(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386585
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】プロテインキナーゼのインヒビターとしてのフロピリジン
(51)【国際特許分類】
C07D 491/048 20060101AFI20180827BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20180827BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20180827BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20180827BHJP
A61P 31/10 20060101ALI20180827BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20180827BHJP
A61K 31/4355 20060101ALI20180827BHJP
A61K 31/4427 20060101ALI20180827BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20180827BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20180827BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20180827BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20180827BHJP
C12N 9/99 20060101ALN20180827BHJP
【FI】
C07D491/048CSP
A61P9/00
A61P25/04
A61P25/28
A61P31/10
A61P31/12
A61K31/4355
A61K31/4427
A61K31/496
A61K31/5377
A61P35/00
A61P43/00 111
!C12N9/99
【請求項の数】9
【全頁数】90
(21)【出願番号】特願2016-565050(P2016-565050)
(86)(22)【出願日】2015年4月29日
(65)【公表番号】特表2017-513915(P2017-513915A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】CZ2015000038
(87)【国際公開番号】WO2015165428
(87)【国際公開日】20151105
【審査請求日】2016年10月27日
(31)【優先権主張番号】14166547.1
(32)【優先日】2014年4月30日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515050208
【氏名又は名称】マサリコヴァ ユニヴェルジタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】パルッハ,カミル
(72)【発明者】
【氏名】ペトルヨヴァ,ミハエラ
(72)【発明者】
【氏名】ネメツ,ヴァツラフ
【審査官】
阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−509997(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/138657(WO,A1)
【文献】
特表2000−502723(JP,A)
【文献】
特表2003−502272(JP,A)
【文献】
特表2002−537398(JP,A)
【文献】
特開平8−291172(JP,A)
【文献】
SHIOTANI, Shunsaku et al.,Furopyridines. XXII. Elaboration of the C-substituents alpha to the heteronitrogen atom of furo[2,3,-b] -, -[3,2-b] -, -[2,3-c]- and -[3,2-c]pyridine,Journal of Heterocyclic Chemistry,1997年,Vol.34, No.3,p.901-907
【文献】
CAMPOS, Pedro J. et al.,A versatile synthesis of pyrrolo-, furo- and thienopyridines via photocyclization of 3-amino-2-alkene imines in an acid medium,Tetrahedron,1999年,Vol.55, No.49,p.14079-14088
【文献】
MACDONALD, Dwight et al.,Substituted 2,2-bisaryl-bicycloheptanes as novel and potent inhibitors of 5-lipoxygenase activating protein,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2008年,Vol.18, No.6,p.2023-2027
【文献】
GRONOWITZ, S. et al.,Synthetic utility of heteroaromatic azido compounds. II. Preparation of some furo-, thieno-, and selenolo[3,2-b]pyridines,Acta Chemica Scandinavica, Series B: Organic Chemistry and Biochemistry,1975年,Vol.B29, No.2,p.233-238
【文献】
Arcadi, A. et al.,Palladium-catalyzed reaction of 2-hydroxyaryl and hydroxyheteroaryl halides with 1-alkynes: an improved route to the benzo[b]furan ring system,Synthesis,1986年,No.9,p.749-751
【文献】
Abramenko, P.I. et al.,Synthesis of methyl derivatives of furo[3,2-b]pyridines,Zhurnal Vsesoyuznogo Khimicheskogo Obshchestva im. D. I. Mendeleeva,1972年,Vol.17, No.6,p.695-696
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 491/048
A61K 31/4355
A61K 31/4427
A61K 31/496
A61K 31/5377
A61P 9/00
A61P 25/04
A61P 25/28
A61P 31/10
A61P 31/12
A61P 35/00
A61P 43/00
C12N 9/99
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で表される化合物であって、
【化1】
又は、その薬理学的に許容される塩、若しくは、その溶媒和物であり、
L
5は、化学結合、−NH−からなる群より選択され、
L
2は、化学結合であり、
L
3は、化学結合、−O−からなる群より選択され、
L
6は、化学結合であり、
L
7は、化学結合、−NH−からなる群より選択され、
R
5は
、ヘテロアリールであり、これらの置換基部分のそれぞれは、置換されていないか、又は、F、Cl、Br、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、OH、NH
2、N(CH
3)
2、O(CH
2)
pN(CH
3)
2からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で場合により置換されており、
R
2は、−H、−CF
3、−OH、−NH
2、−Cl、−Br、−F、C
1−C
6アルキルからなる群より選択され、
R
3は、フェニル、ナフチル、ビフェニルからなる群より選択され、これらの置換基部分のそれぞれは、置換されていないか、又は、F、Cl、Br、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、OH、NH
2、N(CH
3)
2、O(CH
2)
pN(CH
3)
2からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で場合により置換されており、
R
6は、−H、−CF
3、−OH、−NH
2、−Cl、−Br、−F、C
1−C
6アルキル、アリールからなる群より選択され、
R
7は、H、C
1−C
6アルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群より選択され、これらの置換基部分のそれぞれは、置換されていないか、又は、F、Cl、Br、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、OH、NH
2、N(CH
3)
2、O(CH
2)
pN(CH
3)
2からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
第5位(L
5−R
5)における置換基は、オキサジアゾリル又はメチルオキサジアゾリルではなく、
「アルキル」は、直鎖状又は分岐していてもよい脂肪族炭化水素
基を意味しており、
「アリール」は、6個から14個の炭素原子を含む芳香族単環系又は多環系を意味しており、
「ヘテロアリール」は、1から14個の炭素原子、並びに窒素、酸素及び硫黄からなる群より選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む芳香族単環系又は2環式系を意味して
おり、
pは、1から7の範囲の整数である、化合物。
【請求項2】
前記R5又はR7のヘテロアリールの部分は、5員環若しくは6員環、又は、2個の5員環からなる、2個の6員環からなる若しくは1個の5員環と1個の6員環とからなる縮合2環系より選択され、前記R5又はR7のヘテロアリールの部分は、少なくとも1つの窒素原子を含み、かつ、置換されていないか、又は、F、Cl、Br、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、OH、NH2、N(CH3)2、O(CH2)pN(CH3)2からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、pは、1から7の範囲の整数である、請求項1に記載された化合物。
【請求項3】
前記R7のアリールの部分は、フェニル、ナフチルより選択され、R5又はR7のヘテロアリール部分はピラゾリルであり、それぞれの部分は置換されていないか、又はF、Cl、Br、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、OH、NH2、N(CH3)2、O(CH2)pN(CH3)2からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、pは、1から7の範囲の整数である、請求項1又は2に記載された化合物。
【請求項4】
−L2−R2、−L6−R6、−L7−R7が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
−L5−R5は、ヘテロアリールであり、これらの置換基部分のそれぞれは、置換されていないか又は、F、Cl、Br、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、OH、NH2、N(CH3)2、O(CH2)pN(CH3)2からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、pは、1から7の範囲の整数である、請求項3又は4に記載の化合物。
【請求項6】
一般式(I)で表される化合物であって、
【化2】
又は、その薬理学的に許容される塩、若しくは、その溶媒和物であり、
L2は、化学結合であり、
L3は、化学結合、−O−からなる群より選択され、
L6は、化学結合であり、
L7は、化学結合、−NH−からなる群より選択され、
−L5−R5は、ヘテロアリールであり、これらの置換基部分のそれぞれは、置換されていないか、又は、F、Cl、Br、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、OH、NH2、N(CH3)2、O(CH2)pN(CH3)2からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で場合により置換されており、
R2は、−H、−CF3、−OH、−NH2、−Cl、−Br、−F、C1−C6アルキルからなる群より選択され、
R3は、フェニル、ナフチル、ビフェニルからなる群より選択され、これらの置換基部分のそれぞれは、置換されていないか、又は、F、Cl、Br、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、OH、NH2、N(CH3)2、O(CH2)pN(CH3)2からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で場合により置換されており、
R6は、−H、−CF3、−OH、−NH2、−Cl、−Br、−F、C1−C6アルキル、アリールからなる群より選択され、
R7は、H、C1−C6アルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群より選択され、これらの置換基部分のそれぞれは、置換されていないか、又は、F、Cl、Br、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、OH、NH2、N(CH3)2、O(CH2)pN(CH3)2からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
第5位(L5−R5)における置換基は、オキサジアゾリル又はメチルオキサジアゾリルではなく、
「アルキル」は、直鎖状又は分岐していてもよい脂肪族炭化水素基を意味しており、
「アリール」は、6個から14個の炭素原子を含む芳香族単環系又は多環系を意味しており、
「ヘテロアリール」は、1から14個の炭素原子、並びに窒素、酸素及び硫黄からなる群より選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む芳香族単環系又は2環式系を意味しており、
pは、1から7の範囲の整数である、化合物。
【請求項7】
医薬品として使用されるための、請求項1から6のいずれか1項に記載された化合物。
【請求項8】
増殖性疾患、神経変性疾患、心血管疾患、疼痛、ウィルス性疾患、及び真菌性疾患から選択される、キナーゼが関係する疾患の、治療、抑制、予防及び/又は寛解の方法において使用するための、請求項1から6のいずれか1項に記載された化合物。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか1項に記載された、一般式(I)の化合物の少なくとも1つと、少なくとも1つの薬理学的に許容される補助化合物とを含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、種々のプロテインキナーゼのインヒビター、レギュレーター又はモジュレーターとしての置換フロ[3,2−b]ピリジン、当該化合物を含む医薬組成物、並びに、例えば、癌、炎症、疼痛、神経変性疾患又はウィルス感染のような疾患の治療における当該化合物及び組成物の医薬用途に関する。
【0002】
〔背景技術〕
プロテインキナーゼは、真核細胞の成長、発達、及び恒常性維持の中心となるほとんど全ての過程の制御に関わっている。加えて、プロテインキナーゼの中には、腫瘍形成と癌の進行に重要な役割を果たしているものがあり、いくつかのキナーゼインヒビターは現在、癌の治療に対して承認されている(D.J.Matthews and M.E.Gerritsen:Targeting protein kinases forcancer therapy, Wiley, 2010)。
【0003】
現代の腫瘍学において使用されるキナーゼインヒビターの例は、イマチニブ(imatinib)(CMLの治療)、ダサチニブ(dasatinib)(イマチニブを含む従来の治療に耐性のあるCML)、ニロチニブ(nilotinibu)(CML)、ボスチニブ(bosutinib)(CML)、ゲフィチニブ(gefitinib)(非小細胞肺癌)、エルロチニブ(erlotinib)(非小細胞肺癌及び膵臓癌)、ラパチニブ(lapatinib)(乳がん)、ソラフェニブ(sorafenib)(転移性腎細胞癌、肝細胞癌)、バンデタニブ(vandetanib)(転移性髄様甲状腺癌)、ベムラフェニブ(vemurafenib)(手術不能の又は転移性メラノーマ)、クリゾチニブ(crizotinib)(非小細胞肺癌)、スニチニブ(sunitinib)(転移性腎細胞癌、イマチニブに反応しない胃腸ストローマ、又は膵臓神経内分泌癌)、パゾパニブ(pazopanib)(腎細胞癌及び進行性軟部組織肉腫)、レゴラフェニブ(regorafenib)(転移性結腸直腸癌)、カボザンチニブ(cabozantinib)(転移性髄様甲状腺癌)、ダブラフェニブ(dabrafenib)(BRSF V600E 突然変異−ポジティブ進行性メラノーマ)、及びトラメチニブ(trametinib)(BRAF V600E/K−変異体転移性メラノーマの治療にダラフェニブと組み合わせる)を含む。
【0004】
種々のキナーゼは、増殖性及び/又は神経変性疾患を治療するための薬理学的な抑制の良いターゲットともみなされている。いくつかの選択されたキナーゼの、生物学的及び潜在的な治療上の重要性を、以下に簡単にまとめる。
【0005】
スプライシングの位置の調節法は、遺伝子発現を制御するため、及びプロテオームの多様性を生じさせるための多くのメカニズムを提供し、多くの生物学的プロセスにおいて必須の役割を果たす。選択的スプライシングの重要性は、スプライシングの過誤に起因するヒトの疾患の数が増加していることによりさらに説明される。スプライシング変異体の適当な空間的及び時間的発生は、選択的スプライシングが、転写制御と同様に、高度な調節の対象となることを要求している。CLK(Cdc2様キナーゼ)ファミリーは、スプライシングの制御に関連している(Experimental Cell Research 1998, 241, 300.)。CLK/Styの薬理学的抑制は、CLKを介するリン酸化の抑制によって、ベータグロブリンmRNA前駆体の、in vitroのSF2/ASF依存スプライシングの阻害をもたらす。これは、また、哺乳類の細胞におけるCLK1/Sty依存選択的スプライシングとともに、核スペックル(speckle)の解離を抑制し、また、アフリカツメガエルにおける過剰なCLK活性により誘発される胚の欠陥を救済することが示されている。(Journal of Biological Chemistry 2004, 279, 24246)。
【0006】
選択的mRNAスプライシングは、タンパク質のアイソフォームの発現を調節するメカニズムであり、選択的スプライシング因子により調節される。選択的スプライシング因子45(SPF45)は、癌で過剰発現され、その過剰発現は、CLK−1による生化学的制御に依存する、例えば、細胞の移動及び浸潤のような転移に重要な2つのプロセスを促進する(Nucleic Acids Research 2013, 41, 4949)。CLK1は、8つのセリン残基においてSPF45をリン酸化する。CLK1の発現は、SPF45が誘導するFasmRNAからのエキソン6の排除を促進させる一方で、CLK1の抑制は、これを減少させる。CLK1の抑制は、プロテアソーム依存経路を介して、SPF45の分解を増加させる。加えて、特定のCLKの小分子インヒビターは、HIV−1遺伝子発現及び複製を抑制することができ(Retrovirology 2011,8,47)、このことは、感染のより効率的な治療を達成するための、現在の複合薬と併せて、使用することができるだろう。CLK1の抑制は、アルツハイマー病の治療に適用可能である(Current Drug Targets 2014, 15, 539)。
【0007】
DYRK(二重特異的チロシンリン酸化調節キナーゼ)ファミリーの酵素は、癌やアルツハイマー病の病理学において重要なシグナル伝達カスケードの必須の成分であり、その生物学的発現レベルは、これらの疾患における重要なシグナル伝達プロセスを調節する。特に、DYRK2は、食道及び肺の腺癌において過剰発現され(Cancer Research 2003、63、4136)、また、DYRK1Aは、グリア芽細胞腫で過剰発現され、DYRK1Aのそこでの抑制は、癌の生存を低下させ、癌の負担を大きく低減した(Journal of Clinical Investigation 2013, 123, 2475)。微小管の損傷により誘発されるDYRK1Bの活性化は、微小管の安定化の引き金となり、p21Cip1/waf1のミトコンドリア転移を促し、アポトーシスを抑制する。その抑制は、癌細胞の生存能力の低減させた(ACS Chemical Biology 2014,9,731)。それに対応して、DYRKキナーゼ単独、又は他の化学療法剤と組み合わせた抑制は、癌抑制効果を有し得、そのゆえに酵素は薬理学的抑制の適切なターゲットである(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2013,23,6610.;Medicinal Chemistry Research 2014,23,1925.)。
【0008】
加えて、DYRKキナーゼは、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病及びピック病のような神経変性疾患においても過剰発現している(Neurobiology of Disease 2005,20,392.;Cellular and Molecular Life Sciences 2009,66,3235)。
【0009】
HIPK2(ホメオドメイン-相互作用プロテインキナーゼ)は、癌抑制剤であり、シグナル伝達及び遺伝子発現の進化保存レギュレーターとして機能する。このキナーゼは、DNA障害の応答及びアポトーシスから、低酸素症シグナル伝達及び細胞増殖までの範囲にわたる膨大な系列の生物学的過程を調節する。最近の研究は、リン酸化、低分子ユビキチン様修飾因子の修飾、アセチル化、及びユビキチン化のような、階層的に生じる翻訳後修飾によるHIPK2の緊密な制御を示した。HIPK2の脱制御は、癌や線維症で生じるように、細胞数の増殖を高める結果となり得る。HIPK2の不適当な発現、修飾又は局在化は、これら増殖性疾患の起動力となり得る(Journal of Molecular Medicine 2013,91,1051)。
【0010】
FMS様チロシンキナーゼ3(FLT3)は、レセプターチロシンキナーゼ(RTK)であり、固有のチロシンキナーゼ領域を有する膜結合型レセプターである。その活性化は、多くの細胞内プロセス(例えば、リン脂質代謝、転写、増殖及びアポトーシス)を調節し、FLT3活性化は、これらのプロセスを通して、正常な恒常性維持及び細胞成長を支配する非常に重要な役割を果たしている。そして、FLT3の発現は、血液の悪性疾患において評価されている。大多数のB細胞急性リンパ性白血病(ALL)及び急性骨髄性白血病(AML)芽細胞(>90%)は、FLT3を種々の水準で発現する(Clinical Cancer Research 2009,15,4263)。FLT3キナーゼの過剰発現又は/及び活性化変異は、急性骨髄白血病(AML)の病因において主要な駆動の役割を果たす。従って、FLT3の薬理学的インヒビターは、AML治療のための治療上の潜在性を有する(Oncologist 2011,16,1162.;PLosOne2014,9,e83160/1.;Leukemia Lymphoma 2014,55,243)。
【0011】
トロポミオシンに関連するキナーゼ(TRK)は、3つのRTK(TRK−A、TRK−B、TRK−C)のファミリーであり、神経の生存及び分化に重要ないくつかのシグナル伝達経路を調節している。TRK−Aは、増殖を制御し、神経系の発達及び成熟に重要であり、細胞が死滅せずに生存することを促す。点変異、染色体欠失及び染色体転移は、リガンド依存受容体二量体化及びTRK−Aの活性化を引き起こす。TRKの変異体では、異常な機能が、その微小環境においてリガンドに応答して、細胞の分化を妨げ、その結果、細胞が分化すべきときに成長を続け、細胞が死滅すべきときに生存してしまう。活性化TRK−A癌遺伝子は、いくつかのヒトの悪性疾患、例えば、胸、結腸、前立腺、甲状腺の癌及びAMLに関係している(Cell Cycle 2005,4,8:Cancer Letters 2006,232,90)。加えて、TRKの抑制は、炎症の治療(Plos One 2013,90)及び疼痛(Expert Opinion on Therapeutic Patents 2009, 19, 305)に関係しえる。
【0012】
つまり、キナーゼを介した生物学的プロセスの異常な調節に関連する疾患の状態を治療又は予防するために、異なるプロテインキナーゼのインヒビターが求められている。
【0013】
〔発明の開示〕
本発明は、置換フロ[3,2−b]ピリジン化合物、そのような化合物の調製方法、1以上のそのような化合物を含む医薬組成物、及び、そのような化合物又は医薬組成物を用いたプロテインキナーゼと関連する1以上の疾患の治療、予防、抑制又は改善におけるそれらの使用を提供する。
【0014】
本発明は、構造式(I)により表される化合物、
【0016】
又は、その薬理学的に許容される塩、その溶媒和物、又はそのプロドラッグを提供し、
ここで、L
5は、化学結合、−N(R
11)−からなる群より選択され、
L
2は、化学結合、−O−からなる群より選択され、
L
3は、化学結合、−N(R
11)−、−O−からなる群より選択され、
L
6は、化学結合、−O−からなる群より選択され、
L
7は、化学結合、−N(R
11)−からなる群より選択され、
R
5は、C
1−C
6アルキル、アリール、ヘテロアリール、ビアリール、ビ(ヘテロアリール)、シクロアルキルアリール、ヘテロシクリルアリール、ヘテロアリールアリール、アリールヘテロアリール、シクロアルキルヘテロアリール、ヘテロシクリルヘテロアリールからなる群より選択され、置換基部分のそれぞれは、置換されていなくても、任意で置換されていてもよく、
R
2は、H、CF
3、NH
2、Cl、Br、F、C
1−C
6アルキルからなる群より選択され、
R
3は、H、C
1−C
6アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ビアリール、ヘテロアリールアリール、アリールヘテロアリールからなる群より選択され、置換基部分のそれぞれは、置換されていなくても、任意で置換されていてもよく、
R
6は、H、CF
3、NH
2、Cl、Br、F、C
1−C
6アルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群より選択され、置換基部分のそれぞれは、置換されていなくても、任意で置換されていてもよく、
R
7は、H、C
1−C
6アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ビアリール、ヘテロアリールアリール、アリールヘテロアリールからなる群より選択され、置換基部分のそれぞれは、置換されていなくても、任意で置換されていてもよく、
R
11は、H、C1−C6アルキルからなる群より選択され、
第5位(L5−R5)における置換基は、オキサジアゾリル又はメチル-オキサジアソリルではない。
【0017】
本開示で使用されるとき、以下の用語は、特に示さない限り以下の意味を有する。
「アルキル」は、直鎖状又は分岐していてもよい脂肪族炭化水素基を意味しており、鎖中に、1から6個の炭素原子、より好ましくは1から4個の炭素原子を含む。適切なアルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルである。アルキルは、置換されていなくても、任意で同一又は異なる1以上の置換基により置換されても良く、それぞれの置換基は、独立して、F、Cl、Br、CF3、OCF3、OR9、SR9,SOH、SO2H、SO2N(H、C1−C4アルキル)、CHO、COO(H、C1−C4アルキル)、COH、C(O)N(H、C1−C4アルキル)、O(CH2)pN(CH3)2、及びNR9R10からなる群より選択される。
「アリール」は、6から14個の炭素原子、好ましくは6個から10個の炭素原子を含む芳香族単環系又は多環系を意味している。適切なアリールの例は、フェニル、ナフチルである。アリールは、置換されていなくても、任意で同一又は異なる1以上の置換基により置換されても良く、それぞれの置換基は、独立して、F、Cl、Br、CF3、OCF3、OR9、SR9、SOH、SO2H、SO2N(H、C1−C4アルキル)2、CHO、COO(H、C1−C4アルキル)、COH、C(O)N(H、C1−C4アルキル)、NR9R10、−(CR9R10)pR9a、O(CH2)pN(CH3)2、及び−(CR9R10)pOR9aからなる群より選択される。
「シクロアルキル」は、3から10個の炭素原子、好ましくは5から7個の炭素原子を含む脂肪族単環系又は2環式系を意味している。適切な例には、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、1−デカリニル、ノルボニル、アダマンチルが含まれる。シクロアルキルは、置換されなくても、、任意で同一又は異なる1以上の置換基により置換されていても良く、それぞれの置換基は、独立して、F、Cl、Br、CF3、OCF3、OR9、SR9、SOH、SO2H、SO2N(H、C1−C4アルキル)2、CHO、COO(H、C1−C4アルキル)、COH、C(O)N(H、C1−C4アルキル)、NR9R10、−(CR9R10)pR9a、O(CH2)pN(CH3)2、及び−(CR9R10)pOR9aからなる群より選択される。
「ヘテロシクリル」は、3から10個の炭素原子、好ましくは4から8個の炭素原子と、窒素、酸素、硫黄からなる群より選択される少なくとも1つのヘテロ原子とを含む脂肪族単環系又は2環式系を意味している。適切な例には、ピペラジニル、モルホリニルが含まれる。好ましくは、ヘテロシクリルは、Nヘテロ原子のみを含む2環式系ではない。ヘテロシクリルは、置換されていなくても、任意で同一又は異なる1以上の置換基により置換されていても良く、それぞれの置換基は、独立して、F、Cl、Br、CF3、OCF3、OR9、SR9、SOH、SO2H、SO2N(H、C1−C4アルキル)2、CHO、COO(H、C1−C4アルキル)、COH、C(O)N(H、C1−C4アルキル)、NR9R10、−(CR9R10)pR9a、O(CH2)pN(CH3)2、及び−(CR9R10)pOR9aからなる群より選択される。
「ヘテロアリール」は1から14個の炭素原子、好ましくは3から7個の炭素原子、最も好ましくは3から5個の炭素原子と、窒素、酸素及び硫黄からなる群より選択される少なくとも1つのヘテロ原子とを含む芳香族単環又は2環式系を意味している。適切なヘテロアリールの例は、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フラニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、イミダゾリルである。ヘテロアリールは、置換されていなくても、任意で同一又は異なる1以上の置換基により置換されていても良く、それぞれの置換基は、独立して、F、Cl、Br、CF3、OCF3、OR9、SR9、SOH、SO2H、SO2N(H、C1−C4アルキル)2、CHO、COO(H、C1−C4アルキル)、COH、C(O)N(H、C1−C4アルキル)、NR9R10、−(CR9R10)pR9a、O(CH2)pN(CH3)2、及び−(CR9R10)pOR9aからなる群より選択される。
「ビアリール」は、アリールのそれぞれが独立して上述したものである、アリール−アリール基を意味している。例はビフェニルである。
「ビ(ヘテロアリール)」は、ヘテロアリールのそれぞれが独立して上述したものである、ヘテロアリール−ヘテロアリール基を意味している。
「シクロアルキルアリール」は、シクロアルキル及びアリールが上述したものである、シクロアルキル−アリール基を意味している。
「ヘテロシクリルアリール」は、ヘテロシクリル及びアリールが上述したものである、ヘテロシクリル−アリール基を意味している。
「ヘテロアリールアリール」は、ヘテロアリール及びアリールが上述したものである、ヘテロアリール−アリール基を意味している。
「アリールヘテロアリール」は、アリール及びヘテロアリールが上述したものである、アリール−ヘテロアリール基を意味している。
「シクロアルキルヘテロアリール」は、ヘテロアリール及びシクロアルキルが上述したものである、シクロアルキル−ヘテロアリール基を意味している。
「ヘテロシクリルヘテロアリール」は、ヘテロシクリル及びヘテロアリールが上述したものである、ヘテロシクリル−ヘテロアリール基を意味している。
ここで、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ビアリール、ビ(ヘテロアリール)、シクロアルキルアリール、ヘテロシクリルアリール、ヘテロアリールアリール、アリールヘテロアリール、シクロアルキルヘテロアリール、及びヘテロシクリルヘテロアリールのそれぞれは、直接又はメチレン若しくはエチレンスペーサーを介して結合されてもよい。
pは、1から7、より好ましくは1から5、より一層好ましく1から3の範囲の整数である。
R9は、H又はC1−C6アルキルであり、置換されていない又は任意で−OH、−NH2、−N(CH3)2で置換されている。
R9aは、H又はC1−C6アルキルであり、置換されていない又は任意で−OH、−NH2、−N(CH3)2で置換されている。
R10は、H又はC1−C6アルキルであり、置換されていない又は任意で−OH、−NH2、−N(CH3)2で置換されている。
【0035】
好ましい実施態様では、R
5はアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアリール、ヘテロアリールアリール、アリールヘテロアリール、ヘテロシクリルヘテロアリールからなる群より選択され、置換基部分のそれぞれは、置換されていなくてもよく、又は、任意で、好ましくは、F、Cl、Br、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、OH、NH
2、N(CH
3)
2、O(CH
2)
pN(CH
3)
2からなる群より選択される少なくとも1つの置換基により置換されていてもよい。さらに好ましくは、R
5のヘテロアリールは、ピラゾリルである。
【0036】
好ましい実施態様では、L
5、L
7のいずれかは、NH結合からなる群より独立して選択される。
【0037】
別の好ましい実施態様では、L
2、L
6のいずれかは、化学結合である。
【0038】
さらに別の好ましい実施態様では、L
3は、化学結合又はOである。
【0039】
好ましい実施態様では、R
3は、アリール、ヘテロアリール、ビアリールからなる群より選択され、置換基部分のそれぞれは、置換されていなくてもよく、又は、任意で、好ましくは、F、Cl、Br、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、OH、NH
2、N(CH
3)
2、O(CH
2)
pN(CH
3)
2からなる群より選択される少なくとも1つの置換基により置換されていてもよい。さらに好ましくは、R
3におけるアリールは、フェニル、ナフチル(例えば、2-ナフチル)であり、かつ、R
3のビアリールは、ビフェニル(例えば、3-ビフェニル)である。
【0040】
好ましい実施態様では、R
6は、H、Cl、Br、F、OH、NH
2、又はメチルからなる群より選択される。
【0041】
好ましい実施態様では、R
2は、H、Cl、Br、F、OH、NH
2、又はメチルからなる群より選択される。
【0042】
好ましい実施態様では、R
7は、H、C
1−C
6アルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群より選択され、置換基部分のそれぞれは、置換されていなくてもよく、又は、任意で、好ましくは、F、Cl、Br、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、OH、NH
2、N(CH
3)
2、O(CH
2)
pN(CH
3)
2からなる群より選択される少なくとも1つの置換基により置換されていてもよい。
【0043】
好ましくは、R
3とR
7の少なくとも1つは、対応するL(例えば、それぞれL
3又はL
7)が化学結合であるとき、Hではない。
【0044】
好ましい実施態様では、−L
2−R
2、−L
6−R
6、−L
7−R
7は水素であり、−L
3−R
3は水素ではない。
【0045】
ある好ましい実施態様では、−L
2−R
2、−L
6−R
6、−L
7−R
7は水素であり、−L
3−R
3はアリール又はビアリール(任意で置換されている)であり、−L
5−R
5はヘテロアリール(任意で置換されている)である。
【0046】
好ましい実施態様では、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ビアリール、ビ(ヘテロアリール)、シクロアルキルアリール、ヘテロシクリルアリール、ヘテロアリールアリール、アリールヘテロアリール、シクロアルキルヘテロアリール、ヘテロシクリルヘテロアリールはのいずれかは、置換されていない、又は、NH
2、N(CH
3)
2、OH、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、及びtert−ブチルからなる群より選択される少なくとも1つの置換基により置換されている。
【0047】
別の好ましい実施態様では、−L
2−R
2、−L
3−R
3、−L
6−R
6、−L
7−R
7、−L
5−R
5のいずれかは、ヒドロキシ(C
1−C
6)アルキルアミノ、アミノ(C
1−C
6)アルキルアミノ、又はジメチルアミノ(C
1−C
6)アルキルアミノでありえる。
【0048】
薬理学的に許容される塩は、酸若しくは塩基の塩、又は酸付加塩である。酸及び塩基は、塩化水素、臭化水素、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、1級、2級及び3級アミド、アンモニアのような、製剤分野で一般に使用されている無機酸若しくは有機酸、及び塩基であり得る。
【0049】
一般に、本発明で記載されている化合物は、以下の反応スキーム1−6に記載された一般的な経路を通して調製され得る。
【0050】
6−クロロ−2−ヨードピリジン−3−オールとビニルボレートとのPd−触媒カップリングは、中間体1を提供し(スキーム1に示す)、その銅を介した閉環は、中間体2のフロピリジン系を提供する。続いて、中間体2と適当なC−求核試薬とのPd−触媒カップリングは、C−C結合を介して付加されたR
5置換基を有する化合物3を導く。
【0052】
代替として、中間体2をアミノ化の対象とし、スキーム2に示すアミン含有化合物4を生成してもよい。
【0054】
また、5−クロロフロ[3、2-b]ピリジンを、ヨウ素体5に変換し、これを臭素化して中間体6を生成してもよい(スキーム3)。続いて、化学選択的Pd−触媒カップリングにより、R
5及びR
3が異なるアリール又はヘテロアリールである、目的化合物3を提供する(スキーム3)。
【0056】
スキーム4に示すように、6−クロロ−2−ヨードピリジン−3−オールとトリメチルシリルアセチレンとの反応により、フルオロピリジン中間体8が得られ、これをPd−触媒カップリング(例えば、鈴木カップリング)の対象とし、続いてN−酸化した後、POCl
3で処理し、塩素化された中間体10を生成する。
【0058】
10として示すTMS基を、メタノール中でKFにより除去して中間体11を生成してもよく、これをPd−触媒C−C結合形成又はアミノ化の対象として、それぞれ、化合物12及び13を生成してもよい(スキーム5に示す)。
【0060】
スキーム6に示すように、6−クロロ-2−ヨードピリジン−3−オールをアリル化して中間体14を得てもよく、これを環化してフロピリジン中間体15としてもよく、Pd−触媒C−C結合形成又はアミノ化により、それぞれ、化合物16及び17を得てもよい。
【0062】
化合物16を、さらに一連のN−酸化−塩素化により処理し、塩素化された中間体18を得てもよく、これをPd−触媒C−C結合形成又はアミノ化の対象とし、それぞれ化合物19及び20を得てもよい。
【0064】
加えて、5−ブロモピリジン−3−オールのヨウ素化により中間体21を提供し、これを化合物22に変換してもよい。続いて、Pd-触媒カップリング及びその後のN−酸化及び位置特異的塩素化により、塩化物24を生成する(スキーム8)。
【0066】
中間体24を別のPd−触媒カップリングし、続いて、一連のN−酸化-塩素化、及び別のPd−触媒カップリングにより中間体26を提供する。TMS基の除去と、続く最後のPd-触媒カップリングにより、第7位と第5位とにそれぞれ置換基を有する目的の化合物27を提供する(スキーム9)。
【0068】
式(I)の化合物は、プロテインキナーゼインヒビターとして有用であり得、例えば癌、炎症及び関節炎のような増殖性疾患、、アルツハイマー病のような神経変性疾患、心血管系疾患、ウィルス性疾患及び真菌性疾患の治療及び予防に有用であり得る。ある好ましい実施態様では、プロテインキナーゼはGSK3ではない。別の好ましい実施態様では、プロテインキナーゼはCLK2、CLK4、HIPK1,HIPK2,HIPK3,FLT3,TRKA及びDYRK2から選択される。
【0069】
本発明は、従って、医薬として使用するための式(I)の化合物を提供する。より具体的には、本発明は、増殖性疾患、神経変性疾患、心血管疾患、疼痛、ウィルス性疾患及び真菌性疾患から選択される状態の治療及び予防において使用するための式(I)の化合物を提供する。
【0070】
本発明は、また、増殖性疾患、神経変性疾患、心血管疾患、疼痛、ウィルス性疾患及び真菌性疾患から選択される状態を、そのような状態に苦しめられている患者において、治療、抑制、寛解、又は予防する方法も提供し、当該方法は、前記患者に少なくとも1つの式(I)の化合物を投与する工程を含む。
【0071】
本発明は、さらに、少なくとも1つの式(I)の化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容される補助化合物とを含む医薬品組成物を含む。補助化合物は、例えば、担体、希釈剤、充填材、保存剤、安定化剤、結合剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤等を含んでいても良い。適切な補助化合物は、製剤の分野の当業者に良く知られている。医薬組成物は、例えば、混合、溶解等の公知の方法によって調製される。
【0072】
〔本発明が行う実施例〕
(合成実施例1)
【0074】
(PhO)
3P(2.09g;6.75mmol)の無水CH
2Cl
2(10mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、−60℃において、Br
2(0.380mL;7.38mmol)を滴下した。そして、トリエチルアミン(1.10mL;7.89mmol)と、2−アセトナフトン(1.03g;6.05mmol)無水CH
2Cl
2溶液(5mL)とを添加した。得られた反応混合物を、25℃まで加温しながらアルゴン下で18時間撹拌し、さらに2時間加熱還流した。次に、CH
2Cl
2と過剰なトリエチルアミンとBr
2とを留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(溶出剤:ヘキサン/CH
2Cl
2−2:1)。うすいオレンジ色の固体として生成物を得た(0.947g、67%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.07 (d, J = 1.55 Hz, 1H); 7.87-7.77 (m, 3H); 7.69-7.66 (m, 1H); 7.52‐7.46 (m, 2H); 6.25 (d, J = 2.10 Hz, 1H); 5.87 (d, J = 2.10 Hz, 1H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 135.9, 133.7, 133.2, 131.3, 128.8, 128.1, 127.8, 127.1, 126.9, 124.4, 118.2.
HRMS (APCI): 計算値C
12H
10Br [M+H]
+= 232.9960; 実測値[M+H]
+= 232.9958。
【0077】
無水トルエン(20mL)中の合成実施例1の臭化ビニル(0.947g;4.06mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.140g;4.49mmol)、PPh
3(0.066g、0.25mmol)、カリウムフェノレート(0.809g;6.12mmol)及びPdCl
2(PPh
3)
2(0.089g、0.13mmol)の混合物を、N
2下、50℃で24時間撹拌した。未精製混合物を25℃まで冷却し、水(100mL)を添加し、EtOAc(3×80mL)で抽出した。有機抽出層を食塩水(80mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、さらに、溶媒を留去した。得られた油を、シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶出溶媒:ヘキサン/CH
2Cl
2、2:1)、うすいオレンジ色の固体として生成物を得た(0.460g;40%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.94 (s, 1H); 7.84-7.75 (m, 3H); 7.61 (dd, J = 1.50 Hz, 8.54 Hz, 1H); 7.46‐7.38 (m, 2H); 6.20 (d, J = 2.29 Hz, 1H); 6.14 (d, J = 2.73 Hz, 1H); 1.35 (s, 12H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 139.1, 133.8, 132.9, 131.4, 128.5, 127.8, 127.7, 126.4, 126.0, 125.8, 84.1, 25.1.
HRMS (APCI): 計算値 C
18H
22BO
2 [M+H]
+= 281.1711; 実測値[M+H]
+= 281.1708。
【0080】
Ni(dppp)Cl
2(0.251g;0.46mmol)を含む、ヒートガン(heatgun)で乾燥した丸底フラスコに、N
2を流し、無水THF(24mL)を添加した後、DIBAL−H(ヘプタン中1.0M溶液;20mL;20mmol)を25℃で滴下した。混合物を0℃に冷却し、4−エチニルアニソール(2.0mL;15.4mmol)を5分以上かけてゆっくりと添加した。得られた黒い溶液を25℃まで加温し、さらに2時間撹拌した。ついで、2−メトキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボレート(7.6mL;46.4mmol)を0℃で滴下し、得られた反応混合物を、N
2下、80℃で15時間撹拌した。次に、0℃で水(50mL)を滴下して反応を停止し、25℃まで加温し、さらに1時間撹拌した。混合物を、酒石酸カリウムナトリウム(200mL)の飽和水溶液中に注ぎ、Et
2O(3×150mL)で抽出した。抽出物を食塩水(200mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、さらに、溶媒を留去した。得られた油を、シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶出液:ヘキサン/EtOAc−10:1)、うすい黄色の固体として生成物を得た(3.22g:80%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.45-7.41 (m, 2H); 6.87-6.82 (m, 2H); 5.99 (d, J = 2.65 Hz, 1H); 5.94 (d, J = 2.82 Hz, 1H); 3.79 (s, 3H); 1.31 (s, 12H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 159.1, 134.2, 129.2, 128.5, 113.9, 84.0, 77.5, 77.2, 77.0, 55.5, 25.0.
HRMS (APCI): 計算値 C
15H
22BO
3 [M+H]
+ = 260.1693; 実測値 [M+H]
+ = 260.1696。
【0081】
(合成実施例2C)
合成実施例2Bにおいて記載したものと本質的に同一の手順により、1-(tert-ブチル)-4−エチニルベンゼンを用いて、以下の化合物を合成した。
【0083】
白色固体
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.44 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.35 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.08 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.02 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 1.36 ‐ 1.30 (m, 21H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 150.0, 138.5, 130.2, 126.9, 125.2, 83.8, 34.6, 31.5, 25.0.
HRMS (APCI): 計算値 C
18H
27BO
2 [M+H]
+ = 286.2213; 実測値 [M+H]
+ = 286.2213。
【0086】
2−クロロ−5−ヒドロキシピリジン(6.0g、46.3mmol)の水(80mL)の溶液を攪拌しながら、Na
2CO
3(10.3g、97.3mmol)及びI
2(11.8g,46.3mmol)を添加した。得られた混合物を、N
2下で、2時間、25℃で撹拌した。次いで、HCl(1M、約50mL)によりpH=7まで中和し、EtOAc(3×110mL)で抽出した。有機抽出層を食塩水(150mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。うすい黄色の固体として生成物を得た(11.1g、94%)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 11.10 (s, 1H); 7.30 (d, J = 8.40 Hz, 1H); 7.18 (d, J = 8.40 Hz, 1H).
13C NMR (126 MHz, DMSO-d
6) δ 153.9, 138.1, 124.0, 123.9, 107.7.
HRMS (APCI): 計算値 C
5H
4ClINO [M+H]
+ = 255.9021; 実測値 [M+H]
+ = 255.9018。
【0089】
合成実施例2Aからのビニルボレート(0.460g;1.64mmol)、合成実施例3からのピリジンオール(0.349g;1.37mmol)、K
3PO
4(1.196g;5.64mmol)及びPdCl
2dppf(0.063g;0.068mmol)の混合物に、窒素下で、1,2−ジメトキシエタン(8mL)及び水(2mL)を添加した。得られた反応混合物を15時間還流させた。ついで、25℃まで冷却し、食塩水(80mL)中に注ぎ、CH
2Cl
2(3x60mL)で抽出した。有機抽出層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおいてカラムクロマトグラフィー(溶出液:CH
2Cl
2)により精製し、うすい黄色の固体として生成物を得た(0.105g;27%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.85-7.75 (m, 3H); 7.72 (d, J = 1.33 Hz, 1H); 7.52 (dd, J = 1.86 Hz, 8.57 Hz, 1H); 7.50-7.45 (m, 2H); 7.26-7.22 (m, 2H); 6.06 (s, 1H); 5.79 (s, 1H); 5.07 (s, 1H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 149.6, 145.6, 143.8, 142.3, 134.9, 133.7, 133.6, 129.1, 128.7, 127.9, 127.4, 127.0, 126.9, 126.8, 125.0, 124.5, 120.9。
【0090】
(合成実施例4B)
合成実施例4Aに記載した方法と本質的に同一の手順により、合成実施例2Aのビニルボレートの代わりに、1−フェニルビニルホウ酸ピナコールエステルを使用して、以下の化合物を合成した。
【0092】
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.39-7.31 (m, 5H); 7.23-7.18 (m, 2H); 5.93 (d, J = 0.73 Hz, 1H); 5.71 (d, J = 0.68 Hz, 1H); 5.00 (brs, 1H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 149.5, 145.5, 143.8, 142.2, 137.6, 129.3, 129.3, 127.3, 127.2, 125.0, 120.1.
HRMS (APCI): 計算値 C
13H
11ClNO [M+H]
+ = 232.0524; 実測値 [M+H]
+ = 232.0525。
【0093】
(合成実施例4C)
合成実施例4Aに記載されたものと本質的に同一の手順により、合成実施例2Bからのビニルボレートを用いて、以下の化合物を合成した。
【0095】
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.30-7.25 (m, 2H); 7.23-7.17 (m, 2H); 6.89-6.85 (m, 2H); 5.83 (d, J = 0.65 Hz, 1H); 5.59 (d, J = 0.52 Hz, 1H); 5.10 (brs, 1H); 3.80 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 160.6, 149.5, 145.8, 143.1, 142.1, 129.8, 128.6, 127.2, 124.9, 118.3, 114.7, 55.6.
HRMS (APCI): 計算値 C
14H
13ClNO
2 [M+H]
+ = 262.0629; 実測値 [M+H]
+ = 262.0631。
【0098】
合成実施例3の生成物(1.16g、4.53mmol)、合成実施例2Cの生成物(1.18g、4.12mmol)、K
3PO
4(3.5g,16.5mmol)、DMF(5.5mL)及びPdCl
2(dppf)(150mg、0.206mmol)を50mLの丸底フラスコに入れ、混合物を、N
2下、80℃で14時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/ヘキサン、4:1)により精製した。白色固体として生成物を得た(492mg、41%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.42 ‐ 7.37 (m, 2H), 7.32 ‐ 7.28 (m, 2H), 7.24 ‐ 7.20 (m, 2H), 5.92 (d, J= 0.8 Hz, 1H), 5.69 (d, J = 0.7 Hz, 1H), 5.04 (s, 1H), 1.32 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 152.5, 149.4, 145.5, 143.4, 142.0, 134.3, 127.1, 126.8, 126.2, 124.7, 119.3, 34.8, 31.4.
HRMS (APCI): 計算値 C
17H
18ClNO [M+H]
+ = 288.1150; 実測値 [M+H]
+ = 288.1148。
【0101】
2−(3,3−ジメチルブト−1−エン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(400mg、1.90mmol)、DMF(7mL)、K
3PO
4(1.2g、5.72mmol)、合成実施例3の生成物(584mg、2.28mmol)及びPdCl
2(dppf)(69mg,95μmol)を25mLの丸底フラスコに入れた。混合物を、窒素下、80℃で9時間撹拌した。次いで、追加のPdCl
2(dppf)(47mg、64μmol)を添加し、混合物をさらに、90℃で45時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(EtOAc/ヘキサンから;EtOAcに対して1:20)。一部安定した白色固体(40mg、10%)を生成物として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.22 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.62 (s, 1H), 5.35 (s, 1H), 5.15 (s, 1H), 1.20 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 153.4, 148.6, 147.7, 140.8, 125.8, 123.8, 116.0, 37.2, 29.6.
HRMS (APCI): 計算値 C
11H
14ClNO [M+H]
+ = 212.0837; 実測値 [M+H]
+ = 212.0835。
【0104】
無水N,N−ジメチルアセトアミド(15mL)中の、合成実施例4Aの生成物(0.105g;0.37mmol)、酢酸銅(I)(0.029g;0.24mmol)、8−ヒドロキシキノリン(0.037g;0.25mmol)、及びK
2CO
3(0.067g;0.48mmol)の混合物を、O
2下、140℃で18時間撹拌した。ついで、反応混合物を減圧下で濃縮した。残留油を水(50mL)に注ぎ、EtOAc(3x30mL)で抽出した。有機抽出物を食塩水(40mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/CH
2Cl
2−1:1)により精製し、薄色の固体生成物として生成物を得た(0.037g;36%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.67 (s, 1H); 8.23 (s, 1H); 8.01-7.93 (m, 2H); 7.90 (d, J = 8.53 Hz, 1H); 7.85-7.82 (m, 1H); 7.75 (d, J = 8.60 Hz, 1H); 7.53-7.45 (m, 2H); 7.29 (d, J = 8.59 Hz, 1H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 148.0, 147.3, 146.4, 146.0, 133.9, 133.2, 128.7, 128.7, 127.9, 127.3, 126.5, 126.4, 126.4, 124.9, 121.7, 121.3, 119.9.
HRMS (APCI): 計算値 C
17H
10 ClNO [M+H]
+ = 280.0524; 実測値 [M+H]
+ = 280.0526。
【0105】
(合成実施例5B)
合成実施例5Aに記載されたものと本質的に同一の手順により、合成実施例4Bの生成物を用いて、以下の化合物を合成した。
【0107】
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.12 (s, 1H); 8.04-7.99 (m, 2H); 7.73 (d, J = 8.61 Hz, 1H); 7.49-7.43 (m, 2H); 7.37-7.32 (m, 1H); 7.27 (d, J = 8.60 Hz, 1H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 147.9, 147.3, 146.1, 145.9, 129.9, 129.1, 128.2, 127.3, 121.8, 121.3, 119.8.
HRMS (APCI): 計算値 C
13H
9ClNO [M+H]
+ = 230.0367; 実測値 [M+H]
+ = 230.0365。
【0108】
(合成実施例5C)
合成実施例5Aに記載されたものと本質的に同一の手順により、合成実施例4Cの生成物を用いて、以下の化合物を合成した。
【0110】
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.05 (s, 1H); 7.97-7.93 (m, 2H); 7.71 (d, J = 8.59 Hz, 1H); 2.25 (d, J = 8.59 Hz, 1H); 7.01-6.97 (m, 2H); 3.84 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 159.7, 147.9, 147.1, 146.0, 145.2, 128.5, 122.4, 121.5, 121.2, 119.6, 114.6, 55.6.
HRMS (APCI): 計算値 C
14H
11ClNO
2 [M+H]
+ = 260.0473; 実測値 [M+H]
+ = 260.0469。
【0113】
合成実施例4Dの生成物(470mg、1.63mmol)、Cu(OAc)
2(1.48mg,0.816mmol)、キノリン-8-オール(118mg、0.816mmol)、K
2CO
3(248mg、1.79mmol)を、50mLの丸底フラスコに入れた。フラスコをO
2で満たした。ついで、N,N−ジメチルアセトアミド(4mL)を添加し、混合物を、140℃で75分間撹拌した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/ヘキサン;1:1)により精製した。オレンジ色の固体として生成物を得た(378mg、74%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.11 (s, 1H), 7.94 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.74 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 1.36 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 151.2, 147.8, 147.1, 146.0, 145.7, 127.0, 126.8, 126.0, 121.7, 121.1, 119.6, 34.8, 31.5.
HRMS (APCI): 計算値 C
17H
16ClNO [M+H]
+ = 286.0993; 実測値 [M+H]
+ = 286.0991。
【0114】
(合成実施例5E)
合成実施例5Dに記載されたものと本質的に同一の手順により、合成実施例4Eの生成物を用いて、以下の化合物を合成した。
【0116】
白色固体
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.63 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.17 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 1.48 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 147.7, 147.0, 145.8, 144.3, 131.0, 120.6, 118.8, 31.0, 29.6.
HRMS (APCI): 計算値[M+H]
+ = 210.0680; 実測値 [M+H]
+ = 210.0682。
【0119】
合成実施例5B(0.052g;0.23mmol)の生成物、1−メチルピラゾール−4−ホウ酸ピナコールエステル(0.059g;0.28mmol)、K
2PO
4(0.227g;1.07mmol)及びPdCl
2(dppf)(0.011g;0.015mmol)の混合物に、N
2下で1,2-ジメトキシエタン(2mL)及び水(0.5mL)を添加した。得られた反応混合物を18時間還流させた。次いで、25℃に冷却し、EtOAc(10mL)で希釈し、食塩水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x10mL)で抽出した。有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーで精製し(溶出液:CH
2Cl
2/EtOAc−2:1)、うすいオレンジの固体として生成物を得た(0.051g;81%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.17-8.13 (m, 2H); 8.09 (s, 1H); 7.99 (d, J = 5.58 Hz, 2H); 7.72 (d, J = 8.61 Hz, 1H); 7.50-7.7.44 (m, 2H); 7.42 (d, J = 8.60 Hz; 1H); 7.37-7.32 (m, 1H); 3.96 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 148.9, 147.7, 145.9, 145.2, 137.7, 131.0, 129.1, 128.9, 127.8, 127.3, 124.4, 121.7, 119.2, 115.8, 39.4.
HRMS (APCI): 計算値 C
17H
14N
3O [M+H]
+ = 276.1131; 実測値 [M+H]
+ = 276.1128。
【0122】
合成実施例5Bの生成物(0.311g;1.36mmol)、フェニルホウ酸ピナコールエステル(0.225g;1.85mmol)、K
3PO
4(1.20g;5.64mmol)及びPdCl
2・dppf(0.062g;0.084mmol)の混合物に、N
2下で1,2−ジメトキシエタン(8mL)及び水(2mL)を添加した。反応混合物を、N
2下で19時間還流させた。次いで、反応混合物を25℃まで冷却し、EtOAc(40mL)で希釈し、食塩水(50mL)中に注ぎ、EtOAc(3x40mL)で抽出した。有機抽出層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーで精製し(溶出液:ヘキサン/EtOAc−5:1)、うすい黄色のワックスとして生成物を得た(0.262g;71%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.26-8.19 (m, 2H); 8.17-8.10 (m, 3H); 7.83 (d, J = 8.66 Hz, 1H); 7.73 (d, J = 8.67 Hz, 1H); 7.54-7.46 (m, 4H); 7.45-7.33 (m, 2H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 154.3, 148.3, 146.1, 145.4, 140.0, 130.9, 129.0, 128.9, 128.8, 127.9, 127.4, 127.3, 122.0, 119.2, 116.8.
HRMS (APCI): 計算値 C
19H
14NO [M+H]
+ = 272.1070; 実測値 [M+H]
+ = 272.1074。
【0125】
合成実施例5B(0.078g:0.34mmol)の生成物、1−Boc−ピラゾール−4−ホウ酸ピナコールエステル(0.122g;0.42mmol)、K
3PO
4(0.282g、1.33mmol)及びパラジウム触媒PdCl
2・dppf(0.018g;0.024mmol)の混合物に、N
2下で1,2−ジメトキシエタン(2mL)及び水(0.5mL)を添加した。反応混合物を、N
2下で15時間還流させた。ついで、25℃まで冷却し、EtOAc(15mL)で希釈し、食塩水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x15mL)で抽出した。有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/EtOAc−2:1)で精製し、うすい黄色の固体として生成物を得た(0.047g:38%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 8.27 (s, 1H); 8.18-8.11 (m, 3H); 7.78 (d, J = 8.59 Hz, 1H); 7.53-7.44 (m, 3H); 7.40-7.32 (m, 1H); 1.68 (s, 9H)。
【0128】
合成実施例5B(0.88g;0.38mmol)の生成物、3−ピリジンホウ酸ピナコールエステル(0.098g;0.48mmol)、K
3PO
4(0.336g;1.58mmol)及びパラジウム触媒 PdCl
2・dppf(0.019g;0.026mmol)の混合物に、N
2下で1,2−ジメトキシエタン(2mL)及び水(0.5mL)を添加した。反応混合物を、N
2下で19時間還流させた。つぎに、混合物を25℃まで冷却し、EtOAc(15mL)で希釈し、食塩水(25ml)中に注ぎ、EtOAc(3x15mL)で抽出した。有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶出液:CH
2Cl
2/MeOH−15:1)、うすい褐色の固体として生成物を得た(0.087g;83%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 9.43 (brs, 1H); 8.73 (brs, 1H); 8.44 (d, J = 7.88 Hz, 1H); 8.23-8.15 (m, 3H); 7.87 (d, J = 8.57 Hz, 1H); 7.74 (d, J = 8.61 Hz, 1H); 7.53-7.34 (m, 4H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 151.5, 149.6, 148.7, 148.6, 146.6, 145.8, 1358,; 134.8, 130.6, 129.1, 128.1, 127.3, 124.2, 122.0, 119.5, 116.7.
HRMS (APCI): 計算値 C
18H
13N
2O [M+H]
+ = 273.1022; 実測値 [M+H]
+ = 273.1022。
【0131】
合成実施例5A(0.053g;0.19mmol)、1−メチルピラゾール−4−ホウ酸ピナコールエステル(0.048g;0.23mmol)、K
3PO
4(0.177g;0.83mmol)及びPdCl
2・dppf(0.010g;0.014mmol)の混合物に、N
2下で1,2−ジメトキシエタン(2mL)及び水(0.5mL)を添加した。反応混合物を19時間還流させた。ついで、反応混合物を25℃まで冷却し、EtOAc(10mL)で希釈し、食塩水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x10mL)で抽出した。有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーで精製し(溶出液:EtOAc/MeOH−20:1)、うすい黄色の固体として生成物を得た(0.049g;79%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.86 (s, 1H); 8.21 (s, 1H); 8.11-7.99 (m, 3H); 7.97-7.89 (m, 2H); 7.85 (d, J = 7.82 Hz, 1H); 7.76 (d, J = 8.26 Hz, 1H); 7.54-7.42 (m, 3H); 3.99 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 148.9, 147.8, 145.9, 145.6, 137.8, 133.9, 133.1, 129.2, 128.6, 128.5, 128.3, 128.0, 126.5, 126.2, 125.1, 124.4, 121.6, 119.4, 116.0, 39.5.
HRMS (APCI): 計算値 C
21H
16N
3O [M+H]
+ = 326.1288; 実測値 [M+H]
+ = 326.1284。
【0134】
tert−ブチル 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシレート(77mg、0.26mmol)、合成実施例5Aの生成物(61mg、0.22mmol)、K
3PO
4(180mg、0.85mmol)、1,2−ジメトキシエタン(2mL)、H
2O(0.5mL)及びPdCl
2(dppf)(1.8mg、0.008mmol)を、25mLの丸底フラスコに入れた。この混合物を、N
2下で18時間還流させ、ついでNH
4Cl(15mL)の飽和水溶液を添加し、混合物を、EtOAc(10mL)、ついでCH
2Cl
2(2x20mL)により抽出した。有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルににおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し(EtOAc/ヘキサン 5:4)、うすい黄色の固体として生成物を得た(47mg,69%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.94 (s, 1H), 8.32 ‐ 8.20 (m, 3H), 8.11 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 8.00 ‐ 7.91 (m, 2H), 7.87 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.56 ‐ 7.47 (m, 3H).
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 13.04 (b, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.95 (s, 1H), 8.52 ‐ 8.20 (m, 3H), 8.14 ‐ 7.99 (m, 3H), 7.99 ‐ 7.90 (m, 1H), 7.78 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.63 ‐ 7.49 (m, 2H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 148.6, 147.8, 146.0, 145.5, 133.8, 133.0, 128.5, 128.4, 128.2, 127.9, 126.4, 126.1, 124.9, 121.5, 119.2, 116.1.
HRMS (APCI): 計算値 C
20H
13N
3O [M+H]
+ = 312.1131; 実測値 [M+H]
+ = 312.1129。
【0137】
1−イソプロピル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(41mg、0.17mmol)、合成実施例5Aの生成物(40mg、0.14mmol)、K
3PO
4(91mg、0.43mmol)、1,2−ジメトキシエタン(2mL)、H
2O(0.5mL)及びPdCl
2(dppf)(3.1mg、4.3μmol)を25mLの丸底フラスコに入れ、この混合物をN
2下で2時間還流させた。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し(EtOAc/ヘキサン;1:1)、うすい黄色のワックスとして生成物を得た(40mg,79%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.91 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.13 ‐ 8.07 (m, 3H), 7.98 ‐ 7.92 (m, 2H), 7.87 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.55 ‐ 7.47 (m, 3H), 4.60 (sep, J= 13.4, 6.7 Hz, 1H), 1.62 (s, 3H), 1.60 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 149.1, 147.6, 145.9, 145.3, 137.3, 133.8, 133.0, 128.4, 128.4, 128.3, 127.8, 126.3, 126.0, 125.4, 125.0, 123.6, 121.5, 119.2, 115.8, 54.2, 23.1.
HRMS (APCI): 計算値 C
23H
19N
3O [M+H]
+ = 354.1601; 実測値 [M+H]
+ = 354.1596。
【0140】
tert−ブチル 3,5-ジメチル-4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシレート(55mg、0.17mmol)、合成実施例5Aの生成物(40mg、0.14mmol),K
3PO
4(91mg、0.43mmol)、1,2−ジメトキシエタン(2mL)、H
2O(0.5mL)及びPdCl2(dppf)(3.1mg、4.3μmol)を25mLの丸底フラスコにいれ、この混合物を、N
2下で24時間還流させた。次いで、追加のtert−ブチル 3,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシレート(30mg、0.09mmol)及びPdCl
2(dppf)(4mg、5.4μmol)を添加し、混合物を、N
2下でさらに24時間還流させた。溶媒を留去し、残留物をシリカゲル上に載せ、カラムクロマトグラフィー(EtOAC/MeOH;30:1)により精製し、次いで、再度クロマトグラフした(EtOAC/ヘキサン;1:1)。これにより得られた材料を分取TLC(EtOAC/ヘキサン;1:1)によって精製し、次いで、もう1つの分取TLC(CH
2CL
2/MeOH;15:1)により精製した。無色のワックスとして生成物を得た(7.2mg、29%収率)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 8.99 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.06 (dd, J= 8.6, 1.6 Hz, 1H), 7.99 ‐ 7.79 (m, 4H), 7.57 ‐ 7.43 (m, 2H), 7.39 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 2.62 (s, 6H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 150.4, 147.0, 145.8, 145.3, 144.7, 143.4, 133.8, 132.9, 128.4, 128.3, 128.2, 127.8, 126.4, 126.3, 126.0, 124.7, 121.6, 118.9, 118.8, 118.1, 12.9, 12.3.
HRMS (APCI): 計算値 C
22H
17N
3O [M+H]
+ = 340.1444; 実測値[M+H]
+ = 340.1441。
【0143】
(1,3,5−トリメチル−1H-ピラゾール−4−イル)ホウ酸(33mg、0.21mmol)、合成実施例5Aの生成物(50mg、0.18mmol)、K
3PO
4(133mg、0.63mmol)、1,2−ジメトキシエタン(2.4mL)、H
2O(0.6mL)及びPdCl2(dppf)(6.5mg、8.9μmol)を10mLの丸底フラスコにいれ、この混合物を、N
2下で18時間還流させた。追加のPdCl
2(dppf)(4mg、5.4μmol)及びK
3PO
4(118mg、0.56mmol)を添加し、混合物をさらに12時間還流させた。ついで、別のPdCl
2(dppf)(4mg、5.4μmol)を添加し、この混合物をさらに10時間還流させた。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルに載せてカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン;1:1から2:1まで)により精製し、ついで分取TLC(CH
2Cl
2/MeOH;15:1)により精製し、無色のワックスとして生成物を得た(5mg,8%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.99 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.06 (dd, J= 8.5, 1.7 Hz, 1H), 7.94 ‐ 7.88 (m, 2H), 7.88 ‐ 7.82 (m, 2H), 7.54 ‐ 7.44 (m, 2H), 7.35 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 2.59 (s, 3H), 2.51 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 150.7, 147.0, 145.9, 145.8, 145.3, 138.1, 133.9, 132.9, 128.4, 128.3, 128.2, 127.8, 126.4, 126.3, 126.0, 124.7, 121.6, 119.2, 118.9, 118.8, 36.1, 13.7, 11.2.
HRMS (APCI): 計算値 C
23H
19N
3O [M+H]
+ = 354.1601; 実測値 M+H]
+ = 354.1599。
【0146】
5−チアゾールホウ酸 MIDAエステル(69mg、0.29mmol)、合成実施例5Aの生成物(62mg、0.22mmol)、K
3PO
4(165mg,0.78mmol)、1,2−ジメトキシエタン(2mL)、H
2O(0.5mL)及びPdCl
2(dppf)(8.1mg,11μmol)の混合物を、60℃、N
2下で2時間、ついで、80℃で7時間撹拌した。追加のPdCl
2(dppf)(4mg、5.4μmol)を添加し、混合物を27時間還流させた。ついで、追加のPdCl
2(PPh
3)
2(4mg、5.7μmol)を添加し、混合物をさらに24時間還流させた。ついで、追加のPd(PPh
3)
4(5mg、4.3μmol)とチアゾールホウ酸MIDAエステル(20mg、0.083mmol)とを添加し、混合物をさらに24時間還流させた。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルに載せ、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:2から1:1)により精製し、次いで分取TLC(EtOAc/ヘキサン1:1)により精製した。うすい黄色の固体として生成物を得た(7mg、10%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 8.98 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.07 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H), 8.03 ‐ 7.84 (m, 4H), 7.74 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.58 ‐ 7.48 (m, 2H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 154.4, 148.4, 147.0, 146.3, 146.1, 141.4, 139.7, 133.8, 133.0, 128.6, 128.5, 127.8, 127.7, 126.5, 126.5, 126.3, 124.6, 121.4, 119.5, 116.0.
HRMS (APCI): 計算値 C
20H
12N
2OS [M+H]
+ = 329.0743; 実測値 [M+H]
+ = 329.0747。
【0149】
(S)−1−[(Rp)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン(0.013g;0.023mmol)及びPd(OAc)
2(0.007g、0.030mmol)の無水1,2−ジメトキシエタン(2mL)溶液を調製してすぐに、合成実施例5B(0.053g;0.23mmol)の生成物、t−BuOK(0.036g,0.32mmol)及び3−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)アニリン(0.064g;0.29mmol)をこの溶液に添加し、得られた混合物をN
2下、100℃で16時間撹拌した。ついで、混合物を25℃まで冷却し、EtOAc(10mL)で希釈し、食塩水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x10mL)で抽出した。有機抽出物をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶出液:CH
2Cl
2/7N NH
3−30:1)、濃いオレンジ色の半固体として生成物を得た(0.079g;83%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.05-8.02 (m, 2H); 7.99 (s, 1H); 7.59 (d, J = 8.93 Hz, 1H); 7.44-7.39 (m, 2H); 7.33-7.27 (m, 2H); 6.91-6.81 (m, 2H); 6.70 (d, J = 8.94 Hz, 1H); 6.49 (brs, 1H); 3.80 (s, 3H); 3.10 (s, 4H); 2.68 (s, 4H); 2.38 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 154.0, 153.1, 144.6, 143.7, 137.3, 136.6, 131.3, 128.9, 127.6, 127.2, 121.5, 121.0, 118.9, 112.3, 106.5, 104.8, 55.8, 55.6, 50.9, 46.2.
HRMS (APCI): 計算値 C
25H
27N
4O
2[M+H]
+ = 415.2129; 実測値 [M+H]
+ = 415.2129。
【0152】
(S)−1−[(Rp)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン(0.007g;0.012mmol)及びPd(OAc)
2(0.004g;0.018mmol)の無水1,2−ジメトキシエタン(2mL)溶液を調製してすぐに、合成実施例5Bの生成物(0.067g;0.29mmol)、t−BuOK(0.041g;0.43mmol)及び4−モルホリノアニリン(0.062g;0.35mmol)をこの溶液に添加し、得られた混合物をN
2下、100℃で14時間撹拌した。ついで、混合物を25℃まで冷却し、EtOAc(10mL)で希釈し、食塩水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x10mL)で抽出した。有機抽出物をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(溶出液:CH
2Cl
2/MeOH−50:1)により精製し、オレンジ色の固体として生成物を得た(0.062g、58%)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.92 (s, 1H); 8.59 (s, 1H); 8.25-8.20 (m, 2H); 7.84 (d, J = 9.01 Hz, 1H); 7.72-7.66 (m, 2H); 7.54-7.47 (m, 2H); 7.38-7.31 (m, 1H); 6.98-6.91 (m, 2H); 6.79 (d, J = 9.04 Hz, 1H); 3.78-3.72 (m, 4H); 3.08-3.03 (m, 4H).
13C NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ 153.6, 145.3, 145.0, 143.0, 141.6, 134.6, 131.0, 128.5, 127.0, 126.2, 121.0, 119.7, 118.9, 115.8, 107.7, 66.1, 49.4.
HRMS (APCI): 計算値 C
23H
22N
3O
2[M+H]
+ = 372.1707; 実測値 [M+H]
+ = 372.1704。
【0155】
(S)−1−[(Rp)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン(0.008g;0.014mmol)及びPd(OAc)
2(0.010g;0.042mmol)の無水1,2−ジメトキシエタン溶液を調製してすぐに、この溶液に、合成実施例5Bの生成物(0.061g;0.26mmol)、t−BuOK(0.038g;0.40mmol)及び4-(4-メチル-1-ピペラジニル)アニリン(0.057g;0.30mmol)を添加し、得られた混合物を、100℃で19時間、N
2下で撹拌した。ついで、混合物を25℃まで冷却し、EtOAcで希釈し(15mL)、食塩水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x15mL)で抽出した。有機抽出物を、MgSO
4を通して乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶出液:CH
2Cl
2/7N NH
3のMeOH溶液−15:1)、薄茶色固形物として生成物を得た(0.069g;68%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.08-8.04 (m, 2H); 7.99 (s, 1H); 7.56 (d, J = 8.96 Hz, 1H); 7.46-7.41 (m, 2H); 7.37-7.28 (m, 3H); 6.93 (d, J = 5.55 Hz, 2H); 6.66 (d, J = 8.61 Hz, 1H); 6.41 (brs, 1H); 3.18 (brs, 4H); 2.63-2.57 (m, 4H); 2.36 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 147.8, 144.5, 143.8, 134.0, 131.3, 128.9, 127.5, 127.2, 122.8, 122.7, 121.3, 120.9, 117.5, 105.4, 55.4, 50.0, 46.3.
HRMS (APCI): 計算値 C
24H
25N
4O [M+H]
+ = 385.2023; 実測値 [M+H]
+ = 385.2030。
【0158】
(S)−1−[(Rp)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン(0.009g;0.016mmol)及びPd(OAc)
2(0.015g、0.068mmol)の無水1,2−ジメトキシエタン(2mL)溶液を調製してすぐに、この溶液に、合成実施例5Bの生成物(0.054g:0.23mmol)、t−BuOK(0.033g,0.34mmol)及び4−アミノピリジン(0.024g、0.26mmol)を添加し、得られた混合物を、N
2下、100℃で14時間撹拌した。ついで、混合物を25℃まで冷却し、EtOAc(10mL)で希釈し、食塩水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x10mL)で抽出した。有機抽出物をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製され(溶出液:CH
2Cl
2/7N NH
3のMeOH溶液−10:1)、うすい黄色の固体(0.034g;50%)として生成物を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.71 (s, 1H); 8.71 (s, 1H); 8.35 (d, J = 5.44 Hz, 2H); 8.19 (d, J = 7.31, 2H); 8.02 (d, J = 8.93 Hz, 1H); 7.77 (d, J = 5.66 Hz, 2H); 7.58-7.50 (m, 3H); 7.41-7.35 (m, 1H); 6.98 (d, J = 8.94 Hz, 1H).
13C NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ 152.0, 149.7, 147.8, 145.9, 143.8, 141.8, 130.5, 128.6, 127.3, 126.3, 121.5, 120.0, 111.3, 109.2.
HRMS (APCI): 計算値 C
18H
14N
3O [M+H]
+ = 288.1131; 実測値 [M+H]
+ = 288.1131。
【0161】
(S)−1−[(Rp)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン(0.011g;0.020mmol)及びパラジウム触媒 Pd(OAc)
2(0.008g、0.033mmol)の無水1,2−ジメトキシエタン溶液を調製してすぐに、合成実施例5Bの生成物(0.053g;0.23mmol)、t−BuOK(0.032g;0.34mmol)及びアニリン(0.025mL;0.27mmol)を添加し、得られた混合物をN
2下、100℃で15時間撹拌した。混合物を25℃まで冷却し、EtOAc(10ml)により希釈し、食塩水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x10mL)で抽出した。有機抽出物をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶出液:ヘキサン/EtOAc−5:1)、褐色様の半固体(0.050g;76%)として生成物を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.08-8.04 (m, 2H); 8.02 (s, 1H); 7.64 (d, J = 8.96 Hz, 1H); 7.49-7.43 (m, 4H); 7.37-7.29 (m, 3H); 7.07-7.00 (m, 1H); 6.81 (d, J = 8.96 Hz, 1H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 153.4, 144.8, 144.7, 141.2, 130.9, 129.4, 129.0, 127.8, 127.2, 122.7, 121.3, 119.9, 106.5.
HRMS (APCI): 計算値 C
19H
15N
2O [M+H]
+ = 287.1179; 実測値 [M+H]
+ = 287.1180。
【0164】
合成実施例5Bの生成物(0.045g;0.20mmol)、(R)-BINAP(0.017g;0.027mmol)、Pd
2(dba)
3(0.014g;0.015mmol)及びt-BuOK(0.033g;0.29mmol)の無水トルエン溶液に、N,N−ジメチルエチレンジアミン(0.022mL;0.20mmol)を加え、得られた混合物を、N
2下、80℃で20時間撹拌した。ついで、混合物を25℃に冷却し、EtOAc(10mL)により希釈し、水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x10mL)で抽出した。有機抽出物を食塩水(15mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物を分取TLCにより精製し(溶出液:CH
2Cl
2/7N NH
3 MEOH溶液−17:1)、オレンジ色のワックスとして生成物を得た(0.024g:43%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.13-8.08 (m, 2H); 7.96 (s, 1H); 7.51 (d, J = 8.93 Hz, 1H); 7.45-7.39 (m, 2H); 7.32-7.26 (m, 1H); 6.39 (d, J = 8.93 Hz, 1H); 5.04-4.95 (m, 1H); 3.50 (dd, J = 5.71 Hz, 11.41 Hz, 2H); 2.60 (t, J = 6.06 Hz, 2H); 2.29 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 156.9, 143.9, 143.8, 143.5, 131.7, 128.8, 127.3, 127.0, 121.1, 120.7, 105.4, 58.6, 45.6, 40.1.
HRMS (APCI): 計算値 C
17H
20N
3O [M+H]
+ = 282.1601; 実測値 [M+H]
+ = 282.1600。
【0167】
(S)−1−[(Rp)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン(0.011g;0.023mmol)及びPd(OAc)
2(0.007g,0.030mmol)の無水1,2−ジメトキシエタン溶液(2mL)の調製直後に、合成実施例5C(0.054g;0.22mmol)の生成物、t-BuONa(0.030g,0.31mmol)及び3−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)アニリン(0.056g;0.25mmol)を添加し、得られた混合物を、N
2下、100℃で18時間撹拌した。混合物を25℃に冷却し、EtOAc(10mL)で希釈し、食塩水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x10mL)で抽出した。有機抽出物をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルにおけるクロマトグラフィーで精製し(溶出液:CH
2Cl
2/7N NH
3メタノール溶液−17:1)、うすいオレンジ色の発泡体として生成物を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.99-7.95 (m, 2H); 7.91 (s, 1H); 7.56 (d, J = 8.92 Hz, 1H); 7.27-7.22 (m, 1H); 6.91-6.81 (m, 2H); 6.68 (d, J = 8.93 Hz, 1H); 6.50 (brs, 1H); 3.83 (s, 3H); 3.80 (s, 3H); 3.08 (brs, 4H); 2.64 (brs, 4H); 2.36 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 159.2, 153.9, 153.1, 144.4, 143.7, 137.3, 136.6, 128.4, 123.8, 121.1, 120.9, 118.8, 114.3, 112.3, 106.3, 104.8, 55.7, 55.6, 55.5, 51.1, 46.3.
HRMS (APCI): 計算値 C
26H
29N
4O
3[M+H]
+ = 445.2234; 実測値 [M+H]
+ = 445.2235。
【0170】
合成実施例6C(0.049g;0.14mmol)の生成物のエタノール(2mL)溶液に、撹拌下で、HCl水溶液(3M;0.9mL;2.7mmol)を添加し、得られた混合物を、N
2下、60℃で8時間撹拌した。ついで、エタノール及びHClを留去し、油状の残留物を、CH
2Cl
2(2mL)、MeOH(1mL)及びNa
2CO
3(200mg)と混合し、混合物を25℃で撹拌した。20分後、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーで精製し(溶出液:CH
2Cl
2/7N NH
3MeOH溶液−10:1)、うすい黄色の固体として生成物を得た(0.026g:75%)。
1H NMR (500 MHz, CD
3OD) δ 8.36 (s, 1H); 8.31-8.08 (m, 4H); 7.85 (d, J = 8.64 Hz, 1H); 7.63 (d, J = 8.64 Hz, 1H); 7.49-7.44 (m, 2H); 7.36-7.31 (m, 1H).
13C NMR (126 MHz, CD
3OD) δ 150.2, 149.0, 147.1, 146.8, 138.6, 132.2, 129.7, 128.6, 128.1, 122.5, 120.3, 117.2.
HRMS (APCI): 計算値 C
16H
12N
3O [M+H]
+ = 262.0975; 実測値 [M+H]
+= 262.0976。
【0173】
合成実施例3の生成物(4.5g;17.62mmol)を250mLの丸底フラスコに入れた。TEA(32mL)及び1,4−ジオキサン(32mL)を添加し、混合物をN
2で浄化した。エチニルトリメチルシラン(2.25g;2.29mmol),CuI(0.168g:0.881mmol)及びPdCl
2(PPh
3)
2(0.247mg、0.352mmol)を添加し、混合物を、N
2下、45℃で2.5時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン/EtOAc:15:1から10:1)、オレンジ色の固体として生成物を得た(2.9g;収率73%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.67 (dd, J = 0.85 Hz, 8.56 Hz, 1H); 7.17 (d, J = 8.56 Hz, 1H); 7.03 (d, J = 0.84 Hz, 1H); 0.35 (m, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 170.8, 149.9, 148.5, 146.7, 120.7, 119.1, 116.8, -1.9.
HRMS (APCI): 計算値 C
10H
13ClNOSi [M+H]
+ = 226.0449; 実測値 [M+H]
+ = 226.0446。
【0176】
合成実施例10の生成物(1.013g;4.49mmol)のメタノール溶液(20mL)に、KF(0.803g;13.82mmol)を添加し、得られた混合物を、N
2下、60℃で15時間撹拌した。つぎに、混合物を25℃まで冷却し、HCl水溶液(00.1M;100mL)中に注ぎ、EtOAc(3x60mL)で抽出した。有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにて精製し(溶出液:ヘキサン/EtOAc−10:1)、薄黄色の固体として生成物を得た(0.579g;84%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.84 (d, J = 2.28 Hz, 1H); 7.70 (dd, J = 0.84 Hz, 8.60 Hz, 1H); 7.21 (d, J = 8.60 Hz, 1H); 6.90 (dd, J = 0.84 Hz, 2.26 Hz, 1H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 150.3, 147.6, 147.2, 146.9, 121.1, 119.5, 108.1.
HRMS (APCI): 計算値 C
7H
5ClNO [M+H]
+ = 154.0054; 実測値 [M+H]
+ = 154.0055。
【0179】
合成実施例11の生成物(0.201g;0.89mmol)、1−Boc−ピラゾール−4−ホウ酸ピナコールエステル(0.0317g;1.07mmol)、K
3PO
4(0.781g;3.68mmol)及びPdCl
2dppf(0.039g;0.053mmol)の混合物に、N
2下で、1,2−ジメトキシエタン(4mL)及び水(1mL)を添加した。反応混合物を19時間還流させた。ついで、混合物を25℃に冷却し、EtOAc(20mL)で希釈し、食塩水(30mL)中に注ぎ、EtOAc(3x20mL)で抽出した。有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ
、濾過し、溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(溶出液:CH
2Cl
2/MeOH−15:1)。そのようにして得た固体を、さらに分取TLCにより精製し(溶出液:CH
2Cl
2/MeOH−15:1)、薄黄色の結晶生成物を得た(0.080g;49%)。
1H NMR (500 MHz, CD
3OD) δ 8.17 (s, 2H); 8.04 (d, J = 2.28 Hz, 1H); 7.89 (dd, J = 0.83 Hz, 8.64 Hz, 1H); 7.62 (d, J = 8.65 Hz, 1H); 6.96 (dd, J = 0.85 Hz, 2.26 Hz, 1H); 4.86 (brs, 1H).
13C NMR (126 MHz, CD
3OD) δ 151.4, 150.1, 148.2, 148.1, 133.4, 123.8, 120.9, 117.7, 108.2.
HRMS (APCI): 計算値 C
10H
8N
3O [M+H]
+ = 186.0662; 実測値 [M+H]
+= 186.0659。
【0182】
合成実施例11(0.052g;0.34mmol)の生成物、1−メチルピラゾール−4−ホウ酸ピナコールエステル(0.092g;0.44mmol)、K
3PO
4(0.308g;1.45mmol)及びPdCl2・dppf(0.017g;0.023mmol)の混合物に、N
2下で、1,2−ジメトキシエタン(2mL)及び水(0.5mL)を添加した。反応混合物を14時間還流させた。ついで、混合物を25℃まで冷却し、EtOAc(15mL)で希釈し、食塩水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x15mL)で抽出した。有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し、褐色の固体として生成物を得た(0.045g;66%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.94 (s, 2H); 7.80 (d, J = 2.21 Hz, 1H); 7.72 (d, J = 8.53 Hz, 1H); 7.39 (d, J = 8.59 Hz, 1H); 6.95 (d, J = 1.64 Hz, 1H); 3.94 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 149.3, 149.0, 147.5, 146.7, 137.7, 128.9, 124.1, 119.2, 116.0, 108.3, 39.4.
HRMS (APCI): 計算値 C
11H
10N
3O [M+H]
+ = 200.0818; 実測値 [M+H]
+ = 200.0817。
【0185】
合成実施例10の生成物(1.62g;7.16mmol)、フェニルホウ酸(1.13g;9.26mmol)、トリエチルアミン(10mL;71.8mmol)及びPdCl
2dppf(0.160g;0.22mmol)の混合物に、N
2下で、1,2−ジメトキシエタン(12mL)及び水(3mL)を添加した。反応混合物を20時間還流させた。その後、混合物を25℃まで冷却し、EtOAc(70mL)で希釈し、食塩水(90mL)中に注ぎ、EtOAc(3x70mL)で抽出した。有機抽出物を、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶出液:CH
2Cl
2/MeOH−15:1)、薄黄色の固体として生成物を得た(1.61g;84%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.01-7.96 (m, 2H); 7.78 (dd, J = 0.93 Hz, 8.61 Hz, 1H); 7.61 (d, J = 8.62 Hz, 1H); 7.49-7.43 (m, 2H); 7.41-7.35 (m, 1H); 7.20 (d, J = 0.81 Hz, 1H); 0.39-0.39 (m, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 169.5, 154.3, 150.3, 148.6, 140.3, 128.9, 128.6, 127.5, 118.7, 117.6, 116.9, -1.8.
HRMS (APCI): 計算値 C
16H
18NOSi [M+H]
+ = 268.1152; 実測値 [M+H]
+ = 268.1153。
【0188】
合成実施例13(1.61g、6.02mmol)の生成物の無水CH
2Cl
2(20mL)溶液に、撹拌下、MCPBA(1.88g,10.9mmol)を添加し、得られた混合物を、N
2下、25℃で72時間撹拌した。ついで、混合物を、飽和NaHCO
3(110mL)溶液中に注ぎ、CH
2Cl
2(3x60mL)で抽出した。有機抽出物を食塩水(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶出液:CH
2Cl
2/MeOH−12:1)、薄黄色の固体として生成物を得た(1.60g;94%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.86-7.80 (m, 2H); 7.50-7.39 (m, 5H); 7.30 (d, J = 8.58 Hz, 1H); 0.38-0.36 (m, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 169.0, 153.2, 144.7, 139.6, 133.1, 129.8, 129.4, 128.5, 122.2, 112.0, 110.4, -1.9.
HRMS (APCI): 計算値 C
16H
17NO
2Si [2M+H]
+ = 567.213; 実測値 [2M+H]
+ = 567.2134。
【0191】
合成実施例14(0.575g、2.03mmol)の生成物のCH
2Cl
2(10mL)溶液に、撹拌下、POCl
3(3.4ml;36.5mmol)を添加し、得られた混合物を、N
2下で1時間還流させた。ついで、減圧下でCHCl
3及びPOCl
3を留去した。濃色の油状の残留物を、CH
2Cl
2(50mL)で希釈し、飽和NaHCO
3(200mL)水溶液中に注ぎ、CH
2Cl
2(3x70mL)で抽出した。有機抽出物を、水(50mL)、食塩水(80mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーで精製し(溶出液:ヘキサン/CH
2Cl
2−1:1)、無色のワックスとして生成物を得た(0.339g;55%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.99-7.94 (m, 2H); 7.63 (s, 1H); 7.49-7.44 (m, 2H); 7.42-7.37 (m, 1H); 7.20 (s, 1H); 0.41-0.38 (m, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 170.6, 155.4, 149.8, 146.8, 139.3, 129.1, 129.0, 127.4, 126.5, 118.1, 117.3, -1.8.
HRMS (APCI): 計算値 C
16H
16ClNOSi [M+H]
+ = 302.0762; 実測値 [M+H]
+ = 302.0764。
【0194】
合成実施例15の生成物(1.11g;3.68mmol)のメタノール(10mL)溶液に、KF(0.646g;11.1mmol)を添加し、得られた混合物を、N
2下、60℃で20時間撹拌した。ついで、混合物を25℃まで冷却し、HClの水溶液(0.1M;40mL)中に注ぎ、EtOAc(3x30mL)で抽出した。有機抽出物を食塩水(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーで精製し(溶出液:CH
2Cl
2/MeOH−20:1)、白色固体として生成物を得た(0.796g;94%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.99-7.95 (m, 2H); 7.90 (d, J = 2.18 Hz, 1H); 7.68 (s, 1H); 7.51-7.44 (m, 2H); 7.43-7.39 (m, 1H); 7.09 (d, J = 2.15 Hz, 1H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 155.8, 150.2, 148.8, 144.0, 138.8, 129.4, 129.1, 127.5, 127.0, 117.6, 109.2.
HRMS (APCI): 計算値 C
13H
9ClNO [M+H]
+ = 230.0367; 実測値 [M+H]
+ = 230.0365。
【0197】
合成実施例16の生成物(0.103g;0.45mmol)、(R)-BINAP(0.016g;0.026mmol)、Pd(dba)
2(0.017g;0.030mmol)及びt−BuOK(0.078g;0.69mmol)の無水トルエン(3mL)溶液に、3−ピコリルアミン(0.05mL;0.49mmol)を添加し、得られた混合物を、N
2下、80℃で17時間撹拌した。次いで、混合物を25℃まで冷却し、EtOAc(10mL)で希釈し、水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x10mL)で抽出した。有機抽出物を食塩水(15mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーで精製し(溶出液:CH
2Cl
2/MeOH−10:1)、オレンジ色の発泡体として生成物を得た(0.056g;42%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.62 (d, J = 59.05 Hz, 2H); 7.84 (d, J = 7.29 Hz, 2H); 7.75-7.66 (m, 2H); 7.44-7.25 (m, 4H); 6.96 (d, J = 2.02 Hz, 1H); 6.81 (s, 1H); 5.09 (brs, 1H); 4.63 (d, J = 5.71 Hz, 2H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 156.5, 149.5, 149.3, 147.5, 146.7, 140.8, 139.4, 136.8, 135.2, 133.7, 128.8, 128.6, 127.5, 124.0, 109.1, 99.6, 45.0.
HRMS (APCI): 計算値 C
19H
16N
3O [M+H]
+ = 302.1288; 実測値 [M+H]
+ = 302.1285。
【0200】
合成実施例16(0.207g;0.90mmol)の生成物、(R)-BINAP(0.035g;0.056mmol)、Pd(dba)
2(0.050g;0.087mmol)及びt−BuOK(0.146g;1.30mmol)の無水トルエン(3mL)溶液に、ベンジルアミン(0.120mL;1.10mmol)を添加し、得られた混合物を、N
2下、80℃で17時間撹拌した。ついで、混合物を25℃まで冷却し、EtOAc(10mL)で希釈し、水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x10mL)で抽出した。有機抽出物を食塩水(15mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶出液:CH2Cl2/MeOH−20:1)、褐色様の発泡体として生成物を得た(0.233g;86%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.90-7.85 (m, 2H); 7.69 (d, J = 2.19 Hz, 1H); 7.44-7.28 (m, 8H); 6.95 (d, J = 2.19 Hz, 1H); 6.85 (s, 1H); 4.96 (t, J = 5.13 Hz, 1H); 4.59 (d, J = 5.63 Hz, 2H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 156.6, 147.2, 146.7, 141.2, 139.7, 138.1, 136.9, 129.1, 128.7, 128.4, 128.0, 127.7, 127.6, 109.2, 99.5, 47.4.
HRMS (APCI): 計算値 C
20H
17N
2O [M+H]
+ = 301.1335; 実測値 [M+H]
+ = 301.1335。
【0203】
キサントフォス(xantphos)(0.12g;0.021mmol)及びPd
3(dba)
2(0.022g;0.024mmol)の無水1,2−ジメトキシエタン(2mL)溶液の調製直後に、合成実施例16の生成物(0.049g;0.22mmol)、t−BuOK(0.052g;0.46mmol)及び4−モルホリノアニリン(0.048g;0.27mmol)を添加し、得られた混合物を、N
2下、100℃で16時間撹拌した。ついで、混合物を25℃に冷却し、EtOAc(15mL)で希釈し、食塩水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x15mL)で抽出した。有機抽出物をMgSO
4により乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(溶出液:CH
2Cl
2/MeOH−15:1)。そのようにして得られた油を、さらに分取TLCによい精製し(溶出液:CH
2Cl
2/MeOH−20:1)、褐色様の固体として生成物を得た(0.018 g; 22 %)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.86-7.83 (m, 2H); 7.74 (d, J = 2.20 Hz, 1H); 7.42-7.37 (m, 2H); 7.36-7.31 (m, 1H); 7.26-7.21 (m, 2H); 7.15 (s, 1H); 6.99 (d, J = 2.20 Hz, 1H); 6.97-6.93 (m, 2H); 6.34 (brs, 1H); 3.90-3.85 (m, 4H); 3.20-3.14 (m, 4H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 156.3, 149.1, 147.5, 147.2, 140.9, 137.9, 137.0 131.4, 128.7, 128.5, 127.6, 124.7, 116.9, 109.2, 100.3, 67.1, 49.8.
HRMS (APCI): 計算値 C
23H
22N
3O
2[M+H]
+ = 372.1707; 実測値 [M+H]
+ = 372.1707。
【0204】
(合成実施例17D−17I)
4−モルホリノアニリンの代わりに適切なアミンを使用して、合成実施例17Cに記載されたものと本質的に同一の手順により、以下の化合物を調製した。
【0207】
褐色の半固体。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.87-7.83 (m, 2H); 7.74 (d, J = 2.21 Hz,; 1H); 7.42-7.37 (m, 2H); 7.35-7.31 (m, 1H); 7.25 (s, 1H); 6.98 (d, J = 2.20 Hz, 1H); 6.95 (d, J = 8.36 Hz, 1H); 6.87 (dd, J = 2.33 Hz, 8.36 Hz, 1H); 6.83 (d, J = 2.33 Hz, 1H); 6.38 (brs, 1H); 3.84 (s, 3H); 3.20-3.02 (m, 4H); 2.69-2.58 (m, 4H); 2.36 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 156.4, 153.3, 147.6, 147.4, 140.9, 138.8, 137.4, 137.0, 134.4, 128.7, 128.5, 127.5, 119.2, 115.3, 109.3, 107.1, 100.6, 55.9, 55.6, 50.9, 46.3.
HRMS (APCI): 計算値 C
25H
27N
4O
2[M+H]
+ = 415.2129; 実測値 [M+H]
+ = 415.2130。
【0210】
オレンジ色の固体。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 8.36 (d, J = 2.26 Hz, 1H); 8.01-7.97 (m, 2H); 7.93 (s, 1H); 7.61-7.50 (m, 3H); 7.48-7.43 (m, 1H); 7.38 (s, 1H); 7.21 (d, J = 2.25 Hz, 1H); 2.33 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, DMSO-d
6) δ 168.5, 153.3, 150.6, 146.5, 143.5, 138.8, 130.8, 128.7, 128.7, 126.6, 121.5, 110.7, 108.0, 53.7, 20.0.
HRMS (APCI): 計算値 C
17H
14N
3OS [M+H]
+ = 308.0852; 実測値 [M+H]
+ = 308.0850。
【0213】
薄黄色の固体。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.89-7.86 (m, 2H); 7.76 (d, J = 2.21 Hz, 1H); 7.44-7.29 (m, 8H); 7.18-7.14 (m, 1H); 7.00 (d, J = 2.22 Hz, 1H); 6.48 (brs, 1H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 156.4, 147.7, 147.6, 140.9, 139.5, 137.2, 136.4, 129.9, 128.8, 128.5, 127.5, 124.5, 121.8, 109.3, 101.0.
HRMS (APCI): 計算値 C
19H
15N
2O [M+H]
+ = 287.1179; 実測値 [M+H]
+ = 287.1178。
【0216】
オレンジ色の半固体.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.95-7.90 (m, 2H); 7.69 (d, J = 2.17 Hz, 1H); 7.46-7.40 (m, 2H); 7.38-7.33 (m, 1H); 6.94 (d, J = 2.17 Hz, 1H); 6.81 (s, 1H); 5.36-5.23 (m, 1H); 3.43 (dd, J = 5.19 Hz, 11.56 Hz, 2H); 2.69-2.62 (m, 2H); 2.30 (s, 6H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 156.4, 147.1, 146.6, 141.3, 140.1, 137.0, 128.7, 128.4, 127.6, 109.0, 99.5, 57.8, 45.3, 40.2.
HRMS (APCI): 計算値 C
17H
20N
3O [M+H]
+ = 282.1601; 実測値 [M+H]
+ = 282.1602。
【0219】
薄黄色の固体発泡体。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.41 (s, 1H); 8.03-7.98 (m, 2H); 7.76 (d, J = 2.21 Hz, 1H); 7.46-7.42 (m, 2H); 7.39-7.35 (m, 1H); 7.15 (brs, 1H); 7.02 (d, J = 2.21 Hz, 1H); 1.57 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 156.5, 152.0, 148.1, 147.3, 140.3, 136.9, 131.4, 128.8, 128.8, 127.7, 109.4, 105.5, 82.4, 28.5.
HRMS (APCI): 計算値 C
18H
19N
2O
3[M+H]
+ = 311.1390; 実測値 [M+H]
+ = 311.1394。
【0222】
オレンジ色のワックス.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.93-7.89 (m, 2H); 7.73 (d, J = 2.22 Hz, 1H); 7.47-7.41 (m, 2H), 7.40-7.35 (m, 1H); 6.99 (d, J = 1.60 Hz, 1H); 6.92 (s, 1H); 3.67-3.60 (m, 8H); 1.48 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 156.3, 154.9, 147.2, 142.3, 138.0, 128.8, 128.7, 127.6, 108.9, 102.9, 80.4, 48.1, 28.7.
HRMS (APCI): 計算値 C
22H
26N
3O
3[M+H]
+ = 380.1969; 実測値 [M+H]
+ = 380.1970。
【0225】
合成実施例17Hの生成物(0.031g:0.10mmol)のエタノール(2mL)溶液に、撹拌下、HClの水溶液(3M;0.7mL;2.1mmol)を添加し、得られた混合物を、N
2下、60℃で18時間撹拌した。ついで、エタノール及びHClを留去し、油状の残留物を、CH
2Cl
2(2mL)、MeOH(1mL)及びNa
2CO
3(200mg)で処理し、混合物を25℃で撹拌した。20分後、溶媒を留去し、固体残留物を分取TLCにより精製し(溶出液:CH
2Cl
2/7NNH
3 メタノール溶液−50:1)、白色固体として生成物を得た(0.019g;88%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.92-7.87 (m, 2H); 7.72 (d, J = 2.20 Hz, 1H); 7.45-7.40 (m, 2H); 7.38-7.33 (m, 1H); 6.95 (d, J = 2.20 Hz, 1H); 6.92 (s, 1H); 4.49 (brs, 2H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 156.1, 147.8, 147.5, 140.6, 138.5, 137.0, 128.8, 128.5, 127.5, 109.0, 103.2.
HRMS (APCI): 計算値 C
13H
11N
2O [M+H]
+ = 211.0866; 実測値 [M+H]
+ = 211.0866。
【0226】
(合成実施例18B)
合成実施例17Iの生成物を用いて、合成実施例18Aに記載されたものと本質的に同一の手順により、以下の化合物を合成した。
【0228】
薄黄色の半固体。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.93-7.89 (m, 2H); 7.71 (d, J = 2.21 Hz, 1H); 7.46-7.40 (m, 2H); 7.38-7.34 (m, 1H); 6.96 (d, J = 2.22 Hz, 1H); 6.92 (s, 1H); 3.65-3.60 (m, 4H); 3.13-3.04 (m, 4H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 156.4, 148.4, 146.9, 142.7, 141.0, 138.2, 128.8, 128.5, 127.6, 108.9, 102.8, 49.2, 46.0.
HRMS (APCI): 計算値 C
17H
18N
3O [M+H]
+ = 280.1444; 実測値 [M+H]
+ = 280.1443。
【0231】
(S)−1−[(Rp)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン(0.012g;0.022mmol)及びPd(OAc)
2(0.008g、0.037mmol)の無水1,2−ジメトキシエタン溶液(2mL)の調製直後に、合成実施例16の生成物(0.049g;0.21mmol)、t−BuOK(0.038g;0.34mmol)及び4−アミノ−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド(0.051g;0.25mmol)を添加し、得られた混合物を、N
2下、100℃で16時間撹拌した。ついで、混合物をEtOAc(15mL)で希釈し、食塩水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x15mL)で抽出した。有機抽出物をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(溶出液:CH
2Cl
2/MeOH−15:1)。得られた油をさらに分取TLCにより精製し(溶出液:CH
2Cl
2/MeOH−20:1)黄色の半固体生成物を得た(0.036g;43%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.90-7.86 (m, 2H); 7.78-7.71 (m, 3H); 7.49 (s, 1H); 7.45-7.32 (m, 5H); 7.03 (brs, 1H); 7.00 (d, J = 2.15 Hz, 1H); 2.72 (s, 6H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 156.4, 148.3, 148.3, 144.5, 140.3, 137.6, 134.1, 129.8, 129.2, 128.9, 128.9, 127.5, 118.8, 109.2, 103.2, 38.2.
HRMS (APCI): 計算値 C
21H
20N
3O
3S [M+H]
+ = 394.1220; 実測値 [M+H]
+ = 394.1217。
【0232】
(合成実施例19B)
4-アミノ-N,N-ジメチル-ベンゼンスルホンアミドの代わりに、シクロヘキシルアミンを用いて、合成実施例19Aに記載されたものと本質的に同一の手順により、以下の化合物を合成した。
【0234】
黄色ワックス
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.92-7.87 (m, 2H); 7.66 (d, J = 2.17 Hz, 1H); 7.45-7.39 (m, 2H); 7.38-7.32 (m, 1H); 6.96 (d, J = 2.17 Hz, 1H); 6.81 (s, 1H); 4.70 (brs, 1H); 3.65-3.52 (m, 1H); 2.16-2.05 (m, 2H); 1.84-1.75 (m, 2H); 1.71-1.62 (m, 1H); 1.48-1.36 (m, 2H); 1.35-1.19 (m, 4H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 156.0, 147.1, 146.0, 140.8, 139.4, 136.7, 128.7, 128.5, 127.6, 108.8, 99.5, 51.5, 33.4, 25.8, 25.0.
HRMS (APCI): 計算値 C
19H
21N
2O [M+H]
+ = 293.1648; 実測値 [M+H]
+ = 293.1647。
【0237】
Pd
2(dba)
3(15.9mg,0.017mmol)及びSフォス(SPhos)(7.1mg、0.017mmol)を含む10mLの丸底フラスコに、脱気した1,2−ジメトキシエタン(2.5mL)を加えた。5分後、合成実施例16の生成物(40mg、0.17mmol)、5−メチルイソオキサゾール−3−アミン(20mg、0.212mmol)及びCs
2CO
3(125mg、0.383mmol)を添加した。混合物を、N
2下、80℃で24時間撹拌し、ついで、温度を120℃まで上げ、混合物をさらに24時間撹拌した。H
2O(15mL)を添加し、混合物をEtOAc(3x25mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、ついで、溶媒を留去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶出液:CH
2Cl
2/EtOAc;2:1)により精製し、ついで、分取TLC(溶出液:CH
2Cl
2/EtOAc;2:1)により精製した。無色のワックスとして生成物を得た(14mg、収率30%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 8.21 (s, 1H), 8.03 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.77 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.54 ‐7.34 (m, 3H), 7.09 ‐ 6.96 (m, 2H), 5.92 (s, 1H), 2.42 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 169.4, 159.5, 156.4, 147.6, 146.7, 140.0, 136.4, 132.8, 128.5, 128.4, 127.3, 109.0, 104.3, 94.8, 12.4.
HRMS (APCI): 計算値 C
17H
13N
3O
2 [M+H]
+ = 292.1081; 実測値 [M+H]
+ = 292.1082。
【0238】
(合成実施例19D)
5-メチルイソオキサゾール−3−アミンの代わりに、イソオキサゾール−3−アミンを用いて、合成実施例19Cに記載されたものと本質的に同一の手順により、以下の化合物を合成した。
【0240】
無色のワックス。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.30 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.07 ‐ 8.01 (m, 2H), 7.78 (d, J= 2.2 Hz, 1H), 7.52 ‐ 7.44 (m, 2H), 7.44 ‐ 7.37 (m, 1H), 7.14 (s, 1H), 7.04 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.28 (d, J= 1.7 Hz, 1H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 158.2, 157.6, 155.8, 146.8, 146.1, 139.3, 135.6, 131.8, 127.7, 127.7, 126.6, 108.3, 103.7, 97.0.
HRMS (APCI): 計算値 C
16H
11N
3O
2[M+H]
+= 278.0924; 実測値[M+H]
+ = 278.0926。
【0241】
(合成実施例19E)
5-メチルイソオキサゾール−3−アミンの代わりに、ピリジン−3−アミンを用いて、合成実施例19Cに記載されたものと本質的に同一の手順により、以下の化合物を合成した。
【0243】
無色のワックス
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 8.65 (s, 1H), 8.42 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 7.93 ‐ 7.84 (m, 2H), 7.78 (d, J= 2.2 Hz, 1H), 7.71 ‐ 7.62 (m, 1H), 7.46 ‐ 7.31 (m, 5H), 7.02 (d, J= 2.2 Hz, 1H), 6.66 (s, 1H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 156.4, 148.0, 147.9, 145.3, 143.5, 140.4, 137.1, 136.4, 135.5, 128.7, 128.6, 128.2, 127.4, 124.1, 109.2, 101.1.
HRMS (APCI): calcd. for C
18H
13N
3O [M+H]
+ = 288.1131; found [M+H]
+ = 288.1132。
【0244】
(合成実施例19E)
5-メチルイソオキサゾール−3−アミンの代わりに、1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミンを用いて、合成実施例19Cに記載されたものと本質的に同一の手順により、以下の化合物を合成した。
【0246】
黄色のワックス
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.89 ‐ 7.84 (m, 2H), 7.75 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.46 ‐ 7.39 (m, 3H), 7.38 ‐ 7.34 (m, 1H), 6.99 (d, J= 2.2 Hz, 1H), 6.98 (s, 1H), 6.00 (s, 1H), 3.94 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 156.4, 147.5, 146.9, 140.8, 138.8, 136.6, 136.1, 128.6, 128.4, 127.4, 125.9, 121.4, 109.0, 100.0, 39.7.
HRMS (APCI): 計算値 C
17H
14N
4O [M+H]
+ = 291.1240; 実測値 [M+H]
+ = 291.1237。
【0249】
N,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中の合成実施例3の生成物(4.34g;17.0mmol)及びK
2CO
3(7.07g;51.1mmol)の混合物に、N
2下で臭化クロチル(2.6mL;25.3mmol)を加えた。得られた混合物を、N
2下、60℃で2時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物をH
2O(120mL)及びCH
2Cl
2(90mL)中に懸濁した。水層をCH
2Cl
2(3x100mL)で抽出した。有機抽出物を食塩水(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーで精製した(溶出液;ヘキサン/EtOAC−1:1)。得られた薄黄色の固体を、冷却したペンタン(3x25mL)で洗浄し、白色の結晶生成物を得た(4.24g;81%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.19-7.11 (m, 1H); 6.93 (d, J = 8.46 Hz, 1H); 5.93-5.83 (m, 1H); 5.71-5.61 (m, 1H); 4.52 (d, J = 5.49 Hz, 2H); 1.75 (d, J = 6.42 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 154.4, 141.6, 131.7, 124.7, 123.7, 121.3, 110.0, 70.8, 18.1.
HRMS (APCI): 計算値 C
9H
10ClINO [M+H]
+ = 309.9490; 実測値 [M+H]
+ = 309.9488。
【0252】
N,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中の合成実施例20の生成物(4.24g;13.7mmol)、K
2CO
3(4.75g;34.4mmol)、HCOONa(0.935g;13.7mmol)、テトラブチルアンモニウム塩化物(4.21g;15.1mmol)及びPd(OAc)
2(0.185g;0.82mmol)の混合物を、N
2下、80℃で3時間撹拌した。ついで、溶媒を留去し、残留物をH
2O(180mL)及びCH
2Cl
2(100mL)に懸濁した。水層をCH
2Cl
2(3x100mL)で抽出した。有機抽出物を食塩水(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーで精製し(溶出液:ヘキサン/EtOAc−30:1)、薄黄色の固体として生成物を得た(0.774g;31%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.66-7.62 (m, 2H); 7.19 (d, J = 8.55 Hz, 1H); 2.76 (dq, J = 1.23 Hz, 7.51 Hz, 2H); 1.33 (t, J = 7.52 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 147.8, 147.4, 146.6, 146.2, 123.6, 120.9, 119.2, 16.0, 13.5.
HRMS (APCI): 計算値 C
9H
9ClNO [M+H]
+ = 182.0367; 実測値 [M+H]
+ = 182.0365。
【0255】
(S)−1−[(Rp)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン(0.022g;0.039mmol)及びPd(OAc)
2(0.009g、0.039mmol)の無水1,2−ジメトキシエタン(2mL)溶液の調製直後に、合成実施例21の生成物(0.087g;0.48mmol)、t-BuONa(0.064g;0.66mmol)及びN,N−ジメチルエチレンジアミン(0.063mL;0.57mmol)を添加し、得られた混合物を、N
2下、100℃で15時間撹拌した。ついで、混合物を25℃まで冷却し、EtOAc(15mL)で希釈し、食塩水(25ml)中に注ぎ、EtOAc(3x15ml)で抽出した。有機抽出物をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーで精製し(溶出液:CH
2Cl
2/7N NH
3MeOH溶液−15:1)、オレンジ色の油として生成物を得た(0.081g;73%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.46-7.41 (m, 2H); 6.32 (d, J = 8.87 Hz, 1H); 5.00-4.89 (m, 1H); 3.42 (dd, J = 5.69 Hz, 11.45 Hz, 2H); 2.68 (dq, J = 1.14 Hz, 7.51 Hz, 2H ); 2.58 (t, J = 6.06 Hz, 2H); 2.28 (s, 6H); 1.31 (t, J = 7.51 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 156.7, 145.3, 143.7, 143.2, 123.0, 120.4, 104.5, 58.6, 45.5, 40.2, 16.2, 13.5.
HRMS (APCI): 計算値 C
13H
20N
3O [M+H]
+ = 234.1601; 実測値 [M+H]
+ = 234.1601.
(合成実施例23)
【0257】
合成実施例21の生成物(0.053g;0.29mmol)、1−メチルピラゾール−4−ホウ酸 ピナコールエステル(0.074g;0.36mmol)、K
3PO
4(0.262g;1.23mmol)及びPdCl
2dppf(0.013g;0.017mmol)の混合物に、N
2下で1,2−ジメトキシエタン(2mL)及び水(0.5mL)を添加した。反応混合物を19時間還流させた。つぎに、混合物を25℃に冷却し、EtOAc(15mL)で希釈し、食塩水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x15mL)で抽出した。有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶出液:CH
2Cl
2/MeOH−10:1)、褐色の半固体として生成物を得た(0.055g;83%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.04-7.91 (m, 2H); 7.64 (d, J = 8.49 Hz, 1H); 7.58 (s, 1H); 7.36 (d, J = 8.51 Hz, 1H); 3.94 (s, 3H); 2.81 (q, J = 7.35 Hz, 2H); 1.37 (t, J = 7.49 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 148.1, 147.5, 147.1, 145.1, 137.7, 129.0, 124.3, 123.7, 118.9, 115.7, 39.3, 16.2, 13.5.
HRMS (APCI): 計算値 C
13H
14N
3O [M+H]
+ = 228.1131; 実測値 [M+H]
+ = 228.1133。
【0260】
合成実施例21の生成物(1.43g;7.85mmol)、フェニルホウ酸(1.24g;10.2mmol)、K
3PO
4(6.86g;32.3mmol)及びPdCl
2dppf(0.530g;0.72mmol)の混合物に、N
2下で1,2−ジメトキシエタン(50mL)及び水(10mL)を添加した。反応混合物を、N
2下で18時間還流させた。混合物を25℃まで冷却し、EtOAc(70mL)で希釈し、食塩水(100mL)中に注ぎ、EtOAc(3x70mL)で抽出した。有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶出液:ヘキサン/EtOAc−15:1)、薄黄色の固体として生成物を得た(1.59g;91%)
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.04 (d, J = 7.51 Hz, 2H); 7.73 (d, J = 8.54 Hz, 1H); 7.63 (d, J = 8.51 Hz, 2H); 7.51-7.43 (m, 2H); 7.42-7.35 (m, 1H); 2.86 (q, J = 7.48 Hz, 2H); 1.41 (t, J = 7.37 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 153.8, 147.9, 147.7, 145.2, 140.4, 128.9, 128.6, 127.4, 124.1, 118.7, 116.6, 16.2, 13.6.
HRMS (APCI): 計算値 C
15H
14NO [M+H]
+ = 224.107; 実測値 [M+H]
+ = 224.1068。
【0263】
合成実施例24の生成物(1.59g、7.12mmol)の無水CH
2Cl
2(20mL)溶液に、撹拌下でMCPBA(2.22g、12.9mmol)を添加し、得られた混合物を、N
2下、25℃で72時間撹拌した。ついで、混合液をNaHCO
3の飽和水溶液(150mL)中に注ぎ、CH
2Cl
2(3x80mL)で抽出した。有機抽出物を食塩水(80mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶出液:CH
2Cl
2/EtOAc−5:1)、薄黄色の固体として生成物を得た(0.546g;32%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.83-7.76 (m, 2H); 7.50-7.35 (m, 5H); 7.27 (d, J = 8.60 Hz, 1H); 3.07 (q, J = 7.37 Hz, 2H); 1.34 (t, J = 7.41, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 151.0, 145.4, 144.0, 137.7, 133.1, 129.9, 129.3, 128.4, 122.2, 110.4, 18.1, 14.9.
HRMS (APCI): calcd. for C
15H
14NO
2 [M+H]
+= 240.1019; found [M+H]
+ = 240.1017。
【0266】
合成実施例25の生成物(0.713g、2.98mmol)のCH
2Cl
2溶液(15ml)に、撹拌下でPOCl
3(6mL、64.4mmol)を添加し、得られた混合物をN
2下で1時間還流させた。次に、CHCl
3及びPOCl
3を減圧下で留去した。濃色の油状の残留物を、CH
2Cl
2(50ml)で希釈し、NaHCO
3の飽和水溶液(200mL)中に注ぎ、CH
2Cl
2(3x50mL)で抽出した。有機抽出物を、水(50mL)、食塩水(80mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶出液:ヘキサン/CH
2Cl
2−2:1)、白色固体として生成物を得た(0.282g;37%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.07-7.98 (m, 2H); 7.69-7.64 (m, 2H); 7.52-7.36 (m, 3H); 2.84 (dd, J = 6.89 Hz, 14.36 Hz, 2H); 1.45-1.39 (m, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 155.0, 149.1, 145.8, 144.2, 139.3, 129.1, 129.0, 127.4, 126.3, 124.8, 117.1, 16.3, 13.5.
HRMS (APCI): 計算値 C
15H
13ClNO [M+H]
+ = 258.0680; 実測値 [M+H]
+ = 258.0678。
【0269】
合成実施例26の生成物(0.202g;0.78mmol)、(R)−BINAP(0.032g;0.052mmol)、Pd
2(dba)
3(0.044g;0.048mmol)、及びt−BuOK(0.146g;1.30mmol)の無水トルエン溶液(4mL)に、ベンジルアミン(0.100mL;0.92mmol)を添加し、得られた混合物を、N
2下、80℃で17時間撹拌した。ついで、混合物を25℃に冷却し、EtOAc(10mL)で希釈し、水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x10mL)で抽出した。有機抽出物を食塩水(15mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶出液:CH
2Cl
2/MeOH−20:1)、褐色様の固体を得た(0.165g;65%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.94-7.89 (m, 2H); 7.49-7.46 (m, 1H); 7.43-7.27 (m, 8H); 6.85 (s, 1H); 4.89 (brs, 1H); 4.58 (d, J = 5.67 Hz, 2H); 2.83 (dd, J = 1.08 Hz, 7.49 Hz, 2H); 1.38 (t, J = 7.51 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 155.7, 146.6, 143.1, 141.4, 139.6, 138.3, 137.2, 129.1, 128.7, 128.3, 128.0, 127.7, 127.6, 124.6, 99.3, 47.4, 16.4, 13.6.
HRMS (APCI): 計算値C
22H
21N
2O [M+H]
+ = 329.1648; 実測値 [M+H]
+ = 329.1650。
【0270】
(合成実施例27B)
ベンジルアミンの代わりにN,N−ジメチルエチレンジアミンを用いて、合成実施例27Aに記載されたものと本質的に同一の手順により、以下の化合物を合成した。
【0272】
黄色のワックス
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.99-7.95 (m, 2H); 7.48-7.46 (m, 1H); 7.45-7.40 (m, 2H); 7.37-7.32 (m, 1H); 6.81 (s, 1H); 5.19-5.11 (m, 1H); 3.41 (dd, J = 5.16 Hz, 11.70 Hz, 2H); 2.82 (qd, J = 1.20 Hz, 7.50 Hz, 2H); 2.66-2.59 (m, 2H); 2.28 (s, 6H); 1.38 (t, J = 7.51 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 155.6, 146.7, 142.9, 141.6, 139.9, 137.3, 128.7, 128.2, 127.6, 124.5, 99.3, 57.9, 45.4, 40.3, 16.4, 13.6.
HRMS (APCI): 計算値 C
19H
24N
3O [M+H]
+ = 310.1914; 実測値 [M+H]
+ = 310.1915。
【0275】
合成実施例27Aの生成物(0.052g、0.16mmol)の加熱されたEtOH溶液に、撹拌下でPd(OH)
2(37mg)と蟻酸アンモニウム(0.059g;0.94mmol)を添加し、得られた混合物をN
2下で42時間還流させた。ついで、混合物を25℃まで冷却し、濾過し、溶媒を留去した。残留物を分取TLCで精製し(溶出液:CH
2Cl
2/NH
3 MeOH溶液―50:1)、白色固体として生成物を得た(0.012g;32%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.96 (d, J = 7.43 Hz, 2H); 7.50 (s, 1H); 7.46-7.39 (m, 2H); 7.38-7.31 (m, 1H); 6.92 (s, 1H); 4.36 (brs, 2H); 2.82 (q, J = 7.26 Hz, 2H); 1.38 (t, J = 7.45 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 155.3, 147.7, 143.6, 140.9, 138.1, 137.4, 128.7, 128.3, 127.4, 124.5, 103.0, 16.4, 13.6.
HRMS (APCI): 計算値 C
15H
15N
2O [M+H]
+ = 239.1179; 実測値 [M+H]
+ = 239.1179。
【0278】
キサントフォス(xantphos)(0.022g;0.038mmol)とPd
3(dba)
2(0.042g;0.046mmol)の無水1,2−ジメトキシエタン(2mL)溶液の調製直後に、合成実施例26の生成物(0.104g;0.40mmol)、t-BuOK(0.097g;0.86mmol)及びアニリン(0.048mL;0.53mmol)を添加し、得られた混合物を、N
2下、100℃で16時間撹拌した。混合物を25℃に冷却し、EtOAc(15mL)で希釈し、食塩水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x15mL)で抽出した。有機抽出物をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶出液:ヘキサン/EtOAc−15:1)、薄黄色の固体として生成を得た(0.064g;51%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.96-7.91 (m, 2H); 7.56-7.53 (m, 1H); 7.45-7.27 (m, 8H); 7.17-7.12 (m, 1H); 6.40 (brs, 1H); 2.86 (qd, J = 1.15 Hz, 7.50 Hz, 2H); 1.41 (t, J = 7.51 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 155.5, 147.7, 143.5, 141.1, 139.8, 137.6, 136.1, 129.9, 128.7, 128.4, 127.6, 124.8, 124.2, 121.5, 100.9, 16.4, 13.6.
HRMS (APCI): 計算値 C
21H
19N
2O [M+H]
+ = 315.1492; 実測値 [M+H]
+ = 315.1492。
【0281】
キサントフォス(0.023g;0.039mmol)及びPd
3(dba)
2(0.036g;0.039mmol)の無水1,2−ジメトキシエタン(2mL)の溶液の調製直後に、合成実施例26(0.104g;0.40mmol)、t−BuOK(0.158g;1.40mmol)及び5−アミノ−3−メチル−イソチアゾール塩酸塩(0.115g;0.76mmol)を添加し、得られた混合物を、N
2下、100℃で22時間撹拌した。ついで、混合物を25℃まで冷却し、EtOAc(15mL)で希釈し、食塩水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x15mL)で抽出した。有機抽出物をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(溶出液:CH
2Cl
2/MeOH−20:1)。得られた油をさらに分取TLCにより精製し(溶出液:CH
2Cl
2/MeOH−30:1)、うすいオレンジ色の固体として生成物を得た(0.053g;39%)
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.15-8.12 (m, 1H); 8.03-7.98 (m, 2H); 7.94-7.88 (m, 1H); 7.56-7.50 (m, 3H); 7.47-7.43 (m, 1H); 7.37 (s, 1H); 2.77 (qd, J = 1.05 Hz, 7.48 Hz, 2H); 2.32 (s, 3H); 1.35 (t, J = 7.51 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ 168.4, 152.7, 146.4, 146.0, 143.9, 138.9, 130.6, 128.7, 128.6, 126.6, 122.8, 121.5, 110.6, 53.9, 20.0, 15.5, 13.3.
HRMS (APCI): 計算値 C
19H
18N
3OS [M+H]
+ = 336.1165; 実測値 [M+H]
+ = 336.1164。
【0284】
(S)−1−[(Rp)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン(0.011g;0.021mmol)及びPd(OAc)
2(0.006g;0.028mmol)の無水1,2−ジメトキエタン溶液(2mL)の調製直後に、合成実施例26の生成物(0.109g;0.42mmol)、t−BuONa(0.060g;0.62mmol)及び3−ピコリルアミン(0.045mL;0.44mmol)を添加し、得られた混合物を、N
2下、100℃で17時間撹拌した。ついで、混合物を25℃まで冷却し、EtOAc(15mL)で希釈し、食塩水(25mL)中に注ぎ、EtOAc(3x15mL)で抽出した。有機抽出物をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(溶出液:CH
2Cl
2/MeOH−10:1)。得られた油を分取TLCによりさらに精製し(CH
2Cl
2/NH
3 MeOH溶液―30:1)、薄黄色の固体として生成物を得た(0.081g;58%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.67 (s, 1H); 8.55 (d, J = 4.20 Hz, 1H); 7.92-7.86 (m, 2H); 7.73-7.68 (m, 1H); 7.48 (s, 1H); 7.43-7.37 (m, 2H); 7.36-7.31 (m, 1H); 7.29-7.25 (m, 1H); 6.81 (s, 1H); 5.01-4.90 (m, 1H); 4.62 (d, J = 5.83 Hz, 2H); 2.82 (qd, J = 0.84 Hz, 7.45, 2H); 1.38 (t, J = 7.51 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 155.7, 149.5, 149.3, 146.9, 143.3, 141.1, 139.2, 137.1, 135.2, 133.9, 128.7, 128.4, 127.5, 124.6, 123.9, 99.4, 45.0, 16.4, 13.6.
HRMS (APCI): 計算値 C
21H
20N
3O [M+H]
+ = 330.1601; 実測値 [M+H]
+ = 330.1598。
【0285】
(合成実施例31B〜31D)
3−ピコリルアミンに代えて適切なアミンを用いて、実施例31Aに記載されたものと本質的に同一の手順により、以下の化合物を合成した。
【0288】
薄黄色の固体。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.97-7.91 (m, 2H); 7.78-7.73 (m, 2H); 7.59-7.55 (m, 1H); 7.50 (s, 1H); 7.46-7.32 (m, 5H); 6.90 (brs, 1H); 2.86 (qd, J = 0.86 Hz, 7.44 Hz, 2H); 2.76-2.70 (m, 6H); 1.40 (t, J = 7.51 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 155.3, 148.1, 144.6, 144.3, 140.1, 138.0, 133.9, 129.9, 129.3, 128.9, 127.6, 126.6, 124.7, 118.7, 103.1, 38.2, 16.4, 13.6.
HRMS (APCI): 計算値C
23H
24N
3O
3S [M+H]
+ = 422.1533; 実測値 [M+H]
+ = 422.1534。
【0291】
褐色の固体。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.92-7.86 (m, 2H); 7.55-7.52 (m, 1H); 7.42-7.30 (m, 4H); 7.23-7.20 (m, 1H); 7.17-7.13 (m, 1H); 6.98-6.92 (m, 2H); 6.31 (brs, 1H); 3.90-3.84 (m, 4H); 3.20-3.14 (m, 4H); 2.87 (q, J = 7.42 Hz, 2H); 1.39 (t, J = 7.50 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 155.3, 149.0, 143.5, 137.3, 131.6, 128.7, 128.5, 127.7, 124.6, 124.6, 124.5, 123.8, 117.0, 116.4, 100.3, 67.1, 49.8, 16.5, 13.6.
HRMS (APCI): 計算値 C
25H
26N
3O
2[M+H]
+ = 400.2020; 実測値 [M+H]
+ = 400.2019。
【0294】
褐色の固体発泡体。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.98-7.93 (m, 2H); 7.53-7.50 (m, 1H); 7.46-7.40 (m, 2H); 7.39-7.33 (m, 1H); 6.92 (s, 1H); 3.66-3.56 (m, 8H); 2.84 (q, J = 7.39 Hz, 2H); 1.48 (s, 9H); 1.38 (t, J = 7.51 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 155.4, 154.9, 143.0, 142.2, 138.4, 128.8, 128.5, 127.6, 124.2, 102.8, 80.4, 48.1, 28.6, 16.3, 13.6.
HRMS (APCI): 計算値 C
24H
30N
3O
3[M+H]
+ = 408.2282; 実測値 [M+H]
+ = 408.2281。
【0297】
合成実施例31Dの生成物(0.088g;0.22mmol)のエタノール溶液(2mL)に、撹拌下でHCl水溶液(3M;1.4mL;4.2mmol)を加え、得られた混合物を、N
2下、60℃で17時間撹拌した。つぎに、エタノール及びHClを留去し、油状の残留物をCH
2Cl
2(2mL)、MeOH(1mL)及びNa
2CO
3(200mg)と混合し、混合物を25℃で撹拌した。20分後、溶媒を留去し、固体残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶出液;CH
2Cl
2/7N NH
3 MeOH−15:1)、薄い色の固体として生成物を得た(0.048g;72%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.99-7.94 (m, 2H); 7.51-7.48 (m, 1H); 7.46-7.40 (m, 2H); 7.38-7.32 (m, 1H); 6.93 (s, 1H); 3.63-3.56 (m, 4H); 3.11-3.04 (m, 4H); 2.82 (qd, J = 1.22 Hz, 7.50 Hz, 2H); 2.04 (brs, 1H); 1.37 (t, J = 7.51 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 155.4, 148.4, 142.7, 142.6, 141.3, 138.5, 128.7, 128.3, 127.5, 124.2, 102.5, 49.3, 46.1, 16.3, 13.6.
HRMS (APCI): 計算値 C
19H
22N
3O [M+H]
+ = 308.1757; 実測値 [M+H]
+ = 308.1755。
【0300】
合成実施例26の生成物(0.047g;0.18mmol)、1−メチルピラゾール−4−ホウ酸ピナコールエステル(0.045g;0.22mmol)、K
3PO
4(0.163g;0.77mmol)及びPdCl
2(dppf)(0.009g;0.013mmol)の混合物に、N
2下で1,2−ジメトキシエタン(2mL)及び水(0.5mL)を添加した。反応混合物を15時間還流させた。その後、混合物を25℃まで冷却し、EtOAc(15mL)で希釈し、食塩水(20mL)中に注ぎ、EtOAc(3x15mL)で抽出した。有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(溶出液:CH
2Cl
2/EtOAc−10:1)。その様にして得られた油を、分取TLC(溶出液:CH
2Cl
2)によりさらに精製し、白色固体として生成物を得た(0.024g;43%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.14 (d, J = 3.08 Hz, 2H); 8.07-8.02 (m, 2H); 7.73 (s, 1H); 7.67-7.64 (m, 1H); 7.50.7.44 (m, 2H); 7.41-7.36 (m, 1H); 3.99 (s, 3H); 2.87 (qd, J = 1.10 Hz, 7.49 Hz, 2H); 1.41 (t, J = 7.52 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 154.4, 148.2, 144.7, 144.2, 140.4, 138.4, 130.5, 128.9, 128.6, 127.5, 124.3, 124.2, 116.1, 112.5, 39.5, 16.3, 13.6.
HRMS (APCI): 計算値 C
19H
18N
3O [M+H]
+ = 304.1444; 実測値 [M+H]
+ = 304.1444。
【0303】
1,2−ジメトキシエタン(3mL)、PD(OAc)
2(1.8mg、0.008mmol)及びCyPF(t−Bu)(4.4mg、0.008mmol)を10mLのフラスコ中に入れ、混合物をN
2下、25℃で5分間撹拌した。次に、合成実施例5Aの生成物(55mg、0.20mmol)、N
1,N
1−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン(24mg、0.24mmol)及びt−BuONa(28mg,0.30mmol)を添加し、混合物を22時間還流させた。食塩水(30mL)を添加し、混合物をEtOAc(30+20+20mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおける分取TLCで精製した(CH
2Cl
2/MeOH中の7M NH
3溶液:30:1)。緑色の固体として生成物を得た(24mg、35%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.09 (s, 1H), 8.04 (dd, J = 8.5, 1.7 Hz, 1H), 7.94 ‐ 7.86 (m, 2H), 7.84 (d, J= 7.9 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.52 ‐ 7.43 (m, 2H), 6.42 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 3.56 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.53 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 2.31 (s, 6H), 1.94 (p, J = 6.8 Hz, 2H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 156.9, 144.02, 143.7, 143.4, 133.8, 132.6, 128.9, 128.3, 128.1, 127.7, 126.1, 125.8, 125.7, 124.8, 120.7, 120.6, 105.0, 58.0, 45.4, 41.5, 27.0.
HRMS (ESI): 計算値 C
22H
23N
3O [M+H]
+ = 346.1914; 実測値[M+H]
+= 346.1912。
【0304】
(合成実施例34B)
N
1,N
1−ジメチルプロパン−1,3−ジアミンに代えて2−メトキシエタンアミンを使用し、合成実施例34Aに記載されたものと本質的に同一の手順により、以下の化合物を合成した。
【0306】
濃い赤色の固体
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.84 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 8.04 (dd, J= 8.5, 1.7 Hz, 1H), 7.96 ‐ 7.87 (m, 2H), 7.87 ‐ 7.81 (m, 1H), 7.59 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.53 ‐ 7.44 (m, 2H), 6.46 (d, J= 8.9 Hz, 1H), 3.72 (s, 4H), 3.43 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 156.5, 144.3, 143.9, 133.9, 132.8, 128.8, 128.4, 128.2, 127.8, 126.2, 125.9, 125.8, 124.9, 121.0, 120.8, 105.6, 71.6, 58.9, 42.4.
HRMS (APCI): 計算値 C
20H
18N
2O
2 [M+H]
+ = 319.1441; 実測値 [M+H]
+ = 319.1437。
【0309】
5−ブロモピリジン−3−オール(1.1g、6.3mmol)、ヨウ素(1.6g、6.3mmol)、Na
2CO
3(1.4g,13.2g)及び水(21mL)を100mLの丸底フラスコに入れた。混合物を、N
2下、25℃で3時間撹拌した。混合物を1M HCl水溶液で中和し、EtOAc(60+40+40mL)で抽出した。有機層を食塩水(50mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過した。褐色の固体として生成物を得た(1.89g;100%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 8.08 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 5.39 (s, 1H)。
【0312】
合成実施例35の生成物(1.88g、6.27mmol)、1,4−ジオキサン(12mL)及びTEA(12mL)を100mLの丸底フラスコに入れた。混合物をN
2で浄化し、エチニルトリメチルシラン(1.15mL、8.15mmol)、PdCl
2(PPh
3)
2(132mg、0.188mmol)及びCuI(71mg、0.376mmol)を添加した。混合物を、N
2下、45℃で3時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(EtOAc/ヘキサン;1:15)。オレンジ色の固体として生成物を得た(1.04g、61%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.58 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.91 (dd, J = 1.9, 1.0 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 0.37 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 170.2, 150.9, 147.1, 146.8, 121.1, 117.1, 115.2, -1.9.
HRMS (APCI): 計算値 C
10H
12BrNOSi [M+H]
+ = 269.9944; 実測値 [M+H]
+ = 269.9954。
【0315】
合成実施例36の生成物(47mg、0.174mmol)、フェニルホウ酸(28mg、0.226mmol)、1,2−ジメトキシエタン(8mL)、TEA(1mL)及び水(2mL)を25mLの丸底フラスコに入れ、混合物をN
2で浄化した。次に、PdCl
2(dppf)(3.8mg,5.2μmol)を添加し、混合物をN
2下で75分間還流させた。食塩水(25mL)を加えた後、混合物をEtOAc(3x20mL)により抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーで精製した(EtOAc/ヘキサン;1:10)。白色固体として生成物を得た(39mg、84%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 8.78 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 0.7 Hz, 1H), 7.69 ‐ 7.59 (m, 2H), 7.55 ‐ 7.35 (m, 3H), 7.17 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 0.40 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 169.6, 151.2, 147.5, 145.1, 138.5, 132.9, 129.7, 129.2, 127.9, 127.6, 117.1, 116.4, 115.5, -1.8.
HRMS (APCI): 計算値 C
16H
17NOSi [M+H]
+ = 268.1152; 実測値 [M+H]
+ = 268.1160。
【0318】
合成実施例36の生成物(47mg、0.174mmol)、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(47mg、0.226mmol)、1,2−ジメトキシエタン(8mL)、TEA(1mL)及び水(2mL)を、25mLの丸底フラスコに入れ、混合物をN
2で浄化した。次に、PdCl
2(dppf)(3.8mg、5.2μmol)を添加し、混合物をN
2下で70分間還流させた。食塩水(25mL)を加えた後、混合物をEtOAc(3x20mL)で抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(CH
2Cl
2/MeOH;20:1)。黄色のワックスとして生成物を得た(51mg、99%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.67 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.79 (m, 2H), 7.68 (s, 1H), 7.12 (d, J= 1.0 Hz, 1H), 3.97 (s, 3H), 0.37 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 168.9, 151.3, 146.7, 143.8, 137.1, 127.3, 124.6, 120.5, 117.2, 114.6, 39.3, -1.9.
HRMS (APCI): 計算値 C
14H
17N
3OSi[M+H]
+= 272.1214; 実測値[M+H]
+ = 272.1219。
【0321】
5−クロロピリジン−3−オール(5.12g、39.7mmol)、ヨウ素(10.1g、39.7mmol)、Na
2CO
3(8.83g、83.3mmol)及びH
2O(80mL)を500mLの丸底フラスコに入れ、混合物を、N
2下、25℃で3.5時間撹拌した。混合物を、1M HCl水溶液(約120mL)で中和し、EtOAc(120+70+70mL)で抽出した。有機層を食塩水(80mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過した。褐色の固体として生成物を得た(10.13g;100%)。
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 11.38 (s, 1H), 7.95 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 2.3 Hz, 1H)。
【0324】
合成実施例39の生成物(8.34g、32.7mmol)、エチニルトリメチルシラン(6.0mL、42.5mmol)、PdCl
2(PPh
3)
2(688mg、0.98mmol)、CuI(373mg、1.96mmmol)、1,4−ジオキサン(25mL)及びTEA(25mL)を250mLの丸底フラスコに入れた。混合物を、N
2下、45℃で2.5時間攪拌した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(EtOAc/ヘキサン;1:15)。オレンジ色の固体として生成物を得た(4.37g、59%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.52 (dd, J = 1.9, 1.4 Hz, 1H), 7.81 ‐7.76 (m, 1H), 7.16 ‐ 7.12 (m, 1H), 0.40 (d, J = 1.0 Hz, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 170.3, 150.5, 146.9, 144.9, 127.2, 118.3, 117.1, -1.9.
HRMS (APCI): 計算値 C
10H
12ClNOSi [M+H]
+ = 226.0449; 実測値 [M+H]
+ = 226.0458。
【0327】
合成実施例37の生成物(1.60g、5.98mmol)、CH
2Cl
2(12mL)及びmCPBA(1.86g、10.8mmol)を100mLの丸底フラスコに入れ、混合物を、N
2下、25℃で3時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO
3水溶液(30mL)で中和し、CH
2Cl
2(3x25mL)で抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーで精製した(EtOAc/アセトン;9:1)。白色固体として生成物を得た(1.38g、82%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.46 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 7.62 (m, 1H), 7.57 (m, 2H), 7.49 (m, 2H), 7.45 (m, 1H), 7.41 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 0.39 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 169.6, 154.5, 137.7, 136.3, 135.3, 133.4, 129.5, 129.0, 127.4, 111.1, 109.3, -2.0.
HRMS (APCI): 計算値 C
16H
17NO
2Si [M+H]
+ = 284.1101; 実測値[M+H]
+ = 284.1099。
【0330】
合成実施例41の生成物(1.35g、4.75mmol)、クロロホルム(10mL)及びPOCl
3(7.96mL、8.54mmol)を100mLの丸底フラスコに入れ、混合物を、N
2下で1時間還流させた。溶媒及びPOCl
3を留去し、残留物をNaHCO
3の飽和水溶液(50mL)と混合し、CH
2Cl
2(50+25+25mL)で抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(EtOAc/CH
2Cl
2;1:20)。白色固体として生成物を得た(0.824g、57%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.49 (s, 1H), 7.55 ‐ 7.42 (m, 5H), 7.20 (s, 1H), 0.42 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 170.4, 148.3, 147.9, 147.6, 135.6, 132.0, 130.1, 128.5, 128.3, 124.3, 117.7, -1.8.
HRMS (APCI): 計算値 C
16H
16ClNOSi [M+H]
+ = 302.0762; 実測値 [M+H]
+ = 302.0765.
本化合物の構造はX線結晶構造解析によっても確認した。
【0333】
Pd(OAc)
2(16.7mg,74μmol)、SPhos(40mg,99μmol)及び1−ブタノール(5mL)を25mLフラスコに入れ、5分間撹拌した。合成実施例42の生成物(750mg,2.48mmol)、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサオボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(724mg、3.48mmol)、TEA(10.4mL,74mmol)を添加し、混合物を15時間還流させた。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(EtOAc/CH
2Cl
2;1:10)。薄黄色の固体として生成物を得た(427mg、50%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.41 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.47 ‐ 7.41 (m, 3H), 7.38 ‐ 7.32 (m, 2H), 7.27 (s, 1H), 7.20 (s, 1H), 3.84 (s, 3H), 0.42 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 168.5, 148.0, 147.8, 147.6, 140.9, 139.1, 131.4, 130.3, 130.1, 128.9, 128.0, 122.5, 117.5, 114.3, 39.2, -1.7.
HRMS (APCI): 計算値 C
20H
21N
3OSi [M+H]
+ = 348.1527; 実測値 [M+H]
+ = 348.1529。
【0336】
合成実施例43の生成物(420mg、1.21mmol)、CH
2Cl
2(5ml)及びmCPBA(375mg、2.18mmol)を25mLの丸底フラスコに入れ、混合物を、N
2下、25℃で1時間撹拌した。混合物をNaHCO
3の飽和水溶液(40mL)と混合し、食塩水(30mL)を添加し、混合物をCH
2Cl
2(50+25+25mL)で抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(EtOAc/アセトン;2:1)。薄黄色の固体として生成物を得た(357mg、81%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.13 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.47 ‐ 7.42 (m, 4H), 7.34 ‐ 7.28 (m, 2H), 7.15 (s, 1H), 3.82 (s, 3H), 0.42 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 168.8, 151.0, 140.1, 137.5, 136.8, 135.5, 132.2, 130.6, 129.7, 129.1, 128.8, 116.2, 113.5, 111.4, 39.2, -1.9.
HRMS (APCI): 計算値C
20H
21N
3O
2Si [M+H]
+ = 364.1476; 実測値 [M+H]
+ = 364.1478。
【0339】
合成実施例44の生成物(351mg、0.966mmol)及びPOCl
3(4mL)を25mLの丸底フラスコに入れ、混合物を、N
2下、100℃で25分間撹拌した。POCl
3を留去し、残留物をNaHCO
3飽和水溶液(25mL)と混合し、CH
2Cl
2(20+15+15mL)で抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーで精製した(EtOAc/ヘキサン;1:1)。白色固体として生成物を得た(316mg、86%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.53 ‐ 7.47 (m, 4H), 7.28 ‐ 7.26 (m, 1H), 7.26 ‐ 7.25 (m, 1H), 7.13 (s, 1H), 6.96 (s, 1H), 3.78 (s, 3H), 0.42 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 169.6, 147.4, 147.3, 146.9, 140.9, 138.5, 131.6, 130.3, 129.2, 128.5, 127.8, 126.0, 116.9, 114.5, 39.2, -1.8.
HRMS (APCI): 計算値 C
20H
20ClN
3OSi [M+H]
+ = 382.1137; 実測値 [M+H]
+ = 382.1141。
【0342】
合成実施例45の生成物(285mg、0.746mmol)、KF(130mg、2.24mmol)及びMeOH(16mL)を50mLの丸底フラスコに入れ、混合物を、N
2下、62℃で43時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーで精製した(EtOAc/ヘキサン;1:1)。白色固体として生成物を得た(213mg、92%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.93 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.52 ‐ 7.47 (m, 3H), 7.31 ‐ 7.26 (m, 3H), 7.21 (s, 1H), 7.00 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 149.4, 148.0, 146.0, 144.4, 140.7, 138.2, 131.9, 130.3, 129.2, 128.6, 128.3, 126.6, 114.0, 108.3, 39.2.
HRMS (APCI): 計算値 C
18H
12ClN
3O [M+H]
+ = 310.0742; 実測値[M+H]
+ = 310.0750。
【0345】
合成実施例38の生成物(2.36g、8.7mmol)、CH
2Cl
2(15mL)及びmCPBA(2.1g,15.7mmol)を100mLの丸底フラスコに入れ、混合物を、N
2下、25℃で45時間撹拌した。ついで、追加のmCPBA(0.62g,3.6mmol)を添加し、混合物をさらに4時間撹拌した。混合物をNaHCO
3の飽和水溶液(20mL)と混合し、食塩水(30mL)を添加し、混合物をCH
2Cl
2(3x70mL)で抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(EtOAc/MeOH;20:1から5:1)。薄黄色の固体として生成物を得た(1.67g、66%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 8.36 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.36 (d, 1H), 3.98 (s, 3H), 0.38 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 168.9, 154.6, 137.1, 131.9, 127.6, 126.8, 118.6, 111.1, 107.4, 39.5, -2.0.
HRMS (APCI): 計算値 C
14H
17N
3O
2Si [2M+H]
+ = 575.2253; 実測値 [2M+H]
+ = 575.2255。
【0348】
合成実施例47の生成物(1.67g、5.81mmol)、クロロホルム(12mL)及びPOCl
3(9.75mL、105mmol)を100mLの丸底フラスコに入れ、混合物をN
2下で45分間還流させた。溶媒及びPOCl
3を留去し、残留物をNaHCO
3の飽和水溶液(40mL)と混合し、CH
2Cl
2(50+30+30mL)で抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(CH
2Cl
2/MeOH;14:1)。白色固体として生成物を得た(1.15g、65%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.58 (s, 1H), 7.87 (s, J = 0.6 Hz, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.15 (s, 1H), 4.00 (s, 3H), 0.40 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 169.9, 148.2, 147.3, 146.4, 139.0, 129.8, 123.5, 123.2, 117.7, 116.5, 39.3, -1.9.
HRMS (APCI): 計算値C
14H
16N
3OSi [M+H]
+ = 306.0824; 実測値 [M+H]
+ = 306.0825。
【0351】
Pd(OAc)
2(25mg,113μmol)、SPhos(62mg,150μmol)及び1−ブタノール(8mL)を50mLフラスコに入れ、5分間撹拌した。合成実施例48の生成物(1.15g、3.76mmol)、フェニルホウ酸(688mg、5.64mmol),TEA(15.7mL,113mmol)及びH
2O(1.6mL)を入れ、混合物を、N
2下で90分還流させた。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(EtOAc/MeOH;20:1から15:1)。薄灰色の固体として生成物を得た(1.32g、100%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.64 (s, 1H), 7.45 ‐ 7.39 (m, 5H), 7.25 (d, J= 0.6 Hz, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 3.81 (s, 3H), 0.32 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 169.0, 149.3, 147.1, 146.8, 139.1, 133.5, 130.1, 130.1, 129.2, 128.5, 128.5, 122.8, 118.7, 117.3, 39.0, -1.8.
HRMS (APCI): 計算値C
20H
21N
3OSi [M+H]
+ = 348.1527; 実測値 [M+H]
+ = 348.1530。
【0354】
合成実施例49の生成物(1.3g、3.74mmol)、CH
2Cl
2(10mL)及びmCPBA(1.16g、6.73mmol)を50mLの丸底フラスコに入れ、混合物を、N
2下、25℃で135分間撹拌した。混合物をNaHCO
3飽和水溶液(40mL)と混合した後、CH
2Cl
2(50+40+40mL)で抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過した。溶媒を留去し、残留物を、シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(EtOAc/MeOH;10:1から7:1)。白色の半固体として生成物を得た(1.13g;83%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.33 (s, 1H), 7.47 ‐ 7.40 (m, 4H), 7.40 ‐ 7.33 (m, 2H), 7.21 (s, 1H), 7.00 (s, 1H), 3.81 (s, 3H), 0.31 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 169.2, 152.6, 138.9, 136.9, 134.2, 132.4, 130.2, 129.5, 128.8, 128.7, 125.3, 123.3, 116.9, 111.2, 39.2, -2.0.
HRMS (APCI): 計算値 C
20H
21N
3O
2Si [M+H]
+ = 364.1476; 実測値 [M+H]
+ = 364.1479。
【0357】
合成実施例50の生成物(1.13g、3.11mmol)及びPOCl
3(6mL)を50mLの丸底フラスコに入れ、混合物を、N
2下、100℃で20分間撹拌した。POCl
3を留去し、残留物をNaHCO
3の飽和水溶液(100mL)と混合し、CH
2Cl
2(60+40+40mL)で抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーで精製した(EtOAc/ヘキサン;1:2)。白色固体として生成物を得た(1.02g、86%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.38 ‐ 7.32 (m, 3H), 7.31 ‐ 7.26 (m, 3H), 7.14 (s, 1H), 7.10 (s, 1H), 3.83 (s, 3H), 0.32 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 170.8, 148.5, 147.6, 146.6, 141.0, 134.6, 133.4, 131.2, 130.2, 128.5, 128.2, 121.5, 116.7, 116.5, 39.0, -1.9.
HRMS (APCI): 計算値 C
20H
20ClN
3OSi [M+H]
+ = 382.1137; 実測値 [M+H]
+ = 382.1141。
【0358】
(合成実施例52)
合成実施例51の生成物を用いて、合成実施例46に記載されたものと本質的に同一の手順により、以下の化合物を合成した。
【0360】
白色固体
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.83 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.38 ‐ 7.35 (m, 3H), 7.29 ‐ 7.26 (m, 3H), 7.17 (s, 1H), 6.98 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.83 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 150.3, 148.0, 145.6, 140.9, 135.2, 133.0, 131.1, 130.0, 128.8, 128.4, 122.2, 116.2, 108.1, 39.1.
HRMS (APCI): 計算値 C
17H
12ClN
3O[M+H]
+= 310.0742; 実測値[M+H]
+ = 310.0746。
【0363】
合成実施例52の生成物(30mg、0.969mmol)、1,2−ジメトキエタン(2mL)、K
3PO
4(61.7mg、0.291mmol)、(4−(メトキシカルボニル)フェニル)ホウ酸(26.1mg、0.145mmol)及びPdCl
2(pddf)(4.3mg,5.8μmol)を、25mLの丸底フラスコに入れた。混合物を、N
2下で25時間還流させ、ついでPdCl
2(dppf)(5mg、6μmol)及びH
2O(0.4mL)を添加し、混合物をさらに14時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン;1:1)により精製した。無色のワックスとして生成物を得た(17mg、43%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.00 ‐ 7.94 (m, 2H), 7.85 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.48 ‐ 7.43 (m, 2H), 7.39 ‐ 7.35 (m, 3H), 7.32 ‐ 7.27 (m, 2H), 7.08 (s, 1H), 6.80 (s, 1H), 6.63 (s, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.65 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 171.2, 167.1, 155.4, 149.9, 146.5, 146.2, 145.8, 140.7, 133.3, 133.1, 130.9, 130.1, 129.9, 129.3, 129.1, 128.5, 128.4, 121.9, 117.5, 108.6, 52.2, 38.9.
HRMS (APCI): 計算値 C
25H
19N
3O
3 [M+H]
+ = 410.1499; 実測値 [M+H]
+ = 410.1492。
【0366】
合成実施例5Dの生成物(40mg、0.14mmol)、tert−ブチル 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシレート(49mg、0.168mmol)、K
2PO
4(104mg、0.49mmol)、1,2−ジメトキシエタン(2.4mL)、H
2O(0.6mL)及びPdCl
2(dppf)(6.2mg、8.4μmol)を10mLの丸底フラスコに添加し、混合物を、N
2下で22時間還流させた。ついで、追加のPdCl
2(dppf)(8mg、10.9μmol)を添加し、混合物をさらに4時間還流させた。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(EtOAc/ヘキサン;1:1)。白色固体として生成物を得た(18.5mg、42%)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 13.04 (s, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.52 ‐ 8.10 (m, 4H), 8.05 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 1.35 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ 149.8, 148.8, 146.7, 146.1, 144.8, 128.7, 127.7, 126.3, 125.4, 122.4, 119.9, 119.5, 115.9, 34.3, 31.1.
HRMS (APCI): 計算値 C
20H
19N
3O [M+H]
+ = 318.1601; 実測値 [M+H]
+ = 318.1599。
【0369】
合成実施例5Eの生成物(11mg、52.5μmol)、脱気した1,2−ジメトキシエタン(2mL)及びH
2O(0.5mL)を、5mLの丸底フラスコに入れた。次に、K
3PO
4(39mg、0.184mmol)、tert−ブチル 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシレート(18.5mg、63μmol)及びPDCl
2(dppf)(2mg、2.6μmol)を添加し、混合物を、N
2下、60℃で16時間撹拌した。次に、PDCl
2(dppf)(2mg、2.6μmol)を追加し、混合物をさらに5時間還流させ、さらにPDCl
2(dppf)(2mg、2.6mol)を追加し、混合物をさらに4時間還流させた。溶媒を留去し、残留物を、シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(EtOAc/ヘキサン;1:1)。黄色のワックスとして生成物を得た(2mg、15%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.24 (b, J = 47.6 Hz, 2H), 7.66 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.52 (s, 1H), 7.37 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 1.52 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 147.7, 143.5, 131.1, 118.7, 115.2, 31.2, 29.8.
HRMS (APCI): 計算値 C
14H
15N
3O [M+H]
+ = 242.1288; 実測値 [M+H]
+ = 242.1292。
【0372】
合成実施例11の生成物(1.78g、11.6mmol)及び脱気された1,4−ジオキサン(62mL)を250mLの丸底フラスコに入れ、次に、AcCl(0.825mL、11.6mmol)を添加し、混合物を、N
2下、25℃で撹拌した。3分後、NaI(17.4g、116mmol)を添加し、フラスコをアルミニウム箔で包み、混合物を106℃で70時間撹拌した。AcClをさらに3回追加した:15時間(0.70mL,9.8mmol);24時間(0.80mL、11.2mmol);40時間(0.80mL、11.2mmol);48時間(0.825mL、11.6mmol);64時間(0.825mL、11.6mmol)。溶媒を留去し、残留物を飽和NaHCO
3水溶液(50mL)及びNa
2S
2O
3(5g)と混合し、CH
2Cl
2(3x90mL)で抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過した。混合物を、容量75mLまで濃縮し、ヘキサン(25mL)を添加した。この溶液を氷冷しながら、HCl(15mL、1M Et
2O溶液)を添加した。沈殿物を濾過により回収した。この固体に、TEA(1.9mL,14mmol)及びCH
2Cl
2(20mL)を添加し、混合物をアイスバスで冷却し、H
2O(60mL)を添加し、混合物をCH
2Cl
2(3x60mL)で抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。白色固体として生成物を得た(1.90g、67%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.81 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.47 (dd, J = 8.5, 0.9 Hz, 1H), 6.96 (dd, J = 2.3, 0.9 Hz, 1H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 149.7, 149.5, 147.5, 129.5, 120.4, 112.0, 108.0.
HRMS (APCI): 計算値 C
7H
4INO [M+H]
+ = 245.9410; 実測値 [M+H]
+ = 245.9407。
【0375】
合成実施例56の生成物(1.86g、7.60mmol)及びCCl
4(20mL)を100mLの丸底フラスコに入れ、混合物を−18℃まで冷却した。ついで、臭素(6.49mmol)を徐々に添加した。混合物を、25℃に加温されるまで、90分間、N
2下で撹拌した。混合物を、水(100mL)、氷(50mL)及びNa
2S
2O
5(30g)の混合物中に注いだ。得られた混合物をCH
2Cl
2(2x100mL)及びEtOAc(100mL)で抽出した。有機層を食塩水(100mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。トルエン(24mL)及びDBU(3.4mL、22.8mmol)を残留物に添加し、混合物を、N
2下、80℃で45分間撹拌した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(EtOAc/ヘキサン;1:7から1:5)。白色固体として生成物を得た(1.77g、72%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.85 (s, 1H), 7.69 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8.5 Hz, 1H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 147.4, 147.2, 146.8, 131.1, 120.9, 113.0, 98.9.
HRMS (APCI): 計算値C
7H
3BrINO [M+H]
+ = 323.8515; 実測値[M+H]
+ = 323.8512。
【0378】
1、2−ジメトキシエタン(2mL)及びH
2O(0.5mL)中の、合成実施例57の生成物(167mg、0.515mmol)、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(113mg、0.54mmol)、K
3PO
4(383mg,1.80mmol)及びPdCl
2(dppf)の混合物を、N
2下、25℃で2.5時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(ヘキサン/EtOAc;2:3)。オレンジ色の固体として生成物を得た(80mg、56%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.04 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.73 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.46 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 3.96 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 149.9, 146.6, 146.3, 144.6, 137.6, 129.3, 123.6, 119.6, 116.9, 99.6, 39.3.
HRMS (APCI): 計算値 C
11H
8BrN
3O [M+H]
+ = 277.9924; 実測値 [M+H]
+ = 277.9920。
【0379】
(合成実施例59)
1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサオボロラン−2−イル)−1H−ピラゾールに代えて、tert−ブチル 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシレートを使用し、合成実施例58に記載されたものと本質的に同一の手順により、以下の化合物を合成した。
【0381】
白色固体
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.65 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.79 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.54 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 1.69 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 148.2, 147.6, 147.1, 146.7, 145.0, 142.5, 128.7, 125.7, 119.8, 117.5, 99.7, 86.0, 28.1.
HRMS (APCI): 計算値 C
15H
14BrN
3O
3 [M+H]
+ = 364.0291; 実測値 [M+H]
+ = 364.0294.
本化合物の構造を、X線結晶構造解析によっても確認した。
【0384】
1、2−ジメトキエタン(2.8mL)及びH
2O(0.7mL)中の、合成実施例57の生成物(127mg、0.393mmol)、K
3PO
4(292mg,1.38mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソオキサゾール(80.5mg、0.413mmol)、及びPdCl
2(dppf)(14.4mg、19.7μmol)の混合物を、N
2下、40℃で25時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(CH
2Cl
2/EtOAc;20:1)。白色固体を生成物として得た(51mg、49%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 9.00 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.82 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.50 (d, J= 8.6 Hz, 1H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 155.7, 148.4, 147.5, 146.8, 146.1, 145.3, 122.2, 119.9, 117.8, 99.7.
HRMS (APCI): 計算値 C
10H
5BrN
2O2 [M+H]
+ = 264.9607; 実測値[M+H]
+ = 264.9603。
【0387】
脱気した1−ブタノール(2.0mL)及びH
2O(0.4mL)を10mLの丸底フラスコに入れ、Pd(OAc)
2(1mg、4μmol)及びSPhos(2.2mg、5.4μmol)を添加し、混合物を25℃で3分間撹拌した。次に、合成実施例58の生成物(25mg、90μmol)、[1,1’−ビフェニル]−3−イルホウ酸(25mg、0.126mmol)及びTEA(1.0mL,7.2mmol)を添加した。混合物を、N
2下、40℃で1時間撹拌し、ついで、50℃で2時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc;1:1)、ついで、分取TLC(ヘキサン/アセトン;10:7)により精製した。白色固体として生成物を得た(7mg;22%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.57 ‐ 8.53 (m, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.14 ‐ 8.10 (m, 1H), 8.03 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.77 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.75 ‐ 7.71 (m, 2H), 7.63 ‐ 7.54 (m, 2H), 7.53 ‐ 7.44 (m, 3H), 7.42 ‐ 7.37 (m, 1H), 3.99 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 148.8, 147.6, 145.8, 145.2, 141.7, 141.4, 137.7, 131.3, 129.2, 128.9, 128.9, 127.5, 127.3, 126.5, 126.2, 125.9, 124.3, 121.4, 119.2, 115.7, 39.3.
HRMS (APCI): 計算値 C
23H
17N
3O [M+H]
+ = 352.1444; 実測値 [M+H]
+ = 352.1449。
【0390】
合成実施例60の生成物(21mg、79.2mmol)、Pd(OAc)
2(1mg,4μmol)、SPhos(2mg、4.8μmol)、ナフタレン−2−イルホウ酸(17.7mg、103μmol)、1−ブタノール(2mL)、H
2O(0.4mL)及びTEA(1.0mL、7.17mmol)を10mLの丸底フラスコに入れた。混合物を、N
2下、45℃で3時間撹拌された。溶媒を留去し、残留物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc;3:1)、ついで、分取TLC(CH
2Cl
2/EtOAc;30:1)により精製した。無色のワックスとして生成物を得た(2.5mg;10%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 9.02 (s, 1H), 8.94 (s, 1H), 8.87 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.09 (dd, J = 8.5, 1.6 Hz, 1H), 8.00 ‐ 7.93 (m, 2H), 7.91 ‐ 7.85 (m, 2H), 7.57 ‐ 7.50 (m, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 155.2, 148.5, 146.5, 146.1, 145.1, 133.8, 133.1, 128.5, 128.5, 127.9, 127.7, 126.6, 126.4, 126.3, 124.8, 122.8, 121.6, 119.5, 116.9.
HRMS (APCI): 計算値C
20H
12N
2O
2 [M+H]
+ = 313.0972; 実測値 [M+H]
+ = 313.0975。
【0391】
(合成実施例63)
[1,1’−ビフェニル]−3−イルホウ酸に代えて[1,1’−ビフェニル]−4−イルホウ酸を使用し、合成実施例61に記載されたものと本質的に同一の手順により、以下の化合物を合成した。
【0393】
白色固体
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.28 ‐ 8.24 (m, 2H), 8.16 (s, 1H), 8.04 (d, J= 2.9 Hz, 2H), 7.77 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.76 ‐ 7.72 (m, 2H), 7.70 ‐ 7.66 (m, 2H), 7.50 ‐ 7.45 (m, 3H), 7.40 ‐ 7.35 (m, 1H), 4.00 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 148.8, 147.6, 145.8, 145.1, 141.0, 140.5, 137.7, 129.9, 129.0, 128.9, 127.6, 127.5, 127.4, 127.1, 124.3, 121.3, 119.2, 115.8, 39.3.
HRMS (APCI): 計算値C
23H
17N
3O [M+H]
+ = 352.1441; 実測値 [M+H]
+ = 352.1442。
【0394】
(合成実施例64)
[1,1’−ビフェニル]−3−イルホウ酸に代えて[1,1’−ビフェニル]−2−イルホウ酸を使用し、合成実施例61に記載されたものと本質的に同一の手順により、以下の化合物を合成した。
【0396】
無色のワックス
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.18 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.98 ‐ 7.91 (m, 2H), 7.67 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.54 ‐ 7.48 (m, 1H), 7.47 ‐7.42 (m, 2H), 7.38 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.35 ‐ 7.30 (m, 2H), 7.30 ‐ 7.22 (m, 3H), 7.17 (s, 1H), 3.97 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 148.5, 147.5, 146.6, 146.1, 142.2, 141.6, 137.7, 130.9, 130.6, 129.5, 129.1, 128.6, 128.3, 127.8, 127.6, 127.1, 124.1, 120.8, 119.0, 115.5, 39.3.
HRMS (APCI): 計算値 C
23H
17N
3O [M+H]
+ = 352.1444; 実測値 [M+H]
+ = 352.1448.
(合成実施例65)
【0398】
脱気した1−BuOH(2.5mL)及びH
2O(0.5mL)を10mLの丸底フラスコに入れ、ついで、合成実施例58の生成物(40mg、144μmol)、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール(49.2mg、0.201mmol)、Pd(PPh
3)
4(8.3mg,7.2μmol)及びK
3PO
4(92mg、0.432mmol)を添加した。混合物を、N
2下、90℃で18時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を、シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc;1:10)、ついで、分取TLC(CH
2Cl
2/アセトン;3:2)により精製した。白色固体として生成物を得た(10mg、22%)。
1H NMR (500 MHz, acetone-d6) δ 12.35 (b, 1H), 9.06 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 8.06 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.89 ‐ 7.84 (m, 2H), 7.68 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, acetone-d6) δ 150.2, 148.5, 147.3, 146.5, 142.0, 138.4, 134.8, 129.9, 129.9, 124.9, 123.6, 122.0, 121.6, 120.5, 120.3, 116.8, 109.7, 39.4.
HRMS (APCI): 計算値 C
18H
12N
5O [M+H]
+ = 316.1193; 実測値[M+H]
+ = 316.1197。
【0401】
脱気した1−BuOH(2.0mL)及びH
2O(0.4mL)を5mLの丸底フラスコに入れた。ついで、合成実施例58の生成物(30mg、108μmol)、(4−カルバモイルフェニル)ホウ酸(26.7mg、0.162mmol)、Pd(PPh
3)
4(6.2mg、5.4μmol)及びK
3PO
4(68.6mg、0.323mmol)を添加した。混合物を、N
2下、80℃で45分間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を、シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc;1:10)、ついで分取TLC(MeOH/EtOAc;1:10)により精製した。白色固体として生成物を得た(12mg;35%)。
1H NMR (500 MHz, acetone-d6) δ 8.68 (s, 1H), 8.50 ‐8.45 (m, 2H), 8.28 (s, 1H), 8.10 ‐ 8.05 (m, 3H), 7.95 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.97 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, acetone-d6) δ 168.8, 150.5, 148.5, 147.8, 146.2, 138.2, 135.1, 134.3, 130.0, 128.9, 127.6, 124.8, 121.3, 120.4, 116.9, 39.4.
HRMS (APCI): 計算値C
18H
14N
4O
2 [M+H]
+ = 319.1190; 実測値[M+H]
+ = 319.1187。
【0402】
(合成実施例67)
(4−カルバモイルフェニル)ホウ酸に代えて(3−クロロ−4−メトキシフェニル)ホウ酸を使用し、合成実施例66に記載されたものと本質的に同一の手順により、以下の化合物を合成した。
【0404】
白色固体
1H NMR (500 MHz, acetone-d6) δ 8.56 (s, 1H), 8.43 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.34 (dd, J = 8.6, 2.2 Hz, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.07 (d, J = 0.6 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 3.97 (d, J = 2.0 Hz, 6H).
13C NMR (126 MHz, acetone-d6) δ 155.5, 150.2, 148.3, 146.5, 146.2, 138.2, 129.8, 129.3, 127.6, 125.6, 124.8, 123.1, 120.4, 120.3, 116.8, 113.7, 56.7, 39.4.
HRMS (APCI): 計算値 C
18H
14ClN
3O
2 [M+H]
+ = 340.0847; 実測値 [M+H]
+ = 340.0842。
【0407】
脱気された1−BuOH(2.0mL)とH
2O(0.4mL)が10mLの丸底フラスコに加えられ、ついで、合成実施例67の生成物(25mg、0.074μmol)、フェニルホウ酸(11.7mg、95.7μmol),Pd(OAc)
2(1.0mg,3.7μmol)、Sフォス(1.8mg、44μmol)及びK
3PO
4(46.9mg、0.220mmol)が加えられた。混合物がN
2下、80℃、4時間撹拌された。溶媒が留去され、残留物がシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc)、ついで、分取TLC(CH
2Cl
2/EtOAc2:1;3回)で精製された。生成物が無色のワックスとして得られた(9mg;32%)。
1H NMR (300 MHz, acetone-d6) δ 8.56 (s, 1H), 8.43 ‐8.33 (m, 2H), 8.19 (s, 1H), 8.05 (d, J= 0.6 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.70 ‐ 7.61 (m, 3H), 7.50 ‐ 7.33 (m, 3H), 7.24 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.89 (s, 3H).
13C NMR (75 MHz, acetone-d6) δ 157.2, 150.0, 148.4, 146.6, 146.2, 139.9, 138.2, 131.7, 130.6, 130.4, 129.8, 129.0, 128.3, 127.9, 125.0, 124.8, 121.5, 120.1, 116.6, 112.9, 56.2, 39.4.
HRMS (APCI): 計算値 C
24H
19N
3O
2 [M+H]
+ = 382.1550; 実測値 [M+H]
+ = 382.1547。
【0408】
(合成実施例69)
(4−カルバモイルフェニル)ホウ酸に代えて(4−ホルミルフェニル)ホウ酸 MIDAエステルを使用し、合成実施例66に記載されたものと本質的に同一の手順により、以下の化合物を合成した。
【0410】
白色固体
1H NMR (500 MHz, acetone-d6) δ 10.11 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.65 (d, J= 8.3 Hz, 2H), 8.32 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 8.09 ‐ 8.04 (m, 2H), 7.99 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.73 (d, J= 8.7 Hz, 1H), 3.99 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, acetone-d6) δ 192.6, 192.5, 150.7, 148.6, 148.6, 146.0, 138.3, 136.7, 130.9, 130.1, 128.2, 124.7, 121.0, 120.5, 117.1, 39.4.
HRMS (APCI): 計算値C
18H
13N
3O
2 [M+H]
+ = 304.1081; 実測値[M+H]
+ = 304.1079。
【0413】
合成実施例69の生成物(31mg、0.102mmol),NaBH
4(8mg,0.204mmol)及びMeOH(7mL)を10mLの丸底フラスコに入れた。混合物を、N
2下、25℃で90分間撹拌した。NH
4Cl飽和水溶液(10mL)を添加し、混合物をEtOAc(2x20mL)で抽出した。有機層を食塩水(10mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc;1:12)により精製した。白色固体として生成物を得た(26mg;84%)。
1H NMR (500 MHz, acetone-d6) δ 8.54 (s, 1H), 8.33 ‐8.29 (m, 2H), 8.25 (s, 1H), 8.06 (d, J= 0.6 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.52 ‐ 7.47 (m, 2H), 4.72 ‐ 4.68 (m, 2H), 3.96 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, acetone-d6) δ 150.2, 148.4, 146.7, 146.5, 142.9, 138.2, 130.6, 129.9, 127.8, 127.8, 124.9, 122.0, 120.2, 116.7, 64.7, 39.4.
HRMS (APCI): 計算値 C
18H
15N
3O
2 [M+H]
+ = 306.1237; 実測値 [M+H]
+ = 306.1242。
【0414】
(合成実施例71)
(4−カルバモイルフェニル)ホウ酸に代えて(4−(メチルスルホニル)フェニル)ホウ酸を使用し、合成実施例66に記載されたものと本質的に同一の手順により、以下の化合物を合成した。
【0416】
白色固体
1H NMR (300 MHz, acetone-d6) δ 8.78 (s, 1H), 8.70 ‐8.63 (m, 2H), 8.31 (s, 1H), 8.12 ‐ 8.02 (m, 3H), 7.98 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.97 (s, 3H), 3.17 (s, 3H).
13C NMR (75 MHz, acetone-d6) δ 150.7, 148.7, 148.5, 145.9, 141.0, 138.2, 137.4, 130.1, 128.7, 128.3, 124.6, 120.6, 120.4, 117.1, 44.6, 39.4.
HRMS (APCI): 計算値 C
18H
15N
3O
3S [M+H]
+ = 354.0907; 実測値 [M+H]
+ = 354.0901。
【0417】
(合成実施例72)
(4−カルバモイルフェニル)ホウ酸に代えて(4−(メチルチオ)フェニル)ホウ酸を使用し、合成実施例66に記載されたものと本質的に同一の手順により、以下の化合物を合成した。
【0419】
白色固体
1H NMR (500 MHz, acetone-d6) δ 8.55 (s, 1H), 8.35 ‐8.29 (m, 2H), 8.24 (s, 1H), 8.06 (d, J= 0.5 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.43 ‐ 7.38 (m, 2H), 3.96 (s, 3H), 2.55 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, acetone-d6) δ 150.2, 148.4, 146.7, 146.4, 139.0, 138.2, 129.9, 128.8, 128.3, 127.5, 124.9, 121.5, 120.2, 116.7, 39.4, 15.7.
HRMS (ACPI): 計算値 C
18H
25N
3OS [M+H]
+ = 322.1009; 実測値 [M+H]
+ = 322.1003。
【0422】
合成実施例72の生成物(13mg、40.4mmol)及びCH
2Cl
2(2mL)を5mLの丸底フラスコに加えた。混合物を0℃まで冷却し、つぎにmCPBA(7.0mg、40.4mmol)を添加し、混合物を、N
2下、0℃で45分間撹拌した。NaHCO
3飽和水溶液(5ml)及びH
2O(5mL)を添加し、混合物をCH
2Cl
2(2x10mL)で抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおける分取TLCにより精製した(EtOAc/MeOH;20:1)。黄色のワックスとして生成物を得た(5mg、38%)。
1H NMR (300 MHz, acetone-d6) δ 8.70 (s, 1H), 8.63 ‐8.55 (m, 2H), 8.29 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.96 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.81 (d, J= 8.6 Hz, 2H), 7.69 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.97 (s, 3H), 2.76 (s, 3H).
13C NMR (75 MHz, acetone-d6) δ 150.4, 148.4, 147.8, 147.1, 146.1, 138.2, 134.6, 130.0, 128.4, 124.8, 124.7, 120.9, 120.4, 116.9, 44.4, 39.3.
HRMS (APCI): 計算値C
18H
15N
3O
3S [M+H]
+ = 338.0958; 実測値[M+H]
+ = 338.0955。
【0423】
(合成実施例74)
(4−カルバモイルフェニル)ホウ酸に代えて(3−(tert−ブチル)フェニル)ホウ酸を使用し、合成実施例66に記載されたものと本質的に同一の手順により、以下の化合物を合成した。
【0425】
無色のワックス
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.41 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.84 (m, 1H), 7.74 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.42 (m, 3H), 3.97 (s, 3H), 1.44 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 151.7, 148.6, 147.6, 145.9, 145.0, 137.7, 130.4, 128.8, 128.5, 124.8, 124.7, 124.4, 124.1, 122.0, 119.1, 115.6, 35.0, 31.6, 31.0.
HRMS (APCI): calcd. for C
21H
21N
3O [M+H]
+ = 332.1757; found [M+H]
+= 332.1754。
【0428】
6−クロロ−5−メチルピリジン−3−オール(2.51g、17.5mmol)、ヨウ素(4、44g、17.5mmol)、H
2O(35mL)、THF(30mL)及びNa
2CO
3(3.90g、36.8mmol)を100mLの丸底フラスコに入れた。混合物を、N
2下、25℃で18時間撹拌した。溶媒を留去し、溶液を1M HCl水溶液(38mL)で中和した。次に、NH
4Cl(30mL)の飽和水溶液及びH
2O(100mL)を添加し、混合物をCH
2Cl
2(80mL)及びEtOAc(2x80mL)で抽出した。有機層を食塩水(30mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過して、溶媒を留去した。白色固体として生成物を得た(4.24g;90%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.12 (d, J = 0.7 Hz, 1H), 2.31 (d, J = 0.7 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 124.8, 19.3.
HRMS (APCI): 計算値 C
6H
5ClINO [M+H]
+ = 269.9178; 実測値 [M+H]
+ = 269.9179。
【0431】
合成実施例75の生成物(2.2g、8.16mmol)、脱気した1,4−ジオキサン(17mL)及びTEA(17mL)を100mLの丸底フラスコに入れた。次に、エチニルトリメチルシラン(1.49mL、10.6mmol)、CuI(78mg,0.408mmol)及びPdCl
2(PPh
3)
2(114mg、0.163mmol)を添加した。混合物を、N
2下、45℃で3時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を、シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(ヘキサン/EtOAc:10:1)。オレンジ色の固体として生成物を得た(930mg、47%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.62 (s, 1H), 7.01 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 2.48 (s, 3H), 0.36 (s, 9H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 169.5, 150.4, 147.1, 146.1, 127.3, 121.1, 116.5, 20.6, -1.9.
HRMS (APCI): 計算値 C
11H
14ClNOSi [M+H]
+ = 240.0606; 実測値 [M+H]
+ = 240.0604。
【0434】
合成実施例76の生成物(0.090g、3.75mmol)、MeOH(28mL)及びKF(654mg、11.3mmol)を100mLの丸底フラスコに入れた。混合物を、N
2下、25℃で14時間撹拌し、次いで、60℃でさらに8時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーにより精製した(ヘキサン/EtOAc;10:1から5:1)。白色固体として生成物を得た(560mg、88%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.79 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.65 (s, 1H), 6.89 (m, 1H), 2.49 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 149.3, 147.6, 147.4, 145.3, 127.8, 121.4, 107.7, 20.6.
HRMS (APCI): 計算値 C
8H
6ClNO [M+H]
+ = 168.0211; 実測値 [M+H]
+ = 168.0209。
【0437】
脱気した1,2−ジメトキエタン(4.0mL)及びH
2O(1.0mL)を25mLの丸底フラスコに入れた。次に、合成実施例77の生成物(160mg、0.94mmol)、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(294mg、1.42mmol)、PdCl
2(dppf)(34mg、47μmol)及びK
3PO
4(599mg、2.82mmol)を添加した。混合物を、N
2下、80℃で5時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーで(EtOAc/MeOH;1:0から10:1)、ついで他ののカラムクロマトグラフィーにより精製した(EtOAc)。白色固体として生成物を得た(120mg、60%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.90 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.76 (d, J= 2.3 Hz, 1H), 7.60 (s, 1H), 6.92 (dd, J= 2.2, 0.9 Hz, 1H), 3.97 (s, 3H), 2.56 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 148.6, 146.9, 145.3, 139.3, 137.0, 130.3, 126.6, 123.2, 120.4, 108.0, 39.1, 21.6.
HRMS (APCI): 計算値 C
12H
11N
3O [M+H]
+ = 214.0975; 実測値 [M+H]
+ = 214.0972。
【0440】
合成実施例78の生成物(115mg、0.54mmol)及びCCl
4(5mL)を100mLの丸底フラスコに入れた。混合物を、−18℃まで冷却し、次いで臭素(0.56mL、10.8mmol)を徐々に加えた。混合物を12℃まで加温し、N
2下で60分間撹拌した。混合物を水(30mL)、氷(20mL)及びNa
2S
2O
5(2g)の混合物中に注いだ。得られた混合物を、CH
2Cl
2(20mL)及びEtOAc(2x15mL)で抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を留去した。トルエン(12mL)及びDBU(0.241mL、1.62mmol)を残留物に添加し、混合物を、N
2下、80℃で45分間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を、シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン;1:1)で、次いで分取TLC(EtOAc/ヘキサン;2:1)により精製した。白色固体として生成物を得た(19mg、12%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.93 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 7.80 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 3.98 (s, 3H), 2.60 (s, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 149.2, 146.5, 146.1, 142.5, 139.3, 130.9, 127.9, 122.98 (s), 121.0, 99.5, 39.2, 21.7.
HRMS (APCI): 計算値 C
12H
10BrN
3O [M+H]
+ = 292.0080; 実測値 [M+H]
+ = 292.0075。
【0443】
脱気した1−ブタノール(2.0mL)及びH
2O(0.4mL)を10mLの丸底フラスコに入れた。合成実施例79の生成物(15mg、51.3μmol)、ナフタレン−2−イルホウ酸(13.3mg、77μmol)、Pd(PPh
3)
4(3.0mg、2.6μmol)及びK
3PO
4(32.7mg、0.154mmol)を添加した。混合物を、N
2下、80℃で70分間撹拌した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおいてカラムクロマトグラフィー(EtOAc/CH
2Cl
2;1:2)で、ついで分取TLC(EtOAc/CH
2Cl
2;2:3)により精製した。無色のワックスとして生成物を得た(8.5mg;収率49%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 8.88 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.14 ‐ 8.07 (m, 2H), 7.97 ‐ 7.84 (m, 4H), 7.64 (d, J = 0.5 Hz, 1H), 7.55 ‐ 7.44 (m, 2H), 4.03 (s, 3H), 2.64 (s, 3H).
13C NMR (75 MHz, CDCl
3) δ 148.1, 148.0, 144.9, 143.9, 139.8, 133.9, 133.0, 130.5, 128.6, 128.5, 128.4, 127.9, 126.5, 126.4, 126.3, 126.1, 125.0, 123.9, 121.4, 120.7, 39.3, 21.9.
HRMS (APCI): 計算値 C
22H
17N
3O [M+H]
+ = 340.1444; 実測値[M+H]
+ = 340.1440。
【0446】
脱気した1−ブタノール(2.0mL)及びH
2O(0.4mL)を10mLの丸底フラスコに入れた。次に、合成実施例58の生成物(23.8mg、85.6μmol)、(4−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル)ホウ酸(19.5mg、0.103mmol)、Pd(PPh
3)
4(5.0mg,4.3μmol)及びK
2PO
4(54.5mg、0.257mmol)を添加した。混合物を、N
2下で150分間還流させた。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(EtOAc/MeOH;3:1から2:1)で、ついで分取TLC(THF/MeOH;2:1)により精製した。無色の半固体として生成物を得た(12mg;41%)。
1H NMR (300 MHz, CD
3OD) δ 8.44 (s, 1H), 8.37 ‐ 8.30 (m, 2H), 8.20 ‐ 8.13 (m, 3H), 8.05 (d, J = 0.7 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.96 (s, 3H).
13C NMR (75 MHz, CD
3OD) δ 149.9, 148.9, 147.3, 146.6, 138.4, 132.7, 130.7, 130.0, 128.2, 127.9, 126.5, 125.4, 122.0, 120.3, 116.9, 39.1.
HRMS (APCI): 計算値C
18H
13N
7O [M+H]
+ = 344.1254; 実測値 [M+H]
+ = 344.1252。
【0447】
〔分析〕
in vitroのエッセーを、有料のサービスである、メルク ミリポア(Merck Millipore)会社のキナーゼプロファイラー放射測定タンパクキナーゼ分析(KinaseProfiler radiometric protein kinase assay)で行った。各プロテインキナーゼの抑制に関する化合物のIC
50を決定した。用量−応答曲線は、抑制化合物の10ポイントの連続希釈について、各2回測定して得られた抑制のデータをプロットした。化合物の濃度は、キナーゼの活性%に対してプロットした。IC
50値を得るために、用量−応答曲線を標準S字形曲線に適合させ、IC
50値を標準非線形回帰分析により生成した。
【0448】
全ての試験した化合物を、100%DMSOで0.5mM(濃度列A、下記参照)又は0.05mM(濃度列B)の分析終濃度に調製した。この化合物の試験原液(working stock)を、反応の第1成分としてウェルに添加し、残りの成分を下記のように添加した。原液を、化合物の濃度群が列A(0.001μM、0.003μM、0.01μM、0.03μM、0.1μM、0.3μM、1.0μM、3.0μM、及び10.0μM)又は列B(0.0001μM、0.0003μM、0.001μM、0.003μM、0.01μM、0.03μM、0.1μM、0.3μM、及び1.0μM)になるように、各ウェルに加えた。反応を開始する前に、化合物とキナーゼとの間の反応誘導段階はなかった。
【0449】
ポジティブコントロールのウェルは、対象の化合物を除いて、反応の全ての成分を含んでいた。しかしながら、溶媒の効果についてみるため、DMSO(2%の最終濃度)をこれらのウェルに加えた。ブランクのウェルは、対象化合物に代わる参照インヒビターとしてのスタウロスポリン(staurosporine)とともに、反応の全ての成分を含んでいた。ブランクのウェルでは、キナーゼ活性は消滅しており、ベースライン(残存0%キナーゼ活性)を形成した。
【0450】
(CLK2分析)
CLK2(h)は、反応混合物に加える前に、緩衝液(20mM MOPS(3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸)、1mM EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)、0.01% Brij−35(界面活性剤)、5%グリセロール、0.1%β-メルカプトエタノール、1mg/mL BSA)により、1.01mg/mLの濃度まで希釈した。
【0451】
CLK2(h)の上記原液を、8mM MOPS pH7.0、0.2mM EDTA、及び20μM YRRAAVPPSPSLSRHSSPHQS(p)EDEEEを含む混合物に添加し、CLK2(h)の濃度を2.1nMとした。この混合物を、試験化合物の原液に加えた。MgATP混合物を加え、反応混合物中の酢酸Mgの濃度を10mM、[γ-
33P-ATP](約500cpm/pmolの比活性)を15μMにすることによって、反応を開始させた。室温で40分間インキュベートした後、3%のリン酸溶液を加えて反応を停止させた。10μLの反応混合物をP30フィルターマットに移し、75mM リン酸で5分間、3回洗浄し、メタノール中で1回洗浄し、乾燥して、シンチレーション計数した。
【0452】
(CLK4分析)
CLK4(h)を、反応混合物に加える前に、緩衝液(20mM MOPS、1mM EDTA、0.01% Brij−35、5%グリセロール、0.1%β-メルカプトエタノール、1mg/mL BSA)により、1.01mg/mLの濃度まで希釈した。
【0453】
CLK4(h)の上記原液を、8mM MOPS pH7.0、0.2mM EDTA、及び200μM YRRAAVPPSPSLSRHSSPHQS(p)EDEEEを含む混合物に添加し、CLK4(h)の濃度を140.8nMとした。この混合物を、試験化合物の原液に加えた。MgATP混合物を加え、反応混合物中の酢酸Mgの濃度を10mM、[γ-
33P-ATP](約500cpm/pmolの比活性)を15μMにすることによって、反応を開始させた。室温で40分間インキュベートした後、3%のリン酸溶液を加え、反応を停止させた。10μLの反応混合物をP30フィルターマットに移し、75mM リン酸で5分間、3回洗浄し、メタノール中で1回洗浄し、乾燥して、シンチレーション計数した。
【0454】
(HIPK1分析)
HIPK1(h)を、反応混合物に加える前に、緩衝液(20mM MOPS、1mM EDTA、0.01% Brij−35、5%グリセロール、0.1%β-メルカプトエタノール、1mg/mL BSA)により、1.01mg/mLの濃度まで希釈した。
【0455】
HIPK1(h)の上記原液を、8mM MOPS pH7.0、0.2mM EDTA、及び0.33mg/mLミエリン塩基性タンパク質を含む混合物に添加し、HIPK1(h)の濃度を4.7nMとした。この混合物を、試験化合物の原液に加えた。MgATP混合物を加え、反応混合物中の酢酸Mgの濃度を10mM、[γ-
33P-ATP](約500cpm/pmolの比活性)を45μMにすることによって、反応を開始させた。室温で40分間インキュベートした後、3%リン酸溶液を加え、反応を停止させた。10μLの反応混合物をP30フィルターマットに移し、75mM リン酸で5分間、3回洗浄し、メタノール中で1回洗浄し、乾燥して、シンチレーション計数した。
【0456】
(HIPK2分析)
HIPK2(h)を、反応混合物に加える前に、緩衝液(20mM MOPS、1mM EDTA、0.01% Brij−35、5%グリセロール、0.1%β-メルカプトエタノール、1mg/mL BSA)により、1.01mg/mLの濃度まで希釈した。
【0457】
HIPK2(h)の上記原液を、8mM MOPS pH7.0、0.2mM EDTA、及び0.33mg/mLミエリン塩基性タンパク質を含む混合物に添加し、HIPK2(h)の濃度を1.4nMとした。この混合物を、試験化合物の原液に加えた。MgATP混合物を加え、反応混合物中の酢酸Mgの濃度を10mM、[γ-
33P-ATP](約500cpm/pmolの比活性)を10μMにすることによって、反応を開始させた。室温で40分間インキュベートした後、3%リン酸溶液を加え、反応を停止させた。10μLの反応混合物をP30フィルターマットに移し、75mM リン酸で5分間、3回洗浄し、メタノール中で1回洗浄し、乾燥して、シンチレーション計数した。
【0458】
(HIPK3分析)
HIPK3(h)を、反応混合物に加える前に、緩衝液(20mM MOPS、1mM EDTA、0.01% Brij−35、5%グリセロール、0.1%β-メルカプトエタノール、1mg/mL BSA)により、1.01mg/mLの濃度まで希釈した。
【0459】
HIPK3(h)の上記原液を、8mM MOPS pH7.0、0.2mM EDTA、及び1.0mg/mLミエリン塩基性タンパク質を含む混合物に添加し、HIPK3(h)の濃度を6.4nMとした。この混合物を、試験化合物の原液に加えた。MgATP混合物を加え、反応混合物中の酢酸Mgの濃度を10mM、[γ-
33P-ATP](約500cpm/pmolの比活性)を15μMにすることによって、反応を開始させた。室温で40分間インキュベートした後、3%リン酸溶液を加え、反応を停止させた。10μLの反応混合物をP30フィルターマットに移し、75mM リン酸で5分間、3回洗浄し、メタノール中で1回洗浄し、乾燥して、シンチレーション計数した。
【0460】
(FLT3分析)
FLT3(h)を、反応混合物に加える前に、緩衝液(20mM MOPS、1mM EDTA、0.01% Brij−35、5%グリセロール、0.1%β-メルカプトエタノール、1mg/mL BSA)により、1.01mg/mLの濃度まで希釈した。
【0461】
FLT3(h)の上記原液を、8mM MOPS pH7.0、0.2mM EDTA、及び50μM EAIYAAPFAKKKを含む混合物に添加し、FLT3(h)の濃度を28.3nMとした。この混合物を、試験化合物の原液に加えた。MgATP混合物を加え、反応混合物中の酢酸Mgの濃度を10mM、[γ-
33P-ATP](約500cpm/pmolの比活性)を200μMにすることによって、反応を開始させた。室温で40分間インキュベートした後、3%リン酸溶液を加え、反応を停止させた。10μLの反応混合物をP30フィルターマットに移し、75mM リン酸で5分間、3回洗浄し、メタノール中で1回洗浄し、乾燥して、シンチレーション計数した。
【0462】
(TRKA分析)
TRKA(h)を、反応混合物に加える前に、緩衝液(20mM MOPS、1mM EDTA、0.01% Brij−35、5%グリセロール、0.1%β-メルカプトエタノール、1mg/mL BSA)により、1.01mg/mLの濃度まで希釈した。
【0463】
TRKA(h)の上記原液を、8mM MOPS pH7.0、0.2mM EDTA、及び250μM KKKSPGEYVNIEFGを含む混合物に添加し、TRKA(h)の濃度を28.2nMとした。この混合物を、試験化合物の原液に加えた。MgATP混合物を加え、反応混合物中の酢酸Mgの濃度を10mM、[γ-
33P-ATP](約500cpm/pmolの比活性)を120μMにすることによって、反応を開始させた。室温で40分間インキュベートした後、3%リン酸溶液を加え、反応を停止させた。10μLの反応混合物をP30フィルターマットに移し、75mM リン酸で5分間、3回洗浄し、メタノール中で1回洗浄し、乾燥して、シンチレーション計数した。
【0464】
(結果)
A:IC
50<0.100μM
B:IC
50<1.00μM
C:IC
50<5.00μM
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]