(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
(実施形態1)
図1は、本発明を実施するための第1の実施形態(実施形態1)に係る表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2は、実施形態1に係る表示装置の画像表示パネル及び画像表示パネル駆動回路の概念図である。
図1に示すように、表示装置10は、入力信号(例えば、RGBデータ)が入力され所定のデータ変換処理を実行して出力する信号処理部20と、画像を表示させる画像表示パネル40と、信号処理部20から出力された出力信号に基づいて画像表示パネル40の駆動を制御する画像表示パネル駆動回路30と、画像表示パネル40を、例えばその背面から照明する光源部50と、を備える。
【0011】
信号処理部20は、画像表示パネル40及び光源部50のそれぞれの動作を同期して制御する。信号処理部20は、画像表示パネル40を駆動するための画像表示パネル駆動回路30、及び、画像表示パネル40を照明する光源部50と接続されている。信号処理部20は、外部から入力される入力信号を処理して出力信号及び光源制御信号を生成する。つまり、信号処理部20は、例えば入力信号が示す入力HSV色空間の入力値(入力信号)を、第1の色、第2の色、第3の色及び第4の色成分で再現される再現HSV色空間の再現値(出力信号)に変換して生成し、これに基づく出力信号を画像表示パネル駆動回路30に出力する。また、信号処理部20は、出力信号に対応する光源制御信号を光源部50に出力する。
【0012】
図1、
図2に示すように、画像表示パネル40は、複数の画素48が2次元のマトリクス状に配列されている。
図2に示す例は、XYの2次元座標系に複数の画素48がマトリクス状に配列されている例を示している。この例において、行方向がX方向、列方向がY方向である。このように、複数の画素48は、互いに交差する二方向(行方向、列方向)に沿ってマトリクス状に設けられている。また、
図2に示すように、一つの画素48は、複数の副画素49により構成される。副画素49については後述する。
【0013】
画像表示パネル駆動回路30は、信号出力回路31及び走査回路32を備えている。画像表示パネル駆動回路30は、信号出力回路31によって映像信号を保持し、順次、画像表示パネル40に出力する。信号出力回路31は、配線DTLによって画像表示パネル40と電気的に接続されている。画像表示パネル駆動回路30は、走査回路32によって、画像表示パネル40における副画素の動作(例えば表示輝度で、この場合は光透過率)を制御するためのスイッチング素子(例えば、薄膜トランジスタ(TFT))のオン及びオフを制御する。走査回路32は、配線SCLによって画像表示パネル40と電気的に接続されている。
【0014】
光源部50は、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の光源を有し、電力の供給及び信号処理部20から出力される光源制御信号に応じて画像表示パネル40を照明する。光源部50は、例えば画像表示パネル40の背面に配置され、画像表示パネル40に向けて光を照射することで、画像表示パネル40を照明する。光源部50は、光源制御信号に基づいて光源部50に供給する電流、電圧又は信号のduty比を調整し、画像表示パネル40を照射する光の照射光量(光の強度)を制御する。光源部50は、画像表示パネル40の前面に配置したフロントライト構成であってもよい。また画像表示パネル40として自発光のディスプレイ、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等を用いる場合、光源部50は不要にできる。
【0015】
図3は、実施形態1に係る画像表示パネルの一部分の画素配置を示す図である。
図2、
図3に示すように、画素48は、四つの副画素49により構成される。画素48は、少なくとも第1副画素49Rと、第2副画素49Gと、第3副画素49Bとを有する。また、複数の画素48のうち一部の画素(画素48W)は、さらに第4副画素49Wを有する。画素48に含まれる四つの副画素は、所定の方向(例えば行方向)に沿って連続的に配置される。
【0016】
第1副画素49Rは、第1色成分(例えば、第1原色として赤色)を表示する。第2副画素49Gは、第2色成分(例えば、第2原色として緑色)を表示する。第3副画素49Bは、第3色成分(例えば、第3原色として青色)を表示する。第4副画素49Wは、第4色成分(具体的には白色)を表示する。第1副画素49Rと、第2副画素49Gと、第3副画素49Bと、第4副画素49Wとをそれぞれ区別する必要がない場合、副画素49とする。このように、実施形態1では、第1の色、第2の色、第3の色は、それぞれ赤色、緑色、青色である。また、実施形態1では、第4の色は、白色である。
【0017】
実施形態1では、出力信号が示す再現HSV色空間の第1の色、第2の色、第3の色及び第4の色成分と、第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49B及び第4副画素49Wの各々の色成分とが対応しているものとするが、出力信号の色成分と副画素49の色成分とが直接対応しなくてもよい。例えば、副画素49の色成分の少なくともいずれか一つの色成分が発揮し得る単色の最大の輝度が、出力信号が示す再現HSV色空間で定められた当該単色の最大の輝度よりも高い輝度であってもよい。
【0018】
表示装置10は、より具体的には、例えば透過型のカラー液晶表示装置である。画像表示パネル40は、カラー液晶表示パネルであり、第1副画素49Rと画像観察者との間に第1原色を通過させる第1カラーフィルタが配置され、第2副画素49Gと画像観察者との間に第2原色を通過させる第2カラーフィルタが配置され、第3副画素49Bと画像観察者との間に第3原色を通過させる第3カラーフィルタが配置されている。また、画像表示パネル40は、第4副画素49Wと画像観察者との間にカラーフィルタが配置されていない。第4副画素49Wには、カラーフィルタの代わりに透明な樹脂層が備えられていてもよい。
【0019】
図3に示す例では、等しい面積を有する四つの副画素49を所謂ストライプ配列で配置している。ただしストライプ配列は一例であってこれに限られるものでない。1つの画素48に含まれる四つの副画素49の構造及びその配置は特に限定されない。例えば、画像表示パネル40は、四つの副画素49をダイアゴナル配列(モザイク配列)に類似した配列で配置してもよい。また、例えば、副画素49の配列をデルタ配列(トライアングル配列)に類似した配列、レクタングル配列に類似した配列等としてもよい。また、四つの副画素は等面積でなくてもよい。
【0020】
一般的には、ストライプ配列に類似した配列は、パーソナルコンピュータ等においてデータや文字列を表示するのに好適である。これに対して、モザイク配列に類似した配列は、ビデオカメラレコーダ又はデジタルスチルカメラ等において自然画を表示するのに好適である。これらの配列と製品との関係はあくまで一例であり、これに限られるものでなく、当該関係は任意である。
【0021】
画素48は、第1副画素49Rと、第2副画素49Gと、第3副画素49Bと、第4副画素49Wとを一つずつ有する画素48Wと、第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49Bのうちいずれか一つを二つ有し、他を一つずつ有する画素(画素48R、画素48G、画素48B)とを含む。第1副画素49Rを二つ有し、第2副画素49G、第3副画素49Bを一つずつ有する画素を画素48Rとし、第2副画素49Gを二つ有し、第1副画素49R、第3副画素49Bを一つずつ有する画素を画素48Gとし、第3副画素49Bを二つ有し、第1副画素49R、第2副画素49Gを一つずつ有する画素を画素48Bとする。また、画素48R、画素48G、画素48B、画素48Wを区別する必要がない場合、画素48とする。また、特筆しない限り、画素48R、画素48G、画素48B、画素48Wの符号は、各々が有する第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49B及び第4副画素49Wの数についてのみ区別するための符号であって、これらの副画素49の並び順を区別するための符号でない。
【0022】
図4は、実施形態1に係る画像表示パネル40の一部分であって、
図3よりも広い範囲の画素配置を示す図である。
図4等では、副画素49に係る符号を省略している。
図4では、「R」が内側に記載された長方形が第1副画素49Rを示し、「G」が内側に記載された長方形が第2副画素49Gを示し、「B」が内側に記載された長方形が第3副画素49Bを示し、「W」が内側に記載された長方形が第4副画素49Wを示している。また、
図4等では、画素48R、画素48G、画素48B、画素48Wを区別するための符号が副画素49を示す長方形の一部に上書きされている。画像表示パネル40は、列方向に沿って画素48Rと画素48Wとが互い違いに設けられる画素列(R列)と、列方向に沿って画素48Gと画素48Wとが互い違いに設けられる画素列(G列)と、列方向に沿って画素48Bと画素48Wとが互い違いに設けられる画素列(B列)とが行方向に沿って周期的に設けられている。また、画像表示パネル40は、行方向に沿って、画素48Rと、画素48Wと、画素48Bと、画素48Wと、画素48Gと、画素48Wとが周期的に設けられている。
【0023】
以下、より具体的な画素48R、画素48G、画素48B、画素48Wの配置について、
図4を参照して説明する。ある画素48と他の画素48との隣接関係及びある副画素49と他の副画素49と隣接関係の説明において、
図4を参照して、行方向についてある画素48の右側に隣接する画素48の配置をさして「右隣」と記載し、列方向についてある画素48の下側に隣接する画素48の配置をさして「下隣」と記載することがある。同様に、列方向についてある副画素49の上下に隣接する副画素49の配置をさして「上下隣」と記載することがある。
【0024】
画素48Rの右隣には、G列に存する画素48Wが設けられている。G列に存する画素48Wの右隣には、画素48Bが設けられている。この画素48Bの右隣には、R列に存する画素48Wが設けられている。R列に存する画素48Wの右隣には、画素48Gが設けられている。画素48Gの右隣には、B列に存する画素48Wが設けられている。B列に存する画素48Wの右隣には、画素48Rが設けられている。以降、画像表示パネル40が有する画素行の右端に達するまで、行方向についてこの並び順で画素が配置される。
図4に示す例の場合、左端に存する画素列がR列であることから、各行の左端に存する画素48が画素48R又はR列に存する画素48Wになっているが、一例であってこれに限られるものでなく、任意の画素列(例えばG列又はB列)とすることができる。
【0025】
また、画素48Rの下隣には、R列に存する画素48Wが設けられている。R列に存する画素48Wの下隣には、画素48Rが設けられている。また、画素48Gの下隣には、G列に存する画素48Wが設けられている。G列に存する画素48Wの下隣には、画素48Gが設けられている。また、画素48Bの下隣には、B列に存する画素48Wが設けられている。B列に存する画素48Wの下隣には、画素48Bが設けられている。R列、G列、B列の各々において、列方向についてこの並び順で画素が配置される。このように、画像表示パネル40において、画素48Wは、千鳥状(市松模様状)に配置されている。すなわち、第4の色の副画素(第4副画素49W)を有する画素(画素48W)と第4の色の副画素を有しない画素(画素48R、画素48G、画素48B)とが二方向のうち少なくとも一方向(実施形態1では、行方向及び列方向)に沿って互い違いに設けられる。
【0026】
画素48Rにおける第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49Bの並び順は、ストライプ配列の左側から右側に向かう順に記載すると、第1副画素49R、第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49Bの順である。同様の記載順で、画素48Gにおける第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49Bの並び順は、第1副画素49R、第2副画素49G、第2副画素49G、第3副画素49Bの順である。画素48Bにおける第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49Bの並び順は、第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49B、第3副画素49Bの順である。このように、一つの画素48に含まれる同色の二つの副画素49は隣接する。
【0027】
また、R列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wの上下隣には第1副画素49Rが設けられている。このため、
図4に示すように、R列は、行方向について第1副画素49R、第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49Bの順で並ぶ副画素49の列のうち、第1副画素49Rの列の一方(例えば第2副画素49Gに隣接する第1副画素49Rの列)が有する第1副画素49Rを一行おきで第4副画素49Wに置換したものとなっている。同様に、G列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wの上下隣には第2副画素49Gが設けられている。また、B列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wの上下隣には第3副画素49Bが設けられている。このように、第4副画素49Wが設けられている副画素49の列において、第4副画素49Wは、一行おきという周期で配置される。
【0028】
行方向における第4副画素49Wの配置間隔は、所定の周期性を有する。具体的には、例えば
図4に示すように、R列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wから右側に他の副画素49(第1副画素49R、第2副画素49G又は第3副画素49B)を八つ隔てて、B列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wが設けられている。また、B列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wから右側に他の副画素49を六つ隔てて、G列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wが設けられている。また、G列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wから右側に他の副画素49を七つ隔てて、R列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wが設けられている。このように、第4の色の副画素(第4副画素49W)は、二方向のうち少なくとも一方向(実施形態1では、行方向及び列方向)に沿って所定周期で配置される。
【0029】
上記のような第4副画素49Wの配置から、R列に存する画素48Wと、G列に存する画素48Wと、B列に存する画素48Wとでは、第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49B、第4副画素49Wの並び順が異なり得る。ストライプ配列の左側から右側に向かう順に記載すると、R列に存する画素48W及びG列に存する画素48Wでは、第1副画素49R、第4副画素49W、第2副画素49G、第3副画素49Bの順である。B列に存する画素48Wでは、第1副画素49R、第2副画素49G、第4副画素49W、第3副画素49Bの順である。これらの並び順はあくまで一例であり、これに限られるものでない。例えば、G列に存する画素48Wにおける第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49B、第4副画素49Wの並び順が、第1副画素49R、第2副画素49G、第4副画素49W、第3副画素49Bの順であってもよい。
【0030】
また、第1の色の副画素(第1副画素49R)の数と、第2の色の副画素(第2副画素49G)の数と、第3の色の副画素(第3副画素49B)の数とは等しい。具体的には、第1副画素49Rの数と、第2副画素49Gの数と、第3副画素49Bの数と、第4副画素49Wの数との比率は、7:7:7:3である。
【0031】
図5は、従来のRGBW方式による画像表示パネル40を示す図である。
図5に示すような、全ての画素48が画素48Wである従来のRGBW方式による画像表示パネル40における第1副画素49Rの数と、第2副画素49Gの数と、第3副画素49Bの数と、第4副画素49Wの数との比率は、1:1:1:1である。
図4に示す実施形態1の画像表示パネル40と、
図5に示す従来の画像表示パネル40との差が副画素49の色のみであるという条件下において、実施形態1の画像表示パネル40は、従来の画像表示パネル40に比して、第1色成分、第2色成分、第3色成分の輝度が7/6倍である。このように、実施形態1によれば、第1の色、第2の色、第3の色の輝度をより高くすることができる。
【0032】
図6は、従来のRGB方式による画像表示パネル40を示す図である。
図6に示すような、第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49Bのみからなる画素48RGBにより構成される従来のRGB方式による画像表示パネル40は、第4副画素49Wを有しないので、第4色成分による効果(例えば、輝度の向上)を実現することができない。一方、実施形態1の画像表示パネル40は、第4副画素49Wを有するので、第4色成分による効果を奏することができる。このように、実施形態1によれば、副画素49の色として第1の色、第2の色、第3の色に加えて第4の色を用いたことにより得られる効果と、第1の色、第2の色、第3の色のより高い輝度とを両立することができる。
【0033】
なお、上記で説明したように、信号処理部20は、例えば入力信号が示す入力HSV色空間の入力値(入力信号)を、第1の色、第2の色、第3の色及び第4の色成分で再現される再現HSV色空間の再現値(出力信号)に変換して生成し、これに基づく出力信号を画像表示パネル駆動回路40に出力する。ここで、画素48R、画素48G、画素48Bは、第4副画素49Wを有しないので、第4の色成分を出力することができない。そこで、実施形態1では、第4副画素49Wを有しない画素について、例外処理を行う。具体的には、例えば、画素48R、画素48G、画素48Bは、第4の色成分を無視し、第1の色成分、第2の色成分及び第3の色成分に応じた出力を行うようにしてもよい。また、信号処理部20は、画素48R、画素48G、画素48Bに対応する出力信号を、再現HSV色空間内で第1の色、第2の色、第3の色のみによって再現可能な色に対応する出力信号として出力するようにしてもよい。また、信号処理部20は、所定の組み合わせの画素グループ単位で第4副画素49Wを用いた輝度調整を行うようにしてもよい。具体的には、例えば
図4に示す画素配置の場合、行方向×列方向について2画素×3画素を一つの組の画素グループとし、この画素グループのうち第4の色に変換可能な輝度成分であって当該画素グループに含まれる第4副画素49Wで再現可能な輝度成分を当該画素グループに含まれる第4副画素49Wに配分するとともに、第4副画素49Wに配分された輝度分だけ他の色成分の輝度を低減させるようにしてもよい。第4の色に変換可能な輝度成分の例を挙げると、入力信号を構成する第1の色、第2の色、第3の色の組み合わせが赤色、緑色、青色(RGB)である場合、入力信号が示すこれらの色成分の輝度値のうち最も小さい値に対応する、全色成分の混合色(RGBの混色による白色)の色成分である。具体例として、RGBの入力信号が(100,100,50)であるとすると、このうち白色に変換可能な輝度成分は、(50,50,50)である。係る変換における各色の配分は、第1の色、第2の色、第3の色及び第4の色に応じて適宜設定される。
【0034】
以上説明したように、実施形態1によれば、表示部として機能する画像表示パネル40が、それぞれ異なる色である第1の色、第2の色、第3の色及び第4の色の四色の副画素(例えば、第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49B、第4副画素49W)をそれぞれ一つずつ有する画素(例えば、画素48W)と、第1の色、第2の色又は第3の色のうちいずれか一色の副画素を二つ有し、他の二色の副画素をそれぞれ一つずつ有する画素(例えば、画素48R、画素48G、画素48B)とを有するので、第1の色、第2の色、第3の色及び第4の色の四色の副画素を有する条件下で、第1の色、第2の色、第3の色の輝度をより高くすることができる。また、副画素の色として第1の色、第2の色、第3の色に加えて第4の色を用いたことにより得られる効果と、第1の色、第2の色、第3の色のより高い輝度とを両立することができる。
【0035】
また、第4の色の副画素(例えば、第4副画素49W)は、二方向のうち少なくとも一方向に沿って所定周期で配置されるので、第4の色の副画素を表示部の一部分に偏らせることなく分散配置することができる。
【0036】
また、第4の色の副画素(第4副画素49W)を有する画素(画素48W)と第4の色の副画素を有しない画素(画素48R、画素48G、画素48B)とが二方向のうち少なくとも一方向に沿って互い違いに設けられるので、第4の色の副画素を有する画素を表示部の一部分に偏らせることなく分散配置することができる。
【0037】
また、第1の色の副画素(第1副画素49R)の数と、第2の色の副画素(第2副画素49G)の数と、第3の色の副画素(第3副画素49B)の数とが等しいので、第1の色、第2の色及び第3の色の輝度の高まりを特定の色に偏らせることなく、これらの色の輝度をより高くすることができる。
【0038】
また、一つの画素48に含まれる同色の二つの副画素49が隣接するので、隣接する二つの副画素49の領域における当該二つの副画素49の色の輝度をより高くすることができる。
【0039】
(実施形態1の変形例)
図7は、実施形態1の変形例に係る画像表示パネル40の一部分の画素配置を示す図である。
図7に示すように、実施形態1の
図4の画素48Wの第3副画素49B及び第4画素49Wを入れ替えてもよい。
図7において、画素48Wにおける第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49B、第4副画素49Wの並び順は、ストライプ配列の左側から右側に向かう順に記載すると、第1副画素49R、第3副画素49B、第4副画素49W、第3副画素49Bの順である。
【0040】
図7において、行方向における第4副画素49Wの配置間隔は、所定の周期性を有する。具体的には、例えば
図4に示すように、R列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wから右側に他の副画素49(第1副画素49R、第2副画素49G又は第3副画素49B)を七つ隔てて、B列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wが設けられている。また、B列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wから右側に他の副画素49を七つ隔てて、G列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wが設けられている。また、G列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wから右側に他の副画素49を七つ隔てて、R列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wが設けられている。このように、第4の色の副画素(第4副画素49W)は、二方向のうち少なくとも一方向(実施形態1では、行方向及び列方向)に沿って所定周期で配置される。
【0041】
さらに、隣接する二列の副画素49の一方で第4副画素49Wが配置されている副画素49の列と、他方で第4副画素49Wが配置されている副画素49の列との間に存する副画素49の列の数は一律三列である。このように、実施形態1の変形例では、第4副画素49Wが等間隔配置されている。
【0042】
実施形態1の変形例によれば、実施形態1と同様の効果を得られる。すなわち、第1の色、第2の色、第3の色及び第4の色の四色の副画素を有する条件下で、第1の色、第2の色、第3の色の輝度をより高くすることができる。また、副画素の色として第1の色、第2の色、第3の色に加えて第4の色を用いたことにより得られる効果と、第1の色、第2の色、第3の色のより高い輝度とを両立することができる。また、第4の色の副画素を表示部の一部分に偏らせることなく分散配置することができる。また、第1の色、第2の色及び第3の色の輝度の高まりを特定の色に偏らせることなく、これらの色の輝度をより高くすることができる。また、隣接する二つの副画素49の領域における当該二つの副画素49の色の輝度をより高くすることができる。さらに、第4副画素49Wが等間隔配置されるので、第4の色の副画素をより均一に分散配置することができる。
【0043】
(実施形態2)
次に、本発明を実施するための第2の実施形態(実施形態2)について説明する。実施形態1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略することがある。
図8は、実施形態2に係る画像表示パネル40の一部分の画素配置を示す図である。
図8に示す範囲は、
図4に示す範囲に対応する。
図8に示すように、実施形態2のB列における副画素49の配置は、実施形態1のB列における第2副画素49Gと、第3副画素49B又は第4副画素49Wとの位置を入れ替えた配置になっている。この配置に関する差異を除いて、実施形態2は、実施形態1と同様である。
【0044】
すなわち、B列の画素48Bにおける第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49Bの並び順は、ストライプ配列の左側から右側に向かう順に記載すると、第1副画素49R、第3副画素49B、第2副画素49G、第3副画素49Bの順である。同様の記載順で、B列の画素48Wにおける第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49B、第4副画素49Wの並び順は、第1副画素49R、第4副画素49W、第2副画素49G、第3副画素49Bの順である。
【0045】
上記のようなB列の副画素49の配置により、実施形態2では、R列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wから右側に他の副画素49(第1副画素49R、第2副画素49G又は第3副画素49B)を七つ隔てて、B列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wが設けられている。また、B列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wから右側に他の副画素49を七つ隔てて、G列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wが設けられている。また、G列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wから右側に他の副画素49を七つ隔てて、R列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wが設けられている。さらに、隣接する二列の副画素49の一方で第4副画素49Wが配置されている副画素49の列と、他方で第4副画素49Wが配置されている副画素49の列との間に存する副画素49の列の数は一律三列である。このように、実施形態2では、第4副画素49Wが等間隔配置されている。
【0046】
実施形態2によれば、実施形態1と同様の効果に加えて、第4副画素49Wが等間隔配置されるので、第4の色の副画素をより均一に分散配置することができる。
【0047】
(実施形態2の変形例)
図9は、実施形態2の変形例に係る画像表示パネル40の一部分の画素配置を示す図である。さらに、
図9に示すように、
図8の画素48Wの第3副画素49B及び第4画素49Wを入れ替えてもよい。
図9において、画素48Wにおける第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49B、第4副画素49Wの並び順は、ストライプ配列の左側から右側に向かう順に記載すると、第1副画素49R、第3副画素49B、第4副画素49W、第3副画素49Bの順である。
【0048】
上記のような画素48Wの配置により、実施形態2の変形例では、R列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wから右側に他の副画素49(第1副画素49R、第2副画素49G又は第3副画素49B)を七つ隔てて、B列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wが設けられている。また、B列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wから右側に他の副画素49を七つ隔てて、G列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wが設けられている。また、G列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wから右側に他の副画素49を七つ隔てて、R列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wが設けられている。さらに、隣接する二列の副画素49の一方で第4副画素49Wが配置されている副画素49の列と、他方で第4副画素49Wが配置されている副画素49の列との間に存する副画素49の列の数は一律三列である。このように、実施形態2の変形例では、第4副画素49Wが等間隔配置されている。
【0049】
実施形態2の変形例によれば、実施形態1と同様の効果に加えて、第4副画素49Wが等間隔配置されるので、第4の色の副画素をより均一に分散配置することができる。
【0050】
(実施形態3)
次に、本発明を実施するための第3の実施形態(実施形態3)について説明する。実施形態1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略することがある。
図10は、実施形態3に係る画像表示パネル40の一部分の画素配置を示す図である。
図10に示すように、実施形態3では、行方向に沿った画素列の並び順が、左から順に、B列、R列、G列、G列、B列、R列の順となっている。実施形態3の画像表示パネル40は、この並び順の画素列のセット(上記B列、R列、G列、G列、B列、R列)が行方向に沿って周期的に設けられている。
【0051】
実施形態3では、行方向については、画素48Wの並びが一画素おきではない。具体的には、例えば
図10の一番上の画素行の場合、画素列のセットの左端から順に、画素48B、R列に存する画素48W、画素48G、G列に存する画素48W、B列に存す画素48W、画素48Rのように並んでいる。これを画素48Wで有るか否かを「有」又は「無」で表すと、「無」、「有」、「無」、「有」、「有」、「無」の順になる。また、実施形態3では、R列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wから右側に他の副画素49(第1副画素49R、第2副画素49G又は第3副画素49B)を七つ隔てて、B列に存する画素48Wが有する第4副画素49Wが設けられている。これらの画素列及び画素48W(第4副画素49W)の配置に関する差異を除いて、実施形態3は、実施形態1と同様である。確認的に記すと、列方向については、実施形態3は、実施形態1と同様、画素48Wの並びが一画素おきである。
【0052】
実施形態3によれば、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0053】
(実施形態4)
次に、本発明を実施するための第4の実施形態(実施形態4)について説明する。実施形態1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略することがある。
図11は、実施形態4に係る画像表示パネル40の一部分の画素配置を示す図である。
図11に示すように、実施形態4に係る画像表示パネル40は、全て画素48Wで構成されている画素列(W列)を有する。W列は、ストライプ配列の左側から右側に向かう順に記載すると、第4副画素49W、第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49Bの順に副画素49が並ぶ画素48Wと、第3副画素49B、第1副画素49R、第2副画素49G、第4副画素49Wの順に副画素49が並ぶ画素48Wとが列方向について交互に並ぶ画素列である。
図11に示す例では、行方向に沿った画素列の並び順が、左から順に、B列、R列、W列、G列、R列、W列の順となっている。実施形態4の画像表示パネル40は、この並び順の画素列のセットが行方向に沿って周期的に設けられている。
【0054】
実施形態4では、第1の色の副画素(第1副画素49R)の数と、第2の色の副画素(第2副画素49G)の数と、第3の色の副画素(第3副画素49B)の数のうち少なくとも一つの色の副画素49の数が他の色の副画素の数と異なる。具体的には、例えば
図11に示す例の場合、第1副画素49Rの数と、第2副画素49Gの数と、第3副画素49Bの数と、第4副画素49Wの数との比率は、14:13:13:8である。
図11に示す例は、仮に実施形態1〜3のように第1の色の副画素(第1副画素49R)の数と、第2の色の副画素(第2副画素49G)の数と、第3の色の副画素(第3副画素49B)の数とが等しい場合に第1色成分が第2色成分及び第3色成分に比して不足する色再現傾向を示す画像表示パネル40に対して適用される。このように、実施形態4は、副画素49の各色成分の割合を調整することで、画像表示パネル40のカラーバランスを調整することができる。
図11に示す例は、第1色成分をより強める目的で第1副画素49Rが相対的に多い副画素49の配分となっているが、これはあくまで一例であり、実施形態4における副画素49の各色成分の配分はこれに限られるものでない。例えば、第2色成分をより強める目的であれば、
図11に示す第1副画素49Rと第2副画素49Gの数又は配置、あるいはその両方を入れ替えればよい。第3色成分をより強める場合も同様である。実施形態4では、各色成分の過不足の傾向に応じて、各色成分の副画素49の配分を適宜決定する。ただし、実施形態4において、第4副画素49Wは、画像表示パネル40が有する複数の画素のうち一つ以上の画素に必ず設けられ、かつ、全ての画素48に設けられることがないという条件が適用される。また、実施形態4において、全ての画素48は、必ず一つ以上の第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49Bを有するという条件が適用される。係る条件下で、第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49B及び第4副画素49Wの数の比率が調整される。
【0055】
第4実施形態によれば、副画素49の各色成分の割合を異ならせることで、表示部(例えば、画像表示パネル40)のカラーバランスを調整することができる。
【0056】
(適用例)
次に、
図12及び
図13を参照して、各実施形態で説明した表示装置10の適用例について説明する。
図12及び
図13は、各実施形態に係る表示装置を適用する電子機器の一例を示す図である。各実施形態に係る表示装置10は、
図12に示すカーナビゲーションシステム、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、
図13に示す携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、各実施形態に係る表示装置10は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。なお、本適用例は、各実施形態に係る表示装置10以外でも、以上説明した他の実施形態、変形例及び他の例に係る表示装置にも適用できる。
【0057】
図12に示す電子機器は、各実施形態に係る表示装置10が適用されるカーナビゲーション装置である。表示装置10は、自動車の車内のダッシュボード300に設置される。具体的にはダッシュボード300の運転席311と助手席312の間に設置される。カーナビゲーション装置の表示装置10は、ナビゲーション表示、音楽操作画面の表示、又は、映画再生表示等に利用される。
【0058】
図13に示す電子機器は、各実施形態に係る表示装置10が適用される携帯型コンピュータ、多機能な携帯電話、音声通話可能な携帯コンピュータまたは通信可能な携帯コンピュータとして動作し、いわゆるスマートフォン、タブレット端末と呼ばれることもある、情報携帯端末である。この情報携帯端末は、例えば筐体562の表面に表示部561を有している。この表示部561は、各実施形態に係る表示装置10と外部近接物体を検出可能なタッチ検出(いわゆるタッチパネル)機能とを備えている。
【0059】
以上、本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態等の内容によりこれらの実施形態等が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態等の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。例えば、表示装置10は、有機発光ダイオード(OLED)のような自発光体を点灯する自発光型の画像表示パネル40を有していてもよい。また、副画素毎の色の決定(第1の色、第2の色、第3の色又は第4の色)は、カラーフィルタに限らず、発光材料を用いて行うことができる。
【0060】
また、上記の実施形態では入力信号及び出力信号が示す色の色空間としてHSV色空間を採用しているが、HSV色空間はあくまで本発明に係り採用可能な色空間の一例であってこれに限られるものでなく、別の色空間を採用することができる。また、副画素の色は、赤色、緑色、青色及び白色に限られるものでなく、これらの色のうち少なくともいずれか一色を他の色としてもよい。具体例を挙げると、白色に代えてイエロー(Y)等の色を採用するようにしてもよい。また、赤色、緑色、青色の三原色に代えて、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)等の色を採用するようにしてもよい。
【0061】
また、上記の実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【0062】
また、本発明は、以下の構成を取ることもできる。
(1)
複数の画素が設けられた表示部を有する表示装置であって、
一つの画素は、四つの副画素を有し、
前記表示部は、
それぞれ異なる色である第1の色、第2の色、第3の色及び第4の色の四色の副画素をそれぞれ一つずつ有する画素と、
前記第1の色、前記第2の色又は前記第3の色のうちいずれか一色の副画素を二つ有し、他の二色の副画素をそれぞれ一つずつ有する画素と、
を有する、
表示装置。
(2)
前記複数の画素は、互いに交差する二方向に沿ってマトリクス状に設けられ、
前記第4の色の副画素は、前記二方向のうち少なくとも一方向に沿って所定周期で配置される、
(1)に記載の表示装置。
(3)
前記複数の画素は、互いに交差する二方向に沿ってマトリクス状に設けられ、
前記第4の色の副画素を有する画素と前記第4の色の副画素を有しない画素とが前記二方向のうち少なくとも一方向に沿って互い違いに設けられる、
(1)又は(2)に記載の表示装置。
(4)
前記第1の色の副画素の数と、前記第2の色の副画素の数と、前記第3の色の副画素の数とは等しい、
(1)又は(2)に記載の表示装置。
(5)
前記第1の色の副画素の数と、前記第2の色の副画素の数と、前記第3の色の副画素の数のうち少なくとも一つの色の副画素の数が他の色の副画素の数と異なる、
(1)又は(2)に記載の表示装置。
(6)
一つの画素に含まれる同色の二つの副画素は隣接する、
(1)又は(2)に記載の表示装置。
(7)
前記第1の色、前記第2の色、前記第3の色は、それぞれ赤色、緑色、青色である、
(1)又は(2)に記載の表示装置。
(8)
前記第4の色は、白色である、
(1)又は(2)に記載の表示装置。
(9)
前記画素に含まれる四つの副画素は、所定の方向に沿って連続的に配置される、
(1)又は(2)に記載の表示装置。