特許第6386670号(P6386670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386670
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20180827BHJP
   H04N 5/217 20110101ALI20180827BHJP
   G06T 7/231 20170101ALI20180827BHJP
【FI】
   H04N5/232 290
   H04N5/217
   G06T7/231
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-524193(P2017-524193)
(86)(22)【出願日】2015年6月17日
(86)【国際出願番号】JP2015067413
(87)【国際公開番号】WO2016203562
(87)【国際公開日】20161222
【審査請求日】2017年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(72)【発明者】
【氏名】奥平 将俊
(72)【発明者】
【氏名】角戸 忠和
【審査官】 藤原 敬利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−122639(JP,A)
【文献】 特開2013−236249(JP,A)
【文献】 特開2010−130291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222− 5/257
G06T 1/00 − 1/40
G06T 3/00 − 9/40
H04N 5/14 − 5/217
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
逐次入力される時系列入力画像から時間平滑画像を生成する時間平滑画像生成部と、
前記時間平滑画像および前記時系列入力画像から局所領域の類似度を計算する類似度算出部と、
前記類似度から当該局所領域が静止領域か移動領域かを判断し、移動領域と判断した場合に移動領域時間平滑画像を生成する移動領域時間平滑画像生成部と、
前記時間平滑画像および前記移動領域時間平滑画像から補正画像を生成する補正画像生成部とを備え
前記補正画像生成部は、時間平滑画像に含まれる移動領域に対して移動領域時間平滑画像を上書きし、補正画像を生成することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記時間平滑画像生成部は、指数移動平均、加重移動平均または単純移動平均を用いて動きのない時間平滑画像を生成する画像処理装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記類似度算出部は、階調分布(ヒストグラム)を用いた類似度評価を行う画像処理装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記類似度算出部は、補正対象画像に対する類似度評価を複数枚の時系列入力画像および時間平滑画像との間で計算する画像処理装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記類似度算出部は、時系列入力画像内における移動領域の移動範囲に基づいて類似度計算範囲を設定する画像処理装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記移動領域時間平滑画像生成部は、補正対象画像と時間平滑画像の類似度評価結果から移動領域と判断した場合、補正対象画像と時系列入力画像間の類似度から補正対象画像の移動領域が時間の異なる画像内に存在する空間位置を判定し、それらの画像から移動領域時間平滑画像を生成する画像処理装置。
【請求項7】
請求項1において、
さらに、撮像部を備え、前記時系列入力画像は撮像部から入力される画像処理装置。
【請求項8】
画像処理装置における画像処理方法であって、
逐次入力される時系列入力画像から時間平滑画像を生成する時間平滑画像生成手段と、
前記時間平滑画像および前記時系列入力画像から局所領域の類似度を計算する類似度算出手段と、
前記類似度から当該局所領域が静止領域か移動領域かを判断し、移動領域と判断した場合に移動領域時間平滑画像を生成する移動領域時間平滑画像生成手段と、
前記時間平滑画像および前記移動領域時間平滑画像から補正画像を生成する補正画像生成手段とを備え
前記補正画像生成手段は、時間平滑画像に含まれる移動領域に対して移動領域時間平滑画像を上書きし、補正画像を生成することを特徴とする画像処理装置の画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は画像処理装置に関し、例えば陽炎による画像劣化を抑える画像処理に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
昨今のカメラには画質を改善するための様々な画像処理技術が導入されている。例えば、特開2014−206772号公報には、静止領域と移動物体をともに含む画像全体の陽炎を低減することができる画像処理装置が記載されている。ここで、陽炎は、局所的に密度の異なる大気が混ざり合うことにより光が屈折して起こる自然現象である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−206772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
気温が高い日に、望遠レンズで道路のアスファルト上や自動車の屋根部分を撮影したときに陽炎が観察されやすい。陽炎が発生すると、被写体が変形して観測されるため、撮影した陽炎映像を再生すると、画像内の特定領域が大きく揺らいで見える。そのため、被写体の視認性が大きく低下する。
【0005】
本開示の課題は、移動領域の陽炎による画質劣化を改善する画像処理技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、画像処理装置は、逐次入力される時系列入力画像から時間平滑画像を生成する時間平滑画像生成部と、前記時間平滑画像および前記時系列入力画像から局所領域の類似度を計算する類似度算出部と、前記類似度から、当該局所領域が静止領域か移動領域かを判断し、移動領域と判断した場合に移動領域時間平滑画像を生成する移動領域時間平滑画像生成部と、前記時間平滑画像および前記移動領域時間平滑画像から補正画像を生成する補正画像生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の画像処理装置によれば、移動領域の陽炎による画質劣化を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】比較例に係る画像処理を説明するための図。
図1B】実施形態に係る画像処理を説明するための図。
図1C】実施形態に係る画像処理を説明するための図。
図2】実施例に係る画像処理装置の構成を説明するためのブロック図。
図3図2の陽炎補正部の機能を説明するためのブロック図。
図4図3の時間平滑画像生成部の機能を説明するためのブロック図。
図5図3の類似度計算部の機能を説明するためのブロック図。
図6図3の移動領域時間平滑画像生成部の機能を説明するためのブロック図。
図7図3の補正画像生成部の機能を説明するためのブロック図。
図8図3の陽炎補正部の処理を説明するためのフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態および実施例について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。
【0010】
まず、本願発明者らが本願発明に先立って検討した技術(以下、比較例という。)について説明する。
【0011】
図1Aは比較例に係る画像処理を説明するための図である。比較例に係る画像処理では、まず過去、現在、未来の複数の入力画像を合成し時間平滑化画像12を作成する。次に、補正対象画像11と時間平滑化画像12それぞれの局所領域h11、h12、h21、h22における階調分布(ヒストグラム)を比較し、その類似度から当該局所領域が移動領域か、そうでないかを判別する。ここで、補正対象画像とは、補正対象の入力画像である。補正対象画像11の局所領域h11と時間平滑画像12の局所領域h21とは建物の一部の画像であるので、局所領域h11と局所領域h21の階調分布を比較すると、階調分布の差分は小さく静止領域と判別される。補正対象画像11の局所領域h12と時間平滑画像12の局所領域h22とは自動車の一部の画像であるので、局所領域h12と局所領域h22の階調分布を比較すると、階調分布の差分は大きく移動領域と判別される。その後、類似度の値によって補正結果画像13として合成される入力画像と時間平滑化画像12の割合を調整し、類似度が低ければ補正対象画像(入力画像)を、高ければ時間平滑画像12を使うことで時系列の入力画像に移動領域が含まれていた場合でも、移動領域が2重像にならないよう処理を行う。
【0012】
しかし、比較例に係る画像処理によれば補正対象画像11の局所領域に移動領域が含まれる場合、階調分布の比較から得られる類似度が低くなり、その結果補正結果画像13に合成される入力画像の割合が増大する。つまり、補正対象画像11の局所領域が移動領域であった場合、補正結果の画像が入力画像に近い画像となるため陽炎の影響に対する補正効果は期待できない。
【0013】
次に実施形態に係る画像処理について説明する。図1Bおよび図1Cは実施形態に係る画像処理を説明するための図である。
【0014】
図1Bに示すように、実施形態に係る画像処理は、比較例と同様に入力画像を時系列に足し込んで平滑化した時間平滑画像12を生成し、補正対象画像11の局所領域h11、h12と時間平滑画像間12の局所領域h21、h22における類似度を階調分布比較から求める。この時、補正対象画像11の時間平滑画像12に対する類似度が高い(階調分布比較の差分が小さい)領域は静止領域、類似度が低い(階調分布比較の差分が大きい)領域は移動物体が含まれている可能性が高いため移動領域と判定する。
【0015】
図1Cに示すように、実施形態に係る画像処理は、移動領域と判定された領域については、補正対象画像に対する階調分布比較対象を時系列の入力画像11_1、11_2、11_3に切り替え、かつ画像全体を走査するように順次類似度計算を実施する。なお、処理量削減のため画像全体ではなく対象範囲を制限して(設定して)類似度計算を実施しても良い。その後、補正対象画像11の局所領域h12との類似度が最も高いそれぞれの入力画像11_1の局所領域h32、入力画像11_2の局所領域h42、入力画像11_3の局所領域h52から時間平滑移動領域画像14を作成し、これを移動領域の補正結果とする。最後に、図1Bに示すように、時間平滑画像12に含まれる移動領域に対して移動領域時間平滑画像14を上書きしたものを補正画像13とする。陽炎の影響で被写体が変形する際の変位量は、統計的にはガウス分布に従うという性質を有していると考えられるため、過去および未来の複数の画像を用いて画素を平滑化することにより、被写体本来の形状に近い画像を取得することができる。この処理により、移動領域に対しても陽炎を補正することができるようになる。
【0016】
以下、本実施形態に係る画像処理の実施例について説明する。
【実施例】
【0017】
図2は実施例に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。実施例に係る画像処理装置は、本実施形態を望遠カメラ監視システムに適用した例である。望遠カメラ監視システム1は望遠カメラ2と映像モニタ3とを備える。望遠カメラ2はレンズを有する撮像部21と陽炎補正部22を備える。映像モニタ3は画像表示部31を備える。撮像部21は被写体から発する光を受光し、受光した光学画像を画像データ(映像)に変換し、時系列の画像として出力する。陽炎補正部22は撮像部21から入力された映像の陽炎を補正し、補正画像を画像表示部31に出力する。画像表示部31は陽炎補正部22が出力する補正画像を液晶ディスプレイ等のモニタに表示する。望遠カメラ監視システム1においては、少なくとも所定時間、撮像対象に対しカメラの向きを固定する。すなわち、撮像部21から出力された画像は、少なくとも所定時間、同じ位置の画像である。
【0018】
図3図2の陽炎補正部の機能を示すブロック図である。陽炎補正部22は時系列入力画像保持部221、時間平滑画像生成部222、類似度算出部223、移動領域時間平滑画像生成部224および補正画像生成部225を備える。時系列入力画像保持部221は撮像部21から逐次入力される入力画像(IN)を時系列に保持し、類似度算出部223および移動領域時間平滑画像生成部224に供給する。時間平滑画像生成部222は撮像部21から入力される時系列の入力画像(IN)を足し込んで時間平滑画像12を生成する。平滑化の手法は様々知られているが、例えば指数移動平均、加重移動平均、単純移動平均等を適用することができる。時間平滑画像生成部222で生成された時間平滑画像(AV)12と撮像部21からの補正対象画像11、時系列入力画像保持部221が保持する時系列の入力画像(TIN)は類似度算出部223に入力され、類似度算出部223は補正対象画像(CT)11と時間平滑画像(AV)12、補正対象画像(CT)11と時系列の入力画像(TIN)10_nそれぞれとの間で類似度を計算する。移動領域時間平滑画像生成部224は類似度算出部223から類似度を取得し、移動領域の判定およびその領域に対する移動領域時間平滑画像(MAV)14を生成する。補正画像生成部225は、時間平滑画像生成部222から出力された時間平滑画像(AV)12に含まれる移動領域のみ、移動領域時間平滑画像(MAV)14で上書きし、補正画像(CO)13を生成する。言い換えると、時間平滑画像(AV)12に移動領域が含まれていない場合は、補正画像(CO)13は時間平滑画像(AV)12となる。
【0019】
以下、陽炎補正部22内の各機能ブロックについて詳細を説明する。
【0020】
図4図3の時間平滑画像生成部の機能を示すブロック図である。時間平滑画像生成部222は、時間平滑画像保持部2221と、乗算器2222,2223と、加算器2224と、を備える。時間平滑画像生成部222では、撮像部21から逐次入力される時系列の入力画像を指数移動平均により平滑化することで、陽炎による揺らぎを取り除いた画像を生成する。具体的には、下記式(1)に示すように、ある時刻(n番目)の入力画像(IN)は、乗算器2222でr倍され、一方、時間平滑画像保持部2221で保持されている時系列順で1つ前(n−1番目)の時間平滑画像(AV(n−1))が乗算器2223で(1−r)倍され、これらの出力が加算器2224で加算される。そして、加算器2224の出力は新たな(n番目の)時間平滑画像(AV)として後段に出力されるとともに、時間平滑画像保持部2221の画像を更新する。
【0021】
【数1】
【0022】
図5図3の類似度算出部の機能を示すブロック図である。類似度算出部223は、時間平滑画像保持部2231と、入力画像保持部2232と、階調分布計算部2233と、類似度計算部2234と、を備える。時間平滑画像保持部2231は時間平滑画像生成部222から出力される時間平滑画像(AV)12を保持し、入力画像保持部2232は撮像部21から逐次入力される時系列入力画像を補正対象画像(CT)11として保持する。階調分布計算部2233は入力画像保持部2232に保持されている補正対象画像(CT)11、時間平滑画像保持部2231に保持されている時間平滑画像(AV)12および時系列入力画像保持部221から入力される複数枚の時系列入力画像(TIN)をN×N画素単位の局所領域に分割し、それぞれの局所領域に対して階調分布計算を行う。類似度算出部223の類似度評価には、例えば、類似度計算部2234で各画素におけるRGB色相空間における3原色RGB成分毎にBhattacharyya距離を利用して階調分布間の距離(B32(c))を式(2)より求め、RGBそれぞれの階調分布間距離から式(3)より類似度(R)を求めて、類似度(R)を用いる。類似度(R)は諧調分布間の距離に相当するので、Rの値が小さいほど類似度が高いことになる。式(2)におけるcは、r(R:赤)、g(G:緑)、b(B:緑)のどれかを表す。
【0023】
【数2】
【0024】
HA(I):階調分布Aにおける階調値Iの度数
HB(I):階調分布Bにおける階調値Iの度数
HSUM:階調分布のビンの総数(諧調数)
【0025】
【数3】
【0026】
類似度計算部2234は補正対象画像(CT)11と時間平滑画像(AV)12との類似度および補正対象画像(CT)11と時系列入力画像(TIN)との類似度を求める。
【0027】
図6図3の移動領域時間平滑画像生成部の機能を示すブロック図である。移動領域時間平滑画像生成部224は、移動領域時間平滑画像保持部2241と、乗算器2242、2243と、加算器2244と、類似度保持部2245と、読み出し領域判定部2246と、を備える。移動領域時間平滑画像生成部224では、読み出し領域判定部2246が、類似度保持部2245が保持している補正対象画像(CT)11と時間平滑画像(AV)12間の類似度から移動領域を判定し、同じく類似度保持部2245が保持している補正対象画像(CT)11と時系列入力画像(TIN)間の類似度から補正対象画像(CT)11の移動領域が時間の異なる画像内に存在する空間位置を判定し、移動領域時間平滑画像(MAV)14の生成に使う移動領域画像(MR)を時系列入力画像保持部221に指示する。移動領域時間平滑画像保持部2241は読み出し領域判定部2246からの読み出し領域指示(AR)により指示された移動領域画像(MR)を時間平滑画像生成部222と同様の指数移動平均により、陽炎による揺らぎを取り除いた画像を生成する。具体的には、上記式(1)と同様に、ある時刻(n番目)の移動領域画像(MR)は、乗算器2242でr倍され、一方、移動領域時間平滑画像保持部2241で保持されている時系列順で1つ前(n−1番目)の移動領域時間平滑画像(MAV(n−1))が乗算器2243で(1−r)倍され、これらの出力が加算器2244で加算される。そして、加算器2244の出力は新たな(n番目の)時間平滑画像(MAV)として後段に出力されるとともに、時間平滑画像保持部2241の画像を更新する。
【0028】
図7図3の補正画像生成部の機能を示すブロック図である。補正画像生成部225は平滑画像合成部2251と補正画像保持部2252とを備える。平滑画像合成部2251は時間平滑画像生成部222から出力される時間平滑画像(AV)12に含まれる移動領域のみ、移動領域時間平滑画像生成部224から出力される移動領域時間平滑画像(MAV)14で上書きし、補正画像を生成する。これを補正画像(CO)として補正画像保持部2252に保持する。
【0029】
図8図3の陽炎補正部の処理フローチャートである。陽炎補正部22の動作処理をまとめると以下のとおりである。
【0030】
ステップS1:時間平滑画像生成部222は撮像部21から逐次入力される入力画像(IN)から時間平滑画像を生成する。
【0031】
ステップS2:類似度算出部223の階調分布計算部2233は、補正対象画像(CT)11、時系列入力画像(TIN)および時間平滑画像12のそれぞれの局所領域に対する階調分布計算を行う。
【0032】
ステップS3:類似度算出部223の類似度計算部2234は、補正対象画像(CT)11と時間平滑画像(AV)12との間の類似度(R)を計算し、補正対象画像(CT)11と時系列入力画像(TIN)との間の類似度(R)を計算する。
【0033】
ステップS4:補正対象画像(CT)11の時間平滑画像(AV)12に対する類似度(R)が低いかどうか判定する。YESの場合はステップS5に移る。NOの場合はステップS7に移る。
【0034】
ステップS5:移動領域時間平滑画像生成部224は移動領域時間平滑画像(MAV)を生成する。
【0035】
ステップS6:補正画像生成部225の平滑画像合成部2251は時間平滑画像(AV)12の移動領域に移動領域時間平滑画像(MAV)を上書きして補正画像(CO)とする
ステップS7:補正画像生成部225の平滑画像合成部2251は時間平滑画像(AV)12を補正画像(CO)とする。
【0036】
ステップS8:最後の画像かどうかを判定する。YESの場合は処理を終了し、NOの場合はステップS1に戻る。
【0037】
上記実施例の各構成、機能等は、それらの一部や全部を、例えば半導体集積回路等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記実施例の各構成、機能等は、CPU等のプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。
【0038】
本実施例によれば、補正対象画像11の局所領域が静止領域である場合、時間平滑画像12を用い、補正対象画像11の局所領域が移動領域である場合、比較例と異なり補正結果の画像に入力画像を用いず、移動領域時間平滑画像14を用いるため、移動領域に対する陽炎の補正を静止領域に対する陽炎の補正と同程度に行うことができる。
【0039】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態および実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0040】
補正対象画像の移動領域に対して時間の異なる時系列入力画像での同一画像領域取得の精度を向上させるため、補助的に動きベクトルやSAD(差分絶対値和)等を用いたBM(ブロックマッチング)を使用しても良い。
【0041】
実施例では、陽炎補正部を望遠カメラに設けているが、映像モニタに設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1・・・望遠カメラ監視システム
2・・・望遠カメラ
21・・・撮像部
22・・・陽炎補正部
221・・・時系列入力画像保持部
222・・・時間平滑画像生成部
2221・・・時間平滑画像保持部
2222・・・乗算器
2223・・・乗算器
2224・・・加算器
223・・・類似度算出部
2231・・・時間平滑画像保持部
2232・・・入力画像保持部
2233・・・階調分布計算部
2234・・・類似度計算部
224・・・移動領域時間平滑画像生成部
2241・・・移動領域時間平滑画像保持部
2242・・・乗算器
2243・・・乗算器
2244・・・加算器
2245・・・類似度保持部
2246・・・読み出し領域判定部
225・・・補正画像生成部
2251・・・平滑画像合成部
2252・・・補正画像保持部
3・・・映像モニタ
31・・・画像表示部
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8