特許第6386780号(P6386780)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386780
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】配送管理方法および配送管理システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 61/00 20060101AFI20180827BHJP
   G06Q 50/28 20120101ALI20180827BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20180827BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20180827BHJP
【FI】
   B65G61/00 520
   B65G61/00 550
   G06Q50/28
   G06Q50/10
   G06F21/32
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-98432(P2014-98432)
(22)【出願日】2014年5月12日
(65)【公開番号】特開2015-214406(P2015-214406A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2017年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233491
【氏名又は名称】株式会社日立システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】近野 雅樹
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 訓
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−505045(JP,A)
【文献】 特開2007−168924(JP,A)
【文献】 特開2006−092507(JP,A)
【文献】 特開2012−171793(JP,A)
【文献】 特開2009−163526(JP,A)
【文献】 特開2012−084027(JP,A)
【文献】 特開2007−008129(JP,A)
【文献】 特開2013−015921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 61/00
G06F 21/32
G06Q 10/00−10/10
G06Q 50/00−50/20
G06Q 50/26−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発送人が発送した配送物を、配送人が受取人に配送する配送管理システムの配送管理方法であって、
前記配送管理システムは、
配送管理に関するデータベースにアクセスして更新・格納する配送管理サーバと、
認証情報データベースにアクセスして更新・格納し、生体認証情報を認証する認証サーバと、
代理受取りの可否の情報を含む発送人登録情報を入力する発送人端末と、
第一の認証装置が接続され、受取人の生体情報と、配送物の受取りの際に代理で受け取れる者の情報とを含む受取人登録情報を入力する受取人端末と、
第二の認証装置が接続され、配送人が配送時に携帯する配送端末とを備え、
前記配送管理サーバと、前記認証サーバと、前記発送人端末と、前記受取人端末と、前記配送端末とがネットワークにより接続され、
前記発送人端末が、入力された発送人登録情報を、前記配送管理サーバに送信し、前記配送管理サーバのデータベースに登録するステップと、
前記受取人端末が、前記第一の認証装置より入力された受取人の生体認証情報を含む受取人登録情報を、前記配送管理サーバに送信し、前記配送管理サーバと前記認証サーバのデータベースに登録するステップと、
前記配送管理サーバが、前記代理受取りの可否の情報として代理で受け取る人が登録されている場合、前記配送物と前記代理で受け取れる者のランクに応じて、前記配送物の受け渡しの可否を判定するステップと、
前記受取人を前記第二の認証装置により認証して、前記配送端末が、入力された生体認証情報を前記認証サーバに送信し、前記認証サーバが認証するステップと、
前記配送端末が、前記認証サーバの認証結果を表示するステップと、
を有することを特徴とする配送管理方法。
【請求項2】
前記配送端末は、その配送に係る配送物の受領書を印刷することを特徴とする請求項1記載の配送管理方法。
【請求項3】
前記受取人登録情報は、各々の受取人を一意的に識別する受取人登録IDにより識別され、前記発送人登録情報には、受取人の情報に関して、前記受取人登録IDが含まれることを特徴とする請求項1記載の配送管理方法。
【請求項4】
前記配送管理サーバは、配送毎に生じる配送トランザクションを配送管理データベースに格納され、前記配送トランザクションは、各々の配送トランザクションを一意的に識別する配送トランザクションIDを有し、
前記配送物に貼られる配送ラベルは、前記配送トランザクションIDが記載され、前記発送人登録情報と前記受取人登録情報が記載されていないものであることを特徴とする請求項1記載の配送管理方法。
【請求項5】
前記生体認証情報が、指静脈認証の情報であり、前記第一の認証装置と前記第二の認証装置は、指静脈認証をおこなう装置であることを特徴とする請求項1記載の配送管理方法。
【請求項6】
発送人が発送した配送物を、配送人が受取人に配送する配送管理システムであって、
当該配送管理システムは、
配送管理に関するデータベースにアクセスして更新・格納する配送管理サーバと、
認証情報データベースにアクセスして更新・格納し、生体認証情報を認証する認証サーバと、
代理受取りの可否の情報を含む発送人登録情報を入力する発送人端末と、
第一の認証装置が接続され、受取人の生体情報と、配送物の受取りの際に代理で受け取れる者の情報とを含む受取人登録情報を入力する受取人端末と、
第二の認証装置が接続され、配送人が配送時に携帯する配送端末とを備え、
前記配送管理サーバと、前記認証サーバと、前記発送人端末と、前記受取人端末と、前記配送端末とがネットワークにより接続され、
前記発送人端末が、入力された発送人登録情報を、前記配送管理サーバに送信し、前記配送管理サーバのデータベースに登録し、
前記受取人端末が、前記第一の認証装置より入力された受取人の生体認証情報を含む受取人登録情報を、前記配送管理サーバに送信し、前記配送管理サーバと前記認証サーバのデータベースに登録し、
前記配送管理サーバが、前記代理受取りの可否の情報として代理で受け取る人が登録されている場合、前記配送物と前記代理で受け取れる者のランクに応じて、前記配送物の受け渡しの可否を判定し、
前記受取人を前記第二の認証装置により認証して、前記配送端末が、入力された生体認証情報を前記認証サーバに送信し、前記認証サーバが認証し、
前記配送端末が、前記認証サーバの認証結果を表示することを特徴とする配送管理システム。
【請求項7】
前記配送管理サーバは、配送毎に生じる配送トランザクションを配送管理データベースに格納され、前記配送トランザクションは、各々の配送トランザクションを一意的に識別する配送トランザクションIDを有し、
前記配送物に貼られる配送ラベルは、前記配送トランザクションIDが記載され、前記発送人登録情報と前記受取人登録情報が記載されていないものであることを特徴とする請求項記載の配送管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送管理方法および配送管理システムに係り、特に、生体認証技術を用いて、誤配送を防止し、配送業務の管理を容易にするのに好適な配送管理方法および配送管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
宅配便業界に代表される流通業界においては、コンピュータシステムによる情報処理技術を用いた配送業務のシステムが、一般的になっている。例えば、発注者が、宅配便注文時に問合せ番号を受け取り、Webページなどを利用して配送状況を参照できるサービスが提供されている。
【0003】
また、特許文献1のように、受取人を確認するために、携帯端末に本人確認できる認証コードを表示しこれを読み取ることにより、本人を認証できる技術が知られている。さらに、特許文献2のように、受取人の端末に、その配送に係るパスワードを送信し、受取人がパスワードを知っているときに、配送品を受け渡す技術も知られている。
【0004】
ところで、本人認証には、その人が覚えているパスワードを入力させる方法、その人の生体の特徴を利用するいわゆる生体認証による方法などがある。特に、指静脈のパターンを生体の特徴として認証に用いる指静脈認証は、高度なセキュリティを実現することができ、認証精度も高く、装置も小型で安価にできることより、普及が期待されている。例えば、特許文献3には、透過光により、指血管のパターンを読取る個人認証装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−92507号
【特許文献2】特開2007−168924号
【特許文献3】特開2008−279275号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の配送便の実務においては、届出き先にいる人に、配送人が名前を確認し、サインや捺印を受けることにより、その人が受取人であると推測して、荷物を渡していた。これでは、本人以外の人に間違って渡してしまうという、いわゆるなりすましトラブルの危険性が大きくなる。
【0007】
また、従来の配送便では、サイン後に連票式になった書類の一部を受領書として渡すのが一般的であった。実際には、受領書は、受取人側で十分管理されていないのが実情であり、受取人が受け取ったことを忘れてしまうと、トラブルの要因ともなる。さらに、配送人がサインや捺印を受けていないのに、商品の配送を完了としてしまうというルール違反行為をしたときに、システムとしてチェックすることができないと言う問題点がある。
【0008】
また、受取人は、荷物の発送人に対して、氏名、住所などの個人情報を開示しなければならず、さらに、配送される荷物のステッカーにも氏名、住所が表示されるのが通常であり、プライバシー保護の観点からも問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、配送管理システムにおいて、安全確実に受取人本人に、荷物を配送することができ、システム上のトラブル対策も容易であり、しかも、利用者のプライバシー保護にも優れた配送管理方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係る配送管理システムは、好ましくは、発送人が発送した配送物を、配送人が受取人に配送する配送管理システムであって、当該配送管理システムは、配送管理に関するデータベースにアクセスして更新・格納する配送管理サーバと、認証情報データベースにアクセスして更新・格納し、生体認証情報を認証する認証サーバと、発送人登録情報を入力する配送人端末と、第一の認証装置が接続され、受取人の生体情報を含む受取人登録情報を入力する受取人端末と、第二の認証装置が接続され、配送人が配送時に携帯する配送端末とを備える。
配送管理サーバと、認証サーバと、発送人端末と、受取人端末と、配送端末とは、ネットワークにより接続されている。
【0011】
発送人端末は、入力された発送人登録情報を、配送管理サーバに送信し、配送管理サーバのデータベースに登録し、受取人端末は、第一の認証装置より入力された受取人の生体認証情報を含む受取人登録情報を、配送管理サーバに送信し、配送管理サーバと認証サーバのデータベースに登録する。
配送時には、配送人が受取人に対して、指静脈認証などの生体認証を要求する。
【0012】
そして、受取人を第二の認証装置により認証して、配送人端末が、入力された生体認証情報を認証サーバに送信し、認証サーバが認証し、配送人端末に、認証サーバの認証結果を表示することにより、配送人は、配送物のその人物に受け渡すか否かを判断する。認証後、配送物を受け渡すときには、配送管理サーバの指示により、配送人端末は、受領書を発行する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、安全確実に受取人本人に荷物を配送することができ、システム上のトラブル対策も容易であり、利用者のプライバシー保護にも優れた配送管理システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第一の実施形態に係る配送管理システムの概要図である。
図2】第一の実施形態に係る配送管理システムのデータフロー図である。
図3】配送管理サーバの構成図である。
図4】認証サーバの構成図である。
図5】発送人端末の構成図である。
図6】受取人端末の構成図である。
図7】配送人端末の構成図である。
図8】認証装置の構成図である。
図9】第一の実施形態に係る発送人登録データを示す図である。
図10】受取人登録データを示す図である。
図11】第一の実施形態に係る配送トランザクションを示す図である。
図12】認証データを示す図である。
図13】発送人が配送物を発送するときの処理を示すシーケンス図である。
図14A】受取人が生体情報を登録して、後に配送物を受け取るときの処理を示すシーケンス図である(その一)。
図14B】受取人が生体情報を登録して、後に配送物を受け取るときの処理を示すシーケンス図である(その二)。
図15】配送端末によって認証しているときの様子を示す図である。
図16】受領書の一例を示す図である。
図17】第二の実施形態に係る発送人登録データを示す図である。
図18】第二の実施形態に係る配送トランザクションを示す図である。
図19】第三の実施形態に係る配送ラベルの様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を用いて説明する。
【0016】
〔実施形態1〕
以下、第一の実施形態を、図1ないし図16を用いて説明する。
先ず、図1および図8を用いて本発明の第一の実施形態に係る配送管理システムの構成について説明する。
【0017】
図1は、第一の実施形態に係る配送管理システムの概要図である。図2は、本発明の第一の実施形態に係る配送管理システムのデータフロー図である。
【0018】
本実施形態の配送管理システム1は、荷物を発送する発送人の発送人サイト、荷物を受け取る受取人の受取人サイト、荷物を配送する配送人サイト、配送業者による、配送業務を管理する配送管理センタ、物流の集荷、発送の配送拠点や集荷センタからなる。
【0019】
発送人サイトには、発送人端末200があり、発送人は、ここから発送人としてネットワーク60を介して配送管理センタの配送管理サーバ100にアクセスし、配送管理DB190に必要な情報を登録する。また、ネットワーク60を介して配送管理センタにオンラインによって、配送物10の発送を注文することもできる。ここで、ネットワーク60は、インターネットのようなグローバル網でもよいし、配送業者が運営するネットワーク網でもよい。
【0020】
発送人は、自宅や会社まで、配送人に取りに来てもらうか、自ら配送拠点810に出向いて配送物10を配送業者に手渡すことになる。
【0021】
受取人サイトには、受取人端末300があり、受取人は、ここから受取人としてネットワーク60を介して配送管理センタの配送管理サーバ100にアクセスし、配送管理DB190に必要な情報を登録する。このとき、受取人端末300に接続された認証装置380から、その本人に係る指静脈認証の登録をおこなう。受取人の登録情報は、それぞれ配送管理サーバ100、認証サーバ500が管理する配送管理DB580、認証情報DB160に格納される。なお、本実施形態では、受取人端末300に接続された認証装置380から受取人の指静脈認証の登録をおこなうことにしたが、配送業者の施設で登録するようにしてもよいし、他のネットワークに接続された端末から指静脈認証の登録をおこなうようにしてもよい。また、配送人が持参する配送人端末に接続された認証装置480から指静脈認証の登録をおこなうようにしてもよい。
【0022】
配送物10は、配送拠点810や各地の集荷センタ800を経由し、配送人により指定された受取人に配達される。そのときに、各配送拠点810や集荷センタ800にある端末から配送状況が入力され、配送管理サーバにその配送物10の配送状況が報告される。
図1では、配送管理センタと集荷センタを別のもののように図示しているが、同一の地点に設置されるものであってもよい。
【0023】
配送人サイトは、配送人がトラックなどで常時移動しているサイトであり、配送人は、自らの配送業務の管理と、配送管理サーバ100から指示を受けるための配送人端末400を持参している。そして、配送人端末400は、無線により基地局70、ネットワーク70を介して配送管理サーバ100にアクセスする。
【0024】
また、配送人端末400には、認証装置480が接続されており、受取人の指静脈認証をおこなえるようになっている。
【0025】
配送物10の受取人は、認証装置480により指静脈認証をおこなうと、配送端末400から配送管理サーバ100に問合せがなされる。そして、配送管理サーバ100は、認証サーバ500により、指静脈認証をおこなって、認証結果を配送人端末400に返送する。また、真正の受取人であるときには、受領書発行の指示もおこなう。
【0026】
配送人は、その結果を見て、認証された人物が真正の受取人であると判断したときに、配送物10を手渡し、同時に、受領書30を印刷して、受取人に手渡すようにする。
【0027】
次に、図3ないし図8を用いて、配送管理システムの各装置におけるハードウェア構成、ソフトウェア構成について説明する。
図3は、配送管理サーバの構成図である。図4は、認証サーバの構成図である。図5は、発送人端末の構成図である。図6は、受取人端末の構成図である。図7は、配送人端末の構成図である。図8は、認証装置の構成図である。
【0028】
配送管理サーバ100のハードウェア構成は、図3に示されるようにCPU102、主記憶装置108、表示I/F104、入出力I/F106、ネットワークI/F850、補助記憶I/F112がバスにより接続されたものである。
【0029】
表示装置110には、稼動状況のモニタや出力結果が表示される。入出力I/F106には、キーボード120やマウス122などの入出力装置が接続され、管理者は、これらの入出力装置からコマンドなどを入力する。ネットワークI/F110には、LAN、WANなどのネットワーク60が接続され、このI/Fを介して外部の装置と通信をおこなう。この例では、LANにより、配送管理センタ内の認証サーバ500が接続されているものとする。補助記憶I/F112には、データやプログラムを格納するハードディスク装置160などの記憶装置が接続される。ハードディスク装置160は、アレイ上に接続されてディスクアレイを構成する場合もある。
【0030】
業務処理のアプリケーションプログラム、OSなどは、ハードディスク装置160に格納されており、実行されるときに主記憶装置108にロードされて、CPU102により実行される。
【0031】
特に、配送管理サーバ100として実行されるプログラムとしては、配送管理DB190にアクセスするための配送管理プログラム180と、認証サーバと認証データをやり取りし、認証結果を受け取る認証サーバインタフェースプログラム182がある。
【0032】
認証サーバ200のハードウェア構成は、図4に示されるように、図3に示した配送管理サーバと同じものでよい。
【0033】
特に、認証サーバ200として実行されるプログラムとしては、認証DB590にアクセスするための認証DB管理プログラム580と、登録している指静脈パターンと認証のために入力される指静脈パターンとの類似度を演算し、判定する認証プログラム582、配送管理サーバ100と認証データをやり取りし、認証結果を送信する配送管理サーバインタフェースプログラム584がある。
【0034】
発送人端末200のハードウェア構成としては、例えば、図5に示されるような一般的なパーソナルコンピュータで実現される。
【0035】
発送人端末200は、CPU(Central Processing Unit)202、主記憶装置204、ネットワークI/F206、表示I/F208、入出力I/F210、補助記憶I/F212が、バスにより結合された形態になっている。
CPU202は、発送人端末200の各部を制御し、主記憶装置204に必要なプログラムをロードして実行する。
【0036】
主記憶装置204は、通常、RAMなどの揮発メモリで構成され、CPU202が実行するプログラム、参照するデータが記憶される。
ネットワークI/F206は、ネットワーク60と接続するためのインタフェースである。
【0037】
表示I/F208は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置20を接続するためのインタフェースである。
入出力I/F210は、入出力装置を接続するためのインタフェースである。図5の例では、キーボード230とポインティングデバイスのマウス232が接続されている。
【0038】
補助記憶I/F212は、HDD(Hard Disk Drive)250やDVDドライブ(Digital Versatile Disk)240などの補助記憶装置を接続するためのインタフェースである。
【0039】
HDD250は、大容量の記憶容量を有しており、本実施形態を実行するためのプログラムが格納されている。発送人端末200には、Webブラウザ260、配送管理クライアントプログラム262がインストールされている。発送人が、発送人端末200から配送管理サーバ100にアクセスするためには、一般のWebブラウザ260からアクセスできるようにしてもよいし、専用の配送管理クライアントプログラム262によってのみアクセスできるようにしてもよい。
【0040】
DVDドライブ240は、DVDやCDなどの光学ディスクにデータを書き込んだり、光学ディスクからデータを読み込んだりする装置であり、配送管理クライアントプログラム262は、例えば、CD−ROMにより提供されたものをインストールすることができる。
【0041】
受取人端末300のハードウェア構成も、発送人端末200と同様に、例えば、図6に示されるような一般的なパーソナルコンピュータで実現される。
【0042】
ただし、異なる所としては、受取人端末300は、シリアルI/F314を有し、認証装置380が接続されている。シリアルI/F314は、例えば、USB(Universal Serial Bus)インタフェースである。受取人端末300に接続されている認証装置380は、受取人の生体情報の登録に用いられる。
【0043】
また、受取人端末300に接続されたHDD350には、Webブラウザ360、配送管理クライアントプログラム362、認証装置ドライバ364がインストールされている。
【0044】
受取人が、受取人端末300から配送管理サーバ100にアクセスするために、Webブラウザ360、配送管理クライアントプログラム362があることは、発送人端末200と同様である。認証装置ドライバ364は、認証装置を動作させるためのプログラムである。
【0045】
配送人端末400は、図7に示されるように、携帯可能な情報処理装置、例えば、タブレット端末、ノートパソコン、スマートフォン、あるいは、専用のハンディターミナルである。
【0046】
特に、無線I/F406を有し、図1に示したように、基地局70を介して、配送管理サーバ100にアクセスするようになっている。
【0047】
また、受取人端末300と同様に、シリアルI/F414を介して認証装置480が接続されている。シリアルI/F414は例えばUSBインタフェースである。ただし、配送人端末400に接続されている認証装置480は、登録にも使えるが、主に、受取人を認証するために用いられることを想定している。さらに、配送人端末400は、シリアルI/F414に、配送物10の受取人に対して、受領書を発行するためのプリンタが接続されている。
【0048】
また、入出力装置としては、キーボードやマウスでもよいが、図7では、タッチパネル430より、コマンドや情報を入力するものとして図示している。
【0049】
補助記憶としては、常時携帯することを考えて、衝動に強い、フラッシュメモリ460のような半導体メモリが使われることが望ましい。
補助記憶に格納されるプログラムとしては、配送人が業務を実行するための搬送管理クライアントプログラム462がインストールされている。また、それぞれの装置を動作させるための認証装置ドライバ464、プリンタドライバ466がインストールされている。
【0050】
認証装置480(380も同様)は、図8に示されるように、光を当てて、指静脈のパターンを読取るための装置である。
認証装置480は、光源部482、撮像部484、画像取込部486、シリアルI/F488からなる。
【0051】
光源部482は、例えば、光源としてLED(Light Emitting Diode)を発行させる部分である。撮像部484は、対象を撮像する部分である。通常、光を電気信号に変換するために、CCD(Charge Coupled Device)が用いられる。画像取込部486は、撮像部484により撮像された画像を取り込む部分である。シリアルI/F488は、例えばUSBインタフェースのようなシリアルI/Fによって、端末と接続して、データ、コマンドをやり取りする。
【0052】
次に、図9ないし図12を用いて、第一の実施形態に係る配送管理システムのデータ構造について説明する。図9は、発送人登録データを示す図である。図10は、受取人登録データを示す図である。図11は、配送トランザクションを示す図である。図12は、認証データを示す図である。
【0053】
この内で、発送人登録データ、受取人登録データ、配送トランザクションが配送管理DB180に格納されるデータであり、認証データが認証情報DB590に格納されるデータである。
【0054】
発送人登録データ1000は、図9に示されるような、配送管理システム内において、発送人を登録し、識別するためのデータであり、一人の発送人に対して、一つのレコードが作られる。
【0055】
発送人登録ID1010は、このデータを一意的に識別するための識別子である。
氏名1020には、この発送人の氏名が格納される。住所1030には、この発送人の住所が格納される。連絡先電話番号1040には、この発送人の連絡先の電話番号が格納される。連絡先Eメールアドレス1050には、この発送人の連絡先のEメールのアドレスが格納される。
【0056】
配送先情報1060は、この発送人が配送先として登録する受取人に関する情報である。配送先情報1060には、受取人氏名1062、受取人住所1064、代理受取可否1066の項目が含まれる。この配送先情報1060は、複数登録することが可能である。
【0057】
代理受取可否1066は、受取人の代わりに、代理で受け取る人が登録されているときには、その人に渡すことを許容するか否かを示すフラグである。代理受取りは、例えば、受取人の家族の人であったり、会社の同じ部署の人などの受取人と何らかの関連を有する人が想定されている。
【0058】
受取人登録データ2000は、図10に示されるような、配送管理システム内において、受取人を登録し、識別するためのデータであり、一人の受取人に対して、一つのレコードが作られる。
【0059】
受取人登録ID2010は、このデータを一意的に識別するための識別子である。氏名2020には、この受取人の氏名が格納される。住所2030には、この受取人の住所が格納される。連絡先電話番号2040には、この受取人の連絡先の電話番号が格納される。連絡先Eメールアドレス2050には、この受取人の連絡先のEメールのアドレスが格納される。
【0060】
代理人IDは、この受取人に対して送られる配送物を代理で受け取ることが許されている人を示すIDを格納する。発送人登録データ1000の中の項目の代理受取可否1066が可となっており、代理人IDが登録されているときには、その代理人に対して認証し、代理人本人であるという結果がでたときに、配送人は、その代理人に配送物を渡すような運用をおこなう。
【0061】
既に述べたが、代理人は、受取人の家族の人であったり、会社の同じ部署の人などの受取人と何らかの関連を有する人が想定されている。また、配送物と代理人にランクをつけて、その配送物と代理人のランクに応じて、配送物の受け渡しの可否を判定するようにしてもよい。
【0062】
配送トランザクション3000は、図11に示されるような、配送管理システム内において、配送業務(配送物)を登録し、識別するためのデータであり、一件の配送業務に対して、一つのレコードが作られる。
【0063】
配送トランザクションID3010は、このデータを一意的に識別するための識別子である。問合せ番号3020は、発送人が配送物10の状況を参照したいときに用いる番号である。問合せ番号3020は、配送トランザクションID3010と同じものを用いてもよい。発送人登録ID3030は、この配送業務に係る配送物10を発送した人の発送人登録IDが格納される。
【0064】
配送先情報3040は、この発送人が配送先として指定した受取人に関する情報である。配送先情報3040には、受取人氏名3042、受取人住所3044、代理受取可否3046の項目が含まれる。この配送先情報3040は、複数登録することが可能である。
【0065】
配達希望日時3050には、受取人がこの日時までに受け取ることを発送人が希望する日時を指定する。受付日3060は、配送物10の配送業務を受け付けた日付が格納される。荷物品名3070は、配送物の内容を表す品名が格納される。例えば、書籍、電子機器、家具、食器、食品などである。サイズ/重さ3080には、この配送物10のサイズや重量が格納される。サイズは、通常、梱包時の外寸合計(縦、横、高さの合計寸法)が指定される。
【0066】
荷物取扱種別3090は、配送業者が特別のサービスを提供しているとき、または、この荷物に関して注意しなければならない事項を格納する欄である。例えば、冷凍保存が必要な食品などを冷凍庫付きのトラックで運ぶサービスや、「われもの注意」などの情報である。
【0067】
担当配送人ID3100は、配送人を一意に識別するIDであり、この配送魚無を担当する配送人のIDが格納される。図示しなかったが、配送管理DB180には、配送人の情報を格納するテーブルも格納される。料金3110は、元払いのときには、発送人から、着払いのときには、受取人から受け取るべき配送の対価としての料金が格納される。
【0068】
元払・着払別3120は、元払い、すなわち、発送人が料金を払うか、着払い、すなわち、受取人が料金を払うかを示すフラグが格納される。代引取引3130は、代引き取引であるか否かのフラグを格納する。代引き取引とは、配送物10が商取引の目的で配送されており、発送人が商品を売る者であり、受取人が商品を購入する者のときに、配送人を仲介として、配送人に代金を支払って、受取人が商品を受け取る配送サービスの形態である。
【0069】
代引取引料金・手数料3140は、代引き取引であるときに、その商品の料金と、付加としてとる手数料が格納される。配送状況3150は、配送物10が、現在どういう状況であるかを示す情報を格納する項目である。これは、配送業者の備える各端末、配送人が所持する配送端末から随時更新され、例えば、「発送受付」、「XX支店受付」、「XX支店からYY支店配送中」、「配送完了」などの情報が格納される。
【0070】
認証データ4000は、図12に示されるようなデータであり、登録した受取人登録ID4010、その人の生態認証データ4020が格納される。本実施形態では、指静脈パターンが三種類、指静脈パターン1、指静脈パターン2、指静脈パターン3がデジタル化して格納されている。
【0071】
登録時には、配送管理サーバ100から認証サーバ500に、その人の受取人登録IDと、生態認証データが送られてきて、認証情報DB590に登録する。
また、受取人の認証時には、配送管理サーバ100から認証サーバ500に、認証した人の生態認証データが送られてきて、認証情報DB590から該当する受取人登録IDをピックアップする。
【0072】
次に、図13ないし図17を用いて、配送管理システムの配送処理と、配送の様子について説明する。図13は、発送人が配送物を発送するときの処理を示すシーケンス図である。図14A図14Bは、受取人が生体情報を登録して、後に配送物を受け取るときの処理を示すシーケンス図である。図15は、配送端末によって認証しているときの様子を示す図である。図16は、受領書の一例を示す図である。
【0073】
先ず、図13を用いて発送人が配送物を発送するときの処理について説明する。
最初に、配送管理システムを利用するために、発送人は、自分の情報として発送人情報を配送管理サーバ100に送り(A100)、配送管理サーバ100は、それを配送管理DB180に登録する(SQ100)。これは、発送人が発送人端末200からWebブラウザ260を立ち上げ、配送管理システムのWebサイトにアクセスするか、専用の配送管理クライアントプログラム262を実行することによりなされる。
【0074】
次に、発送人は、発送人端末200から配送注文をする(A102)。配送管理サーバ100は、配送注文の案件に係る配送情報を、配送管理DB180に登録する(SQ102)。そして、例えば、Eメールによって発送人の問合せ番号を通知する(A104)。問合せ番号は、配送管理システムのWebサイトや配送管理クライアントプログラム262が出力する画面に表示するようにしてもよい。発送人端末200は、発送人の自宅や会社にあるものでもよいし、配送業者が配送拠点810に設置しているものでもよい。
【0075】
そして、配送人が発送人の所まで行って配送物10を集荷するか、配送拠点810で配送物10を引き受ける。配送状況は、配送業者の各配送拠点や集荷センタに設置されている端末や配送人端末からイベント発生ごとに配送管理サーバ100に送られ(A106)、更新される(SQ104)。
【0076】
発送人は、任意の時点で問合せ番号による問合せをおこなうことができる(A110)。
【0077】
配送管理サーバ100は、問合せ番号による問合せを受けたときには、該当案件を検索し(SQ106)、発送人端末200に配送状況を通知する。配送状況は、配送管理システムのWebサイトや配送管理クライアントプログラム262が出力する画面に表示する。また、発送人のEメールに通知するようにしてもよい。
【0078】
次に、図14A図14Bを用いて受取人が配送されて来る配送物を受取るときの処理について説明する。
先ず、受取人は、受取人端末300に接続された認証装置480を読み取り、自分の情報として、その生体認証情報を含んだ受取人情報を配送管理サーバ100に送り(A200)、配送管理サーバ200は、それを配送管理DB180に登録する(SQ120)。これは、受取人が受取人端末300からWebブラウザ360を立ち上げ、配送管理システムのWebサイトにアクセスするか、専用の配送管理クライアントプログラム362を実行することによりなされる。生体認証情報は、認証サーバ500に送られ(A202)、認証情報DB590に登録される(SQ500)。
【0079】
次に、配送人が、配送物10を受取人の所まで行き、受取人に対して認証を求める。受取人が申し入れに同意したときにて、認証装置480に指を入れ、指静脈パターンを読取らせる(A204)。読取った生体認証情報は、配送人端末400から、配送管理サーバ100、認証サーバ500に送られる(A206、A208)。
【0080】
認証サーバ500では、送られて来た生体認証情報を、配送情報DB590の中の生体認証情報とマッチングさせて、認証判定をおこない(SQ502)、結果を配送管理サーバ100経由で、配送人端末に送信する(A210、A212)。
【0081】
配送人は、配送端末400に表示された認証結果を見て(SQ400)、認証テストをした被験者が真正の受取人であるか否かを判断し、その配送物10を渡すべきか否かを判断する。このときの様子を示すと図15に示されるようになる。
【0082】
そして、配送人が配送端末400から配送報告をしたときに(A214)、配送管理サーバ100は、配送端末200に受領者発行を指示して(A216)、配送端末400は、接続されているプリンタから490から、図16に示されるような受領書30を印刷する(SQ402)。最後に、受取人は、その受領書30を受け取り(A218)、配送管理サーバ100からは、発送人端末に配送完了通知が行く(A220)。
【0083】
本実施形態では、指静脈認証という生体認証によって本人認証をおこなってから、配送人が配送物を受け渡すため、間違った人に配送物を渡してしまうという事故が防止することができ、配送の安全性を高めることができる。
【0084】
また、生体認証をおこなった後に、受理書を発行するため、システム上に受領者発行データと発行した事実が証拠として残るため、配送物の受け渡しに関するトラブルを低減することができ、配送に関するクレーム対策も容易になる。
なお、本実施形態では、生体認証として、指静脈認証を用いる方法について説明したが、その他の生体認証、例えば、指紋、虹彩、顔認証などの認証手段であってもよい。
【0085】
〔実施形態2〕
以下、第二の実施形態を、図17および図18を用いて説明する。
第一の実施形態では、発送人登録データの配送先情報1060には、受取人氏名1062、受取人住所1064、代理受取可否1066の項目が含まれていた。実施形態2は、発送人登録データと配送トランザクションの配送先情報の項目とを変更したものである。その他の配送管理システムのシステム構成やソフトウェアに関する構成の大枠は同じものでよい。
【0086】
図17は、第二の実施形態に係る発送人登録データを示す図である。図18は、第二の実施形態に係る配送トランザクションを示す図である。
【0087】
本実施形態の発送人登録データ1000aの配送先情報1080は、図17に示されるように受取人登録ID1082、代理人受取可否1084である。
すなわち、第一の実施形態と比較して、受取人氏名1062、受取人住所1064が、受取人登録ID1082に変更されている。
【0088】
また、配送トランザクション3000aの配送先情報3200は、図18に示されるように受取人登録ID3202、代理人受取可否3204である。したがって、予め発送人は、受取人から受取人登録IDの通知を受けて、発送人登録データとして登録する必要がある。
【0089】
配送管理サーバ100は、受取人登録ID1082があれば、受取人登録から氏名や住所が分かり、配送人端末400にも表示できるので、システムの運営上、不都合が生じるようなことはない。
【0090】
認証時には、認証サーバ500、被験者の認証されたデータが認証DBに存在するか否かを判定し、図12に示した受取人登録IDをピックアップし、配送管理サーバ100に送る。配送管理サーバでは、配送トランザクション3000aの受取人登録ID3202と一致するときに、真正の受取人であると判定する。
【0091】
本実施形態の特徴としては、配送物の受取人が、発送人に対して、氏名や住所などというプライバシー情報を開示しなくても配送物を受け取ることができることである。例えば、ネットワーク上で、相手の身上情報がよくわからないようなオークションサイトで、取引きをする場合に、相手に自分の情報として受取人登録IDのみを知らせることにより、配送可能な状態にできるため、見知らない相手にプライバシーを開示しなければならないようリスクを防ぐことができる。このときに、配送業者の提供する代引き引換サービスと併用すれば、代金は支払ったのに、品物が送られてこないという詐欺行為も防ぐことができる。
オークションの出品者も、認証を受けた者のみに、品物が受け渡されるために、安心して、配送を任せることができる。
【0092】
なお、第一の実施形態で、発送人登録データと配送トランザクションの受取人情報のエントリとして、受取人の氏名、住所を保持し、本実施形態で、受取人登録IDを保持する形態を示したが、一つのテーブルの中に両者が混在する形式であってもよい。
【0093】
〔実施形態3〕
以下、第三の実施形態を、図19を用いて説明する。図19は、第三の実施形態に係る配送ラベルの様子を示した図である。実施形態3は、実施形態1で説明した配送管理システムを前提として、配送物に貼る配送ラベルに関するものである。
【0094】
通常、配送物10には、配送ラベルが貼られて、配送ラベルには、発送人氏名、住所、電話番号、受取人氏名、住所、電話番号、その他の配送に必要な情報が記載されている。
【0095】
本実施形態での配送物10に貼られる配送ラベル40は、図19に示されるように、配送ID(第一の実施形態の図11で示した配送トランザクションIDと同じもの)、品名と、取扱いなど最低限度のものである。
【0096】
配送人は、配送端末400に接続されたスキャナー(図示せず)などにより、読み込むか、配送IDを打ち込むことによって入力し、その配送IDを配送管理サーバ100に問い合わせることにより、配送に必要な情報を表示できるようになっている。
【0097】
これにより、発送人や受取人の個人情報を、配送物の流通段階で不特定多数の者にさらすことを防止することができる。
【符号の説明】
【0098】
1…配送管理システム、10…配送物、30…受領書、100…配送管理サーバ、180…配送管理DB、200…発送人端末、300…受取人端末、380…認証装置、400…配送人端末、480…認証装置、500…認証サーバ、180…認証情報DB、800…集荷センタ、810…配送拠点。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19