータ交換の量を含むことができ、過去の行動記録は過去におけるデータ交換の通時的な量を含んでいてもよい。第一ユーザまたは第二ユーザの基本状態はビジー状態またはアイドル状態であってもよく、この方法は、もし第一ユーザ及び/または第二ユーザの過去の行動記録が、現在時刻と一致する時間の間におけるデータ交換の通時的な量が定義済みの閾値を超えることを示すならば、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態をビジー状態に更新し、或いは、もし第一ユーザ及び/または第二ユーザの過去の行動記録が、現在時刻と一致する時間の間におけるデータ交換の通時的な量が定義済みの閾値または閾値以下であることを示すならば、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態をアイドル状態に更新する。
【0012】
定義済みの閾値は、位置情報に示されるロケーションシナリオ及び/または前記ロケーションシナリオに従ったネットワーク状態を考慮して決定することができる。
【0013】
別の実施形態では、本方法は、もし第一ユーザ及び/または第二ユーザの現在のデータ交換量が定義済みの閾値を超えるならば、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態をビジー状態に更新し、或いは、もし第一ユーザ及び/または第二ユーザの現在のデータ交換量が定義済みの閾値または閾値以下であれば、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態をアイドル状態に更新する。
【0014】
一実施形態では、第一ユーザの基本状態および第二ユーザの基本状態を更新するために、第一ユーザの基本状態を第一ユーザ及び第二ユーザにプッシュし、第二ユーザの基本状態を第二ユーザ及び第一ユーザにプッシュする。
【0015】
一実施形態において、この方法は、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態がビジー状態のとき、第一ユーザ及び/または第二ユーザと通信するサーバでデータ交換要求の遅延型を選択する。代替的に、本方法は、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態がビジー状態のとき、第一ユーザ及び/または第二ユーザと通信するサーバで第一ユーザ及び/または第二ユーザがデータ交換要求の遅延型を選択することを可能にする。さらに、本方法は、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態がビジー状態のとき、第一ユーザ及び/または第二ユーザと通信するサーバで第一ユーザ及び/または第二ユーザがデータ交換要求の遅延型を受け入れるように要求する。
【0016】
従って、この方法は、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態がビジー状態になっている場合、第一ユーザ及び/または第二ユーザからデータ交換要求の遅延型を受信するために第一ユーザ及び/または第二ユーザと通信するサーバを使用する。
【0017】
サーバは、受信されたデータ交換要求が遅延型である場合、第二ユーザによって許可された遅延の後に第一ユーザと第二ユーザ間でデータ交換を実行するか、或いは、受信されたデータ交換要求が即時型である場合、第一ユーザと第二ユーザ間でデータ交換を直ちに実行する。
【0018】
この方法は、データ交換で第一ユーザによって使用される基礎データを含んだ第一ユーザの固有な情報に従って、第一ユーザと第二ユーザの間でデータ交換を実行するためにサーバを使用することもできる。
【0019】
本発明の別の態様は、2人のユーザの位置情報に従って第二ユーザの定義済み境界内に位置する第一ユーザを識別する方法であって、それらの行動記録によって二人のユーザの基本状態を更新する。次に、本方法は、ユーザ間でデータ交換を要求するデータ交換要求の遅延型が、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態に従って好適であるか否かを判定する。データ交換要求を受信すると、サーバは、データ交換要求で許容される遅延の後、データ交換を実行する。この方法は、ユーザのうちの1人の基本状態がビジー状態にある場合に、遅延型が望ましいと判定する。一実施形態では、本方法は、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態がビジー状態であると判定された場合、遅延型が望ましいこと判定する。
【0020】
さらに、本開示の別の態様は、ユーザの行動に基づいてユーザの特徴を抽出するためのコンピュータベースの装置である。装置は、プロセッサ、コンピュータ可読メモリと記憶媒体、及びI/Oデバイスを有するコンピュータを備えている。このコンピュータは、
第一ユーザと第二ユーザとの位置情報に基づいて、第二ユーザの定義済み境界内に位置する第一ユーザを識別するためのユーザ位置識別モジュールと、
それぞれ、第一ユーザの行動記録と第二ユーザの行動記録に従って、第一ユーザの基本状態と第二ユーザの基本状態を更新するための状態更新モジュールと、
第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態に従って、第一ユーザと第二ユーザとの間のデータ交換を要求するデータ交換要求のタイプを決定するためのデータ交換タイプ判定モジュールと、
第一ユーザまたは第二ユーザから、データ交換要求を受信するための要求受信モジュールと、
データ交換要求のタイプに従って第一ユーザと第二ユーザとの間でデータ交換を実行するための実行モジュールと、
を含む機能モジュールを有するようにプログラムされている。
【0021】
一実施形態では、データ交換タイプ判定モジュールは、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態に従って、第一ユーザと第二ユーザとの間でデータ交換を要求するデータ交換要求の遅延型が望ましいかどうかを判断し、そして、実行モジュールは、データ交換要求で許容される遅延後に第一ユーザと第二ユーザとの間のデータ交換を実行する。
【0022】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の説明に記載され、一部は記述から明らかになるか、或いは出願の実施によって理解されるであろう。この出願の目的及び他の利点は、明細書、特許請求の範囲によって得られ、特に構造を指摘する図面によって実施及び達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】データ交換のために開示された方法のブロックフロー図である。
図2図1の拡大ブロックS110の例示的なブロックフロー図である。
図3】データ交換のためのシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明を添付図面及び実施例に関連してさらに詳細に説明する。本明細書において、例えば「技術(単数または複数)」なる用語は、上記の文脈及び本開示全体を通じ容認されるものとして、方法、デバイス装置、システム、及び/またはコンピュータ可読命令に言及する可能性がある。
【0025】
この明細書では、説明されるプロセスの順序は、限定として解釈されるべきとは意図されていないし、本方法または代替方法を実施するために、記載されたプロセスブロックを幾つでも任意の順序で組み合わせてもよい。実施例は単に例示の便宜上、連続した工程で記載している。矛盾を引き起こさない限り、本開示に記載した実施例及び実施形態、並びにそれらの特性及び特徴は、自由に組み合わせることができる。さらに、実施例に記載されたステップの全てが、本発明の技術を実施するために必要とされるわけではない。
【0026】
本発明は、データ交換に関係するユーザの位置情報を利用する。この明細書において、「ユーザ」とは、一般的にモバイルデバイスまたは特定のユーザアプリケーションのために使用されるコンピュータのような装置またはマシンを指している。例示的な実施形態の以下の説明では、第一ユーザとは、一般的に特定のサービスまたはアプリケーションにアクセスする必要があるユーザを指し、第二ユーザとは、一般的にサービスやアプリケーションを提供またはホストするユーザを指している。
【0027】
第二ユーザを判定基準として始めると、開示された方法を使用するシステムは、第二ユーザの定義済み境界内に配置された1つ以上の第一ユーザを判定する。このような第一ユーザ(複数可)は、関連する第一ユーザ(複数可)として呼ばれる。各ユーザは、システムのコンテキストに基本状態が与えられる。第一ユーザの基本状態は第一ユーザの行動記録に従って更新され続け、一方で第二ユーザの基本状態は第二ユーザの行動記録に従って更新され続けられる。システムは、各ユーザの行動記録に基づいて、処理する必要がある現在のデータ交換量を予測することができる。処理する必要がある現在のデータ交換量が第一ユーザ及び/または第二ユーザにとってハイレベルであると判定された場合、システムは各ユーザの基本状態がビジー状態であると更新する。第二ユーザは、第一ユーザと第二ユーザとの間のデータ交換を実行する際の遅延を承認する。そしてデータ交換は遅延の後に実行される。処理される必要がある現在のデータ交換量が第一ユーザと第二ユーザにとって比較的低レベルであると判定された場合、各ユーザの基本状態はアイドル状態のままに維持される(または更新される)。システムは、第一ユーザと第二ユーザとの間でのデータ交換命令を直ちに実行する。この手順を図1のブロックS110〜S140を参照しながら説明する。
【0028】
開示された方法及びシステムを使用して、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態が取得され、いかにしてデータ交換が実行されるか(即時に行うか或いは遅延させるか)を決定するための基礎として用いられる。これによって、第二ユーザと同時にデータ交換を要求する第一ユーザが多数存在してデータ交換の障害を引き起こすような状況は回避される。従って、開示された方法及びシステムは、データ交換の成功率を高め、ユーザエクスペリエンスを向上させるのに役立つ。
【0029】
図1は、データ交換のための方法の一実施形態のブロックフロー図である。例示的な実施形態には、ブロックで説明する以下の手順が含まれている。
【0030】
ブロック110では、第一ユーザと第二ユーザの位置情報に従って、第二ユーザの定義済み境界内に位置する第一ユーザを識別する。
【0031】
この識別プロセスは、図1におけるブロックS110のプロセスに係る実施形態のより詳細なフロー図である図2に示されている。
【0032】
具体的には、ブロックS210で、第一ユーザ及び第二ユーザの位置情報を取得する。第一ユーザの位置情報は、第一ユーザの地理的位置情報を含むことができ、第二ユーザの位置情報は、第二ユーザの地理的位置情報を含むことができる。
【0033】
第一ユーザと第二ユーザは、携帯電話、タブレットコンピュータなどのユーザ端末であってもよく、ユーザ端末上でデータ交換するためのアプリケーションプログラムに各々がログオン可能である。
【0034】
第一ユーザと第二ユーザは、データ交換用のアプリケーションプログラムを介して、サーバにそれぞれの地理的位置情報を報告することができる。地理的位置情報は、GPS(全地球測位システム)情報であってもよく、第一ユーザと第二ユーザは、定義済み時間間隔で周期的にサーバへGPS情報を報告することができる。
【0035】
より具体的には、第一ユーザと第二ユーザがデータ交換アプリケーションにログオンすると、アプリケーションは、第一ユーザと第二ユーザのユーザ端末にあるGPS機器を周期的にトリガするようにスケジュールされた時限ルーチンを使用することができ、また、第一ユーザと第二ユーザの地理的位置情報を取得するためにGPS機器を使用することも可能である。従って、第一ユーザと第二ユーザは、周期的にサーバにGPS機器によって得られた地理情報を報告する。
【0036】
第一ユーザがサービスを要求する顧客であり、第一ユーザの位置情報が頻繁に変更される例示的なシナリオでは、第一ユーザは、例えば5分ごとにその地理的位置情報をサーバに報告することができる。第二ユーザの位置情報が比較的まれに変化すると(これは例示的なシナリオでは第二ユーザがサービスプロバイダでもよいが)、第二ユーザは、例えば毎月1回のようにより低い頻度でその地理的位置情報をサーバに報告することができる。
【0037】
サーバは、周期的に第一ユーザと第二ユーザの地理的位置情報を取得し、そのような情報を格納し、それぞれの新しい地理的位置情報を用いて第一ユーザと第二ユーザの古い地理的位置情報を更新する。記憶された地理的位置情報は、各ユーザの更新された地理的位置情報となる。
【0038】
一実施形態では、第一ユーザまたは第二ユーザが、データ交換用のアプリケーションプログラムにログオンするためにサーバにログオン要求を送信する。ログオン要求は、第一ユーザまたは第二ユーザのIPアドレスを伝える。サーバはIPアドレスを記録し、IPアドレスのライブラリを検索し、IPアドレスと地理的位置との間のマッチング関係に基づいて、ユーザの地理的位置情報を取得するためにIPアドレスを使用する。IPアドレスに対応する地理的位置情報は予め記録されている。
【0039】
ブロックS220では、第一ユーザの地理的位置情報を第二ユーザの地理的位置情報と比較する。
【0040】
複数の第一ユーザが存在する場合、サーバは、ライブラリに格納された地理的位置情報にある第二ユーザの地理的位置情報に対して各第一ユーザの地理的位置情報を比較する。
【0041】
ブロックS230では、第二ユーザの定義済み地理的エリア内に位置する1つ以上の関連する第一ユーザを判定する。
【0042】
第二ユーザの定義済み地理的エリアは、事前設定された境界である。例えば、第二ユーザの位置を中心であると仮定すると、一定の半径の円を(例えば、500メートル)、定義済み地理的領域を表現するために描くことができる。また、第二ユーザはレストランのような店であってもよく、その定義済み地理的領域は、物理的な建物の外周によって規定することも可能である。
【0043】
第一ユーザと第二ユーザの地理的位置情報とを比較することによって、サーバは、第二ユーザの定義済み地理的エリア内にある第一ユーザを計算する。例えば、特定の第一ユーザの位置が第二ユーザを中心に500メートルの半径の所定の円内に存在するとサーバが計算した場合、特定の第一ユーザが第二ユーザの定義済み地理的エリア内に位置していると結論付けることができる。可能な全ての第一ユーザについて同じ計算を実行することで、第二ユーザとの関係で1つ以上の関連する第一ユーザを判定する。
【0044】
同様に、地理的領域は第一ユーザのために事前に定義されてもよく、それに従って、サーバは、第一ユーザの定義済み地理的エリア内に位置する1つ以上の関連する第二ユーザを計算することができる。
【0045】
図1を振り返ってみるが、ブロックS120では、第一ユーザの行動記録と第二ユーザの行動記録にそれぞれ従って、第一ユーザと第二ユーザの基本状態を更新する。
【0046】
行動記録には、過去の行動記録及び実行する必要がある現在のデータ交換量が含まれ得る。各ユーザは、独自の通時的な行動記録を有していてもよく、そのような記録は、関係者の過去のデータ交換の統計を特定することもできる(例えば、特定の第一ユーザ及び特定の第二ユーザとの間で過去に行われたデータ交換など)。過去の行動記録は、現在データ交換要求をしている現在時刻と一致する過去の期間内に、第一ユーザと第二ユーザとの間で行われたデータ交換量を示すサーバ上に格納された記録を含んでいてもよい。概して、時間間隔はその日中の一定期間を指すことができる。例えば、2013年10月7日午後3時〜午後4時の期間と2013年10月8日午後3時〜午後4時の期間は、一致している時限、或いは一日の同じ過去の時限と見なすことができる。サーバは、同じく一致する過去の期間内に、第一ユーザと第二ユーザとの間で行われた過去のデータ交換量の記録に基づいて、現在の時間間隔内に第一ユーザと第二ユーザとの間で行われているデータ交換量を計算する。例えば、2013年10月1日から10月7日までの間の履歴記録に基づいて、午後3時〜午後4時の期間内に、第二ユーザと全ての関連する第一ユーザとの間で行われるデータ交換の平均数を一日あたり10とサーバが計算した場合、2013年10月8日午後3時〜午後4時の間には第二ユーザも同様に関連する第一ユーザと共に約10のデータ交換を処理する必要があるかもしれないことを予測することが可能となる。
【0047】
現在のデータ交換量には、関連する第一ユーザの現在のデータ交換量及び第二ユーザの現在のデータ交換量を含めることができる。現在のデータ交換量は、関連する第一ユーザ及び/または関連する第二ユーザとの間で、現在の時間間隔内にサーバで実行する必要があるデータ交換の量である。
【0048】
関連する第一ユーザまたは第二ユーザの基本状態は、ビジー状態、アイドル状態、及びオフラインのいずれであってもよい。
【0049】
ユーザがビジー状態であることは、関連する第一ユーザまたは第二ユーザに関与するデータ交換量が事前設定された閾値以上であるときの状態として定義することができ、実際の適用シナリオに従って可変的及び経験的に設定することができる。そのような経験的な閾値を設定するための一般的な基準は、データ交換量が経験的な閾値を超えている場合、関与するユーザ(関連する第一ユーザまたは第二ユーザ)のデータ交換に必要な操作を実行するのに困難がありそうだということである。データ交換に必要な操作は、例えばオーダーを生成するためのボタン、「今すぐ支払え」ボタン、或いはデータ交換で実行される必要がある任意の後続の操作など、データ交換に関連するボタンをユーザがクリックすることであってもよい。これらの操作がタイムリーに処理できない場合、データ交換は失敗する可能性がある。
【0050】
通常、第一ユーザまたは第二ユーザのビジー状態は、特定の第一ユーザまたは第二ユーザが関与するデータ交換のために一日のピーク時間を示すことができる。
【0051】
ユーザのアイドル状態は、関連する第一ユーザ及び/または第二ユーザが関係するデータ交換量が事前設定された閾値またはそれ以下であるときの状態として定義することができる。アイドル状態は、現在保留中のデータ交換を処理する通常の条件下で、データ交換量が事前設定された閾値に達するまで、正常に実行されるべきデータ交換量を増加させる余地が依然としてあることを示している。
【0052】
オフライン状態では、ユーザ(関連する第一ユーザまたは第二ユーザ)が他のユーザとデータ交換を行うためのアプリケーションにもはやログインしていない状態である。
【0053】
第一ユーザの基本状態及び/または第二ユーザの基本状態は、各ユーザの過去の行動記録を用いて予測することができる。関連する第一ユーザ及び/または第二ユーザの過去の行動記録が、同じ(マッチングする)過去の時間間隔におけるデータ交換量は事前設定された閾値を超えたことを示す場合、それぞれユーザの基本状態をビジー状態に更新することができ、関連する第一ユーザ及び/または第二ユーザの過去の行動記録が、同じ(マッチングする)過去の時間間隔におけるデータ交換量は事前設定された閾値または閾値以下であることを示す場合、それぞれユーザの基本状態をアイドル状態に更新され得る。
【0054】
例えば、第二ユーザが業者であって、その過去の記録は2013年10月1日から10月7日までの午後3時〜午後4時の間に、毎日の平均トランザクション数(データ交換量)が15であると示しているとする。ユーザの基本状態を評価するために事前設定された閾値は10トランザクションである場合、データ交換の履歴量が事前設定された閾値を超えているので、この第二ユーザの基本状態はビジー状態である。すなわち、過去のデータ交換の履歴記録によれば、10月8日の同じ時限におけるデータ交換トランザクション数は同様に約15の可能性が高いと予測され、これは10トランザクションとして事前設定された閾値以上であり、従って第二ユーザはビジー状態にあると見なされる。
【0055】
別の実施例では、サーバのバックエンドが繰り返し時限タスクをスケジュールし、このタスクは毎晩12時から始まって毎日の各時間の間、または毎日の他の時間の間のデータ交換の平均量(すなわち、トランザクションの平均数)、並びに各ユーザ(第一ユーザと第二ユーザ)のデータ交換の一日平均量を計算する。例えば、特定ユーザのトランザクション一日平均数が12であり、トランザクションの1時間時平均数が1(「1回」)である場合、1トランザクションのこの1時間平均は、毎時ごとに所定の閾値として採用することができる。過去1年以内におけるユーザの履歴的なトランザクション記録は、毎日24時間に亘るトランザクションの正規分布を計算するために採用される。もし、毎日24時間のトランザクションが主に午前9時〜10時の間と午後20時〜21時の間に集中していることが結果として示された場合、これらの時間帯でのトランザクション数は、毎時1トランザクションの閾値を超えているので、通日の同じ時間にはビジー状態であろうと予測することができる。例えば、現在時刻が9時30分だとすると、午前9時〜10時のトランザクションピーク時に該当するので、ユーザの基本状態はビジー状態に更新することができる。
【0056】
第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態は、実行する必要がある第一ユーザ及び/または第二ユーザの新しいデータ交換量を用いて代替的または追加的に計算することができる。新しいデータ交換量が事前設定された閾値を超えると、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態はビジー状態に更新することができる。もし新しいデータ交換量が事前設定された閾値であるか下回る場合、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態はアイドル状態に維持(もしくはに更新)されることが可能となる。
【0057】
例えば、第二ユーザは業者であって、処理されるべき保留中の8個の新しいトランザクションを現在有しているとする。事前設定された閾値が10トランザクションである場合、カレントトランザクション数は閾値以下であって(8<10)、業者の基本状態がアイドル状態であることを示し、業者は新しく生成された複数のトランザクションを処理する能力をまだ持っていることになる。
【0058】
また、データ交換量を比較するために用いられる事前設定閾値は、過去の行動記録に従って設定することができるか、或いは、第一ユーザまたは第二ユーザによって経験的に自己定義することが可能である。例えば、業者(第二ユーザ)の閾値は、業者の履歴トランザクション記録(過去の行動記録)に基づいて設定してもよい。業者によって毎分処理可能なトランザクション数のピーク値(最大値)が20トランザクションである場合、閾値はその同じ数である20に設定することができる。代替的に、閾値は、業者が扱うことができるトランザクション数(データ交換量)に基づいて、アプリケーションプログラム内に(例えば、ユーザ端末にインストールされたアプリケーション)、業者によって自己定義することもできる。例えば、もし業者が毎分10トランザクションを処理することができる場合、業者は閾値を10に設定することができる。
【0059】
上述した二つの方法は、組み合わせて一緒に用いることができる。例えば、ユーザ(第一ユーザまたは第二ユーザ)が自己定義した閾値は、どの閾値を使用するべきかを選択する際に優先順位が与えられてもよいし、自己定義した使用可能な閾値が存在しない場合にのみ、過去の行動記録に基づいて計算された閾値をシステムが使用してもよい。これらの二つの閾値と、ユーザによって自己定義されたもの、及び過去の行動記録に基づくシステムで定義されたものは異なっていてもよく、また同じであってもよい。
【0060】
実際には、事前設定された閾値は、様々な適用シナリオ、及び/または様々な適用シナリオの種々のネットワーク条件の異なる位置情報に従って別々に設定することができる。換言すれば、事前設定された閾値は、異なる適用シナリオと異なるネットワーク条件に従って変化し得る。例えば、適用シナリオは、ショッピングモール、ホテル、家庭、職場などであってもよい。ロケーションシナリオのそれぞれも、異なるネットワーク条件で異なるデータ交換処理能力を有していてもよい。例えば、ネットワーク状態が順調なものであれば、ユーザは、データ交換に関連する操作を1分間に5つ処理することができるかもしれない。ネットワーク状態が悪い場合には、ユーザは、データ交換に関連する操作を1つしか処理することができないかもしれない。そのため、ネットワーク状態がデータ交換の実行速度に直接影響を与える。従って、より良好なネットワーク状態を有する適用シナリオで、またはネットワーク状態が良好である期間中では、より高い閾値を適用シナリオに設定することができる。逆に、悪いネットワーク状態を有する適用シナリオで、またはネットワーク状態が良好ではない期間中では、より低い閾値を適用シナリオに設定することもできる。
【0061】
また、各適用シナリオは、自身の位置情報を有している。例えばショッピングモールの地理的位置情報は、チェックアウト・ステーションの地理的位置を示すことができ、ショッピングモールの事前定義された境界は、ショッピングモールの地理的位置の領域をカバーすることが可能である。ユーザの地理的位置がショッピングモールの地理的エリア内にある場合、ショッピングモールのために特に設定された閾値は、ユーザの基本状態を評価するために使用することができる。
【0062】
また、サーバは、関連する第一ユーザの基本状態を対応の関連する第一ユーザと第二ユーザにプッシュすることができ、また、第二ユーザの基本状態を第二ユーザと第一ユーザの各々にプッシュすることもできる。
【0063】
データ交換するために第一ユーザ及び第二ユーザがアプリケーションプログラムにログインした後、第二ユーザの事前定義された境界内の第一ユーザは、そのアプリケーションプログラム上で第一ユーザ自身の基本状態及び第二ユーザの基本状態を見ることができるかもしれない。同様に、第二ユーザは、そのアプリケーションプログラム上で第二ユーザ自身の基本状態及び第一ユーザの基本状態(または事前定義された境界内の複数の第一ユーザの基本的状態)を見ることができるかもしれない。
【0064】
ブロックS130では、第一ユーザと第二ユーザとの間のデータ交換のための要求を、第一ユーザまたは第二ユーザのいずれかから受信する。
【0065】
データ交換要求は、異なるタイプのものであってもよい(例えば、インスタント型または遅延型)。本明細書に記載されるように、データ交換要求のタイプは、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態に従って決定される。
【0066】
データ交換要求のタイプは、種々の適切な方法を用いて決定することができる。一実施形態では、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態がビジー状態にある場合、第一ユーザ及び/または第二ユーザと通信するサーバがデータ交換要求の遅延型を選択する。別の実施形態では、第一ユーザ及び/または第二ユーザと通信するサーバは、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態がビジー状態になっているときに、第一ユーザ及び/または第二ユーザがデータ交換要求の遅延型を選択できるようにする。第一ユーザ及び/または第二ユーザと通信するサーバは、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態がビジー状態になっているときに、データ交換要求の遅延型を受け入れるように第一ユーザ及び/または第二ユーザに要求することもできる。
【0067】
すなわち、第一ユーザと第二ユーザとの間のデータ交換のための要求は、第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態により条件づけられる。
【0068】
関与する第一ユーザは、第二ユーザの定義済み境界内に位置し、第二ユーザと共にデータ交換を実行する必要がある。
【0069】
第一ユーザの基本状態と第二ユーザの基本状態は、お互いに可視である。言い換えれば、第一ユーザは第二ユーザの基本状態を見ることができ、同様に第二ユーザは第一ユーザの基本状態を見ることができる。また、第一ユーザ及び/または第二ユーザは、第一ユーザの基本状態及び/または第二ユーザの基本状態に従ってデータ交換要求の特定のタイプを提出する。要求は、特定の第一ユーザと第二ユーザとの間でデータ交換を行うためのものである。
【0070】
例えば、インスタント型及び遅延型のように異なるタイプのデータ交換要求が存在してもよい。インスタント型は、第一ユーザと第二ユーザとの間のデータ交換を即時実行するよう要求するために用いられる。遅延型は、データ交換の遅延実行を要求するために用いられる。遅延の長さは、システムで定義されるが、要求自体で定義することもできる。インスタント型の要求を受信すると、サーバはデータ交換命令を生成し、データ交換に関与する第一ユーザと第二ユーザに指示を発する。遅延型の要求を受信すると、サーバは、第二ユーザがデータ交換命令の遅延実行を許可するか否かを第二ユーザに問い合わせることができる。第二ユーザが許可を示す場合、サーバは、第一ユーザにデータ交換の遅延を通知し、遅延後にデータ交換命令を実行する。
【0071】
遅延時間の長さは、様々な適用シナリオの経験的データに基づいて可変設定することができる。或いは、ビジー状態からアイドル状態にその基本状態を変更するために、要求を受信する当事者(第一ユーザまたは第二ユーザ)が要する時間となるように設定することもできる。
【0072】
データ交換要求のタイプは、要求に明示的に記載され、または暗黙のうちに想定することもできる。例えば、支払処理中に、もしユーザが「今すぐ支払え」ボタンをクリックした場合、支払い要求はデータ交換要求の瞬間タイプ(インスタント型)と見なすことができる。そして、もしユーザが「今すぐ支払え」ボタンの代わりに「命令を生成する」ボタンをクリックしたときは、それは支払い要求の遅延型と見なすことができる。
【0073】
遅延データ交換要求を提出するユーザは、遅延の承認を示したと想定することができる。例えば、もしデータ交換要求が第二ユーザによって送信された場合、第二ユーザが既にデータ交換の遅延実行を承認したと見なすことができる。
【0074】
一実施形態では、第一ユーザ及び/または第二ユーザがビジー状態であるとき、サーバは、データ交換要求の瞬間タイプだけでなく、第一ユーザまたは第二ユーザからデータ交換の遅延型も承認することができる。サーバが遅延型データ交換要求を受信したとき、そして第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態がビジー状態である場合、第二ユーザは、第一ユーザと第二ユーザとの間におけるデータ交換の実行を一定時間だけ遅延させるようにサーバを許可することができる。これらの条件下で、第一ユーザ及び/または第二ユーザは、ラッシュアワーの時間帯でデータトラフィックを回避するために、データ交換の実行を遅延させる遅延データ交換要求を送信することが可能となる。
【0075】
第一ユーザと第二ユーザがアイドル状態にある場合、サーバは、第一ユーザまたは第二ユーザからインスタント型のデータ交換要求を受信し、そして少なくとも遅延型は示唆しない。すなわち、第一ユーザと第二ユーザの双方に処理能力の余裕がある場合には、データ交換を即座に実行させるためのインスタント型データ交換要求をユーザのいずれかが提出することができる。
【0076】
一実施形態では、データ交換のための要求を送信する前に、第一ユーザと第二ユーザはサーバによって発行された互いのIDを交換することができる。データ交換アプリケーションプログラムにログインすると、ユーザは、自身のIDまたは他のユーザのIDを確認することができる。例えば、第一ユーザは、第一ユーザの定義済み境界内に位置している全ての関連する第二ユーザのユーザIDを確認することができる。同様にして、第二ユーザは、第二ユーザの定義済み境界内に位置している全ての関連する第一ユーザのユーザIDを確認することができる。第一ユーザまたは第二ユーザがサーバにデータ交換要求を送信する必要がある場合、それぞれのユーザは、関連する特定のユーザIDをターゲットとしてこれを行うことができる。
【0077】
例えば、第二ユーザが業者であり、第一ユーザがユーザA、ユーザB及びユーザCを含む3人の顧客であるとする。業者のIDは「111」であり、ユーザAのIDが「001」であり、ユーザBのIDは「002」であり、かつユーザCのIDが「003」であるとする。業者、ユーザA、ユーザB及びユーザCが全て決済アプリケーションプログラム(データ交換アプリケーション)にログオンした後、3人の第一ユーザ全部が業者の事前定義された境界内に位置していると判定することができる。業者のアプリケーションは、ユーザAのID「001」、ユーザBのID「002」、及びユーザCのID「003」を示すことができる。ユーザAが業者に支払いを行う必要がある場合、ユーザAは、業者がアプリケーション内のID「001」を検索し見つけることができるように、ユーザAのID「001」を業者に通知し、明確にID「001」のユーザAに対して支払い要求(データ交換要求)をサーバに送ることができる。
【0078】
ブロックS140では、データ交換要求のタイプに従って第一ユーザと第二ユーザとの間でのデータ交換を実行する。
【0079】
もしサーバが遅延型のデータ交換要求を受信した場合、サーバは第二ユーザによって許可される時限を遅延させ、遅延後に第一ユーザと第二ユーザとの間でのデータ交換を実行する。
【0080】
もしサーバがインスタント型のデータ交換要求を受信した場合、サーバは、第一ユーザと第二ユーザとの間でのデータ交換を即座に実行する。
【0081】
具体的には、データ交換の実行が遅延時間だけ遅らせることを可能にする許可を、第二ユーザに与えることができる。第一ユーザ及び/または第二ユーザがビジー状態にある場合、第二ユーザは、サーバを介してデータ交換を遅延実行するための命令を発することができる。サーバは、命令で指定された遅延時間の後に第一ユーザと第二ユーザとの間のデータ交換を実行する。例えば、ショッピングモール内で支払いを行う場合、第一ユーザは顧客であり、第二ユーザは業者である。顧客が多数いることに起因して業者の基本状態がビジー状態であると仮定する。このような条件下では、業者は顧客が遅れての支払いを行うことを許可する。チェックアウトプロセスの間に、顧客と業者のいずれかは延納(データ交換の遅延実行)の要求を開始させることができる。そしてサーバは要求を受信する。要求が顧客からのものである場合、「あなたは、延納を許可するのですか?」と尋ねるためにサーバは業者にポップアップ通知を送信する。業者は承認を示すために、「はい」ボタンをクリックすることができる。もし業者によって承認された場合、サーバは、顧客と業者との間の支払いに関連したデータ交換を遅延させる。要求が業者からのものである場合、サーバは業者に延納が許可されるか否かを照会する必要がない代わりに、顧客と業者のデータ交換(支払い)をストレートに遅らせることが可能となる。
【0082】
より具体的には、もしデータ交換トランザクションの少なくとも一方の当事者がビジー状態である場合、延納が有利または望ましいと判定され、従って許可され、示唆され、或いは必要でさえあると決定され得る。これは関連する第一ユーザと第二ユーザの双方がビジー状態であるか、または第一ユーザがビジー状態にあり第二ユーザが別の状態(例えば、アイドル状態またはオフライン状態)にある場合、或いは第一ユーザがビジー状態にあって第一ユーザが別の状態(例えば、アイドル状態またはオフライン状態)にある場合に起こる。これらのいずれかの状況においても、第一ユーザと第二ユーザの少なくとも一方がデータ交換に関連する操作をタイムリーに行うことができないかもしれないので、直ちに実行されるように試みた場合、要求されたデータ交換は失敗する可能性がある。しかしながら、本発明によれば、第二ユーザはデータ交換の実行を遅延させる許可を用いることができ、サーバに実行時間を遅らせることが可能となる。これによって、第二ユーザが同時に多数の第一ユーザとのトランザクションを行っているときに、新しい要求が多数の既存の要求に重畳されているため、データ交換要求のいくつかが失敗してしまう状況を回避できる。これはデータ交換の成功率を向上させることになる。
【0083】
例えば、顧客(第一ユーザ)がレストランで食事を終えたとする。レストラン経営者(第二ユーザ)は、顧客による支払いのための要求をサーバに対して開始する。もし顧客のデバイスの基本状態がビジー状態で直ぐに支払いを完了することができない場合、レストラン経営者はサーバに命令だけを生成するよう要求することができる。これは、レストランによる延納のための要求を示しており、また、命令だけが生成されていることへのレストランによる同意も示している。次に、サーバは顧客とレストランのための命令を生成し、支払いがまだ完了していないことを顧客とレストランに通知する。遅延の後、サーバはデータ交換のための命令を生成し、支払いを完了するために顧客とレストランに通知する。顧客は予め作成された命令に従ってレストランに支払いをする。
【0084】
別法として、顧客が食事を終えた後、顧客がレストランへの支払いを行うための要求をサーバに対して開始することができる。レストランの基本状態がビジー状態であり、直ぐには支払いを完了することができないことを顧客が気付いた場合には、顧客はサーバを介して命令だけを生成するようレストランに要求することができる。これは延納要求と見なすことができる。サーバは、そのような延納要求を受信すると、その時点で命令を生成することが許可されるか否かをレストランに問い合わせる。もしレストランが承認した場合、サーバは顧客とレストランのための命令を生成し、支払いが行われていないことを顧客とレストランに通知する。遅延の後、サーバはデータ交換のための命令を生成し、支払いを完了するために顧客とレストランに通知する。顧客は予め作成された命令に従ってレストランに支払いをする。
【0085】
第一ユーザと第二ユーザの双方がアイドル状態にあるときに、両当事者はデータ交換を実行することができ、多数の保留中のデータ交換に起因するデータ交換障害を受けないであろう。これらの条件では、第一ユーザと第二ユーザとの間のデータ交換は直ちに実行することができる。
【0086】
一実施形態では、サーバは、データ交換要求と第一ユーザの特定の具体的な情報に従って第一ユーザと第二ユーザとの間でのデータ交換を実行することができる。このような特定の情報は、データ交換のために使用される第一ユーザの特定の基本データであってもよい。例えば、第一ユーザの支払口座残高は、このような特定の情報の一例である。このようなユーザ固有の情報を考慮しない場合には、延納要求が最終的に資金不足に起因して(或いは他の特定の条件に起因して)失敗する可能性がある。
【0087】
遅延データ交換のための要求を受信すると、第一ユーザの特定の情報が有効範囲内の値を有するか否かをサーバが判断する。値が有効範囲外にある場合、サーバは遅延データ交換を拒否することができる。例えば、第一ユーザの支払口座残高の有効範囲が100元以上に設定されているとする。もし残高が100元未満の場合には、残高が不十分であると見なされ、支払い(データ交換)が行われ得る前に支払口座に再入金するよう第一ユーザに要求する。つまり、サーバは延納要求を受信し、第一ユーザの支払口座の残高が有効範囲内の値ではないと判定すると、延納が要求された場合でもサーバは支払いを許可しない場合があり、「不十分な支払い口座残高」の通知をユーザに通知する。
【0088】
もしサーバが即座の支払要求を受信し、第一ユーザの支払口座の残高が有効な範囲内ではないと判断した場合、サーバはまた支払いを拒否することができ、「不十分な支払い口座残高」をユーザに通知する。
【0089】
上記の技術は、コンピュータ実行可能命令を含む1つ以上の非一時的なコンピュータ可読媒体を活用して実装することもできる。非一時的なコンピュータ実行可能命令は、本明細書に記載の技術に従って動作をコンピュータプロセッサに実行させることを可能にする。コンピュータ可読媒体は、コンピュータデータを記憶するために適切なメモリデバイスのいずれであってもよいことが認められる。このようなメモリデバイスには、ハードディスク、フラッシュメモリデバイス、光学データストレージ、及びフロッピーディスクが含まれるが、これらに限定されるものではない。さらに、コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータ可読媒体は、ローカルシステム内のコンポーネント(単数または複数)または複数のリモートシステムのネットワーク上に分散されたコンポーネントから成っていてもよい。コンピュータ実行可能な命令のデータは、有形の物理メモリデバイスで送達されるか、電子的に送信することも可能である。
【0090】
本明細書に開示された方法に関連して、本発明は、ここに記載の方法を実施するためのコンピュータベースの装置も提供する。
【0091】
この明細書では、一般的に「モジュール」とは特定のタスクまたは機能を実行するように設計された機能性を指す。モジュールは、特定のタスクまたは機能に関連する目的を実現するためのハードウェア、ソフトウェア、プランまたはスキーム、或いはこれらの組合せの一部とすることができる。また、個別のモジュールの描写は、必ずしも物理的に別個のデバイスが使用されることを示唆していない。それどころか描写は単に機能的であり、いくつかのモジュールの機能は、単一の複合デバイスまたはコンポーネントによって実行することができる。コンピュータベースのシステムで使用される場合、プロセッサ、記憶装置及びメモリなど定型的なコンピュータ構成要素は、様々なそれぞれの機能を実行するために1つまたは複数のモジュールとして機能するようにプログラムすることができる。
【0092】
図3は、双方向通信で情報を交換するための方法を実施するサーバシステムの機能ブロック概略図である。
【0093】
サーバコンピュータシステム300は、1つまたは複数のプロセッサ390、入力/出力(I/O)デバイス392、アプリケーションプログラム(複数可)380を格納するメモリ394を有する典型的なコンピュータハードウェアに基づくことができる。サーバコンピュータシステム300は以下の機能モジュールを有するようにプログラムされる。
【0094】
ユーザの位置識別モジュール310は、第一ユーザと第二ユーザの位置情報に従って、第二ユーザの定義済み境界内に位置する第一ユーザを識別するように構成されている。ユーザの位置識別モジュール310には、位置情報取得モジュール311、比較モジュール312、及び判定モジュール313などのサブモジュールを含めることができる。位置情報取得モジュール310は、第一ユーザと第二ユーザの位置情報を取得する。取得の手順は図2におけるS210ブロックを参照して説明される。先ず比較モジュール312が第一ユーザの地理的位置情報及び第二ユーザの地理的位置情報を比較する。比較の手順は図2のブロックS220を参照して説明される。判定モジュール313は、第一ユーザが第一ユーザの事前定義された地理的エリア内に位置するか否かを判定(識別)するために使用される。判定プロセスは図2のブロックS230を参照して説明される。
【0095】
状態更新モジュール320は、各々第一ユーザの行動記録と第二ユーザの行動記録に従って、第一ユーザの基本状態及び第二ユーザの基本状態を更新するように構成されている。状態更新モジュール320はさらに、第一ユーザおよび第二ユーザの基本状態を第一ユーザと第二ユーザにプッシュし、第二ユーザの基本状態を第二ユーザと第一ユーザにプッシュするためのサブモジュール・プッシング・ユニット321を備えることができる。状態更新の手順は、図1のブロックS120を参照して説明される。
【0096】
第一ユーザ及び/または第二ユーザの基本状態に従って、第一ユーザと第二ユーザとの間のデータ交換を要求するデータ交換要求のタイプを判定するように構成されたデータ交換タイプ判定モジュール(図示せず)も使用することができる。代替的に、第一ユーザ及び/または第二ユーザに配備されたモジュールによって判定がなされる、或いは判定をこのモジュールと組み合わせて用いることができる。
【0097】
要求受信モジュール330は、第一ユーザまたは第二ユーザからデータ交換要求を受信するように構成されている。要求を受信する手順を図1のS130を参照して説明する。
【0098】
実行モジュール340は、データ交換要求のタイプに従って第一ユーザと第二ユーザとの間でのデータ交換を実行するように構成されている。データ交換を実行する手順は、図1のS140を参照して説明される。
【0099】
装置の上述した実施形態は、本明細書に記載した方法の実施例と密接に関連しているので、方法の実施形態の詳細な説明は、装置の実施形態にも適用可能であり、ここでは繰り返しを避ける。
【0100】
本明細書に記載の技術は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドデバイスまたはポータブルデバイス、タブレットデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス、プログラム可能な家庭用機器、ネットワークPC、マイクロコンピュータ、大規模なメインフレームコンピュータなどを含む一般的なコンピューティング装置または環境或いは専用コンピューティング装置または環境に、さらには列記した実施例を一つ以上含む任意の分散環境に実装することができるが、これらに限定されるものではない。
【0101】
典型的な構成では、コンピューティングデバイスは、1つまたは複数のプロセッサ(CPU)、入力/出力インターフェース、ネットワークインターフェース、及びメモリを備えている。
【0102】
メモリには、揮発性メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び/または読み取り専用メモリ(ROM)やフラッシュメモリ(フラッシュRAM)などの不揮発性メモリの他の形式のようなコンピュータ読み取り可能な媒体を含めることができる。コンピューティングデバイスの内部メモリは、コンピュータ可読記憶媒体の一種である。
【0103】
コンピュータ可読媒体には、永久的及び非永久的なリムーバブル及び非リムーバブル媒体が含まれ、情報を記憶するための任意の方法または技術で形成することもできる。保存された情報は、一連のコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータであってもよい。コンピュータ記憶媒体の例としては、相変化メモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)の他のタイプ、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD−ROM読み出し専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープディスクストレージまたは他の磁気記憶装置、或いはコンピューティングデバイスによってアクセス可能な情報を格納するために使用することができる任意の他の非伝送媒体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。本開示の定義によれば、コンピュータ可読媒体には、変調されたデータ信号及び搬送波のような一時的なコンピュータ可読媒体(一時的媒体)は含まれていない。
【0104】
とりわけモジュールは、マシン実行可能なコマンド及びコードに基づいて、コンピュータプログラムモジュールを使用して実施することができる。一般に、コンピュータプログラムモジュールは特定のタスクを実行することが可能であるが、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などの特定の抽象データ型を実装することもできる。本開示で説明した技術は、通信ネットワークを介して接続されたリモート処理デバイスによってタスクを実行するための分散コンピューティング環境のような環境で実施することもできる。分散コンピューティング環境においては、プログラムモジュールは、メモリデバイスを備えるローカルまたはリモートコンピュータ記憶媒体のどちらかに配置することができる。
【0105】
本明細書の様々な実施形態は、実施例及び環境と共に徐々に詳細に記載されている。各実施形態は本発明の特定の側面に焦点を当てることができ、従って、様々な実施形態は互いに異なっていてもよいが、また類似した部品を共有することもできる。
【0106】
情報検証方法及び装置を本明細書で詳細に上述した。この開示では本発明の概念及び実施を例証するために、例示的な実施形態を採用している。例示的な実施形態は、本発明の方法と中核となる概念のより良い理解のためにだけ用いられている。この発明における概念に基づき、当該技術分野における当業者は、例示的な実施形態及び適用分野を変更することができる。
図1
図2
図3