(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する。)について、図面を参照(言及図以外の図面も適宜参照)しながら説明する。なお、本実施形態における「上」、「下」、「左」、「右」、「手前(正面)」、「奥(背面)」の各方向については、
図1、
図2に示す通りとする。
【0011】
図1(a)(b)に示すように、遊技媒体貸出機1は、メダル(遊技媒体)を用いて遊技を行う遊技機(不図示)に隣接して設置される装置である。
遊技媒体貸出機1は、縦長直方体形状の本体2と、貨幣投入口3と、払出機能・計数機能兼備用部材50と、ノズル4と、制御部101と、払い出しホッパー102と、計数ホッパー103と、を主に備えている。
【0012】
本体2は、遊技媒体貸出機1の各装置を収納する筐体である。本体2は、底板201と、側板202,202と、背板203と、天板204と、手前側の開口部を塞ぐ複数の正面板211a,212a,213a,214aと、を含んで構成されている。また、
図1(b)に示すように、本体2の内部は、上から順番に、ビルバリユニット収納部211と、制御部収納部212と、メダル補充部(遊技媒体補充部)213と、払い出しホッパー収納部214と、計数ホッパー収納部215とに仕切られている。
【0013】
ビルバリユニット収納部211は、遊技者が投入する貨幣を識別するビルバリユニット(貨幣識別装置)(図示せず)を収納する部位である。ビルバリユニット収納部211は、手前側の開口部が正面板211aによって塞がれている。正面板211aには、遊技者によって投入される貨幣の投入口である貨幣投入口3が形成されている。
【0014】
制御部収納部212は、遊技媒体貸出機1における各種制御を行う制御部101を収納する部位である。制御部101は、手前側の開口部を塞ぐ正面板212aに一体形成されている。正面板212aには、カード挿入口212b及びタッチパネル式モニタ212cが形成されている。カード挿入口212bには、遊技者の情報が記憶されたカードが挿入される。タッチパネル式モニタ212cには、遊技者の遊技状況(例えば、払い出しメダル枚数、獲得メダル枚数等)が表示される。
【0015】
メダル補充部213は、払い出しホッパー102にメダルを補充するための部位である。メダル補充部213の手前側の開口部は、板状の開閉扉(正面板)213aで塞がれている。メダル補充部213の内部は、払い出しホッパー102に連通する中空部(図示せず)を備えている。
【0016】
払い出しホッパー収納部214は、払い出しホッパー102を収納する部位である。払い出しホッパー収納部214の手前側の開口部は、払出機能・計数機能兼備用部材50に一体形成された正面板214aで塞がれている。
【0017】
計数ホッパー収納部215は、計数ホッパー103を収納する部位である。計数ホッパー収納部215の手前側の開口部は、払出機能・計数機能兼備用部材50に一体形成された正面板214aで塞がれている。
【0018】
ノズル4は、ノズル本体5とノズルトップ6から構成され、払い出しホッパー102から払い出されるメダルを遊技機の下皿に誘導する。
払い出しホッパー102は、制御部101の指示により所定数のメダルを払い出す。
計数ホッパー103は、計数したメダルの枚数を制御部101に伝える。
【0019】
なお、制御部101は、演算手段、記憶手段、カード挿入口212b、カード読み取り部(図示せず)、タッチパネル式モニタ212c等を含んで構成されている。記憶手段は、払い出しホッパー102から払い出された払い出しメダル枚数、遊技者が遊技によって獲得した獲得メダル枚数及び計数ホッパー103によってカウントされた計数メダル枚数などを記憶する。演算手段は、記憶手段で記憶された各メダル枚数を読み出して差枚数を計算する等の演算を行う。
【0020】
遊技媒体貸出機1では、遊技者によって貨幣投入口3から貨幣が投入されると、制御部101からの指示により、投入された貨幣の価値(金額)に応じて、払い出しホッパー102によって所定数のメダルを払い出す。
【0021】
払出機能・計数機能兼備用部材50は、遊技者が計数のために投入するメダルを受ける計数メダル受皿部7(
図2参照)と、計数メダル受皿部7から計数ホッパー103までの計数メダル通路の少なくとも一部と、払い出しホッパー102からノズル4のノズルトップ6までの払い出しメダル通路の少なくとも一部と、を一体の部材として構成したものである。なお、計数メダル受皿部7は、開口部を有する。開口部は、払出機能・計数機能兼備用部材50の上部に設けられ、上向き(真上(鉛直)方向だけでなく斜め上方向でもよい。)に開口し、遊技者が計数のために投入する遊技媒体を受ける部分である。
【0022】
図2に示すように、計数メダル受皿部7から投入されたメダルが計数メダル通路におけるオートスタートセンサ11の近傍を通過すると、オートスタートセンサ11から制御部101を介して計数ホッパー103にメダルを検知した信号が送られて、計数ホッパー103が始動する。計数ホッパー103の奥の本体2の下方向にメダル落下口を有する下方向誘導部材12が設けられている場合、計数ホッパー103から放出されたメダルは、遊技媒体貸出機1の下方向に誘導され、例えば遊技媒体貸出機1の下方に設けられたメダル回収システムに回収される。下方向誘導部材12のメダル落下口は、本体2の底部を構成する底板201の奥側(背板203側)に形成された開口部201aに連通している。
【0023】
払い出しホッパー102は、計数機器111と、貯留部112と、ベース部材113とを含んで構成されている。
計数機器111は、メダルを一枚ずつカウントする機器である。カウントされたメダル数は、制御部101に記憶される。
貯留部112は、計数機器111の上に形成され、中空部を備えた箱状体である。貯留部112の上部は開放されており、流下したメダルを貯留部112に貯留する。貯留部112の下部も開放されており、計数機器111内にメダルが落下する。
ベース部材113は、計数機器111の下部に形成される部材であって、払い出しホッパー102の高さ調節のための部材である。
【0024】
〔計数ホッパー103の構成〕
計数ホッパー103は、本発明の遊技媒体識別装置を構成することができ、計数機器121と、貯留部122と、ベース部材123とを含んで構成されている。説明の便宜上、
図2において、計数ホッパー103の内部構造を図示している。
【0025】
計数機器121は、メダルを一枚ずつカウントする機器である。カウントされたメダル数は、制御部101に記憶される。計数機器121は、計数回転盤131と、誘導通路132と、フォトセンサ133と、磁気センサ134と、振分けソレノイド135と、ディップスイッチ136(設定部)とを含んで構成されている。なお、計数回転盤131と、フォトセンサ133と、磁気センサ134と、振分けソレノイド135と、ディップスイッチ136とは、通信線(図示せず)によって通信可能に接続されており、制御部101と通信可能に接続されている。
【0026】
計数回転盤131は、円板状を呈し、計数機器121の上部に配置される。計数回転盤131には、板厚方向に貫通し、メダルよりも若干大きな外径からなる複数のメダル収納孔(図示せず)が形成されている。各遊技場で使用されているメダルは、小径メダルが大半であるが、大径メダルもある。前記メダル収納孔の大きさは、大径メダルも収納できる大きさであり、小径メダルも収納できる。前記メダル収納孔は、本実施形態では3個形成されている。
【0027】
計数回転盤131は、計数機器121内部に配置されている駆動モータ(図示せず)によって周方向に正逆回転する。計数回転盤131は、周方向に回転することにより、貯留部122に貯留されたメダルをメダル収納孔に一時的に収納する。計数回転盤131がさらに周方向に回転すると、メダル収納孔に収納されたメダルは、メダルの進行方向、つまり誘導通路132の奥端部に向かって放出される方向に計数回転盤131から少しずつ押し出されるが、放出ローラ(図示せず)によって一時的に阻止される。その後メダルは、放出ローラを付勢力に抗して押し広げて外方に向けて計数回転盤131から放出され、放出ローラの元へ戻ろうとする付勢力により弾き出され、誘導通路132上を通過する。
【0028】
誘導通路132は、計数機器121の上部にて、計数回転盤131の背面側から下方向誘導部材12にまでメダルの進行方向に延在している。誘導通路132のうち、磁気センサ134の後方、かつ、振分けソレノイド135の下方に位置する一部領域は、使用不可メダルが落下するために切欠かれている。
【0029】
なお、遊技機に投入されるメダルは、使用可能メダルと前記使用不可メダルの2つに分類することができる。「使用可能メダル」とは、1台または複数台の遊技機で使用することが許可されたメダルである。このような遊技機は、例えば、1つの遊技場内に配置され、現金からメダルへの交換率が同一となる遊技機である。同一の使用可能メダルが使用される複数台の遊技機間では、その使用可能メダルをどの遊技機でも使用できる。また、1台の遊技機で使用される使用可能メダルは、1種類または複数種類あってもよい。一方、「使用不可メダル」とは、1台または複数台の遊技機で使用される使用可能メダル以外のメダルである。このような使用不可メダルは、例えば、他の遊技場から持ち込んだメダルや、自身の遊技場内であっても現金からメダルへの交換率が異なる遊技機で使用される使用可能メダルが該当する。
【0030】
フォトセンサ133は、メダルの進行方向において磁気センサ134の手前側に配置されており、放出ローラの動きを検知することで、計数回転盤131から放出されたメダルを検知する。フォトセンサ133がメダルを検知すると、磁気センサ134は、メダルの真贋判定のための処理を開始する。
【0031】
磁気センサ134は、メダルが通過したことにより発生する電圧を検出する。磁気センサ134は、略直方体を呈する箱体を備えており、メダルの進行方向に貫通する孔を前記箱体の中心に有する。前記孔は、誘導通路132の一部を構成しており、メダル(大径メダルも含む)を通過させる。磁気センサ134は、磁気センサ134を駆動する回路と、前記孔の周りに多重に巻かれているコイルと、前記コイルに流れる電流による電圧値を計測する電圧計測器といったハードウェア構成を、前記箱体に収容されるようにして含む。前記コイルは、メダルを検知する環状(中空部を取り囲む形状)の検知部分であり、前記コイルの中空部は、前記孔に一致する(
図4参照)。なお、検知部分は、円形の環状であってもよいし、四角形の環状であってもよい。
【0032】
メダルは、磁気センサ134が備える環状の検知部分の中空部を通過し、つまりコイルの中を通過し、誘導通路132に沿って放出される。このとき、磁気センサ134は、メダルがコイルの中を通過したことに起因する電磁誘導により発生した電圧を検出できる。つまり、前記電圧計測器は、内部をメダルが通過したコイルに流れた電流の電圧値を計測する。
【0033】
図3を参照すると、磁気センサ134は、信号取得部141、142と、判定部143と、計数部144という機能構成部を含む。
【0034】
信号取得部141は、磁気センサ134が備える環状の検知部分の中空部を通過するメダルから、そのメダルを特徴付ける材質、外径、厚さという3つの要素のうちの第1の要素を特定するための第1の磁気信号を取得する。信号取得部141は、第1の要素を特定することに長けた磁気回路を有するセンサ素子として実装されている。信号取得部141に関する詳細は後記する。
【0035】
信号取得部142は、磁気センサ134が備える環状の検知部分の中空部を通過するメダルから、そのメダルを特徴付ける材質、外径、厚さという3つの要素のうちの第2の要素を特定するための第2の磁気信号を取得する。信号取得部142は、第2の要素を特定することに長けた磁気回路を有するセンサ素子として実装されている。信号取得部142に関する詳細は後記する。
【0036】
判定部143は、第1の磁気信号と、第2の磁気信号とを用いて磁気センサ134が備える環状の検知部分の中空部を通過するメダルが使用可能メダルであるか使用不可メダルであるかを判定する。また、判定部143は、第1の要素について使用可能メダルから予め取得した第3の磁気信号(基準磁気信号)と、第2の要素について使用可能メダルから予め取得した第4の磁気信号(基準磁気信号)とを記憶しており、メダルが使用可能メダルであるか使用不可メダルであるかの判定に用いることができる。判定部143は、前記判定の判定結果を、振分けソレノイド135と、計数部144とに送信する。振分けソレノイド135に送信される判定結果は、例えば、後記する規制部材135aの動きを制御する制御信号である。
【0037】
計数部144は、磁気センサ134が備える環状の検知部分の中空部を通過したメダル(以下、「通過メダル」と称する場合がある)を計数するとともに、判定部143の判定結果に基づいて、使用可能メダルと、使用不可メダルとを計数する。計数部144は、通過メダルの総枚数と、使用可能メダルの枚数と、使用不可メダルの枚数とを、計数結果として上位装置(例:遊技媒体貸出機1の制御部101、ホールコンピュータの制御部)に送信する。
【0038】
振分けソレノイド135は、磁気センサ134を通過したメダルが使用不可メダルであった場合に、そのメダルを使用可能メダルと振分ける。振分けソレノイド135は、誘導通路132のうち磁気センサ134の後方で切欠かれた一部領域の上方に配置されている。振分けソレノイド135は、判定部143の判定結果に応じて上下に移動可能な規制部材135aを有しており、規制部材135aを上下に動かすことで、使用可能メダルをメダルの進行方向に通過させ、使用不可メダルを前記一部領域から落下させる。
【0039】
ディップスイッチ136は、メダルの設定用スイッチであって、複数種類あるメダルから1つ以上のメダルを使用可能メダルとして設定するために用いられる。ディップスイッチ136は、計数機器121の左側面上に取り付けられている。ディップスイッチ136は、例えばオン・オフを切り替えることが可能な8つのスイッチを備えており、各スイッチを、遊技場で通常使用されている1種類のメダルに対応させることができる。
【0040】
貯留部122は、計数機器121の上に形成され、中空部を備えた箱状体である。貯留部122の上部は開放されており、流下したメダルを貯留部122に貯留する。貯留部122の下部も開放されており、計数機器121内にメダルが落下する。
【0041】
ベース部材123は、計数機器121の下部に形成される部材であって、計数ホッパー103の高さ調節のための部材である。ベース部材123は、回収ボックス137を含んで構成されている。
【0042】
回収ボックス137は、判定部143により判定され、振分けソレノイド135によって落下してきた使用不可メダルを回収する。
【0043】
〔計数ホッパー103の作用〕
図2に示すように、計数機器121の計数回転盤131のメダル収納孔(図示せず)から放出ローラ(図示せず)によって弾き出されたメダルは、誘導通路132に沿ってフォトセンサ133付近を通過する。フォトセンサ133は、メダルを検知するとメダル検知信号を磁気センサ134に送信することで、磁気センサ134にメダルの真贋判定の処理をさせる。
【0044】
もし、フォトセンサ133がメダルを一定時間検知しない場合、制御部101の制御により、計数ホッパー103内部の環境温度変化などに対する磁気センサ134のキャリブレーション(較正)が行われる。
【0045】
フォトセンサ133付近を通過したメダルは、磁気センサ134が備える環状の検知部分の中空部を通過する。すると、信号取得部141、142は、磁気センサ134の電圧計測器が計測した、コイルに電流が流れたときの電圧値を用いて、第1の磁気信号、第2の磁気信号をそれぞれ取得する。
【0046】
磁気センサ134は、磁気センサ134が備える環状の検知部分の中空部をメダルが通過できる構成を有しているので、立体的に全方位の磁束の変化に起因する電圧を検出することができる。そのため、磁気センサ134は、単に通過したメダルを計数するだけでなく、メダルの材質、外径、厚さといった詳細な情報も取得できる。一般的には、メダルに用いる金属の誘電率が大きいほど磁気信号のピーク強度が大きくなる。また、メダルの外径が大きいほど磁気信号の検知時間長が大きくなる。また、メダルの厚さが大きいほど磁気信号のピーク強度が大きくなる。
【0047】
信号取得部141、142が取得した第1の磁気信号と、第2の磁気信号とは、判定部143に送信される。判定部143は、第1の磁気信号、第2の磁気信号と、判定部143が予め記憶している使用可能メダルの第3の磁気信号、第4の磁気信号とを用いてメダルの真贋判定を行う。
【0048】
判定部143による判定結果は、振分けソレノイド135と、計数部144とに送信される。前記判定結果は、磁気センサ134を通過したメダルが使用可能メダルであるか、または使用不可メダルであることである。振分けソレノイド135は、判定部143から、使用可能メダルであるという判定結果を受信したときには、規制部材135aを下方に動かさない。その結果、使用可能メダルと判定されたメダルは、誘導通路132の奥端部に到達し、下方向誘導部材12を経由してメダル回収システムに回収される。
【0049】
一方、振分けソレノイド135は、判定部143から、使用不可メダルであるという判定結果を受信したときには、規制部材135aを下方に動かす。その結果、使用不可メダルと判定されたメダルは、誘導通路132の奥端部に到達することなく、誘導通路132の切欠かれた一部領域から落下し、回収ボックス137に回収される。
【0050】
計数部144は、通過メダルを計数し、通過メダルの総枚数を計数結果として制御部101に送信する。また、計数部144は、判定部143の判定結果に基づいて、使用可能メダルおよび使用不可メダルを計数し、使用可能メダルの枚数および使用不可メダルの枚数を計数結果として上位装置に送信する。
【0051】
計数ホッパー103は、回収ボックス137に回収された使用不可メダルが所定枚数に達した場合には、例えば制御部101を介して、遊技媒体貸出機1からアラームを出力させることができる。回収ボックス137内に積み上がった使用不可メダルの高さを検知する高さ検知センサを用いて、積み上がった使用不可メダルの高さが所定高さに達した場合に前記アラームを出力してもよい。
【0052】
計数部144については、通過メダルを計数しないように設定できる。また、使用可能メダルを計数しないように設定できるし、使用不可メダルを計数しないように設定できる。よって、計数部144の計数には、計数モード1〜計数モード7が存在する(表1参照)。なお、このようなさまざまな計数の有無の設定は、上位装置から計数部144に対して指令することで実現できる。
【0054】
計数部144が使用不可メダルを計数するように設定する(計数モード1,2,3,5)ことにより、使用付加メダルを使用する遊技者の不正行為を迅速かつ定量的に把握することができる。また、判定部143は、メダルを特徴付ける材質、外径、厚さという3つの要素のうち2つの要素を特定する第1の磁気信号、第2の磁気信号を用いて、前記異なる要素についての2元的なメダルの識別を行う。このため、遊技場内の使用可能メダルがどのような種類であっても、メダルの真贋判定を高精度で行うことができる。
【0055】
よって、本実施形態の計数ホッパー103は、遊技機で使用可能なメダルがどのような種類であっても、遊技場内で使用されるメダルを適切に管理することができ、その結果、遊技者および遊技場の運営者に与える不利益を回避することができる。具体的には、使用不可メダルのことを知らない善意の遊技者が獲得したメダルの中に所定数の使用不可メダルが含まれていたことが判明したとしても、その遊技者に対してメダルの獲得数を差し引くという不利益を与えずに済ませることができる。また、使用不可メダルが他の遊技場から持ち込まれたために使用可能メダルの貸し出し料金を受け取ることができないという、遊技場の運営者が被る経営上の損害を解消するための対策を適切にとることができる。
【0056】
計数ホッパー103は、(計数モード1,2,3,5が設定されている)計数部144が所定数以上の使用不可メダルを計数したとき、使用不可遊技媒体があったことを報知するように報知装置に対して指示することができる。前記所定数は、不正行為があったとみなすことができる数とするとよく、例えば5枚とするとよいが、この所定数は任意に変更できる。前記報知装置は、遊技者に見える、遊技媒体貸出機1、遊技機などが備えてもよいし、遊技者には見えない遊技場の管理室などに設置してもよい。また、報知装置の報知態様は、警報ランプの点灯、警報音の出力などがある。
【0057】
報知装置へ指示するための条件を上記のようにすることにより、計数ホッパー103内に所定数未満の使用不可メダルが混入していた場合には、報知装置が報知しないので、頻繁に報知されることに伴う遊技場の店員などの確認労力を低減しつつ、使用不可メダルの存在を簡便に確認することができる。
なお、報知装置への指示は、計数ホッパー103を介して、上位装置が行ってもよい。
【0058】
計数ホッパー103は、(計数モード1,2,3,5が設定されている)計数部144が所定数以上の使用不可メダルを計数したとき、メダルの計数を中止することができる。前記所定数は、不正行為があったとみなすことができる数とするとよく、例えば5枚とするとよいが、この所定数は任意に変更できる。
【0059】
メダルの計数を中止するための条件を上記のようにすることにより、計数ホッパー103内に所定数未満の使用不可メダルが混入していた場合には、メダルの計数を中止しないので、頻繁にメダルの計数が中止することに伴う遊技場の店員などの確認労力を低減しつつ、使用不可メダルの存在を簡便に確認することができる。
なお、メダルの計数を中止する代わりに、遊技機の遊技を中止してもよい。
【0060】
さらに、本実施形態の計数ホッパー103は、判定部143がメダルの真贋判定の判定結果を、例えば、遊技媒体貸出機1の制御部101またはホールコンピュータなどの上位装置を経由させることなく、振分けソレノイド135に直接送信する。このため、振分けソレノイド135による使用不可メダルの振分けを迅速かつ確実に行うことができる。具体的には、遊技者が計数メダル受皿部7から計数用のメダルを投入するペースは、最大10枚/秒程度になる場合があるが、本実施形態の計数ホッパー103は、このようなメダル投入ペースを追従できる。
【0061】
ただし、本発明に関して、遊技者のメダル投入ペースを追従できるなどの条件を満たすことができれば、計数ホッパー103単体が信号取得部141、142と、判定部143と、計数部144とを備えることを必須としない。例えば、判定部143、計数部144という機能部の少なくとも1つを遊技媒体貸出機1の制御部101またはホールコンピュータの制御部などの上位装置に備える形態でもよい。この場合、磁気センサ134の信号取得部141、142が取得した第1の磁気信号、第2の磁気信号を遊技媒体貸出機1の制御部101またはホールコンピュータの制御部などの上位装置に送信してメダルの真贋判定が実行される。その後、判定結果が、遊技媒体貸出機1の制御部101またはホールコンピュータの制御部から計数ホッパー103の振分けソレノイド135に送信される。また、上位装置が、計数モード1〜計数モード7にしたがって、通過メダル、使用可能メダル、使用不可メダルを計数し、計数結果を計数ホッパー103に送信してもよい。
【0062】
本実施形態の計数ホッパー103は、本発明の遊技媒体識別装置を構成するが、本発明の遊技媒体識別装置は、1つの機器が信号取得部141、142と、判定部143と、計数部144とを備える形態のみならず、2以上の機器が信号取得部141、142と、判定部143と、計数部144とを備える形態をとることもできる。
【0063】
(その他)
本実施形態では、メダルを特徴付ける複数の要素として、メダルの材質、外径、厚さという3つの要素を採り上げた。しかしながら、本実施形態で取り扱う、メダルを特徴付ける要素は上記に限定されず、例えば、メダルの重量を前記要素としてもよい。また、本実施形態のメダルの識別を行うのに必要とする要素の個数は、2つでもよいし、4つ以上でもよい。
【0064】
また、本実施形態では、信号取得部141が取得する第1の磁気信号と、信号取得部142が取得する第2の磁気信号という、少なくとも2種類の磁気信号を用いて、磁気センサ134が備える環状の検知部分の中空部を通過するメダルの識別が行われる。しかしながら、3種類以上の磁気信号を用いてメダルの識別が行われてもよく、したがって、メダルを特徴付けるすべてまたは一部の要素を用いてメダルの識別が行われてもよい。
【0065】
また、本実施形態の計数ホッパー103は、磁気センサ134が備える環状の検知部分の中空部をメダルが通過するように構成されている。しかしながら、磁気センサ134が第1の磁気信号および第2の磁気信号を取得できるのであれば、磁気センサ134の検知部分が環状であること、検知部分の中空部をメダルが通過すること、は必須の発明特定事項ではなく、磁気センサ134の検知部分をメダルが通過するように構成することも可能である。例えば、磁気センサ134の検知部分は、コ字状、またはC字状であってもよい。
【0066】
計数部144による計数の開始タイミングは、例えば、上位装置からのリセットパルスの送信により、任意に設定することができる。例えば、ICカードを使用して遊技する遊技者が切り替わるたびに新たに計数を開始してもよい。また、遊技場の営業の開始時間から終了時間まで計数を継続することもできる。
【0067】
遊技媒体識別装置が使用不可メダルを検知した場合、使用不可メダルの使用に対して、使用不可メダルが使用された時刻を関連付けた情報を管理してもよい。これにより、短時間に大量の使用不可メダルが使用されたことを検出したときは、不正行為があったとみなすことができる。使用不可メダルの使用に対して、さらに、ICカードを使用して遊技する遊技者のIDを関連付けて、前記情報を管理してもよい。
【0068】
また、
図1を参照すると、払い出しホッパー102は、計数ホッパー103の上方に配置されている。しかしながら、例えば、計数ホッパー103が、払い出しホッパー102の上方に配置されるようにし、払い出しホッパー102と計数ホッパー103との配置を逆にしてもよい。
【0069】
また、
図2を参照すると、計数メダル受皿部7から投入されたメダルがオートスタートセンサ11の近傍を通過すると、計数ホッパー103にメダルを検知した信号が送られて、計数ホッパー103が始動する。しかしながら、オートスタートセンサ11の代替手段となる計数ホッパー103始動用のボタンを用いて、前記ボタンを操作することで、計数ホッパー103を始動させてもよい。前記ボタンは、例えば、遊技媒体貸出機1の外側表面やその内部に配置することができる。
【0070】
また、
図2を参照すると、計数回転盤131および誘導通路132などは、奥方向に向かって下方に進むように、計数機器121の上部が傾斜している。しかしながら、例えば、計数機器121の上部が水平であっても、本発明を適用できる。
【0071】
また、払出機能・計数機能兼備用部材50を備えない遊技媒体貸出機1内に配置されている遊技媒体使用機に対して本発明を適用できることは当然である。
【0072】
なお、
図1、
図2に示されている、遊技媒体貸出機1内に配置されている計数ホッパー103は、遊技媒体を使用して機能する遊技媒体使用機の具体例の一つである。遊技媒体使用機の他の具体例としては、遊技媒体貸出機1内に配置されている払い出しホッパー102、遊技機内に配置されている払い出しホッパー、ジェットカウンタなどの計数機内に配置されている計数機ホッパーなどがある。遊技媒体使用機が遊技機内に配置されている払い出しホッパーである場合には、磁気センサ134と同等の磁気センサを、前記払い出しホッパーの払い出し口に配置するとよい。本発明の遊技媒体識別装置は、これらの具体例にも適用できる。
【0073】
本実施形態で説明した技術を組み合わせた技術を実現できる。
その他、本発明の装置を構成する部材の形状、配置などは、適宜変更できる。