(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386592
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】フレキシブルなサブキャリア間隔およびシンボル期間を有するOFDMのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20180827BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20180827BHJP
【FI】
H04L27/26 110
H04W72/04
H04W72/04 131
H04W72/04 132
【請求項の数】20
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-572880(P2016-572880)
(86)(22)【出願日】2015年3月4日
(65)【公表番号】特表2017-513421(P2017-513421A)
(43)【公表日】2017年5月25日
(86)【国際出願番号】CN2015073646
(87)【国際公開番号】WO2015131827
(87)【国際公開日】20150911
【審査請求日】2016年10月28日
(31)【優先権主張番号】61/949,805
(32)【優先日】2014年3月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/627,836
(32)【優先日】2015年2月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】ジアンレイ・マ
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ジア
【審査官】
吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2007/0155387(US,A1)
【文献】
国際公開第2013/017930(WO,A1)
【文献】
WAVECOM,Impact of UMTS Low Pass Filter receiver on the OFDM Signal, 3GPP TSG-RAN WG1#35 R1-031192,2003年11月19日,pp.1-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04W 72/04
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信をサポートするネットワークコントローラによる方法であって、前記方法は、
波形伝送のためのサブキャリア間隔とシンボル期間との異なる組合せを定義する複数の多元接続ブロック(MAB)タイプを確立するステップと、
キャリアスペクトル帯域の周波数時間平面を前記波形伝送のための周波数-時間スロットを含む複数のMAB領域に区分するステップと、
前記MAB領域のために、前記確立された複数のMABタイプから少なくとも2つの異なるMABタイプを選択するステップであって、前記複数のMAB領域のうちの少なくとも第1のMAB領域および第2のMAB領域は、同一の時間スロットにおける前記キャリアスペクトル帯域の異なる周波数区分を占有し、前記第1のMAB領域内の第1のサブキャリア間隔は、前記第2のMAB領域内のΔfと表される第2のサブキャリア間隔の倍数2*Δfまたは4*Δfである、ステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記ネットワークコントローラの送信器において、前記MAB領域のために選択された前記少なくとも2つの異なるMABタイプの前記サブキャリア間隔および前記シンボル期間に従って前記MAB領域内の前記周波数-時間スロットを配置するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記MABタイプは、前記MAB領域に関連付けられたチャネルタイプ、伝送モード、伝搬チャネル条件、およびサービス(QoS)要件の品質のうちの少なくとも1つに従って前記MAB領域のために選択される、請求項1および2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
1つまたは複数のネットワークデバイスに、少なくとも1つの前記MABタイプのサブキャリア間隔、有効シンボル長、およびサイクリックプレフィックス長を示すパラメータをシグナリングするステップをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
1つまたは複数のネットワークデバイスに、前記MAB領域のうちの1つと、前記MAB領域のために選択されたMABタイプ、対応するタイプのトラフィックまたは伝送チャネル、および対応する通信チャネルのうちの少なくとも1つとのマッピングをシグナリングするステップをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のMAB領域内の第1のシンボル期間または前記第2のMAB領域内の第2のシンボル期間は、有効シンボル長およびサイクリックプレフィックス(CP)長のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のシンボル期間は、前記第1のシンボル期間の2倍または4倍である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記波形伝送は、OFDM伝送、Filtered OFDM(F-OFDM)伝送、およびFilter Bank Multi-Carrier(FBMC)伝送のうちの1つである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
無線通信をサポートするネットワークコントローラであって、前記ネットワークコントローラは、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサによる実行のためのプログラミングを記憶するコンピュータ可読記憶媒体とを備え、前記プログラミングは、
波形伝送のためのサブキャリア間隔とシンボル期間との異なる組合せを定義する複数の多元接続ブロック(MAB)タイプを確立し、
キャリアスペクトル帯域の周波数時間平面を前記波形伝送のための周波数-時間スロットを含む複数のMAB領域に区分し、
前記MAB領域のために、前記確立された複数のMABタイプから少なくとも2つの異なるMABタイプを選択することであって、前記複数のMAB領域のうちの少なくとも第1のMAB領域および第2のMAB領域は、同一の時間スロットにおける前記キャリアスペクトル帯域の異なる周波数区分を占有し、前記第1のMAB領域内の第1のサブキャリア間隔は、前記第2のMAB領域内のΔfと表される第2のサブキャリア間隔の倍数2*Δfまたは4*Δfである、選択することをするための命令を含む、ネットワークコントローラ。
【請求項10】
前記ネットワークコントローラの送信器において、前記MAB領域のために選択された前記少なくとも2つの異なるMABタイプの前記サブキャリア間隔および前記シンボル期間に従って前記MAB領域内の前記周波数-時間スロットを配置する命令をさらに含む、請求項9に記載のネットワークコントローラ。
【請求項11】
前記プログラミングは、1つまたは複数のネットワークデバイスに、少なくとも1つの前記MABタイプのサブキャリア間隔、有効シンボル長、およびサイクリックプレフィックス長を示すパラメータをシグナリングするための命令をさらに含む、請求項9および10のいずれか一項に記載のネットワークコントローラ。
【請求項12】
前記第1のMAB領域内の第1のシンボル期間または前記第2のMAB領域内の第2のシンボル期間は、有効シンボル長およびサイクリックプレフィックス(CP)長のうちの少なくとも1つを含む、請求項9から11のいずれか一項に記載のネットワークコントローラ。
【請求項13】
前記第2のシンボル期間は、前記第1のシンボル期間の2倍または4倍である、請求項12に記載のネットワークコントローラ。
【請求項14】
ユーザ機器(UE)によって、第1のサブキャリア間隔のパラメータおよび第1のシンボル期間のパラメータに従って、キャリアの第1の周波数区分において第1の信号を通信するステップを含み、
前記第1のサブキャリア間隔のパラメータおよび前記第1のシンボル期間のパラメータは、複数の波形パラメータであり、前記複数の波形パラメータは、第2のサブキャリア間隔および第2のシンボル期間をさらに含み、前記第1のサブキャリア間隔は、Δfと表される前記第2のサブキャリア間隔の倍数2*Δfまたは4*Δfであり、前記第1のサブキャリア間隔および前記第1のシンボル期間は、前記第1の周波数区分に関連付けられており、前記第2のサブキャリア間隔および前記第2のシンボル期間は、第2の周波数区分に関連付けられており、前記第1の周波数区分は、前記第2の周波数区分とは異なる、方法。
【請求項15】
第1のシンボル期間または前記第2のシンボル期間は、有効シンボル長およびサイクリックプレフィックス(CP)長のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2のシンボル期間は、前記第1のシンボル期間の2倍または4倍である、請求項14から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記UEによって、OFDM波形、フィルタリングされたOFDM波形、フィルタ・バンク・マルチキャリア(FBMC)波形のうちの1つに従って、前記第1の信号を通信するステップをさらに含む、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
第2の信号が、前記キャリアの前記第2の周波数区分内の第2の波形パラメータに従って第2のUEによって通信される、請求項14から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
請求項14から18のいずれか一項に記載の方法を行うように構成される少なくとも1つのプロセッサを備える、ユーザ機器。
【請求項20】
請求項14から18のいずれか一項に記載の方法をプロセッサに行わせる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体を再現するように参照により本明細書に組み込まれている、Jianglei Ma他により2014年3月7日に出願された、「OFDM System with Flexible Frequency-Time Lattice」と題する、米国特許仮出願第61/949,805号と、また、その全体を再現するように参照により本明細書に組み込まれている、「Systems and Methods for OFDM with Flexible Sub-Carrier Spacing and Symbol Duration」と題する、米国特許出願第14/627,836号との利益を主張する。
【0002】
本発明は、無線通信に関し、具体的な実施形態においては、フレキシブルなサブキャリア間隔およびシンボル期間を使用して異なる波形を送信するためのシステムおよび方法に関する。いくつかの特定の実施形態においては、波形は、異なるパラメータを有する直交周波数分割多重化(OFDM)波形である。
【背景技術】
【0003】
第4世代(4G)およびそれ以前の無線ネットワークのものを含む既存の無線標準規格においては、標準波形は、広く用いるためにその適合性に基づいて選択されてきた。異なる波形がより望ましいパフォーマンスを提供し得る様々な状況が存在しているが、全体的なパフォーマンスおよび実施形態の制約に対処するには、標準波形だけが利用可能である。単一波形を使用することによって、送信器および受信器の両方の設計を簡易化することを可能にし、余分な演算複雑度を回避することを可能にしている。しかしながら、数が増大し続ける展開シナリオにおいて改善されたパフォーマンスを提供するには、単一波形の使用がパフォーマンスを妨げ得る障害となっている。4Gのネットワークは、多くの特性により直交周波数分割多重化(OFDM)波形の使用がなされている。多くのシナリオにおいては、異なるチャネル条件および/または異なる展開/適用シナリオに対して異なるOFDM波形設定が可能であることが有益であり得る。それゆえ、次世代無線通信プロトコルは、最適な波形を、チャネル条件、トラフィックタイプ、伝送モード、ユーザ機器(UE)性能、または他の因子などの様々な基準に基づいて動的に選択することができる波形適合をサポートするエアインターフェースを含むことが予想され得る。そのようなものとして、様々な波形にシームレスに適合されることができる、例えば、効率的に様々なチャネル条件下で弾力的な無線パフォーマンスを提供する、フレキシブルなエアインターフェースを提供するための技法および/または機構が切望されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、無線通信をサポートするネットワークコントローラによる方法は、波形伝送のためのサブキャリア間隔とシンボル期間との異なる組合せを定義する複数の多元接続ブロック(MAB)タイプを確立するステップを含む。方法は、キャリアスペクトル帯域の周波数時間平面を波形伝送のための周波数-時間スロットを含む複数のMAB領域に区分するステップをさらに含む。その後、確立された複数のMABタイプから少なくとも2つの異なるMABタイプがMAB領域のために選択される。
【0005】
本発明の第2の態様よれば、無線通信をサポートするネットワークコンポーネントによる方法は、キャリアスペクトル帯域の周波数時間平面を区分する複数の既定のMAB領域のうちのあるMAB領域を選択するステップと、MAB領域のために選択されたMABタイプに応じたMAB領域内の周波数-時間スロット上で信号を送信するステップとを含む。MABタイプは、複数の既定のMABタイプからのものである。方法は、MABタイプの帯域幅に応じたスペクトルフィルタを使用して送信信号の帯域幅を低減するステップをさらに含む。
【0006】
本発明の第3の態様よれば、無線通信をサポートするネットワークデバイスによる方法は、キャリアスペクトル帯域の周波数時間平面を区分する複数のMAB領域のうちのあるMAB領域内の周波数-時間スロット上で信号を受信するステップと、MAB領域のために選択されたMABタイプを識別して、MAB領域の周波数-時間スロットのためのサブキャリア間隔およびシンボル期間を定義するステップとを含む。方法は、MABタイプに応じた帯域幅を有するスペクトルフィルタを確立するステップと、スペクトルフィルタを使用して信号を検出するステップとをさらに含む。
【0007】
本発明の第4の態様よれば、無線通信をサポートするネットワークコントローラは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによる実行のためのプログラミングを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを備える。プログラミングは、波形伝送のためのサブキャリア間隔とシンボル期間との異なる組合せを定義する複数のMABタイプを確立し、キャリアスペクトル帯域の周波数時間平面を波形伝送のための周波数-時間スロットを含む複数のMAB領域に区分するための命令を含む。ネットワークコントローラはまた、MAB領域のために、確立されたMABタイプから少なくとも2つの異なるMABタイプを選択する。
【0008】
本発明の第5の態様よれば、無線通信をサポートするネットワークコンポーネントは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによる実行のためのプログラミングを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを備える。プログラミングは、キャリアスペクトル帯域の周波数時間平面を区分する複数の既定のMAB領域のうちのあるMAB領域を選択し、MAB領域のために選択されたMABタイプに応じたMAB領域内の周波数-時間スロット上で信号を送信するための命令を含む。MABタイプは、複数の既定のMABタイプからのものである。ネットワークコンポーネントは、MABタイプの帯域幅に応じたスペクトルフィルタを使用して送信信号の帯域幅を低減するようにさらに構成される。
【0009】
本発明の第6の態様よれば、無線通信をサポートするネットワークデバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによる実行のためのプログラミングを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを備える。プログラミングは、キャリアスペクトル帯域の周波数時間平面を区分する複数のMAB領域のうちのあるMAB領域内の周波数-時間スロット上で信号を取得し、MAB領域のために選択されたMABタイプを識別して、MAB領域の周波数-時間スロットのためのサブキャリア間隔およびシンボル期間を定義するための命令を含む。ネットワークデバイスは、MABタイプに応じた帯域幅を有するスペクトルフィルタを確立し、スペクトルフィルタを使用して信号を検出するようにさらに構成される。
【0010】
前述したことは、以下の発明の詳細な説明がより理解され得るように、本発明の実施形態の特徴をかなり大まかに概説している。発明の特許請求の範囲の主題を形成する、発明の実施形態のさらなる特徴および利点は、以下に説明する。本発明の同一の目的を遂行するための他の構造またはプロセスを修正または設計の基礎として開示した概念および特定の実施形態が容易に利用され得ることを、当業者は理解すべきである。そのような均等物は添付の特許請求の範囲に記載しているような発明の精神および範囲を逸脱していないことも、当業者は理解すべきである。
【0011】
本発明およびその利点の理解をより完全なものとするために、添付の図面を併用して以下の説明をここで参照する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】無線通信ネットワークの実施形態の図である。
【
図2】固定サブキャリア間隔を有する従来のOFDM波形の図である。
【
図3】固定シンボル期間を有するOFDM波形の図である。
【
図4】多元接続ブロック(MAB)タイプの実施形態の図である。
【
図5】フレキシブルなサブキャリア間隔およびシンボル期間の割り振りの実施形態の図である。
【
図6】フレキシブルなサブキャリア間隔およびシンボル期間の割り振りの実施形態の図である。
【
図7】異なるMABタイプに応じたフレキシブルなサブキャリア間隔およびシンボル期間を提供するための実施形態の方法のフロー図である。
【
図8】異なるMABタイプに応じた可変のサブキャリア間隔およびシンボル期間にアクセスするための実施形態の方法のフロー図である。
【
図9】様々な実施形態を実施するために使用され得る処理システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
異なる図中の対応する数詞および符号は、特に断りのない限り、対応する部分を一般的に指す。図は、実施形態の関連態様を明確に図示するために描画されており、必ずしも一定の縮尺で描画されていない。
【0014】
現在好適な実施形態の形成および使用を以下に詳細に説明する。しかしながら、本発明は様々な特定の状況において具現化され得る多くの適用可能な発明概念を提供していることを理解すべきである。記載した具体的な実施形態は、発明を形成および使用するための具体的な方法を単に説明するものにすぎず、発明の範囲を限定するものではない。
【0015】
従来のOFDMシステムは、各OFDMシンボルおよび関連サイクリックプレフィックスを送信するために固定の周波数(サブキャリア)間隔およびシンボル期間を使用している。サブキャリア間隔は、例えば、サポートされているユーザ機器(UE)の移動性の最高レベルに基づいて、コンポーネントキャリアの全スペクトルまたはいくつかのコンポーネントキャリアに対して固定されている。サブキャリア間隔は、キャリア(伝送のための周波数帯)内の個々の検出可能な周波数帯である各サブキャリアのための間隔を表している。各サブキャリアは、通信のために1つまたは複数のクライアントに割り当てられ得る。さらに、OFDMシンボル長は、情報またはデータを送信するための個々の検出可能な時間期間である。シンボル長は、シンボルおよびその関連CPを送信するのに要する時間である。シンボルを送信するために使用され、CP長を除いた、シンボル長の部分を、本明細書では、有効シンボル長と称する。従来のOFDMスキームにおける固定サブキャリア間隔および固定シンボル期間は、サイクリックプレフィックスの選択肢を制限する働きをすることにもなる。サイクリックプレフィックスは、送信シンボル(例えば、情報の断片)に付加され、シンボル間干渉を削減するためにガードインターバルとしての機能を果たす。サイクリックプレフィックスの長さは、チャネル遅延スプレッドによって通常決定される。固定サブキャリア間隔および固定OFDMシンボル期間に起因して、従来のOFDMスキームは、さらにより高い移動性、より低い遅延およびオーバーヘッド、より多くのチャネルタイプ、より多くの展開環境、ならびにより多くの伝送スキームをサポートする必要が出てくることが予想される次世代ネットワークのスペクトル効率およびサービス品質(QoS)の要件を満足することができなくなり得る。そのため、よりフレキシブルなエアインターフェースをサポートすることができる新たなOFDMスキームが切望されている。
【0016】
本開示の実施形態は、OFDMシンボルおよび関連サイクリックプレフィックスを送信するための可変のサブキャリア間隔およびシンボル期間をサポートする方法を提供している。シンボル期間は、有効OFDMシンボル長およびその関連サイクリックプレフィックス長を含む。可変のサブキャリア間隔およびシンボル期間は、サブキャリア間隔、有効シンボル長、およびサイクリックプレフィックス長を示すパラメータを用いて決定される。パラメータを、本明細書では、周波数-時間プリミティブと称する。その実施形態はまた、同一のキャリアのスペクトル帯域内のサブキャリア間隔およびシンボル期間の粒度を可変とすることができる。キャリアは、システム内の通信に利用可能なスペクトル割り振りのことであり、定義済みの間隔によって分離されている複数のサブキャリア(大体は、周波数サブバンドである)を含む。例えば、ロング・ターム・エボリューション(LTE)においては、キャリアは、ある帯域幅、5、10、および20ギガヘルツなど、のスペクトルに対応する。開示の実施形態においては、基本多元接続ブロック(MAB)は、システムのキャリアに対して、特定の帯域幅を占有し特定の期間持続するトランスポートユニットとして定義される。可変のサブキャリア間隔およびシンボル期間の割り振りは、以下で説明しているように、異なるサブキャリア間隔および/またはシンボル時間期間を有するMAB領域を含み得る。可変周波数-時間プリミティブは、Filtered OFDM(F-OFDM)伝送に基づいた様々なMAB領域に対応し得る。本明細書で使用しているように、基本MABまたは略してMABという用語は、リソース割り振りのための最小のサブキャリア間隔およびシンボル期間を表している。各MAB領域は、多数の基本MABを含み、異なるサブキャリア間隔およびシンボル期間(有効シンボル長およびサイクリック長)が異なるMAB領域においてサポートされ得る。本明細書で提供した態様は、パフォーマンスおよび効率性の要求を満たすように動的に選択される可変OFDM周波数-時間プリミティブを含む。
【0017】
図1は、データを通信するためのネットワーク100を図示している。ネットワーク100は、カバレッジエリア101を有する基地局またはアクセスポイント(AP)110、複数のクライアントモバイルデバイス120、およびバックホールネットワーク130を含む。AP110は、モバイルデバイス120とのアップリンク(破線)および/またはダウンリンク(点線)接続を確立することによって無線アクセスを提供することができる任意のコンポーネントを備え得る。AP110の例としては、基地局、NodeB、進化型NodeB(eNB)、ピコセル、フェムトセル、WiFiアクセスポイント、および他の無線有効デバイスを含む。モバイルデバイス120は、AP110との無線接続を確立することができる任意のコンポーネントを備えていてもよく、例えば、ユーザ機器(UE)または他の無線有効デバイスなどである。バックホールネットワーク130は、データをAP110とリモートエンド(図示せず)との間で交換できるようにする任意のコンポーネントまたはコンポーネントの集合であってもよい。実施形態においては、ネットワーク100は、リレー、低出力ノード、および無線通信機能を有する他のユーザまたはクライアントデバイスなどの様々な他の無線デバイスを含み得る。
【0018】
図2は、従来のLTEおよびLTEアドバンスト(LTE-A)ネットワークでは一般的であろう、固定サブキャリア間隔を有する従来のOFDM波形の図を図示している。図のように、周波数領域における直交性は、キャリアのスペクトル帯域の周波数-時間平面の全体にわたり15キロヘルツ(KHz)の一様なサブキャリア間隔を使用して維持されている。
【0019】
図3は、従来のLTEおよびLTE-Aネットワークでは一般的であろう、固定シンボル期間(有効シンボル長およびサイクリックプレフィックス長の合計)を有する従来のOFDM波形を図示している図である。図のように、有効OFDMシンボルの長さは、共通のサンプリング周波数およびサブキャリア間隔に基づいて固定されている。そのため、限られた数のサイクリックプレフィックス設定だけがサポートされている。ある設定では、10ミリ秒(ms)期間のフレームに対する通常サイクリックプレフィックス長がサポートされている。フレームは、各々が1msの期間を有する10個の送信時間間隔(TTI)に分割される。TTIは、各々が0.5msである2つのスロットにさらに分割される。各スロットは、最小の不可分な伝送ユニットである7個のOFDMシンボルに分割される。各シンボルは、66.7マイクロ秒(μs)の長さを有し、5.2または4.7μsの通常サイクリックプレフィックス長が前に配置されている。別の設定では、そのフレームに対する拡張サイクリックプレフィックス長がサポートされている。本設定では、サイクリックプレフィックス長は、16.7μsである。
【0020】
以下の実施形態の方法は、同一のキャリアスペクトル帯域内の可変のサブキャリア間隔およびシンボル期間の粒度をサポートしている。このことは、固定サブキャリア間隔および固定シンボル期間に関連する問題を軽減することに役立ち得る。ある実施形態においては、基本多元接続ブロック(MAB)は、特定の帯域幅を占有し特定の時間期間持続するトランスポートユニットとして定義される。異なるMABサイズを定義することができる。例えば、より小さなMABを共通チャネル(例えば、同期チャネル、共通ブロードキャストチャネル)のために使用してもよいし、その一方で、より大きなMABを個々のチャネル(例えば、UE固有のデータチャネル)によって使用してもよい。多数のMABタイプが定義され得る。例として、異なるMABタイプに関連付けられた波形は、異なるサブキャリア間隔、異なる有効OFDMシンボル長、および/または異なるサイクリックプレフィックス長を有し得る。MABタイプの例を以下にさらに説明する。実施形態においては、スペクトルリソースの時間周波数平面は、同一のMABタイプの異なるMAB領域に区分されてもよく、各MAB領域は、本明細書では基本多元接続ブロックとも称する、事前に定義されたサブキャリア間隔およびシンボル期間を有する基本的な周波数-時間スロットからなる。
【0021】
さらなる実施形態においては、フィルタリングされたOFDM波形は、隣接する多元接続ブロック(異なるサブキャリア間隔およびシンボル期間を有する周波数-時間スロット)間の干渉を制御するために使用され得る。異なるサブキャリア間隔およびシンボル期間を有することが起因して、直交性は、周波数-時間平面においてもはや維持されていない可能性がある。この場合には、異なるMAB間の干渉が性能損失を引き起こさないように、適切なデジタルフィルタが、帯域外放射を制御するためにMAB領域によって占有される周波数帯に適用される。加えて、ガードトーンを、デジタルフィルタの端部をロールオフするために(サブキャリア間で)使用してもよい。同一または他の実施形態においては、フィルタ・バンク・マルチキャリア(FBMC)波形を、異なる多元接続ブロック間の直交性を維持するために使用してもよい。FBMC波形は、両方がその全体を再現するように参照により本明細書に組み込まれている、2013年9月9日に出願された、「System and Method for Weighted Circularly Convolved Filtering in OFDM-OQAM」と題する米国特許非仮出願第14/035,161号と、2014年2月19日に出願された、「Frame Structure for Filter Bank Multi-Carrier (FBMC) Waveforms」と題する、米国特許非仮出願第14/184,078号とに記載されている。
【0022】
OFDM波形設定の実施形態においては、特殊MABタイプ、MABタイプ1、MABタイプ2、およびMABタイプ3を含む、4つのMABタイプが定義されている。本明細書で使用しているように、特殊MABタイプという用語は、定義済みのMABタイプのうち、より大きいサブキャリア間隔およびサイクリックプレフィックスを要求する同期チャネルおよびブロードキャストチャネルなどの領域共通の伝送チャネルに適用された既定のサブキャリア間隔およびサイクリックプレフィックスを有するMABタイプを指す。例として、特殊MABタイプは、定義済みのMABタイプのうちの最大のサブキャリア間隔および最長のサイクリックプレフィックスを有し得る。ある実施形態においては、特殊MABタイプは、ある領域内、例えば、無線アクセスの仮想化のために設定された領域内の複数の送信器によってブロードキャストされる。特殊MABタイプは、同期エラー対して比較的高い耐性を有しており、そのため、高移動性かつ低複雑度のデバイス、例えば、高レベルの同期精度を実現することができないデバイスをサポートするのに適している。特殊MABタイプはまた、超高移動性のデバイスならびに多地点協調(CoMP)伝送を受信および/または送信するデバイスの制御およびデータ伝送に適用されてもよい。MABタイプ1は、最小のサブキャリア間隔および最長のシンボル期間(例えば、最長のサイクリックプレフィックス長)を有し、低移動性のデバイスに適しているとともに大規模CoMP伝送またはブロードキャストサービスをサポートするのに適している。MABタイプ2は、中程度のサブキャリア間隔および中程度のサイクリックプレフィックス長を有し、中移動性のデバイスに適しているとともに小規模CoMP伝送または非CoMP伝送をサポートするのに適している。MABタイプ3は、最大のサブキャリア間隔および最短のサイクリックプレフィックス長を有し、最高移動性のデバイスに、非CoMP伝送に、および非常に低い遅延を要求する通信に適している。他の実施形態においては、より多くまたはより少ないMABタイプが定義および使用され得る。MABタイプは、可変サイズのサブキャリア間隔、有効シンボル長、サイクリックプレフィックス長、またはその組合せを有し得る。例えば、2つの異なるMABタイプは、同一のサブキャリア間隔であるが異なる有効シンボル長もしくはサイクリックプレフィックス長を有していてもよいし、または、同一のシンボルもしくはサイクリックプレフィックス長であるが異なるサブキャリア間隔を有していてもよい。サブキャリア間隔、シンボル、またはサイクリックプレフィックス長のサイズは、所望のシステムの基準、条件、または要件(例えば、QoS)を満たすように各MABタイプに対して定義される。
【0023】
(例えば、様々なMABタイプに対応する)フレキシブルなサブキャリア間隔およびシンボル期間の割り振りは、サブキャリア間隔、有効シンボル長、サイクリックプレフィックス長、またはその組合せなどの様々なOFDMパラメータ(または周波数-時間プリミティブ)によって定義され得る。ある実施形態においては、複数の利用可能なサブキャリア間隔のパラメータ(例えば、Δf、2Δf、および4Δf)、複数の有効シンボル長のパラメータ(例えば、T、T/2、およびT/4)、ならびに複数のサイクリックプレフィックス長のパラメータ(例えば、CP、CP/2、CP/4、CP/2+T/4)となっている。この場合には、すべてのパラメータを確立するために3つの基本パラメータ値(Δf、T、およびCP)を定義すれば十分である。また、他の設定を他の実施形態において使用してもよい。
【0024】
図4は、上述したように、OFDM通信において使用され得るMABタイプの実施形態を図示している。MABタイプは、サブキャリア間隔Δfおよびシンボル期間CP+Tを有するMABタイプ1を含む。例えば、Δfを15KHzとして定義し得るし、CPを4.7、5.2、または16.7μsとして定義し得るし、Tを66.7μsとして定義し得る。あるいは、Δf、CP、およびTに対する他の適切な値が定義され得る。MABタイプはまた、サブキャリア間隔2Δfおよびシンボル期間CP/2+T/2を有するMABタイプ2、サブキャリア間隔4Δfおよびシンボル期間CP/4+T/4を有するMABタイプ3、ならびにサブキャリア間隔4Δfおよびシンボル期間(CP/2+T/4)+T/4を有する特殊MABタイプまたは領域を含む。
【0025】
図5は、本明細書で提供したOFDMスキームにおいて使用され得るフレキシブルなサブキャリア間隔およびシンボル期間の割り振りの実施形態を図示している。フレキシブルなサブキャリア間隔およびシンボル期間の割り振りは、MABタイプに応じたMAB領域を定義することによって確立される、ここで、基本多元接続ブロックが各領域に定義されている。MABタイプは、対応するサブキャリア間隔およびシンボル期間を用いて、上述したように、事前に定義される。本実施形態においては、第1のMAB領域は、MABタイプ1(基本MAB)に応じた基本多元接続ブロックを含む。第2のMAB領域は、MABタイプ2に応じた基本多元接続ブロックを含み、特殊MABタイプに応じた基本多元接続ブロックをさらに含む。第3のMAB領域は、MABタイプ3に応じた基本多元接続ブロックを含む。領域が時間/周波数リソースを浪費することなく基本スロットに分割可能となるように、各領域内のブロックのサイズは定義され得る。クライアントは、異なるMABタイプに関する可変間隔を有するサブキャリアの検出を可能にする、F-OFDMを使用して対応する領域内の対応するMABを受信する。
【0026】
図6は、本明細書で提供したOFDMスキームにおいて使用され得るフレキシブルなサブキャリア間隔およびシンボル期間の割り振りの別の実施形態を図示している。本実施形態においては、キャリアのスペクトル帯域に関連付けられた周波数-時間平面は、平面の異なるエリアに少なくとも1つの領域の複製を有するMAB領域に分割される。例として、(例えば、MABタイプ1の)第1のMAB領域が、平面の2つのエリアに、つまり、周波数-時間平面の左上隅および右下隅に定義されている。(例えば、MABタイプ2の)第2のMAB領域が、図のように、平面の2つの他のエリアにさらに定義されている。平面はまた、MABタイプ3の領域および特殊MAB領域を含む。クライアントは、F-OFDMを使用して対応する領域およびブロックにアクセスすることができる。フレキシブルなサブキャリア間隔およびシンボル期間の割り振りの上記実施形態は一例にすぎず、本明細書では実施形態のスキームを使用して、MABタイプ、領域、ならびに/またはフレキシブルなサブキャリア間隔およびシンボル期間の割り振り設定についての他の設定が可能である。
【0027】
実施形態においては、シグナリング機構は、上述したフレキシブルなサブキャリア間隔およびシンボル期間フォーマットをサポートするために使用される。シグナリング機構は、UEが、特殊MABを介して、例えば、上述したように、固定および事前に定義された同期チャネルおよびブロードキャストチャネルのロケーションを用いて、ネットワークにアクセスできるようにする。ネットワークブロードキャストは、特殊MABを使用してMAB領域設定を搬送し得る。MAB領域割り当ては、シグナリングを用いて半静的に設定され得るし、特殊MABによって搬送され得る。あるいは、MAB領域割り当ては、例えば上記MABタイプ2などの事前に定義済みのMABタイプにおいて搬送されるシグナリングを用いて動的に設定され得る。実施形態においては、1つまたは複数のタイプのトラフィック/伝送と1つまたは複数の対応するMAB領域との間のマッピングは事前に定義されている。例えば、あるアプリケーション(例えば、マシン・ツー・マシン(M2M))を1つのMABタイプ(例えば、MABタイプ1)にマッピングしてもよいし、その一方で、あるアクセス設定(例えば、コンテンションベースまたはグラントフリーのアクセス)を別のMABタイプ(例えば、MABタイプ2)にマッピングすることができる。あるタイプのデバイスおよび/またはネットワーク設定はまた、あるMABタイプによってサービスをされ得る。例えば、高速鉄道は、特殊MABタイプによってサービスをされ得る。
【0028】
上記スキームは、フレキシブルなサブキャリア間隔およびシンボル期間の割り振りおよびMAB領域ベースの伝送を提供している。多元接続ブロックおよびMAB領域を設定するための可変波形パラメータはまた、パフォーマンスおよび効率性の要求を満たすように動的に選択され得る。領域は、ネットワーク特性、例えば、トラフィック負荷、トラフィックタイプ、またはその他に適合するように区分され得る。スキームは、効率的な多元接続スキームを提供して、可変QoS要件を満たし、異なる伝送スキームをサポートし、異なるレベルの移動性および複雑度を有するUEをサポートしている。スキームはまた、静的サブキャリア間隔および従来のOFDMスキームのシンボル期間の割り振りによって別の方法で提供されるものより、より高いスペクトル効率、より大きなフレキシビリティ、およびより短い遅延を提供する。
【0029】
図7は、異なるMABタイプに応じたフレキシブルなサブキャリア間隔およびシンボル期間の割り振りを提供するための実施形態の方法700を図示している。方法は、基地局などのネットワークコンポーネントによって実施され得る。ステップ710において、複数のMABタイプを、異なるサブキャリア間隔、異なる有効シンボル長、および異なるサイクリックプレフィックス長のうちの少なくとも1つを有する少なくとも1つのMABタイプの周波数-時間スロットに対して定義する。例えば、MABタイプは、上述した、特殊MABタイプ、ならびに、MABタイプ1、MABタイプ2、およびMABタイプ3のうちの少なくとも1つを含む。ステップ720において、複数のMAB領域を無線ネットワーク内の伝送のために割り振られたキャリアのスペクトル帯域の周波数-時間平面に定義する、ここで、MAB領域のうちの各々1つは、少なくとも1つのMABタイプの周波数-時間スロットまたはブロックを含む。上述したように、MAB領域の例を
図5および
図6に示している。ステップ730において、少なくとも1つのMABタイプのパラメータをネットワークデバイス(例えば、UE)にシグナリングする。パラメータは、少なくとも1つのMABタイプのサブキャリア間隔、有効シンボル長、およびサイクリックプレフィックス長を示す。パラメータは、サブキャリア間隔、有効シンボル長、1つまたは複数のMABタイプのおよび/またはサイクリックプレフィックス長を含む。
【0030】
図8は、異なるMABタイプに応じた可変のフレキシブルなサブキャリア間隔およびシンボル期間にアクセスするための実施形態の方法800を図示している。方法800は、送信器または受信器であり得るネットワークデバイスによって実施され得る。送信器および受信器の両方は、選択したMABタイプに対応する波形に応じた信号を送信および受信する必要がある。送信器は、基地局(BS)、無線アクセスポイントもしくはノード、またはUEであり得る。同様に、受信器もBSまたはUEである。ステップ810において、情報を無線ネットワーク内の伝送のために割り振られたキャリアスペクトル帯域の周波数-時間平面に事前に定義されたMAB領域の周波数-時間スロット内で受信する。MAB領域は、複数の事前に定義されたMABタイプを有する周波数-時間平面内の複数のMAB領域の1つである。周波数-時間多元接続ブロックは、MAB領域に関連付けられ事前に定義されているMABタイプまたは(例えば、パラメータのシグナリングを用いて)動的に定義されるMABタイプに応じたサブキャリア間隔、有効シンボル長、およびサイクリックプレフィックス長を有する。ステップ820において、デバイスは、サブキャリア間隔に従って周波数フィルタを適用することによって情報内のOFDMまたは他の波形(例えば、FBMC)シンボルを検出する。このことは、MABタイプのサブキャリア間隔に従ってF-OFDMスキームを実施することによって実現される。
【0031】
図9は、様々な実施形態を実施するために使用され得る処理システム900のブロック図である。処理システム900は、BS、UE、または他のネットワークデバイスの一部であり得る。特定のデバイスは、図示したコンポーネントのすべてまたはコンポーネントのサブセットのみを使用し得るし、集積のレベルは、デバイスごとに変化し得る。さらに、デバイスは、複数の処理ユニット、プロセッサ、メモリ、送信器、受信器などのコンポーネントの複数のインスタンスを含み得る。処理システム900は、スピーカ、マイクロフォン、マウス、タッチスクリーン、キーパッド、キーボード、プリンタ、ディスプレイなどの1つまたは複数の入力/出力デバイスを搭載した処理ユニット901を備え得る。処理ユニット901は、バスに接続された、中央処理ユニット(CPU)910、メモリ920、マスストレージデバイス930、ビデオアダプタ940、およびI/Oインターフェース960を備え得る。バスは、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺機器用バス、ビデオバスなどを含む任意のタイプのいくつかのバス機構のうちの1つまたは複数であり得る。
【0032】
CPU910は、任意のタイプの電子データプロセッサを含み得る。メモリ920は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、その組合せなどの任意のタイプのシステムメモリを含み得る。ある実施形態においては、メモリ920は、起動時に使用するためのROMを含み得し、プログラムおよびプログラム実行中に使用するためのデータストレージのためにDRAMを含み得る。実施形態においては、メモリ920は非一時的である。マスストレージデバイス930は、データ、プログラム、および他の情報を記憶するとともに、データ、プログラム、および他の情報がバスを介してアクセス可能となるように構成される、任意のタイプのストレージデバイスを備え得る。マスストレージデバイス930は、例えば、半導体ドライブ、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブなどのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0033】
ビデオアダプタ940およびI/Oインターフェース960は、外部入力および出力デバイスを処理ユニットに接続するためにインターフェースを提供している。図示しているように、入力および出力デバイスの例は、ビデオアダプタ940に接続されたディスプレイ990と、I/Oインターフェース960に接続されたマウス/キーボード/プリンタ970の任意の組合せとを備える。他のデバイスが処理ユニット901に接続され得るし、さらなるまたはより少ないインターフェースカードが使用され得る。例えば、シリアルインターフェースカード(図示せず)は、シリアルインターフェースをプリンタに提供するために使用され得る。
【0034】
処理ユニット901はまた、ノードまたは1つまたは複数のネットワーク980にアクセスするためにイーサネット(登録商標)ケーブルなどの有線リンクおよび/または無線リンクを備え得る、1つまたは複数のネットワークインターフェース950を備える。ネットワークインターフェース950は、処理ユニット901がネットワーク980を介してリモートユニットと通信することを可能にする。例えば、ネットワークインターフェース950は、1つまたは複数の送信器/送信アンテナおよび1つまたは複数の受信器/受信アンテナを介した無線通信を提供し得る。実施形態においては、処理ユニット901は、データ処理ために、および他の処理ユニット、インターネット、リモートストレージ設備などのリモートデバイスとの通信のために、ローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワークに接続される。
【0035】
いくつかの実施形態を本開示において提供してきたが、開示したシステムおよび方法は、本開示の精神または範囲を逸脱しない限り、多くの他の特定の形式で具現化され得ることを理解されたい。本明細書の例は、限定のためではなく説明のためのものとしてみなされるべきであり、その意図は、本明細書において与えた詳細に限定されない。例えば、様々な要素またはコンポーネントを別のシステムにおいて結合もしくは統合してもよいし、または、ある特徴を省略しても実施しなくてもよい。
発明の実施形態においては、無線通信をサポートするネットワークコンポーネントによる方法を提供しており、方法は、
キャリアスペクトル帯域の周波数時間平面を区分する複数の既定のMAB領域のうちのある多元接続ブロック(MAB)領域を選択するステップと、
複数の既定のMABタイプからのものであるMAB領域のために選択されたMABタイプに応じて選択したMAB領域内の周波数-時間スロット上で信号を送信するステップと、
MABタイプの帯域幅に応じて選択されたスペクトルフィルタを使用して送信信号の帯域幅を低減するステップとを含む。
方法は、
複数の既定のMAB領域の第2のMAB領域を選択するステップと、
既定のMABタイプからのものである第2のMAB領域のために選択されたMABタイプに応じた第2のMAB領域内の周波数-時間スロット上で第2の信号を送信するステップと、
第2のMABタイプの帯域幅に応じた第2のスペクトルフィルタを使用して送信した第2の信号の帯域幅を低減するステップをとさらに含む。
別の実施形態においては、MABタイプは、MABタイプのうちの最大のサブキャリア間隔および最長のサイクリックプレフィックス長を有するMABタイプの周波数-時間スロットであり、方法は、MABタイプの周波数-時間スロット上で、領域共通チャネル、同期チャネル、ブロードキャストチャネル、超高移動性のデバイスのためのチャネル、および多地点協調(CoMP)伝送のためのチャネルのうちの少なくとも1つに関連付けられた情報を送信するステップをさらに含む。
さらなる実施形態においては、MABタイプは、MABタイプのうちの最小のサブキャリア間隔および最長のサイクリックプレフィックス長を有する第1のMABタイプの周波数-時間スロットであり、方法は、第1のMABタイプの周波数-時間スロット上で、低移動性のデバイスのためのチャネル、大規模多地点協調(CoMP)伝送をサポートするチャネル、および2つ以上の送信器からブロードキャストサービスを提供するチャネルのうちの少なくとも1つに関連付けられた情報を送信するステップをさらに含む。必要に応じて、本実施形態においては、MABタイプは、第1のMABタイプより、より大きいサブキャリア間隔およびより大きいサイクリックプレフィックス長を有する第2のMABタイプの周波数-時間スロットを含み、方法は、第2のMABタイプの周波数-時間スロット上で、中移動性のデバイスのためのチャネルおよび小規模多地点協調(CoMP)伝送をサポートするチャネルのうちの少なくとも1つに関連付けられた情報を送信するステップをさらに含む。さらなる実施形態においては、MABタイプは、第1のMABタイプおよび第2のMABタイプより、より大きいサブキャリア間隔およびより小さいサイクリックプレフィックス長を有する第3のMABタイプの周波数-時間スロットを含み、方法は、第3のMABタイプの周波数-時間スロット上で、最高移動性のデバイスのためのチャネル、非多地点協調(CoMP)伝送をサポートするチャネル、および低遅延を要求するチャネルのうちの少なくとも1つに関連付けられた情報を送信するステップをさらに含む。
発明の別の実施形態においては、無線通信をサポートするネットワークデバイスによる方法(800)を提供しており、方法は、
キャリアスペクトル帯域の周波数時間平面を区分する複数のMAB領域のうちのある多元接続ブロック(MAB)領域内の周波数-時間スロット上で信号を受信するステップ(810)と、
複数の定義済みのMABタイプから、MAB領域のために選択されたMABタイプを識別して、MAB領域の周波数-時間スロットのためのサブキャリア間隔およびシンボル期間を定義するステップと、
MABタイプに応じた帯域幅を有するスペクトルフィルタを確立するステップと、
スペクトルフィルタを使用して信号を検出するステップ(820)とを含む。
ある実施形態においては、方法は、
MAB領域の第2のMAB領域内の第2の周波数-時間スロット上で第2の信号を受信するステップと、
第2のMAB領域のために選択された第2のMABタイプを識別して、第2の周波数-時間スロットのための第2のサブキャリア間隔および第2のシンボル期間のうちの少なくとも1つを定義するステップと、
第2のMABタイプに応じたサブキャリア間隔を有する第2のスペクトルフィルタを確立するステップと、
第2のスペクトルフィルタを使用して第2の信号を検出するステップとをさらに含む。
別の実施形態においては、方法は、MABタイプおよびMAB領域のうちの少なくとも1つを示すパラメータのシグナリングを受信するステップであって、パラメータは、少なくとも1つのMABタイプのサブキャリア間隔、有効シンボル長、およびサイクリックプレフィックス長を示す、ステップをさらに含む。
別の実施形態においては、方法は、MAB領域のうちの少なくとも1つのMAB領域とMAB領域のために選択されたMABタイプのうちの少なくとも1つとのマッピングを受信するステップをさらに含む。
さらなる実施形態においては、MABタイプは、MABタイプのうちの最大のサブキャリア間隔および最長のサイクリックプレフィックス長を有する周波数-時間スロットの特殊MABタイプを含み、方法は、特殊MABタイプの周波数-時間スロット上で、領域共通チャネル、同期チャネル、ブロードキャストチャネル、超高移動性のデバイスのためのチャネル、および多地点協調(CoMP)伝送のためのチャネルのうちの少なくとも1つに関連付けられた情報を受信するステップをさらに含む。
発明の別の実施形態においては、無線通信をサポートするネットワークデバイスが存在しており、ネットワークデバイスは、
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサによる実行のためのプログラミングを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを備え、プログラミングは、
キャリアスペクトル帯域の周波数時間平面を区分する複数のMAB領域のうちのある多元接続ブロック(MAB)領域内の周波数-時間スロット上で信号を取得し、
複数の定義済みのMABタイプから、MAB領域のために選択されたMABタイプを識別して、MAB領域の周波数-時間スロットのためのサブキャリア間隔およびシンボル期間を定義し、
MABタイプに応じた帯域幅を有するスペクトルフィルタを確立し、
スペクトルフィルタを使用して信号を検出する命令を含む。
さらなる実施形態においては、プログラミングは、MABタイプおよびMAB領域のうちの少なくとも1つを示すパラメータのシグナリングを取得する命令をさらに含み、パラメータは、少なくとも1つのMABタイプのサブキャリア間隔、有効シンボル長、およびサイクリックプレフィックス長を示す。
別の実施形態においては、ネットワークデバイスは、無線ネットワークとの通信が可能なユーザ機器(UE)である。
さらなる実施形態においては、ネットワークデバイスは、無線ネットワークの基地局または無線アクセスポイントである。
発明の別の実施形態においては、無線通信をサポートするネットワークコンポーネントが存在していてもよく、ネットワークコンポーネントは、
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサによる実行のためのプログラミングを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを備え、プログラミングは、
キャリアスペクトル帯域の周波数時間平面を区分する複数の既定のMAB領域のうちのある多元接続ブロック(MAB)領域を選択し、
複数の既定のMABタイプからのものであるMAB領域のために選択されたMABタイプに応じたMAB領域内の周波数-時間スロット上で信号を送信し、
MABタイプの帯域幅に応じたスペクトルフィルタを使用して送信信号の帯域幅を低減するための命令を含む。
ある実施形態においては、プログラミングは、
MAB領域の第2のMAB領域を選択し、
既定のMABタイプからのものである第2のMAB領域のために選択された第2のMABタイプに応じた第2のMAB領域内の第2の周波数-時間スロット上で第2の信号を送信し、
第2のMABタイプの帯域幅に応じた第2のスペクトルフィルタを使用して送信した第2の信号の帯域幅を低減する命令をさらに含む。
別の実施形態においては、ネットワークコンポーネントは、無線ネットワークの基地局または無線アクセスポイントである。
さらなる実施形態においては、ネットワークコンポーネントは、無線ネットワークとの通信が可能なユーザ機器(UE)である。
【0036】
加えて、個別または別々のものとして様々な実施形態において説明および図示した技法、システム、サブシステム、および方法を、本開示の範囲を逸脱しない限り、他のシステム、モジュール、技法、または方法と結合または統合してもよい。接続されているようにまたは直接接続されているようにまたは互いに通信しているように示したまたは説明した他のアイテムは、間接接続されてもよいし、または、電気的に、機械的に、またはそれ以外のやり方で、いくつかのインターフェース、デバイス、または中間コンポーネントを介して通信していてもよい。変更、置換、および修正の他の例は、当業者によって確認可能であり、本明細書に開示し
た範囲を逸脱しない限り行うことが可能である。
【符号の説明】
【0037】
100 ネットワーク
101 カバレッジエリア
110 AP
120 モバイルデバイス
130 バックホールネットワーク
900 処理システム
901 処理ユニット
910 CPU
920 メモリ
930 マスストレージデバイス
940 ビデオアダプタ
950 ネットワークインターフェース
960 I/Oインターフェース
970 マウス/キーボード/プリンタ
980 ネットワーク
990 ディスプレイ