特許第6386819号(P6386819)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386819
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】トルク・妨害検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 3/14 20060101AFI20180827BHJP
   G01L 3/10 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   G01L3/14 Z
   G01L3/10 317
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-135478(P2014-135478)
(22)【出願日】2014年7月1日
(65)【公開番号】特開2016-14539(P2016-14539A)
(43)【公開日】2016年1月28日
【審査請求日】2017年6月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130476
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 昭穂
(72)【発明者】
【氏名】橋本 優希
【審査官】 公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−296628(JP,A)
【文献】 実開昭59−100235(JP,U)
【文献】 実開昭55−056561(JP,U)
【文献】 特開平06−344911(JP,A)
【文献】 特開昭57−097421(JP,A)
【文献】 米国特許第04535412(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 3/00− 3/14
E01B 7/00− 7/30
B61L 5/00− 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネットクラッチ外部の入力側回転軸を伸長した任意の位置に取り付けられ、入力側回転量を計測する入力側回転量計測手段と、
マグネットクラッチ外部の出力側回転軸を伸長した任意の位置に取り付けられ、出力側回転量を計測する出力側回転量計測手段と、
入力側回転量と出力側回転量との差分からマグネットクラッチの出力軸におけるトルク値を算出するトルク算出部と、を備えることを特徴とするトルク妨害検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のトルク妨害検出装置であって、前記入力側回転量計測手段又は前記出力側回転量計測手段は、それぞれ複数の回転量検出方式を単独で、或いは組み合わせて選択できることを特徴とするトルク妨害検出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のトルク妨害検出装置であって、前記入力側回転量計測手段又は前記出力側回転量計測手段は、計測する双方の前記回転軸と同一の回転軸を有する回転盤と誘導コイルとを組み合わせ、前記回転盤の同一円周上に所定の間隔をおいて設けられる歯状の検出子に対する前記誘導コイルのコアの離接により、前記回転盤の回転速度を検出することを特徴とするトルク妨害検出装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトルク妨害検出装置であって、前記入力側回転量計測手段又は前記出力側回転量計測手段は、複数の検出子を有して計測する前記回転軸と同時に回転する回転盤と、投光器及び受光器と、からなり、前記回転盤の一方の側に設けられた前記投光器から他方の側に設けられた前記受光器への光路が前記検出子の存在する位置の周速に従って開閉することにより、前記回転盤の回転速度を検出することを特徴とするトルク妨害検出装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトルク妨害検出装置であって、前記入力側回転量に対して前記出力側回転量が所定の比率以下の場合は、異常信号を発信する回転異常判定部を備えることを特徴とするトルク妨害検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルク妨害検出装置に係り、特に、例えば鉄道線路の転てつ機に用いられる動力伝達手段の入力側及び出力側の回転量を計測してトルク値を算出するトルク妨害検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図6に、鉄道線路の分岐器20の一つの実施例の構成を平面図で示す。分岐器20は、基本レール22に対してトングレール23を密着又は離間させることで線路を分岐させ、列車の進路を切り替える機構をいう。また、転てつ機30は、動作かん26、マグネットクラッチ27、駆動モータ28、鎖錠かん29から構成される。駆動モータ28と転てつ機30は、動力伝達手段であるマグネットクラッチ27を介して接続される。そして、転てつ機30は、駆動モータ28の回転運動を動作かん26の直線運動に変換させ、動作かん26の先端部においてトングレール23に接続された転てつ棒25を押し引きし、基本レール22に対してトングレール23を定位位置から位置に、又はその逆に転換させてポイントを切り替える。また、トングレール23に連動して鎖錠かん29を転換し、ロックピースで鎖錠かん29を鎖錠する。
【0003】
図7に、分岐器20に用いられる転てつ機30の一つの実施例の構成を示す。転てつ機30とは、分岐器20を操作する装置である。この転てつ機30は、駆動モータ28を駆動させ、動力伝達手段の一例であるマグネットクラッチ27の出力軸を回転させる。そして、複数のべベルギア31a,31bにより駆動モータ28の回転方向を直交方向に転換する。そして、この直交方向に転換された回転力は、シャフト32、減速機構33などを介してボールねじ35に伝達される。このボールねじ35には、所定量を移動可能な駆動ブロック34が螺合されている。すなわち、このボールねじ35の長さは、動作かん26がトングレール23を転換するのに十分な移動量が確保できるように設定されている。このように、転てつ機30は、歯車機構やカム機構によって回転運動を直線運動に変換し、動作かん26を直進運動させてポイントの切り替えを行う。
【0004】
特許文献1には、マグネットクラッチを用いた電気転てつ機が開示されている。ここでは、特許文献1の図2に電気転てつ機の機構が記載され、特許文献1の図3にモータに取り付けられたマグネットクラッチが記載されている
【0005】
特許文献2には、電磁クラッチが介在する動力伝達装置の出力軸トルクの検出精度を向上させるトルク妨害検出装置が開示されている。ここでは、電磁クラッチ部のモータ回転軸側の回転数を永久磁石の回転に伴う直流磁界変化に基づいて可飽和磁性コアを用いて検出する。一方、出力軸の回転数は孔を設けた導体の回転数に伴うループコイルの自己インダクタンス変化を利用して検出する。そして、両軸の回転数の差から出力軸のトルク値を検出する、ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−265959号公報
【特許文献2】特開平04−296628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術として、モータに流れる電流、電圧を測定してモータのトルク値を算出する方式があるが、モータに流れる電流、電圧が一定であっても、外部環境やモータ内部の発熱による温度変化によりトルク値が変化するため精度の高い出力軸のトルク値の検出が難しいという問題がある。
【0008】
また、従来技術として、モータやクラッチの出力側回転軸の外周に溝を形成し、捩れによる溝の間隔の変化を励磁コイル及び検出コイルで検出し、トングレールの転換負荷力を検知する方式があるが、回転数の検出ができないため、クラッチの入力側の状態が確認できず、出力側の回転が妨害により拘束されているかが検出できないという問題がある。
【0009】
本願の目的は、かかる課題を解決し、計測箇所の自由度が高く、複数の計測方式が選択自在であり、出力側が回転拘束される状態を容易に監視できるトルク妨害検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係るトルク妨害検出装置は、グネットクラッチ外部の入力側回転軸を伸長した任意の位置に取り付けられ、入力側回転量を計測する入力側回転量計測手段と、マグネットクラッチ外部の出力側回転軸を伸長した任意の位置に取り付けられ、出力側回転量を計測する出力側回転量計測手段と、入力側回転量と出力側回転量との差分からマグネットクラッチの出力軸におけるトルク値を算出するトルク算出部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
上記構成により、トルク妨害検出装置は、入力側回転量を計測する入力側回転量計測手段と、出力側回転量を計測する出力側回転量計測手段がともに設けられる。そして、この入力側回転量及び出力側回転量を計測し、その差分からマグネットクラッチの滑り量が算出される。このように、マグネットクラッチの出力軸におけるトルク値を容易にかつ精度よく算出することができる。
【0012】
また、トルク妨害検出装置は、前記入力側回転量計測手段又は前記出力側回転量計測手段は、それぞれ複数の回転量検出方式を単独で、或いは組み合わせて選択できることが好ましい。これにより、後述する回転量計測手段の実施例を用いることで、入力側回転及び出力側回転のいずれの箇所にでも回転量計測手段を設けることができ、自由度の高いトルク検出ができる。
【0013】
また、トルク妨害検出装置は、入力側回転量計測手段又は出力側回転量計測手段が複数の回転量検出方式から選択自在であることが好ましい。これにより、後述する回転量計測手段の実施例のうち、その転てつ機の例えば仕様、構成、サイズなどに適した回転量検出方式を単独で、或いは組み合わせて選択することができる。
【0014】
また、トルク妨害検出装置は、入力側回転量計測手段又は出力側回転量計測手段は、計測する双方の回転軸と同一の回転軸を有する回転盤と誘導コイルとを組み合わせ、回転盤の同一円周上に所定の間隔をおいて設けられる歯状の検出子に対する誘導コイルのコアの離接により、回転盤の回転速度を検出することが好ましい。これにより、後述する回転量計測手段の実施例を用いることで、入力側回転軸及び出力側回転軸のいずれの箇所にでも回転量計測手段を設けることができ、自由度の高いトルク検出ができる。
【0015】
また、トルク妨害検出装置は、入力側回転量計測手段又は前記出力側回転量計測手段は、複数の検出子を有して計測する前記回転軸と同時に回転する前記回転盤と、投光器及び受光器と、からなり、回転盤の一方の側に設けられた投光器から他方の側に設けられた受光器への光路が検出子の存在する位置の周速に従って開閉することにより、回転盤の回転速度を検出することが好ましい。これにより、後述する回転量計測手段の実施例を用いることで、入力側回転軸及び出力側回転軸のいずれの箇所にでも回転量計測手段を設けることができ、自由度の高いトルクの検出ができる。
【0016】
さらに、トルク妨害検出装置は、入力側回転量に対して出力側回転量が所定の比率以下の場合は異常信号を発信する回転異常判定部を備えることが好ましい。これにより、例えば分岐器の保守不良などにより、転てつ機に異常な負荷が発生し、出力側が回転拘束するという状態を容易に監視できる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明に係るトルク妨害検出装置によれば、計測箇所の自由度が高く、複数の計測方式が選択自在であり、出力側が回転拘束される状態を容易に監視できるトルク妨害検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るトルク妨害検出装置の一つの実施形態の概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明に係るトルク妨害検出装置が用いられるマグネットクラッチの一つの実施例を示す説明図である。
図3図2のマグネットクラッチのA-Aからみた側面図である。
図4】回転量計測手段の第1実施例である回転検出器の概要を示す説明図である。
図5】回転量計測手段の第2実施例である回転検出器の概要を示す説明図である。
図6】鉄道線路の分岐器の一つの実施例の構成を示す平面図である。
図7】分岐器に用いられる転てつ機の一つの実施例の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(トルク妨害検出装置の構成)
以下に、図面を用いて本発明に係るトルク妨害検出装置1の実施形態につき、詳細に説明する。図1に、本発明に係るトルク妨害検出装置1の一つの実施形態の概略構成をブロック図で示す。本発明に係るトルク妨害検出装置1は、駆動モータ7と、その駆動モータ7の回転運動を直線運動(図1中矢印で示す方向)に変換する変換器8と、の間に動力伝達手段として設けられるマグネットクラッチ2の入力側及び出力側それぞれについて回転量を算出する。そして、両者の差からマグネットクラッチ2のすべり量を算出し、マグネットクラッチ2の出力側回転軸9bにおけるトルク値を算出する。なお、本実施形態では、駆動モータ7と、その駆動モータ7の回転力を直線運動に変換する変換器8と、の間に設けられる動力伝達手段としてマグネットクラッチ2を用いて説明するが、動力伝達手段はマグネットクラッチ2に限定されない。
【0020】
マグネットクラッチ2は、駆動モータ7に回転軸9aを介して接続する入力側マグネットクラッチ2aと、変換器8に出力側回転軸9bを介して接続する出力側マグネットクラッチ2bと、から構成される。マグネットクラッチ2は、入力側マグネットクラッチ2aと出力側マグネットクラッチ2bとの間においてすべりが発生する可能性がある。そのため、入力側回転軸9a及び出力側回転軸9bについてそれぞれの回転量を算出し、両者の差からマグネットクラッチ2のすべり量を算出する。なお、本明細書では、図1に示すように、マグネットクラッチ2の図1に向かって左側を入力側とし、マグネットクラッチ2の図1に向かって右側を出力側とする。
【0021】
トルク検出部1は、入力側回転量計測部3a,出力側回転量計測部3b、すべり量算出部4、トルク値算出部5、及び回転異常判定部6から構成される。入力側回転量計測部3aは、入力側マグネットクラッチ2aの入力側に設けられ、入力側回転量(φ)を計測する。また、出力側回転量計測部3bは、出力側マグネットクラッチ2bの出力側に設けられ、出力側回転量(φ)を計測する。これらの回転量計測部3については「回転量計測手段」として実施例を後述する。また、すべり量算出部4は、入力側回転量(φ)と出力側回転量(φ)との差分(φ−φ)を算出する。さらに、トルク値算出部5は、入力側回転量(φ)と出力側回転量(φ)との差分(φ−φ)からマグネットクラッチ2の出力軸9bにおけるトルク値を算出する。
【0022】
回転異常判定部6は、入力側回転量に対して出力側回転量が所定の比率以下の場合は、異常信号を発信する。これにより、例えば分岐器20の保守不良などにより、転てつ機30に異常な負荷が発生し、出力側が回転拘束するという状態を容易に監視できる。
【0023】
図2に、本発明に係るトルク妨害検出装置1が用いられるマグネットクラッチ2の一つの実施例を示す。また、図3に、図2のマグネットクラッチ2のA-A方向からみた側面を示す。動力伝達手段であるマグネットクラッチ2は、入力側回転体11a、出力側回転体11b、及び制動体10を備える。
【0024】
入力側回転体11aは、円盤状の部材であり、その軸芯には駆動モータ7からの駆動力が伝達される入力側回転軸9aが接続されている。また、入力側回転体11aの外周面には複数個の磁石12aが取付けられている。これらの磁石12aは、放射状を形成するように相互に隣り合う磁石12aと等間隔で配置されている。さらに、図3に示すように、これらの磁石12aは、前述の放射状において半径方向外側を向くN極とS極とが、相互に隣り合う磁石12aと入れ替わるように、配置されている。
【0025】
出力側回転体11bは、T型の形状をしており、その内側の入力側には入力側回転体11a及び複数の磁石12aを収容し、その内側の出力側には制動体10及び複数の磁石12bを収容する。そして、出力側回転体11bの出力側には出力側回転軸9bが取り付けられる。
【0026】
制動体10の外周面にも、複数個の磁石12bが取り付けられる。これらの磁石12bは、放射状をなすように相互に隣り合う磁石12bと等間隔で配置されている。さらに、これらの磁石12bは、前述の放射状において半径方向外側を向くN極とS極とが、相互に隣り合う磁石12b入れ替わるように、配置されている。
【0027】
このようなマグネットクラッチ2においては、まず、入力側回転体11aが駆動モータ7の駆動力を受けて回転する。入力側回転体11aが回転すると、それに伴い磁石12aも回転することとなり、いわゆる「アラゴの円盤の原理」に基づいて磁石12aと対向する部分である出力側回転体11bが回転される。このようにして、駆動モータ7の駆動力が変換器8に伝達され、動力伝達手段として作用する。
【0028】
一方、回転している出力側回転体11bと対向する制動体10にも、磁石12bが設けられているが、この制動体10は静止状態に固定されている。このため、出力側回転体11bと制動体10との相対的な関係において、「アラゴの円盤の原理」に基づき、出力側回転体11bは回転を抑制するようなブレーキ作用を制動体10から受ける。すなわち、出力側回転体11bには、回転中は常に制動体10からの常時ブレーキがかけられている。
【0029】
(回転量計測手段の取り付け)
回転量計測手段は、入力側回転量計測部3a及び出力側回転量計測部3bとして入力側回転体11a及び出力側回転体11bに取り付けられる。この入力側回転量計測手段又は出力側回転量計測手段は、複数個所に設置される。例えば、図2の入力側回転軸9a及び出力側回転軸9bのいずれの箇所にでも設けることができる。それにより、自由度の高いトルク検出ができる。
【0030】
また、入力側回転量計測手段又は出力側回転量計測手段は、複数の回転量検出方式から選択自在である。これにより、後述する回転量計測手段の実施例のうち、その転てつ機30の例えば仕様、構成、サイズなどに適した回転量検出方式を単独で、或いは組み合わせて選択することができる。
【0031】
入力側回転量計測手段は、マグネットクラッチ2の入力側の外部の回転体に設けられる。例えば、図2の入力側回転体11aの任意の位置に取り付けられる。これにより、従来技術として実施されてきたモータに流れる電流、電圧を測定してモータのトルク値を算出する方式、及びマグネットクラッチ2の入力側の内部の磁石周りの回転体ではなく、後述する回転量計測手段により簡易にかつ精度よくトルク検出を算定することができる。
【0032】
出力側回転量計測手段は、マグネットクラッチ2の出力側の外部の回転体に設けられる。例えば、図2の出力側回転体11aの任意の位置に取り付けられる。これにより、マグネットクラッチ2の入力側内部の磁石周りの回転体ではなく、後述する回転量計測手段により簡易にかつ精度よくトルク検出を算定することができる。
【0033】
(回転量計測手段の第1実施例)
図4に、回転量計測手段の第1実施例である回転数検出器13aの概要を示す。この回転数検出器13aは、計測する回転体11と同一の回転軸をもち、矢印R1で示す方向に回転する円板状の回転盤19aと、誘導コイル15とを組み合わせたものである。ここで、回転体11とは、本明細書における入力側回転体11a又は出力側回転体11bである。回転盤19aの同一円周上に一定の間隔をおいて設けられた歯状の検出子14aに対する誘導コイル15のコアの離接により、回転体11a,11bの回転速度を、これに比例するパルス信号18aとして検出する。回転体11a,11bが一回転したときに発生すべきパルス数は、回転盤19aの有する検出子14aの数によって定まる。従って、単位時間当たりに発生するパルス数から、回転体11a,11bの単位時間当たりの回転数が算出される。
【0034】
(回転量計測手段の第2実施例)
図5に、回転量計測手段の第2実施例である回転数検出器13bの概要を示す。この回転数検出器13bは、複数の検出子14bを有して矢印R2で示す方向に回転する円板状の回転盤19bを、回転数を計測する回転体11と同時に回転させる。検出子14bは、所定の間隔で同一円周上に形成された光を透過させる孔である。ここで、回転体11とは、本明細書における入力側回転体11a又は出力側回転体11bである。そして、回転盤19bの両側に投光器16及び受光器17を配置すると、投光器16から受光器17への光路が、検出子14bの存在する位置の周速に従って開閉される。これにより、受光器17から回転体11a,11bの回転速度に比例するパルス信号18bが生成される。そして、単位時間あたりに計測されたパルス信号18bの開閉数から回転体11a,11bの単位時間あたり回転数が算出される。
【0035】
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさ、及び配置関係については、本発明が理解、実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 トルク妨害検出装置、2,27 マグネットクラッチ,2a 入力側マグネットクラッチ,2b 出力側マグネットクラッチ、3 回転量計測部,3a 入力側回転量計測部,3b 出力側回転量計測部、4 (マグネットクラッチ)すべり量算出部、5 トルク値算出部、6 回転異常判定部、7,28 駆動モータ、8 変換器、9 回転軸,9a 入力側回転軸,9b 出力側回転軸、10 制動体、11 回転体,11a 入力側回転体,11b 出力側回転体、12 磁石,12a 入力側磁石,12b 出力側磁石、13a,13b 回転数検出器、14a,14b 検出子、15 誘導コイル、16 投光器、17 受光器、18a,18b パルス信号、19a,19b 回転盤、20 分岐器、22 基本レール、23 トングレール、25 転てつ棒、26 動作かん、29 鎖錠かん、30 転てつ機、31,31a,31b べベルギア,32 シャフト、33 減速機構、34 駆動ブロック35 ボールねじ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7