【文献】
LG Electronics Inc.,Consideration on control channel multiplexing structure with/without Sounding RS,3GPP TSG-RAN WG1#49 R1-072358,2007年 5月11日,pp.1-6,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_49/Docs/R1-072358.zip
【文献】
Toshiba,CAZAC sequence allocation for PUCCH,3GPP TSG-RAN WG1#50b R1-073935,2007年10月12日,pp.1-3,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_50b/Docs/R1-073935.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
データ信号に対する応答信号を複数のサブフレームに渡ってレピティションし、互いに直交する複数の第1の系列のうちの1つの系列の各成分をサブフレーム毎の前記応答信号に乗算する生成部と、
複数の巡回シフト量のうちの1つで定義される第2の系列と、互いに直交する複数の第3の系列のうちの1つとを、前記応答信号に乗算する拡散部と、
を具備し、
前記複数の第1の系列のうちの少なくとも2つの系列は、それぞれが前記巡回シフト量と前記第3の系列とから構成される複数のリソースのうち、異なるリソースにそれぞれ対応付けられている、
通信装置。
前記複数の第1の系列のうち、互いに部分直交する少なくとも2つ系列にそれぞれ対応付けられた、同一の前記第3の系列に対して用いられる巡回シフト量の差は、互いに部分直交しない少なくとも2つの系列にそれぞれ対応付けられた、同一の前記第3系列に対して用いられる巡回シフト量の差よりも小さい、
請求項1に記載の通信装置。
前記複数の第1系列のうち、互いに部分直交する少なくとも2つの系列は、同一の前記リソースに対応付けられ、互いに部分直交しない少なくとも2つの系列は、異なる前記リソースに対応付けられ、
前記複数の第1の系列のうち、互いに部分直交する前記少なくとも2つの系列にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差は、互いに部分直交しない前記少なくとも2つの系列にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差よりも小さい、
請求項1に記載の通信装置。
データ信号に対する応答信号を複数のサブフレームに渡ってレピティションし、互いに直交する複数の第1の系列のうちの1つの系列の各成分をサブフレーム毎の前記応答信号に乗算し、
複数の巡回シフト量のうちの1つで定義される第2の系列と、互いに直交する複数の第3の系列のうちの1つとを、前記応答信号に乗算し、
前記複数の第1の系列のうちの少なくとも2つの系列は、それぞれが前記巡回シフト量と前記第3の系列とから構成される複数のリソースのうち、異なるリソースにそれぞれ対応付けられている、
送信方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(本開示の基礎となった知見)
まず、MTCカバレッジエンハンスメントを行う端末(レピティション送信を行う端末、又は、MTCカバレッジエンハンスメントモードの端末、とも呼ぶ)がPUCCHにおいて複数のサブフレームに渡ってレピティション送信を行う場合に、サブフレーム毎の信号に直交符号系列の各成分を乗算してサブフレーム間で拡散を行うことを考える。これにより、単純にレピティション送信をする場合(つまり、サブフレーム間拡散を行わない場合)と比較して、PUCCHリソースを増やすことができる。なお、以下の説明では、サブフレーム間拡散において用いられる直交符号系列を「サブフレーム間直交符号系列」と呼ぶ。
【0022】
しかしながら、この場合、サブフレーム間直交符号系列によって拡散された信号を受信する基地局では、複数のサブフレームに渡って信号を逆拡散する必要がある。サブフレーム間拡散を用いない場合には、1サブフレームでの直交符号系列間の直交性を考慮すればよく、端末と基地局との間のチャネルの時間変動の影響は十分に抑圧可能であった。これに対して、サブフレーム間拡散を用いる場合には、複数のサブフレーム(サブフレーム間拡散の拡散率に相当する数のサブフレーム)においてサブフレーム間直交符号系列間での直交性を保つ必要がある。このため、サブフレーム間直交符号系列間の直交性の崩れによる符号間干渉が発生しやすい。その結果、符号間干渉により、伝送特性が劣化する可能性がある。
【0023】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
[通信システムの概要]
本開示の各実施の形態に係る通信システムは、例えば、LTE-Advancedに対応するシステムであって、通信装置として、基地局100及び端末200を備える。
【0025】
基地局100のセル内に、MTCカバレッジエンハンスメントモードの端末200が複数個存在している場合を想定する。端末200は、例えば、MTCカバレッジエンハンスメントモードが適用される場合、PUCCHを、複数のサブフレームに渡ってレピティションして送信する(レピティション送信)。ここで、例えば、レピティション送信は、1サブフレームを1回分として、同一の信号を複数回送信する。すなわち、端末200は、所定のレピティション回数(レピティションレベル、又はRepetition Factorと呼ぶこともある)分の連続するサブフレームにおいて、所定のレピティション回数分の同一の応答信号(ACK/NACK信号)を繰り返し送信する。その際、端末200は、レピティション送信される信号に対して、サブフレーム間直交符号系列の各成分をサブフレーム毎に乗算する。
【0026】
例えば、N
Rep回のレピティションが行われる場合(つまり、レピティション回数:N
Rep)、端末200は、1サブフレームの信号をN
Repサブフレームに渡って繰り返し送信する。このとき、端末200は、レピティション送信される応答信号に対して、レピティションが行われるサブフレーム毎にサブフレーム間直交符号系列の各成分(C(0)〜C(N
SF-1)、N
SFは系列長又は拡散率を表す)を乗算する。
図3は、レピティション回数N
Repが4であり、サブフレーム間直交符号系列の系列長N
SFが4である場合の応答信号の拡散方法の一例を示す。サブフレーム間直交符号系列の系列長又は拡散率N
SFは、レピティション回数N
Repと同一の値としてもよく、予め決められた値(例えば、セル固有の値)としてもよい。
【0027】
このように、各端末200は、互いに直交する複数のサブフレーム間直交符号系列のうちの1つの系列の各成分を、複数のサブフレーム毎の応答信号に乗算する。つまり、端末200は、PUCCHにおいて送信する応答信号に対して、巡回シフト量で定義されるZAC系列、及び、サブフレーム内直交符号系列を用いたサブフレームの各々における拡散に加え、サブフレーム間直交符号系列を用いた複数のサブフレームに渡る拡散処理を行う。
【0028】
なお、サブフレーム間直交符号系列と区別するために、以下では、上述したサブフレーム内(各スロット)において用いられる直交符号系列(
図1参照)を「サブフレーム内直交符号系列」と呼ぶ。
【0029】
ここで、複数の端末200からそれぞれ送信される複数の応答信号は、異なる巡回シフト量(Cyclic Shift Index)で定義されるZAC系列、異なる系列番号(OC Index: Orthogonal Cover Index)に対応するサブフレーム内直交符号系列、又は、異なる直交符号系列番号(Inter-subframe(SF) OC Index)に対応するサブフレーム間直交符号系列を用いてそれぞれ拡散される。一方、基地局100は、まず、サブフレーム間直交符号系列に関する逆拡散及び相関処理を行い、その後、サブフレーム内直交符号系列及びZAC系列に関する逆拡散及び相関処理を行う。これにより、基地局100では、コード多重された複数の応答信号を分離することができる。
【0030】
なお、各端末200が応答信号を送信するPUCCHリソース(巡回シフト量、サブフレーム内直交符号系列及びサブフレーム間直交符号系列)は、下り制御情報がマッピングされたCCE(Control Channel Element)番号と対応付けられてImplicitに通知されてもよく、基地局100から下りリンク制御信号等を用いてDynamicに又はSemi-staticに通知されてもよい。
【0031】
図4は、ZAC系列の巡回シフト量(Cyclic shift Index)、サブフレーム内直交符号(OC Index)及びサブフレーム間直交符号(Inter-SF OC Index)によって定義されるPUCCHリソースの一例を示す。
図4では、12個の巡回シフト量、サブフレーム間直交符号系列として系列長4の4つのウォルシュ系列、及び、サブフレーム内直交符号系列として系列長4の3つのウォルシュ系列(又は系列長3の3つのDFT系列)を用いる。この場合、レピティション送信に用いられるサブフレームに対して、最大で4*3*12=144個のPUCCHリソースが利用可能となる。
【0032】
なお、互いに異なる巡回シフト量で定義される系列であれば、ZAC系列以外の系列でもよい。また、互いに直交する系列であれば、ウォルシュ系列以外の系列でもよい。
【0033】
また、サブフレーム間直交符号系列の系列長が2のべき乗である場合には、サブフレーム間直交符号系列としてウォルシュ系列を用いることができる。例えば、N
SF=4の場合、サブフレーム間直交符号系列(C(0),C(1),C(2),C(3))は、(1,1,1,1)、(1,-1,1,-1)、(1,1,-1,-1)及び(1,-1,-1,1)の4つとなる。一方、サブフレーム間直交符号系列の系列長が2のべき乗ではない場合には、サブフレーム間直交符号系列として複素拡散符号を用いることができる。例えば、N
SF=5の場合、サブフレーム間直交符号系列(C(0),C(1),C(2),C(3),C(4))は、(1,1,1,1,1)、(1,e
j2π/5,e
j4π/5,e
j6π/5,e
j8π/5)、(1,e
j8π/5,e
j6π/5,e
j4π/5,e
j2π/5)、(1,e
j4π/5,e
j8π/5,e
j2π/5,e
j6π/5)、(1,e
j6π/5,e
j2π/5,e
j8π/5,e
j4π/5)の5つとなる。
【0034】
このように、レピティション送信を行う場合に、レピティション送信される信号に対してサブフレーム毎にサブフレーム間直交符号系列を乗算することにより(例えば、
図4を参照)、単純にレピティション送信を行う場合(つまり、サブフレーム間拡散を行わない場合。例えば、
図2を参照)と比較して、最大でサブフレーム間直交符号系列の系列長倍のPUCCHリソースを用意することができる。ただし、
図4に示す144個のPUCCHリソースをすべて利用とするとは限らない。
【0035】
図5は本開示の実施の形態に係る基地局100の要部構成を示すブロック図である。
図5に示す基地局100において、送信部112は、データ信号を端末200に送信する。受信部114は、複数のサブフレームに渡ってレピティションされた、データ信号に対する応答信号(ACK/NACK信号)を受信する。ただし、応答信号には、互いに直交する複数のサブフレーム間直交符号系列(第1の系列)のうちの1つの系列の各成分が複数のサブフレーム毎に乗算され、複数の巡回シフト量のうちの1つで定義されるZAC系列(第2の系列)と、互いに直交する複数のサブフレーム内直交符号系列(第3の系列)のうちの1つとが、乗算されている。判定部121は、受信された応答信号が、ACK又はNACKのいずれかを示しているかを判定する。
【0036】
また、
図6は、本開示の各実施の形態に係る端末200の要部構成を示すブロック図である。
図6に示す端末200において、受信部202は、基地局100から送信されたデータ信号を受信する。ACK/NACK生成部214は、データ信号に対する応答信号を複数のサブフレームに渡ってレピティションし、互いに直交する複数のサブフレーム間直交符号系列(第1の系列)のうちの1つの系列の各成分をサブフレーム毎の応答信号に乗算する。拡散部216(217)は、複数の巡回シフト量のうちの1つで定義されるZAC系列(第2の系列)と、互いに直交する複数のサブフレーム内直交符号系列(第3の系列)のうちの1つとを、複数のサブフレームの各々における応答信号に乗算する。送信部220は、応答信号を基地局100に送信する。
【0037】
ここで、複数の巡回シフト量のうちの1つと複数のサブフレーム内直交符号系列のうちの1つとから、一つのリソースが構成される。すなわち、複数の巡回シフト量と複数のサブフレーム内直交符号系列とから、複数のリソースが構成される。複数のサブフレーム間直交符号系列のそれぞれは、1つ以上のリソースに対応付けられ、複数のサブフレーム間直交符号系列のうちの少なくとも2つの系列は、複数のリソースのうち、異なるリソースにそれぞれ対応付けられている。すなわち、複数のサブフレーム間直交符号系列のうちの1つの系列が対応付けられたリソースは、複数のサブフレーム間直交符号系列のうちの他の1つの系列が対応付けられたリソースとは異なる。
【0038】
(実施の形態1)
[基地局の構成]
図7は、本開示の実施の形態1に係る基地局100の構成を示すブロック図である。
図7において、基地局100は、制御部101と、制御信号生成部102と、制御信号符号化部103と、制御信号変調部104と、報知信号生成部105と、データ符号化部106と、再送制御部107と、データ変調部108と、信号割当部109と、IFFT部110と、CP付加部111と、送信部112と、アンテナ113と、受信部114と、CP除去部115と、PUCCH抽出部116と、系列制御部117と、レピティション信号合成受信部118と、逆拡散部119と、相関処理部120と、判定部121とを有する。
【0039】
なお、
図7に示す基地局100の各構成は例示であり、他の構成に置き換える、又は、省略することが可能であり、本開示を実施するにおいて必ずしも全ての構成は必要ない。
【0040】
制御部101は、端末200に対して、制御情報を送信するための下りリソース(下り制御情報割当リソース)、及び、当該制御情報によって示される、下りリンクデータ(送信データ)を送信するための下りリソース(下りデータ割当リソース)を割り当てる。下り制御情報割当リソースは、1つ又は複数のCCEから構成される。PUCCHリソースがCCEを用いてImplicitに通知される場合、各CCEは、上りリンク制御チャネル領域(PUCCH領域)のPUCCHリソース(巡回シフト量、サブフレーム内直交符号系列及びサブフレーム間直交符号系列)と対応付けられている。
【0041】
また、制御部101は、端末200が用いるPUCCHリソース(巡回シフト量、サブフレーム内直交符号系列及びサブフレーム間直交符号系列)を決定する。制御部101は、端末200から送信されるPUCCH信号(応答信号及び参照信号)の拡散に用いられる可能性がある巡回シフト量及び直交符号系列(サブフレーム間直交符号系列及びサブフレーム内直交符号系列)に関する情報を、系列制御部117へ出力し、周波数に関する情報をPUCCH抽出部116へ出力する。
【0042】
また、制御部101は、端末200に対して、制御情報を送信する際に用いる符号化率を決定し、決定した符号化率を制御信号符号化部103へ出力する。また、制御部101は、端末200に対して、下りリンクデータを送信する際に用いる符号化率を決定し、決定した符号化率をデータ符号化部106へ出力する。
【0043】
なお、決定される符号化率に応じて制御情報のデータ量が異なるので、制御部101は、このデータ量に応じて、制御情報をマッピング可能なCCEを含む下り制御情報割当リソースを割り当てる。制御部101は、制御信号生成部102に対して、下りデータ割当リソースに関する情報を出力する。また、制御部101は、下りデータ割当リソース及び下り制御情報割当リソースに関する情報を信号割当部109に出力する。
【0044】
また、制御部101は、端末200に対してMTCカバレッジエンハンスメントモードが設定される場合、当該端末200に対するレピティション回数に関する情報を、制御信号生成部102に出力する。
【0045】
また、制御部101は、報知信号生成部105に対して、基地局100毎に予め決められたパラメータに基づいて報知信号を生成するように指示する。
【0046】
また、制御部101は、PUCCHリソースに関する情報を生成し、制御信号生成部102へ出力する。PUCCHリソースに関する情報とは、端末200がPUCCHリソースを特定するためのパラメータである。例えば、PUCCHリソースに関する情報として、PUCCH領域に配置される1リソースブロック当たりに符号多重されるPUCCHリソースの最大数に関する情報などが挙げられる。なお、PUCCHリソースに関する情報は、セル固有の値として報知情報として端末200へ通知されてもよく、上位レイヤのシグナリングとして端末200へ通知されてもよい。
【0047】
制御信号生成部102は、制御部101から受け取る情報(下りデータ割当リソースに関する情報又はPUCCHのレピティション回数に関する情報)を用いて制御信号を生成し、制御信号を制御信号符号化部103に出力する。端末200が複数ある場合、端末200を区別するために、制御信号には、端末IDが含まれる。例えば、制御信号には、端末IDによってマスキングされたCRCビットが含まれる。
【0048】
制御信号符号化部103は、制御部101から受け取る符号化率に従って、制御信号生成部102から受け取る制御信号を符号化し、符号化後の制御信号を制御信号変調部104へ出力する。
【0049】
制御信号変調部104は、制御信号符号化部103から受け取る制御信号を変調し、変調後の制御信号を信号割当部109へ出力する。
【0050】
報知信号生成部105は、制御部101からの指示に従って、報知信号を生成し、報知信号を信号割当部109へ出力する。報知信号には、符号化処理及び変調処理が施されてもよい。
【0051】
データ符号化部106は、制御部101から受け取る符号化率に従って、送信データ(ビット系列。つまり、下りリンクデータ)に対してターボ符号などの誤り訂正符号化を施し、符号化後のデータ信号(符号化ビット系列)を再送制御部107へ出力する。
【0052】
再送制御部107は、初回送信時には、データ符号化部106から受け取る符号化後のデータ信号を保持するとともにデータ変調部108へ出力する。再送制御部107は、符号化後のデータ信号を、保持する。また、再送制御部107は、後述する判定部121から、送信したデータ信号に対するNACKを受け取ると、対応する保持データをデータ変調部108へ出力する。再送制御部107は、送信したデータ信号に対するACKを受け取ると、対応する保持データを削除する。
【0053】
データ変調部108は、再送制御部107から受け取るデータ信号を変調して、データ変調信号を信号割当部109へ出力する。
【0054】
信号割当部109は、制御信号変調部104から受け取る制御信号、報知信号生成部105から受け取る報知信号、及び、データ変調部106から受け取るデータ変調信号を、下りリソース(下りデータ割当リソース、下り制御情報割当リソース等)にマッピングし、マッピングした信号をIFFT部110へ出力する。具体的には、信号割当部109は、制御部101から受け取る下り制御情報割当リソースに関する情報によって示されるリソースに制御信号をマッピングし、制御部101から受け取る下りデータ割当リソースに関する情報によって示されるリソースにデータ変調信号をマッピングする。また、信号割当部109は、予め設定された時間・周波数リソースに報知信号をマッピングする。
【0055】
IFFT部110は、信号割当部109から受け取る信号に対してIFFT処理を行うことにより、周波数領域信号を時間領域信号に変換する。IFFT部110は、時間領域信号をCP付加部111へ出力する。
【0056】
CP付加部111は、IFFT部110から受け取る信号に対してCPを付加し、CP付加後の信号(OFDM信号)を送信部112へ出力する。
【0057】
送信部112は、CP付加部111から受け取るOFDM信号に対してD/A(Digital-to-Analog)変換、アップコンバート等のRF(Radio Frequency)処理を行い、アンテナ113を介して端末200に無線信号を送信する。
【0058】
受信部114は、アンテナ113を介して受信された端末200からの無線信号に対して、ダウンコンバート又はA/D(Analog-to-Digital)変換などのRF処理を行い、得られる受信信号をCP除去部115に出力する。
【0059】
CP除去部115は、受信部114から受け取る受信信号に付加されているCPを除去し、CP除去後の信号をPUCCH抽出部116へ出力する。
【0060】
PUCCH抽出部116は、制御部101から受け取る情報に基づいて、CP除去部115から受け取る信号から上り制御チャネル信号(PUCCH)を抽出し、抽出したPUCCHをレピティション信号合成受信部118へ出力する。
【0061】
系列制御部117は、制御部101から受け取る巡回シフト量及び直交符号系列(サブフレーム間直交符号系列及びサブフレーム内直交符号系列)に関する情報に基づいて、端末200から送信される応答信号及び参照信号の拡散に用いられる可能性がある巡回シフト量で定義されるZAC系列、及び、直交符号系列を生成する。系列制御部117は、直交符号系列のうちのサブフレーム間直交符号系列をレピティション信号合成受信部118へ出力し、直交符号系列のうちのサブフレーム内直交符号系列を逆拡散部119へ出力し、ZAC系列を相関処理部120へ出力する。
【0062】
レピティション信号合成受信部118は、複数サブフレームに渡ってレピティション送信されたPUCCH(応答信号信号及び参照信号)に対して、系列制御部117から受け取るサブフレーム間直交符号系列を用いて、当該複数のサブフレームのACK/NACK信号及び参照信号に相当する部分の信号を同相合成して合成信号を生成する。レピティション信号合成受信部118は、同相合成後の信号を逆拡散部119へ出力する。
【0063】
逆拡散部119は、系列制御部117から受け取るサブフレーム内直交符号系列(端末200が応答信号の拡散に用いるべき直交符号系列)を用いて、レピティション信号合成受信部118から受け取る信号のうち応答信号に相当する部分の信号を逆拡散し、逆拡散後の信号を相関処理部120に出力する。また、逆拡散部119は、サブフレーム内直交符号系列を用いて、レピティション信号合成受信部118から受け取る信号のうち参照信号に相当する部分の信号を逆拡散し、逆拡散後の信号を相関処理部120に出力する。
【0064】
相関処理部120は、系列制御部117から入力されるZAC系列(端末200が応答信号の拡散に用いるべき巡回シフト量で定義されるZAC系列)と、逆拡散部119から入力される信号(応答信号又は参照信号)との相関値を求める。相関処理部120は、求めた相関値を判定部121に出力する。
【0065】
判定部121は、相関処理部120から受け取る相関値に基づいて、端末200から送信された応答信号が、送信されたデータに対してACK又はNACKのいずれかを示しているかを判定する。判定部121は、判定結果を再送制御部107に出力する。
【0066】
[端末の構成]
図8は、本開示の実施の形態1に係る端末200の構成を示すブロック図である。
図8において、端末200は、アンテナ201と、受信部202と、CP除去部203と、FFT(Fast Fourier Transform)部204と、抽出部205と、報知信号受信部206と、制御信号復調部207と、制御信号復号部208と、判定部209と、データ復調部210と、データ復号部211と、CRC部212と、制御部213と、ACK/NACK生成部214と、変調部215と、1次拡散部216と、2次拡散部217と、IFFT部218と、CP付加部219と、送信部220とを有する。
【0067】
なお、
図8に示す端末200の各構成は例示であり、他の構成に置き換える、又は、省略することが可能であり、本開示を実施するにおいて必ずしも全ての構成は必要ない。
【0068】
受信部202は、アンテナ201を介して受信された、基地局100からの無線信号に対してダウンコンバート又はAD変換などのRF処理を行い、ベースバンドのOFDM信号を得る。受信部202は、OFDM信号をCP除去部203へ出力する。
【0069】
CP除去部203は、受信部202から受け取るOFDM信号に付加されているCPを除去し、CP除去後の信号をFFT部204へ出力する。
【0070】
FFT部204は、CP除去部203から受け取る信号に対してFFT処理を行うことにより、時間領域信号を周波数領域信号に変換する。FFT部204は、周波数領域信号を抽出部205へ出力する。
【0071】
抽出部205は、FFT部204から受け取る信号から報知信号を抽出して、報知信号受信部206へ出力する。ここで、報知信号がマッピングされるリソースは予め決まっているので、抽出部205は、そのリソースにマッピングされている情報を抽出することにより、報知信号を得る。抽出された報知信号には、例えば、PUCCHリソースに関する信号等が含まれている場合がある。
【0072】
また、抽出部205は、FFT部204から受け取る信号から、下り制御チャネル信号(PDCCH信号)を抽出し、制御信号復調部207へ出力する。また、抽出部205は、判定部209から受け取る、自端末宛の下りデータ割当リソースに関する情報に基づいて、FFT部204から受け取る信号から下りリンクデータ(PDSCH信号)を抽出し、データ復調部210へ出力する。PDCCH信号には、例えば、下りデータ割当リソースに関する情報、PUCCHのレピティション回数に関する情報などが含まれている。
【0073】
報知信号受信部206は、抽出部205から受け取る報知信号から、PUCCHリソースに関する情報などを得る。報知信号受信部206は、報知信号に符号化処理及び変調処理が施されている場合、復調処理及び復号処理を施す。報知信号受信部206は、得られた報知信号を判定部209又は制御部213へ出力する。
【0074】
制御信号復調部207は、抽出部205から受け取るPDCCH信号を復調し、復調後のPDCCH信号を制御信号復号部208へ出力する。
【0075】
制御信号復号部208は、制御信号復調部207から受け取るPDCCH信号を復号して、復号結果を判定部209に出力する。
【0076】
判定部209は、制御信号復号部208から受け取る復号結果に含まれる制御情報が自端末宛ての制御情報であるか否かを判定(ブラインド判定)する。例えば、判定部209は、自端末の端末IDによって制御情報に含まれるCRCビットをデマスキングし、CRCの演算結果に誤りがなければ、自端末宛ての制御情報であると判定する。そして、判定部209は、自装置宛の制御情報に含まれる下りデータ割当リソースに関する情報を抽出部205へ出力する。また、判定部209は、自端末宛の制御情報がマッピングされていたCCEを特定し、特定したCCEの識別情報(CCE番号)を制御部213へ出力する。
【0077】
データ復調部210は、抽出部205から受け取る下りリンクデータを復調し、復調後の下りリンクデータをデータ復号部211へ出力する。
【0078】
データ復号部211は、データ復調部210から受け取る下りリンクデータを復号し、復号後の下りリンクデータをCRC部212へ出力する。
【0079】
CRC部212は、データ復号部211から受け取る下りリンクデータに対して、CRCを用いて誤り検出を行い、誤り検出結果をACK/NACK生成部214へ出力する。また、CRC部212は、誤り検出の結果、誤りなしと判定した下りリンクデータを受信データとして出力する。
【0080】
制御部213は、報知信号又は上位レイヤシグナリングによって基地局100から端末200に対して通知されたPUCCHリソースに関する情報(CCE番号からPUCCHリソース番号を特定する際に使用されるオフセット値、又は、各PUCCH領域に配置される1リソースブロックあたりに符号多重されるPUCCHリソースの最大数など)、及び、レピティション回数に関する情報を予め保持する。
【0081】
制御部213は、PUCCHリソースに関する情報、及び、判定部209から受け取るCCEの識別情報を用いて、CCEの識別情報に対応するPUCCHリソース(周波数、巡回シフト量、及び、直交符号系列)を特定する。すなわち、制御部213は、CCEの識別情報に基づいて上り制御チャネルのPUCCHリソースを特定する。
【0082】
制御部213は、使用すべきPUCCHリソースに対応する巡回シフト量で定義されるZAC系列を生成し、1次拡散部216へ出力する。また、制御部213は、使用すべきPUCCHリソースに対応するサブフレーム間直交符号系列をACK/NACK生成部214へ出力し、使用すべきPUCCHリソースに対応するサブフレーム内直交符号系列を2次拡散部217へ出力する。また、制御部213は、使用すべきPUCCHリソースに対応する周波数リソース(サブキャリア)をIFFT部218へ出力する。
【0083】
また、制御部213は、端末がMTCカバレッジエンハンスメントモードに設定されている場合、PUCCHのレピティション回数に関する情報をACK/NACK生成部214へ出力する。
【0084】
ACK/NACK生成部214は、CRC部212から受け取る誤り検出結果に基づいて、受信した下りリンクデータ(データ信号)に対する応答信号を生成する。具体的には、ACK/NACK生成部214は、誤りが検出された場合にはNACKを生成し、誤りが検出されない場合にはACKを生成する。ACK/NACK生成部214は、生成した応答信号を変調部215へ出力する。
【0085】
また、ACK/NACK生成部214は、端末がMTCカバレッジエンハンスメントモードに設定されている場合、制御部213から受け取るレピティション回数に関する情報に従って、応答信号をレピティションする。すなわち、PUCCHのレピティション回数が1より大きい場合には、ACK/NACK生成部214は、レピティション回数分の連続する複数のサブフレームに渡って、同一の応答信号を変調部215へ出力する。また、ACK/NACK生成部214は、端末がMTCカバレッジエンハンスメントモードに設定されている場合、制御部213から受け取ったサブフレーム間直交符号系列を、レピティション回数分の連続する複数のサブフレームに渡って応答信号に乗算する。
【0086】
変調部215は、ACK/NACK生成部214から受け取る応答信号を変調して、変調後の応答信号を1次拡散部216へ出力する。
【0087】
1次拡散部216は、制御部213によって設定された巡回シフト量で定義されるZAC系列を用いて、参照信号、及び、変調部215から受け取る応答信号を1次拡散し、1次拡散後の応答信号及び参照信号を2次拡散部217へ出力する。
【0088】
2次拡散部217は、制御部213によって設定されたサブフレーム内直交符号系列を用いて応答信号及び参照信号を2次拡散し、2次拡散後の信号をIFFT部218へ出力する。
【0089】
IFFT部218は、制御部213によって設定された周波数リソースを用いて、2次拡散部217から受け取る応答信号及び参照信号に対してサブキャリアへのマッピング、及び、IFFT処理を行うことにより時間領域信号を生成する。IFFT部218は、生成した信号をCP付加部219へ出力する。
【0090】
CP付加部219は、IFFT部218から受け取る信号に対してCPを付加し、CP付加後の信号を送信部220へ出力する。
【0091】
送信部220は、CP付加部219から受け取る信号に対してD/A変換、アップコンバート等のRF処理を行い、アンテナ201を介して基地局100に無線信号を送信する。
【0092】
[PUCCHリソースの設定方法]
以上の構成を有する基地局100及び端末200において用いられるPUCCHリソースの設定方法について詳細に説明する。
【0093】
本実施の形態に係る基地局100及び端末200が用いるPUCCHリソース(巡回シフト量、サブフレーム内直交符号系列及びサブフレーム間直交符号系列)において、1つの巡回シフト量と1つのサブフレーム内直交符号系列(系列番号)から1つのリソースが構成され、複数のサブフレーム間直交符号系列のそれぞれに、複数のリソースが対応付けられている。
【0094】
また、複数のサブフレーム間直交符号系列にそれぞれ対応付けられるリソース(巡回シフト量とサブフレーム内直交符号系列とから定義されるリソース)は互いに異なる。換言すると、サブフレーム間直交符号系列間において異なるリソースが対応づけられ、サブフレーム間直交符号系列間において同一のリソースが対応付けられないように設定される。
【0095】
図9及び
図10は、本実施の形態に係るPUCCHリソースの設定例を示す。
図9は、サブフレーム間直交符号系列の系列長が2(N
SF=2)の場合を示し、
図10はサブフレーム間直交符号系列の系列長が4(N
SF=4)の場合を示す。
【0096】
例えば、
図9に示すサブフレーム間直交符号系列(1,1)に対応付けられたリソース(斜線のハッチングで示す領域。以下、同様である。)には、系列番号(OC Index)が0及び2のサブフレーム内直交符号系列と、0,2,4,6,8,10の巡回シフト量(Cyclic Shift Index)とから構成されるリソースと、系列番号(OC Index)=が1のサブフレーム内直交符号系列と、1,3,5,7,9,11の巡回シフト量とから構成されるリソースとが含まれる。
【0097】
一方、
図9に示すサブフレーム間直交符号系列(1,-1)に対応付けられたリソースには、系列番号(OC Index)が0,2のサブフレーム内直交符号系列と、1,3,5,7,9,11の巡回シフト量とから構成されるリソースと、系列番号(OC Index)が1のサブフレーム内直交符号系列と、0,2,4,6,8,10の巡回シフト量とから構成されるリソースとが含まれる。
【0098】
つまり、
図9に示すサブフレーム間直交符号系列(1,1)に対応付けられたリソース(巡回シフト量とサブフレーム内直交符号系列との組み合わせ)とサブフレーム間直交符号系列(1,-1)に対応付けられたリソースとは互いに異なる。換言すると、サブフレーム間直交符号系列(1,1)とサブフレーム間直交符号系列(1,-1)とにそれぞれ対応付けられたリソースは重複しない(同一ではない)。
【0099】
同様に、
図10に示すサブフレーム間直交符号系列(1,1,1,1)に対応付けられたリソースには、系列番号(OC Index)が0のサブフレーム内直交符号系列と、0,4,8の巡回シフト量から構成されるリソースと、系列番号(OC Index)が1のサブフレーム直交符号系列と、1,5,9の巡回シフト量とから構成されるリソースと、系列番号(OC Index)が2のサブフレーム直交符号系列と、2,6,10の巡回シフト量とから構成されるリソースが含まれる。
【0100】
また、
図10に示す他のサブフレーム間直交符号系列(1,-1,1,-1)、(1,1,-1,-1)、(1,-1,-1,1)には、サブフレーム間直交符号系列(1,1,1,1)に対応付けられたリソースを巡回シフト量軸方向にそれぞれ1つ、2つ、3つ分巡回シフトさせたリソースが対応付けられている。換言すれば、4つのサブフレーム間直交符号系列にそれぞれ対応付けられた巡回シフト量は、所定の間隔(又は差。
図10では1)を有している。
【0101】
つまり、
図9と同様、
図10に示す4個のサブフレーム間直交符号系列にそれぞれ対応付けられたリソース(巡回シフト量とサブフレーム内直交符号系列との組み合わせ)は互いに異なる。換言すると、4個のサブフレーム間直交符号系列にそれぞれ対応付けられたリソースは重複しない(同一ではない)。
【0102】
基地局100は、
図9又は
図10に示すPUCCHリソース設定に基づいて、MTCエンハンスメントモードが設定された端末200に対してPUCCHリソースを割り当てる。また、端末200は、基地局100に割り当てられたPUCCHリソースを用いて、応答信号を送信する。
【0103】
図9及び
図10に示すように、複数のサブフレーム間直交符号系列にそれぞれ対応付けられるリソースは互いに異なる。これにより、異なるサブフレーム間直交符号系列を含むPUCCHリソースが割り当てられる端末200間では、同一のリソース(巡回シフト量とサブフレーム内直交符号系列との組み合わせ)は使用されない。
【0104】
例えば、異なるサブフレーム間直交符号系列が割り当てられた端末200のそれぞれの応答信号が送信される時間(つまり、レピティション送信期間)内において、サブフレーム間直交符号系列間の直交性が崩れたとしても、異なるリソース(サブフレーム内直交符号系列及び巡回シフト量)によって、端末200間のPUCCHリソースの直交性が維持される可能性が高くなる。よって、本実施の形態に係るPUCCHリソースの設定により、サブフレーム間直交符号系列間の直交性の崩れによる符号間干渉の影響を低減することができる。
【0105】
すなわち、基地局100及び端末200では、サブフレーム間直交符号系列の直交性の崩れによって符号間干渉が発生し得る状況でも、巡回シフト系列及びサブフレーム内直交符号系列による拡散・逆拡散の効果によって符号間干渉の影響を低減することができる。
【0106】
以上より、本実施の形態によれば、サブフレーム間直交符号系列間での直交性の崩れに起因した符号間干渉の発生を抑えるようにPUCCHリソースが設定されるので、MTCカバレッジエンハンスメントモードにおいて符号間干渉による伝送特性の劣化を抑えることができる。
【0107】
[実施の形態1のバリエーション]
なお、サブフレーム間直交符号系列の系列長が4以上の場合には、サブフレーム間直交符号系列間における部分系列の直交性の有無(つまり、符号間干渉の大きさ)に応じて、サブフレーム間直交符号系列にリソース(巡回シフト量及びサブフレーム内直交符号系列)を対応付けてもよい。
【0108】
具体的には、部分系列が互いに直交するサブフレーム間直交符号系列(以下、「部分直交するサブフレーム間直交符号系列」とも呼ぶ)には、同一のサブフレーム内直交符号系列からなるリソースのうち、近接する巡回シフト量(差が1の巡回シフト量)からなるリソースがそれぞれ対応付けられる。
【0109】
図11は、本バリエーションにおけるPUCCHリソースの設定例を示す。例えば、
図11に示すサブフレーム間直交符号系列(1, 1, 1, 1)に着目する。サブフレーム間直交符号系列(1, 1, 1, 1)の前半2つの符号からなる部分系列(1, 1)は、サブフレーム間直交符号系列(1, -1, 1, -1)の前半2つの符号からなる部分系列(1, -1)及びサブフレーム間直交符号系列(1, -1, -1, 1)の前半2つの符号からなる部分系列(1, -1)と直交する。また、サブフレーム間直交符号系列(1, 1, 1, 1)の後半2つの符号からなる部分系列(1, 1)は、サブフレーム間直交符号系列(1, -1, 1, -1)の後半2つの符号からなる部分系列(1, -1)及びサブフレーム間直交符号系列(1, -1, -1, 1)の後半2つの符号からなる部分系列(-1, 1)と直交する。すなわち、サブフレーム間直交符号系列(1, 1, 1, 1)は、サブフレーム間直交符号系列(1, -1, 1, -1)及び(1, -1, -1, 1)と部分直交する。ここで、サブフレーム間直交符号系列(1, 1, 1, 1)に部分直交するサブフレーム間直交符号系列(1, -1, 1, -1)には、サブフレーム間直交符号系列(1, 1, 1, 1)に対応付けられたリソースの巡回シフト量との差が+1のリソースが対応付けられている。また、サブフレーム間直交符号系列(1, 1, 1, 1)に部分直交するサブフレーム間直交符号系列(1, -1, -1, 1)には、サブフレーム間直交符号系列(1, 1, 1, 1)に対応付けられたリソースの巡回シフト量との差が−1のリソースが対応付けられている。すなわち、互いに部分直交するサブフレーム間直交符号系列(1, 1, 1, 1)とサブフレーム間直交符号系列(1, -1, 1, -1)又は(1, -1, -1, 1)には、同一のサブフレーム内直交符号系列からなるリソースのうち、近接する巡回シフト量(差が1の巡回シフト量)がそれぞれ対応付けられている。一方、サブフレーム間直交符号系列(1, 1, 1, 1)に部分直交しないサブフレーム間直交符号系列(1, 1, -1, -1)には、サブフレーム間直交符号系列(1, 1, 1, 1)に対応付けられたリソースの巡回シフト量との差が2のリソースが対応付けられている。
【0110】
つまり、複数のサブフレーム間直交符号系列のうち、互いに部分直交するサブフレーム間直交符号系列からなるペア(
図11では、(1, 1, 1, 1)と(1, -1, 1, -1)、又は、(1, 1, 1, 1)と(1, -1, -1, 1))において同一のサブフレーム内直交符号系列(同一の系列番号OC Index)に対して用いられる巡回シフト量の差(
図11では1)は、互いに部分直交しないサブフレーム間直交符号系列からなるペア(
図11では、(1, 1, 1, 1)と(1, 1, -1, -1))において同一のサブフレーム内直交符号系列に対して用いられる巡回シフト量の差(
図11では2)よりも小さい。他のサブフレーム間直交符号系列に着目した場合についても同様である。
【0111】
ここで、互いに部分直交しているサブフレーム間直交符号系列間では、系列長に相当する4サブフレームのうち、前半2サブフレームの系列(前半2つの符号からなる系列)が直交するとともに、後半2サブフレームの系列(後半2つの符号からなる系列)も直交する。そのため、基地局100は、前半2サブフレームと後半2サブフレームとに分けて、サブフレーム間直交符号系列によって符号多重された複数の応答信号を分離することができる。よって、互いに部分直交しているサブフレーム間直交符号系列間は、互いに部分直交していないサブフレーム間直交符号系列間と比較して、サブフレーム間直交符号系列の直交性の崩れによる符号間干渉を抑えることができる。
【0112】
このため、同一のサブフレーム内直交符号系列からなるリソースのうち、近接する巡回シフト量からなるリソース間では、直交性の崩れによる符号間干渉が大きくなるものの、当該リソースに対応付けられた互いに部分直交するサブフレーム間直交符号系列によって、符号間干渉による伝送特性の劣化を抑えることができる。
【0113】
また、同一のサブフレーム内直交符号系列からなるリソースのうち、離れた巡回シフト量(例えば、差が2以上の巡回シフト量)からなるリソース間では、直交性の崩れによる符号間干渉が小さい。よって、互いに部分直交しないサブフレーム間直交符号系列間では、直交性の崩れによる符号間干渉は大きくなるものの、当該リソースによる符号間干渉が小さいので、PUCCHリソース全体として符号間干渉を低く抑えることができる。
【0114】
(実施の形態2)
実施の形態1(
図9、
図10又は
図11)では、1つのサブフレーム間直交符号系列に対応付けられるリソースにおいて、同一のサブフレーム内直交符号系列に対して用いられる巡回シフト量間の(最小)差は、サブフレーム間直交符号系列の系列長と同一である。例えば、サブフレーム間直交符号系列の系列長が2である場合(
図9)には、同一のサブフレーム内直交符号系列に対して用いられる巡回シフト量間の(最小)差は、2であり、サブフレーム間直交符号系列の系列長が4である場合(
図10、
図11)には4である。この場合、サブフレーム間直交符号系列の系列長に応じて、使用可能なPUCCHリソースの数が制限されてしまう。
【0115】
そこで、本実施の形態では、PUCCHリソースでの符号間干渉を低減しつつ、使用可能なPUCCHリソースの数を増やし、符号多重数の増加を図る方法について説明する。
【0116】
なお、本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図7及び
図8を援用して説明する。
【0117】
本実施の形態に係る基地局100及び端末200が用いるPUCCHリソース(巡回シフト量、サブフレーム内直交符号系列及びサブフレーム間直交符号系列)において、実施の形態1と同様、各サブフレーム間直交符号系列には、それぞれが1つの巡回シフト量と一つのサブフレーム内直交符号系列(系列番号)とから構成される複数のリソースが、対応付けられている。
【0118】
本実施の形態では、複数のサブフレーム間直交符号系列のうち、互いに部分直交しない系列からなる少なくとも1つのペアには、互いに異なるリソースがそれぞれ対応付けられる。一方、複数のサブフレーム間直交符号系列のうち、互いに部分直交する系列からなる少なくとも1つのペアには、同一のリソースがそれぞれ対応付けられる。換言すると、複数のサブフレーム間直交符号系列のうち、互いに部分直交しないサブフレーム間直交符号系列間には、同一のリソースが対応付けられないようにPUCCHリソースが設定される。また、互いに部分直交するサブフレーム間直交符号系列間には、同一のリソースが対応付けられることが許容される。
【0119】
図12は、本実施の形態に係るPUCCHリソースの設定例を示す。
図12は、一例として、サブフレーム間直交符号系列の系列長が4(N
SF=4)の場合を示す。
【0120】
例えば、
図12に示す複数のサブフレーム間直交符号系列のうち、互いに部分直交するサブフレーム間直交符号系列(1,1,1,1)及び(1,-1,1,-1)には、系列番号OC Indexが0及び2サブフレーム内直交符号系列と、0,2,4,6,8,10の巡回シフト量から構成されるリソースが対応付けられ、系列番号OC Indexが1のサブフレーム内直交符号系列と、1,3,5,7,9,11の巡回シフト量とから構成されるリソースが対応付けられている。
【0121】
また、
図12に示す複数のサブフレーム間直交符号系列のうち、互いに部分直交するサブフレーム間直交符号系列(1,1,-1,-1)及び(1,-1,-1,1)には、系列番号OC Indexが0及び2のサブフレーム内直交符号系列と、1,3,5,7,9,11の巡回シフト量とから構成されるリソースが対応付けられ、系列番号OC Indexが1のサブフレーム内直交符号系列と、0,2,4,6,8,10の巡回シフト量とから構成されるリソースが対応付けられている。
【0122】
つまり、
図12に示すように、互いに部分直交するサブフレーム間直交符号系列である(1,1,1,1)と(1,-1,1,-1)とのペア、又は、(1,1,-1,-1)と(1,-1,-1,1)とのペアには同一のリソース(巡回シフト量及びサブフレーム内直交符号系列)が対応付けられている。一方、
図12に示すように、互いに部分直交しないサブフレーム間直交符号系列である(1,1,1,1)と(1,1,-1,-1)とのペア、又は、(1,-1,1,-1)と(1,-1,-1,1)とのペアには、異なるリソースが対応付けられている。
【0123】
基地局100は、
図12に示すPUCCHリソース設定に基づいて、MTCエンハンスメントモードが設定された端末200に対してPUCCHリソースを割り当てる。また、端末200は、基地局100に割り当てられたPUCCHリソースを用いて、応答信号を送信する。
【0124】
図12に示すように、互いに部分直交しないサブフレーム間直交符号系列がそれぞれ割り当てられる端末200間では、サブフレーム間直交符号系列の直交性の崩れによる符号間干渉が大きくなる。しかし、互いに部分直交しないサブフレーム間直交符号系列には、異なるリソース(巡回シフト量とサブフレーム内直交符号系列との組み合わせ)が対応付けられるので、サブフレーム間直交符号系列の直交性の崩れによる符号間干渉を低く抑えることができる。
【0125】
すなわち、基地局100及び端末200では、直交性の崩れによって符号間干渉が発生しやすい部分直交しないサブフレーム間直交符号系列に対しては、巡回シフト系列及びサブフレーム内直交符号系列による拡散・逆拡散の効果によって符号間干渉を低減することができる。
【0126】
一方、上述したように、互いに部分直交しているサブフレーム間直交符号系列間では、前半2サブフレームの系列(前半2つの符号からなる系列)が直交するとともに、後半2サブフレームの系列(後半2つの符号からなる系列)も直交する。そのため、基地局100は、前半2サブフレームと後半2サブフレームとに分けて、サブフレーム間直交符号系列によって符号多重された複数の応答信号を分離することができる。よって、互いに部分直交しているサブフレーム間直交符号系列間は、互いに部分直交していないサブフレーム間直交符号系列間と比較して、サブフレーム間直交符号系列の直交性の崩れによる符号間干渉を抑えることができる。
【0127】
このため、
図12に示すように、互いに部分直交するサブフレーム間直交符号系列がそれぞれ割り当てられる端末200間では、同一のリソース(巡回シフト量とサブフレーム内直交符号系列との組み合わせ)が使用されたとしても、PUCCHリソース全体として符号間干渉を低く抑えることができる。
【0128】
また、
図12に示すように、異なるサブフレーム間直交符号系列に対して同一のリソースを対応付けることで、実施の形態1(
図10又は
図11)に示す例と比較して、各サブフレーム間直交符号系列における使用可能なPUCCHリソースの数を増やすことができる。具体的には、サブフレーム間直交符号系列のそれぞれに対応付けられるリソースにおいて、同一のサブフレーム内直交符号系列に対して用いられる巡回シフト量間の(最小)差を、サブフレーム間直交符号系列の系列長より小さくすることができる。例えば、
図12では、サブフレーム間直交符号系列の系列長が4であるのに対して、各サブフレーム間直交符号系列に対応付けられたリソースにおいて、同一のサブフレーム内直交符号系列に対して用いられる巡回シフト量間の(最小)差は2である。つまり、実施の形態1(
図10)と比較すると、本実施の形態(
図12)では、使用可能なPUCCHリソースの数は2倍となる。
【0129】
すなわち、基地局100及び端末200では、直交性の崩れによって符号間干渉が発生しにくい部分直交するサブフレーム間直交符号系列に対して同一のリソース(同一の巡回シフト量及び同一のサブフレーム内直交符号系列)を用いることにより、符号間干渉を抑えつつ、PUCCHリソースの数を増やすことができる。つまり、PUCCHリソースのオーバーヘッドを削減することができる。
【0130】
以上より、本実施の形態によれば、実施の形態1と比較して、使用可能なPUCCHリソースの数を増やすとともに、MTCカバレッジエンハンスメントモードにおいて符号間干渉による伝送特性の劣化を抑えることができる。
【0131】
(実施の形態3)
本実施の形態では、MTCカバレッジエンハンスメントモードの端末がPUCCH信号のレピティション送信を行う場合、レピティション送信を開始するサブフレームは、予め定められたX周期とし、レピティション回数(N
Rep)は、Xの整数倍とする(例えば、非特許文献6を参照)。例えば、Xは、セル固有のサブフレーム長(Common Subframe length)又はサブフレーム数とする。
【0132】
また、本実施の形態では、サブフレーム間直交符号系列の系列長(拡散率)は、予め定められた値とする。例えば、サブフレーム間直交符号系列の系列長(拡散率)は、セル固有のサブフレーム長(Common Subframe length)とし、Xと同じとする。
【0133】
図13は、XをCommon Subframe lengthと同じ4とし、サブフレーム間直交符号の系列長(拡散率)N
SFをCommon Subframe lengthと同じにした場合(つまり、N
SF=X=4)の例を示す。また、
図13では、端末1のレピティション回数N
Rep(1)=4であり、端末2のレピティション回数N
Rep(2)=8である場合について示す。また、
図13では、サブフレーム間直交符号系列の系列セットとして、(1,1,1,1)、(1,-1,1,-1)、(1,1,-1,-1)及び(1,-1,-1,1)が予め設定されている。
【0134】
各端末には、端末のレピティション回数に依らず、1つのサブフレーム間直交符号系列セットの中から使用するサブフレーム間直交符号系列が割り当てられる。
図13では、端末1に対して1つのサブフレーム間直交符号系列セットの中のインデックス#0の系列(1,1,1,1)が割り当てられ、端末2に対して同じサブフレーム間直交符号系列セットの中のインデックス#1の系列(1,-1,1,-1)が割り当てられる。なお、
図13に示すように、レピティション回数N
Rep(2)=8である端末2には、サブフレーム間直交符号系列(1,-1,1,-1)が2回繰り返して割り当てられる。
【0135】
このように、端末間でレピティション回数が異なり、端末間においてPUCCHのレピティション送信を行うサブフレームが部分的に重なっている場合でも、セル固有の系列長(Common Subframe length)のサブフレーム間直交符号系列を用いることにより、PUCCHリソース間の直交性を保つことができる。
【0136】
しかしながら、端末間においてレピティション回数が異なる場合、基地局における単位時間当たりの受信信号電力(例えば、Common Subframe length当たりの受信信号電力)には端末間で差が生じる可能性がある。これは、基地局が各端末に設定されたレピティション回数分の信号を受信することにより、所要の品質を満たすことができるからである。一般的に、単位時間当たりの受信信号電力は、レピティション回数の多い端末と比較して、レピティション回数の少ない端末の方が大きい。例えば、
図13では、Common Subframe length当たりの受信信号電力は、レピティション回数4の端末1の方が、レピティション回数8の端末2よりも大きい。
【0137】
よって、端末間においてPUCCHのレピティション送信を行うサブフレームが部分的に重なっている場合、当該重なっているサブフレームにおいて端末間の受信信号電力に差が生じる可能性がある。当該重なっているサブフレームにおいて受信信号電力の差が大きい場合には、受信信号電力の大きい信号が受信信号電力の小さい信号に符号間干渉を与え、伝送特性の劣化が生じてしまう。例えば、
図13では、端末1からの信号が端末2からの信号に対して与える符号間干渉が大きくなる。
【0138】
そこで、本実施の形態では、レピティション回数の異なる端末200が同一のリソース(巡回シフト量及びサブフレーム内直交符号系列)を同時に用いないように、PUCCHリソースが設定される。
【0139】
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図7及び
図8を援用して説明する。
【0140】
図14は、本実施の形態に係るPUCCHリソースの設定例を示す。
図14は、一例として、サブフレーム間直交符号系列の系列長が4(N
SF=4)の場合を示す。
【0141】
図14に示すように、本実施の形態に係る基地局100及び端末200が用いるPUCCHリソースにおいて、実施の形態1と同様、各サブフレーム間直交符号系列には、それぞれが1つの巡回シフト量と1つのサブフレーム内直交符号系列(系列番号)とから構成される複数のリソースが対応付けられている。また、
図14に示すように、本実施の形態では、実施の形態1(
図10、
図11)と同様、サブフレーム間直交符号系列には、それぞれ異なるリソースが対応付けられている。
【0142】
更に、
図14に示すように、本実施の形態では、複数のサブフレーム間直交符号系列には、それぞれ異なるレピティション回数が対応付けられている。つまり、レピティション回数の異なる端末200に対して、それぞれ、異なるサブフレーム間直交符号系列が割り当てられる。
【0143】
例えば、
図14では、サブフレーム間直交符号系列(1,1,1,1)に対応付けられたレピティション回数は4であり、サブフレーム間直交符号系列(1,-1,1,-1)に対応付けられたレピティション回数は8であり、サブフレーム間直交符号系列(1,1,-1,-1)に対応付けられたレピティション回数は16であり、サブフレーム間直交符号系列(1,-1,-1,1)に対応付けられたレピティション回数は32である。
【0144】
基地局100は、
図14に示すPUCCHリソース設定に基づいて、レピティション回数の異なる端末200に対して、異なるサブフレーム間直交符号系列を含むPUCCHリソースを割り当てる。また、端末200は、基地局100に割り当てられたPUCCHリソースを用いて、応答信号を送信する。
【0145】
図14に示すように、異なるサブフレーム間直交符号系列には異なるリソースが対応付けられているので、レピティション回数の異なる端末200の信号は、同一のサブフレーム間直交符号系列及び同一のリソース(巡回シフト量及びサブフレーム内直交符号系列)によって多重されない。すなわち、レピティション回数の異なる端末200の応答信号は、異なるサブフレーム間直交符号系列、かつ、異なるリソースによって多重される。
【0146】
よって、本実施の形態によれば、端末200間においてPUCCHのレピティション送信を行うサブフレームが部分的に重なり、基地局100での受信信号電力に差が生じる場合でも、サブフレーム間直交符号系列及びリソース(巡回シフト量及びサブフレーム内直交符号系列)が異なるPUCCHリソースによる拡散・逆拡散によって符号間干渉を低減することができる。
【0147】
以上より、本実施の形態によれば、MTCカバレッジエンハンスメントモードにおいて、符号多重される応答信号のレピティション回数を考慮して、符号間干渉による伝送特性の劣化を抑えることができる。
【0148】
また、本実施の形態では、
図14に示すように、サブフレーム間直交符号の系列長が4以上の場合には、実施の形態1のバリエーション(
図11)と同様にして、互いに部分直交するサブフレーム間直交符号系列には、同一のサブフレーム内直交符号系列からなるリソースのうち、近接する巡回シフト量(差が1の巡回シフト量)からなるリソースを対応付けてもよい。つまり、複数のサブフレーム間直交符号系列のうち、互いに部分直交するサブフレーム間直交符号系列からなるペアにおいて同一のサブフレーム内直交符号系列に対して用いられる巡回シフト量の差(
図14では1)は、互いに部分直交しないサブフレーム間直交符号系列からなるペアにおいて同一のサブフレーム内直交符号系列に対して用いられる巡回シフト量の差(
図14では2)よりも小さい。
【0149】
更に、同一のサブフレーム内直交符号系列に対して近接する巡回シフト量からなるリソースがそれぞれ対応付けられている互いに部分直交するサブフレーム間直交符号系列にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差が、同一のサブフレーム内直交符号系列に対して離れた巡回シフト量(例えば、差が2以上の巡回シフト量)からなるリソースがそれぞれ対応付けられている互いに部分直交しないサブフレーム間直交符号系列にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差よりも小さくなるように、サブフレーム間直交符号系列をレピティション回数に対応付けてもよい。
【0150】
すなわち、複数のサブフレーム間直交符号系列のうち、互いに部分直交する系列(同一のサブフレーム内直交符号系列に対して差が小さい巡回シフト量からなるリソースに対応付けられた系列)からなる少なくとも1つのペアにそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差は、互いに部分直交しない系列(同一のサブフレーム内直交符号系列に対して差が大きい巡回シフト量からなるリソースに対応付けられた系列)からなる少なくとも1つのペアにそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差よりも小さい。
【0151】
例えば、
図14に示す例において、互いに部分直交しないサブフレーム間直交符号系列(1,1,1,1)及び(1,1,-1,-1)にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差は12であるのに対して、互いに部分直交するサブフレーム間直交符号系列(1,1,1,1)及び(1,-1,1,-1)にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差は4(<12)である。同様に、互いに部分直交しないサブフレーム間直交符号系列(1,-1,-1,1)及び(1,-1,1,-1)にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差は24であるのに対して、互いに部分直交するサブフレーム間直交符号系列(1,-1,-1,1)及び(1,1,-1,-1)にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差は16(<24)である。
【0152】
こうすることで、レピティション回数の差が小さい端末200には、同一のサブフレーム内直交符号系列対して近接する巡回シフト量からなるPUCCHリソースがそれぞれ割り当てられる。上述したように、同一のサブフレーム内直交符号系列対して近接する巡回シフト量からなるリソース間では、直交性の崩れによる符号間干渉が大きくなる。これに対して、当該リソースに対応付けられた部分直交するサブフレーム間直交符号系列間での符号間干渉は小さく、かつ、レピティション回数の差が少ない(受信信号電力の差が比較的小さい)端末200間の符号間干渉も小さい。よって、PUCCHリソース全体として符号間干渉を低く抑えることができる。
【0153】
なお、レピティション回数4,8,16,32は、2
2,2
3,2
4,2
5、つまり、2
n(nは2以上の自然数)として表される。そこで、上述した「レピティション回数の差」は、2
nのnの値の差として扱ってもよい。すなわち、「レピティション回数の差」は、レピティション回数を表すべき乗の指数の差としてもよい。例えば、
図14に示す例において、互いに部分直交しないサブフレーム間直交符号系列(1,1,1,1)(レピティション回数:2
2)及び(1,1,-1,-1)(レピティション回数:2
4)にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差(指数の差)は2であるのに対して、互いに部分直交するサブフレーム間直交符号系列(1,1,1,1)(レピティション回数:2
2)及び(1,-1,1,-1)(レピティション回数:2
3)にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差(指数の差)は1(<2)である。
【0154】
(実施の形態4)
実施の形態3(
図14)では、実施の形態1と同様、サブフレーム間直交符号系列に対応付けられるリソースにおいて、同一のサブフレーム内直交符号系列に対して用いられる巡回シフト量間の(最小)差は、サブフレーム間直交符号系列の系列長と同一である。例えば、実施の形態3(
図14)において、各サブフレーム間直交符号系列に対応付けられたリソースのうち、同一のサブフレーム内直交符号系列に対して用いられる巡回シフト量間の(最小)差は4である。この場合、サブフレーム間直交符号系列の系列長に応じて、使用可能なPUCCHリソースの数が制限されてしまう。
【0155】
そこで、本実施の形態では、応答信号のレピティション回数を考慮して、PUCCHリソースでの符号間干渉を低減しつつ、使用可能なPUCCHリソースの数を増やし、符号多重数の増加を図る方法について説明する。
【0156】
なお、本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図7及び
図8を援用して説明する。
【0157】
図15は、本実施の形態に係るPUCCHリソースの設定例を示す。
図15は、一例として、サブフレーム間直交符号系列の系列長が4(N
SF=4)の場合を示す。
【0158】
図15に示すように、本実施の形態に係る基地局100及び端末200が用いるPUCCHリソース(巡回シフト量、サブフレーム内直交符号系列及びサブフレーム間直交符号系列)において、実施の形態1と同様、各サブフレーム間直交符号系列には、それぞれが1つの巡回シフト量と1つのサブフレーム内直交符号系列(系列番号)とから構成される複数のリソースが、対応付けられている。
【0159】
また、
図15に示すように、本実施の形態では、実施の形態2と同様、複数のサブフレーム間直交符号系列のうち、互いに部分直交しない系列からなる少なくとも1つのペアには、互いに異なるリソースがそれぞれ対応付けられる。一方、複数のサブフレーム間直交符号系列のうち、互いに部分直交する系列からなる少なくとも1つのペアには、同一のリソースがそれぞれ対応付けられる。
【0160】
また、
図15に示すように、本実施の形態では、実施の形態3と同様、複数のサブフレーム間直交符号系列には、それぞれ異なるレピティション回数が対応付けられている。例えば、
図15では、サブフレーム間直交符号系列(1,1,1,1)に対応付けられたレピティション回数は4であり、サブフレーム間直交符号系列(1,1,-1,-1)に対応付けられたレピティション回数は16であり、サブフレーム間直交符号系列(1,-1,1,-1)に対応付けられたレピティション回数は8であり、サブフレーム間直交符号系列(1,-1,-1,1)に対応付けられたレピティション回数は32である。
【0161】
ただし、本実施の形態では、複数のサブフレーム間直交符号系列のうち、互いに部分直交し、かつ、同一のリソース(巡回シフト量及びサブフレーム内直交符号系列)に対応付けられた系列からなる少なくとも1つのペアにそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差は、互いに部分直交せず、かつ、異なるリソースに対応付けられた系列からなる少なくとも1つのペアにそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差よりも小さい。
【0162】
例えば、
図15に示す例において、互いに部分直交せず、かつ、異なるリソースに対応付けられたサブフレーム間直交符号系列(1,1,1,1)及び(1,1,-1,-1)にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差は12であるのに対して、互いに部分直交し、かつ、同一のリソースに対応付けられたサブフレーム間直交符号系列(1,1,1,1)及び(1,-1,1,-1)にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差は4(<12)である。同様に、互いに部分直交せず、かつ、異なるリソースに対応付けられたサブフレーム間直交符号系列(1,-1,-1,1)及び(1,-1,1,-1)にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差は24であるのに対して、互いに部分直交し、かつ、同一のリソースに対応付けられたサブフレーム間直交符号系列(1,-1,-1,1)及び(1,1,-1,-1)にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差は16(<24)である。
【0163】
基地局100は、
図15に示すPUCCHリソース設定に基づいて、MTCエンハンスメントモードが設定された端末200に対してPUCCHリソースを割り当てる。また、端末200は、基地局100に割り当てられたPUCCHリソースを用いて、応答信号を送信する。
【0164】
こうすることで、レピティション回数の差が小さい端末200には、互いに部分直交するサブフレーム間直交符号系列、及び、同一のリソースからなるPUCCHリソースがそれぞれ割り当てられる。上述したように、互いに部分直交するサブフレーム間直交符号系列がそれぞれ割り当てられる端末200間では、同一のリソース(巡回シフト量とサブフレーム内直交符号系列との組み合わせ)が使用されたとしても、部分直交するサブフレーム間直交符号系列間での符号間干渉が小さい。また、レピティション回数の差が少ない(受信信号電力の差が比較的小さい)端末200間の符号間干渉も小さい。よって、PUCCHリソース全体として符号間干渉を低く抑えることができる。
【0165】
また、
図15に示すように、異なるサブフレーム間直交符号系列に対して同一のリソースを対応付けることで、各サブフレーム間直交符号系列における使用可能なPUCCHリソースの数を増やすことができる。具体的には、サブフレーム間直交符号系列のそれぞれに対応付けられるリソースにおいて、同一のサブフレーム内直交符号系列に対して用いられる巡回シフト量間の(最小)差を、サブフレーム間直交符号系列の系列長より小さくすることができる。例えば、
図15では、サブフレーム間直交符号系列の系列長が4であるのに対して、各サブフレーム間直交符号系列に対応付けられたリソースにおいて、同一のサブフレーム内直交符号系列に対して用いられる巡回シフト量間の(最小)差は2である。つまり、実施の形態3(
図14)と比較すると、本実施の形態(
図15)では、使用可能なPUCCHリソースの数は2倍となる。
【0166】
以上より、本実施の形態によれば、実施の形態3と比較して、使用可能なPUCCHリソースの数を増やすとともに、MTCカバレッジエンハンスメントモードにおいて符号間干渉による伝送特性の劣化を抑えることができる。
【0167】
なお、レピティション回数4,8,16,32は、2
2,2
3,2
4,2
5、つまり、2
n(nは2以上の自然数)として表される。そこで、上述した「レピティション回数の差」は、2
nのnの値の差として扱ってもよい。すなわち、「レピティション回数の差」は、レピティション回数を表すべき乗の指数の差としてもよい。例えば、
図15に示す例において、互いに部分直交せず、かつ、異なるリソースに対応付けられたサブフレーム間直交符号系列(1,1,1,1)(レピティション回数:2
2)及び(1,1,-1,-1)(レピティション回数:2
4)にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差(指数の差)は2であるのに対して、互いに部分直交し、かつ、同一のリソースが対応付けられたサブフレーム間直交符号系列(1,1,1,1)(レピティション回数:2
2)及び(1,-1,1,-1)(レピティション回数:2
3)にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差(指数の差)は1(<2)である。
【0168】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0169】
なお、実施の形態3及び4では、レピティション回数とサブフレーム間直交符号系列とを関連付けることにより、基地局100は、端末200に対して、Implicitにサブフレーム間直交符号系列を通知してもよい。つまり、端末200は、基地局100から通知されたレピティション回数に対応付けられたサブフレーム間直交符号系列を特定すればよい。これにより、下りリンクにおける制御信号のオーバーヘッドを削減できる。
【0170】
また、上記実施の形態において用いた、レピティション回数、ZAC系列の系列長(巡回シフト量の値)、サブフレーム内直交符号系列の系列長、及び、サブフレーム間直交符号系列の系列長の値は一例であって、これらに限定されるものではない。
【0171】
また、上記実施の形態では、本開示の一態様をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
【0172】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力と出力を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0173】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0174】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0175】
本開示の通信装置は、データ信号に対する応答信号を複数のサブフレームに渡ってレピティションし、互いに直交する複数の第1の系列のうちの1つの系列の各成分をサブフレーム毎の前記応答信号に乗算する生成部と、複数の巡回シフト量のうちの1つで定義される第2の系列と、互いに直交する複数の第3の系列のうちの1つとを、前記応答信号に乗算する拡散部と、を具備し、前記複数の第1の系列のうちの少なくとも2つの系列は、それぞれが前記巡回シフト量と前記第3の系列とから構成される複数のリソースのうち、異なるリソースにそれぞれ対応付けられている。
【0176】
本開示の通信装置において、前記複数の第1の系列のうち、互いに部分直交する少なくとも2つ系列にそれぞれ対応付けられた、同一の前記第3の系列に対して用いられる巡回シフト量の差は、互いに部分直交しない少なくとも2つの系列にそれぞれ対応付けられた、同一の前記第3系列に対して用いられる巡回シフト量の差よりも小さい。
【0177】
本開示の通信装置において、前記複数の第1の系列のうち、互いに部分直交しない少なくとも2つの系列は、異なる前記リソースに対応付けられ、前記複数の第1系列のうち、互いに部分直交する少なくとも2つの系列は、同一の前記リソースに対応付けられている。
【0178】
本開示の通信装置において、前記複数の第1の系列のそれぞれに対応付けられた、同一の前記第3系列に対して用いられる巡回シフト量間の差は、前記第1系列の系列長より小さい。
【0179】
本開示の通信装置において、前記複数の第1の系列は、それぞれ異なる前記リソースに対応付けられ、前記複数の第1の系列は、それぞれ異なるレピティション回数に対応付けられている。
【0180】
本開示の通信装置において、前記複数の第1の系列は、それぞれ異なるレピティション回数に対応付けられ、前記複数の第1の系列のうち、互いに部分直交する少なくとも2つの系列にそれぞれ対応付けられた前記レピティション回数の差は、互いに部分直交しない少なくとも2つの系列にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差よりも小さい。
【0181】
本開示の通信装置において、前記複数の第1系列のうち、互いに部分直交する少なくとも2つの系列は、同一の前記リソースに対応付けられ、互いに部分直交しない少なくとも2つの系列は、異なる前記リソースに対応付けられ、前記複数の第1の系列のうち、互いに部分直交する前記少なくとも2つの系列にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差は、互いに部分直交しない前記少なくとも2つの系列にそれぞれ対応付けられたレピティション回数の差よりも小さい。
【0182】
本開示の通信装置において、前記複数の第1の系列は、それぞれ異なるレピティション回数に対応付けられている。
【0183】
本開示の通信装置は、データ信号を送信する、送信部と、複数のサブフレームに渡ってレピティションされた、前記データ信号に対する応答信号を受信し、前記応答信号には、互いに直交する複数の第1の系列のうちの1つの系列の各成分が前記複数のサブフレーム毎に乗算され、複数の巡回シフト量のうちの1つで定義される第2の系列と、互いに直交する複数の第3の系列のうちの1つとが、乗算されている、受信部と、具備し、前記複数の第1の系列のうちの少なくとも2つの系列は、それぞれが前記巡回シフト量と前記第3の系列とから構成される複数のリソースのうち、異なるリソースにそれぞれ対応付けられている。
【0184】
本開示の送信方法は、データ信号に対する応答信号を複数のサブフレームに渡ってレピティションし、互いに直交する複数の第1の系列のうちの1つの系列の各成分をサブフレーム毎の前記応答信号に乗算し、複数の巡回シフト量のうちの1つで定義される第2の系列と、互いに直交する複数の第3の系列のうちの1つとを、前記応答信号に乗算し、前記複数の第1の系列のうちの少なくとも2つの系列は、それぞれが前記巡回シフト量と前記第3の系列とから構成される複数のリソースのうち、異なるリソースにそれぞれ対応付けられている。
【0185】
本開示の受信方法は、データ信号を送信し、複数のサブフレームに渡ってレピティションされた、前記データ信号に対する応答信号を受信し、前記応答信号には、互いに直交する複数の第1の系列のうちの1つの系列の各成分が前記複数のサブフレーム毎に乗算され、複数の巡回シフト量のうちの1つで定義される第2の系列と、互いに直交する複数の第3の系列のうちの1つとが乗算されており、前記複数の第1の系列のうちの少なくとも2つの系列は、それぞれが前記巡回シフト量と前記第3の系列とから構成される複数のリソースのうち、異なるリソースにそれぞれ対応付けられている。