(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記塗料塗布ステップは、前記溶接部の周囲の機械加工が行われた範囲の20mm以内に曲面がある場合、前記溶接部から曲面までの間に塗料を塗布することを特徴とする請求項2または3に記載の溶接方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。例えば、本実施形態では、原子力発電プラントの各部を接続する溶接部およびこの溶接部の溶接方法として説明するが、溶接する対象の部材は、原子力発電プラントに限定されない。
【0018】
図1は、原子力発電プラントの一例の概略構成図である。
図1に示す原子力発電プラントは、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)を有する。この原子力発電プラントは、原子炉格納容器100内において、加圧水型原子炉の原子炉容器101、加圧器102、蒸気発生器103および一次冷却水ポンプ104が、一次冷却水管105により順次接続されて、一次冷却水の循環経路が構成されている。
【0019】
原子炉容器101は、内部に燃料集合体120を密閉状態で格納するもので、燃料集合体120が挿抜できるように、原子炉容器本体101aとその上部に装着される原子炉容器蓋101bとにより構成されている。原子炉容器本体101aは、上部に一次冷却水としての軽水を給排する入口側管台101cおよび出口側管台101dが設けられている。出口側管台101dは、蒸気発生器103の入口側水室103aに連通するように一次冷却水管105が接続されている。また、入口側管台101cは、蒸気発生器103の出口側水室103bに連通するように一次冷却水管105が接続されている。
【0020】
蒸気発生器103は、半球形状に形成された下部において、入口側水室103aと出口側水室103bとが仕切板103cによって区画されて設けられている。入口側水室103aおよび出口側水室103bは、その天井部に設けられた管板103dによって蒸気発生器103の上部側と区画されている。蒸気発生器103の上部側には、逆U字形状の伝熱管103eが設けられている。伝熱管103eは、入口側水室103aと出口側水室103bとを繋ぐように端部が管板103dに支持されている。そして、入口側水室103aの入口側管台は、入口側の一次冷却水管105が接続され、出口側水室103bの出口側管台は、出口側の一次冷却水管105が接続されている。また、蒸気発生器103は、管板103dによって区画された上部側の上端に、出口側の二次冷却水管106aが接続され、上部側の側部に、入口側の二次冷却水管106bが接続されている。
【0021】
また、原子力発電プラントは、蒸気発生器103が、原子炉格納容器100外で二次冷却水管106a,106bを介して蒸気タービン107に接続されて、二次冷却水の循環経路が構成されている。
【0022】
蒸気タービン107は、高圧タービン108および低圧タービン109を有するとともに、発電機110が接続されている。また、高圧タービン108および低圧タービン109は、湿分分離加熱器111が、二次冷却水管106aから分岐して接続されている。また、低圧タービン109は、復水器112に接続されている。この復水器112は、二次冷却水管106bに接続されている。二次冷却水管106bは、上述したように蒸気発生器103に接続され、復水器112から蒸気発生器103に至り、復水ポンプ113、低圧給水加熱器114、脱気器115、主給水ポンプ116、および高圧給水加熱器117が設けられている。
【0023】
図2は、原子力発電プラントにおける溶接部を表す断面図である。原子力発電プラントの加圧水型原子炉において、蒸気発生器103は、入口側水室103aの入口側管台および出口側水室103bの出口側管台に一次冷却水管105が接続されている。この入口側管台および出口側管台と、一次冷却水管105とは、溶接によって接続される。このため、入口側管台および出口側管台と、一次冷却水管105との接合部には溶接部30が形成される。また、溶接部30の近傍には、バフ加工範囲32、34が形成されている。溶接部30及びバフ加工範囲32、34については後述する。
【0024】
また、原子力発電プラントは、入口側管台および出口側管台と、一次冷却水管105とは、その間にセーフエンド管を設け、入口側管台および出口側管台とセーフエンド管とを溶接し、一次冷却水管105とセーフエンド管とを溶接してもよい。
【0025】
また、原子力発電プラントの原子炉容器101は、入口側管台101cおよび出口側管台101dに一次冷却水管105が接続されている。この入口側管台101cおよび出口側管台101dと、一次冷却水管105とは、溶接によって接続される。このため、入口側管台101cおよび出口側管台101dと、一次冷却水管105との接合部にも溶接部が形成される。また、入口側管台101cおよび出口側管台101dと、一次冷却水管105とは、その間にセーフエンド管を設け、入口側管台101cおよび出口側管台101dと、セーフエンド管と、を溶接し、一次冷却水管105と、セーフエンド管と、を溶接してもよい。このように、原子力発電プラントには、種々の部材同士が溶接で接合されており、溶接部が形成されている。
【0026】
次に、
図3から
図11を用いて、溶接部を形成する方法、つまり溶接方法について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る溶接システムの概略構成を示すブロック図である。
【0027】
図3に示すように、溶接システム10は、機械加工装置12と、溶接装置14と、仕上げ加工装置16と、塗料塗布装置18と、バフ加工装置20と、を有する。なお、溶接システム10は、一例であり、溶接装置14と、塗料塗布装置18と、バフ加工装置20とを有していればよく、機械加工装置12と、仕上げ加工装置16と、を有していなくてもよい。また、各部は、作業者によって操作されても自動で動作してもよい。
【0028】
機械加工装置12は、溶接する対象の部材の溶接端面(溶接する対象の他方の部材と向かい合う面)の近傍を切削、研磨する装置である。機械加工装置12は、溶接端面の近傍に開先を形成する加工や、溶接端面の厚みを調整する加工を行う。機械加工装置12としては、種々の機械加工装置を用いることができる。
【0029】
溶接装置14は、溶接端面を溶接する装置である。溶接装置14としては、溶加材を溶解して、溶接を行うアーク溶接装置を用いることができる。アーク溶接装置としては、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接、プラズマ溶接等の溶加材と加熱源が別の溶接方法の各種装置や、被覆アーク溶接、サブマージアーク溶接、ミグ溶接、炭酸ガスアーク溶接、セルフシールドアーク溶接等の溶加材と加熱源が一体の溶接方法の各種装置を用いることができる。また、溶接装置14としては、溶加材を用いずに、高密度エネルギービームを照射し、溶接する対象を溶解させて接合する高密度エネルギ溶接装置も用いることができる。高密度エネルギ溶接装置としては、電子ビーム溶接(EBW;electron beam welding)、レーザビーム溶接(LBW;laser beam welding)等での高エネルギービームを溶射して溶接を行う装置を用いることができる。
【0030】
仕上げ加工装置16は、溶接部の表面を加工し、溶接部を形成する装置である。仕上げ加工装置16としては、グラインダを用いることができる。
【0031】
塗料塗布装置18は、溶接部の周囲を含む範囲に塗料を塗布する装置である。塗料としては、罫書きに用いる塗料等、溶接対象の部材に塗布できる種々の塗料を用いることができる。塗料塗布装置18としては、スプレー、刷毛等の種々の塗布機構を用いることができる。
【0032】
バフ加工装置20は、溶接部の周囲にバフ加工を行う装置である。バフ加工装置20は、放射状に複数設けられたバフ羽を有し、バフ羽を回転させながら、対象の範囲に接触させることで、対象の範囲を加工する装置である。ここで、バフ羽は、例えば、#60、Φ150×30のバフ羽を用いることができる。ここで、ハブ加工装置20は、溶接部の延在方向(ビードの長手方向)に沿って、研磨を行う。つまり、バフ加工装置20は、バフ羽を溶接部の延在方向に移動させる。バフ加工装置20は、バフ羽を溶接部の延在方向に移動させることで、溶接部の周囲の引張応力を緩和させることができる。
【0033】
次に、
図4から
図9を用いて、溶接処理の一例について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る溶接システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図5から
図7は、それぞれ溶接部の一例を示す模式図である。
図8は、溶接システムの処理動作を説明するための説明図である。
図9は、応力分布の一例を示す説明図である。
【0034】
まず、
図4を用いて、処理の一例を説明する。
図4に示す処理は、溶接システム10で各処理14を実行する。溶接方法は、まず、溶接部を形成する(ステップS11)。つまり、溶接装置により、溶接を行う。また、溶接方法は、溶接の前に機械加工を行う場合や、溶接後に仕上げ加工を行う場合がある。
【0035】
溶接方法は、溶接を行ったら、機械加工部があるかを判定する(ステップS12)。機械加工部とは、機械加工装置12で加工(例えば、研磨、切削)した部分である。溶接方法は、溶接部を形成したあとも表面に露出する範囲を含む溶接端部を含む範囲に機械加工部があるかを判定する。
【0036】
溶接方法は、機械加工部がある(ステップS12でYes)と判定した場合、溶接線から20mm以内に曲面があるかを判定する(ステップS14)。溶接方法は、溶接線から20mm以内に曲面がない(ステップS14でNo)、つまり溶接部から平面が20mm以上続いていると判定した場合、溶接端面から20mm以上の範囲をバフ加工の範囲に設定する(ステップS16)。つまり、
図5に示すように、溶接対象の部材である第1部材40と第2部材42の溶接部44の側の端面に機械加工部46がある場合、溶接部44の端部から距離Dの範囲をバフ加工範囲に設定する。ここで、距離Dは、20mm以上の範囲である。また、距離Dは、20mm以上30mm以下とすることが好ましい。ここで、距離Dの範囲が、バフ加工範囲32、34に対応する。
【0037】
溶接方法は、溶接線から20mm以内に曲面がある(ステップS14でYes)と判定した場合、溶接端面から曲面までの範囲をバフ加工の範囲に設定する(ステップS18)。つまり、溶接端面から曲面の始点までの範囲をバフ加工の範囲とする。つまり、
図6に示すように、溶接対象の部材である第1部材40aと第2部材42aとが溶接部44aで接合され、第1部材40aの溶接部44aの近傍(溶接部44aから20mm以内)に曲面50が形成されている場合、距離Daの範囲をバフ加工の範囲とする。距離Daの範囲は、溶接端面から曲面の始点までの範囲である。なお、上記実施形態では、溶接部44aの近傍を一例として溶接部44aから20mm以内の範囲としたが、これに限定されない。溶接部44aの近傍を溶接部44aから30mm以内の範囲としてもよい。
【0038】
また、溶接方法は、機械加工部がない(ステップS12でNo)と判定した場合、加工工具が接触した範囲があるかを判定する(ステップS20)。つまり、仕上げ加工装置16で仕上げ加工を行っており、かつ、加工工具が溶接部以外の場所に接触したかを判定する。ここで、溶接方法は、溶接線から30mm以内で接触したかを判定するようにしてもよい。つまり、溶接方法は、加工工具が接触したかを判定する範囲を設定するようにしてもよい。
【0039】
溶接方法は、加工工具が接触している(ステップS20でYes)と判定した場合、接触範囲をバフ加工範囲に設定する(ステップS22)。つまり、
図7に示すように、溶接対象の部材である第1部材40bと第2部材42bとが溶接部44bで接合され、第1部材40bの溶接部44aの近傍で、加工工具が接触した範囲60、62がある場合、範囲60、62が形成されている距離Db、Dcの範囲をバフ加工の範囲とする。
【0040】
溶接方法は、加工工具が接触していない(ステップS20でNo)と判定した場合、バフ加工なしと、判定する(ステップS24)。つまり、バフ加工装置20によって加工を行わないと判定する。
【0041】
溶接方法は、ステップS16、ステップS18またはステップS22でバフ加工を行う範囲を設定したら、設定したバフ加工を行う範囲に塗料を塗布する(ステップS26)。つまり、塗料塗布装置18を用いて、バフ加工を行う範囲に塗料を塗布する。また、溶接方法は、ステップS24でバフ加工なしと判定した場合、塗料を塗布しない。
【0042】
溶接方法は、塗料を塗布した場合、塗料を除去するまでバフ加工を行う(ステップS28)。例えば、
図8に示すように、第2部材42の表面に塗布された塗料80を、バフ加工装置20で加工(研磨)する。
【0043】
溶接方法は、バフ加工を行う範囲を設定し、その範囲に塗料を塗布し、塗料が除去できるまでバフ加工装置20でバフ加工を行うことで、対象の範囲を圧縮応力が残留している状態とすることができる。
【0044】
ここで、
図9は、縦軸が応力となり、横軸が溶接部44の中心を原点とした距離となる。また、応力は、引っ張り応力を正の値、圧縮応力を負の値としている。
図9は、
図5に示すように、溶接部44の両端にバフ加工範囲32、34が形成されている場合の例である。
図9に示すように距離D1の範囲は、溶接部44に対応する範囲である。距離Dの範囲は、バフ加工範囲32、34に対応する範囲である。
図9に示すように、距離Dの範囲は、バフ加工を行う前は、引っ張り応力が作用しているが、バフ加工を行うことで、圧縮応力が作用している状態となる。
【0045】
このように、溶接方法は、溶接部44、44a、44bの近傍が機械加工、仕上げ加工されることで、引っ張り応力が残留している領域を選択的にバフ加工することで、溶接部44、44a、44bの近傍に引っ張り応力が残留することを抑制できる。また、溶接方法は、塗料を塗布した後、バフ加工を行うことで、対象の領域を漏れなくバフ加工することができる。これにより、引っ張り応力が残留することを抑制できる。また、塗料が無くなったかでその領域におけるバフ加工が終わったかを判定することができるため、バフ加工で対象の領域に作用する力が大きくなりすぎることを抑制できる。これにより、バフ加工によって、引っ張り応力が残留することを抑制できる。
【0046】
以上より、溶接方法は、引っ張り応力が残留している領域に対して的確にバフ加工を行うことができ、かつバフ加工により引っ張り応力が残留することを抑制することができる。これにより、溶接部を含む範囲の応力腐食割れをより確実に抑制することができる。
【0047】
ここで、溶接方法は、溶接部の延在方向(ビードの長手方向)に沿って、ハブ加工装置20による研磨を行う。つまり、バフ加工装置20のバフ羽を溶接部の延在方向に移動させる。加工装置20は、バフ羽を溶接部の延在方向に移動させることで、溶接部の周囲の引張応力を緩和させることができる。
【0048】
次に、
図10を用いて、機械加工を行った場合の溶接処理の一例について説明する。
図10は、溶接システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図10に示す処理は、溶接システム10の各部を用いて実行する。
【0049】
溶接方法は、溶接端部を含む範囲を機械加工する(ステップS42)。溶接方法は、機械加工を行ったら、溶接部を形成する(ステップS44)。つまり、溶接装置14により、溶接を行う。溶接方法は、溶接を行ったら溶接部の仕上げ加工を行う(ステップS46)。つまり、仕上げ加工装置16を用いて、溶接部の表面を加工し成形する。
図10の処理は、仕上げ加工を行わなくてもよい。
【0050】
溶接方法は、仕上げ加工を行ったら、溶接線から20mm以内に曲面があるかを判定する(ステップS48)。つまり溶接対象の部材の形状に基づいて、バフ研磨の範囲を判定する。
【0051】
溶接方法は、溶接線から20mm以内に曲面がない(ステップS48でNo)、つまり溶接部から平面が20mm以上続いていると判定した場合、溶接端面から20mm以上の範囲に塗料を塗布する(ステップS50)。つまり、塗料塗布装置18を用いて、溶接端面から20mm以上の範囲に塗料を塗布する。
【0052】
溶接方法は、溶接線から20mm以内に曲面がある(ステップS48でYes)と判定した場合、溶接端面から曲面までの範囲に塗料を塗布する(ステップS52)。つまり、塗料塗布装置18を用いて、溶接端面から曲面の始点までの範囲に塗料を塗布する。
【0053】
溶接方法は、ステップS50またはステップS52で塗料を塗布した場合、塗料を除去するまでバフ加工を行う(ステップS54)。
【0054】
このように、機械加工が行われた場合は、溶接部から20mm以上の範囲に塗料を塗布し、塗布した塗料が除去できるまでバフ加工を行うことで、引っ張り応力が残留している領域に対して的確にバフ加工を行うことができ、かつバフ加工により引っ張り応力が残留することを抑制することができる。これにより、溶接部を含む範囲の応力腐食割れをより確実に抑制することができる。
【0055】
また、
図10に示すように、曲面が近傍にある場合は、溶接部から曲面の始点までに塗料を塗布し、塗布した塗料が除去できるまでバフ加工を行うことで、引っ張り応力が残留している領域に対して的確にバフ加工を行うことができ、かつバフ加工により引っ張り応力が残留することを抑制することができる。また、曲面はバフ加工を行わないことで、バフ加工を行う領域を低減できる。ここで、曲面は、引っ張り応力による応力腐食割れが起きにくい。これにより、溶接部を含む範囲の応力腐食割れをより確実に抑制することができる。
【0056】
次に、
図11を用いて、機械加工を行わない場合の溶接処理の一例について説明する。
図11は、溶接システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図11に示す処理は、溶接システム10の各部を用いて実行する。
【0057】
溶接方法は、溶接部を形成する(ステップS60)。溶接方法は、溶接を行ったら溶接部の仕上げ加工を行う(ステップS62)。溶接方法は、仕上げ加工を行ったら、加工工具が接触した範囲があるかを判定する(ステップS64)。つまり、仕上げ加工装置16の加工工具が溶接部以外の場所に接触したかを判定する。
【0058】
溶接方法は、加工工具が接触していない(ステップS64でNo)と判定した場合、本処理を終了する。つまりバフ加工装置20によって加工を行わない。
【0059】
溶接方法は、加工工具が接触している(ステップS64でYes)と判定した場合、接触範囲に塗料を塗布する(ステップS66)。つまり、塗料塗布装置18を用いて、工具が接触した範囲に塗料を塗布する。
【0060】
溶接方法は、ステップS66で塗料を塗布した場合、塗料を除去するまでバフ加工を行う(ステップS68)。
【0061】
このように、機械加工が行われず、仕上げ加工が行われた場合は、仕上げ加工で工具が接触した領域に塗料を塗布し、塗布した塗料が除去できるまでバフ加工を行うことで、仕上げ加工によって引っ張り応力が残留している領域に対して的確にバフ加工を行うことができ、かつバフ加工により引っ張り応力が残留することを抑制することができる。また、必要のない部分にバフ加工を行うことを抑制できる。これにより、溶接部を含む範囲の応力腐食割れをより確実に抑制することができる。
【0062】
また、溶接方法は、上述したバフ加工を行うと判定する範囲を複数の基準で判定してもよい。例えば、1つの溶接部の周囲に、機械加工を行った範囲と、機械加工を行っていないが仕上げ加工の工具が接触した範囲がある場合、両方の範囲をバフ加工することが好ましい。これにより、溶接部の近傍に引っ張り応力が残留することをより確実に抑制することができる。