(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記下第2容器の前記密閉する機構の内側に、前記第1容器の外形より一回り大きく、位置規制する凹状の前記第1容器を保持する第3保持機構としての下第1容器保持部がある請求項2または3に記載の微生物培養容器。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施の形態1)
図1A〜
図2Dを用いて、実施の形態1の微生物培養容器100を説明する。微生物培養容器100は、第2容器101と第1容器110とを含む。
図1Aは、第2容器101が開いた状態の平面図である。
図1Bは、第1容器110の平面図である。
図1Cは、第1容器110の断面図である。
図1Dは、第2容器101を開けて、第1容器110を第2容器101にセットした状態の平面図である。
【0009】
図2Aは、微生物培養容器100の長手方向の側面図である。
図2Bは、微生物培養容器100の平面図である。
図2Cは、微生物培養容器100の短手方向の側面図である。
図2Dは、微生物培養容器100の裏面図である。
なお、
図2A〜
図2Dでは、第2容器101内に第1容器110をセットした状態である。
第2容器101の内部に、第1容器110を入れた微生物培養容器100の状態で、保管、細胞培養がされる。
【0010】
<第2容器101>
第2容器101は、
図1Aに示すように、下第2容器101aと上第2容器101bとからなる。
<下第2容器101a>
下第2容器101aは、第2凸部107と、第1凸部102と、第1容器保持部下106aと、第4凸部111と、を含む。
【0011】
第2凸部107は、下第2容器101aの外周全体に位置する。第2凸部107は、上第2容器101bの第2凹部108と組み合わされ、微生物培養容器100(
図2)内部を密閉する。
第1凸部102は、この場合、円柱状である。第1凸部102に、第1容器110の開口部113(
図1B)がはめ込まれる。第1凸部102は、第1容器110を支える。第1凸部102は、柱でなくともよい。第1凸部102に開口部113がはめ込まれればよい。第1凸部102は、第1容器110を保持できればよい。
【0012】
第1容器保持部下106aは、下第2容器101aの中央部の凹部になったところである。
第1容器保持部下106aは、第1容器保持部上106bとの間で、空間を形成し、その中に第1容器110を保持する(第3保持機構)。第1容器保持部下106aは、第1容器100より一回り大きく(少し大きめ)、第1容器110を含み、その位置を規制する。
第1容器保持部下106aは、第1凸部102を含む。第1容器保持部下106aの周辺は、第1容器110より大きくなっている。第1容器保持部下106aへ第1容器110を入れ込みやすく、取り出しやすい。
第1容器110の上面の第3凹部112(
図1B)は、その空間に非接触で保持される。
【0013】
第4凸部111(
図1A)は、第1容器保持部下106aの周辺端部、4コーナーに位置する突起である。第1容器保持部下106aに保持される第1容器110の位置を規制する。
また、第4凸部111は、第2容器101が閉じられた時、第1容器保持部上106bの第3凸部109を受ける。結果、第1容器保持部下106aと第1容器保持部上106bとの空間を確保できる。
【0014】
<上第2容器101b>
上第2容器101bは、第2凹部108と、第1容器保持部上106bと、第3凸部109を含む。
第2凹部108は、上第2容器101bの外周全体に位置する。下第2容器101aの第2凸部107と組み合わされ、微生物培養容器100(
図2)内部(第1容器110を保持する領域)を密閉する。
【0015】
第2凹部108を下第2容器101aに設け、第2凸部107を上第2容器101bに設けるというように、逆に設けられていれてもよい。これら2つを組み合わせて、微生物培養容器100内を密閉できればよい。
第1容器保持部上106bは、上第2容器101bの中央部に位置する凹部である。第1容器保持部上106bは、第1容器保持部下106aとの間で、第1容器110を保持する。第1容器保持部上106bは、第1容器110の第3凹部112より一回り大きく、第1容器110の平面部115の周囲を押さえる。
【0016】
第3凸部109は、第2凹部108の内周にある凸部である。第3凸部109は、第4凸部111との間で、第1容器110の平面部115(
図3、
図1B)を挟み支える(第2保持機構)。
なお、下第2容器101aと上第2容器101bとは、ヒンジ部103で連結されている。このヒンジ部103で折り曲げされ、第2容器101が開閉される。
なお、ヒンジ部103でなく、下第2容器101aと上第2容器101bとが別部材でもよい。
【0017】
<第1容器110>
第1容器110(
図1B、
図1C)は、透明な樹脂材料からなる。微生物が培養され、その微生物量をカウントするためである。また、材質は、たとえば、ポリプロピレンからなる。そのまま、廃棄できる。
【0018】
第1容器110は、開口部113と、第3凹部112と、平面部115とを有する。
平面部115は、外周に位置する平面状のものあり、第3凹部112と開口部113を平面内に有する。この平面部115の外形は、第2容器101の第1容器保持部下106aより小さく、第2容器101の第1容器保持部上106bより大きい。
【0019】
また、平面部115は、その上面の一部を、第2容器101の第3凸部109で押えられる。
その結果、第1容器110は、その空間内に保持される。
【0020】
開口部113は、第2容器101の第1凸部102に挿入される部分である。この挿入により、その位置が固定される(第1保持機構)。なお、開口部113は、開口である必要はなく、第1凸部102に合う凹部でもよい。また、第1凸部102と、凹部または開口とは逆になっていてもよい。これらの組み合わせにより、第1容器110の位置が第2容器101内で固定されればよい。これらの組み合わせにおいて、それぞれの形状も、両者がはめ込み、はめ込まれる形状ならよい。
【0021】
なお、開口部113と第1凸部102との嵌め合いは、少し遊びがあった方が好ましい。無理にはめ込むと、第1容器110が変形する。また、第1容器110が、第1容器保持部下106aに挿入できなくなる。第1容器110と第1容器保持部下106aとの間も嵌め合いであり、遊びがあるのが好ましい。
【0022】
第3凹部112は、微生物を培養する材料(微生物培養材料)がセットされる部分である。微生物の種類で材料が変わる。栄養成分や、微生物を検知しやすいように、各種色材や、材料を固定保持する材料を含めることもできる。栄養成分や色材は、(検出すべき)培養される微生物に応じて選択される。
【0023】
<材質>
第1容器110も第2容器101も同様透明のポリプロピレンからなる。微生物培養容器100のまま廃棄ができる。微生物培養材料として、シート状のものを第3凹部112にセットしてもよい。たとえば、3Mのペトリフィルム(商標)を用いてもよい。
【0024】
<組み立て>
図1Dに示すように、第1容器110は、第2容器101にセットされる。
図1Dは、
図1Aの第2容器101に
図1Bの第1容器110を組み込んだ状態である。開口部113と第1凸部102が組み合わされ、第1容器保持部下106aに第1容器110が組み込まれている。この状態後、ヒンジ部103を利用して上第2容器101bを下第2容器101aと組み合わされ、第1容器110が第2容器101へ密閉保持される。
【0025】
<効果>
第2凹部108と第2凸部107とで、微生物培養容器100内部を密閉する。内部の微生物が外部へ出ない。かつ、外部からの影響が内部の微生物培養に影響を与えない。
【0026】
上記、第1、2,3保持機構により、第2容器101内で第1容器110は、全体的にしっかり、無理なく保持される。さらに、第1容器110の第3凹部112は非接触で保持される。
なお、第2容器101は、透明材料であり、微生物培養容器100の内部にセットされる第1容器110を観察できる。たとえば、ポリプロピレンからなる。
【0027】
結果、微生物培養の機能が安定して達成できる。
<使用方法>
(1) 準備工程
微生物培養容器100内の第1容器110の第3凹部112に、微生物培養材料をセットする。微生物培養材料はペースト、溶液状である。予めセットしておき、第1容器110を第2容器101の内部にセットした状態(微生物培養容器100)で保管しておくとよい。必要なときに、以下の(2)の工程からはじめることができる。
【0028】
(2)検査すべき液採取工程
微生物培養容器100から、第1容器110を取り出す。検査すべき液体へ、第1容器110を浸す。または、第1容器110の第3凹部112に検査すべき液体を塗布する。または、開口部113を手に持って、液体へ浸ける。液体が手に触れず、衛生的によい。手を洗う必要がない。
【0029】
(3) 保持工程
第1容器110を第2容器101内部へセットする。上第2容器101bと下第2容器101a間に第1容器110を挟む。第2容器101の第2凸部107と第2凹部108とで密閉する。第2容器101の第3凸部109と第1容器保持部下106aとで、第1容器110を保持する。微生物培養容器100を保管する。立てて保管しても、複数、重ねて保管してもよい。
【0030】
(4)評価工程
一定時間後(通常1日から数日後)、微生物培養容器100を観察する。微生物が培養されると色が変わる。点として観察できる。点の数を数えることで微生物量を評価する。なお、第2容器101は透明であり、外部から内部の第1容器110を観察できる。評価後は、そのまま廃棄できる。
【0031】
(実施の形態2)
図3に実施の形態2の第1容器110の平面図を示す。実施の形態1との相違点は、第3凹部112に仕切り116があることである。仕切り116は、突起であり、第3凹部112を分割し、複数のセル117に分ける。仕切り116の高さは、第3凹部112の深さ内であり、第1容器110の上面(平面部115の面)から飛び出ない。セル117の保持物を他のものと接触させないためである。
【0032】
<使用方法>
すべてのセル117に同一の微生物培養材料を入れる場合、セル117ごとに培養された微生物をカウントできる。複数のセル117に分けているのでカウントしやすい。
セル117ごとに、異なる微生物培養材料を入れる場合、培養された微生物の種類を特定できる。一度に、複数種類の微生物を観察できる。たとえば、大腸菌、ブドウ菌、カビ酵母などである。微生物培養容器100のセル117上方に、各対象微生物名称を記載しておくと、培養された微生物を判別しやすい。
【0033】
(実施の形態3)
図4は、微生物培養容器100の保管の例である。微生物培養容器100は、
図2Aに示したものである。この複数の微生物培養容器100は重ねることができる。上にある微生物培養容器100の第2凸部107と、下にある微生物培養容器100の第2凹部108とが組み合う。第2凸部107と第2凹部108とは、微生物培養容器100の外周全体にあるので、安定して積層される。材質が樹脂系であれば、微生物培養容器100同士の柔軟性、密着性があるので、多くの容器を積層できる。
【0034】
微生物培養容器100を上記のように積層方法は、省スペースな積層方法である。特に毎日検査し、過去のサンプルを保管する場合には、この積層方法は有効である。なお、微生物培養容器100の側面に日付、メモなどを記入できる部分を設けると、積層状態で各微生物培養容器100を判別でき、微生物培養容器100を保管管理しやすい。
(なお書き)
上記の実施の形態1から3は、組み合わせることができる。
第3凸部109と第4凸部111とは、下第2容器101aと上第2容器10bとのどちらかに、わかれて位置すればよい。
第2凸部107と第2凹部108とは、下第2容器101aと上第2容器10bとのどちらかに、わかれて位置すればよい。
第1容器保持部下106aと第1容器保持部上106bとは、下第2容器101aと上第2容器10bとのどちらかに、にわかれて位置すればよい。
第1凸部102と開口部113とは、第2容器101と第1容器110とのどちらかに分かれて位置すればよい。