(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るオルゴール装置100を備えたオルゴールシステム10を示す図である。
図1に示すように、オルゴールシステム10は、オルゴール装置100と、鍵盤20と、端末装置22と、外部記録装置24と、サーバ装置26とを有する。オルゴールシステム10は、鍵盤20、端末装置22、外部記録装置24及びサーバ装置26の全てを有することを要せず、鍵盤20、端末装置22、外部記録装置24及びサーバ装置26の少なとも1つを有すればよい。
【0033】
鍵盤20、端末装置22及び外部記録装置24は、例えばネットワーク等を介さずにオルゴール装置100に接続されている。また、サーバ装置26は、例えばネットワーク30を介してオルゴール装置100に接続されている。
【0034】
オルゴール装置100は、鍵盤20又は端末装置22から演奏情報を受け付けて、受け付けた演奏情報に基づいて演奏を行う。また、オルゴール装置100は、外部記録装置24から演奏情報を読み出し、読み出した演奏情報に基づいて演奏を行う。また、オルゴール装置100は、サーバ装置26から演奏情報を取得し、取得した演奏情報に基づいて演奏を行う。なお、オルゴール装置100の詳細は後述する。
【0035】
鍵盤20は、演奏情報をオルゴール装置100に対して出力する。鍵盤20は、複数の白鍵及び黒鍵を有し、白鍵又は黒鍵が押さえられると、押さえられた白鍵又は黒鍵に対応する音階に関する情報を含む演奏情報をオルゴール装置100に対して出力する。鍵盤20は、キーボードとも呼ばれる。
【0036】
端末装置22は、例えば汎用のパーソナルコンピュータであり、図示しないCPU、メモリ、通信装置、マウスを有し、さらにキーボードなどを有する。端末装置22には、演奏情報が記憶されていて、端末装置22は記憶されている演奏情報をオルゴール装置100に対して出力する。また、端末装置22は、キーボード又はマウスにより指定された音階に関する情報を含む演奏情報をオルゴール装置100に対して出力するようにしてもよい。
【0037】
外部記録装置24は、例えば、CD、DVD、カード型記録装置などである。外部記録装置24には演奏情報が記録されている。外部記録装置24がオルゴール装置100に装着されると、記憶されている演奏情報がオルゴール装置100から読み取り可能な状態になる。
【0038】
ネットワーク30は、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などにより構成されるネットワークである。ネットワーク30は、有線のネットワークであってもよいし、無線のネットワークであってもよい。
【0039】
サーバ装置26は、例えばウェブサーバであり、例えば端末装置22と同等の構成を有する。サーバ装置26には演奏情報が記憶されている。サーバ装置26は、オルゴール装置100からのダウンロード要求を受け付けると記憶されている演奏情報をオルゴール装置100に対して送信する。
【0040】
演奏情報は、例えば、MIDI(Musical Instruments Digital Interface)データである。演奏情報には、例えば、押さえられた鍵盤に対応する音階、鍵盤が押さえられた強さ、押さえられたタイミング等が含まれる。
【0041】
図2には、本発明の実施形態に係るオルゴール装置100の構成が示されている。
図2に示すように、オルゴール装置100は、オルゴールユニット200と、オルゴールユニット200を制御する制御部110とを有する。また、オルゴール装置100には、ACアダプタ40と表示装置42とが接続されている、
【0042】
制御部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の制御回路112、メモリ114、時計装置116、FET(Field Effect Transistor)スイッチ118、電源スイッチ122、アンプ装置124、MIDI−インタフェース(IF)132、外部記録装置IF134、通信IF136及び外部センサIF138を有する。また、オルゴールユニット200は、発音板210、発音板210を振動等させるための機構である機構部300、機構部300を駆動する駆動部250及びピックアップ218を有する。
【0043】
制御回路112は、メモリ114に記憶されている後述する制御プログラム500を実行する。また、制御回路112は、制御部110に含まれる他の構成要素との間で信号の入出力を行う。
【0044】
表示装置42としては、例えば、液晶ディスプレイを用いることができる。表示装置42は、例えば演奏情報に対応する楽譜、演奏状況等を表示する。
【0045】
時計装置116は、操作者の設定した時刻に基づいて、設定された時刻になると制御回路112に対して信号を出力し、所望の時刻に制御回路112を動作させるために用いられる。
【0046】
FETスイッチ118は、制御回路112から出力される駆動信号に基づいて駆動部250に流れる電流を制御する。より具体的には、FETスイッチ118は、制御回路112からオン信号(ハイ信号ともいう)を受け付けた場合に、駆動部250に電流が流れるように制御し、制御回路112からオフ信号(ロー信号ともいう)を受け付けた場合に、駆動部250に電流が流れないように制御する。
【0047】
FETスイッチ118には、n個のFETスイッチング回路(不図示)が含まれている。ここで、nは、後述する発音弁212と同数であり、例えばn=81である。FETスイッチ118は、各FETスイッチング回路に対する駆動信号に基づいてそれぞれのFETスイッチング回路に対応する発音弁212が弾かれるように駆動部250に流れる電流を制御する。
【0048】
電源スイッチ122は、オン状態である場合に、ACアダプタ40から供給される所定の電圧を制御部110に含まれる他の構成要素及びオルゴールユニット200に含まれる構成要素に対して供給する。なお、ACアダプタ40に換えて、電池44から電源スイッチ122に所定の電圧を供給するようにしてもよい。
【0049】
ピックアップ218は、発音板210に装着されていて、発音板210が発する音を電気信号に変換する。
【0050】
アンプ装置124は、ピックアップ218からの出力信号を受け付けて、受け付けた信号を増幅させる。また、アンプ装置124には信号を取り出すためのラインアウト端子128が接続されている。
【0051】
MIDI−IF132は、鍵盤20又は端末装置22から出力された演奏情報を受け付けて、受け付けた演奏情報を制御回路112に対して出力する。外部記録装置IF134は、外部記録装置24から読み出された演奏情報を受け付けて、受け付けた演奏情報を制御回路112に対して出力する。通信IF138は、ネットワーク30を介してサーバ装置26から送信された演奏情報を受け付けて、受け付けた演奏情報を制御回路112に対して出力する。
【0052】
外部センサIF138は、オルゴール装置100の外部に設けられた外部センサ46からの出力信号を受け付けて、受け付けた出力信号を制御回路112に対して出力する。外部センサ46としては、例えば、マイクロフォン、人感センサ、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、気圧センサ、加速度センサあるいはジャイロセンサ等を用いることができる。また、外部センサ46からの出力信号に基づいて、制御回路112が演奏の開始及び停止を制御することができる構成となっている。
【0053】
外部センサ46の出力に基づいて演奏を制御する場合、例えば、外部センサ46に人感センサを用いて、外部センサ46により人間が存在すると判断している間はオルゴール装置100が所定の曲目を演奏し、人間が存在しないと判断している間は演奏を停止する等の制御が可能となる。
【0054】
発音板210は、櫛歯状に形成された複数の発音弁212−1〜212−nを有する。発音弁212−1〜212−nは、それぞれが振動により音を発する発音部として用いられている。また、発音弁212−1〜212−nの長さは互いに異なる。発音弁212−1〜212−nは、例えば弾かれることにより振動し、振動することによってそれぞれの長さに対応する音階の音を発する。
【0055】
駆動部250は、FETスイッチ118を介して制御回路112から出力された駆動信号に基づいて機構部300を駆動する。駆動部250の詳細は後述する。
【0056】
機構部300は、先述のように発音板210を発音させる機構であり、複数の移動部310(
図7を参照)と、複数の抑制部340(
図7を参照)とを有する。機構部300、移動部310、抑制部340の詳細は後述する。
【0057】
図3乃至
図6には、オルゴールユニット200が示されている。
図3等に示すように、オルゴールユニット200は基台202を有し、例えば基台202と水平になるように、基台202に対して先述の発音板210が装着されている。発音板210は先述の発音弁212−1〜212―nを有し、この実施形態においては、発音板210が有する発音弁212の数は81個である。すなわち、発音板210は、発音弁212−1〜212−81を有する。
【0058】
また、基台202には、先述の機構部300が装着されている。機構部300の詳細は後述する。
【0059】
また、基台202には、先述の駆動部250が装着されていて、駆動部250は複数のソレノイド260を有する。複数のソレノイド260はそれぞれが駆動源として用いられていて、ソレノイド260の数は発音弁212の数と同数である81個である。そして、それぞれのソレノイド260は、発音弁212−1〜212−81のいずれか1つに対応していて、対応する発音弁212を振動させ、発音させるための駆動源となっている。
【0060】
また、駆動部250は、ソレノイド260を支持する支持部252を有する。支持部252は、基台202に装着されていて、81個の全てのソレノイド260が装着される板状部254を有する。板状部254は、移動部310と逆側が凸となるように湾曲した形状を有している。複数のソレノイド260は、
図6に示すように、支持部252に装着された状態において、互いに隣り合う2つが水平方向及び垂直後方における少なくともいずれか一方において互いに異なる位置となるように配置された状態となる。より具体的には、複数のソレノイド260は、垂直方向において互いに異なる位置に配置された複数の水平な列を形成するように配置されている。この実施形態においては、
図7に示すように、複数のソレノイド260が形成する水平な列の数は7となっている。
【0061】
また、支持部252に装着された状態において、複数のソレノイド260は、例えば
図3に示すように、移動部310側の端部が、移動部310と逆側に凸の曲面を形成するように配置されている。
【0062】
また、基台202には、複数の移動部310(
図7を参照)を移動可能に支持する移動部用支持部350が装着されている。移動部用支持部350は互いに水平な複数の板状部352を有し、複数の移動部310が、複数の板状部352の互いに隣り合う2つの間の位置にそれぞれ配置されるようになっている。
【0063】
図7には、機構部300が示されている。なお、
図7においては、図示の便宜上、複数の板状部352のうち最も前側(
図7おける紙面手前側)に位置するものの一部を破断させた状態が示されている。
【0064】
機構部300は、先述のように複数の移動部310と、複数の抑制部340とを有する。複数の移動部310は、それぞれが複数の発音弁212のいずれかに対応している。また、複数の抑制部340も複数の移動部310と同様に、それぞれが複数の発音弁212のいずれかに対応している。このため複数の移動部310の数と複数の抑制部340との数は、いずれも複数の発音弁212と同数であり、この実施形態においてはいずれも81個である。
【0065】
このように、移動部310と抑制部340とは複数が設けられているものの、
図7においては、図示の便宜上、発音弁212−1に対応する移動部310-1と、発音弁212−1に対応する抑制部340−1だけが図示されている。複数の移動部310の構成は同一である。このため、以下、複数の移動部310のそれぞれを区別する必要がある場合を除き、複数の移動部を移動部310と総称して説明する。また、複数の抑制部340の構成は同一である。このため、以下、複数の抑制部340のそれぞれを区別する必要がある場合を除き、複数の抑制部を抑制部340と総称して説明する。
【0066】
移動部310は、移動部材320と接触部材330とを有し、移動部材320と接触部材330とが、
図7に矢印aで示す正方向と、正方向とは逆方向である
図7に矢印bで示す方向とに一体として移動することができるようになっている。より具体的には、移動部310は、軸312を中心として
図7に矢印aで示す方向と
図7に矢印bで示す方向とに回転することができるようになっている。また、移動部310は、移動部材320が軸部材314によって板状部352に対して装着されるようにして支持されている。
【0067】
また、移動部310は、少なくとも矢印a方向への移動時に発音弁212を振動させる。より具体的には、移動部310は、矢印a方向に回転する際に接触部材330が発音弁212に接触し、接触部材330が発音弁212を振動させ、振動させることにより発音弁212に音を出させる。また、移動部310が矢印b方向に回転する際にも、移動部310は発音弁212に接触する。より具体的には、移動部310は、矢印b方向に回転する際に接触部材330が発音弁212に接触するようになっている。
【0068】
接触部材330は、移動部材320に対して移動することにできるように、移動部材320に対して装着されている。より具体的には、接触部材330は、軸332を中心として
図7に矢印cで示す方向と
図7に矢印dで示す方向とに回転することができるように移動部材320に対して装着されている。
【0069】
また、機構部300は、接触部材用付勢手段として用いられている接触部材用付勢部材360をさらに有する。接触部材用付勢部材360としては、例えばコイルスプリング等の弾性部材を用いることができる。接触部材用付勢部材360は、一端部が移動部材320に連結されていて、他端部が接触部材330に連結されている。接触部材用付勢部材360は、接触部材330を移動部材320に対して押し付けるように付勢している。すなわち、接触部材用付勢部材360は、接触部材330が軸332を中心として矢印d方向に回転する方向に接触部材330を付勢している。
【0070】
抑制部340は、移動部310が発音弁212を振動させた後に、発音弁212に接触して発音弁212の振動を抑制するものである。また、抑制部340は、移動部310に対して移動することができるように移動部材320に対して装着されている。より具体的には、抑制部340は、軸342を中心して
図7に矢印eで示す方向と
図7に矢印fで示す方向とに回転することができるように移動部材320に対して装着されている。
【0071】
また、機構部300は、抑制部用付勢手段として用いられている抑制部用付勢部材370をさらに有する。抑制部用付勢部材370としては、例えばコイルスプリング等の弾性部材を用いることができる。抑制部用付勢部材370は、一端部が移動部材320に連結されていて、他端部が抑制部340に連結されている。抑制部用付勢部材370は、移動部310が静止している状態において、抑制部340を発音弁212に対して押し付けるように付勢している(
図8(a)を参照)。すなわち、抑制部用付勢部材370は、抑制部340が軸342を中心として矢印f方向に回転する方向に抑制部340を付勢している。
【0072】
また、機構部300は、複数の連結機構380を有し、複数の連結機構380は、それぞれが複数のソレノイド260の1つと複数の移動部310の1つと連結している。また、複数の連結機構380は、複数の移動部310にそれぞれ対応するものである。また、それぞれの連結機構380は連結部材382を有する。連結部材382は、一端部がソレノイド260のプランジャ部262に連結されていて、他端部が移動部310に連結されている。
【0073】
ソレノイド260は、所謂プル型のソレノイドであり、ソレノイド260に電流が供給されることによってプランジャ部262がソレノイド本体264側に引き寄せられるように移動する。また、ソレノイド260は付勢部材266を有する。付勢部材266としては、例えばコイルスプリング等の弾性部材を用いることができる。付勢部材266は、一端部がソレノイド本体264に連結されていて、他端部がプランジャ部262に連結されている。付勢部材266は、プランジャ部262がソレノイド本体264から離れる方向に移動する向きにプランジャ部262を付勢している。すなわち、付勢部材266は、
図7に矢印hで示す方向にプランジャ部262を付勢している。
【0074】
ソレノイド260は上述のように所謂プル型である。このため、ソレノイド260に電流が供給されると、プランジャ部262は付勢部材266の付勢に抗してソレノイド本体264側、すなわち
図7に示す矢印gの方向に移動する。また、ソレノイド260への電流の供給が停止されると、プランジャ部262は付勢部材266に付勢されることによって、矢印h方向に移動する。
【0075】
付勢部材266は、移動部310を矢印b方向に付勢する移動用付勢手段として用いられている。すなわち、付勢部材266は、プランジャ部262を矢印h方向に付勢することで連結部材382を矢印h方向に付勢し、連結部材382を矢印h方向に付勢することで移動部310を矢印b方向に回転させる方向に付勢している。
【0076】
図8には、移動部310が正方向である矢印a方向に回転するように移動する動作が説明されている。
図8(a)に示すように、移動部310が正方向への移動を開始する前の移動部310が静止している状態においては、付勢部材266によって連結部材382が矢印h方向に付勢され、付勢部材266によって移動部310が矢印b方向に回転方向に付勢されている。この状態においては、抑制部340は、静止していて、発音弁212に接触している。また、抑制部340は、抑制部用付勢部材370によって付勢され、発音弁212に対して押し付けられている。
【0077】
図8(a)に示す状態からソレノイド260に電流が供給されると、プランジャ部262(
図7を参照)が矢印g方向に移動を開始し、
図8(b)に示すように連結部材382が矢印g方向に移動を開始し、移動部材320が矢印aの方向に回転を開始する。移動部310が回転を開始した後、所定の位置まで回転するまでの間は、抑制部340は抑制部用付勢部材370によって矢印f方向に回転するように付勢されることによって、発音弁212に押し付けられたままの状態にある。
【0078】
図8(b)に示す位置から移動部310がさらに矢印a方向に回転すると、抑制部340は、
図8(c)に示すように、移動部材320の壁面322に対して押し付けられる状態となり、移動部材320と一体として矢印a方向に回転するように移動を始める。すなわち、抑制部340は、発音弁212から離間した状態においては、抑制部用付勢部材370に付勢されて移動部材320の例えば壁面322に対して押し付けられた状態となる。そして、抑制部340が矢印a方向に移動をすることにより、抑制部340は発音弁212から離間する。このように、抑制部340は、移動部材320の矢印aで示される正方向の移動に連動して発音弁212から離間する。
【0079】
そして、さらに移動部材320が矢印a方向に移動することにより、移動部310の一部である接触部材330が発音弁212の下側の面に接触し、発音弁212を押し上げるようにして発音弁212から離間することで発音弁212を振動させ、発音弁212に発音させる。
【0080】
図8(d)には、移動部材320の矢印aで示す正方向への移動が終了した状態が示されている。この状態は、抑制部340が発音弁212から離間し、その後に接触部材330が発音弁212を振動させ、発音させて、発音弁212よりも上方に接触部材330が位置する状態である。
【0081】
図9には、移動部310が逆方向である矢印b方向に回転するように移動する動作が説明されている。
図9(e)に示す状態は、移動部310が矢印b方向への移動を開始する前の状態であり、移動部310が矢印a方向への移動を終了させた状態であって、
図8(d)で示した状態である。この状態から、ソレノイド260への電流の供給が停止されると、付勢部材266(
図7を参照)に付勢されることによってプランジャ部262(
図7を参照)と連結部材382とが矢印h方向への移動を開始し、この移動と連動し、
図9(e)に示されているように、移動部材320、抑制部340及び接触部材330が一体として矢印b方向への回転を開始する。
【0082】
そして、移動部310と一体として抑制部340が矢印b方向に回転すると、
図9(f)に示されているように、抑制部340が発音弁212に接触し、抑制部用付勢部材370に付勢されることによって、抑制部340が発音弁212に対して押し付けられた状態となる。抑制部340が接触し、抑制部340が押し付けられることで、発音弁212の振動が抑制され、発音弁212の振動による発音が抑制される。
【0083】
このように、抑制部340は、移動部310の移動に連動して発音弁212に接触して発音弁212の振動を抑制している。より具体的には、抑制部340は、移動部310の矢印bで示される逆方向の移動に連動して発音弁212に接触して発音弁212の移動を抑制している。
【0084】
ここで、例えば、抑制部用付勢部材370の強さや、ソレノイド260が有する付勢部材266(
図7)が有する付勢部材266の強さを調整等することにより、抑制部340が接触し、抑制部340が押し付けられることにより、発音弁212が振動をしないようにし、発音弁212が発音をしなくなるようにすることが望ましい。さらには、振動し、発音している発音弁212に抑制部340が接触し、抑制部340が押し付けられた場合、発音弁212の振動と発音とが停止するようにすることが望ましい。
【0085】
移動部材320が矢印bで示す方向にさらに移動をすると、移動部材320と一体として矢印b方向に回転する接触部材330が、
図9(f)に示すように発音弁212に接触する。この際、発音弁212に抑制部340が押し付けられているため、接触部材330が接触しても発音弁212の振動は抑制され、振動による発音弁212の発音は抑制される。
【0086】
図9(f)に示されている状態から、移動部材320が矢印bで示されている方向にさらに移動をすると、接触部材330は発音弁212に押されて発音弁212から離れる方向に移動する。すなわち、接触部材330は、発音弁212に押されることで、接触部材用付勢部材360の付勢に抗して矢印c方向に回転するようにして、発音弁212から離れる方向に移動する。
【0087】
移動部材320がさらに矢印bで示す方向に移動すると、接触部材330は、上方から下方へと発音弁212と接触する位置を通過して、
図9(g)に示されているように発音弁212から離間して、発音弁212よりも下側に位置した状態となる。この状態においては、接触部材330は、接触部材用付勢部材360によって矢印d方向に回転するように付勢されることによって、移動部材320の壁面322に対して押し付けらた状態となり、移動部材320と一体として矢印bに示す方向に移動するようになる。
【0088】
図9(h)には、移動部材320の矢印bで示す逆方向への移動が終了した状態が示されている。この状態は、移動部材320が矢印aで示す正方向への移動を開始する前の状態であり、
図8(a)に示す状態である。
【0089】
図9には、本発明の実施形態に係るオルゴール装置100の制御方法を実現する制御プログラム500が示されている。
図9に示されているように、制御プログラム500は、駆動信号制御部502、データ受付部504、データ記憶部506、駆動信号出力部508、タイマー510及び継続時間判定部512を含む。
【0090】
制御プログラム500において、データ受付部504は、制御回路112に入力された演奏情報を受け付け、データ記憶部506に格納する。例えば、データ受付部504は、演奏情報がMIDI−IF132を介して入力されると、割込み処理により演奏情報をデータ記憶部506に格納する。
【0091】
データ記憶部506は、データ受付部504により受け付けられた演奏情報を記憶する。データ記憶部506は、メモリ114に取られた記憶領域により実現される。データ記憶部506は、例えば、リングバッファである。
【0092】
駆動信号制御部502は、データ記憶部506に記憶されている演奏情報を読み出し、この演奏情報を駆動信号に変換する。具体的には、駆動信号制御部502は、演奏情報に含まれる音階に関する情報に基づいて、当該音階に対応する駆動信号がオン信号となるように制御する。このようにして、駆動信号制御部502は、データ受付部504に受け付けられた演奏情報を駆動信号に変換するように制御する。また、駆動信号制御部502は、駆動信号をオン信号としたタイミングで、後述するタイマー510の計時を開始させる。
【0093】
駆動信号出力部508は、駆動信号制御部502の制御により、演奏情報から変換された駆動信号を、FETスイッチ118に対して出力する。例えば、駆動信号出力部508は、FETスイッチ118に含まれる当該音階に対応するFETスイッチング回路に対してオン信号を出力する。タイマー510は、駆動信号制御部502に制御されたタイミングで、計時を開始する。
【0094】
継続時間判定部512は、タイマー510により計時された値が予め決められた閾値T1を超えたか否かを判定し、計時された値が閾値T1を超えた場合にはその旨を駆動信号制御部502に対して出力する。閾値T1は、駆動信号がオン信号である状態が継続しうる値である。
【0095】
次に、制御プログラム500による制御処理を、より詳細に説明する。
図11は、制御プログラム500による駆動信号をオンに変換する場合の制御処理S10を示すフローチャートである。
【0096】
図11に示すように、ステップS100において、駆動信号制御部502は、演奏情報がオルゴール装置100において演奏されるものであるか否かを判定する。例えば、駆動信号制御部502は、MIDIデータの受信チャンネルと、予め設定されているオルゴール装置100の受信チャンネルとが一致するか否かを判定する。駆動信号制御部502は、演奏情報がオルゴール装置100において演奏されるものである場合にはステップS102の処理に進み、そうでない場合には制御処理を終了する。
【0097】
ステップS102において、駆動信号制御部502は、演奏情報が、音を鳴らすための情報であるか否かを判定する。例えば、駆動信号制御部502は、MIDIデータのイベントが「ノートオン」であるか否かを判定する。駆動信号制御部502は、演奏情報が音を鳴らすための情報である場合にはステップS104の処理に進み、そうでない場合には制御処理を終了する。
【0098】
ステップS104において、駆動信号制御部502は、鳴らされる音が、オルゴール装置100で発音可能であるか否かを判定する。例えば、駆動信号制御部502は、音階データが、オルゴール装置100で発音可能な範囲に含まれているか否かを判定する。駆動信号制御部502は、鳴らされる音がオルゴール装置100で発音可能である場合にはステップS106の処理に進み、そうでない場合には制御処理を終了する。
【0099】
ステップS106において、駆動信号制御部502は、音階に対応する駆動信号が、既にオン信号であるか否かを判定する。駆動信号制御部502は、音階に対応する駆動信号が既にオンである場合にはステップS108の処理に進み、音階に対応する駆動信号がオフである場合にはステップS110の処理に進む。
【0100】
ステップS108において、駆動信号制御部502は、閾値T1を増加させる。つまり、駆動信号制御部502は、駆動信号がオン信号である状態が、より長く継続するように制御する。
【0101】
ステップS110において、駆動信号制御部502は、音階に対応する駆動信号がオン信号になるように、駆動信号出力部508を制御する。駆動信号出力部508は、FETスイッチ118に対して出力するこの音階に対応した駆動信号を、オン信号に変換する。
【0102】
駆動信号がオンに変換されると、ソレノイド260に電流が流れ、これにより移動部310の接触部材330が発音弁212に接触し、発音弁212が振動して、発音弁212が音を発する(
図8を参照)。
【0103】
ステップS112において、駆動信号制御部502は、タイマー510を制御して、計時を開始させる。タイマー510は、この音階に対応する駆動信号をオンにしてから経過した時間の計測を開始する。
【0104】
図12は、制御プログラム500による駆動信号をオフに変換する場合の制御処理S20を示すフローチャートである。
図12に示すように、ステップS200において、駆動信号制御部502は、駆動信号がオン信号である状態が、T1時間継続しているか否かを判定する。より具体的には、駆動信号制御部502は、駆動信号がオン信号である状態がT1時間を超えた旨の信号を、継続時間判定部512から受け付けたか否かを判定する。駆動信号制御部502は、駆動信号がオン信号である状態が、T1時間継続している場合にはS202の処理に進み、そうでない場合には制御処理を終了する。なお、駆動信号制御部502は、この判定処理を、全ての音階に対応する駆動信号について行う。
【0105】
ステップS202において、駆動信号制御部502は、当該音階に対応する駆動信号がオフ信号になるように、駆動信号出力部508を制御する。駆動信号出力部508は、FETスイッチ118に対して出力するこの音階に対応した駆動信号を、オフ信号に変換する。これにより、この音階に対応するソレノイド260への電流の供給が停止される。
【0106】
図12は、本発明の実施形態に係るオルゴール装置100の全体動作S30を示すフローチャートである。ユーザが、鍵盤20の白鍵又は黒鍵を押さえると、演奏情報が、鍵盤20からオルゴール装置100に対して出力される。演奏情報が、オルゴール装置100に入力され、制御プログラム500のデータ受付部504により受け付けられると、例えば割り込み処理により、データ記憶部506に格納される。なお、演奏情報は、端末装置22から送信されてもよいし、外部記録装置24又はサーバ装置26から取得されてもよい。
【0107】
図12に示すように、ステップS300において、制御プログラム500の駆動信号制御部502は、受け付けられた演奏情報がデータ記憶部506に記憶されているか否かを判定する。演奏情報がデータ記憶部506に記憶されている場合、駆動信号制御部502は、ステップS302の処理に進む。一方、演奏情報がデータ記憶部506に記憶されていない場合、制御プログラム500は、駆動信号をオフに変換する場合の制御処理であるステップS20に進む。
【0108】
ステップS302において、駆動信号制御部502は、データ記憶部506に記憶されている演奏情報を読み出す。その後、制御プログラム500は、駆動信号をオンに変換する場合の制御処理S10を実行する。
【0109】
また、制御プログラム500は、駆動信号をオフに変換する場合の制御処理S20を実行する。このようにして、オルゴール装置100は、演奏情報を受け付け、この演奏情報に基づいて音を発する。