(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
リモコン信号による番組接触状況の測定は、テレビ受像機や専用チューナー(以下STBと称する)等の視聴装置の操作をリモコンで行うことを大前提としている。しかし近年のテレビ受像機やSTB等の視聴装置はユーザが視聴を望む番組を電子番組表(Electronic Program Guide)(以下、EPGと称する)から選択して視聴予約できる機能を有し、視聴装置は、その予約時刻になると自身の受信チャンネルを予約番組へ自動的に切替える。
【0006】
この場合には、通常、テレビ受像機もしくはSTB等の視聴装置の内部で予約時刻と予約チャンネルを管理し、その予約時刻になると予約番組への自動切替えを実行する際に、リモコン装置から制御コードは送出されない。したがってリモコンの制御コードを利用した従来の接触状況調査装置では、実際に視聴した番組が正しく測定されないばかりか、見てもいない番組を見たとしてしまう誤判定となる場合があった。
【0007】
この誤判定を避けるために、特許文献2にように、調査世帯に置く調査装置の中に基準チューナーを持たせて、受信チャンネルを順次に変化させて、放送中の各放送局の音声を巡回しながら、FFT分析などでテレビ受像機のスピーカから出力される音声との類似度を測定する方法を採用することも一案かもしれないが、調査装置の製造コストが増加する。
本発明は、以上の点に鑑み、リモコンの制御コードの読取りによるローコスト性を生かしたままで、正確な接触状況を測定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の解決手段によると、
接触状況調査装置であって、
各番組の局ID及び放送時刻を含む番組情報データを記憶する番組情報DB部と、
視聴装置による視聴・接触についての時刻及び局IDを含む接触データを保存する接触データメモリーと、
視聴予約についての時刻及び局IDを含む視聴予約データを保存する視聴予約データメモリーと、
制御部と
を備え、
前記制御部は、前記視聴予約データメモリーを参照し、
現在時刻が視聴予約データの予約時刻になった場合は、前記制御部は、現在時刻及び前記視聴予約データの局IDを含む接触データを、前記接触データメモリーに保存し、
前記視聴予約データメモリーに、視聴予約データがない場合又は現在時刻が予約時刻になっていない場合は、前記制御部は、リモコン装置からの制御コードの受信を監視し、
前記制御部は、電子番組表操作の制御コードを受信した場合、
前記制御部は、移動操作の制御コードを受信したら、各移動操作の受信回数計測値を更新し、
前記制御部は、決定操作の制御コードを受信したら、前記各移動操作の受信回数計測値と、前記番組情報DB部の番組情報データを参照し、決定操作により選択された番組の放送時刻と現在時刻とを比較することにより視聴予約操作か即時視聴操作かを判断し、
前記制御部は、視聴予約操作であると判断すると、視聴予約した予約時刻及び局IDを含む視聴予約データを前記視聴予約データメモリーに保存し、一方、前記制御部は、即時視聴操作であると判断すると、選択された現在時刻及び局IDを含む接触データを前記接触データメモリーに保存する
ことを特徴とする接触状況調査装置が提供される。
【0009】
本発明の第2の解決手段によると、
上述のような接触状況調査装置と、
電波アダプターが装着されたリモコン装置と
を備え、
前記電波アダプターは、
前記リモコン装置の発光部からの信号を受光して受信信号に変換する受光部と、
前記受光部からの受信信号を電波で前記視聴装置に送信する電波送信機と
を有し、前記リモコン装置の前記発光部を覆うことを特徴とする接触状況調査システムが提供される。
【0010】
本発明の第3の解決手段によると、
上述のような接触状況調査装置と、
前記視聴装置と、
前記接触状況調査装置から、オンラインもしくはオフラインにて集めた接触データを集計し、接触率データ又は他の接触情報を計算し、契約者/顧客装置に対して接触データ又は接触率データ又は他の接触情報を提供するための集計・配信センターと
を備えたことを特徴とする接触状況調査システムが提供される。
【0011】
本発明の第4の解決手段によると、
接触状況調査装置における接触状況調査方法であって、
前記接触状況調査装置は、
各番組の局ID及び放送時刻を含む番組情報データを記憶する番組情報DB部と、
視聴装置による視聴・接触についての時刻及び局IDを含む接触データを保存する接触データメモリーと、
視聴予約についての時刻及び局IDを含む視聴予約データを保存する視聴予約データメモリーと、
制御部と
を備え、
前記制御部は、前記視聴予約データメモリーを参照し、
現在時刻が視聴予約データの予約時刻になった場合は、前記制御部は、現在時刻及び前記視聴予約データの局IDを含む接触データを、前記接触データメモリーに保存し、
前記視聴予約データメモリーに、視聴予約データがない場合又は現在時刻が予約時刻になっていない場合は、前記制御部は、リモコン装置からの制御コードの受信を監視し、
前記制御部は、電子番組表操作の制御コードを受信した場合、
前記制御部は、移動操作の制御コードを受信したら、各移動操作の受信回数計測値を更新し、
前記制御部は、決定操作の制御コードを受信したら、前記各移動操作の受信回数計測値と、前記番組情報DB部の番組情報データを参照し、決定操作により選択された番組の放送時刻と現在時刻とを比較することにより視聴予約操作か即時視聴操作かを判断し、
前記制御部は、視聴予約操作であると判断すると、視聴予約した予約時刻及び局IDを含む視聴予約データを前記視聴予約データメモリーに保存し、一方、前記制御部は、即時視聴操作であると判断すると、選択された現在時刻及び局IDを含む接触データを前記接触データメモリーに保存する
ことを特徴とする接触状況調査方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、リモコンの制御コードの読取りによるローコスト性を生かしたままで、正確な接触状況を測定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.システム
図1に、接触状況調査システム構成図の例を示す。
本接触状況調査システムは、調査対象世帯1、集計・配信センター5、契約社/顧客装置6、放送局群7を備える。調査対象世帯1は、リモコン装置2、テレビ受像機3、調査装置4を有する。集計・配信センター5は、受信部51、番組情報部52、通信部53、集計・配信部54を有する。調査対象世帯1と集計・配信センター5とは、ブロードバンド回線等の適宜の有線又は無線ネットワークにより接続される。
【0015】
リモコン装置2は、調査対象世帯1のテレビ受像機3に使用される近赤外線、赤外線、無線信号等のリモコン信号による制御コードを発信するもので、スマートフォンやタブレット等の無線端末にインストールされたアプリケーション・ソフトウェアによりリモコン機能を実現するものを用いてもよい。調査装置4は、テレビ受像機3の近傍等に設置され、リモコン装置2からの制御コードを傍受・受信する。なお、
図1におけるテレビ受像機3としては、STBとテレビ受像機の組合せた装置や、STBと映像・音声モニターを組合せた装置、パソコンとテレビを組み合わせた装置(パソコンテレビ等)、パソコン等の適宜の視聴装置も含む。なお、以下では、リモコン信号として、特に赤外線を用いる例について説明するが、これに限らず適宜の信号を用いることができる。
【0016】
集計・配信センター5において受信部51は受信チューナー群であり、接触率を算出しようとする放送局の数だけ設置されていて、放送局ごとのトランスポートストリームを出力する。番組情報部52はトランスポートストリームのPSI/SI(Program Specific Information / Service Information)等の情報から電子番組表(EPG)に利用される各番組の放送時刻及び番組名・タイトル等を抽出した番組情報データを生成する。番組情報データは放送局ごとにまとめられており、その局順はチャンネルのアップダウン選局ボタンにより遷移する順番と一致している(詳細は後述)。
【0017】
集計・配信センター5の集計・配信部54は、各調査家庭から届いた接触データを合算集計し、例えば対象となる全世帯数を分母とする等により、接触率を計算し、契約社/顧客装置6に、印刷物や電子データをもって提供する。調査に協力する世帯員の視聴者コードに対する性・年齢・職業・年収などのプロフィール情報は調査開始前にアンケート調査により集計・配信部54にあるデータベースであるプロフィール情報DB(図示せず)に保存されており、もし視聴者コードを含む接触率調査を実施する場合は、このプロフィール情報DBを参照して、契約社/顧客装置6の要求により、例えば30歳代の男性というような集計区分等で接触率を計算し、契約者/顧客装置5に提供するようにしてもよい。
【0018】
2.調査装置(1)
図2に、調査装置4の概略ブロック図(1)を示す。また、
図3に、調査装置4の概観説明図の一例を示す。調査装置4は、リモコンコードDB部40、番組情報DB部41、制御部42、蓄積部43、リモコン受信部45、表示入力部47、通信部48を備え、各部はバスで接続されている。
【0019】
リモコンコードDB部40は、メーカ各社のテレビ受像機で採用されている制御コードのデータベースである。例えば、調査開始前に調査会社、契約社/顧客等が調査対象テレビ受像機のメーカ名(製造元又は販売元)及び型番(又は、タイプ、モデル等)に応じた制御コードを使うように予め選択しておいたり、調査会社、契約社/顧客等が調査対象家庭に調査装置4を設置する際にどの制御コードを参照して受信したコードを解読するかを予め設定しおくことができる。
【0020】
図15に、リモコンコードDB部40の説明図を示す。リモコンコードDB部40は、例えば、メーカコード毎に、制御コードに対する操作内容を予め記憶する。初期設定時又は設置時等に、調査に採用するテレビ受像機3に従い予めメーカコードを設定しておくことで、制御部42は、処理に使用すべき制御データと操作内容の対応を識別することができる。
【0021】
番組情報DB部41は、集計・配信センター5から受信した番組情報データを記憶する。
図9に、番組情報データの一例を示し、また、
図10に、そのときのテレビ受像機のEPG画面の一例を示す。
番組データは、局名、局ID、放送時刻、番組名・タイトル等を含む。
番組情報データは、集計・配信センター5の番組情報部52から、通信部53及びネットワークを介して、調査装置4に送られる。
【0022】
リモコン受信部45は、赤外線等の受光素子を備え、リモコン装置2が発する制御コードを受信し、電気信号に変換する。
【0023】
表示入力部47は、液晶表示器や電子ペーパーなどの電子的描画が可能な表示素子を備え、その表面にはタッチ式スイッチを配し、ソフトウエアで描画したボタン(ソフトボタン)を指で入力できるほか、これらを用いずにメカニカルな接点式の押しボタン(ハードボタン)でもよい。このような表示素子又はボタンは、電源(例、TV、STB)、カーソル移動(例、矢印、上・下・左・右)、EPG(例、予約EPG、視聴EPG)、オプション(例、視聴申告、視聴者コード・視聴者情報選択)、音量などに対応することができ、どの表示素子又はボタンをソフトで実現するかハードで実現するかは適宜定めることができる。
【0024】
通信部48は、蓄積部43の接触データメモリーに蓄積された接触データを、集計・配信センター5の通信部53へ送る。また、通信部48は、集計・配信センター5から番組情報データを受信する。この間の通信路・ネットワークは有線・無線を問わない。
【0025】
制御部42は、CPU、プログラムメモリーの他にも、視聴予約データを記憶する視聴予約データメモリー、受信局リスト、ワークメモリー(例えば、上矢印、下矢印、左矢印、右矢印の受信回数計測値等を記憶)、時計回路等を備え、調査装置4の動作を制御している。なお、制御部42は、視聴者コードを入力・処理するための視聴者申告部を備えるようにしてもよい(詳細は後述)。視聴予約データメモリー、受信局リスト、ワークメモリー、時計回路のうちいずれかひとつ又は複数を別ブロックとして制御部42の外部に配置するようにしてもよい。
【0026】
制御部42は、受信局リストを参照して、リモコン受信部45により受信した制御コードに含まれるチャンネル番号を局IDへ変換する。なお、この制御コードはテレビ受像機3でもリモコン装置2から同時に受信することができる。
【0027】
図5は、受信局リストの説明図である。受信局リストには、例えば、調査対象となるテレビ受像機3が視聴可能な放送局の一覧が、予め設定される。受信局リストにはUP/DOWN選局時にUP/DOWNボタンを押下時に遷移する順番にチャンネル番号、局IDを記録してもよい。局IDとは全国の放送局にユニークに割り振った放送局番号である。なお、各データに、放送局名(又は略称)を含むようにしてもよい。
【0028】
制御部42は、集計・配信センター5に対して、例えば予め定められた時間又は時刻又はタイミング等により、必要な放送局又は全ての放送局に関する番組情報データを要求する。番組情報データは、集計・配信センター5の番組情報部52から、通信部53及び、調査対象世帯1にある調査装置4の通信部48を介して、調査装置4に送られ、番組情報DB部41に保存される。もしユーザが、リモコン装置2により電子番組表EPGで視聴予約を行ったとき等には、制御部42は、この番組情報DB部41を参照し、予約時刻と予約放送局の局IDを求める。
【0029】
蓄積部43は、電源オン・オフ等の操作、視聴開始・終了等のテレビ受像機3のチャンネルが遷移した場合に、視聴・接触についての時刻と局ID及び視聴者コードを含む接触データを保存する接触データメモリーを有する。
【0030】
図4に、接触データの説明図の例を示す。接触データは、時刻、局ID、視聴者コードを含む。
「局ID」は、全国の放送局へユニークに割り振った放送局番号である。ただし、特定の局ID、例えば、局ID=0000だけはテレビ電源のOFFを意味している。図示の例では、日時2014/12/14において、時刻19:30:45から20:00:01まで局ID=0024を、さらに、時刻20:00:01から局ID=0001を視聴したあと、時刻20:50:14にテレビをOFFにした。そして、時刻23:34:20から局ID=0001の視聴を再開したあと、時刻00:20:53にOFFしたことを示している。
【0031】
「チャネル番号」は、調査しようとする地域によって放送局が異なる場合が想定されるため、調査対象世帯1ごとにチャネル番号と局IDの対応関係を示す受信局リスト(
図5参照)を、制御部42のメモリーにあらかじめインストールしておく。この例では、制御部42は、例えば、チャンネル「3」番のコードを受信すると、このコードを局ID=0046に変換する。
【0032】
「視聴者コード」は、誰がテレビを視聴しているかを示すコードであり、これを接触データに含めてもよいし、省略してもよい。テレビの前にいる世帯員に視聴開始・終了の都度、ログイン・ログオフを表示入力部47から視聴者コードを自己申告させる。そして、視聴者コードを用いることにより、顧客からの要望により誰がその番組と接触していたかを分析したい場合のオプション調査として実施することができる。
【0033】
制御部42は、視聴者コードを特定するための視聴者申告部を備えることができる。その場合には、表示入力部47の視聴者申告画面から視聴者の識別情報(視聴者コードに対応)を入力させる。制御部42は、この入力に従い視聴者コードを接触データに含めて蓄積部43の接触データメモリーに記憶することができる。
【0034】
図6に、表示入力部の視聴者申告画面の説明図を示す。この例は母と弟が視聴を申告しているケースである。顔イラストになっているボタンが視聴中を表している。視聴者コードは世帯員それぞれに、父=1、母=2、姉=4、弟=8のような重み値を与え、その合計値で表現する。たとえば父単独の場合は1、父と母の二人の場合は3(=1+2)、姉と弟の場合は12(=4+8)となる。本実施の形態では、説明を簡潔にするため、視聴者を特定しない調査の例としたので、
図4の例では視聴者コードは常に0である。
【0035】
また、制御部42は、視聴予約データを記憶する視聴予約データメモリーを有する。
図16に、視聴予約データの説明図の例を示す。視聴予約データは、視聴予約についての時刻、局ID、視聴者コードを含む。なお、視聴者コードは、省略してもよい。
【0036】
3.動作
次に、フローチャートを用いて接触状況調査の動作を説明する。調査装置は、以下のメインフロー図(1)〜(3)のいずれかを実行する。
3−1.メインフロー図(1)
このフローチャートは、主に、テレビ受像機の電源がONの状態で、予約時刻になると、予約されたチャンネルに切り替わるような第1の方式のテレビ受像機に対応するものである。
【0037】
図11に、メインフロー図(1)を示す。
制御部42は、図示の処理を繰り返し実行する。初期状態では、表示入力部47の画面には、例えば
図3のように何も表示されていない状態又は予め定められたデフォルト画面が表示されている状態である。ステップ1では、制御部42は、ユーザがテレビ電源をONにする操作を待ち受けており、もしリモコン装置2から「電源」ボタンONの制御コードが受信されたなら、ステップ2へ進む。ステップ2では、制御部42は、蓄積部43の接触データメモリーに保存されている接触データのうち最後に記憶された接触データの局IDを取得し、これに現在時刻を附し、新たな接触データとして蓄積部43の接触データメモリーに保存する。
【0038】
ステップ3では、制御部42は、制御部42内の視聴予約データメモリーに視聴予約データ(視聴予約についての局ID、予約時刻を含む。)が保存されていれば、内部の時計回路の現在時刻が視聴予約データの予約時刻と一致するかを検査する。視聴予約データが有り、且つ、現在時刻が予約時刻と同じであれば、制御部42は、ステップ4で、その予約局の局IDに現在時刻を附し、接触データとして蓄積部43の接触データメモリーに保存し、視聴予約データを破棄し、ステップ5に進む。そして、ステップ5では、このあとステップ5・7・9・11によるボタン操作の監視ループに入る。
【0039】
一方、ステップ3で、予約データがない場合又はまだ予約時刻になっていない場合は、制御部42は、ステップ5に進み、そしてこのあとステップ5・7・9・11によるボタン操作の監視ループに入る。なお、制御部42は、リモコン装置2からリモコン受信部45を介して制御コードを受信し、リモコンコードDB部40を参照することで、受信した制御コードの操作内容を識別することができる。
【0040】
制御部42は、もし電源ボタンOFFの制御コードを受信したら(S5)、ステップ6で、局ID=0000と時刻を含む接触データを蓄積部43の接触データメモリーに保存したあと、終了する。なお、この例では、局ID=0000はテレビ受像機をOFFにしたことを示すものであり、これ以外にも適宜の局IDを予め定めることができる。
【0041】
制御部42は、もしチャンネルボタンの制御コード(チャンネル番号を含む。)を受信したら(S7)、受信局リストを参照して、受信した制御コードを該当する局IDに変換し、ステップ8で、その当該局IDと現在時刻を含む接触データを蓄積部43の接触データメモリーに保存し、ステップ3へ戻る。
【0042】
制御部42は、もしチャンネルアップボタン又はチャンネルダウンボタンの制御コードを受信したら(S9)、番組情報DB部41を参照し、番組情報データの放送局の順番から、切換わったチャネルの局IDを求めて、ステップ10で、その該当IDと現在時刻を含む接触データを蓄積部43の接触データメモリーに保存し、ステップ3へ戻る。
【0043】
制御部42は、もしステップ11で、EPGボタンの制御コードを受信したら(S11)、ステップ12のEPG選局処理へ進む(詳細は後述)。
制御部42は、ステップ8又は10又は12の後、ステップ3へ戻り、また、それ以外のボタンによる制御コードを受信した場合又は予め定められた一定時間制御コードを受信しなかった場合も、ステップ3へ戻る。また、制御部42は、視聴予約データメモリーを参照し、視聴予約データに含まれる視聴時刻が、現在時刻から予め定められた一定時間経過した場合、その視聴予約データを破棄するようにしてもよい。
【0044】
なお、視聴予約データが視聴予約データメモリーに複数記憶されている場合は、制御部42は、視聴予約時刻の順に視聴予約データを読み出し、ステップ3以降の処理を繰り返すことができる。
【0045】
図12に、EPG選局処理(S12)のフロー図を示す。
EPG選局処理(S12)は、EPG(電子番組表)ボタンの制御コードを受信したときに呼出される処理である。以下、図に従い説明する。
まず、制御部42は、内部のワークメモリーに一時保存されているカーソルの移動操作についての情報、この例では、上矢印、下矢印、左矢印、右矢印の受信回数計測値をゼロに初期化する(S120)。そしてこのあと、制御部42は、ステップ121・122・126による監視ループに入る。
【0046】
制御部42は、もしEPGにより選局するためのカーソルの移動操作(例えば、上下左右の矢印キー)の制御コードを受信したら(S126)、制御部42のワークメモリーに設けられた上矢印、下矢印、左矢印、右矢印それぞれの受信回数計測値の記録領域を用い、各受信回数計測値をインクリメントし(S127)、ステップ121へ戻る。
【0047】
制御部42は、もしEPG選局処理を終了するための操作(例、終了ボタン(受像機メーカによっては戻るボタン等))の制御コードを受信したら(S121)、EPG画面を終了させたと判断し、EPG選局処理を終了する。
【0048】
制御部42は、もしEPG選局処理を終了するための操作(例、決定ボタン)の制御コードを受信したなら(S122)、制御部42のワークメモリーに一時保存されている上下左右の各矢印ボタンの受信回数計測値と、番組情報DB部41の番組情報データを使って、視聴を予約する操作(視聴予約操作)か今すぐ視聴する操作(即時視聴操作)なのかを判断する(S123)。この判断方法については後ほど説明する。
【0049】
ステップ123で視聴予約操作と判断されると、制御部42は、ステップ124へ進み、予約した当該局IDと予約時刻を含む視聴予約データを制御部42の視聴予約データメモリーに一時保存し、EPG選局処理を終了する。一方、ステップ123で視聴予約ではない(即時視聴操作)と判断された場合は、今すぐ視聴するためのチャンネル切替操作なので、制御部42は、ステップ125へ進み、当該局IDと現在時刻とを含む接触データを蓄積部43の接触データメモリーに保存し、EPG選局処理を終了する。
ステップ121、122、126で示した以外のボタンによる制御コードを受信した場合又は予め定められた一定時間制御コードを受信しなかった場合も、ステップ121へ戻る。
【0050】
つぎにステップ123の視聴予約の判定について詳細に説明する。
EPG選局処理では、ユーザによる視聴予約はテレビ受像機3のEPG画面上で行われる。例えば現在時刻19時5分でMHK局を視聴中にリモコン装置2によりEPGボタンを押すと、テレビ受像機3の画面は
図10のような番組表に切り換わり、視聴していた番組にカーソルがあたり、ここをホームポジション(起点)として表示する。この例では、水平方向が放送局を、垂直方向が時刻を現している。
【0051】
ここから、リモコン装置2により下矢印キーを3回押下してカーソルを移動させて視聴予約した場合、調査装置4では、単純にリモコンの制御コードを受信しただけでは、はたして何時から始まる番組を予約したのかは推定できないことが想定される。各番組の放送分数がまちまちであるためだ。
本実施の形態では、この点に鑑み、以下のように、調査装置4が、予約時刻や放送局を判断する処理を実行する。
【0052】
この判断処理の概要としては、例えば、制御部42は、番組情報DB部41を参照し、番組情報データにより表される電子番組表に基づき、視聴中の番組の局IDと放送時刻により定まる視聴放送時間枠を起点として、移動操作で選択された番組の局IDと放送時刻により定まる選択放送時間枠を求める。そして、制御部42は、現在時刻が選択放送時間枠外の前の時刻である場合に視聴予約であると判断し、一方、現在時刻が選択放送時間枠内の時刻の場合に即時視聴であると判断することができる。
【0053】
以下、例を挙げて詳細に説明する。
調査対象家庭における視聴可能な放送局については、調査装置4の設置時に、リモコン受信部45に受信局リストとして予め設定されている。制御部42は、その家庭で必要な番組情報データを、通信部48を介してブロードバンド回線などのネットワークを通じて、例えば予め定めた時間又は時刻又はタイミングごとに集計・配信センター5へ送信要求する。集計・配信センター5は、番組情報部52で抽出した放送局群7の各放送局のPSI/SI等の信号から抽出した各番組の放送時刻及びタイトル等に局IDと局名を付加した、放送局群7の全て又は予め定められた複数の放送局の番組情報データの中から、調査装置4から要求された放送局に関するもの又は全ての放送局に関するものを調査対象世帯1へ送信する。そして、制御部42は、調査装置4の通信部48で受け取った番組情報データ(
図9)を番組情報DB部41に保存する。
【0054】
なおここでは調査対象世帯で必要とする放送局の一覧を番組情報DB部41に設定する例を示したが、この情報を集計・配信センター5の番組情報部52又は通信部53に持たせて、そのテレビ受像機に必要なものだけを送信させてもよい。
【0055】
ユーザがリモコン装置2を操作して、例えば、現在時刻19時05分において「MHK」局を視聴中にEPGボタンを押して電子番組表を呼出し、下矢印キーを2回押下したあと決定ボタンを押したと受信したケースを想定する。このケースでは、ステップ123にて、制御部42は、番組情報DB部41にある「MHK」局の番組情報データを現在時刻で検索して、現在視聴中の番組が19:00:00からの「七時のニュース」であることを特定する。そして、制御部42は、そこから2つ下の19:45:00から始まる「今夜の焦点」を選んだことを特定する。制御部42は、両時刻を比較することで、現在時刻は19時05分なので、これは視聴予約操作だと判定できる。そしてステップ124で、制御部42は、制御部42の視聴予約データメモリーに予約時刻2014/04/21, 19:45:00と、「MHK」局の局ID=0024を含む視聴予約データを一時保存する。
【0056】
つぎに、ユーザがリモコン装置2を操作して、例えば、現在時刻19時05分において「MHK」局を視聴中にEPGボタンを押して電子番組表を呼出し、下矢印キーを2回押したあと、右矢印キーを1回押したケースを想定する。このケースであれば、制御部42は、上述の検索に続けて「山手」局の番組情報データを「今夜の焦点」の開始時刻19:45:00で検索して、時刻19:45:00を含んでいる「山手」局の番組が19:30:00から始まる「アニメDEF」を選んだことを特定する。制御部42は、現在時刻は19時05分なのでこれも視聴予約操作であると判定する。そしてステップ124で、制御部42は、視聴予約データメモリーに予約時刻2014/04/21, 19:30:00と、「山手」局の局ID=0046を含む視聴予約データを一時保存する。
【0057】
あるいは、ユーザがリモコン装置2を操作して、例えば、現在時刻19時05分において「MHK」局を視聴中にEPGボタンを押して電子番組表を呼出し、また下矢印キーを2回押したあと、右矢印キーを2回押したケースを想定する。このケースであれば、制御部42は、上述の検索に続けて「XYZ」局の番組情報データを「アニメDEF」の開始時刻19:30:00で検索して、時刻19:30:00を含んでいる「XYZ」局の番組が19:00:00から始まる「クイズQQQ」を選んだと特定する。制御部42は、両時刻を比較することで、現在時刻19時05分は「クイズQQQ」の放送時間内に含まれているので視聴予約ではなく、今すぐ視る操作だと判定できる。このケースでは、制御部42は、ステップ125へ進み現在時刻と「XYZ」局の局ID=0001を含む接触データを蓄積部43の接触データメモリーに保存するのである。
以上のようにして、制御部42の視聴予約データメモリーに視聴予約データが蓄積され、また、蓄積部43に接触データが蓄積されていく。
【0058】
3−2.メインフロー図(2)
このフローチャートは、主に、テレビ受像機の電源がOFFの状態でも、予約時刻になると自動的にテレビ受像機がONに切り替わり、さらに、予約されたチャンネルに切り替わるような第2の方式のテレビ受像機に対応するものである。
【0059】
図17に、メインフロー図(2)を示す。
メインフロー図(1)との差は、特に、ステップ13が付加されたことである。ステップ1で、電源ボタンONを受信しない場合、ステップ13で制御部42は、視聴予約データメモリーを参照して、視聴予約データの視聴予約時刻を監視する。視聴予約時刻になったら、制御部42は、ステップ4に進み、その予約局の局IDに現在時刻を附し、接触データとして蓄積部43の接触データメモリーに保存し、視聴予約データを破棄し、ステップ5に進む。一方、視聴予約時刻でなければ、制御部42は、ステップ1に進む。
他のステップの処理については、メインフロー(1)で上述した通りである。
【0060】
3−3.メインフロー図(3)
このフローチャートは、主に、テレビ受像機の電源のON/OFFを検出することにより、上述の第1の方式のテレビ受像機でも第2の方式のテレビ受像機でも接触データの取得できるように対応可能としたものである。
【0061】
図18に、メインフロー図(3)を示す。
メインフロー図(2)との差は、特に、ステップ14が付加されたことである。ステップ13で、視聴予約時刻になった場合、ステップ14で制御部42は、テレビ受像機の電源がONかどうか監視する。例えば、リモコン受信部45又は他の付加部によりテレビ受像機のイヤホン端子から音声信号を入力する構成を備えることで、制御部42は、音声入力レベルが予め定められた閾値を超える場合に電源がONと判定することができる。または、リモコン受信部45又は他の付加部にテレビ受像機のディスプレイ付近に配置した受光素子から信号を入力する構成を備えることで、制御部42は、信号レベルが予め定められた閾値を超える場合に電源がONと判定するようにしてもよい。電源ONが検出されたら、制御部42は、ステップ4に進み、その予約局の局IDに現在時刻を附し、接触データとして蓄積部43の接触データメモリーに保存し、視聴予約データを破棄し、ステップ5に進む。一方、予め定められた一定期間電源ONが検出されなければ、ステップ15で制御部42は、視聴予約データを破棄し、ステップ1に進む。なお、この一定期間待ち合わせることは、テレビ受像機と調査装置との間での内部時計の時刻差を考慮したものであり、両者が同期されていれば又は同一の時計を用いれば、一定期間後でなくとも即時に視聴予約データを破棄してもよい。
他のステップの処理については、メインフロー(1)及び(2)で上述した通りである。
【0062】
3−4.視聴者申告用装置
図7に、視聴者申告用リモコン装置の説明図を示す。また、
図8に、視聴者申告用無線タグ装置の説明図を示す。
また、視聴者コードの入力については、前述のように表示入力部47でユーザに手押しさせるだけでなく、赤外線等による専用の視聴者申告用リモコン装置(
図7)や、常時携行させる視聴者申告用無線タグ装置(
図8)を配布し、入力の手間を軽減させることもできる。視聴者申告用リモコン装置を使う場合は、例えば、その信号をリモコン受信部45で受信し、表示入力部47に反映させ、手で押した場合と同様の処理を行えばよい。また視聴者申告用無線タグ装置を使う場合は、リモコン受信部45に無線受信器を増設し、無線タグ装置からの電界強度があらかじめ定めた値以上になったことを検出すればテレビを視聴中だとみなして、前述と同様の処理を行えばよい。
【0063】
4.調査装置(2)
以下に、調査装置の他の実施の形態について説明する。
図13に、制御コードの再送信のための調査対象世帯の構成図を示す。
調査対象世帯1’は、
図1に示した調査対象世帯1のリモコン装置2を電波式リモコン装置100としたものである。電波式リモコン装置100にはスマートフォンやタブレット等の無線端末にインストールされたアプリケーション・ソフトウェアにより電波によるリモコン機能を実現するものを用いてもよい。図示のように、リモコン装置2が発した赤外線信号を、テレビ受像機3と調査装置4の両者において、一層取りこぼしなく確実に受信されように、家庭で使用する赤外線リモコンを調査会社が用意した電波式リモコン装置100と置き換えてもよい。
【0064】
図19に、調査装置の概略ブロック図(2)を示す。調査装置4’は、リモコンコードDB部40、番組情報DB部41、制御部42、蓄積部43、リモコン受信部45’、リモコン再送信部46、表示入力部47、通信部48を備え、各部はバスで接続されている。調査装置4’は、
図2の調査装置4と比較し、リモコン再送信部46を追加し、リモコン受信部45’を電波受信用に変更したものである。他の部及び動作等は、上述の「2.調査装置(1)」等と同様である。なお、システム、動作等は、「1.システム」、「3.動作(3−1.〜3−3.メインフロー図(1)〜(3)、3−4.視聴者申告用装置)」等と同様である。
【0065】
リモコン受信部45’は、電波式リモコンからの高周波信号を受信するユニットを有し、リモコン操作を電波で受信し、電波制御コードに変換する。そして、リモコン再送信部46は、赤外線又は近赤外線等の発光ダイオード及びそれを駆動する電子回路等を有し、リモコン受信部45’で傍受した信号に従い、テレビ受像機3に応じた制御コードを、テレビ受像機3へ向けて調査装置4から赤外線又は近赤外線等で再送信する。
【0066】
この場合、赤外線等の空間伝送の他にも、光ファイバー101で赤外線をテレビ受像機3の受光部(赤外線等)まで誘導しても良いし、発光ダイオード(赤外線等)102を有線で引き出し、テレビ受像機3の受光部付近に置いても良い。
【0067】
こうすることでテレビ受像機3と調査装置4で同じ制御コードを受信できる。また、視聴者コードを用いる場合、専用の電波式リモコンに
図7のような視聴者申告用リモコン装置を一体化することで、リモコンがひとつになり調査対象者の負担が軽減される。
【0068】
なお、電波式リモコン装置100から発生される高周波信号によるリモコン信号(電波制御コード)が制御コードと等しい場合は、制御部42及びリモコン再送信部46は、リモコン受信部45から出力された電波制御コードをそのまま制御コードとして用いることができる。一方、電波制御コードが制御コードと異なる場合は、制御部42及び/又はリモコン再送信部46は、両コードの対応テーブルを用いて、リモコン受信部45から出力された電波制御コードを制御コードに変換して用いる。この対応テーブルは、例えば、リモコンコードDB部又は他の対応テーブルのデータとして予め保存しておくことができる。
【0069】
図20に、リモコンコードDB部40’の説明図を示す。リモコンコードDB部40は、
図15のリモコンコードDB部40のデータに、電波制御コードを含めて予め記憶したものである。初期設定時又は設置時等に、調査に採用するテレビ受像機3に従い予めメーカコードを設定しておくことで、制御部42及び/又はリモコン再送信部46は、処理に使用すべき制御データと操作内容の対応を識別すること、さらに電波制御コードと制御コードの対応を識別することができる。
【0070】
図14に、電波アダプターを用いたリモコン装置の構成図を示す。
この例では、これまで使用してきたリモコン装置2の赤外線発光部106を覆い隠すように電波アダプター103を装着する。その理由はリモコン装置2が発する赤外線等をテレビ受像機3に受光させないためである。リモコン装置2の赤外線発光部106と対面する位置には、電波アダプター103の赤外線等の受光部104があり、受光部104での受信信号を電波送信機105で調査装置4へ送信して、
図13の調査対象世帯及び
図19の調査装置4’を用いて、以後これまで説明してきた動作をさせても良い。
【0071】
電波アダプターを用いると、調査対象者がこれまで使ってきた赤外線リモコンをそのまま使えるため、操作上のストレスがない。調査手法によって生じる調査対象者への精神的ストレスは調査結果へのバイアス要因となるため、これは正確な調査を行う上で重要である。またこの電波アダプター103に
図7の視聴者申告用リモコンを一体化することで、リモコンがひとつになり調査対象者の負担が軽減されることもできる。