(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する各図において、同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
<第1実施形態>
〔構成〕
(1)ペット用ケージ
図1及び
図2は、本発明の第1実施形態に係るペット用ケージ50の構成例を示す図である。詳しくは、
図1は斜視図、
図2(a)は平面図、
図2(b)は正面図、
図2(c)は底面図、
図2(d)は左側面図、
図2(e)は右側面図である。
図1及び
図2に示すペット用ケージ50は、例えば犬猫等のペットの居住空間を形成するためのものである。このペット用ケージ50は、トレー1と、トレー1の上面側に配置されるケージ本体3と、ケージ本体3とトレー1とを固定する複数個のバックル5と、を備える。
【0009】
(1.1)ケージ本体
図1及び
図2に示すように、ケージ本体3は、前面パネル31と、後面パネル33と、左側面パネル35と、右側面パネル37と、天井パネル39とは、複数個の第1のジョイント部品40と、複数個の第2のジョイント部品43と、複数個のコーナージョイント部品45と、複数個のヒンジ型ジョイント部品47と、第3のジョイント部品49とを有する。
【0010】
これらのうち、前面パネル31と、後面パネル33と、左側面パネル35と、右側面パネル37と、天井パネル39とは、それぞれ、複数本の線材を格子状(即ち、縦横に一定の間隔で交差する形状)に組み合わせた線材パネルである。即ち、前面パネル31は複数本の線材311を格子状に組み合わせた線材パネルである。後面パネル33は複数本の線材331を格子状に組み合わせた線材パネルである。左側面パネル35は複数本の線材351を格子状に組み合わせた線材パネルである。右側面パネル37は複数本の線材371を格子状に組み合わせた線材パネルである。天井パネル39は複数本の線材391を格子状に組み合わせた線材パネルである。各線材311、331、351、371、391は例えば金属製であり、その1本1本の形状は円筒棒状である。
【0011】
前面パネル31は、左前面パネル31Aと右前面パネル31Bとを有する。左前面パネル31Aは、隣接する他のパネルに対して開閉可能に取り付けられており、ペットが出入り可能な開口部を開閉する扉として機能する。即ち、左前面パネル31Aが開くとケージ本体3の前面左側にペットが出入り可能な開口部が現れ、左前面パネル31Aが閉じられるとこの開口部が塞がれるようになっている。左前面パネルには、扉が閉じた状態を維持するためのロック部品312が取り付けられている。
【0012】
前面パネル31、後面パネル33、左側面パネル35及び右側面パネル37(以下、これらを合せて周壁パネルともいう。)は、複数個の第1のジョイント部品40と、複数個のコーナージョイント部品45とによって互いに着脱可能に連結されている。例えば、各パネルを正面から見て、前面パネル31の左端の線材311と左側面パネル35の右端の線材351、左側面パネル35の左端の線材351と後面パネル33の右端の線材331、後面パネル33の左端の線材331と右側面パネル37の右端の線材371、右側面パネル37の左端の線材371と前面パネル31の右端の線材311、がそれぞれ第1のジョイント部品40で連結されている。
【0013】
また、各パネルを正面から見て、前面パネル31の左端上の線材311と左側面パネル35の右端上の線材351、左側面パネル35の左端上の線材351と後面パネル33の右端上の線材331、後面パネル33の左端上の線材331と右側面パネル37の右端上の線材371、右側面パネル37の左端上の線材371と前面パネル31の右端上の線材311、がそれぞれコーナージョイント部品45で連結されている。
【0014】
天井パネル39は、周壁パネルに対して着脱可能に、かつ開閉可能に取り付けられている。例えば、天井パネル39は、左天井パネル39Aと右天井パネル39Bとを有する。平面視で、左天井パネル39Aの左端の線材391と、左側面パネル35の上端の線材351とが第2のジョイント部品43で連結されている。同様に、右天井パネル39Bの右端の線材391と、右側面パネル37の上端の線材371とが第2のジョイント部品43で連結されている。また、左天井パネル39Aの右端の線材391と右天井パネル39Bの左端の線材391とがヒンジ型ジョイント部品47と第3のジョイント部品49とによって連結されている。さらに、ヒンジ型ジョイント部品47は、前面パネル31又は後面パネル33の各線材311、331にもそれぞれ連結している。
【0015】
これにより、左天井パネル39Aと右天井パネル39Bは、周壁パネルに対して着脱可能となっている。また、左天井パネル39Aと右天井パネル39Bは、第2のジョイント部品43が外されると、ヒンジ型ジョイント部品47と第3のジョイント部品49とに連結している線材391を軸にそれぞれ開閉可能となる。左天井パネル39Aと右天井パネル39Bの少なくとも一方が開くことによって、ペット用ケージ50の天井の一部が開放され、開放された部分からのペットの出し入れが可能となる。なお、天井パネル39は必須ではない。天井パネル39は無くてもよいが、ここでは天井パネル39を有する場合を示している。
【0016】
(1.1.1)第1のジョイント部品
次に、第1のジョイント部品40の構成例について、より具体的に説明する。
図3及び
図4は、第1のジョイント部品40の構成例を示す図である。第1のジョイント部品40は、第1の線材と第2の線材とを着脱可能に連結する連結具である。
図3に示すように、第1のジョイント部品40は、例えば、前面パネル31の右端の線材311(第1の線材の一例)と、右側面パネル37の左端の線材371(第2の線材の一例)とを着脱可能に連結することよって、前面パネル31と右側面パネル37とを連結する。
図4に示すように、第1のジョイント部品40は、第1の部品41と第2の部品42とを備える。
【0017】
図5は、第1の部品41の構成例を示す図である。詳しくは、
図5(a)は第1の部品41の正面側を示す斜視図、
図5(b)は第1の部品41の背面側を示す斜視図、
図5(c)は平面図、
図5(d)は正面図、
図5(e)は右側面図、
図5(f)は背面図である。
図5に示すように、第1の部品41は、正面41a側に形成された第1の溝部413と、正面41a側に形成された第2の溝部414と、正面41a側に形成された係合部415と、正面41a側の外周部に形成された凸部416とを有する。第1の部品41の背面41b側は、平らで滑らかな面となっている。第1の部品41は例えば熱硬化性樹脂で形成されており、第1の溝部413、第2の溝部414、係合部415及び凸部416が一体に形成されている。
【0018】
第1の溝部413は一方向(例えば、縦方向)に沿って延設された溝部である。また、第2の溝部414も一方向に沿って延設された溝部である。第1の溝部413と第2の溝部414は互いに平行で、且つ隣り合って形成されている。第1の溝部413の正面41aから底面までの距離(即ち、深さ)d1と、第1の溝部413の正面41aにおける幅w1は、連結の対象となる第1の線材の直径の設計値よりも若干大きい値である。
また、第2の溝部414の正面41aから底面までの距離(即ち、深さ)d2と、第2の溝部414の正面41aにおける幅w2も、連結の対象となる第2の線材の直径の設計値よりも若干大きい値である。第1の線材の直径の設計値と第2の線材の直径の設計値とが同じ場合は、例えば、d1=d2、W1=W2である。
【0019】
係合部415は、平面視で、正面41aのうち第1の溝部413と第2の溝部414との間に形成されている。係合部415は、第1の溝部413及び第2の溝部414と平面視で重ならないように(即ち、被らないように)形成されている。また、係合部415は、正面41a側に形成された支持部415Aと、支持部415Aに支持された係合片415Bと、を有する。正面41aに支持部415Aの一端が固定され、支持部415Aの他端に係合片415Bが固定されている。
【0020】
支持部415Aの形状は例えば円柱状であり、その直径は、第1の溝部413と第2の溝部414との間の離間距離と同じ値、又は、この離間距離よりも小さい値となっている。また、係合片415Bの形状は一方向(例えば、縦方向)に長手方向を有する板状である。係合片415Bの長手方向と直交する短手方向(例えば、横方向)の長さは、支持部415Aの直径と同じ値となっている。また、凸部416は、正面41a側の外周部(例えば、両側部)に形成されている。
【0021】
図6は、第2の部品42の構成例を示す図である。詳しくは、
図6(a)は第2の部品42の正面42a側を示す斜視図、
図6(b)は第2の部品42の背面42b側を示す斜視図、
図6(c)は平面図、
図6(d)は正面図、
図6(e)は右側面図、
図6(f)は背面図である。
第2の部品42は、正面42aと背面42bとの間に形成された貫通穴423と、この貫通穴423の正面42a側の縁部424の周りに形成された周壁部425と、この縁部424に形成された規制部426と、背面42b側の外周部(例えば、両側部)に形成された凹部427と、を有する。
【0022】
第2の部品42が有する貫通穴423の平面視による形状と大きさは、第1の部品41が有する係合部415の平面視による形状と大きさに対応している。例えば、貫通穴423の平面視による形状は係合片415Bの平面視による形状とほぼ同じである。また、貫通穴の平面視による大きさは、係合片415Bの平面視による大きさよりも若干大きい。平面視で、貫通穴423の長手方向の長さをL1とし、係合片415Bの長手方向の長さをL2(
図5参照)としたとき、L1>L2となっている。これにより、第1の部品41と第2の部品42は、正面41aと背面42bとを対向させた状態で、係合部415を貫通穴423に挿入することが可能となっている。
【0023】
また、周壁部425のうち、貫通穴423の長手方向と平面視で交差する方向で対向する壁同士の離間距離をL3としたとき、L3≧L2となっている。さらに、L1>L3となっている。
また、貫通穴423の正面42a側の開口端と背面42b側の開口端との距離(即ち、深さ)をd3とし、支持部415Aの一端から他端までの長さ(即ち、高さ)をhとしたとき、d3<hとなっている。これにより、係合部415を貫通穴423に挿入し、第1の部品41の正面41aと第2の部品42の背面42bとを接触させると、係合片415Bは貫通穴423の正面42a側の開口端から外側へ出た状態となる。
【0024】
第1のジョイント部品40では、第1の部品41の正面41aと第2の部品42の背面42bとが対向し、且つ係合部415が貫通穴423に挿入された状態で、第2の部品42は第1の部品41に対して相対的に回転動作することが可能となる。そして、この回転動作により、係合部415は貫通穴423に係合しない状態から係合する状態に可逆的に移行する。例えば、貫通穴423に係合部415が挿入されると、係合片415Bが貫通穴423の正面42a側の開口端から外側へ出るため、第2の部品42は回転動作が可能となる。そして、この回転動作により、係合片415Bは貫通穴423の正面42a側の縁部424に係合しない状態から係合する状態に可逆的に移行する。次に、この回転動作について、より具体的に説明する。
【0025】
図7(a)〜(e)は、第2の部品42の回転動作を模式的に示す図である。詳しくは、
図7(a)は第2の部品42が回転動作の可動範囲の一端に位置し、係合片415Bは縁部424に係合していない状態(以下、アンロック状態ともいう)を示す。
図7(b)〜(d)は、第2の部品42が回転動作の可動範囲の途中まで回転し、係合片415Bは縁部424に不安定ながらも係合している状態を示す。
図7(e)は、第2の部品42が回転動作の可動範囲の他端まで回転し、係合片415Bは縁部424に安定に係合している状態(以下、ロック状態ともいう)を示している。
【0026】
なお、
図7では、第1の部品41と第2の部品42との見分けを容易にするため、第1の部品41をグレーに着色して示しているが、実際の製品では第1の部品41と第2の部品42は互いに同一色でも異なる色でもよい。第1の部品41及び第2の部品42の色に制限はない。
図7(a)では、ユーザーは、例えば第1の部品41を左手(又は、右手)の指でつまみ、第1の部品41の第1の溝部413に第1の線材を沿わせて嵌めると共に、第2の溝部414に第2の線材を沿わせて嵌める。例えば
図3に示したように、第1の線材として前面パネル31の右端の線材311を第1の溝部413に沿わせて嵌めると共に、第2の線材として右側面パネル37の左端の線材371を第2の溝部414に沿わせて嵌める。
【0027】
次に、ユーザーは、例えば第2の部品42を右手(又は、左手)の指でつまみ、第2の部品42の背面側を第1の部品41の正面側に対向させる。そして、第2の部品42の貫通穴423に第1の部品41の係合部を挿入させ、第2の部品42の背面側を第1の部品41の正面側に接触させる。これにより、係合部の係合片415Bが貫通穴423の外側へ出る。
次に、
図7(b)〜(d)に示すように、ユーザーは、例えば第1の部品41を左手(又は、右手)の指で動かないように固定したまま、第2の部品42を右手(又は、左手)の指で時計回りに回転させる。この回転動作により、係合片415Bは貫通穴423の縁部424の上に移動し、係合片415Bが貫通穴423に不完全ながらも係合した状態となる。そして、第2の部品42をアンロック状態から時計回りに可動範囲の端部まで回転させると、
図7(e)に示すようにロック状態となる。
【0028】
なお、
図7(a)に示すアンロック状態では、係合片415Bの左下側と右上側とに規制部426がそれぞれ隣接している。このアンロック状態で、第2の部品42を反時計回りに回転させようとすると、係合片415Bが規制部426に接触するため、第2の部品42をそれ以上反時計回りに回転させることができない。また、
図7(e)に示すロック状態では、係合片415Bの左上側と右下側とに規制部426がそれぞれ隣接している。このロック状態で、第2の部品42を時計回りに回転させようとすると、係合片415Bが規制部426に接触するため、第2の部品42をそれ以上時計回りに回転させることができない。このように、第2の部品42の回転動作の可動範囲は、規制部426によって90°の角度範囲に規制されている。
【0029】
また、第2の部品42の背面42b側の外周部以外の部位であって、上記の回転動作により第1の部品41の凸部416(
図5参照)と対向することになる部位は、この凸部416と接触しないように凹状に形成されている。このため、例えば
図7(a)〜(c)では、凸部416は第2の部品42に接触しない。
一方、
図7(d)では、第2の部品42の背面42b側の外周部は、凸部416に接触し、この凸部416に乗り上げる形となるため、回転動作に対する抵抗力が増える。さらに時計まわりの回転を継続すると、第1の部品41の凸部416は第2の部品42の凹部427に嵌り、
図7(e)のロック状態になる。第1のジョイント部品40がロック状態になることで、第1の線材と第2の線材とが連結される。
【0030】
なお、第2の部品42を
図7(e)のロック状態から、
図7(d)、(c)、(b)の順に反時計まわりに回転させると、
図7(a)のアンロック状態となる。アンロック状態で、第1の部品41から第2の部品42を離す。そして、第1の部品41の第1の溝部413から第1の線材を外し、第2の溝部414から第2の線材を外す。これにより、第1の線材と第2の線材との連結が解除される。
【0031】
(1.2)トレー
図8及び
図9はトレー1の構成例を示す図である。詳しくは、
図8(a)は斜視図、
図8(b)は平面図、
図8(c)は正面図、
図8(d)は底面図、
図8(e)は左側面図、
図8(f)は右側面図である。また、
図9(a)及び(b)は、
図8(b)の平面図をX2−X’2線で切断した断面図とこの断面図の破線で囲む部分を拡大した図である。
図9(c)及び(d)は、
図8(b)の平面図をY2−Y’2線で切断した断面図とこの断面図の破線で囲む部分を拡大した図である。
図8及び
図9に示すように、トレー1は、平面視による形状が矩形(又は、角丸矩形)である底部11と、底部11の上面11a側の周辺部に設けられた周壁部13と、底部11の周辺部であって周壁部13の外側に設けられた周端部15とを有している。底部11、周壁部13及び周端部15は、例えば合成樹脂等で一体に形成されている。
【0032】
周壁部13は、底部11の周辺部の全周にわたって隙間なく設けられている。これにより、トレー1の上面11a側の中央部(即ち、周壁部13よりも内側)から周壁部13の外側へペットの糞尿等が広がることを防止できるようになっている。また、周端部15の上面15a側には、周壁部13に沿って溝部17が設けられている。この溝部17にケージ本体3の下端部が配置される。なお、周壁部13のうちペットの出入り口となる部分は、他の部分と比べて底部11の上面11aからの高さが低くなっている。例えば、前面側の周壁部13は、後面側、左側面側、右側面側の各周壁部13よりも上面11aからの高さが低くなっている。
【0033】
また、周端部15の複数の箇所(例えば、左側面の2か所と、右側面の2か所)には、それぞれ、後述のバックルを回転可能に保持するための切欠き部18が設けられている。例えば、切欠き部18の内側の側面には穴が設けられており、この穴にバックルの回転軸21が差し込まれている。また、トレー1の下面11b側には、平面視で格子状のリブ19が設けられている。このリブ19によって、トレー1の強度の向上が図られている。
【0034】
また、
図9に示すように、周壁部13は、トレー1の外側に位置する外側側面13cと、トレー1の内側に位置する内側側面13dとを有する。ここで、外側側面13cは、内側側面13dと比べて、上面11aに対して垂直に近い角度に形成されている。即ち、外側側面13cと底部11の上面11aとが成す角度θ1は、内側側面13dと底部11の上面11aとが成す角度θ2よりも90°に近い。また、角度θ2は鈍角であり、内側側面13dと底部11の上面11aとが交差する交差部13eは角ではなく、湾曲した形状に形成されている。
【0035】
(1.3)バックル
図10はバックル5の構成例を示す図であり、
図10(a)はバックル5の背面5a側を、
図10(b)はバックル5の正面5b側を、
図10(c)は
図10(a)をY5−Y’5線で切断した断面図である。
図10に示すように、バックル5は、その正面5b側であって、長手方向の一端の側にバックルの回転軸を支持するための支持部51を有する。また、バックル5は、その正面5b側であって、長手方向の他端の側にケージ本体3の線材に掛かるための掛止部53を有する。
【0036】
図11は、ケージ本体3がトレー1に固定された状態を示す図である。
図11に示すように、バックル5を回転軸21を中心に回転させ、バックル5の掛止部53を例えば右側面パネル37の横方向に延びる線材371に引っ掛けて止めることによって、ケージ本体3の右側面の側をトレー1に固定することができる。
図11では示さないが、ケージ本体3の左側面の側も、右側面の側と同様の方法でトレー1に固定することができる。
【0037】
なお、バックル5でケージ本体3をトレー1に固定したとき、ペット用ケージ50の最も外側に出る部分は、バックル5の背面5aではなく、周端部15の側面15cとなる。つまり、バックル5でケージ本体3をトレー1に固定したとき、バックル5の背面5aは周端部15の側面15cよりも、内側(即ち、周壁部13の側)に位置する。また、第1のジョイント部品40、第2のジョイント部品43、コーナージョイント部品45の各側面も、周端部15の側面15cよりも、内側(即ち、周壁部13の側)に位置することが好ましい。
【0038】
(1.4)L4、L5の大小関係
図12は、ペット用ケージ50における距離L4、L5を示す図である。距離L4は、ケージ本体3がトレー1に固定された状態での第1のパネルから周端部15の側面15cまでの距離である。
図12では、第1のパネルとして右側面パネル37から、周端部15の側面15cまでの距離をL4で示している。距離L5は、(第1のパネルとは異なる方向に面する)第2のパネルの複数本の線材のうち隣り合う線材間の距離である。
図12では、第2のパネルとして後面パネル33の縦方向に延びる複数本の線材331のうちの、隣り合う線材間の距離をL5で示している。
ここで、
図1に示すペット用ケージ50では、L4×2≦L5となっている。より好ましくはL4×2<L5である。なお、周壁パネルにおける線材間の距離L5は、例えば、各パネル間で違いはなく、前面パネル31、後面パネル33、左側面パネル35及び右側面パネル37で全て同じある。
【0039】
(2)横方向への連結
また、
図1及び
図2に示したペット用ケージ50は横方向(即ち、水平方向)に複数個連結することができる。連結後のペット用ケージ(即ち、ペット用連結ケージ)を
図13及び
図14に示す。
図13及び
図14は、本発明の第1実施形態に係るペット用連結ケージ100の構成例を示す図である。詳しくは、
図13は斜視図、
図14(a)は平面図、
図14(b)は正面図、
図14(c)は底面図、
図14(d)は左側面図、
図14(e)は右側面図である。
図13及び
図14に示すペット用連結ケージ100は、第1のペット用ケージ50Aと、第2のペット用ケージ50Bと、横方向連結部品セットとを備える。第1のペット用ケージ50Aは、右側面パネルを除いて、
図1及び
図2に示したペット用ケージ50と同じ構成を有する。また、第2のペット用ケージ50Bは、左側面パネルを除いて、
図1及び
図2に示したペット用ケージ50と同じ構成を有する。なお、
図13及び
図14では、第1のペット用ケージ50A及び第2のペット用ケージ50Bの両方にそれぞれ天井パネルが無い場合を示しているが、第1のペット用ケージ50A及び第2のペット用ケージ50Bのどちらか一方又は両方に天井パネルがあってもよい。
【0040】
(2.1)横方向連結部品セット
図15は、横方向連結部品セット60の構成例を示す斜視図である。
図15に示すように、横方向連結部品セット60は、例えば、第1の開口パネル61と、第2の開口パネル62と、第1の連結部品63と、第2の連結部品64とを有する。
この横方向連結部品セット60を用いて、
図13及び
図14に示したペット用連結ケージ100を形成する場合は、
図1及び
図2に示したペット用ケージ50を2個用意する。次に、2個のペット用ケージ50のうち、一方のペット用ケージ50の右側面パネル37を第1の開口パネル61に取り換えて、第1のペット用ケージ50Aとする。同様に、2個のペット用ケージ50のうち、他方のペット用ケージ50の左側面パネル35を第2の開口パネル62に取り換えて、第2のペット用ケージ50Bとする。そして、第1の開口パネル61と第2の開口パネル62とを互いに向い合せ、この状態で、第1の開口パネル61と第2の開口パネル62とを第1の連結部品63と第2の連結部品64とで連結する。次に、開口パネルと連結部品の各構成について説明する。
【0041】
(2.1.1)開口パネル
図16は、第1の開口パネル61の構成例を示す図であり、
図16(a)は斜視図、
図16(b)は平面図、
図16(c)は正面図、
図16(d)は底面図、
図16(e)は左側面図、
図16(f)は右側面図である。
図15及び
図16に示すように、第1の開口パネル61は、複数本の線材611を格子状に組み合わせた線材パネルである。線材611は例えば金属製であり、その1本1本の形状は円筒棒状である。また、第1の開口パネル61には、ペットが出入り可能な開口部612が設けられている。
第2の開口パネル62は、第1の開口パネル61と同一の形状で同一の大きさであり、同一の材料で形成されたものである。
図15に示したように、第2の開口パネル62も複数本の線材621を格子状に組み合わせた線材パネルであり、ペットが出入り可能な開口部622が設けられている。
【0042】
(2.1.2)連結部品
図17は、第1の連結部品63の構成例を示す図であり、
図17(a)は上面側から見た斜視図、
図17(b)は下面側から見た斜視図、
図17(c)は平面図、
図17(d)は正面図、
図17(e)は底面図、
図17(f)は左側面図、
図17(g)は右側面図である。
図15及び
図17に示すように、第1の連結部品63の上面63aはほぼ平坦となっている。また、上面63aには、デザイン性や強度の向上等を考慮して、第1の連結部品63の長手方向に沿って凹部631が形成されている。また、第1の連結部品63の下面63b側には、第1の連結部品63の長手方向に沿って、互いに平行な第1の溝部633と第2の溝部634とが形成されている。第1の溝部633は、第1の開口パネル61が有する複数本の線材611のうち、開口部612の下端に位置する線材を嵌め込む(即ち、押し込んで固定する)ための溝部である。また、第2の溝部634は、第2の開口パネル62が有する複数本の線材621のうち、開口部622の下端に位置する線材を嵌め込むための溝部である。第1の連結部品63は、例えば合成樹脂等で一体に形成されたものである。
【0043】
第2の連結部品64は、第1の連結部品63と同一の形状で同一の大きさであり、同一の材料で形成されたものである。この第2の連結部品64も、例えば合成樹脂等で一体に形成されたものである。
図15に示したように、第2の連結部品64の上面64aはほぼ平坦となっている。第2の連結部品64の下面63b側には、第2の連結部品64の長手方向に沿って、互いに平行な第1の溝部643と第2の溝部644とが形成されている。例えば、第1の溝部643は、第1の開口パネル61が有する複数本の線材611のうち、開口部612の下端に位置する線材を嵌め込むための溝部である。また、第2の溝部644は、第2の開口パネル62が有する複数本の線材621のうち、開口部622の下端に位置する線材を嵌め込むための溝部である。
【0044】
(2.2)連結部
図18及び
図19は、第1のペット用ケージ50Aと第2のペット用ケージ50Bとの連結部を示す図であり、
図18(a)は連結部の下端側を示す斜視図、
図18(b)は連結部の下端側の一部を切断し拡大して示す斜視図、
図19は断面図である。
図18及び
図19に示すように、第1のペット用ケージ50Aと第2のペット用ケージ50Bとの連結部では、第1のペット用ケージ50Aの周端部15の側面と、第2のペット用ケージ50Bの周端部15の側面とが向かい合って接触している。この状態で、第1の連結部品63及び第2の連結部品64は、第1の開口パネル61の開口部の下端と第2の開口パネル62の開口部の下端とに架け渡されている。そして、第1の開口パネル61が有する複数本の線材611のうち、開口部の下端に位置する線材は、第1の連結部品63の第1の溝部633(
図15参照)と、第2の連結部品64の第1の溝部643(
図15参照)とに嵌め込まれている。また、第2の開口パネル62が有する複数本の線材621のうち、開口部の下端に位置する線材は、第1の連結部品63の第2の溝部634(
図15参照)と、第2の連結部品64の第2の溝部644(
図15参照)とに嵌め込まれている。これにより、第1のペット用ケージ50Aと第2のペット用ケージ50Bは連結され、互いに離れないように固定されている。
【0045】
(2.3)L5、L6の大小関係
図19に示すように、第1のペット用ケージ50Aと第2のペット用ケージ50Bとの連結部において、向かい合う第1の開口パネル61と第2の開口パネル62との距離をL6とする。第1のペット用ケージ50Aと第2のペット用ケージ50Bとが連結した状態では、第1のペット用ケージ50Aの周端部15の側面と第2のペット用ケージ50Bの周端部15の側面とが接触しているため、距離L6と上述した距離L4との関係は、L6=2×L4となる。したがって、第1のペット用ケージ50Aと第2のペット用ケージ50Bとが連結した状態で、距離L6とL5との関係は、L6≦L5となる。より好ましくはL6<L5である。
この第1実施形態、及び後述の第2実施形態では、正面41aが本発明の「第1の面」に対応し、背面42bが本発明の「第2の面」に対応し、正面42aが本発明の「第3の面」に対応している。また、第1のジョイント部品40が本発明の「連結具」に対応している。
【0046】
〔第1実施形態の効果〕
本発明の第1実施形態は、以下の効果を奏する。
(1)第1のジョイント部品40では、第1の部品41に対して第2の部品42を回転させることにより、係合部415を貫通穴423に係合させたり、係合させないようにすることができ、線材に対して第1のジョイント部品40を容易に着脱することができる。これにより、第1の線材と第2の線材とを容易に連結することができる。したがって、第1のジョイント部品40を用いることにより、例えば複数枚の線材パネルで構成されるペット用ケージを容易に、早く組み立てることが可能となる。
【0047】
(2)また、第1のジョイント部品40は規制部426を有する。規制部426により、第2の部品42の回転動作の可動範囲は予め設定した角度の範囲(例えば、90°)に規制され、第2の部品42が時計方向、又は反時計方向へ90°を超えて回転することを防ぐことができる。これにより、第2の部品42の回転量は少なくて済み、しかも、第2の部品の可動範囲の端部(即ち、ロック位置、アンロック位置)が明確である。このため、第1のジョイント部品40は取扱いが容易である。
【0048】
(3)また、第1のジョイント部品40を用いて第1の線材と第2の線材とを連結する場合、第1の部品41の第1の溝部413に第1の線材を沿わせて嵌めると共に、第2の溝部414に第2の線材を沿わせて嵌める。ここで、第1の線材を第1の溝部413に押し込んで固定する必要はない。同様に、第2の線材も第2の溝部414に押し込んで固定する必要はない。
【0049】
例えば、第1の線材の表面を覆う塗膜の厚さにばらつきがあり、第1の線材の太さが第1の溝部413の深さや幅に対して大きく(又は、小さく)、第1の線材が第1の溝部413に固定できない場合を想定する。このような場合でも、第1の部品41の正面41a側に第2の部品42を配置し、貫通穴423に係合部415を挿入し、第2の部品42を90°回転させて第1のジョイント部品40をロック状態にすることにより、第1の線材は第1のジョイント部品40から外れずに保持される。第2の線材についても同様である。
このように、第1のジョイント部品40は、連結の対象となる線材の太さのばらつきの影響を受けにくく、線材の太さに多少のばらつきがある場合でも、線材同士を連結することができる。
【0050】
(4)また、第1のジョイント部品40では、
図7(d)のロック状態の直前から、
図7(e)のロック状態に至る間に、ユーザーに、いわゆるクリック感(即ち、スイッチを押したような手応え)を感じさせることができる。詳しく説明すると、
図7(d)では、第2の部品42の背面42b側の外周部が凸部416に接触し、この凸部416に乗り上げる形となるため、第2の部品42の回転動作に対する抵抗力が増大する。また、
図7(e)では、凸部416が凹部427に嵌り、第2の部品42が凸部416に乗り上げた状態が解消されるため、回転動作に対する抵抗力が急減する。ユーザーは、このような力の変化を指先で感じることでクリック感を感じることができる。このクリック感により、ユーザーは、第1のジョイント部品40がロック状態に到達したことを認識することができる。
【0051】
(5)第1のペット用ケージ50Aと第2のペット用ケージ50Bとを横方向に連結してペット用連結ケージ100を構成する場合、第1のペット用ケージ50Aにおいて第1の開口パネル61を配置する位置(即ち、連結方向)は、前面側、後面側、左側面側及び右側面側の中から任意に選択することができる。また、連結方向を複数選択してもよい。例えば
図13において、第1のペット用ケージ50Aの連結方向は右側面側に限定されず、左側面側でもよく、右側面側と左側面側の両方でもよい。右側面側と左側面側の両方を選択すると、ペット用ケージの連結数は3個以上となる。同様に、第2のペット用ケージ50Bにおいて第2の開口パネル62を配置する位置(即ち、連結方向)も、前面側、後面側、左側面側及び右側面側の中から任意に選択することができる。
このように、ペット用ケージ50では、連結可能な方向は1方向に限定されず複数の方向があり、また複数の方向に同時に連結して連結数を増やすことができる。このため、拡張性が高い(即ち、拡張の自由度が高い)ペット用ケージ及びペット連結用ケージを提供することができる。
【0052】
(6)また、
図1や
図13に示したように、前面パネル31、後面パネル33、左側面パネル35、右側面パネル37、第1の開口パネル61及び第2の開口パネル62は、トレー1の周壁部13よりも外側に配置される。このため、これら各パネルの下端がペットの糞尿等で汚れることを防ぐことができる。
(7)また、第1のペット用ケージ50Aと第2のペット用ケージ50Bとを連結したペット用連結ケージ100において、第1の開口パネル61は第1のペット用ケージ50Aの周壁部13よりも外側に位置し、第2の開口パネル62は第2のペット用ケージ50Bの周壁部13よりも外側に位置する。即ち、第1の開口パネル61と第2の開口パネル62との間に周壁部13は存在しない。これにより、第1の開口パネル61と第2の開口パネル62との間の連結部の幅を狭くすることができ、この連結部の隙間にペットが手足を挟む可能性を低減することができる。
【0053】
(8)また、バックル5がケージ本体3をトレー1に固定したとき、バックル5の背面5aはトレー1の周端部15の側面15cよりも、内側(即ち、周壁部13の側)に位置する。これにより、第1のペット用ケージ50Aと第2のペット用ケージ50Bとを連結する際に、第1のペット用ケージ50Aのバックル5と第2のペット用ケージ50Bのバックル5とが接触することを防ぐことができ、バックル5同士の接触により連結部の幅が広くなることを防ぐことができる。連結部の幅をさらに狭くすることに寄与することができる。
【0054】
(9)また、周壁部13の内側側面13dと底部11の上面11aとが成す角度θ2は鈍角に形成されている。これにより、トレーの上面1aのうち周壁部13よりも内側の領域に、ペットの糞尿等を吸収、回収するためのシートを容易に出し入れすることができる。また、上記の角度θ2が鈍角となっており、さらに交差部13eが湾曲しているので、周壁部13で囲まれた領域の隅も容易に掃除することができる。
【0055】
(10)また、周壁部13の外側側面13cと底部11の上面11aとが成す角度θ1は角度θ2よりも90°に近い。これにより、周壁部13の幅を狭くすることができ、ペット用連結ケージ100において、周壁部13を含む連結部周辺の幅をさらに狭くすることができる。その結果、第1のペット用ケージ50Aと第2のペット用ケージ50Bとの一体感を高めることができる。
トレーを例えば射出成型で形成する場合、周壁部13の幅を大きくすると、トレーの製造は容易となる。しかし、本発明では、角度θ1を90°に近くし、周壁部13の幅を意図的に狭くしている。これにより、第1のペット用ケージ50Aと第2のペット用ケージ50Bとの一体感を高めている。
【0056】
〔変形例〕
(1)上記の第1実施形態では、第1の溝部413と第2の溝部414がそれぞれ同じ大きさに形成されている場合(d1=d2、w1=w2)について説明した。しかしながら、本発明において、第1の溝部413と第2の溝部414は必ずしも同じ大きさである必要はない。連結の対象となる第1の線材の太さと第2の線材の太さとに合せて、第1の溝部の大きさと第2の溝部の大きさを変えてもよい。例えば、第1の線材が太くて、第2の線材が細い場合は、第1の溝部413が大きくて、第2の溝部414が小さくてもよい(d1>d2、w1>w2)。このような場合であっても、上記の第1実施形態の効果と同様の効果を奏する。
【0057】
(2)また、上記の第1実施形態では、係合部415の係合片415Bの長手方向の長さをL2とし、周壁部425のうち、貫通穴423の長手方向と平面視で交差する方向で対向する壁同士の離間距離をL3としたとき、第1の部品41と第2の部品42はL3≧L2を満たすように形成されている場合について説明した。
しかしながら、本発明において、L2とL3の大小関係はこれに限定されない。本発明では、係合部415が貫通穴423に係合していない状態において、L3<L2でもよい。このような構成であれば、
図7(e)に示したロック状態又はその近傍において、係合部415は周壁部425の壁同士の間に挟まれて、第2の部品42の回転動作が規制される。つまり、周壁部425のうち、貫通穴423の長手方向と平面視で交差する方向で対向する壁同士によって、第2の部品42の回転動作の可動範囲は例えば90°に規制され、第2の部品42が時計方向、又は反時計方向へ90°を超えて回転することを防ぐことができる。この場合、周壁部425が規制部として機能するため、第2の部品42の回転動作の可動範囲を規制しつつ、規制部426を省略することも可能である。
【0058】
(3)また、上記の第1実施形態では、前面パネル31、後面パネル33、左側面パネル35及び右側面パネル37(即ち、周壁パネル)や、第1の開口パネル61、第2の開口パネル62がそれぞれ線材パネルからなる場合について説明した。しかしながら、本発明において、これら各パネルの一部は線材パネルでなくてもよい。例えば、後面パネル33や、第1の開口パネル61、第2の開口パネル62は線材パネルでなくてもよい。このような場合であっても、上記の第1実施形態の効果と同様の効果を奏する。
【0059】
(4)また、上記の第1実施形態では、線材パネルの線材が金属からなる場合について説明した。しかしながら、本発明において、線材は金属に限定されない。線材は、例えば、樹脂製でもよい。このような場合であっても、上記の第1実施形態の効果と同様の効果を奏する。
(5)また、ペット用ケージ50やペット用連結ケージ100は、トレー1の下面11b側に複数個のキャスターを備えていてもよい。このような構成であれば、ペット用ケージ50やペット用連結ケージ100を容易に移動させることができる。
【0060】
(6)また、上記の第1実施形態では、第1の連結部品63と第2の連結部品64の2つを用いて、第1の開口パネル61と第2の開口パネル62とを連結する場合について説明した。しかしながら、本発明において、第1の開口パネル61と第2の開口パネル62とを連結する連結部品の個数は2つに限定されるものではない。連結部品の個数は1個でもよいし、3個以上でもよい。
連結部品が1個の場合は、この1個の連結部品の長手方向の長さを、第1の連結部品63及び第2の連結部品64の長手方向の長さの合計と同じ値にする。連結部品が3個の場合は、この3個の連結部品の長手方向の長さの合計を、第1の連結部品63及び第2の連結部品64の長手方向の長さの合計と同じ値にする。これにより、2個の連結部品を用いる場合と同様に、第1の開口パネル61と第2の開口パネル62とを連結することができる。
【0061】
(7)また、上記の第1実施形態では、第1の連結部品63と第2の連結部品64とが同一の形状で同一の大きさであり、同一の材料で形成されたものである場合について説明した。しかしながら、本発明において、第1の連結部品63と第2の連結部品64は、同一の形状である必要はなく、同一の大きさである必要もなく、同一の材料で形成されたものである必要もない。
例えば
図20に示すように、第1の連結部品63と第2の連結部品64の形状は異なっていてもよい。第1の連結部品63の上面63a側には平面視で凹部が形成され、第2の連結部品64の上面64a側には平面視で凸部が形成され、第1の連結部品63と第2の連結部品64とを並べると凹部と凸部とが嵌め合う構成でもよい。このような構成であれば、第1の連結部品と第2の連結部品とを凹凸の嵌め合わせで固定できるので、第1の開口パネルと第2の開口パネルとの連結の強度を高めることができる。
【0062】
(8)また、上記の第1実施形態では、
図18に示した第1のペット用ケージ50Aの周壁部13の上面13aと、第2のペット用ケージ50Bの周壁部13の上面13aと、第1の連結部材63の上面63aと、第2の連結部品64の上面64aとが面一となる(即ち、同一平面上に位置する)ように、第1、第2の開口パネルの開口部下端の位置が調整されていてもよい。これにより、ペットが連結部の段差でつまずく可能性を低減することができる。
この開口部下端の位置調整は、第1の開口パネル61が有する複数本の線材611のうちの開口部612の下端を通る線材と、第2の開口パネル62が有する複数本の線材621のうちの開口部612の下端を通る線材の各高さを調整したり、
図21に示すように、これら下端を通る線材を凹状に曲げたりすることで実現することができる。
【0063】
(9)また、上記の第1実施形態では、トレー1に回転軸21が取り付けられており、この回転軸21を中心にバックル5を回転させて、バックル5の掛止部53をケージ本体1の周壁パネル(又は、第1、第2の開口パネル61、62)の線材に引っ掛けて止める場合について説明した。しかしながら、本発明において、バックル5の回転軸はトレー1の側ではなく、周壁パネル(又は、第1、第2の開口パネル61、62)の側にあってもよい。
例えば、バックル5の支持部51は、周壁パネル(又は、第1、第2の開口パネル61、62)が有する複数本の線材のうち、横方向に延びる任意の線材を支持してもよい。そして、この支持部51が支持する線材を中心にバックル5を回転させて、その掛止部53をトレー1の周端部15等に引っ掛けて止めてもよい。このような場合であっても、バックル5はトレー1とケージ本体3とを固定することができ、上記の第1実施形態の効果と同様の効果を奏する。
【0064】
(10)また、上記の第1実施形態では、
図1及び
図2に示したペット用ケージ50を2個用意し、これらを横方向に連結して、ペット用連結ケージを構成する場合について説明した。しかしながら、本発明では、例えばサイズが異なるペット用連結ケージを横方向に連結して、ペット用連結ケージを構成してもよい。
図22は、第1実施形態の変形例に係るペット用連結ケージ200の構成例を示す斜視図である。例えば
図22に示すように、
図1及び
図2に示したペット用ケージ50とは横方向の長さが異なる(この例では、横方向の長さが短い)第1のペット用ケージ150を用意し、この第1のペット用ケージ150と第2のペット用ケージ50Bとを横方向に連結してもよい。横方向の連結は、
図15又は
図21に示した横方向連結部品セット60を用いて行う。このような構成であっても、上述した第1実施形態の効果(1)〜(6)と同様の効果を奏する。
【0065】
<第2実施形態>
〔構成〕
(1)縦方向への連結
図23は、本発明の第2実施形態に係るペット用連結ケージ300の構成例を示す斜視図である。
図23に示すように、このペット用ケージ50は、第1実施形態で説明したペット用ケージ50を2個用意してこれらを縦方向(即ち、鉛直方向)に重ねて連結したものであり、第1のペット用ケージ50Cと、第2のペット用ケージ50Dと、第1のペット用ケージ50Cと第2のペット用ケージ50Dとを縦方向に連結する4個の縦方向連結部品70と、第1のペット用ケージ50Cと第2のペット用ケージ50Dとの間に取り付けられた中間トレー75と、を備える。
【0066】
第1のペット用ケージ50Cは、
図1及び
図2に示したペット用ケージ50から天井パネル39を省いた構成と同じ構成を有する。また、第2のペット用ケージ50の構成は、
図1及び
図2に示したペット用ケージ50からトレー1を省いたものと同じ構成を有する。なお、
図23では、第2のペット用ケージ50Dに天井パネル39がある場合を示しているが、天井パネル39は無くてもよい。
【0067】
図24は縦方向連結部品70の構成例を示す斜視図である。
図24に示すように、縦方向連結部品70はL字形状(即ち、第1の部位と、第1の部位の一端部に接続した第2の部位とを有し、第1の部位と第2の部位とが直交する形状)の部品である。縦方向連結部品70の下面70b側には、第1のペット用ケージ50Cの周壁パネルの上端角部に位置する線材を押し込んで固定するための第1の溝部71が設けられている。また、縦方向連結部品70の上面70a側には、第2のペット用ケージの周壁パネルの下端角部に位置する線材を押し込んで固定するための第2の溝部73が設けられている。縦方向連結部品70は、
図23に示した第1のペット用ケージ50Cと第2のペット用ケージ50Dの連結部の四隅にそれぞれ配置されている。縦方向連結部品70は、例えば合成樹脂等で一体に形成されたものである。
【0068】
(2)横方向、縦方向への連結
図25は、本発明の第2実施形態に係るペット用連結ケージ400の構成例を示す斜視図である。
図25に示すペット用連結ケージは、第1実施形態で説明したペット用ケージ50を4個用意してこれらを横方向及び縦方向に連結したものであり、第1のペット用ケージ50Aと、第2のペット用ケージ50Bと、第3のペット用ケージ50Eと、第4のペット用ケージ50Fと、2つの横方向連結部品セット60(
図15又は
図21参照)と、8個の縦方向連結部品70と、2個の中間トレー75とを備える。
【0069】
これらのうち、第3のペット用ケージ50Eは、右側面パネルを除いて、
図23に示した第2のペット用ケージ50Dと同じ構成を有する。第4のペット用ケージ50Fは、左側面パネルを除いて、
図23に示した第2のペット用ケージ50Dと同じ構成を有する。なお、
図25では、第3のペット用ケージ50E及び第4のペット用ケージ50Fの両方にそれぞれ天井パネル39がある場合を示しているが、天井パネル39は、第3のペット用ケージ50E及び第4のペット用ケージ50Fのどちらか一方にのみあってもよいし、両方に無くてもよい。
【0070】
第1のペット用ケージ50Aと第2のペット用ケージ50Bとの横方向の連結構造、及び、第3のペット用ケージ50Eと第4のペット用ケージ50Fとの横方向の連結構造は、
図13及び
図14に示したペット用連結ケージ100の場合と同じである。また、第1のペット用ケージ50Aと第3のペット用ケージ50Eとの縦方向の連結構造、及び、第2のペット用ケージ50Bと第4のペット用ケージ50Fとの縦方向の連結構造、
図23に示したペット用連結ケージ300の場合と同じである。
【0071】
〔第2実施形態の効果〕
本発明の第2実施形態は、第1実施形態の効果(1)〜(10)と同様の効果を奏する。また、ペット用ケージ50を横方向だけでなく、縦方向にも連結することによって、横方向と縦方向の両方に拡張された、より広い空間を有するペット用連結ケージを実現することができる。
【0072】
〔変形例〕
第2実施形態においても、第1実施形態で説明した変形例(1)〜(10)を適用することができる。例えば、第1実施形態の変形例(10)を第2実施形態に適用した場合について、
図26を用いて説明する。
図26は、第2実施形態の変形例に係るペット用連結ケージ500の構成例を示す斜視図である。
図26に示すペット用連結ケージ500は、第1のペット用ケージ150と、第2のペット用ケージ50Bと、第3のペット用ケージ50Gとを備え、第1のペット用ケージ150と第2のペット用ケージ50Bとが横方向に連結されると共に、第2のペット用ケージ50Bと第3のペット用ケージ50Gとが縦方向に連結されたものである。第3のペット用ケージ50Gは、
図23に示した第2のペット用ケージ50Dと同じ構成を有する。
【0073】
第1のペット用ケージ150と第2のペット用ケージ50Bとの横方向の連結構造は
図22に示したペット用連結ケージ200の場合と同じである。また、第2のペット用ケージ50Bと第3のペット用ケージ50Gとの縦方向の連結構造は
図23に示したペット用連結ケージ300の場合と同じである。このような構成であっても、上述した第2実施形態の効果と同様の効果を奏する。
【0074】
<その他>
本発明は、以上に記載した第1、第2実施形態や変形例に限定されるものではない。当業者の知識に基づいて第1、第2実施形態や変形例に設計の変更等を加えてもよく、また、第1、第2実施形態や変形例を任意に組み合わせてもよく、そのような変更が加えられた態様も本発明の範囲に含まれる。また、本発明の連結具を適用する対象物は、ペット用ケージに限定されるものではなく、線材同士を連結する他の製品でもよい。本発明の連結具は、線材同士の連結を必要とする種々の製品に適用可能である。