特許第6386915号(P6386915)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386915
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】メカニカルシール
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/34 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
   F16J15/34 Z
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-227(P2015-227)
(22)【出願日】2015年1月5日
(65)【公開番号】特開2016-125597(P2016-125597A)
(43)【公開日】2016年7月11日
【審査請求日】2017年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000229737
【氏名又は名称】日本ピラー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084342
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 久巳
(72)【発明者】
【氏名】二宮 正信
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 貴倫
【審査官】 谷口 耕之助
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−261573(JP,A)
【文献】 実開昭58−097359(JP,U)
【文献】 特開2014−219042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールケースに設けられた静止密封環と、シールケース及び静止密封環を洞貫する回転軸に着脱可能に挿通固定されたスリーブと、スリーブに設けられた回転密封環とを具備して、両密封環の相対回転摺接部分で機内領域と機外領域とを遮蔽シールするように構成されたメカニカルシールにおいて、
回転軸に挿通させたスリーブを、当該スリーブの基端部に軸線方向相対移動不能に係合保持された係合リングとこれに対向して回転軸に挿通された固定リングとこれに螺合されて固定リングを回転軸に固定する固定ネジと両リングを軸線方向相対移動不能に連結する連結ネジとにより、回転軸に固定するように構成してあり、
スリーブの外周面に周方向に所定間隔を隔てて複数個の凹部を形成すると共に、係合リングの内周面に当該各凹部に係合する凸部を形成して、この凹凸部の係合により係合リングがスリーブに軸線方向相対移動不能且つ相対回転不能に係合保持されていることを特徴とするメカニカルシール。
【請求項2】
シールケースに設けられた静止密封環と、シールケース及び静止密封環を洞貫する回転軸に着脱可能に挿通固定されたスリーブと、スリーブに設けられた回転密封環とを具備して、両密封環の相対回転摺接部分で機内領域と機外領域とを遮蔽シールするように構成されたメカニカルシールにおいて、
回転軸に挿通させたスリーブを、当該スリーブの基端部に軸線方向相対移動不能に係合保持された係合リングとこれに対向して回転軸に挿通された固定リングとこれに螺合されて固定リングを回転軸に固定する固定ネジと両リングを軸線方向相対移動不能に連結する連結ネジとにより、回転軸に固定するように構成してあり、
前記係合リングが径方向に2分割されており、その各分割部分が連結ネジにより前記固定リングに連結されていることを特徴とするメカニカルシール。
【請求項3】
シールケースに設けられた静止密封環と、シールケース及び静止密封環を洞貫する回転軸に着脱可能に挿通固定されたスリーブと、スリーブに設けられた回転密封環とを具備して、両密封環の相対回転摺接部分で機内領域と機外領域とを遮蔽シールするように構成されたメカニカルシールにおいて、
回転軸に挿通させたスリーブを、当該スリーブの基端部に軸線方向相対移動不能に係合保持された係合リングとこれに対向して回転軸に挿通された固定リングとこれに螺合されて固定リングを回転軸に固定する固定ネジと両リングを軸線方向相対移動不能に連結する連結ネジとにより、回転軸に固定するように構成してあり、
前記スリーブの一端部に、これが挿通されている回転軸部分の外径より大径の開口部を有し且つ開口部から当該スリーブの他端部方向へと漸次縮径するテーパ部を有するシール装填凹部を形成すると共に、このシール装填凹部に装填した弾性材製の環状シール部材を装填して、当該環状シール部材を前記両リングの連結ネジによる連結によってテーパ部と回転軸との間に押し込むことにより当該スリーブと回転軸との間をシールするように構成したことを特徴とするメカニカルシール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールケースに設けられた静止密封環と、シールケースを洞貫する回転軸に着脱可能に挿通固定されたスリーブと、スリーブに設けられた回転密封環とを具備して、両密封環の相対回転摺接部分で被密封流体領域と非密封流体領域とを遮蔽シールするように構成されたメカニカルシールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のメカニカルシールとして、特許文献1〜4に開示される如く、回転機器の軸封部ケーシングに取り付けられたシールケースと、シールケースを洞貫する回転軸に着脱可能に挿通固定されたスリーブと、スリーブに固定された回転密封環と、シールケースに軸線方向移動可能に保持された静止密封環と、シールケースと静止密封環との間に介装されて静止密封環を回転密封環へと押圧附勢するスプリング部材とを具備して、両密封環の対向端面である密封端面の相対回転摺接作用により被密封流体領域である機内領域と非密封流体領域である機外大気領域とを遮蔽するように構成されものが周知である。
【0003】
而して、かかるメカニカルシールにあっては、シールケース外に突出させたスリーブの基端部に固定リングを嵌合させ、この固定リングを回転軸及びスリーブにネジ等により固定することにより、スリーブを回転軸に着脱可能に挿通固定させている。
【0004】
すなわち、特許文献1に開示されたメカニカルシール(以下「第1従来メカニカルシール」という)及び特許文献2に開示されたメカニカルシール(以下「第2従来メカニカルシール」という)にあっては、固定リングをスリーブの基端部に嵌合するスリーブ固定部分と回転軸に嵌合する回転軸固定部分とが軸線方向に連なる形状に一体形成してなるものに構成して、スリーブ固定部分に螺合させた複数個のスリーブ固定ネジをスリーブに締め付けることによって固定リングをスリーブに固定すると共に、回転軸固定部分に螺合させた複数個の回転軸固定ネジを回転軸に締め付けることにより固定リングを回転軸に固定するように構成されている。
【0005】
また、特許文献3に開示メカニカルシール(以下「第3従来メカニカルシール」という)にあっては、固定リングを嵌合させたスリーブの基端部に周方向に並列する複数個の係合孔及びネジ挿通孔を周方向に並列状に形成して、各係合孔に挿通させた係合ピンを固定リングに形成した挿通孔に挿通させることにより固定リングをスリーブの基端部に相対回転不能に連結した上、スリーブを回転軸に挿通させて、軸線方向位置を係合ピンと同一とする位置に配して固定リングに螺合させた複数個の回転軸固定ネジを前記各ネジ挿通孔に挿通させた上で回転軸に締め付けることにより、固定リングを介してスリーブを回転軸に固定するように構成されている。
【0006】
また、特許文献4に開示メカニカルシール(以下「第4従来メカニカルシール」という)にあっては、固定リングを嵌合させたスリーブの基端部にその周方向に並列する複数個のネジ挿通孔を形成して、固定リングに螺合させたスリーブ固定ネジをスリーブに締め付けることにより固定リングをスリーブに固定し、更に軸線方向位置をスリーブ固定ネジと同一とする位置に配して固定リングに螺合させた複数個の回転軸固定ネジを前記ネジ挿通孔に挿通させた上で回転軸に締め付けることにより、固定リングを介してスリーブを回転軸に固定するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平07−12238号公報
【特許文献2】特開2010−209937公報
【特許文献3】特開2010−216587公報
【特許文献4】特開2005−048818公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、第1及び第2従来メカニカルシールでは、固定リングが回転軸固定ネジとスリーブ固定ネジとを軸線方向に所定間隔を隔てて螺合させるものであり、回転軸固定ネジを螺合する回転軸固定部分とスリーブ固定ネジを螺合するスリーブ固定部分とからなる軸線方向に長尺なものであることから、スリーブ部分(スリーブの基端部及びこれに固定された固定リング)のシールケース外への突出量が極めて大きくなる。一方、回転機器はメカニカルシールの設置スペースが制限されるものが多く、一般に、メカニカルシールを設置した場合におけるシールケース外のスペースは小さい。したがって、第1及び第2従来メカニカルシールでは、上記した如くスリーブ部分がシール外に大きく突出するため、メカニカルシールの設置スペースが制限されている回転機器には装着することが困難であり、適用できる回転機器が大幅に制限される。
【0009】
これに対して、第3及び第4従来メカニカルシールでは、回転軸固定ネジと係合ピン又はスリーブ固定ネジの軸線方向位置が同一であり、固定リングの軸線方向長さを小さくすることができるから、シールケース外に突出するスリーブ部分(スリーブの基端部及びこれに固定された固定リング)が小さく、上記した問題はない。
【0010】
しかし、第3及び第4従来メカニカルシールにあっては、スリーブにおける同一の軸線方向位置に周方向に並列して複数個の係合孔及びネジ挿通孔を形成するため、スリーブ強度が低下し、スリーブの回転軸への固定強度が低下する。特に、第3従来メカニカルシールでは、スリーブと固定リングとの固定を係合ピンによる係合作用によって行っているため、スリーブと固定リングとの連結が不安定であり、スリーブ固定の信頼性が低い。
【0011】
また、第1、第2及び第4従来シールでは固定リングのスリーブへの固定をスリーブ固定ネジのスリーブへの締め付け力によって行っているため、固定リングのスリーブへの固定強度を高めるためにスリーブ固定ネジの締め付け力を高くすると、スリーブに歪を生じる虞れがあり、スリーブの肉厚(径方向厚み)を必要以上に大きくしておかざるを得ない。
【0012】
本発明は、第1〜第4従来メカニカルシールにおける上記した問題を解決して、スリーブの回転軸への固定を確実且つ安定して状態で容易に行うことができるメカニカルシールを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、シールケースに設けられた静止密封環と、シールケース及び静止密封環を洞貫する回転軸に着脱可能に挿通固定されたスリーブと、スリーブに設けられた回転密封環とを具備して、両密封環の相対回転摺接部分で機内領域と機外領域とを遮蔽シールするように構成されたメカニカルシールにおいて、上記の目的を達成すべく、特に、回転軸に挿通させたスリーブを、当該スリーブの基端部に軸線方向相対移動不能に係合保持された係合リングとこれに対向して回転軸に挿通された固定リングとこれに螺合されて固定リングを回転軸に固定する固定ネジと両リングを軸線方向相対移動不能に連結する連結ネジとにより、回転軸に固定するように構成したものである。
【0014】
かかるメカニカルシールの好ましい実施の形態にあっては、スリーブの外周面に周方向に所定間隔を隔てて複数個の凹部を形成すると共に、係合リングの内周面に当該各凹部に係合する凸部を形成して、この凹凸部の係合により係合リングがスリーブに軸線方向相対移動不能且つ相対回転不能に係合保持されている。また、係合リングが径方向に2分割されており、その各分割部分が連結ネジにより固定リングに連結されている。また、スリーブの一端部に、これが挿通されている回転軸部分の外径より大径の開口部を有し且つ開口部からスリーブの他端部方向へと漸次縮径するテーパ部を有するシール装填凹部を形成すると共に、このシール装填凹部に装填した弾性材製の環状シール部材を装填して、当該環状シール部材を前記両リングの連結ネジによる連結によってテーパ部と回転軸との間に押し込むことによりスリーブと回転軸との間をシールするように構成しておくことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のメカニカルシールは、スリーブの基端部に軸線方向相対移動不能に係合させた係合リングと回転軸に固定ネジにより固定させた固定リングとを連結ネジで連結することによって、スリーブを回転軸に挿脱可能に固定するように構成したものであるから、固定リングに軸線方向に所定間隔を隔てた二箇所に回転軸固定ネジとスリーブ固定ネジとを螺合させておく必要のある第1及び第2従来メカニカルシールに比して、スリーブ及び固定リングの軸線方向長さを小さくでき、メカニカルシール設置スペースが制限される回転機器にも良好に装着することができる。また、本発明のメカニカルシールにあっては、スリーブに係合リングないし固定リングを固定しておくための貫通孔を設ける必要がないから、同一の軸線方向位置に周方向に並列して複数個の貫通孔(係合孔及びネジ挿通孔)を形成しておく必要のある第3及び第4従来メカニカルシールと異なって、貫通孔によるスリーブ強度の低下を招くことがなく、スリーブと固定リングとの固定を係合ピンによる係合作用によって行っている第3従来メカニカルシールに比して、スリーブを強固に回転軸に固定させることができる。また、本発明のメカニカルシールにあっては、スリーブ固定ネジをスリーブに締め付けることにより固定リングをスリーブに固定するようにした第1、第2及び第4従来メカニカルシールに比して、スリーブ固定ネジの締め付けによりスリーブに歪を生じることがなく、スリーブの肉厚を薄くすることができる。
【0016】
したがって、本発明によれば、冒頭で述べた如き第1〜第4従来メカニカルシールにおける問題を解決して、スリーブの回転軸への固定を確実且つ安定して状態で容易に行うことができ、メカニカルシール機能を適正且つ良好に発揮できるメカニカルシールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は本発明に係るメカニカルシールの一例を示す断面図(断面は図3のI−I線に沿う)である。
図2図2図1の要部を拡大して示す詳細図である。
図3図3図2のIII −III 線に沿う断面図である。
図4図4図2のIV−IV線に沿う断面図である。
図5図5は本発明に係るメカニカルシールの組立工程の一部を示す図2相当の断面図である。
図6図6は本発明に係るメカニカルシールの変形例を示す図1対応の断面図である。
図7図7図6の要部を拡大して示す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
【0019】
図1は本発明に係るメカニカルシールの一例を示す断面図(断面は図3のI−I線に沿う)であり、図2図1の要部を拡大して示す詳細図であり、図3図2のIII −III 線に沿う断面図であり、図4図2のIV−IV線に沿う断面図であり、図5は当該メカニカルシールの組立工程の一部を示す図2相当の断面図である。
【0020】
図1に示すメカニカルシールMは、熱油等の高温流体を扱うポンプ等の回転機器に装備されるもので、回転機器の軸封部ケーシング1に取り付けられたシールケース2と、軸封部ケーシング1及びシールケース2を貫通して当該回転機器外に突出する回転軸3に着脱可能に挿通固定されたスリーブ4と、スリーブ4に設けられた回転密封環5と、シールケース1に設けられた静止密封環6と、を具備して、両密封環5,6の対向端面である密封端面5a,6aの相対回転摺接作用により、当該相対回転摺接部分5a,6aの外周側領域である被密封流体領域Aとその内周側領域である非密封流体領域Bとを遮蔽シールするものであり、シールケース2及びこれに設けられた静止密封環6等で構成される静止側密封要素M1とスリーブ4及びこれに設けられた回転密封環5等で構成される回転側密封要素M2とをセット爪7により当該メカニカルシールMの軸封部ケーシング1及び回転軸3への着脱時に一体連結させておくように構成されたカートリッジ形のものである。この例では、被密封流体領域Aは当該回転機器の内部領域(機内領域)であって高圧の高温流体領域であり、非密封流体領域Bは当該回転機器の外部領域(機外領域)であって大気領域である。なお、以下の説明において、前後とは図1及び図2における左右を意味するものとする。また、両密封環5,6の側を先端側と称呼し、これと反対側を基端側と称呼する。
【0021】
シールケース2は、図1に示す如く、軸封部ケーシング1に先端部(後端部)21aを衝合させた状態で取り付けられたケース本体21とその内周面の軸線方向中間部に突設した環状凸部21bに取り付けられたバッフル22とケース本体21の基端部(前端部)21cに取り付けられたフランジ23とその基端部(前端部)に取り付けられた円環状の閉塞板24とからなる金属製の円筒構造体である。ケース本体21は、先端部21aの内径を軸封部ケーシング1の内径に略一致させると共に環状凸部21bの内径を先端部21a及び基端部21cの内径より小さくした円筒状のものである。バッフル22は、ケース本体21の環状凸部21bの基端部(前端部)に取り付けられて、環状凸部21bの内周部との間に隙間を有した状態で当該内周部から両密封環5,6の相対回転摺接部分5a,6aの内周部近傍へと軸線方向に延びる薄肉円筒状のものである。フランジ23は先端内周部から内方に突出する環状壁23aを有する円環状体であり、この環状壁23aと当該フランジ23の基端内周部に取り付けた円環状の閉塞板24との間に環状の二次シール空間25を形成している。なお、シールケース2は、軸封部ケーシング1から軸線方向に突出する複数個(1個のみ図示)のボルト1aに螺合させたナット1bを着脱することにより、軸線方向に移動させて軸封部ケーシング1に取り付け、取り外しすることができる。
【0022】
スリーブ4は、図1に示す如く、基端部(前端部)41をシールケース2外に突出させると共に先端部42を軸封部ケーシング1内に突入させた状態で回転軸3に挿通固定された薄肉円筒状のもので、先端部42には軸封部ケーシング1の内径より若干小さな外径の円環状鍔部43が一体形成されている。スリーブ4の基端部41の外周面には、シールケース2内のスリーブ部分との境界部位(閉塞板24に対応する部位)に位置する環状凹部44が形成されていて、図1に鎖線図示する如く、この環状凹部44にシールケース2の基端面(フランジ23の基端面)に取り付けた複数個(1個のみ図示)のセット爪7を係合させることにより、シールケース2とスリーブ4とを連結する、つまりシールケース2を含む静止側密封要素M1とスリーブ4を含む回転側密封要素M2とを当該メカニカルシールMの組立形態と同一形態に一体連結するようになっている。
【0023】
スリーブ4は、図1図4に示す如く、係合リング8と固定リング9と連結ネジ10と固定ネジ11とからなる固定手段により回転軸3に挿通固定されている。
【0024】
すなわち、係合リング8は、スリーブ4の基端部41に軸線方向相対移動不能且つ相対回転不能に係合された金属製の円環状体であり、周方向に等間隔を隔てて軸線方向に貫通する複数個のネジ孔8aが形成されている。また、スリーブ4の基端部41の外周面には、図1図3に示す如く、前記環状凹部44よりスリーブ基端側に位置して、周方向に所定間隔を隔てて複数個の係合凹部45が形成されている。また、係合リング8の内周面には、各係合凹部45に係合する複数個の係合凸部8bが形成されている。各係合凹部45は、図2及び図3に示す如く、スリーブ4の軸線に直交する断面(横断面)の形状が半月状をなし且つ当該軸線を通過する断面(縦断面)の形状が係合リング8の厚み(軸線方向長さ)に略一致する幅の矩形状をなすものであり、各係合凸部8bは各係合凹部45の上記断面形状に略一致する断面形状をなすものである。したがって、各係合凹部45に各係合凸部8bを係合させることにより、係合リング8はスリーブ4の基端部41に軸線方向相対移動不能且つ相対回転不能に嵌合保持される。
【0025】
ところで、係合リング8は、図3に示す如く、径方向に2分割(2等分)されており、各分割部分8Aには少なくとも一個のネジ孔8a及び係合凸部8bが形成されている。この例では、図3に示す如く、スリーブ4の基端部41に周方向に等間隔を隔てて4個の係合凹部45が形成されており、係合リング8の各分割部分8Aには3個のネジ孔8a及び2個の係合凸部8bが形成されている。
【0026】
また、固定リング9は、図1及び図2に示す如く、回転軸3に挿通する本体部91とその外周部から突出してスリーブ4の基端部41に嵌合する嵌合部92とその外周部から突出して係合リング8の外周部に嵌合する鍔部93とからなる金属製の円環状体である。
【0027】
固定リング9の本体部91には、図2及び図4に示す如く、周方向に等間隔を隔てて径方向に貫通する複数個のネジ孔91aが形成されている。本体部91における各ネジ孔91aが形成された部分とこれに隣接するネジ孔91aが形成された部分との間には、図2及び図4に示す如く、本体部91の基端面及び内外周面に開口する凹部91bが形成されている。
【0028】
固定リング9の本体部91及び嵌合部92には、図2及び図4に示す如く、係合リング8の各ネジ孔8aに一致して軸線方向に貫通する複数個のネジ挿通孔94が形成されている。各ネジ挿通孔94は、図2及び図4に示す如く、固定リング9の本体部91に形成された各凹部91bに開口されている。
【0029】
而して、スリーブ4の回転軸3への固定は、上記固定手段8〜11により次のように行われる。
【0030】
すなわち、スリーブ4を回転軸3に挿通させて所定位置(セット爪7によりシールケース2と連結される位置)に位置させると共に、固定リング9を回転軸3に挿通させる。次いで、係合リング8の両分割部分8Aを、各係合凸部8bをスリーブ4の係合凹部45に係合させることにより、環状をなしてスリーブ4の基端部41に軸線方向相対移動不能且つ相対回転不能に係合保持させた上、図5(A)に示す如く、固定リング9の各ネジ挿通孔94に挿通させた連結ネジ10を係合リング8の各ネジ孔8aに螺合させることにより、係合リング8と固定リング9とを連結する。なお、この例では、各連結ネジ10として六角ボルトが使用されており、その頭部10aは固定リング9の凹部91bに収納される。
【0031】
そして、図5(B)に示す如く、各連結ネジ10を締め付けて、固定リング9の嵌合部92を係合リング8の基端面に衝合させると共に、固定リング9の鍔部93を係合リング8の外周部に嵌合させ、両リング8,9の連結を完了させる。
【0032】
このように両リング8,9を連結させた後、図2及び図4に示す如く、固定リング9の各ネジ孔91aに螺合させた固定ネジ11を回転軸3に締め付けて、固定リング9を回転軸3に固定させることによって、スリーブ4を回転軸3に固定する。なお、この例では、固定ネジ11として頭部を有しない穴付き止めネジが使用されている。
【0033】
また、スリーブ4とこれが挿通固定された回転軸2との間は、環状シール部材12によってシール(二次シール)されている。
【0034】
すなわち、図2に示す如く、スリーブ4の基端部41に、これが挿通されている回転軸3部分の外径より大径の開口部46aを有し且つ開口部46aからスリーブ4の先端部方向(後方向)へと漸次縮径するテーパ部46bを有するシール装填凹部46を形成すると共に、このシール装填凹部46に装填した弾性材製の環状シール部材12を装填して、当該環状シール部材12を前記両リング8,9の連結ネジ10による連結によってテーパ部46bと回転軸3との間に押し込むことにより、スリーブ4と回転軸3との間をシールするように構成してある。
【0035】
シール装填凹部46は、スリーブ4の基端内周部に形成されており、図2に示す如く、円柱状の開口部46aとその先端から回転軸3の外周面へと漸次縮径する截頭円錐状のテーパ部46bとからなる。
【0036】
環状シール部材12は、外周面の一部がシール装填凹部46のテーパ部46bに対応するテーパ面12cに構成された断面台形状の円環状体である。すなわち、この例では、環状シール部材12が、図5に示す如く、基端部(前端部)12aをその外周面がシール装填凹部46の開口部46aの内周面より若干小径又はこれと略同一径をなし且つその内周面が回転軸3の外周面より若干大径又はこれと略同一径をなす円筒状に形成すると共に先端部(後端部)12bをその外周面がシール装填凹部46のテーパ部46bの内周面に略一致するテーパ面12cをなし且つその内周面が基端部12aの内周面と同一径をなす円錐台状に形成してなる円環状体であって、図5(A)に示す如く、非圧縮状態でシール装填凹部46に収納できる大きさに構成されている。環状シール部材12の構成材としては、耐熱性を有する弾性材(例えば、膨張黒鉛又はこれを主成分とする膨張黒鉛複合材)が使用され、この例では日本ピラー工業(株)製の膨張黒鉛複合材「ピラーフォイル」が使用されている。
【0037】
而して、係合リング8と固定リング9との連結が開始される前において、図5(A)に示す如く、回転軸3に挿通されたスリーブ4のシール装填凹部46に環状シール部材12を挿入すると共に、シール装填凹部46の開口部46aに押圧リング13を挿入する。なお、押圧リング13は環状シール部材12より硬質の材料で構成されており、例えばステンレス鋼等の金属材で構成されている。
【0038】
しかる後、係合リング8と固定リング9との連結ネジ10による連結を開始し、連結ネジ10を締め付けていく。このとき、連結ネジ10の締め付けに伴って固定リング9がスリーブ4に係合保持された係合リング8に向かって相対移動して、固定リング9の本体部91によって押圧リング13を介して環状シール部材12がシール装填凹部46のテーパ部46b方向(後方向)へと押し込まれていく。そして、環状シール部材12のテーパ面12cがシール装填凹部46のテーパ部46bに衝合した後においては、固定リング9(及び押圧リング13)の移動に伴って、環状シール部材12は軸線方向及び径方向に圧縮され、係合リング8と固定リング9との連結が完了した時点においては、図5(B)に示す如く、環状シール部材12はシール装填凹部46のテーパ部46bと回転軸3との対向周面間に強く接触した状態となり、スリーブ4と回転軸3との間を強力にシールする。なお、環状シール部材12及びシール装填凹部46のテーパ部46bの形状は、係合リング8と固定リング9との連結が完了した状態(固定リング9の嵌合部92が係合リング8の基端面に衝合した状態)において環状シール部材12が適正なシール機能を発揮する圧縮形態となるように設定されている。
【0039】
回転密封環5は、図1に示す如く、先端面(前端面)を軸線に直交する平滑平面である密封端面5aに構成した円環状体であり、密封端面5aをスリーブ4の基端部41に向けた状態で、スリーブ4の先端部42及び円環状鍔部43に固定されたドライビングリング51にOリング52及びドライブピン53を介して嵌合固定されている。回転密封環5は超硬合金等の硬質材で構成されており、ドライブリング51はステンレス鋼等の金属材で構成されている。
【0040】
静止密封環6は、図1に示す如く、先端面(後端面)を軸線に直交する平滑平面である密封端面6aに構成した円環状体であり、シールケース2の本体部21の環状凸部21bに衝合させた状態で当該本体部21に内嵌固定されたアダプタリング61、基端部をアダプタリング61に固着された軸線方向に伸縮可能な筒状のベローズ62及びベローズ62の先端部に固着されたリテーナリング63を介してシールケース2に軸線方向移動可能に保持されている。すなわち、静止密封環6は、シールケース2のバッフル22の外周側において密封端面6aを回転密封環5の密封端面5aに対向させた状態でリテーナリング63に嵌合固定されており、ベローズ62によって回転密封環5に接触すべく軸線方向に押圧附勢されている。静止密封環6はカーボン等の回転密封環5より軟質材で構成されており、アダプタリング61はステンレス鋼等の金属材で構成されており、ベローズ62はニッケル合金(インコネル)等の金属材で構成されており、リテーナリング63はニッケル鋼等の金属材で構成されている。
【0041】
而して、当該メカニカルシールMにあっては、両密封環5,6の密封端面5a,6aの相対回転摺接作用により、その相対回転部分5a,6aの外周側領域である被密封流体領域Aとその内周側領域である非密封流体領域Bとが遮蔽シールされるが、この例では、シールケース2に形成された二次シール空間25に軸周シール14を配設して、非密封流体領域Bにおけるシールケース2内の部分を軸周シール14で閉塞されたクエンチング室B1に形成してある。このクエンチング室B1には、図1に示す如く、シールケース2の本体部21に形成したクエンチング流体供給通路26からクエンチング流体F1(例えば、スチーム等)が供給される。
【0042】
すなわち、軸周シール14は、図1に示す如く、複数個の円弧状セグメントをガータスプリングで回転軸3に緊縛してなる一対のセグメントシール14a,14aからなるもので、クエンチング室B1をシールケース2外の非密封流体領域B部分(大気領域)からシール(二次シール)するものである。クエンチング流体供給通路26は、図1に示す如く、シールケース2の環状凸部21bの内周面に開口するもので、当該環状凸部21bとバッファ22との対向周面間にクエンチング流体F1を供給する。当該対向周面間に供給されたクエンチング流体F1は、バッファ22の外周面に沿ってベローズ62内を通過して密封端面5a,6aへと流動し、その後、反転してバッファ22とスリーブ4との対向周面間を軸周シール14方向に流動して、シールケース2の本体部21に形成されたドレン通路27からシールケース2外に排出され、この間において密封端面5a,6aの冷却、洗浄を行うと共に密封端面5a,6aから漏洩する被密封流体残渣による汚染部分の洗浄を行う。
【0043】
また、シールケース2の本体部21には、アダプタリング61の外周側において被密封流体領域Aに開口するフラッシング流体供給通路28が形成されていて、このフラッシング流体通路28からフラッシング流体F2(例えば、被密封流体や非密封流体に混入しても支障のない液体)を供給することにより密封端面5a,6aをフラッシングするようになっている。
【0044】
なお、ケース本体21の先端部21aと軸封部ケーシング1との衝合部分、ケース本体21の基端部21cとフランジ23との衝合部分及びシールケース2の環状凸部21bとアダプタリング61との衝合部分には、夫々、環状ガスケット2a,2b,64が介装されている。この例では、各環状ガスケット2a,2b,64及び回転密封環5とドライビングリング51との間に介装されたOリング52は、環状シール部材12と同質材で構成されている。
【0045】
以上のように構成されたメカニカルシールMは、セット爪7をスリーブ4の環状凹部44に係合させて静止側密封要素M1と回転側密封要素M2とをメカニカルシール組立形態に一体連結した状態で、ボルト・ナット1a,1bによりシールケース2を軸封部ケーシング1に着脱させると共に係合リング8及び固定リング9によりスリーブ4を回転軸3に着脱させることによって回転機器に取り付け、取り外しすることができる。
【0046】
このとき、スリーブ4の回転軸3への固定は、上記したように、スリーブ4に係合させた係合リング8と固定リング9とを連結ネジ10により連結させると共に固定リング9を固定ネジ11により回転軸3に固定させることによって行われるから、軸線方向の一箇所に固定ネジ11を螺合させる固定リング9は、軸線方向に所定間隔を隔てる二箇所に回転軸固定ネジとスリーブ固定ネジとを螺合させる必要のある第1及び第2従来メカニカルシールの固定リングに比して、軸線方向長さを短くすることができる。したがって、シールケース2外に突出するスリーブ4の基端部41は係合リング8を係合させるに必要且つ十分な軸線方向長さがあれば足りることとも相俟って、シールケース2外に突出するスリーブ部分(スリーブ4の基端部41及びこれに係合リング8を介して連結される固定リング9)の軸線方向長さは、第1及び第2従来メカニカルシールに比して短尺となり、メカニカルシール設置スペースが小さいためシールケース外の軸線方向スペースを大きく確保できない回転機器においても、メカニカルシールMを良好に装着することができ、適用できる回転機器が制限されることが少ない。
【0047】
また、スリーブ4の基端部41には、係合リング8を係合させるための係合凹部45が形成されるのみで、第3又は第4従来メカニカルシールのような貫通孔(係合孔又はネジ挿通孔)が全く形成されないから、スリーブ4の強度が低下することがない。しかも、係合リング8はスリーブ1に軸線方向相対移動不能(及び相対回転不能)に係合されているにすぎないが、軸線方向において連結ネジ10により固定リング9に強固に連結されるため、第3従来メカニカルシールのように固定リングを係合ピンによりスリーブに固定している場合に比して、固定リング9を強固にスリーブ4に固定することができる。したがって、第3及び第4従来メカニカルシールに比して、スリーブ4の回転軸3への固定を確実且つ強固に行うことができ、スリーブ固定の信頼性が高い。
【0048】
また、第1、第2及び第4従来メカニカルシールにおいては、固定リングのスリーブへの固定を強固に行うためにスリーブ固定ネジの締め付け力を高くすると、当該締め付け力によりスリーブに歪が生じる虞れがあり、スリーブの肉厚を必要以上に厚くしておく必要がある。しかし、上記したメカニカルシールMでは、固定リング9のスリーブ4への固定をスリーブ4に係合させた係合リング8との連結ネジによる連結によって行うようにしているから、スリーブ4に歪を生じさせることなく固定リング9をスリーブ4に強固に固定することができ、スリーブ4の肉厚を可及的に薄くしておくことができる。
【0049】
ところで、第1〜第4従来メカニカルシールでは、スリーブと回転軸との間のシール(二次シール)をスリーブの内周面に形成したOリング溝に係合保持させたOリングによって行っているが、このOリングの径方向への圧縮度(スリーブと回転軸との対向周面におけるシール力)はスリーブの回転軸への挿入を容易に行うために一定以上高くすることはできない。したがって、被密封流体が高圧である条件下では、スリーブと回転軸との間のシール力が不足する場合があり、安定したメカニカルシール機能を発揮できない虞れがある。
【0050】
しかし、上記したメカニカルシールMでは、スリーブ4に形成したシール装填凹部46に装填した環状シール部材12を軸線方向に押圧、圧縮することにより当該凹部46のテーパ部46bによって径方向に圧縮して回転軸3とスリーブ4との対向周面間に強く圧接させることから、回転軸3とスリーブ4との間のシール力が第1〜第4従来メカニカルシールに比して大幅に増大する。したがって、被密封流体が高圧である条件下においても、回転軸3とスリーブ4との間を良好にシールすることができ、安定したメカニカルシール機能を発揮することができる。しかも、環状シール部材12の圧縮が係合リング8と固定リング9との連結に伴って自動的に行われることから、メカニカルシールMの組立作業を極めて効率よく容易に行うことができる。
【0051】
なお、本発明の構成は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適宜に改良、変更することができる。
【0052】
例えば、環状シール部材12は、上記した如く、外周面の一部をテーパ面12cとする断面台形状のものであることが好ましいが、軸線方向に押圧、圧縮されることによりシール装填凹部46のテーパ部46bによって径方向に圧縮変形されるものである限り、その形状は任意である。環状シール部材12として、例えば断面円形状のOリングを使用することも可能である。また、係合リング8と固定リング9との連結に伴って環状シール部材12を直接に押圧するための押圧リング13は、固定リング91の本体部91に一体形成しておいてもよい。
【0053】
また、係合リング8は、スリーブ4に軸線方向相対移動不能に係合できればよく、必ずしも上記した如くスリーブ4に相対回転不能に係合させておく必要はない。しかし、係合リング8を、スリーブ4に軸線方向相対移動不能に係合させると共に相対回転不能に係合させておくことにより、スリーブ4の回転軸3への固定がより安定すると共に係合リング8と固定リング9との連結作業もより効率よく容易に行うことができる。
【0054】
また、被密封流体がさほど高圧でない条件下で使用されるメカニカルシールMにおいては、図6に示す如く、第1〜第4従来メカニカルシールと同様に、スリーブ4の内周面に形成したOリング溝に係合保持させたOリング65によって回転軸3とスリーブ4との間をシールするようにしてもよい。この場合、図7に示す如く、係合リング8と固定リング9との連結時においてスリーブ4の基端面が固定リング9の本体部91に衝合するように構成しておくことができ、シールケース2外へのスリーブ4の軸線方向突出量(及び固定リング9の軸線方向長さ)をより小さくすることができる。なお、図6及び図7に示すメカニカルシールMの構成は、上記した点を除いて、図1図5に示すメカニカルシールMと同一であるから、同一である構成部分については図6及び図7において図1図5に示す符号と同一符号を使用することにより詳細な説明は省略する。
【0055】
また、本発明は、上記したカートリッジ構造のメカニカルシールMに限定されず、メンテナンス等のためにスリーブ4を回転軸3に着脱可能に固定する必要のあるすべてのメカニカルシール(例えば、各構成部材を各別に一定の手順で回転機器に組み込むようにしたメカニカルシール)に適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 軸封部ケーシング
2 シールケース
2a 環状ガスケット
2b 環状ガスケット
3 回転軸
4 スリーブ
5 回転密封環
5a 回転密封環の密封端面
6 静止密封環
6a 静止密封環の密封端面
7 セット爪
8 係合リング
8a 係合リングのネジ孔
8b 係合リングの係合凸部
9 固定リング
10 連結ネジ
11 固定ネジ
12 環状シール部材
12a 環状シール部材の基端部
12b 環状シール部材の先端部
12c 環状シール部材のテーパ面
13 押圧リング
14 軸周シール
14a セグメントシール
21 ケース本体
21a ケース本体の先端部
21b ケース本体の環状凸部
21c ケース本体の基端部
22 バッフル
23 フランジ
23a フランジの環状壁
24 閉塞板
25 二次シール空間
26 クエンチング流体供給通路
27 ドレン通路
28 フラッシング流体供給通路
41 スリーブの基端部
42 スリーブの先端部
43 スリーブの円環状鍔部
44 スリーブの環状凹部
45 スリーブの係合凹部
46 シール装填凹部
46a シール装填凹部の開口部
46b シール装填凹部のテーパ部
51 ドライビングリング
52 Oリング
53 ドライブピン
61 アダプタリング
62 ベローズ
63 リテーナリング
64 環状ガスケット
91 固定リングの本体部
91a 固定リングのネジ孔
91b 固定リングの凹部
92 固定リングの嵌合部
93 固定リングの鍔部
94 固定リングのネジ挿通孔
A 被密封流体領域
B 非密封流体領域
B1 クエンチング室
F1 クエンチング流体
F2 フラッシング流体
M メカニカルシール
M1 静止側密封要素
M2 回転側密封要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7