(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記柄の長手方向に対して直交する前記柄の断面形状は、前記化粧料塗布具が前記載置面に載置された状態での上下方向に薄い扁平形状をなしている請求項1に記載の化粧料用容器。
前記複数の化粧料塗布具のうち、少なくとも何れか1つの化粧料塗布具においては、前記載置面に載置された状態での平面視における前記括れ部の幅寸法が、前記柄の長手方向における前記括れ部の一端側から他端側に向けて、徐々に減少した後、徐々に増大している請求項1乃至5の何れか一項に記載の化粧料用容器。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0011】
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態に係る化粧料用容器100の斜め上方からの俯瞰図である。
本実施形態に係る化粧料用容器100は、化粧料を収容する化粧料収容室111と、複数本の化粧料塗布具(例えば、第1化粧料塗布具10および第2化粧料塗布具20)と、複数本の化粧料塗布具を収容する塗布具収容室113と、を有している。
複数本の化粧料塗布具は、それぞれが、柄11と、柄11の少なくとも一方の端部に設けられた塗布体12と、を有している。
塗布具収容室113は、複数本の化粧料塗布具が載置される載置面114を有している。
複数本の化粧料塗布具は、それぞれの長手方向が互いに並列となって載置面114に載置されることにより、塗布具収容室113から取り出し可能に塗布具収容室113に収容されている。
柄11は、その長手方向における両端間の部位に、載置面114に載置された状態での平面形状が括れ形状となる括れ部15を有している。
塗布具収容室113に収容された複数本の化粧料塗布具のうち、互いに隣り合う化粧料塗布具の括れ部15どうしが向かい合っている。
以下、詳細に説明する。
【0012】
化粧料用容器100は、例えば、第1筐体110と、第2筐体120と、これら第1筐体110と第2筐体120とを相互に開閉可能に連結しているヒンジ機構130と、からなる容器本体100aを備えている。第1筐体110および第2筐体120は、それぞれ扁平に形成され、互いにほぼ同様の平面形状に形成されている。第1筐体110および第2筐体120の平面形状は、特に限定されないが、
図1等に示す例では、矩形状となっている。
【0013】
図1に示すように、化粧料用容器100は、ヒンジ機構130が奥側に位置する状態で、第1筐体110を手で持ったり或いは台上に載置し、且つ、第2筐体120を第1筐体110に対して開いた状態で使用することを想定したデザインとなっている。
【0014】
第2筐体120は、閉じた状態において第1筐体110と対向する扁平な凹部121を有している。第2筐体120を開くと、第1筐体110と第2筐体120とのなす角度が所定の鈍角となって第2筐体120が第1筐体110によって支えられて、第2筐体120の凹部121の底面が手前側斜め上方を向くように、ヒンジ機構130は構成されている。第2筐体120の凹部121の底面には鏡122が設けられており、使用者は、この鏡122に顔を映しながら化粧することができるようになっている。
【0015】
第1筐体110において、閉じた状態で第2筐体120と対向する面の奥側(ヒンジ機構130側)の部分には、化粧料を収容する化粧料収容室111が設けられ、当該面の手前側の部分には、複数本の化粧料塗布具を並列に寝かせた状態で収容する塗布具収容室113が設けられている。
【0016】
化粧料収容室111は、第1筐体110において、閉じた状態で第2筐体120と対向する面に形成された扁平な凹部であり、該化粧料収容室111の周囲を囲む縁部112に対して相対的に窪んでいる。化粧料収容室111の平面形状は特に限定されないが、例えば矩形状となっている。
【0017】
化粧料収容室111には、例えば、化粧料収容パレット140が収容されている。化粧料収容パレット140には、それぞれ化粧料を収容する複数の領域が形成されている。化粧料収容パレット140には、例えば、奥側から順に、第1収容領域141、第2収容領域142および第3収容領域143が形成されており、これら領域141〜143は、それぞれ左右方向に延在している。例えば、第1収容領域141にはベースとして用いられるクリーム状の化粧料151が収容され、第2収容領域142にはアイシャドウとして用いられる第1化粧料152aおよび第2化粧料152bが収容され、第3収容領域143にはアイライナーとして用いられる化粧料153が収容されている。
【0018】
第2収容領域142は、例えば上目蓋の形状を模した半月状ないしは三日月状の形状に形成されており、左右方向に長尺に形成されている。第2収容領域142のうち、当該第2収容領域142をその長手方向に沿って二分割する仮想的な分割線142aによって仕切られた奥側の領域には、相対的に薄い色の第1化粧料152aが収容され、分割線142aによって仕切られた手前側の領域には、相対的に濃い色の第2化粧料152bが収容されている。なお、分割線142aは、曲線でも良いし、直線でも良い。
このように、化粧料収容室111は、第1化粧料152aと、第1化粧料152aとは異なる色の第2化粧料152bと、を収容している収容領域(第2収容領域142)を含み、収容領域は、特定方向に長尺に形成されている。そして、第1化粧料152aと第2化粧料152bとは、収容領域内において、それぞれ収容領域の長手方向に沿って、互いに並列に且つ隣接して延在している。
【0019】
塗布具収容室113は、第1筐体110において、閉じた状態で第2筐体120と対向する面に形成された扁平な凹部であり、該塗布具収容室113の周囲を囲む縁部115に対して相対的に窪んでいる。塗布具収容室113は、平面視において一方向(例えば左右方向)に長尺に形成されている。塗布具収容室113は、仕切りを持たない1つの凹部である。塗布具収容室113の底面は、平坦な載置面114となっている。塗布具収容室113の平面形状は特に限定されないが、例えば矩形状となっている。
【0020】
塗布具収容室113の長手寸法(左右方向の寸法)は、塗布具収容室113にまとめて収容される複数本の化粧料塗布具のうち、最も長手寸法が長い化粧料塗布具の長さよりも長い。一方、塗布具収容室113の短手寸法(奥行き方向の寸法)は、塗布具収容室113にまとめて収容される複数本の化粧料塗布具のうち、最も長手寸法が短い化粧料塗布具の長さよりも短い。
【0021】
第1化粧料塗布具10および第2化粧料塗布具20は、それぞれの長手方向が塗布具収容室113の長手方向に沿うとともに互いに並列となって載置面114に載置されている。これにより、第1化粧料塗布具10および第2化粧料塗布具20は、塗布具収容室113から取り出し可能に塗布具収容室113に収容されている。
【0022】
第2筐体120において、ヒンジ機構130から遠い縁辺部には、係止片123が設けられている。第1筐体110において、ヒンジ機構130から遠い縁辺部には、第1筐体110と第2筐体120とが相互に閉じられた状態において係止片123と係合する係止部116が設けられている。
【0023】
第2筐体120は、蓋体である。第1筐体110と第2筐体120とが相互に閉じられた状態では、第1筐体110において第2筐体120側を向く面が第2筐体120により覆われるので、該第2筐体120によって、化粧料収容室111を保護したり、化粧料塗布具10、20の脱落を規制したりすることができる。それと同時に、第1筐体110と第2筐体120とが相互に閉じられた状態では、第2筐体120の凹部121が第1筐体110によって塞がれるので、凹部121に設けられた鏡122が第1筐体110により保護される。
【0024】
図2は第1の実施形態に係る化粧料用容器100の第1化粧料塗布具(化粧料塗布具)10を示す図である。このうち
図2(a)は平面図、
図2(b)は
図2(a)の矢印B方向から見た側面図、
図2(c)は
図2(b)の矢印C方向から見た正面図、
図2(d)は
図2(b)の矢印D方向から見た背面図である。また、
図2(e)、
図2(f)および
図2(g)は、それぞれ第1化粧料塗布具10の柄11の長手方向に対して直交する柄11の断面図である。このうち
図2(e)は
図2(a)のE−E矢視断面図、
図2(f)は
図2(a)のF−F矢視断面図、
図2(g)は
図2(a)のG−G矢視断面図である。また、
図2(h)は
図2(a)のH−H矢視断面図である。すなわち、
図2(h)は、柄11の中心軸Xに対して平行で、且つ、中心軸Xに対して柄11の幅方向にオフセットした位置での柄11の縦断面を示す図である。なお、
図2(e)、
図2(f)および
図2(g)に示す各断面は、第1化粧料塗布具10の薄手方向を上下方向とし、厚手方向を水平方向(左右方向)として示している。
【0025】
図2に示すように、第1化粧料塗布具10は、化粧ブラシである。第1化粧料塗布具10においては、柄11の一端部にのみ塗布体12としてのブラシが設けられ、柄11の他端部には塗布体12が設けられていない。
【0026】
図2(e)、
図2(f)、
図2(g)等に示すように、柄11の長手方向に対して直交する柄11の断面形状は、扁平形状をなしている。すなわち、柄11は薄手方向と厚手方向とを持つ。第1化粧料塗布具10を載置面114に載置したとき、柄11の断面における厚手方向が水平方向となり、柄11の断面における薄手方向が上下方向となるようになっている。すなわち、柄11の長手方向に対して直交する柄11の断面形状は、第1化粧料塗布具10が載置面114に載置された状態で、水平方向に比べて上下方向に薄い扁平形状をなしている。
【0027】
柄11は、第1化粧料塗布具10が載置面114に載置された状態で載置面114に対して面接触する第1柄部13と、第1化粧料塗布具10が載置面114に載置された状態で載置面114に対して線接触する第2柄部14と、を含んでいる。
第2柄部14は、柄11の長手方向において第1柄部13よりも塗布体12から遠くに位置している。なお、第1柄部13と第2柄部14とは、柄11の長手方向において互いに隣接していても良いし、互いに離間していても良い。本実施形態の場合、第1柄部13と第2柄部14とが相互に隣接している。
【0028】
より具体的には、例えば、第1柄部13は、柄11における塗布体12側の端部を含む部分であり、第2柄部14は、柄11における塗布体12側とは反対側の端部を含む部分である。
換言すれば、第1柄部13は、柄11の一端11aを含み、且つ、柄11の長手方向において所定の寸法を持つ部分である。第2柄部14は、柄11の他端11bを含み、且つ、柄11の長手方向において所定の寸法を持つ部分である。
【0029】
柄11の長手方向における少なくとも一部分において、柄11の長手方向に対して直交する柄11の断面形状は、当該断面形状の下側及び上側の縁辺が凸曲線状となっている。すなわち、当該断面形状の下側の縁辺が下方に向けてアーチ状に膨出しているとともに、当該断面形状の上側の縁辺が上方に向けてアーチ状に膨出している。
より具体的には、第2柄部14は、柄11の長手方向における何れの位置においても、柄11の長手方向に対して直交する断面形状の下側及び上側の縁辺が凸曲線状となっている。つまり、第2柄部14の下面及び上面は、凸曲面状となっている。
なお、このように第2柄部14の下面及び上面が凸曲面状であるため、第1化粧料塗布具10を上下の別なく載置面114に載置することができる。
また、この断面形状は、左右対称であることが好ましい。
柄11の長手方向に対して直交する断面形状の下側及び上側の縁辺が凸曲線状となる形状には、楕円状の形状や紡錘形状の他、断面の両側部の縁辺に直線部を含む形状などが含まれる。
楕円状の形状には、楕円形状(2つの定点からの距離の和が一定となるような点の集合から作られる曲線からなり、短軸と長軸とを持つ形状)に限らず、楕円以外の形状であるが楕円に近い形状が含まれる。楕円状の形状の場合、柄11の長手方向に対して直交する断面形状の両側部の縁辺が凸曲線状となっている、すなわち側方(外方)に向けてアーチ状(凸曲線状に)に膨出している。
【0030】
柄11の中心軸Xを通る柄11の縦断面の厚みは、柄11の長手方向に亘ってほぼ一定であるか、又は、一端11aから他端11bに向けて徐々に縮小している(
図2(b)参照)。すなわち、
図2(b)に示す厚みd1と厚みd2とは、互いに同等であっても良いし、厚みd1よりも厚みd2が僅かに薄くても良い。ここで、厚みd1は、柄11の一端11a側および他端11b側の面取り部分を除く部分における最大の厚みであり、厚みd2は、柄11の一端11a側および他端11b側の面取り部分を除く部分における最小の厚みである。
厚みd1と厚みd2との比(d1:d2)は、1:1から5:1の範囲とすることにより、柄11を持ちやすくなる。一方、取り出しやすさの観点からは、厚みd1と厚みd2との比(d1:d2)は、1:1:3:1の範囲とすることが好ましい。また、使いやすさの観点からは、厚みd1と厚みd2との比(d1:d2)は、1:1から2:1の範囲とすることが好ましい。
【0031】
また、
図2(h)に示すように、柄11の中心軸Xを通る柄11の縦断面に対して平行で、且つ、中心軸Xからオフセットされた位置での柄11の縦断面の厚みは、一端11a側の部分での厚みよりも、他端11bの部分での厚みの方が薄くなっている。より具体的には、例えば、第1柄部13における他端11b側の端部と、他端11bとの間には、区間17と区間18とが形成されている。このうち区間17は、第1柄部13に隣接しているとともに他端11b側に向けて厚みが徐々に薄くなる区間である。また、区間18は、区間17と他端11bとの間に位置しているとともに厚みがほぼ一定の区間である。
なお、区間18の厚みは、区間17における最小の厚みとほぼ同じである。より具体的には、例えば、区間18の厚みは、平面視において中心軸Xと一致する部分および中心軸Xに近い部分では、区間18と区間17との境界部での厚みよりも、他端11b側の部分での厚みの方が薄くなっている。その一方で、平面視において中心軸Xから遠い部分では、区間18の厚みは、区間18と区間17との境界部での厚みよりも、他端11b側の部分での厚みの方が厚くなっている。つまり、区間18の厚みに関し、区間18と区間17との境界部での厚みに対する他端11b側の部分の厚みは、平面視において中心軸Xから遠ざかるにつれて大きくなり、且つ、それらの大小関係は、ある位置で逆転する。
【0032】
上記のように、第2柄部14は、柄11の長手方向において所定の寸法を持つとともに、柄11の長手方向における何れの位置においても、柄11の長手方向に対して直交する断面形状の下側及び上側の縁辺が凸曲線状となっており、且つ、柄11の中心軸Xを通る柄11の縦断面の厚みは、柄11の長手方向に亘ってほぼ一定であるか又は一端11aから他端11bに向けて徐々に縮小している。
このため、第1化粧料塗布具10が載置面114に載置された状態で、第2柄部14は、載置面114に対して線接触するようになっている。具体的には、厚手方向である水平方向の中央部分(中心軸Xを通る柄11の縦断面における第2柄部14の下側の縁辺)が載置面114に線接触する。
【0033】
一方、第1柄部13においては、柄11の長手方向に対して直交する断面形状は、扁平な矩形状(例えば、角丸の矩形状)となっている。すなわち、第1柄部13は、扁平な直方体形状となっている。
図2(e)に示すように、第1柄部13は、下面13a、上面13b、側面13cおよび13dを有し、下面13a、上面13b、側面13cおよび13dは、それぞれ平面状となっている。なお、下面13a、上面13b、側面13cおよび13dの相互の境界部は、例えば、面取りされている。
第1柄部13は、柄11の長手方向において所定の寸法を持つため、第1化粧料塗布具10が載置面114に載置された状態で、第1柄部13は載置面114に対して面接触する。
【0034】
上記のように、柄11は、その長手方向における両端間(一端11aと他端11bとの間)の部位に、載置面114に載置された状態での平面形状が括れ形状となる括れ部15を有している。括れ部15は、例えば、柄11の長手方向における中間部に形成されている。より具体的には、括れ部15は、例えば、柄11をその長手方向において2等分したときの中間位置をまたいで形成されている。ただし、括れ部15は、必ずしも、この中間位置をまたぐように形成されていなくても良い。
【0035】
図2(a)に示すように、括れ部15は、柄11における手前側及び奥側の側面が、それぞれ柄11の中心軸X側に向けて窪んだ形状とされることにより構成されている。すなわち、本実施形態の場合、括れ部15は、平面視における手前側及び奥側の部分がそれぞれ括れることにより形成されている。
本実施形態の場合、
図2(a)に示すように、括れ部15は、第1柄部13における他端11b側の端部から、第2柄部14における他端11b側の端部近傍の部位に亘って形成されている。すなわち、本実施形態の場合、第2柄部14は括れ部15の全部を含んでいる。
ただし、第1柄部13が括れ部15の一部又は全部を含んでいても良いし、第2柄部14が括れ部15を含んでいなくても良い。
【0036】
図2(a)に示すように、載置面114に載置された状態での平面視における括れ部15の幅寸法は、柄11の長手方向における括れ部15の一端側から他端側に向けて、徐々に減少した後、徐々に増大している。より具体的には、載置面114に載置された状態での平面視における括れ部15の幅寸法は、柄11の長手方向における括れ部15の一端側から他端側に向けて、連続的に減少した後、連続的に増大している。なお、載置面114に載置された状態での平面視における括れ部15の幅寸法は、柄11の長手方向における括れ部15の一端側から他端側に向けて、段階的に減少した後、段階的に増大していても良い。
【0037】
柄11は、例えば、中心軸Xを通る柄11の縦断面を基準とした面対称形となっている。また、柄11は、例えば、中心軸Xを通る柄11の平断面を基準とした面対称形となっている。
【0038】
第2柄部14は、
図2(f)および(g)に示すように、下面14a、上面14b、側面14cおよび側面14dを有している。
図2(f)の断面位置の近傍においては、下面14a、上面14b、側面14cおよび側面14dは、例えば、それぞれ凸曲面となっている。すなわち、
図2(f)の断面位置の近傍においては、例えば、柄11の長手方向に対して直交する柄11の断面形状は、当該断面形状の下側、上側および左右両側の縁辺が凸曲線状となっている。つまり、第2柄部14の断面形状は、例えば楕円状となっている。
一方、
図2(g)の断面位置の近傍においては、例えば、下面14aおよび上面14bはそれぞれ凸曲面となっていて、側面14cおよび側面14dはそれぞれ平面状の部分を含んでいる。すなわち、
図2(f)の断面位置の近傍においては、例えば、柄11の長手方向に対して直交する柄11の断面形状は、当該断面形状の下側および上側の縁辺が凸曲線状となっているが、左右両側の縁辺は直線部を含んでいる。
【0039】
括れ部15は、
図2(g)に示すように、下面15a、上面15b、側面15cおよび側面15dを有している。
ここで、
図2(g)の断面の位置では、下面14a(下面15a)は、
図2(f)の断面の位置での下面14aと比べて、平面に近い形状となっている。同様に、
図2(g)の断面の位置では、上面14b(上面15b)、側面14c(側面15c)および側面14d(側面15d)は、
図2(f)の断面の位置での上面14b、側面14cおよび側面14dと比べて、それぞれ平面に近い形状となっている。
また、下面14a(下面15a)、上面14b(上面15b)、側面14c(側面15c)および側面14d(側面15d)の形状は、一端11a側に向けて、徐々に平面に近い形状となっている。
例えば、下面15aおよび上面15bはそれぞれ凸曲面となっていて、側面15cおよび側面15dはそれぞれ平面状の部分を含んでいる。すなわち、括れ部15においては、例えば、柄11の長手方向に対して直交する柄11の断面形状は、当該断面形状の下側および上側の縁辺が凸曲線状となっているが、左右両側の縁辺は直線部を含んでいる。
【0040】
柄11には、一端11a側に開口する凹部16が形成されており、この凹部16には、塗布体12としてのブラシを構成する多数の毛の一端側部分が挿入され且つ接着固定されている。なお、柄11において、毛の一端側部分が挿入される部分以外の部分は、中実となっていても良いし、中空となっていても良い。
【0041】
ここで、第1化粧料塗布具10の塗布体12は、第1化粧料塗布具10の柄11の長手方向に対して直交する方向に並んで配置されている第1塗布部12aと第2塗布部12bとを有している。そして、第1塗布部12aを構成する毛の色よりも、第2塗布部12bを構成する毛の色の方が、濃い色となっている。すなわち、第1化粧料塗布具10は、2色の毛を有する2色ブラシとなっている。
このように、複数の化粧料塗布具のうち、少なくとも何れか1つの化粧料塗布具(第1化粧料塗布具10)の塗布体12は、化粧料塗布具の柄11の長手方向に対して直交する方向に並んで配置されている第1塗布部12aと第2塗布部12bとを有し、第1塗布部12aと第2塗布部12bとは互いに異なる色のものである。
【0042】
図3は第1の実施形態に係る化粧料用容器100の第2化粧料塗布具(化粧料塗布具)20を示す図である。このうち
図3(a)は平面図、
図3(b)は
図3(a)の矢印B方向から見た側面図、
図3(c)は
図3(b)の矢印C方向から見た正面図、
図3(d)は
図3(b)の矢印D方向から見た背面図である。また、
図3(e)、
図3(f)および
図3(g)は、それぞれ第2化粧料塗布具20の柄11の長手方向に対して直交する柄11の断面図である。このうち
図3(e)は
図3(a)のE−E矢視断面図、
図3(f)は
図3(a)のF−F矢視断面図、
図3(g)は
図3(a)のG−G矢視断面図である。なお、
図3(e)、
図3(f)および
図3(g)に示す各断面は、第2化粧料塗布具20の薄手方向を上下方向とし、厚手方向を水平方向(左右方向)として示している。
【0043】
第2化粧料塗布具20は、アイラインを描くためのものである。第2化粧料塗布具20においては、柄11の一端部にのみ塗布体12としてのチップが設けられ、柄11の他端部には塗布体12が設けられていない。第2化粧料塗布具20の塗布体12は、樹脂製のスポンジ等の、柔軟な多孔質材料により構成されている。第2化粧料塗布具20は、塗布体12を柄11に固定するための棒状の軸部27を有している。この軸部27の一端側の部分の周囲には塗布体12が設けられており、軸部27の他端側部分は、柄11の一端11a側より柄11に対して差し込み固定されている。
【0044】
図3(e)、
図3(f)、
図3(g)等に示すように、第2化粧料塗布具20においても、柄11の長手方向に対して直交する柄11の断面形状は、扁平形状をなしている。第2化粧料塗布具20を載置面114に載置したとき、柄11の断面における厚手方向が水平方向となり、柄11の断面における薄手方向が上下方向となるようになっている。すなわち、柄11の長手方向に対して直交する柄11の断面形状は、第2化粧料塗布具20が載置面114に載置された状態で、水平方向に比べて上下方向に薄い扁平形状をなしている。
【0045】
第2化粧料塗布具20においても、柄11の長手方向における少なくとも一部分において、柄11の長手方向に対して直交する柄11の断面形状は、当該断面形状の下側及び上側の縁辺が凸曲線状となっている。すなわち、当該断面形状の下側の縁辺が下方に向けてアーチ状に膨出しているとともに、当該断面形状の上側の縁辺が上方に向けてアーチ状に膨出している。
より具体的には、柄11の長手方向における何れの位置においても、柄11の長手方向に対して直交する断面形状の下側及び上側の縁辺が凸曲線状となっている(
図3(e)、
図3(f)、
図3(g)参照)。つまり、柄11の下面及び上面は、凸曲面状となっている。
なお、このように柄11の下面及び上面が凸曲面状であるため、第2化粧料塗布具20を上下の別なく載置面114に載置することができる。
柄11の長手方向に対して直交する断面形状の下側及び上側の縁辺が凸曲線状となる形状には、楕円状の形状や紡錘形状の他、断面の両側部の縁辺に直線部を含む形状などが含まれる。
楕円状の形状には、楕円形状(2つの定点からの距離の和が一定となるような点の集合から作られる曲線からなり、短軸と長軸とを持つ形状)に限らず、楕円以外の形状であるが楕円に近い形状が含まれる。楕円状の形状の場合、柄11の長手方向に対して直交する断面形状の両側部の縁辺が凸曲線状となっている、すなわち側方(外方)に向けてアーチ状(凸曲線状に)に膨出している。
【0046】
柄11の中心軸Xを通る柄11の縦断面の厚みは、柄11の長手方向に亘ってほぼ一定であるか、又は、柄11の一端11a側の部分から他端11b側の部分に向けて徐々に縮小している(
図3(b)参照)。すなわち、
図3(b)に示す厚みd1と厚みd2とは、互いに同等であっても良いし、厚みd1よりも厚みd2が僅かに薄くても良い。ここで、厚みd1は、柄11の最大の厚みであり、厚みd2は、柄11の他端11b側の部分のうち、面取り部分を除く部分における最小の厚みである。
厚みd1と厚みd2との比(d1:d2)は、1:1から5:1の範囲とすることにより、柄11を持ちやすくなる。一方、取り出しやすさの観点からは、厚みd1と厚みd2との比(d1:d2)は、1:1:3:1の範囲とすることが好ましい。また、使いやすさの観点からは、厚みd1と厚みd2との比(d1:d2)は、1:1から2:1の範囲とすることが好ましい。
【0047】
ここで、上記のように、柄11の長手方向における何れの位置においても、柄11の長手方向に対して直交する断面形状の下側及び上側の縁辺が凸曲線状となっている。
このため、柄11の中心軸Xを通る柄11の縦断面の厚みが、柄11の長手方向に亘ってほぼ一定である場合、第2化粧料塗布具20が載置面114に載置された状態で、柄11は、載置面114に対して線接触する。
或いは、柄11の中心軸Xを通る柄11の縦断面の厚みが、柄11の一端11a側の部分から他端11b側の部分に向けてリニアに減少している場合も、第2化粧料塗布具20が載置面114に載置された状態で、柄11は、載置面114に対して線接触する。
【0048】
第2化粧料塗布具20においても、柄11は、その長手方向における両端間(一端11aと他端11bとの間)の部位に、載置面114に載置された状態での平面形状が括れ形状となる括れ部15を有している。括れ部15は、例えば、柄11の長手方向における中間部に形成されている。より具体的には、括れ部15は、例えば、柄11をその長手方向において2等分したときの中間位置をまたいで形成されている。ただし、括れ部15は、必ずしも、この中間位置をまたぐように形成されていなくても良い。
【0049】
括れ部15は、例えば、柄11における一端11a側の端部近傍の部位から、柄11における他端11b側の端部近傍の部位に亘って形成されている。
図3(a)に示すように、括れ部15は、柄11における手前側及び奥側の側面が、それぞれ柄11の中心軸X側に向けて窪んだ形状とされることにより構成されている。すなわち、第2化粧料塗布具20の括れ部15も、例えば、平面視における手前側及び奥側の部分がそれぞれ括れることにより形成されている。
【0050】
図3(a)に示すように、載置面114に載置された状態での平面視における括れ部15の幅寸法は、柄11の長手方向における括れ部15の一端側から他端側に向けて、徐々に減少した後、徐々に増大している。より具体的には、載置面114に載置された状態での平面視における括れ部15の幅寸法は、柄11の長手方向における括れ部15の一端側から他端側に向けて、連続的に減少した後、連続的に増大している。なお、載置面114に載置された状態での平面視における括れ部15の幅寸法は、柄11の長手方向における括れ部15の一端側から他端側に向けて、複数の段階的に減少した後、複数の段階的に増大していても良い。
【0051】
柄11は、例えば、中心軸Xを通る柄11の縦断面を基準とした面対称形となっている。また、柄11は、例えば、中心軸Xを通る柄11の平断面を基準とした面対称形となっている。
【0052】
柄11は、下面23a、上面23b、側面23cおよび側面23dを有している。下面23a、上面23b、側面23cおよび側面23dは、例えば、それぞれ凸曲面となっている。すなわち、例えば、柄11の長手方向に対して直交する柄11の断面形状は、当該断面形状の下側、上側および左右両側の縁辺が凸曲線状となっている。つまり、柄11の断面形状は、例えば楕円状となっている。
そして、括れ部15の下面15a、上面15b、側面15cおよび側面15dも、それぞれ凸曲面となっている。すなわち、括れ部15の断面形状は、例えば楕円状となっている。
【0053】
なお、第1化粧料塗布具10および第2化粧料塗布具20のそれぞれにおいて、柄11の材料は、特に限定されない。柄11は、樹脂により構成されていても良いし、木材等の、樹脂以外の材料により構成されていても良い。
【0054】
図4は第1の実施形態に係る化粧料用容器100の第1化粧料塗布具10の取り出し動作を説明するための図であり、このうち
図4(a)は指で第1化粧料塗布具10を摘み上げる動作を示す斜視図、
図4(b)は柄11(例えば第2柄部14)の回動を示す断面図である。
【0055】
図4(a)に示すように、例えば、第1化粧料塗布具10の括れ部15を人差し指と親指で摘むようにして柄11を持ち上げることにより、容易に第1化粧料塗布具10を塗布具収容室113から取り出すことができる。なぜなら、第1化粧料塗布具10の括れ部15と第2化粧料塗布具20の括れ部15とが互いに対向しているため、第1化粧料塗布具10と第2化粧料塗布具20との間に大きな隙間が形成されており、その隙間に容易に指(親指等)を差し入れることができるからである。
【0056】
ここで、第1化粧料塗布具10の柄11を摘み上げる際に、第2柄部14において中心軸Xから奥側にオフセットしている部位14eを何れかの指(例えば薬指等)によって下に押すことにより、更に容易に柄11を摘み上げることができる。
その理由は、以下の通りである。
第1化粧料塗布具10の柄11は、中心軸Xを通る縦断面では、
図2(b)に示す側面図と同じく厚みがほぼ一定である。
一方、
図2(h)に示すように、中心軸Xからオフセットされた縦断面においては、一端11a側の部分での厚みよりも、他端11bの部分での厚みの方が薄くなっている。
更に、柄11の長手方向に直交する第2柄部14の断面形状は、上記のように下側及び上側の縁辺が凸曲線状となっている。
よって、
図4(a)に示す部位14eを下に押すと、第2柄部14の下面14aにおいて中心軸Xの下方に位置する部分が支点となって柄11が回動し(
図4(b)参照)、
図4(a)に示す部位15eが上方に浮き上がる。ここで、柄11がその場で捻られつつ回動するため、狭いスペースで第1化粧料塗布具10を容易に取り出すことができる。つまり、柄11が純粋にその中心軸X周りに回動するのではなく、柄11の中心軸Xの捻りを伴った柄11の回動を実現できる。このため、柄11が純粋にその中心軸X周りに回動する場合と比べて、部位15eの上昇量が増大するので、柄11を摘む動作が極めて容易となる。なお、部位15eは、括れ部15の側面であって、括れ部15において中心軸Xから手前側にオフセットしている部分である。
【0057】
図5は第1の実施形態に係る化粧料用容器100の第1化粧料塗布具10を手で持った状態を示す図である。
【0058】
使用者は、第1化粧料塗布具10を塗布具収容室113から取り出した後、例えば、
図5に示すような持ち方で、第1化粧料塗布具10を持つことができる。このとき、指を括れ部15にフィットさせて柄11を持つことができるため、第1化粧料塗布具10を安定的に支えることができる。
また、人差し指などの腹を、括れ部15の側面(例えば側面15d)或いは第1柄部13の側面(例えば側面13d)に添えることにより、柄11が中心軸X周りにブレてしまうことを抑制することができる。なぜなら、第1柄部13の側面は、平面状であるとともに、括れ部15の側面は、第2柄部14の曲面状の側面(側面14cおよび側面14d)よりも、平面に近い形状となっているためである。
また、柄11の他端11b側の端部が、他端11b側に向けて幅広になっていることにより、柄11を安定的に持ちやすい。
【0059】
なお、第2化粧料塗布具20を取り出す際にも、例えば、第2化粧料塗布具20の括れ部15を人差し指と親指で摘むようにして柄11を持ち上げることにより、容易に第2化粧料塗布具20を塗布具収容室113から取り出すことができる。なぜなら、第2化粧料塗布具20の括れ部15と第1化粧料塗布具10の括れ部15とが互いに対向しているため、第2化粧料塗布具20と第1化粧料塗布具10との間に大きな隙間が形成されており、その隙間に容易に指(親指等)を差し入れることができるからである。
また、第2化粧料塗布具20の柄11の断面形状は、その下側及び上側の縁辺が凸曲線状となっているため、柄11を容易にその場で回動させつつ、摘み上げることができるため、狭いスペースで第2化粧料塗布具20を容易に取すことができる。
【0060】
次に、化粧料用容器100を用いた化粧方法の一例を説明する。
図6は化粧料用容器100の使用例を示す図である。
【0061】
先ず、第1収容領域141に収容されているクリーム状のベースである化粧料151を指でとって目蓋に塗布することにより、目蓋のくすみをカバーする。
【0062】
次に、第1化粧料塗布具10を用いて、第2収容領域142に収容されているアイシャドウである第1化粧料152aおよび第2化粧料152bを取る。このとき、
図6に示すように、第1化粧料塗布具10の第1塗布部12aを第1化粧料152aの上にのせるとともに、第2塗布部12bを第2化粧料152bの上にのせる。そして、第1塗布部12aと第2塗布部12bとの境界が分割線142aに沿って移動するように、第1化粧料塗布具10を第2収容領域142の長手方向に沿って移動させる。これにより、第1塗布部12aには主に第1化粧料152aを付着させ、第2塗布部12bには主に第2化粧料152bを付着させることができる。すなわち、第1化粧料152aおよび第2化粧料152bの色の濃淡と、第1化粧料塗布具10の第1塗布部12aおよび第2塗布部12bの色の濃淡とが一致するように、第1塗布部12aおよび第2塗布部12bに第1化粧料152aおよび第2化粧料152bをそれぞれ付着させることができる。そして、第1塗布部12aを上側、第2塗布部12bを下側にして、塗布体12を目蓋に当て、そのまま第1化粧料塗布具10を目蓋に沿って横に移動させることにより、第1化粧料152aおよび第2化粧料152bを目蓋に塗布する。これにより、目から上に遠ざかるにつれて淡い色となる自然なグラデーションが形成されるように、アイシャドウを容易に目蓋に塗布することができる。ここで、第1化粧料塗布具10の柄11は扁平に形成されているため、使用者は、第1塗布部12aおよび第2塗布部12bが意図した向き(位置)となるような持ち方で柄11を持つことができる。よって、第1塗布部12aおよび第2塗布部12bの各々により、目蓋の意図した部分に化粧料を塗布することを、容易に行うことができる。
【0063】
次に、第2化粧料塗布具20を用いて、第3収容領域143に収容されているアイライナーである化粧料153を取る。すなわち、第2化粧料塗布具20の塗布体12に化粧料153を付着させる。そして、第2化粧料塗布具20を用いて化粧料153を目の際に塗布することにより、アイラインを形成する。
【0064】
このような3ステップを経ることにより、簡単に、くすみをカバーしてグラデーションが形成された明るい目元になるような化粧を行うことができる。
【0065】
なお、化粧料収容パレット140に収容された化粧料を使い切った場合には、新たな化粧料収容パレット140に交換できるようになっている。すなわち、化粧料をリフィルできるようになっている。なお、リフィル用のセットには、化粧料収容パレット140とともに、塗布具収容室113に新たに収容される複数本の化粧料塗布具が含まれていても良い。
【0066】
以上のような第1の実施形態によれば、塗布具収容室113に収容された複数本の化粧料塗布具の各々の柄11は、その長手方向における両端間の部位に、載置面114に載置された状態での平面形状が括れ形状となる括れ部15を有している。そして、これら複数本の化粧料塗布具のうち、互いに隣り合う化粧料塗布具の括れ部15どうしが向かい合っている。よって、化粧料塗布具が括れ部15を有していない場合と比べて、互いに隣り合う化粧料塗布具どうしの隙間を広くすることができるので、その隙間に容易に指を差し入れて、化粧料塗布具の柄11を摘み上げることができる。
よって、塗布具収容室113を十分に小型に形成しても、化粧料塗布具を容易に取り出すことができる。
また、括れ部15に指をしっかりフィットさせて柄11を持つことができるため、化粧料塗布具を手で安定的に持った状態で、化粧を行うことができる。よって、所望の部位に対して、所望の押圧量で塗布体12を接触させて、化粧料を塗布することができる。
なお、複数本の化粧料塗布具を、1つの塗布具収容室113にまとめて収容するため、すなわち複数本の化粧料塗布具を共通の載置面114に載置して収容するため、塗布具収容室113に収容する化粧料塗布具の組み合わせを、太さ、長さ、塗布体12の形態等が異なる化粧料塗布具の組み合わせのものへと容易に交換することができる。つまり、化粧料塗布具の複数種のセットに対して、同一の容器本体100aを使い回すことができる。
【0067】
また、柄11の長手方向に対して直交する柄11の断面形状は、化粧料塗布具が載置面114に載置された状態での上下方向に薄い扁平形状をなしている。このため、化粧料塗布具を載置面114に安定的に載置することができる。また、化粧料塗布具をテーブル等に置いたときに、化粧料塗布具が転がり落ちてしまうことを抑制することができる。
また、指を扁平な柄11にフィットさせて柄11を安定的に持つことができるとともに、塗布体12の向きを容易に所望の向きに調節して化粧料塗布具を用いることができる。
【0068】
また、柄11の長手方向における少なくとも一部分において、柄11の長手方向に対して直交する断面形状の下側及び上側の縁辺が凸曲線状となっているので、その部分の手触りがソフトになるため、柄11を持ちやすい。特に、柄11の長手方向に対して直交する断面形状が楕円状となっていることにより、手触りをよりソフトにすることができる。
また、特に、柄11の他端11b側の端部の断面形状の下側及び上側の縁辺が凸曲線状となっていることによって、化粧料塗布具を塗布具収容室113から取り出す際に、柄11が縁部115に引っ掛かってしまったり、柄11が隣の化粧料塗布具の柄11に引っ掛かってしまったりすることを抑制することができる。すなわち、柄11が縁部115や隣の化粧料塗布具の柄11に接触した場合でも、柄11をスムーズに移動させて取り出すことができる。よって、塗布具収容室113が狭くても、化粧料塗布具を塗布具収容室113から容易に取り出すことができる。特に、柄11の他端11b側の端部の断面形状が楕円状であることにより、化粧料塗布具の取り出しをより確実にスムーズに行うことができる。
【0069】
また、第1化粧料塗布具10においては、柄11の一端部にのみ塗布体12が設けられ、柄11の他端部には塗布体12が設けられておらず、柄11は、第1化粧料塗布具10が載置面114に載置された状態で載置面114に対して面接触する第1柄部13と、第1化粧料塗布具10が載置面114に載置された状態で載置面114に対して線接触する第2柄部14と、を含んでいる。第2柄部14は、柄11の長手方向において第1柄部13よりも塗布体12から遠くに位置している。第2柄部14は、柄11の長手方向における何れの位置においても、柄11の長手方向に対して直交する断面形状の下側及び上側の縁辺が凸曲線状となっている。
これにより、第1化粧料塗布具10を載置面114に載置したときや第1化粧料塗布具10を手で保持するときの安定性と、第1化粧料塗布具10を載置面114から取り出す際の容易性と、を両立させることができる。
すなわち、第1柄部13が載置面114に対して面接触するので、第1化粧料塗布具10を載置面114上に安定的に載置することができる。また、第1柄部13において載置面114に対して面接触する面に指を添えて柄11を持つことにより、柄11を安定的に持つことができる。
また、例えば、
図4(a)に示す部位14eを下に押すと(
図4(b)参照)、第2柄部14の下面14aにおいて中心軸Xの下方に位置する部分が支点となって柄11が回動し、
図4(a)に示す部位15eが上方に浮き上がる。ここで、柄11の中心軸Xの捻りを伴った柄11の回動を実現できるため、柄11が純粋にその中心軸X周りに回動する場合と比べて、部位15eの上昇量が増大する。よって、塗布具収容室113が狭くても、第1化粧料塗布具10を塗布具収容室113から容易に取り出すことができる。
【0070】
特に、中心軸Xからオフセットされた柄11の縦断面においては、柄11の厚みが、一端11a側の部分での厚みよりも、他端11bの部分での厚みの方が薄くなっていることにより、
図4(a)に示す部位14eを下に押したときの、部位15eの上昇量を、さらに大きくすることができるので、柄11を摘む動作が極めて容易となる。
【0071】
また、第2化粧料塗布具20においては、柄11の長手方向における何れの位置においても、柄11の長手方向に対して直交する柄11の断面形状の下側及び上側の縁辺が凸曲線状となっている。これにより、柄11をその場で中心軸X周りに回動させて摘み上げる動作を容易に行うことができる。よって、塗布具収容室113が狭くても、第2化粧料塗布具20を塗布具収容室113から容易に取り出すことができる。
【0072】
また、複数の化粧料塗布具のうち、少なくとも何れか1つの化粧料塗布具においては、載置面114に載置された状態での平面視における括れ部15の幅寸法が、柄11の長手方向における括れ部15の一端側から他端側に向けて、徐々に減少した後、徐々に増大している。これにより、隣り合う化粧料塗布具の括れ部15どうしの間の隙間に対して、スムーズに指を差し入れることができるので、化粧料塗布具の取り出しをより容易に行うことができる。
【0073】
また、化粧料収容室111は、第1化粧料152aと、第1化粧料152aとは異なる色の第2化粧料152bと、を収容している収容領域(第2収容領域142)を含み、収容領域は、特定方向に長尺に形成されている。第1化粧料152aと第2化粧料152bとは、収容領域内において、それぞれ収容領域の長手方向に沿って、互いに並列に且つ隣接して延在している。そして、第1化粧料塗布具10の塗布体12は、第1化粧料塗布具10の柄11の長手方向に対して直交する方向に並んで配置されている第1塗布部12aと第2塗布部12bとを有し、第1塗布部12aと第2塗布部12bとは互いに異なる色のものとなっている。よって、
図6を用いて説明したように、第1化粧料152aおよび第2化粧料152bの色の濃淡と、第1化粧料塗布具10の第1塗布部12aおよび第2塗布部12bの色の濃淡とを一致させて、化粧料を塗布することができる。これにより、常に、第1塗布部12aには第1化粧料152aを付着させ、第2塗布部12bには第2化粧料152bを付着させることができるため、第1化粧料152aと第2化粧料152bとの色が混じってしまうことを抑制できる。よって、第1化粧料塗布具10を繰り返し使用した後でも、きれいなグラデーションを再現性良く形成することができる。
【0074】
〔第2の実施形態〕
図7は第2の実施形態に係る化粧料用容器(全体図示略)が備える複数本の化粧料塗布具を示す平面図である。
【0075】
本実施形態に係る化粧料用容器は、化粧料塗布具が上記の第1の実施形態に係る化粧料用容器100と相違し、容器本体100a上記の第1の実施形態に係る化粧料用容器100と同様に構成されている。
【0076】
上記の第1の実施形態では、化粧料用容器100が2本の化粧料塗布具を備える例を説明したが、第2の実施形態では、化粧料用容器は、3本の化粧料塗布具を備えている。
図7に示すように、本実施形態に係る化粧料用容器は、第1化粧料塗布具30、第2化粧料塗布具40および第3化粧料塗布具50を備えている。
【0077】
第2化粧料塗布具40は、上記の第2化粧料塗布具20と同様のものである。
一方、第1化粧料塗布具30および第3化粧料塗布具50は、柄11の両端側にそれぞれ塗布体12を有している点で、上記の第2化粧料塗布具20と相違し、その他の点では、第2化粧料塗布具20と同様に構成されている。
【0078】
このような3本の化粧料塗布具(第1化粧料塗布具30、第2化粧料塗布具40および第3化粧料塗布具50)を、上記の2本の化粧料塗布具(第1化粧料塗布具10および第2化粧料塗布具20)の代わりに、まとめて塗布具収容室113に収容できるようになっている。なお、塗布具収容室113に収容する化粧料塗布具を
図7に示す3本セットに交換するのに併せて、化粧料収容室111に収容する化粧料収容パレット140についても、これら化粧料塗布具と対応する化粧料を収容したものに交換することができる。
【0079】
図8は第2の実施形態に係る化粧料用容器の第1化粧料塗布具30を示す図である。このうち
図8(a)は平面図、
図8(b)は
図8(a)の矢印B方向から見た側面図、
図8(c)は
図8(a)の矢印C方向から見た正面図、
図8(d)は
図8(a)の矢印D方向から見た背面図である。また、
図8(e)、
図8(f)および
図8(g)は、それぞれ第1化粧料塗布具30の柄11の長手方向に対して直交する柄11の断面図である。このうち
図8(e)は
図8(a)のE−E矢視断面図、
図8(f)は
図8(a)のF−F矢視断面図、
図8(g)は
図8(a)のG−G矢視断面図である。
【0080】
両端に塗布体12を有する第1化粧料塗布具30においては、例えば、厚みd2は、括れ部15の厚みとすることができる。そして、厚みd1と厚みd2とをほぼ同等の厚みとすることができる。或いは、厚みd1よりも厚みd2を若干薄くすることができる。
厚みd1と厚みd2との比(d1:d2)は、1:1から5:1の範囲とすることにより、柄11を持ちやすくなる。一方、取り出しやすさの観点からは、厚みd1と厚みd2との比(d1:d2)は、1:1:3:1の範囲とすることが好ましい。また、使いやすさの観点からは、厚みd1と厚みd2との比(d1:d2)は、1:1から2:1の範囲とすることが好ましい。
【0081】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0082】
図9は第1化粧料塗布具10の変形例を示す図であり、このうち
図9(a)は柄11の長手方向に直交する第1柄部13の断面形状を、
図9(b)は柄11の長手方向に直交する第2柄部14の断面形状を、それぞれ示す。
図9(a)は第1化粧料塗布具10の
図2(e)相当図であり、
図9(b)は
図2(f)相当図である。
上記の第1の実施形態においては、柄11の長手方向に対して直交する第1柄部13の断面形状が角丸の矩形状である例を説明したが、
図9(a)に示すように、面取りの矩形状であっても良い。
また、上記の第1の実施形態においては、柄11の長手方向に対して直交する第2柄部14の断面形状の下側及び上側の縁辺がが、柄11の長手方向における第2柄部14の何れの位置においても、凸曲線状である例を説明した。ただし、第2柄部14の断面形状は、曲線状でなくても良い。例えば、
図9(b)に示すような多角形状であっても良い。なお、
図9(b)の例では、第2柄部14の下面14aが、載置面114に対して面接触する平坦面を含む例を示しているが、下面14aは、断面V字状などの、載置面114に対して線接触する形状となっていても良い。
【0083】
なお、上記においては、柄11の両側面がそれぞれ括れることにより括れ部15が形成されている例を説明したが、柄11の一方の側面が括れることにより括れ部15が形成されていても良い。
また、柄11の両側面がそれぞれ括れている場合、その括れの程度が、一方の側面と他方の側面とで異なっていても良い。
また、柄11の上面から一方の側面を経由して下面に至る曲面の形状(曲率等)と、柄11の上面から他方の側面を経由して下面に至る曲面の形状(曲率等)とが互いに異なっていても良い。
また、括れ部15は、柄11の長手方向における複数箇所にそれぞれ設けられていても良い。
【0084】
また、上記の第1の実施形態においては、第1化粧料塗布具10の第2柄部14が括れ部15の全体を含んでいて、第1柄部13は括れ部15をまったく含まない例を説明したが、第1柄部13および第2柄部14と、括れ部15との位置関係は、この例に限らない。
上記のように、第1柄部13は、載置面114に対して面接触する部分であり、第2柄部14は、載置面114に対して線接触する部分である。一方、括れ部15は、平面視において、柄11が括れた部分である。このため、第1柄部13と括れ部15との間、並びに、第2柄部14と括れ部15との間には、それぞれ各種の包含関係が成立し得る。
先ず、
図10(a)は、上記の第1の実施形態での第1柄部13、第2柄部14および括れ部15の位置関係を示す図である。この場合、第2柄部14が括れ部15の全部を含んでいる。
図10(b)に示すように、括れ部15は、第1柄部13から第2柄部14に亘って形成されていても良い。すなわち、第1柄部13が括れ部15の一部分を含み、第2柄部14が括れ部15の残りの部分を含んでいても良い。
図10(c)に示すように、第1柄部13が括れ部15の全部を含んでいても良い。なお、
図10(c)では、第1柄部13における他端11b側の端部が、括れ部15における他端11b側の端部よりも、他端11bの近くに位置する例を示しているが、第1柄部13における他端11b側の端部と、括れ部15における他端11b側の端部と、が一致していても良い。
図10(d)に示すように、括れ部15は第1柄部13と第2柄部14とに挟まれた位置に配置されていても良い。第1化粧料塗布具10を載置面114に載置したときに、括れ部15が載置面114に接触せず、宙に浮く場合などが、この例に該当する。
なお、図示は省略するが、括れ部15は、第1柄部13と第2柄部14との間に位置しているとともに、第1柄部13と第2柄部14との双方から離間していても良い。この場合、第1柄部13と括れ部15との間に位置する第1中間部において、柄11の厚みが括れ部15側に向けて減少し、第2柄部14と括れ部15との間に位置する第2中間部において、柄11の厚みが括れ部15側に向けて減少する。