特許第6386835号(P6386835)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386835
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】アゾ化合物
(51)【国際特許分類】
   C09B 43/12 20060101AFI20180827BHJP
   C09B 43/124 20060101ALI20180827BHJP
   C09B 43/18 20060101ALI20180827BHJP
   C09B 43/24 20060101ALI20180827BHJP
   C09B 43/20 20060101ALI20180827BHJP
   C09B 43/128 20060101ALI20180827BHJP
   C09B 43/28 20060101ALI20180827BHJP
   C09B 33/12 20060101ALI20180827BHJP
   C09B 35/031 20060101ALI20180827BHJP
   C09B 43/26 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   C09B43/12
   C09B43/124
   C09B43/18
   C09B43/24
   C09B43/20
   C09B43/128
   C09B43/28
   C09B33/12CSP
   C09B35/031
   C09B43/26
【請求項の数】5
【全頁数】84
(21)【出願番号】特願2014-173471(P2014-173471)
(22)【出願日】2014年8月28日
(65)【公開番号】特開2016-47892(P2016-47892A)
(43)【公開日】2016年4月7日
【審査請求日】2017年5月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】391025659
【氏名又は名称】株式会社日本化学工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】寺下 昌材
【審査官】 伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第07687612(US,B1)
【文献】 中国特許出願公開第103205136(CN,A)
【文献】 特開平07−196936(JP,A)
【文献】 特開昭60−139766(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0176972(US,A1)
【文献】 特開平08−239606(JP,A)
【文献】 特開2000−273339(JP,A)
【文献】 特開昭50−090786(JP,A)
【文献】 特開2013−136739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09B
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)
D−(A)n (1)
〔Dは、下記式(A−1)〜(A−8)
【化1】
[R9はC1〜C4のアルキル基、またはトリフルオロメチル基を表し、
10はシアノ基、カルバモイル基、スルホン基、またはスルホメチル基を表し、
11は水素、C1〜C10のアルキル基、C2〜C8のアルコキシアルキル基、C1〜C4
ヒドロキシアルキル基、C2〜C4のスルホアルキル基、重合性不飽和基を有する基、または下記式(7)
【化2】
(R14はC1〜C6のアルキレン基を表し、
15およびR16はそれぞれ独立して、水素、C1〜C4のアルキル基、C1〜C3のヒドロキシアルキル基、または重合性不飽和基を有する基を表す)を表し、
27およびR28はそれぞれ独立して、C1〜C4のアルキル基、またはトリフルオロメチル基を表し、
29およびR30はそれぞれ独立して、シアノ基、またはカルバモイル基を表し、
YはC2〜C6のアルキレン基、または下記式(15)
【化3】
{R37およびR38はそれぞれ独立して、C1〜C4のアルキレン基を表し、
1はアリーレン基、複素環基、酸素原子、または下記式(16)
【化4】
(R39は水素、C1〜C4のアルキル基、または重合性不飽和基を有する基を表す)を表す}を表し、
60はヒドロキシル基、アミノ基、C1〜C4のアルキルアミノ基、またはアセチルアミノ基を表し、
61およびR62はそれぞれ独立して、水素、C1〜C3のアルキル基、C1〜C3のアルコキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、アセチルアミノ基、またはハロゲン基を表し、
63はヒドロキシル基、またはC1〜C10のアルキルアミノ基を表し、
64はヒドロキシル基、アミノ基、C1〜C4のアルキルアミノ基、C1〜C4のジアルキルアミノ基、またはアセチルアミノ基を表し、
65は水素、ヒドロキシル基、アミノ基、C1〜C4のアルキルアミノ基、C1〜C4のジアルキルアミノ基、アセチルアミノ基、フェニルアミノ基、またはベンゾイルアミノ基を表し、
66はヒドロキシル基、またはC1〜C10のアルキルアミノ基を表し、
67およびR68はそれぞれ独立して、ヒドロキシル基、またはアミノ基を表し、
69はヒドロキシル基、またはC1〜C10のアルキルアミノ基を表し、
70は水素、アミノ基、またはカルボキシル基を表し、
71およびR72はそれぞれ独立して、水素、C1〜C3のアルキル基、C1〜C3のアルコキシル基、またはハロゲン基を表し、
73はヒドロキシル基、C1〜C10のアルキルアミノ基、またはC1〜C10のアルキルアミノエチル基を表し、
74は水素、またはC1〜C10のアルキル基を表し、
75およびR76はそれぞれ独立して、水素、またはC1〜C10のアルキル基を表し、
そして、式(A−1)、(A−3)〜(A−6)にスルホン基が含まれる場合、そのス
ルホン基は−SO3HまたはC1〜C8のアルキルアミン塩、C1〜C16のジアルキルアミン塩、もしくはC1〜C24のトリアルキルアミン塩である]
から選択され、
Aは下記式(2)
【化5】
[R1およびR2はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1〜C3のアルキル基、またはC1〜C3のアルコキシル基を表し、
1は下記式(3)または下記式(4)
【化6】
{R3、R4およびR5はそれぞれ独立して、水素、C1〜C10のアルキル基、C1〜C3のヒドロキシアルキル基、重合性不飽和基を有する基、または下記式(5)
【化7】
(R6はC1〜C6のアルキレン基を表し、
7およびR8はそれぞれ独立して、水素、C1〜C4のアルキル基、C1〜C3のヒドロキシアルキル基、または重合性不飽和基を有する基を表す)を表す}を表す]を表し、
nは1〜4の整数を表し、またnが2〜4の場合はAのそれぞれは同一でも異なっても良く、かつ式(1)には少なくとも1つの重合性不飽和基を有する基が含まれ
ここで、重合性不飽和基を有する基は、−C(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−SO2−アリーレン−(C2〜C4)アルケニル基、−C(=O)NH−(C1〜C4)アルキレン−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−(C1〜C4)アルキレン−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−(C1〜C6)アルキレン(OH)−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、もしくは−SO2−(C2〜C6)アルケニル基、または−(C1〜C4)アルキレン−OHのヒドロキシル基の水素原子もしくは−(C1〜C4)アルキレン−NH2のアミノ基の水素原子が、−C(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−SO2−アリーレン−(C2〜C4)アルケニル基、−C(=O)NH−(C1〜C4)アルキレン−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−(C1〜C4)アルキレン−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−(C1〜C6)アルキレン(OH)−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、もしくは−SO2−(C2〜C6)アルケニル基で置換された基を表す〕で表されるアゾ化合物。
【請求項2】
下記式(6)
【化8】
〔R9はC1〜C4のアルキル基、またはトリフルオロメチル基を表し、
10はシアノ基、カルバモイル基、スルホン基、またはスルホメチル基を表し、
11は水素、C1〜C10のアルキル基、C2〜C8のアルコキシアルキル基、C1〜C4のヒドロキシアルキル基、C2〜C4のスルホアルキル基、重合性不飽和基を有する基、または下記式(7)
【化9】
(R14はC1〜C6のアルキレン基を表し、
15およびR16はそれぞれ独立して、水素、C1〜C4のアルキル基、C1〜C3のヒドロキシアルキル基、または重合性不飽和基を有する基を表す)を表し、
12およびR13はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1〜C3のアルキル基、またはC1〜C3のアルコキシル基を表し、
2は下記式(8)または下記式(9)
【化10】
{R17、R18およびR19はそれぞれ独立して、水素、C1〜C10のアルキル基、C1〜C3のヒドロキシアルキル基、重合性不飽和基を有する基、または下記式(10)
【化11】
(R20はC1〜C6のアルキレン基を表し、
21およびR22はそれぞれ独立して、水素、C1〜C4のアルキル基、C1〜C3のヒドロキシアルキル基、または重合性不飽和基を有する基を表す)を表す}を表し、かつ式(6)には少なくとも1つの重合性不飽和基を有する基が含まれ
ここで、重合性不飽和基を有する基は、−C(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−SO2−アリーレン−(C2〜C4)アルケニル基、−C(=O)NH−(C1〜C4)アルキレン−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−(C1〜C4)アルキレン−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−(C1〜C6)アルキレン(OH)−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、もしくは−SO2−(C2〜C6)アルケニル基、または−(C1〜C4)アルキレン−OHのヒドロキシル基の水素原子もしくは−(C1〜C4)アル
キレン−NH2のアミノ基の水素原子が、−C(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−SO2−アリーレン−(C2〜C4)アルケニル基、−C(=O)NH−(C1〜C4)アルキレン−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−(C1〜C4)アルキレン−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−(C1〜C6)アルキレン(OH)−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、もしくは−SO2−(C2〜C6)アルケニル基で置換された基を表す〕で表される請求項1記載のアゾ化合物。
【請求項3】
下記式(11)
【化12】
〔R23、R24、R25およびR26はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1〜C3のアルキル基、またはC1〜C3のアルコキシル基を表し、
27およびR28はそれぞれ独立して、C1〜C4のアルキル基、またはトリフルオロメチル基を表し、
29およびR30はそれぞれ独立して、シアノ基、またはカルバモイル基を表し、
3およびX4はそれぞれ独立して、下記式(12)または下記式(13)
【化13】
{R31、R32 およびR33はそれぞれ独立して、水素、C1〜C10のアルキル基、C1〜C3のヒドロキシアルキル基、重合性不飽和基を有する基、または下記式(14)
【化14】
(R34はC1〜C6のアルキレン基を表し、
35 およびR36はそれぞれ独立して、水素、C1〜C4のアルキル基、C1〜C3のヒドロキシアルキル基、または重合性不飽和基を有する基を表す)を表す}を表し、
YはC2〜C6のアルキレン基、または下記式(15)
【化15】
{R37およびR38はそれぞれ独立して、C1〜C4のアルキレン基を表し、
1はアリーレン基、複素環基、酸素原子、または下記式(16)
【化16】
(R39は水素、C1〜C4のアルキル基、または重合性不飽和基を有する基を表す)を表す}を表し、
ここで、重合性不飽和基を有する基は、−C(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−SO2−アリーレン−(C2〜C4)アルケニル基、−C(=O)NH−(C1〜C4)アルキレン−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−(C1〜C4)アルキレン−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−(C1〜C6)アルキレン(OH)−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、もしくは−SO2−(C2〜C6)アルケニル基、または−(C1〜C4)アルキレン−OHのヒドロキシル基の水素原子もしくは−(C1〜C4)アルキレン−NH2のアミノ基の水素原子が、−C(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−SO2−アリーレン−(C2〜C4)アルケニル基、−C(=O)NH−(C1〜C4)アルキレン−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−(C1〜C4)アルキレン−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−(C1〜C6)アルキレン(OH)−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、もしくは−SO2−(C2〜C6)アルケニル基で置換された基を表す〕で表される請求項1記載のアゾ化合物。
【請求項4】
下記式(17)
【化17】
〔R40、R41、R42およびR43はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1〜C3のアルキル基、またはC1〜C3のアルコキシル基を表し、
44およびR45はそれぞれ独立して、C1〜C4のアルキル基、またはトリフルオロメチル基を表し、
46およびR47はそれぞれ独立して、シアノ基、またはカルバモイル基を表し、
48およびR49はそれぞれ独立して、水素、C1〜C10のアルキル基、C2〜C8のアルコキシアルキル基、C1〜C4のヒドロキシアルキル基、重合性不飽和基を有する基、または下記式(18)
【化18】
(R50はC1〜C6のアルキレン基を表し、
51およびR52はそれぞれ独立して、水素、C1〜C4のアルキル基、C1〜C3のヒドロキシアルキル基、または重合性不飽和基を有する基を表す)を表し、
Zは複素環基、下記式(19)または下記式(20)
【化19】
[R53はC2〜C10のアルキレン基、または下記式(21)
【化20】
(R56はC2〜C10のアルキレン基、またはアリーレン基を表す)を表し、
54およびR55はそれぞれ独立して、水素、C1〜C10のアルキル基、C1〜C4のヒドロキシアルキル基、または重合性不飽和基を有する基を表し、
2はC2〜C6のアルキレン基、または下記式(22)
【化21】
{R57およびR58はそれぞれ独立して、C1〜C4のアルキレン基を表し、
3はアリーレン基、複素環基、酸素原子、または下記式(23)
【化22】
(R59は水素、C1〜C4のアルキル基、または重合性不飽和基を有する基を表す)を表す}を表す]を表し、
ここで、重合性不飽和基を有する基は、−C(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−SO2−アリーレン−(C2〜C4)アルケニル基、−C(=O)NH−(C1〜C4)アルキレン−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−(C1〜C4)アルキレン−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−(C1〜C6)アルキレン(OH)−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、もしくは−SO2−(C2〜C6)アルケニル基、または−(C1〜C4)アルキレン−OHのヒドロキシル基の水素原子もしくは−(C1〜C4)アルキレン−NH2のアミノ基の水素原子が、−C(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−SO2−アリーレン−(C2〜C4)アルケニル基、−C(=O)NH−(C1〜C4)アルキレン−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−(C1〜C4)アルキレン−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−(C1〜C6)アルキレン(OH)−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、もしくは−SO2−(C2〜C6)アルケニル基で置換された基を表す〕で表されるアゾ化合物。
【請求項5】
以下の式(F−6)、(F−7)、(F−19)または(F−20)
【化23】
から選択されるアゾ化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチルスルホニルフェニルアゾ骨格と重合性不飽和基を有することを特徴とするアゾ化合物に関するものである。本発明のアゾ化合物はインクジェット記録液用色素およびフェルトペンのインク用色素として非常に有用であり、さらにボールペン、万年筆等の筆記具用の記録液用色素にも利用することができる。
【背景技術】
【0002】
近年になってインクジェット記録方式はカラー画像を容易に作成できる手段として広く用いられるようになり、更なる高画質化が求められるようになってきている。
【0003】
この高画質化の実現を可能にするため、色素に求められる性能としては色調再現性が優れていること、光学濃度が高く、色調がシャープであることが求められ、更に太陽光を初めとして種々の光に対しての変退色、耐水性、耐湿性といった画像堅牢性が良好な色素が求められ、かつ溶媒への溶解性が高いこと、ノズルの目詰まりを生じないことが望まれている。
さらに環境変化(気温)が伴う中、インクジェット記録用の色素溶解液として最も重要である長期保存性も良好な色素が求められている。
【0004】
またフェルトペンのインク用色素に求められる性能も上記と同様に、色調再現性が優れていること、光学濃度が高く、色調がシャープであること、更に太陽光を初めとして種々の光に対しての変退色、耐水性、耐湿性といった画像堅牢性が良好な色素が求められ、かつ溶媒への溶解性が高いことが望まれている。
先行技術文献として、例えば特許文献1〜9には、アゾ化合物が提案されているが、それらが色素として市場で要求されている諸特性を十分に満足させるまでに至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭61−159459号公報
【特許文献2】特開平1−123866
【特許文献3】特開2000−302996号公報
【特許文献4】特表2002−535432号公報
【特許文献5】特表2002−535434号公報
【特許文献6】特開2004−75678号公報
【特許文献7】特開2009−299030号公報
【特許文献8】特開2010−1469号公報
【特許文献9】特開2012−46712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明は、色調再現性が優れており、光学濃度が高く、色調がシャープで、かつ太陽光を初めとして種々の光に対しての変退色、耐水性、耐湿性といった画像堅牢性が良好なインクジェット記録液用色素およびフェルトペンのインク用色素で、さらに高温または低温における過酷な環境下での色素の析出、変色などがなく長期保存性に非常に優れたインクジェット記録液用色素およびフェルトペンのインク用色素を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は前記したような特性を可能にするインクジェット記録液用色素およびフェルトペンのインク用色素に使用されるアゾ化合物を提供すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の1.〜4.を特徴とするものである。
【0008】
1.式(1)
D−(A)n (1)
〔Dはアゾ色素からなる色素母体を表し、
Aは下記式(2)
【化1】
[R1およびR2はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1〜C3のアルキル基、またはC1〜C3のアルコキシル基を表し、
1は下記式(3)または下記式(4)
【化2】
【化3】
{R3、R4およびR5はそれぞれ独立して、水素、C1〜C10のアルキル基、C1〜C3のヒドロキシアルキル基、重合性不飽和基を有する基、または下記式(5)
【化4】
(R6はC1〜C6のアルキレン基を表し、
7およびR8はそれぞれ独立して、水素、C1〜C4のアルキル基、C1〜C3のヒドロキシアルキル基、または重合性不飽和基を有する基を表す)を表す}を表す]を表し、
nは1〜4の整数を表し、またnが2〜4の場合はAのそれぞれは同一でも異なっても良く、かつ式(1)には少なくとも1つの重合性不飽和基が含まれる〕で表されるアゾ化合物。
【0009】
2.式(6)
【化5】
〔R9はC1〜C4のアルキル基、またはトリフルオロメチル基を表し、
10はシアノ基、カルバモイル基、スルホン基、またはスルホメチル基を表し、
11は水素、C1〜C10のアルキル基、C2〜C8のアルコキシアルキル基、C1〜C4のヒドロキシアルキル基、C2〜C4のスルホアルキル基、重合性不飽和基を有する基、または 下記式(7)
【化6】
(R14はC1〜C6のアルキレン基を表し、
15およびR16はそれぞれ独立して、水素、C1〜C4のアルキル基、C1〜C3のヒドロキシアルキル基、または重合性不飽和基を有する基を表す)を表し、
12およびR13はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1〜C3のアルキル基、またはC1〜C3のアルコキシル基を表し、
2は下記式(8)または下記式(9)
【化7】
【化8】
{R17、R18およびR19はそれぞれ独立して、水素、C1〜C10のアルキル基、C1〜C3のヒドロキシアルキル基、重合性不飽和基を有する基、または下記式(10)
【化9】
(R20はC1〜C6のアルキレン基を表し、
21およびR22はそれぞれ独立して、水素、C1〜C4のアルキル基、C1〜C3のヒドロキシアルキル基、または重合性不飽和基を有する基を表す)を表す}を表し、かつ式(6)には少なくとも1つの重合性不飽和基が含まれる〕で表される上記1.のアゾ化合物、
【0010】
3.式(11)
【化10】
〔R23、R24、R25およびR26はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1〜C3のアルキル基、またはC1〜C3のアルコキシル基を表し、
27およびR28はそれぞれ独立して、C1〜C4のアルキル基、またはトリフルオロメチル基を表し、
29およびR30はそれぞれ独立して、シアノ基、またはカルバモイル基を表し、
3およびX4はそれぞれ独立して、下記式(12)または下記式(13)
【化11】
【化12】
{R31、R32およびR33はそれぞれ独立して、水素、C1〜C10のアルキル基、C1〜C3のヒドロキシアルキル基、重合性不飽和基を有する基、または下記式(14)
【化13】
(R34はC1〜C6のアルキレン基を表し、
35およびR36はそれぞれ独立して、水素、C1〜C4のアルキル基、C1〜C3のヒドロキシアルキル基、または重合性不飽和基を有する基を表す)を表す}を表し、
YはC2〜C6のアルキレン基、または下記式(15)
【化14】
{R37およびR38はそれぞれ独立して、C1〜C4のアルキレン基を表し、
1はアリーレン基、複素環基、酸素原子、または下記式(16)
【化15】
(R39は水素、C1〜C4のアルキル基、または重合性不飽和基を有する基を表す)を表す}を表す〕で表される上記1.のアゾ化合物。
【0011】
4.式(17)
【化16】
〔R40、R41、R42およびR43はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1〜C3のアルキル基、またはC1〜C3のアルコキシル基を表し、
44およびR45はそれぞれ独立して、C1〜C4のアルキル基、またはトリフルオロメチル基を表し、
46およびR47はそれぞれ独立して、シアノ基、またはカルバモイル基を表し、
48およびR49はそれぞれ独立して、水素、C1〜C10のアルキル基、C2〜C8のアルコキシアルキル基、C1〜C4のヒドロキシアルキル基、重合性不飽和基を有する基、または 下記式(18)
【化17】
(R50はC1〜C6のアルキレン基を表し、
51およびR52はそれぞれ独立して、水素、C1〜C4のアルキル基、C1〜C3のヒドロキシアルキル基、または重合性不飽和基を有する基を表す)を表し、
Zは複素環基、下記式(19)または下記式(20)
【化18】
【化19】
[R53はC2〜C10のアルキレン基、または下記式(21)
【化20】
(R56はC2〜C10のアルキレン基、またはアリーレン基を表す)を表し、
54およびR55はそれぞれ独立して、水素、C1〜C10のアルキル基、C1〜C4のヒドロキシアルキル基、または重合性不飽和基を有する基を表し、
2はC2〜C6のアルキレン基、または下記式(22)
【化21】
{R57およびR58はそれぞれ独立して、C1〜C4のアルキレン基を表し、
3はアリーレン基、複素環基、酸素原子、または下記式(23)
【化22】
(R59は水素、C1〜C4のアルキル基、または重合性不飽和基を有する基を表す)を表す}を表す]を表す〕で表されるアゾ化合物。
【発明の効果】
【0012】
本発明のアゾ化合物は従来のものと比較して、耐光性、耐水性、耐湿性、保存安定性において優れているおり、高品質な画像が保たれるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のアゾ化合物において、前記式(1)中のDは、化合物を構成する原子団中に少なくとも1つはアゾ(−N=N−)結合を有する色素母体で、例えばベンゼンアゾ系、ナフタレンアゾ系、ピリドンアゾ系、ピラゾロンアゾ系、バルビツール酸アゾ系などの色素母体を表す。
Dの具体例としては、以下の(A−1)〜(A−8)が挙げられる。
【0014】
【化23】
【0015】
(式中、R9、R10、R11、R27、R28、R29およびR30は、前記式(6)または式(11)において定義されたとおりであり、R60はヒドロキシル基、アミノ基、C1〜C4のア
ルキルアミノ基、C1〜C4のジアルキルアミノ基、アセチルアミノ基などを表し、R61およびR62はそれぞれ独立して、水素、C1〜C3のアルキル基、C1〜C3のアルコキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、アセチルアミノ基、ハロゲン基などを表し、R63はヒドロキシル基、C1〜C10のアルキルアミノ基などを表し、R64はヒドロキシル基、アミノ基、C1〜C4のアルキルアミノ基、C1〜C4のジアルキルアミノ基、アセチルアミノ基などを表し、R65は水素、ヒドロキシル基、アミノ基、C1〜C4のアルキルアミノ基、C1〜C4のジアルキルアミノ基、アセチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などを表し、R66はヒドロキシル基、C1〜C10のアルキルアミノ基などを表し、R67およびR68はそれぞれ独立して、ヒドロキシル基、アミノ基などを表し、R69はヒドロキシル基、C1〜C10のアルキルアミノ基などを表し、R70は水素、アミノ基、C1〜C3のアルキル基、カルボキシル基などを表し、R71およびR72はそれぞれ独立して、水素、C1〜C3のアルキル基、C1〜C3のアルコキシル基、ハロゲン基などを表し、R73はヒドロキシル基、C1〜C10のアルキルアミノ基、C1〜C10のアルキルアミノエチル基などを表し、R74は水素、C1〜C10のアルキル基などを表し、R75およびR76はそれぞれ独立して、水素、C1〜C10のアルキル基などを表す。また式(A−1)、(A−3)〜(A−6)にスルホン基が含まれる場合、そのスルホン基は−SO3HまたはC1〜C8のアルキルアミン塩、C1〜C16のジアルキルアミン塩、C1〜C24のトリアルキルアミン塩でもよい。)
【0016】
また、前記式(1)中に少なくとも1つ含まれる重合性不飽和基は、ラジカル重合しうる不飽和基を意味し、具体的には、アルケニル基などが含まれる。したがって、前記式(1)中に含まれる重合性不飽和基を有する基は、上記不飽和基を有する基をいい、例えば−C(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−SO2−アリーレン−(C2〜C4)アルケニル基、−C(=O)NH−(C1〜C4)アルキレン−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−(C1〜C4)アルキレン−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基、−(C1〜C6)アルキレン(OH)−OC(=O)−(C2〜C6)アルケニル基および−SO2−(C2〜C6)アルケニル基、ならびにヒドロキシル基、第一級アミノ基、第二級アミノ基を含む基であって、前記基のヒドロキシル基またはアミノ基の水素原子が、前述のアルケニル基を含む基により置換された基などが挙げられる。ここで、前記のヒドロキシル基やアミノ基を含む基の具体例としては、−(C1〜C4)アルキレン−OH、−(C1〜C4)アルキレン−NH2などが挙げられ、また、前記におけるアリーレンとしては、5〜15個の炭素原子を含む芳香族単環式または二環式、例えば、フェニレン、ナフチレンなどが挙げられる。重合性不飽和基を有する基の具体例は、以下の(B−1)〜(B−12)、およびヒドロキシル基またはアミノ基の水素原子が(B−1)〜(B−12)により置換された、−(C1〜C4)アルキレン−OH、−(C1〜C4)アルキレン−NH2などである。
【0017】
【化24】
【0018】
また前記式(2)中のR1およびR2はそれぞれ独立して、例えば水素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、またはエトキシ基などであり、X1としては例えば前記式(B−1)〜(B−12)、またはヒドロキシル基またはアミノ基の水素原子が(B−1)〜(B−12)により置換された、−(C1〜C4)アルキレン−OH、−(C1〜C4)アルキレン−NH2などにより置換された基、もしくはヒドロキシル基、アミノ基、2−ヒドロキシエチルオキシ基、2−ヒドロキシプロピルオキシ基、エチルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、n−オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジ(2−エチルヘキシル)アミノ基、2−ヒドロキシエチルアミノ基、ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ基、3−(2−ヒドロキシエチルアミノ)プロピルアミノ基、2−アミノエチルアミノ基、4−アミノブチルアミノ基、6−アミノヘキシルアミノ基、ジ(3−アミノプロピル)アミノ基、ジエチルアミノエチルアミノ基、ジメチルアミノプロピルアミノ基、ジエチルアミノプロピルアミノ基またはN−メチル−N−(アミノエチル)アミノ基などが挙げられる。
【0019】
さらに前記式(1)の具体例としては、例えば、以下の(C−1)〜(C−12)が挙げられる。
【0020】
【化25】
【0021】
また前記式(6)中において、少なくとも1つは含まれる重合性不飽和基および重合性不飽和基を有する基としては、式(1)で説明したのと同様の基が挙げられ、R12およびR13はそれぞれ独立して、例えば水素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、またはエトキシ基などであり、R9は例えばメチル基、エチル基、プロピル基、またはトリフルオロメチル基などであり、R10はシアノ基、カルバモイル基、スルホン基、またはスルホメチル基であり、R11は例えば前記式(B−1)〜(B−12)、またはヒドロキシル基またはアミノ基の水素原子が(B−1)〜(B−12)により置換された、−(C1〜C4)アルキレン−OH、−(C1〜C4)アルキレン−NH2などの基、もしくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−イソプロポキシプロピル基、2−ヒドロキシエチル基、スルホエチル基、2−アミノエチル基、4−アミノブチル基、6−アミノヘキシル基、ジエチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、またはジエチルアミノプロピル基などであり、X2については、例えば前記式(B−1)〜(B−12)、またはヒドロキシル基またはアミノ基の水素原子が(B−1)〜(B−12)により置換された、−(C1〜C4)アルキレン−OH、−(C1〜C4)アルキレン−NH2などにより置換された基、もしくはヒドロキシル基、アミノ基、2−ヒドロキシエチルオキシ基、2−ヒドロキシプロピルオキシ基、エチルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、n−オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジ(2−エチルヘキシル)アミノ基、2−ヒドロキシエチルアミノ基、ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ基、3−(2−ヒドロキシエチルアミノ)プロピルアミノ基、2−アミノエチルアミノ基、4−アミノブチルアミノ基、6−アミノヘキシルアミノ基、ジ(3−アミノプロピル)アミノ基、ジエチルアミノエチルアミノ基、またはN−メチル−N−(アミノエチル)アミノ基などが挙げられる。
【0022】
さらに前記式(6)の具体例としては、例えば、以下の(D−1)〜(D−66)が挙げられる。
【0023】
【化26】
【0024】
【化27】
【0025】
【化28】
【0026】
【化29】
【0027】
【化30】
【0028】
また前記式(11)の定義中に記載された重合性不飽和基を有する基としては、式(1)で説明したのと同様の基が挙げられる。さらに前記式(11)中において、R23、R24、R25およびR26はそれぞれ独立して、例えば水素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、またはエトキシ基などであり、R27およびR28は例えばメチル基、エチル基、プロピル基、またはトリフルオロメチル基などがあり、R29およびR30はシアノ基、またはカルバモイル基であり、X3およびX4はそれぞれ独立して、例えば前記式(B−1)〜(B−12)、またはヒドロキシル基またはアミノ基の水素原子が(B−1)〜(B−12)により置換された、−(C1〜C4)アルキレン−OH、−(C1〜C4)アルキレン−NH2などにより置換された基、もしくはヒドロキシル基、アミノ基、2−ヒドロキシエチルオキシ基、2−ヒドロキシプロピルオキシ基、エチルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、n−オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジ(2−エチルヘキシル)アミノ基、2−ヒドロキシエチルアミノ基、ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ基、3−(2−ヒドロキシエチルアミノ)プロピルアミノ基、2−アミノエチルアミノ基、4−アミノブチルアミノ基、6−アミノヘキシルアミノ基、ジ(3−アミノプロピル)アミノ基、ジエチルアミノエチルアミノ基、またはN−メチル−N−(アミノエチル)アミノ基などがあり、Yは例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、前記式(B−1)〜(B−12)、またはヒドロキシル基またはアミノ基の水素原子が(B−1)〜(B−12)により置換された、−(C1〜C4)アルキレン−OH、−(C1〜C4)アルキレン−NH2などにより置換された連結基、または下記式
【化31】
などである。
【0029】
また、前記式(11)の定義中に記載されたアリーレン基としては、5〜15個の炭素原子を含む芳香族単環式または二環式環、例えば、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられ、複素環としては、ヘテロ原子として2個の窒素原子を含む5〜10員の飽和環式環、例えば、ピペラジンなどが挙げられる。
【0030】
さらに前記式(11)の具体例としては、例えば、以下の(F−1)〜(F−24)が挙げられる。
【0031】
【化32】
【0032】
【化33】
【0033】
【化34】
【0034】
また前記式(17)の定義中に記載された重合性不飽和基を有する基としては、式(1)で説明したのと同様の基が挙げられる。さらに前記式(17)中において、R40、R41、R42およびR43はそれぞれ独立して、例えば水素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、またはエトキシ基などであり、R44およびR45はそれぞれ独立して、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、またはトリフルオロメチル基などであり、R46およびR47はそれぞれ独立して、シアノ基、またはカルバモイル基であり、R48およびR49はそれぞれ独立して、例えば前記式(B−1)〜(B−12)、またはヒドロキシル基またはアミノ基の水素原子が(B−1)〜(B−12)により置換された、−(C1〜C4)アルキレン−OH、−(C1〜C4)アルキレン−NH2などの基、もしくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−イソプロポキシプロピル基、2−ヒドロキシエチル基、2−アミノエチル基、4−アミノブチル基、6−アミノヘキシル基、ジエチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、またはジエチルアミノプロピル基などであり、Zは例えばエチレンジアミン基、プロピレンジアミン基、ブチレンジアミン基、ヘキシレンジアミン基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基、メチルジカルボキシル基、エチルジカルボキシル基、プロピルジカルボキシル基、ヘキシルジカルボキシル基、ベンゼンジカルボキシル基、前記式(B−1)〜(B−12)、またはヒドロキシル基またはアミノ基の水素原子が(B−1)〜(B−12)により置換された、−(C1〜C4)アルキレン−OH、−(C1〜C4)アルキレン−NH2などにより置換された連結基、または下記式
【化35】
などである。
【0035】
また、前記式(17)の定義中に記載されたアリーレン基としては、5〜15個の炭素原子を含む芳香族単環式または二環式環、例えば、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられ、複素環としては、ヘテロ原子として2個の窒素原子を含む5〜10員の飽和環式環、例えば、ピペラジンなどが挙げられる。
【0036】
さらに前記式(17)の具体例としては、例えば、(H−1)〜(H−28)が挙げられる。
【0037】
【化36】
【0038】
【化37】
【0039】
【化38】
【0040】
【化39】
【0041】
本発明の前記式(1)、式(6)、式(11)、および式(17)で表されるアゾ色素は、公知の方法で容易に製造することができる。例えば、ジアゾ成分については4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリンとアミノ基またはヒドロキシル基を有する脂肪族炭化水素などとを特開2002−348492に記載されているような公知の方法で製造することができ、ジアゾ化およびカップリング反応においても公知の方法で実施することができる。また重合性不飽和基との反応においては、アクリロイルクロリド、メタロイルクロリド、2−イソシアナートエチルアクリレート、2−イソシアナートエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ビニルスルホニルクロリド、アリルスルホニルクロリド、メタリルスルホニルクロリドなどと公知の方法で実施することができる。
【0042】
このようにして得られる反応液を濾過、水洗して無機塩を充分に取り除くことで脱塩処理を行った脱塩湿ケーキを得ることができる。無機塩が充分に取り除けていない場合は上記にて得られた湿ケーキをメタノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド等の有機溶剤を使用して脱塩処理を行うことにより脱塩湿ケーキを得ることができる。
【0043】
得られた脱塩湿ケーキを乾燥後、得られたアゾ化合物をインク化する溶解剤の具体例としては、トルエン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
【0044】
具体的には、本発明の式(6)の化合物の一つである式(30)で表されるアゾ色素の製造方法としては、例えば、式(24)で表わされる化合物と式(25)で表わされる化合物とを水中にて水酸化ナトリウム水溶液を添加して反応させることで、式(26)で表される化合物が得られる。次に、式(26)で表される化合物に鉱酸、亜硝酸ナトリウム水溶液を滴下し、過剰の亜硝酸を分解して、式(27)で表わされる化合物とをソーダ灰を含む水溶液中で、水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.0〜8.0に保持しながら反応させ、式(28)で表わされる化合物を得る。得られた式(28)で表わされる化合物を式(29)で表わされる化合物と、テトラヒドロフラン中ピリジンの存在下で反応させ、得られた反応液を濃縮し、水に滴下して、式(30)で表わされる化合物を得る。
【0045】
【化40】
(上記式中、R9〜R13は式(6)のものと同様の意味を表し、R18は式(9)のものと同様の意味を表し、R19はC1〜C3のヒドロキシアルキル基、Wは重合性不飽和基を有する基を表し、mは1〜3の整数を表す。)
【0046】
また、式(25)においてR19がC1〜C6のアミノアルキル基である化合物を用い、上記と同様の操作により、下記式(31)の化合物を得ることができる。
【0047】
【化41】
(上記式(31)中、R9〜R13は式(6)のものと同様の意味を表し、R18は式(9)のものと同様の意味を表し、Wは重合性不飽和基を有する基を表し、oは1〜6の整数を表す。)
【0048】
また上記の製造方法は、目的とする最終生成物に応じて、種々変更が可能であり、例えば、上記式(30)または上記式(31)の化合物の製造方法において、式(29)の化合物を例えば2−イソシアナートエチルアクリレートに変更し、テトラヒドロフラン中ヘキサメチレンジアミンおよびジラウリン酸ジブチルスズ(II)存在下で反応させることで、下記式(32)または下記式(33)の化合物が得られ、式(29)の化合物を例えばp-スチレンスルホニルクロリドに変更し、テトラヒドロフラン中トリエチルアミン存在下で反応させることで、下記式(34)または下記式(35)の化合物が得られ、式(29)の化合物を例えば2−ヒドロキシエチルアクリレートに変更し、ジメチルホルムアミド中テトラブチルアンモニウムブロミドおよび4−tert−ブチルピロカテコール存在下で反応させることで、下記式(36)または下記式(37)の化合物が得られ、式(29)の化合物を例えばグリシジルアクリレートに変更し、ジメチルホルムアミド中テトラブチルアンモニウムブロミドおよび4−tert−ブチルピロカテコール存在下で反応させることで、下記式(38)または下記式(39)の化合物が得られる。
【0049】
【化42】
(上記式(32)〜(39)中、R9〜R13は式(6)のものと同様の意味を表し、R18は式(7)のものと同様の意味を表し、mは1〜3の整数を表し、oは1〜6の整数を表す。)
【0050】
また、式(30)の化合物の製造方法において、式(25)の化合物を添加することなく反応を行うことにより、式(6)の化合物の一つである式(40)の化合物を得ることができる。
【0051】
【化43】
(上記式(40)中、R9〜R13は式(6)のものと同様の意味を表し、Wは重合性不飽和基を有する基を表す。)
【0052】
また上記式(30)〜(40)の化合物の製造方法と同処方で、式(27)の化合物を下記式(41)の化合物に変更することで、式(11)に含まれる化合物を得ることができる。
【0053】
【化44】
(上記式(41)中、R27〜R30およびYは式(11)のものと同じ意味を表す。)
【0054】
上記式(41)の具体的な製造方法としては、例えば、NH2−Y−NH2、シアノ酢酸エチル、アセト酢酸エチルの混合物をピペリジン存在下で反応させることにより、R27およびR28がメチル基、R29およびR30がシアノ基となる二量体ピリドン化合物が得られる。
【0055】
また上記式(30)〜(40)の製造方法と同処方で、式(26)の化合物を下記式(42)の化合物に変更することで、式(17)に含まれる化合物を得ることができる。
【0056】
【化45】
(上記式(42)中、R40〜R43およびZは式(17)のものと同じ意味を表す。)
【0057】
上記式(42)の化合物については、上記式(26)の化合物の製造方法と同処方で、式(25)の化合物を複素環、HO−R53−OHまたはR54HN−L2−NHR55(R53は、式(19)のものと同じ意味を表し、L2、R54、R55は、式(20)のものと同じ意味を表す。)に変更し、前記化合物に対して式(24)の化合物を二当量反応させることで得られる。
【0058】
本発明のアゾ化合物は特にインクジェット記録液用色素およびフェルトペンのインク用色素として非常に有用であり、記録液用色素として色調再現性が優れており、光学濃度が高く、色調がシャープで、かつ太陽光を初めとして種々の光に対しての変退色、耐水性、耐湿性といった画像堅牢性に優れており、かつ保存または使用時における高温または低温による色素溶解液の安定性に優れているため、噴出機(インクヘッド)の目詰まりもなく、噴出安定性が非常に良好である。さらにフェルトペンのインク用色素としても色調再現性が優れており、光学濃度が高く、色調がシャープで、かつ太陽光を初めとして種々の光に対しての変退色、耐水性、耐湿性といった画像堅牢性に優れており、かつ保存または使用時における高温または低温による色素溶解液の安定性に優れている。
【0059】
また本発明のアゾ化合物は特にインクジェット記録液用色素およびフェルトペンのインク用色素として、特に優れた特性を有しているが、その他ボールペン、万年筆等の筆記具用の記録液用色素にも利用できる。
これら種々の性能に対し、本発明のアゾ化合物は従来に見られない優れた特徴を有すると言える。
【実施例】
【0060】
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお実施例中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を意味する。
[実施例1]
<化合物(D−10)の合成>
4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 141部を水 1700部を加えた後、N−メチルアミノエタノール 38部および水酸化ナトリウム 60部を添加し、80℃で3時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 400部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 87部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で30分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0061】
このジアゾ化物を3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピリドン 103部、水 1500部、ソーダ灰 35部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで下記式(I−1)の色素230部を得た。
【0062】
【化46】
前記式(I−1)の色素 23.8部をテトラヒドロフラン 500部に溶解後、遮光しながらアクリロイルクロリド 5.0部、ピリジン 4.3部を添加し、20〜30℃で3時間撹拌した。
【0063】
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(D−10)で表される色素 25.3部を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0064】
[実施例2]
<化合物(D−11)の合成>
実施例1にて合成された前記式(I−1)の色素 23.8部をテトラヒドロフラン500部に溶解後、遮光しながらメタクリロイルクロリド 5.7部、ピリジン 4.3部を添加し、20〜30℃で3時間撹拌した。
【0065】
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(D−11)で表される色素 26.1部を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0066】
[実施例3]
<化合物(D−12)の合成>
実施例1にて合成された前記式(I−1)の色素 23.8部をテトラヒドロフラン500部に溶解後、ヘキサメチレンジアミン 0.02部およびジラウリン酸ジブチルスズ(II)0.1部を添加した。そこに遮光しながら2−イソシアナートエチルアクリレート 7.8部をゆっくり添加し、40℃で4時間撹拌した。
【0067】
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(D−12)で表される色素 27.8部を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0068】
[実施例4]
<化合物(D−13)の合成>
実施例1にて合成された前記式(I−1)の色素 23.8部をテトラヒドロフラン 500部に溶解後、ヘキサメチレンジアミン 0.02部およびジラウリン酸ジブチルスズ(II)0.1部を添加した。そこに遮光しながら2−イソシアナートエチルメタクリレート 8.5部をゆっくり添加し、40℃で4時間撹拌した。
【0069】
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下し た。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(D−13)で表される色素 27.8部を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0070】
[実施例5]
<化合物(D−14)の合成>
実施例1にて合成された前記式(I−1)の色素 23.8部をテトラヒドロフラン500部に溶解後、遮光しながらp−スチレンスルホニルクロリド 10.6部、トリエチルアミン 5.3部を添加し、20〜30℃で3時間撹拌した。
【0071】
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下し た。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(D−14)で表される色素 29.9部を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0072】
[実施例6]
<化合物(D−15)の合成>
実施例1にて合成された前記式(I−1)の色素 23.8部をジメチルホルムアミド 200部に溶解後、遮光しながらテトラブチルアンモニウムブロミド 0.2部、4−tert−ブチルピロカテコール 0.4部、2−ヒドロキシエチルアクリレート 17.4部を添加し、120〜130℃で5時間撹拌した。
【0073】
得られた反応液を水 1000部に滴下し、析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(D−15)で表される色素 25.8部を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0074】
[実施例7]
<化合物(D−16)の合成>
実施例1にて合成された前記式(I−1)の色素 23.8部をジメチルホルムアミド 200部に溶解後、遮光しながらテトラブチルアンモニウムブロミド 0.2部、4−tert−ブチルピロカテコール 0.4部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート19.5部を添加し、120〜130℃で5時間撹拌した。
【0075】
得られた反応液を水 1000部に滴下し、析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(D−16)で表される色素 25.8部を得た。この色素の最大吸収波長は421.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0076】
[実施例8]
<化合物(D−17)の合成>
実施例1にて合成された前記式(I−1)の色素 23.8部をジメチルホルムアミド 200部に溶解後、遮光しながらテトラブチルアンモニウムブロミド 0.2部、4−tert−ブチルピロカテコール 0.4部、グリシジルアクリレート 19.2部を添加し、120〜130℃で4時間撹拌した。
【0077】
得られた反応液を水 1000部に滴下し、析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(D−17)で表される色素 28.1部を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0078】
[実施例9]
<化合物(D−18)の合成>
実施例1にて合成された前記式(I−1)の色素 23.8部をジメチルホルムアミド 200部に溶解後、遮光しながらテトラブチルアンモニウムブロミド 0.2部、4−tert−ブチルピロカテコール 0.4部、グリシジルメタクリレート 21.3部を添加し、120〜130℃で4時間撹拌した。
【0079】
得られた反応液を水 1000部に滴下し、析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(D−18)で表される色素 28.7部を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0080】
[実施例10]
<化合物(D−64)の合成>
実施例1にて合成された前記式(I−1)の色素 23.8部をテトラヒドロフラン500部に溶解後、遮光しながらビニルスルホニルクロリド 7.0部、トリエチルアミン 5.3部を添加し、20〜30℃で3時間撹拌した。
【0081】
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(D−
64)で表される色素 26.1部を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0082】
[実施例11]
<化合物(D−65)の合成>
実施例1にて合成された前記式(I−1)の色素 23.8部をテトラヒドロフラン500部に溶解後、遮光しながらアリルスルホニルクロリド 7.7部、トリエチルアミン 5.3部を添加し、20〜30℃で3時間撹拌した。
【0083】
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(D−65)で表される色素 26.2部を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0084】
[実施例12]
<化合物(D−66)の合成>
実施例1にて合成された前記式(I−1)の色素 23.8部をテトラヒドロフラン500部に溶解後、遮光しながらメタリルスルホニルクロリド7.8部、トリエチルアミン5.3部を添加し、20〜30℃で3時間撹拌した。
【0085】
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(D−66)で表される色素 26.5部を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0086】
[実施例13]
<化合物(C−1)の合成>
4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 28.1部を水 350部を加えた後、エチレンジアミン 6.3部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で3時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 18部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0087】
このジアゾ化物をジエチルアニリン 14.6部、水 300部、濃塩酸 11部の溶解液に5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥し、乾燥ケーキ 37.4部を得た。
【0088】
得られた乾燥ケーキ 20.2部をテトラヒドロフラン 500部に溶解後、遮光しながらアクリロイルクロリド 5.0部、ピリジン 4.3部を添加し、20〜30℃で2時間撹拌した。
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(C−1)で表される色素 20.6部を得た。この色素の最大吸収波長は457.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0089】
[実施例14]
<化合物(C−2)の合成>
4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 28.1部を水 350部を加えた
後、28%アンモニア水 63部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で5時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸120部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 18部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0090】
このジアゾ化物をフェノール 9.8部、水 200部、水酸化ナトリウム 4.3部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥し、乾燥ケーキ 29.0部を得た。
【0091】
得られた乾燥ケーキ 15.3部をテトラヒドロフラン 500部に溶解後、ヘキサメチレンジアミン 0.02部およびジラウリン酸ジブチルスズ(II)0.1部を添加した。そこに遮光しながら2−イソシアナートエチルアクリレート 7.8部をゆっくり添加し、40℃で4時間撹拌した。
【0092】
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(C−2)で表される色素 21.4部を得た。この色素の最大吸収波長は449.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0093】
[実施例15]
<化合物(C−3)の合成>
4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 28.1部を水 350部を加えた後、ジエタノールアミン 11部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で5時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 18部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0094】
このジアゾ化物をフェニルJ酸 31.7部、水 500部、水酸化ナトリウム 4.2部の溶解液に5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で2時間撹拌した。
撹拌後、トリ−n−オクチルアミン 36部、62.5%硫酸 30部を添加し、70〜80℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥し、乾燥ケーキ 79.6部を得た。
【0095】
得られた乾燥ケーキ 43.8部をテトラヒドロフラン 500部に溶解後、遮光しながらアクリロイルクロリド 10.0部、ピリジン 8.6部を添加し、20〜30℃で2時間撹拌した。
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(C−3)で表される色素 42.4部を得た。この色素の最大吸収波長は510.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0096】
[実施例16]
<化合物(C−4)の合成>
2−メトキシ−5−メチル−4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 32.5部を水 350部を加えた後、水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で6時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 18部を
5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0097】
このジアゾ化物を1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸 30.7部、水 500部、水酸化ナトリウム 4.2部の溶解液に5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で3時間撹拌した。
撹拌後、トリ−n−オクチルアミン 71部、62.5%硫酸 30部を添加し、70〜80℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥し、乾燥ケーキ 113.9部を得た。
【0098】
得られた乾燥ケーキ 63.3部をテトラヒドロフラン 500部に溶解後、ヘキサメチレンジアミン 0.02部およびジラウリン酸ジブチルスズ(II)0.1部を添加した。そこに遮光しながら2−イソシアナートエチルアクリレート 7.8部をゆっくり添加し、40℃で5時間撹拌した。
【0099】
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(C−4)で表される色素 64.7部を得た。この色素の最大吸収波長は516.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0100】
[実施例17]
<化合物(C−5)の合成>
4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 28.1部を水 350部を加えた後、水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で5時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 18部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0101】
このジアゾ化物を下記式(I−2)の化合物36.8部、水 500部、水酸化ナトリウム 4.2部の溶解液に5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥し、乾燥ケーキ 56.8部を得た。
【0102】
得られた乾燥ケーキ 28.9部をテトラヒドロフラン 500部に溶解後、遮光しながらアクリロイルクロリド 5.0部、ピリジン 4.3部を添加し、20〜30℃で2時間撹拌した。
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(C−5)で表される色素 30.0部を得た。この色素の最大吸収波長は396.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0103】
【化47】
【0104】
[実施例18]
<化合物(C−6)の合成>
3−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 28.1部を水 350部を加えた後、N−メチルアミノエタノール 7.7部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で3時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 18部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0105】
このジアゾ化物を下記式(I−3)の化合物39.6部、水 300部、水酸化ナトリウム 4.2部の溶解液に5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥し、乾燥ケーキ 63.6部を得た。
【0106】
得られた乾燥ケーキ 33.1部をテトラヒドロフラン 500部に溶解後、遮光しながらメタクリロイルクロリド 5.7部、ピリジン 4.3部を添加し、20〜30℃で3時間撹拌した。
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(C−6)で表される色素 35.3部を得た。この色素の最大吸収波長は392.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0107】
【化48】
【0108】
[実施例19]
<化合物(C−7)の合成>
2−エトキシ−4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 32.5部を水350部を加えた後、2-エチルヘキシルアミン 13.5部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で3時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 18部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0109】
このジアゾ化物をバツビツル酸 13.0部、水 300部、水酸化ナトリウム 4.2部の溶解液に5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥し、乾燥ケーキ 49.0部を得た。
【0110】
得られた乾燥ケーキ 24.8部をテトラヒドロフラン 500部に溶解後、遮光しながらアクリロイルクロリド 5.0部、ピリジン 4.3部を添加し、20〜30℃で6時間撹拌した。
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(C−7)で表される色素 26.4部を得た。この色素の最大吸収波長は399.0nm(酢酸
エチル中)であった。
【0111】
[実施例20]
<化合物(C−8)の合成>
4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 28.1部を水 350部を加えた後、3,3'−ジアミノジプロピルアミン 13.6部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で2時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 18部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0112】
このジアゾ化物をN,N'−ジブチルバツビツル酸 24.2部、水 300部、水酸化ナトリウム 4.2部の溶解液に5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥し、乾燥ケーキ 51.9部を得た。
【0113】
得られた乾燥ケーキ 26.6部をテトラヒドロフラン 500部に溶解後、遮光しながらアクリロイルクロリド 10.0部、ピリジン 8.6部を添加し、20〜30℃で1時間撹拌した。
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(C−8)で表される色素 29.7部を得た。この色素の最大吸収波長は404.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0114】
[実施例21]
<化合物(C−9)の合成>
3−メチル−4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 29.5部を水 350部を加えた後、N−メチルエチレンジアミン 7.6部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で2時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 18部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0115】
このジアゾ化物を3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン 26.5部、水 300部、水酸化ナトリウム 4.2部の溶解液に5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥し、乾燥ケーキ 52.8部を得た。
【0116】
得られた乾燥ケーキ 27.2部をテトラヒドロフラン 500部に溶解後、遮光しながらp−スチレンスルホニルクロリド 10.6部、トリエチルアミン 5.3部を添加し、20〜30℃で2時間撹拌した。
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(C−9)で表される色素 33.9部を得た。この色素の最大吸収波長は426.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0117】
[実施例22]
<化合物(C−10)の合成>
4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 28.1部を水 350部を加えた
後、N,N−ジエチルアミノエチルアミン 12.0部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で4時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 18部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0118】
このジアゾ化物を3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピリドン 19.8部、水 300部、水酸化ナトリウム 4.2部の溶解液に5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥し、乾燥ケーキ 48.4部を得た。
【0119】
得られた乾燥ケーキ 25.2部をジメチルホルムアミド 200部に溶解後、遮光しながらテトラブチルアンモニウムブロミド 0.2部、4−tert−ブチルピロカテコール
0.4部、グリシジルメタクリレート 21.3部を添加し、120〜130℃で4時間撹拌した。
【0120】
得られた反応液を水 1000部に滴下し、析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(C−10)で表される色素 30.5部を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0121】
[実施例23]
<化合物(C−11)の合成>
3−メトキシ−4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 31.1部を水350部を加えた後、水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で6時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 18部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0122】
このジアゾ化物を3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピリドン 21.0部、水 300部、水酸化ナトリウム 4.2部の溶解液に5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥し、乾燥ケーキ 42.4部を得た。
【0123】
得られた乾燥ケーキ 22.5部をジメチルホルムアミド 200部に溶解後、遮光しながらテトラブチルアンモニウムブロミド 0.2部、4−tert−ブチルピロカテコール
0.4部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート 19.5部を添加し、120〜130℃で5時間撹拌した。
【0124】
得られた反応液を水 1000部に滴下し、析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(C−11)で表される色素 25.8部を得た。この色素の最大吸収波長は427.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0125】
[実施例24]
<化合物(C−12)の合成>
3−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 28.1部を水 350部を加えた後、2−エチルヘキシルアミン 13.4部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で4時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム
水溶液 18部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0126】
このジアゾ化物を3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピリドン 19.8部、水 300部、水酸化ナトリウム 4.2部の溶解液に5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥し、乾燥ケーキ 50.5部を得た。
【0127】
得られた乾燥ケーキ 25.9部をテトラヒドロフラン 500部に溶解後、遮光しながらビニルスルホニルクロリド 7.0部、トリエチルアミン 5.3部を添加し、20〜30℃で3時間撹拌した。
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下し、
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(C−12)で表される色素 28.3部を得た。この色素の最大吸収波長は417.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0128】
[実施例25]
<化合物(D−1)の合成>
4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 141部を水 1700部を加えた後、水酸化ナトリウム 60部を添加し、80℃で6時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 400部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 87部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で30分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0129】
このジアゾ化物を3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピリドン 103部、水 1500部、ソーダ灰 35部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで下記式(I−4)の色素 205部を得た。
【0130】
【化49】
前記式(I−4)の色素 20.9部をテトラヒドロフラン 500部に溶解後、遮光しながらアクリロイルクロリド 5.0部、ピリジン 4.3部を添加し、20〜30℃で3時間撹拌した。
【0131】
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(D−1)で表される色素 22.2部を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0132】
[実施例26]
<化合物(D−2)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−4)の色素を使用したこと以外は実施例2と同様
に行うことで式(D−2)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は421.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0133】
[実施例27]
<化合物(D−3)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−4)の色素を使用したこと以外は実施例3と同様に行うことで式(D−3)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0134】
[実施例28]
<化合物(D−4)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−4)の色素を使用したこと以外は実施例4と同様に行うことで式(D−4)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0135】
[実施例29]
<化合物(D−5)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−4)の色素を使用したこと以外は実施例5と同様に行うことで式(D−5)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0136】
[実施例30]
<化合物(D−6)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−4)の色素を使用したこと以外は実施例6と同様に行うことで式(D−6)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は421.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0137】
[実施例31]
<化合物(D−7)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−4)の色素を使用したこと以外は実施例7と同様に行うことで式(D−7)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0m(酢酸エチル中)であった。
【0138】
[実施例32]
<化合物(D−8)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−4)の色素を使用したこと以外は実施例8と同様に行うことで式(D−8)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5m(酢酸エチル中)であった。
【0139】
[実施例33]
<化合物(D−9)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−4)の色素を使用したこと以外は実施例9と同様に行うことで式(D−9)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0m(酢酸エチル中)であった。
【0140】
[実施例34]
<化合物(D−19)の合成>
N−メチルアミノエタノールに変えて2−エチルヘキシルアミンを、3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピリドンを3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例1
と同様に行うことで下記式(I−5)の色素を得た。
【0141】
【化50】
さらに式(I−1)の色素に変えて式(I−5)の色素を使用したこと以外は実施例1と同様に行うことで式(D−19)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0142】
[実施例35]
<化合物(D−20)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−5)の色素を使用したこと以外は実施例2と同様に行うことで式(D−20)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0m(酢酸エチル中)であった。
【0143】
[実施例36]
<化合物(D−21)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−5)の色素を使用したこと以外は実施例3と同様に行うことで式(D−21)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は421.5m(酢酸エチル中)であった。
【0144】
[実施例37]
<化合物(D−22)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−5)の色素を使用したこと以外は実施例4と同様に行うことで式(D−22)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5m(酢酸エチル中)であった。
【0145】
[実施例38]
<化合物(D−23)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−5)の色素を使用したこと以外は実施例5と同様に行うことで式(D−23)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0m(酢酸エチル中)であった。
【0146】
[実施例39]
<化合物(D−24)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−5)の色素を使用したこと以外は実施例6と同様に行うことで式(D−24)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0m(酢酸エチル中)であった。
【0147】
[実施例40]
<化合物(D−25)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−5)の色素を使用したこと以外は実施例7と同様に行うことで式(D−25)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0m(酢酸エチル中)であった。
【0148】
[実施例41]
<化合物(D−26)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−5)の色素を使用したこと以外は実施例8と同様に行うことで式(D−26)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5m(酢酸エチル中)であった。
【0149】
[実施例42]
<化合物(D−27)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−5)の色素を使用したこと以外は実施例9と同様に行うことで式(D−27)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5m(酢酸エチル中)であった。
【0150】
[実施例43]
<化合物(D−28)の合成>
3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピリドンに変えて3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピリドン を使用したこと以外は実施例25と同様に行うことで下記式(I−6)の色素を得た。
【0151】
【化51】
さらに式(I−4)の色素に変えて式(I−6)の色素を使用したこと以外は実施例25と同様に行うことで式(D−28)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は421.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0152】
[実施例44]
<化合物(D−29)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−6)の色素を使用したこと以外は実施例2と同様に行うことで式(D−29)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0m(酢酸エチル中)であった。
【0153】
[実施例45]
<化合物(D−30)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−6)の色素を使用したこと以外は実施例3と同様に行うことで式(D−30)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5m(酢酸エチル中)であった。
【0154】
[実施例46]
<化合物(D−31)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−6)の色素を使用したこと以外は実施例4と同様に行うことで式(D−31)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5m(酢酸エチル中)であった。
【0155】
[実施例47]
<化合物(D−32)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−6)の色素を使用したこと以外は実施例6と同様に行うことで式(D−32)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0m(酢酸エチル中)であった。
【0156】
[実施例48]
<化合物(D−33)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−6)の色素を使用したこと以外は実施例7と同様に行うことで式(D−33)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5m(酢酸エチル中)であった。
【0157】
[実施例49]
<化合物(D−34)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−6)の色素を使用したこと以外は実施例8と同様に行うことで式(D−34)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は421.5m(酢酸エチル中)であった。
【0158】
[実施例50]
<化合物(D−35)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−6)の色素を使用したこと以外は実施例9と同様に行うことで式(D−35)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0m(酢酸エチル中)であった。
【0159】
[実施例51]
<化合物(D−36)の合成>
3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピリドンに変えて3−シアノ−4−トリフルオロメチル−6−ヒドロキシ−N−(2−エチルヘキシル)−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例25と同様に行うことで下記式(I−7)の色素を得た。
【0160】
【化52】
さらに式(I−1)の色素に変えて式(I−7)の色素を使用したこと以外は実施例5と同様に行うことで式(D−36)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は430.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0161】
[実施例52]
<化合物(D−37)の合成>
N−メチルアミノエタノールに変えてアンモニア水を、3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピリドンを3−シアノ−4−エチル−6−ヒドロキシ−N−エチル−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例1と同様に行うことで下記式(I−8)の色素を得た。
【0162】
【化53】
さらに式(I−1)の色素に変えて式(I−8)の色素を使用したこと以外は実施例1
と同様に行うことで式(D−37)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は425.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0163】
[実施例53]
<化合物(D−38)の合成>
2−クロロ−4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 31.6部を水 350部を加えた後、28%アンモニア水 63部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で5時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 120部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 18部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0164】
このジアゾ化物を3−カルバモイル−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−ヘキシル−2−ピリドン 25.2部、水 300部、ソーダ灰 10部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで乾燥ケーキ 47.7部を得た。
【0165】
得られた乾燥ケーキ 24.9部をテトラヒドロフラン500部に溶解後、遮光しながらメタクリロイルクロリド 5.7部、ピリジン 4.3部を添加し、20〜30℃で3時間撹拌した。
【0166】
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(D−38)で表される色素 26.5部を得た。この色素の最大吸収波長は419.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0167】
[実施例54]
<化合物(D−39)の合成>
2−メトキシ−4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 31.1部を水 350部を加えた後、28%アンモニア水 63部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で5時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 120部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 18部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0168】
このジアゾ化物を3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(3−イソプロポキシプロピル)−2−ピリドン 25.3部、水 300部、ソーダ灰 10部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで乾燥ケーキ 47.2部を得た。
【0169】
得られた乾燥ケーキ 24.7部ををテトラヒドロフラン 500部に溶解後、ヘキサメチレンジアミン 0.02部およびジラウリン酸ジブチルスズ(II)0.1部を添加した。そこに遮光しながら2−イソシアナートエチルメタクリレート 8.5部をゆっくり添加し、40℃で4時間撹拌した。
【0170】
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(D−39)で表される色素 29.0部を得た。この色素の最大吸収波長は428.0nm(酢
酸エチル中)であった。
【0171】
[実施例55]
<化合物(D−40)の合成>
3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピリドンに変えて3−シアノ−4−エチル−6−ヒドロキシ−N−(2−アミノエチル)−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例25と同様に行うことで下記式(I−9)の色素を得た。
【0172】
【化54】
さらに式(I−1)の色素に変えて式(I−9)の色素を使用したこと以外は実施例2と同様に行うことで式(D−40)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は427.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0173】
[実施例56]
<化合物(D−41)の合成>
N−メチルアミノエタノールに変えてアンモニア水を、3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピリドンに変えて3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例1と同様に行うことで下記式(I−9)の色素を得た。
【0174】
【化55】
さらに式(I−1)の色素に変えて式(I−10)の色素を使用したこと以外は実施例4と同様に行うことで式(D−41)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0175】
[実施例57]
<化合物(D−42)の合成>
2−エトキシ−4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 32.5部を水 350部を加えた後、水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で5時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 18部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0176】
このジアゾ化物を3−スルホ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−メチル−2−ピリドン 21.9部、水 300部、ソーダ灰 10部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で2時間撹拌した。
【0177】
撹拌後、トリ−n−オクチルアミン 36部、62.5%硫酸 30部を添加し、70〜
80℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥し、乾燥ケーキ 77.2部を得た。
【0178】
得られた乾燥ケーキ 41.5部をテトラヒドロフラン 500部に溶解後、遮光しながらアクリロイルクロリド 5.0部、ピリジン 4.3部を添加し、20〜30℃で2時間撹拌した。
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(D−42)で表される色素 42.9部を得た。この色素の最大吸収波長は413.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0179】
[実施例58]
<化合物(D−43)の合成>
2−メトキシ−5−メチル−4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 32.5部を水 350部を加えた後、N−メチルエチレンジアミン 7.8部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で3時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 18部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0180】
このジアゾ化物を3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−スルホエチル)−2−ピリドン 25.8部、水 300部、ソーダ灰 10部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で2時間撹拌した。
【0181】
撹拌後、トリ−n−オクチルアミン 36部、62.5%硫酸 30部を添加し、70〜80℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥し、乾燥ケーキ 85.5部を得た。
【0182】
得られた乾燥ケーキ 49.6部をテトラヒドロフラン500部に溶解後、遮光しながらメタクリロイルクロリド 5.7部、ピリジン 4.3部を添加し、20〜30℃で3時間撹拌した。
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(D−43)で表される色素 42.9部を得た。この色素の最大吸収波長は440.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0183】
[実施例59]
<化合物(D−44)の合成>
3−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 28.1部を水 350部を加えた後、2−エチルヘキシルアミン 12.9部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で3時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 18部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0184】
このジアゾ化物を3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−プロピル−2−ピリドン 25.2部、水 300部、ソーダ灰 10部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下後、5
〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで乾燥ケーキ 50.1部を得た。
【0185】
得られた乾燥ケーキ 28.5部をテトラヒドロフラン500部に溶解後、遮光しながらアクリロイルクロリド 5.0部、ピリジン 4.3部を添加し、20〜30℃で3時間撹拌した。
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(D−44)で表される色素 26.6部を得た。この色素の最大吸収波長は418.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0186】
[実施例60]
<化合物(D−45)の合成>
N−メチルアミノエタノールに変えてN,N−ジエチルアミノエチルアミンを、3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピリドンを3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例1と同様に行うことで下記式(I−11)の色素を得た。
【0187】
【化56】
さらに式(I−1)の色素に変えて式(I−11)の色素を使用したこと以外は実施例2と同様に行うことで式(D−45)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は421.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0188】
[実施例61]
<化合物(D−46)の合成>
N−メチルアミノエタノールに変えてn−ブチルアミンを、3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピリドンを3−シアノ−4−トリフルオロメチル−6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例1と同様に行うことで下記式(I−12)の色素を得た。
【0189】
【化57】
さらに式(I−1)の色素に変えて式(I−12)の色素を使用したこと以外は実施例1と同様に行うことで式(D−46)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は429.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0190】
[実施例62]
<化合物(D−47)の合成>
N−メチルアミノエタノールに変えてジエタノールアミンを、3−シアノ−4−メチル
−6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピリドンを3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−エチル−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例1と同様に行うことで下記式(I−13)の色素を得た。
【0191】
【化58】
さらに式(I−1)の色素に変えて式(I−13)の色素を使用したこと以外は実施例1と同様に行うことで式(D−47)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0192】
[実施例63]
<化合物(D−48)の合成>
N−メチルアミノエタノールに変えてアンモニア水を、3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピリドンを3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(3−ジエチルアミノプロピル)−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例1と同様に行うことで下記式(I−14)の色素を得た。
【0193】
【化59】
さらに式(I−1)の色素に変えて式(I−14)の色素を使用したこと以外は実施例9と同様に行うことで式(D−48)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0194】
[実施例64]
<化合物(D−49)の合成>
3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピリドンを3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−エチルヘキシル)−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例25と同様に行うことで下記式(I−15)の色素を得た。
【0195】
【化60】
さらに式(I−1)の色素に変えて式(I−15)の色素を使用したこと以外は実施例9と同様に行うことで式(D−49)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0196】
[実施例65]
<化合物(D−50)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−15)の色素を使用したこと以外は実施例6と同様に行うことで式(D−50)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は421.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0197】
[実施例66]
<化合物(D−51)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−15)の色素を使用したこと以外は実施例1と同様に行うことで式(D−51)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は421.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0198】
[実施例67]
<化合物(D−52)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−15)の色素を使用したこと以外は実施例3と同様に行うことで式(D−52)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0199】
[実施例68]
<化合物(D−53)の合成>
3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピリドンを3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−エチルヘキシル)−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例1と同様に行うことで下記式(I−16)の色素を得た。
【0200】
【化61】
さらに式(I−1)の色素に変えて式(I−16)の色素を使用したこと以外は実施例1と同様に行うことで式(D−53)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0201】
[実施例69]
<化合物(D−54)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−16)の色素を使用したこと以外は実施例3と同様に行うことで式(D−54)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0202】
[実施例70]
<化合物(D−55)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−16)の色素を使用したこと以外は実施例5と同様に行うことで式(D−55)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0203】
[実施例71]
<化合物(D−56)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−16)の色素を使用したこと以外は実施例7と同様に行うことで式(D−56)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0204】
[実施例72]
<化合物(D−57)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−16)の色素を使用したこと以外は実施例6と同様に行うことで式(D−57)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は421.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0205】
[実施例73]
<化合物(D−58)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−16)の色素を使用したこと以外は実施例9と同様に行うことで式(D−58)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は421.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0206】
[実施例74]
<化合物(D−59)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−4)の色素を使用したこと以外は実施例10と同様に行うことで式(D−59)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0207】
[実施例75]
<化合物(D−60)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−4)の色素を使用したこと以外は実施例11と同様に行うことで式(D−60)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0208】
[実施例76]
<化合物(D−61)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−4)の色素を使用したこと以外は実施例12と同様に行うことで式(D−61)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0209】
[実施例77]
<化合物(D−62)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−5)の色素を使用したこと以外は実施例11と同様に行うことで式(D−62)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は421.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0210】
[実施例78]
<化合物(D−63)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−6)の色素を使用したこと以外は実施例12と同様に行うことで式(D−63)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0211】
[実施例79]
<化合物(F−1)の合成>
シアノ酢酸エチル 56.5部、アセト酢酸エチル 65.0部、3,3‘−ジアミノジプロピルアミン 65.5部、ピペリジン 42.5部の混合物を75〜80℃で15時間撹拌。常温まで冷却後、水 400部および濃塩酸 120部を添加した。
析出物を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで下記式(I−17)で表されるカップル成分 145.3部を得た。
【0212】
【化62】
4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 56.2部を水 700部を加えた後、2−エチルヘキシルアミン 25.8部および水酸化ナトリウム 24部を添加し、80℃で3時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 160部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 36部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0213】
このジアゾ化物を式(I−17)のカップル成分 40.0部、水 600部、ソーダ灰 20部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで下記式(F−6)で表される色素 100.9部を得た。
【0214】
【化63】
上記式(F−6)の色素 52.2部をテトラヒドロフラン500部に溶解後、遮光しながらアクリロイルクロリド 5.0部、ピリジン 4.3部を添加し、20〜30℃で3時間撹拌した。
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(F−1)で表される色素 52.4部を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0215】
[実施例80]
<化合物(F−2)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(F−6)の色素を使用したこと以外は実施例2と同様に行うことで式(F−2)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0216】
[実施例81]
<化合物(F−3)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(F−6)の色素を使用したこと以外は実施例9と同様に行うことで式(F−3)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0217】
[実施例82]
<化合物(F−4)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(F−6)の色素を使用したこと以外は実施例3と同様に行うことで式(F−4)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0218】
[実施例83]
<化合物(F−5)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(F−6)の色素を使用したこと以外は実施例4と同様に行うことで式(F−5)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0219】
[実施例84]
<化合物(F−6)の合成>
実施例79の処方にて式(F−6)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0220】
[実施例85]
<化合物(F−7)の合成>
3,3‘−ジアミノジプロピルアミンに変えて3,3‘−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミンを使用したこと以外は実施例79と同様に行うことで式(F−7)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0221】
[実施例86]
<化合物(F−8)の合成>
4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 56.2部を水 700部を加えた後、水酸化ナトリウム 24部を添加し、80℃で5時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 160部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 36部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0222】
このジアゾ化物を式(I−17)のカップル成分 40.0部、水 600部、ソーダ灰 20部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで下記式(I−18)で表される色素 79.6部を得た。
【0223】
【化64】
上記式(I−18)の色素 15.5部をテトラヒドロフラン500部に溶解後、遮光しながらアクリロイルクロリド 5.0部、ピリジン 4.3部を添加し、20〜30℃で3時間撹拌した。
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(F−8)で表される色素 14.6部を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0224】
[実施例87]
<化合物(F−9)の合成>
3,3‘−ジアミノジプロピルアミン変えて3,3‘−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミンを使用したこと以外は実施例79と同様に行うことで下記式(I−19)のカップル成分を得た。
【0225】
【化65】
さらに式(I−17)のカップル成分に変えて式(I−19)のカップル成分を使用したこと以外は実施例86と同様に行うことで下記式(I−20)の色素を得た。
【0226】
【化66】
さらに式(I−18)の色素に変えて式(I−20)の色素を使用したこと以外は実施例86と同様に行うことで式(F−9)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0227】
[実施例88]
<化合物(F−10)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−18)の色素を使用したこと以外は実施例3と同様に行うことで式(F−10)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0228】
[実施例89]
<化合物(F−11)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−20)の色素を使用したこと以外は実施例3と同様に行うことで式(F−11)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0229】
[実施例90]
<化合物(F−12)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−18)の色素を使用したこと以外は実施例9と同様に行うことで式(F−12)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0230】
[実施例91]
<化合物(F−13)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−20)の色素を使用したこと以外は実施例9と同様に行うことで式(F−12)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0231】
[実施例92]
<化合物(F−14)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−18)の色素を使用したこと以外は実施例6と同様に行うことで式(F−14)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0232】
[実施例93]
<化合物(F−15)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−20)の色素を使用したこと以外は実施例6と同様に行うことで式(F−15)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0233】
[実施例94]
<化合物(F−16)の合成>
3,3‘−ジアミノジプロピルアミン変えてエチレンジアミンを使用したこと以外は実施例79と同様に行うことで下記式(I−21)のカップル成分を得た。
【0234】
【化67】
さらに式(I−17)のカップル成分に変えて式(I−21)のカップル成分を使用したこと以外は実施例86と同様に行うことで下記式(I−22)の色素を得た。
【0235】
【化68】
さらに式(I−1)の色素に変えて式(I−22)の色素を使用したこと以外は実施例6と同様に行うことで式(F−16)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0236】
[実施例95]
<化合物(F−17)の合成>
4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 28.1部を水 300部を加えた後、水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で6時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 17.4部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で30分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0237】
このジアゾ化物を式(I−21)のカップル成分 32.6部、水 300部、水酸化ナトリウム 30部の溶解液を95℃で10時間撹拌したものに10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下し、第一カップル液を得た。
【0238】
2−メトキシ−4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 31.1部を水 300部を加えた後、ジエチルアミノエチルアミン 11.6部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で3時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40
%亜硝酸ナトリウム水溶液 17.4部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で30分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0239】
このジアゾ化物を第一カップル液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで乾燥ケーキ 85.3部を得た。
【0240】
得られた乾燥ケーキ 46.6部をテトラヒドロフラン500部に溶解後、遮光しながらアクリロイルクロリド 5.0部、ピリジン 4.3部を添加し、20〜30℃で3時間撹拌した。
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(F−17)で表される色素 43.9部を得た。この色素の最大吸収波長は416.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0241】
[実施例96]
<化合物(F−18)の合成>
3,3‘−ジアミノジプロピルアミン変えて1,2−ジアミノプロパンを使用したこと以外は実施例79と同様に行うことで下記式(I−23)のカップル成分を得た。
【0242】
【化69】
3−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 28.1部を水 350部を加えた後、28%アンモニア水 63部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で5時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 120部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 18部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0243】
このジアゾ化物を式S(I−23)のカップル成分 34.0部、水 300部、ソーダ灰 10部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下し、第一カップル液を得た。
【0244】
2−メトキシ−5−メチル−4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 32.3部を水 300部を加えた後、2−エチルヘキシルアミン 12.9部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で3時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 17.4部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で30分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0245】
このジアゾ化物を第一カップル液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで乾燥ケーキ 85.6部を得た。
【0246】
得られた乾燥ケーキ 45.9部をジメチルホルムアミド 200部に溶解後、遮光しながらテトラブチルアンモニウムブロミド 0.2部、4−tert−ブチルピロカテコール
0.4部、グリシジルメタクリレート 21.3部を添加し、120〜130℃で4時間撹拌した。
得られた反応液を水 1000部に滴下し、析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(F−18)で表される色素 47.2部を得た。この色素の最大吸収波長は430.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0247】
[実施例97]
<化合物(F−19)の合成>
3,3‘−ジアミノジプロピルアミン変えてp−キシリレンジアミンを使用したこと以外は実施例79と同様に行うことで下記式(I−24)のカップル成分を得た。
【0248】
【化70】
3−メチル−4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 29.3部を水 350部を加えた後、ジ(2−エチルヘキシル)アミン 24.1部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で5時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 120部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 18部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0249】
このジアゾ化物を式S(I−24)のカップル成分 40.2部、水 300部、ソーダ灰 10部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下し、第一カップル液を得た。
【0250】
4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 28.1部を水 300部を加えた後、2−エチルヘキシルアミン 12.9部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で3時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 17.4部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で30分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0251】
このジアゾ化物を第一カップル液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(F−19)で表される色素 100.7部を得た。この色素の最大吸収波長は426.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0252】
[実施例98]
<化合物(F−20)の合成>
3,3‘−ジアミノジプロピルアミン変えて1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペ
ラジンを使用したこと以外は実施例79と同様に行うことで下記式(I−25)のカップル成分を得た。
【0253】
【化71】
さらに式(I−17)のカップル成分に変えて式(I−25)のカップル成分を使用したこと以外は実施例79と同様に行うことで式(F−20)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0254】
[実施例99]
<化合物(F−21)の合成>
4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 28.1部を水 300部を加えた後、N−メチルアミノエタノール 7.5部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で3時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 17.4部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で30分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0255】
このジアゾ化物を式(I−25)のカップル成分 46.6部、水 300部、水酸化ナトリウム 30部の溶解液を95℃で10時間撹拌したものに10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下し、第一カップル液を得た。
【0256】
4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 28.1部を水 300部を加えた後、N−メチルエチレンジアミン 7.4部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で3時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 80部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 17.4部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で30分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0257】
このジアゾ化物を第一カップル液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで乾燥ケーキ 95.1部を得た。
【0258】
得られた乾燥ケーキ 50.2部をテトラヒドロフラン500部に溶解後、遮光しながらメタクリロイルクロリド 5.7部、ピリジン 4.3部を添加し、20〜30℃で3時間撹拌した。
次いでアクリロイルクロリド 5.0部、ピリジン 4.3部を添加し、20〜30℃で3時間撹拌した。
【0259】
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(F−21)で表される色素 48.2部を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0260】
[実施例100]
<化合物(F−22)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(F−6)の色素を使用したこと以外は実施例10と同様に行うことで式(F−22)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0261】
[実施例101]
<化合物(F−23)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−20)の色素を使用したこと以外は実施例11と同様に行うことで式(F−23)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0262】
[実施例102]
<化合物(F−24)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−22)の色素を使用したこと以外は実施例12と同様に行うことで式(F−24)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0263】
[実施例103]
<化合物(H−1)の合成>
4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 56.2部を水 700部を加えた後、ピペラジン 8.4部および水酸化ナトリウム 24部を添加し、80℃で3時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 160部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 36部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0264】
このジアゾ化物を3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−プロピル−2−ピリドン 50.4部、水 600部、ソーダ灰 20部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で2時間撹拌した。
【0265】
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(H−1)で表される色素 83.9部を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0266】
[実施例104]
<化合物(H−2)の合成>
3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−プロピル−2−ピリドンに変えて3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例103と同様に行うことで式(H−2)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0267】
[実施例105]
<化合物(H−3)の合成>
3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−プロピル−2−ピリドンに変えて3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−エチルヘキシル)−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例103と同様に行うことで式(H−3)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0268】
[実施例106]
<化合物(H−4)の合成>
3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−プロピル−2−ピリドンに変えて3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(3−イソプロポキシプロピル)−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例103と同様に行うことで式(H−4)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は421.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0269】
[実施例107]
<化合物(H−5)の合成>
3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−プロピル−2−ピリドンに変えて3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例103と同様に行うことで式(I−26)の色素を得た。
【0270】
【化72】
さらに式(I−1)の色素に変えて式(I−26)の色素を使用したこと以外は実施例1と同様に行うことで式(H−5)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0271】
[実施例108]
<化合物(H−6)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−26)の色素を使用したこと以外は実施例6と同様に行うことで式(H−6)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0272】
[実施例109]
<化合物(H−7)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−26)の色素を使用したこと以外は実施例9と同様に行うことで式(H−7)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0273】
[実施例110]
<化合物(H−8)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−26)の色素を使用したこと以外は実施例3と同様に行うことで式(H−8)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0274】
[実施例111]
<化合物(H−9)の合成>
ピペラジンに変えて1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンを、3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−プロピル−2−ピリドンに変えて3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例103と同様に行うことで式(H−9)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0275】
[実施例112]
<化合物(H−10)の合成>
ピペラジンに変えて1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンを、3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−プロピル−2−ピリドンに変えて3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−エチルヘキシル)−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例103と同様に行うことで式(H−10)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0276】
[実施例113]
<化合物(H−11)の合成>
ピペラジンに変えて1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンを、3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−プロピル−2−ピリドンに変えて3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例103と同様に行うことで式(I−27)の色素を得た。
【0277】
【化73】
さらに式(I−1)の色素に変えて式(I−27)の色素を使用したこと以外は実施例1と同様に行うことで式(H−11)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0278】
[実施例114]
<化合物(H−12)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−27)の色素を使用したこと以外は実施例6と同様に行うことで式(H−12)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0279】
[実施例115]
<化合物(H−13)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−27)の色素を使用したこと以外は実施例9と同様に行うことで式(H−13)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0280】
[実施例116]
<化合物(H−14)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−27)の色素を使用したこと以外は実施例3と同様に行うことで式(H−14)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0281】
[実施例117]
<化合物(H−15)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(H−10)の色素を使用したこと以外は実施例1と同様に行うことで式(H−15)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm
(酢酸エチル中)であった。
【0282】
[実施例118]
<化合物(H−16)の合成>
ピペラジンに変えて1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンを使用したこと以外は実施例103と同様に行うことで式(I−28)の色素を得た。
【0283】
【化74】
さらに式(I−1)の色素に変えて式(I−28)の色素を使用したこと以外は実施例9と同様に行うことで式(H−16)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0284】
[実施例119]
<化合物(H−17)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(H−9)の色素を使用したこと以外は実施例3と同様に行うことで式(H−17)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0285】
[実施例120]
<化合物(H−18)の合成>
2−メトキシ−4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 62.2部を水 700部を加えた後、p−キシリレンジアミン 13.6部および水酸化ナトリウム 24部を添加し、80℃で3時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 160部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 36部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0286】
このジアゾ化物を3−シアノ−4−エチル−6−ヒドロキシ−N−プロピル−2−ピリドン 20.6部、水 300部、ソーダ灰 10部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。
【0287】
次いで3−カルバモイル−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン 28.0部、水 300部、ソーダ灰 10部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で2時間撹拌した。
【0288】
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(H−18)で表される色素 97.4部を得た。この色素の最大吸収波長は428.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0289】
[実施例121]
<化合物(H−19)の合成>
4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 28.1部を水 700部を加えた後、p−キシリレンジアミン 13.6部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80
℃で3時間撹拌した。
【0290】
次いで3−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 28.1部および水酸化ナトリウム 12部を添加し、80℃で3時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 160部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 36部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0291】
このジアゾ化物を3−シアノ−4−トリフルオロメチル−6−ヒドロキシ−N−(2−ジエチルアミノエチル)−2−ピリドン 30.0部、水 300部、ソーダ灰 10部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。
【0292】
次いで3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン 26.2部、水 300部、ソーダ灰 10部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で2時間撹拌した。
【0293】
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで乾燥ケーキ 98.3部を得た。
乾燥ケーキ 27.2部をジメチルホルムアミド 200部に溶解後、遮光しながらテトラブチルアンモニウムブロミド 0.2部、4−tert−ブチルピロカテコール 0.4部、グリシジルメタクリレート 21.3部を添加し、120〜130℃で4時間撹拌した。
【0294】
得られた反応液を水 1000部に滴下し、析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(H−19)で表される色素 32.9部を得た。この色素の最大吸収波長は431.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0295】
[実施例122]
<化合物(H−20)の合成>
ピペラジンに変えて3,3‘−ジアミノジプロピルアミンを、3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−プロピル−2−ピリドンに変えて3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(3−イソプロポキシプロピル)−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例103と同様に行うことで式(H−20)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0296】
[実施例123]
<化合物(H−21)の合成>
ピペラジンに変えて3,3‘−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミンを、3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−プロピル−2−ピリドンに変えて3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−エチルヘキシル)−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例103と同様に行うことで式(H−21)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0297】
[実施例124]
<化合物(H−22)の合成>
2−メトキシ−5−メチル−4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 65.0部を水 700部を加えた後、3,3‘−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン 14.5部および水酸化ナトリウム 24部を添加し、80℃で3時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 160部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 36部を5〜10℃で30
分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0298】
このジアゾ化物を3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−プロピル−2−ピリドン 19.4部、水 300部、ソーダ灰 10部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。
【0299】
次いで3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−ヘキシル−2−ピリドン 23.4部、水 300部、ソーダ灰 10部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで乾燥ケーキ 97.3部を得た。
【0300】
乾燥ケーキ 26.2部をテトラヒドロフラン 500部に溶解後、ヘキサメチレンジアミン 0.02部およびジラウリン酸ジブチルスズ(II)0.1部を添加した。そこに遮光しながら2−イソシアナートエチルメタクリレート 8.5部をゆっくり添加し、40℃で4時間撹拌した。
【0301】
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下し た。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(H−22)で表される色素 27.8部を得た。この色素の最大吸収波長は431.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0302】
[実施例125]
<化合物(H−23)の合成>
式(I−15)の色素 94.8部をテトラヒドロフラン500部に溶解後、遮光しながらマロニルクロリド 14.1部、ピリジン 16.0部を添加し、20〜30℃で3時間撹拌した。
【0303】
得られた反応液を真空にて100部まで濃縮し、濃縮液を水 1000部に滴下した。
析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(H−23)で表される色素 91.7部を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0304】
[実施例126]
<化合物(H−24)の合成>
4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン 56.2部を水 700部を加えた後、水酸化ナトリウム 24部を添加し、80℃で3時間撹拌した。常温まで冷却後、濃塩酸 160部添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液 36部を5〜10℃で30分かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で40分撹拌し、スルファミン酸にて過剰の亜硝酸を分解し、ジアゾ化物を得た。
【0305】
このジアゾ化物を3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−オクチル−2−ピリドン 26.2部、3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−アミノエチル)−2−ピリドン 19.3部、水 600部、ソーダ灰 20部の溶解液に10%水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.0〜8.0を保持しながら5〜10℃で1時間かけて滴下した。
滴下後、5〜10℃で2時間撹拌した。
反応液を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで乾燥ケーキ 8
3.2部を得た。
【0306】
乾燥ケーキ 44.0部をジメチルホルムアミド 200部に溶解後、遮光しながらテトラブチルアンモニウムブロミド 0.2部、4−tert−ブチルピロカテコール 0.4部、グリシジルメタクリレート 21.3部を添加し、120〜130℃で4時間撹拌した。
【0307】
冷却後、スクシニルクロリド 7.8部、ピリジン 7.9部を添加後、20〜30℃で3時間撹拌した。
得られた反応液を水 1000部に滴下し、析出した色素を濾過にて濾別し、水洗後、得られた湿ケーキを乾燥することで式(H−24)で表される色素 44.5部を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0308】
[実施例127]
<化合物(H−25)の合成>
3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−オクチル−2−ピリドンに変えて3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−エチル−2−ピリドンを、スクシニルクロリドに変えてテレフタロイルクロリドを使用したこと以外は実施例126と同様に行うことで式(H−25)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0309】
[実施例128]
<化合物(H−26)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(I−26)の色素を使用したこと以外は実施例10と同様に行うことで式(H−26)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は423.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0310】
[実施例129]
<化合物(H−27)の合成>
3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−プロピル−2−ピリドンに変えて3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−N−(2−アミノエチル)−2−ピリドンを使用したこと以外は実施例103と同様に行うことで式(I−29)の色素を得た。
【0311】
【化75】
式(I−1)の色素に変えて式(I−29)の色素を使用したこと以外は実施例11と同様に行うことで式(H−27)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.5nm(酢酸エチル中)であった。
【0312】
[実施例130]
<化合物(H−28)の合成>
式(I−1)の色素に変えて式(H−21)の色素を使用したこと以外は実施例12と同様に行うことで式(H−28)の色素を得た。この色素の最大吸収波長は422.0nm(酢酸エチル中)であった。
【0313】
[比較例1〜13]
下記式(J−1)〜(J−13)の色素を公知の処方にて合成を行い、比較用サンプルとした。
【0314】
【化76】
【0315】
【化77】
【0316】
〔色素の評価〕
(A)色素の溶解性
上記実施例1〜130で得られた色素を恒温槽を用いて、25℃に保ちながら酢酸エチルへの溶解度を測定し、結果を表1に示す。また比較例1〜13で得られた色素についても同様に25℃に保ちながら酢酸エチルへの溶解度を測定し、結果を表1に示す。判定基準については以下の基準により評価した。
【0317】
◎ 酢酸エチルへの溶解度が20%(w/w)以上ある。
○ 酢酸エチルへの溶解度が15%(w/w)以上ある。
△ 酢酸エチルへの溶解度が10%(w/w)以上ある。
× 酢酸エチルへの溶解度が10%(w/w)未満である。
【0318】
(B)色素溶解液の調製
上記実施例1〜130で得られた色素 10部を酢酸エチル 90部で溶解し、得られた色素溶液を0.45μmのメンブランフィルターで濾過を行うことにより色素溶解液を調製した。また比較例1〜13で得られた色素についても同様に処理を行い、色素溶解液を調製した。
【0319】
(C)色素溶解液の耐熱安定性
上記(B)で得られた色素溶解液を溶解直後に酢酸エチル溶媒で100ppm(色素分で10ppm)に調液し、分光光度計 U−2910(HITACHI社製)で吸光度を測定する。
【0320】
上記(B)で得られた色素溶解液を密閉状態で恒温器内に60℃で30日間放置し、再度酢酸エチル溶媒で100ppm(色素分で10ppm)に調液し、分光光度計 U−2910(HITACHI社製)で吸光度を測定し、結果を表1に示す。判定基準については以下の基準により評価した。
【0321】
◎ 耐熱試験後の吸光度が耐熱試験前の98%以上ある。
○ 耐熱試験後の吸光度が耐熱試験前の95%以上ある。
△ 耐熱試験後の吸光度が耐熱試験前の90%以上ある。
× 耐熱試験後の吸光度が耐熱試験前の90%未満となる。
【0322】
(D)色素溶解液の耐冷安定性
上記(B)で得られた色素溶解液をインキュベーター内に−10℃で90日放置し、色素の析出度合いを目視にて判断し、結果を表1に示す。判定基準については以下の基準により評価した。
【0323】
◎ 低温試験後に色素の析出が全くない。
○ 低温試験後に色素の析出がほぼない。
△ 低温試験後に色素の析出が少しある。
× 低温試験後に色素の析出が著しくある。
【0324】
(E)インクジェットプリント
上記(B)で得られた色素溶解液をインクジェットプリンター(キヤノン社製 PIXUS iP4300)用インクカートリッジに充填し、同プリンターにて普通紙(キヤノン社製:キヤノン普通紙・ホワイト A4)を用い、縦15cm×横10cmの範囲を塗り潰し、テストサンプルとした。
【0325】
(F)記録画像の耐光性試験
(E)でプリントした各テストサンプルの印字濃度を反射濃度測色計(Macbeth
COLOR−EYE 3000)で測定する。次にスタンダード紫外線ロングライフ・フェードメーターFAL−3(スガ試験機社製)を用いて、60℃で50時間照射後、再び印字濃度を測定し、結果を表1に示す。判定基準については以下の基準により評価した。
【0326】
◎ 照射後の印字濃度が照射前の90%以上ある。
○ 照射後の印字濃度が照射前の80%以上ある。
△ 照射後の印字濃度が照射前の70%以上ある。
× 照射後の印字濃度が照射前の70%未満となる。
【0327】
(G)記録画像の耐水性試験
(E)でプリントした各テストサンプルの印字濃度を反射濃度測色計(Macbeth
COLOR−EYE 3000)で測定する。次に各テストサンプルを25℃イオン交換水に1時間浸漬させ充分水分を取り除いたものを1日間温風乾燥させた後、再び印字濃度を測定し、結果を表1に示す。判定基準については以下の基準により評価した。
【0328】
◎ 浸漬後の印字濃度が浸漬前の95%以上ある。
○ 浸漬後の印字濃度が浸漬前の90%以上ある。
△ 浸漬後の印字濃度が浸漬前の85%以上ある。
× 浸漬後の印字濃度が浸漬前の80%未満となる。
【0329】
(H)記録画像の耐湿性試験
(E)でプリントした各テストサンプルの印字濃度を反射濃度測色計(Macbeth
COLOR−EYE 3000)で測定する。次に恒温恒湿器(アドバンテック東洋社製)を用いて50℃、90%RHで5日放置した後、試験前後の色素の滲みを目視により判定した。結果を表1に示す。判定基準については以下の基準により評価した。
【0330】
◎ 色素の未印字部への滲みが全く見られない。
○ 色素の未印字部への滲みが僅かに見られる。
△ 色素の未印字部への滲みがやや見られる。
× 色素の未印字部への滲みがかなり見られる。
【0331】
【表1】
【0332】
【表2】
【0333】
【表3】
【0334】
【表4】
【0335】
【表5】
【0336】
表1より本発明のアゾ化合物は従来のアゾ化合物(比較例)と比較して、耐光性、耐水性、耐湿性、保存安定性において優れているおり、高品質な画像が保たれるという優れた効果を奏することが確認された。